淳和「私って不人気なのかな……?」 海翔「え?」


1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 09:10:51.16 ID:+RF5Zz810
淳和「……」

海翔「どしたの、急に」

淳和「……これ見て」スッ

海翔「ん? これって……」

『大徳淳和は空手かわいい(165)』

海翔「……」

淳和「私のスレなんだけど、書き込みが全然なくって……」

海翔「……淳ちゃん、@ちゃんねる見てるんだ」

淳和「う、うん……たまにだけど」


ソース: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1362701451/


3 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 09:12:50.96 ID:+RF5Zz810
海翔「でもさ、少ないって言っても165レスもあるじゃない」

淳和「っ! これ見ても同じこと言える……!?」

『瀬乃宮あき穂はジャキーンかわいい 2(407)』

海翔「あきちゃんのスレまであるんだ……」

淳和「しかも2スレ目……」

海翔「すごいの? それ」

淳和「だ、だって単純計算でレスが私の8倍なんだよ?」

海翔「そっか……たしかに」


5 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 09:14:57.27 ID:+RF5Zz810
淳和「それに、アニキャラ板にもスレがあったみたいだし……もう落ちてるけど」

海翔「なら、淳ちゃんも立てればいいじゃん」

淳和「い、いやだよぉ! そんなの……」

海翔「なんで?」

淳和「本人が自分のスレ立てるとか見っともないっていうか……」

海翔「そうかなぁ?」

淳和「そ、そうだよぉ! それに、立てたってすぐ落ちちゃうだろうし……」

海翔「うーん……」


7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 09:16:55.49 ID:+RF5Zz810
淳和「それにね、神代さんはもっとすごいんだよ?」

海翔「こなちゃんが?」

淳和「うん、これ見て」スッ

『神代フラウはデュフフかわいい 2(793)』

海翔「デュフフかわいいって……」

淳和「神代さんはアニキャラ板にもスレあるし、この前のノイタミナ人気投票でも一位だったし……本当に人気者なんだよ」

海翔「ノイタミナ人気投票?」

淳和「うん、公式で結果が発表されてるよ」

海翔「へえ、どれどれ……」


9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 09:19:10.14 ID:+RF5Zz810
1位 神代フラウ

2位 日高昴

3位 八汐海翔

海翔「昴君が2位!?」

淳和「……うん、そうみたい」

海翔「んで俺が3位……?」

淳和「……すごいね」

海翔(なんか知らないけどむかつく……)ピキッ

淳和「ど、どうしたの?」


11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 09:20:57.63 ID:+RF5Zz810
海翔「いや、なんでも」

淳和「そ、そっか」

海翔「そういや、淳ちゃんやあきちゃんは? これには3位までしか載ってないみたいだけど……」

淳和「……」

海翔「?」

淳和「……だよ」

海翔「なに? よく聞こえ……」

淳和「ら、ランク外だよぉ! てやぁ!」ボコッ

海翔「ぐふぅ!」


13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 09:24:24.88 ID:+RF5Zz810
淳和「うぅ……」

海翔「ご、ごめん……でもさ、泣くことないじゃん」

淳和「や、八汐君には不人気者の気持ちなんてわからないよぉ!」

海翔「お、落ち着いて……!」

淳和「……っ」

海翔「大丈夫? なんか飲み物買ってこようか?」

淳和「……スコール」

海翔「わかった、スコールね」


18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 09:28:12.76 ID:+RF5Zz810
淳和「……」ゴクゴク

淳和「……けぷ」

海翔「どう? 気分は」

淳和「……」

海翔(すっごい落ち込んでるよ……こりゃどうしたもんかなぁ)

淳和「……八汐君」

海翔「ん、なに?」

淳和「私って地味……?」

海翔「え?」


20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 09:32:10.96 ID:+RF5Zz810
淳和「地味だよね……」

海翔「そ、そんなことないって!」

淳和「じゃあ私に魅力的なところってあるの?」

海翔「え、えーっと……」

海翔(淳ちゃんの魅力的なところ……淳ちゃんの魅力的なところ……)

海翔「空手……とか?」

淳和「うぅっ……そうやってバカにして……」ポロポロ

海翔(うわぁっ! 墓穴ほったぁ!)


23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 09:42:54.60 ID:+RF5Zz810
海翔「ほ、ほら……涙拭いて」

淳和「……っ」グシュ

海翔(まぁ、たしかに空手が上手とは言えないもんなぁ……)

淳和「どうせ私なんて不器用で、鈍臭くて、万年県予選一回戦落ちですよ……」

海翔「い、いやでもさ! そんなところがかわいいって感じる人もいると思うよ?」

淳和「かわいい……?」

海翔「うん。男ってさ、基本的に女の子のことを守ってやりたいと思う生き物なんだよ」

海翔「だから、少しは弱みもあった方が庇護欲そそられるっていうかさ。大事にしてあげたいって思うんだ」


25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 09:46:59.62 ID:+RF5Zz810
淳和「そうなのかなぁ……」

海翔「そうだよ。だから、淳ちゃんがコンプレックスに感じてることが逆にチャームポイントになったりするかも」

淳和「コンプレックス……」

海翔「なんかある?」

淳和「……その、知ってるとは思うけど」

海翔「うん」

淳和「わ、私って……地肌が少し黒いから……」

海翔「え、あれって日焼けじゃないんだ?」

淳和「てやぁ!」ボコッ

海翔「ぐはぁ!」


26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 09:53:48.96 ID:+RF5Zz810
淳和「冬に日焼けなんてしないよぉ!」

海翔「いや、日サロにでも通ってるのかと……」

淳和「通わないよぉ! 第一この島に日サロなんてあるわけないじゃない!」

海翔「そ、そうだね……」

淳和「うぅ……」

海翔「ごめんごめん……それで、肌の色がコンプレックスなの?」

淳和「うん……」

淳和「あき穂ちゃんとか神代さんとか、すごく肌が白くてきれいでしょ?」

淳和「それに比べて私はなんでこんなに黒いんだろうって……」


29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 10:00:28.25 ID:+RF5Zz810
海翔「でも、そういうの好きな人もいると思うよ?」

淳和「え……?」

海翔「海外に出れば黒人から白人までいろんな肌の人がいるわけだし、日本人だって一応は黄色人種だ」

海翔「それに淳ちゃんのは黒っていうか小麦色って感じだし」

海翔「こなちゃんみたく引きこもって青白い肌してるよりか、健康的でいいと思うけどな」

淳和「そ、そう……かな」

海翔「うん、自信持っていいと思うよ」

淳和「あ、ありがとう……八汐君」

海翔「お礼言われるようなことなんてしてないよ」

淳和「……///」


31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 10:08:26.71 ID:+RF5Zz810
海翔「あ、思いついた」

淳和「なにを?」

海翔「淳ちゃんのいいところ」

淳和「え……な、なに?」

海翔「ズバリ……かわいい」

淳和「え……」

海翔「淳ちゃん、顔かわいいじゃない」

淳和「え、ええっ!///」

海翔「高三にしては若干幼く見えるけど、それでもそっち系の人にはドストライクな顔立ちだと思うよ?」

淳和「そ、そっち系!?」


33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 10:13:14.01 ID:+RF5Zz810
海翔「秋葉原にいるおっきなお友達とか」

淳和「な、なんか怖い……」ビクッ

海翔「合法ロリだね」

淳和「ま、まだ高校生だよぉ!」

海翔「それに身長もちっちゃいしね」

淳和「き、気にしてるのにぃ……」

海翔「それもあれだよ。さっき言ったコンプレックスがチャームポイントになるってやつ」

淳和「なんかうまく言いくるめられてる気がする……」


36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 10:24:02.58 ID:+RF5Zz810
海翔「そういえば淳ちゃんって料理上手なんだっけ?」

淳和「じ、上手かどうかはわかんないけど……いつも弟たちにご飯作ってるよ」

海翔「よかったら食べさせてよ」

淳和「ええっ!?」

海翔「ありゃ、ダメだった?」

淳和「そ、そんなことないけど……」

海翔「じゃあいいじゃない。女子力を見せつければもしかしたら人気も上がるかも」

淳和「ネットの向こうの人たちにはわからないよぉ!」

ギュルル…

淳和「あ……///」

海翔「決まりだね」ニヤッ


40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 10:37:42.98 ID:+RF5Zz810
淳和「じゃあすぐに作るから待っててね」

海翔「うん」

ジャージャー

海翔(いい匂いだ……)

海翔「ん、なんだこれ」

『解明! 都市伝説の謎に迫れ』

海翔(ああ、そういえば純ちゃんってこういうの好きだったっけ……)ペラペラッ

淳和「できたよー」

海翔「お、待ってました!」

淳和「えっと、ゴーヤーチャンプルーだよ。一応得意料理なんだ」

海翔「うっ……」

淳和「どうしたの? ……あ、もしかして苦手だった?」


43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 10:41:48.20 ID:+RF5Zz810
海翔「い、いや全然……食べるよ」

海翔(この苦味だけは未だに慣れないんだよなぁ……)

淳和「む、無理しないでね……」

海翔「いただきます……」パクッ

淳和「ど、どう……かな?」

海翔「っ! おいしい……!」

淳和「ほ、ほんと?」

海翔「うん。苦味もほとんどないし、味付けもいいし……」モグモグ

淳和「よ、よかったぁ……」


45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 10:49:23.96 ID:+RF5Zz810
海翔「ごちそうさまでした」

淳和「はい、お粗末さまでした」ニコッ

海翔「ふぅ、おいしかった。淳ちゃん、やっぱり料理うまいね」

淳和「そ、そんなことないよ……///」

海翔「だって、ゴーヤ嫌いの俺でさえ箸が止まらなかったんだよ? 十分すごいって」

淳和「やっぱり苦手だったんだ、八汐君……」クスッ

海翔「まあね……でも、淳ちゃんの作ってくれたゴーヤなら食べられる気がするよ」

淳和「っ……や、八汐君……あ、あの……」

海翔「ん?」

淳和「こ、今度また作ってあげるって言ったら……うちに来てくれる?」

海翔「え……うん、もちろん」


47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 10:58:32.74 ID:+RF5Zz810
淳和「そ、そっか……ありがと……///」

海翔「?」

淳和「っ、そ、それよりさ……さっきの本!」

海翔「え、あの都市伝説がどうちゃらってやつ?」

淳和「そう! 八汐君もやっぱり興味ある?」

海翔「え、えーっと……」

淳和「これなんて面白いよ? この種子島のどこかに、あのバミューダトライアングルに通じてる海域があるんだって」

海翔「へえ……」

淳和「前に漁船が行方不明になってね? 数日後に太平洋の真ん中で発見されたんだって!」

海翔(淳ちゃん、こういうの話すときはすごく熱っぽいよなぁ……)

海翔(こういう意外な一面も、淳ちゃんの魅力の一つなのかも)


51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 11:07:17.59 ID:+RF5Zz810
淳和「他にも、サーファーの人が中山海岸ですごくおっきい魚影を見たって……」

海翔「淳ちゃんってさ」

淳和「ん?」

海翔「ある意味、あきちゃんよりもオタクかもね」

淳和「え……」

海翔「都市伝説オタク」

淳和「そ、そうかなぁ……」

海翔「だっていつもはおどおどしてるのに、都市伝説のことになると急に人が変わるじゃない?」

淳和「ご、ごめん……もしかしてちょっと引いちゃった……?」

海翔「ううん、かわいいと思うよ」

淳和「ひぇっ……か、かわいい……?///」

海翔「うん、あきちゃんもそうだけどさ……何かに夢中になってる女の子って、それだけでかわいい気がする」

淳和「っ!」ドキッ


53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 11:13:46.62 ID:+RF5Zz810
海翔「どうかした?」

淳和「え、えと……あの……わたっ……私……///」

海翔「?」

淳和「っ……あ、洗い物してくるね……!」ダダッ

海翔「あ、うん」

海翔(あんなに慌ててどうしたんだろ……?)

ジャージャー

淳和「……///」ドキドキ

淳和(うぅ……さっきから心臓のバクバクが止まんないよぉ……)

淳和(どうしてだろ……八汐君のことを考えると……)

淳和「……っ」

淳和(胸がキュゥって痛くなる……)


55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 11:19:13.07 ID:+RF5Zz810
フキフキ…

淳和「ふぅ……」

海翔「終わった?」

淳和「ひゃわわ!」

海翔「ど、どしたの?」

淳和「い、いきなり後ろに立たれるからびっくりして……」

海翔「あ、ごめんごめん」

淳和「ううん……それで、どうしたの?」

海翔「うん、食後の散歩でもどうかなって」

淳和「あ、うん……わかった。ちょっと準備するから待ってて」

海翔「うん」


60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 11:24:36.57 ID:+RF5Zz810
ガララッ

淳和「お、お待たせ」

海翔「おお、帽子似合ってるね」

淳和「あ、ありがと……///」

海翔「それじゃブラッと行きますか」

淳和「そ、そうだね」

スタスタ…

海翔「そういえば淳ちゃん、もうすっかり元気になったね」

淳和「え、なにが?」

海翔「さっきまで不人気だーって落ち込んでたじゃない」

淳和「あ、あれは……っ!///」

海翔「でもわかったでしょ? 淳ちゃんは淳ちゃんなんだから、自分らしくありのままでいればいいんだよ」

淳和「う、うん……ありがと」


64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 11:31:18.16 ID:+RF5Zz810
淳和「あ、あの……八汐君」

海翔「ん?」

淳和「わ、私……八汐君に訊きたいことが……」

海翔「え、なに?」

淳和「えっとね……八汐君は、私のこと……」

ビュウウウ…!

淳和「きゃっ!」

海翔「あ、帽子が……!」

淳和「う、海の方まで行っちゃった……」

海翔「取ってくるよ」

淳和「え、無理だよぉ!」

海翔「大丈夫大丈夫。ちょっとポケコンだけ預かってて」

ダダッ

淳和「や、八汐君!」


66 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 11:39:30.82 ID:+RF5Zz810
淳和「だ、大丈夫かな……」オロオロ

淳和「帽子なんて持ってこなければよかったよ……」

淳和(でも八汐君……私なんかのために取りに行ってくれた……)

淳和「……っ」

淳和(訊きそびれちゃったなぁ……八汐君の気持ち)

淳和(ううん……ありえないよね。訊かない方が絶対によかったよ……)

淳和(だって、そんなのわかりきったことだし、傷つくだけだもん……)

「……おーい!」

淳和(きっと八汐君は、あき穂ちゃんのことが……)

「おーい! 淳ちゃーん!」

淳和「……!」


68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 11:53:54.98 ID:+RF5Zz810
淳和「や、八汐君!」

海翔「どしたの? ボーっとして」

淳和「な、なんでも……」

淳和「っ! そ、それより八汐君こそ平気? 服とかビショビショになって……」

海翔「ああ、これくらいなんてことないよ……それより、はいこれ」

淳和「わ、私の帽子……見つかったんだ……」

海翔「一回洗濯した方がいいね。だいぶ海水吸っちゃってるから」

淳和「あ、ありがとう……八汐君」

海翔「いいのいいの……っ、ぶぇっくしょん!」

淳和「た、大変……! 風邪引いちゃうよ!」

海翔「うぅ……」ズルル

淳和「と、とりあえず私の家に戻ろ……!」


73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 12:00:31.24 ID:+RF5Zz810
海翔「さぶさぶ……」ブルルッ

淳和「ち、ちょっと待っててね……お父さんの服持ってくるから」

海翔「う、うん……」

ダダッ

淳和「は、はいこれっ! 少し大きいかもしれないけど……」

海翔「いや、全然助かるよ。ありがとう」

淳和「ううん……私の方こそ」

海翔「……」

淳和「……」

海翔「あの……淳ちゃん?」

淳和「え?」

海翔「淳ちゃんにそこにいられると、着替えられないんだけど……」

淳和「っ! ご、ごめん!///」ダダッ


76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 12:13:53.56 ID:+RF5Zz810
海翔「もう入って平気だよー」

淳和「し、失礼します……」

海翔「はは、これじゃどっちの家だって話だね」

淳和「……き、気分はどう?」

海翔「大丈夫だよ。体もだいぶあったまったし」

淳和「よかった……」

海翔「……?」

淳和「ごめんね、八汐君……私なんかのために……」

海翔「何回謝ってんのさ。もういいってば」

淳和「でも……」

海翔「淳ちゃん、これから『でも』だとか『ごめん』だとか言ったらデコピンね」

淳和「え、ええっ!?」


78 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 12:19:10.80 ID:+RF5Zz810
淳和「で、でもぉ……」

海翔「はい、一回」コツン

淳和「あ、痛っ!」

海翔「『でも』はダメって言ったでしょ?」

淳和「で、でも……」

海翔「あ……」

淳和「っ! ご、ごめんなさいごめんなさい!」

海翔「んん? 今度は『ごめん』二回かぁ……」

淳和「や、八汐君のいじわる……」


82 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 12:31:14.16 ID:+RF5Zz810
海翔「ごめんごめん、冗談だよ。淳ちゃんの反応がおもしろくてつい」

淳和「ひ、ひどい……」

海翔「淳ちゃんはいじられキャラだから」

淳和「そ、そんなのなりたくないよぉ……」

海翔「ははっ」

淳和「うぅ……」

カァーカァー

海翔「もう日も沈んできちゃったか……」

淳和「それ、着たままでいいからね。後で返してくれれば」

海翔「助かるよ。お父さんにもお礼言っておいて」

淳和「うん」


86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 12:37:47.13 ID:+RF5Zz810
海翔「そういえば」

淳和「ん?」

海翔「あの岬でさ……淳ちゃん、俺に何訊こうとしてたの?」

淳和「えっ……」

海翔「ずっと気になってたんだよね」

淳和「そ、それは……」

海翔「?」

淳和「……っ」

海翔「……淳ちゃん?」

淳和「や、八汐君……っ!」

海翔「ん、なに?」


87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 12:42:16.18 ID:+RF5Zz810
淳和「や、八汐君は……私のこと、その……」

海翔「……」

淳和(う、ううん……違う、そうじゃない……)

淳和(他人にどう思われてるかじゃない……私の、今の気持ちを正直に伝えよう)

淳和「すぅ……はぁ……」

淳和「や、八汐君……」

海翔「……なに?」

淳和「私、八汐君のことが……好き、です」

海翔「……」

淳和「……そ、それだけ」

海翔「……そう」

淳和「ごめん、質問じゃなかったね……はは」


90 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 13:01:32.63 ID:+RF5Zz810
海翔「……じゃあ、俺が淳ちゃんに質問していい?」

淳和「え……ど、どうぞ」

海翔「えー……俺は淳ちゃんのことどう思ってるでしょう」

淳和「えっ……」

海翔「ちっくたっく……」

淳和「じ、時間制限あるの!?」

淳和「え、えと……うーん……」

淳和(八汐君、なんでこんな質問を……?)

海翔「はい、ブー」

淳和「も、もう終わり……!?」

海翔「不正解者にはデコピンの刑」コツン

淳和「あぅ……」


92 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 13:06:03.52 ID:+RF5Zz810
海翔「正解は……」

淳和「……」ゴクリ

海翔「……俺も好き」

淳和「えっ……」

海翔「……」

淳和「……」

海翔「俺も好き、でしたー」

淳和「……」

海翔「な、なんか反応してよ……やってるこっちがバカみたいじゃん」

淳和「……はっ!」


95 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 13:14:07.70 ID:+RF5Zz810
淳和「で、でもでも……! 八汐君はあき穂ちゃんのことが好きなんじゃ……」

海翔「あきちゃん? 誰がそんなこと言ったの?」

淳和「え……だ、誰も言ってないけど……」

海翔「じゃあ、どうして?」

淳和「な、なんとなく……雰囲気で」

海翔「うーん……あきちゃんは確かに好きだけど、それは異性としてじゃなくっていうか」

海翔「妹……いや、ペットかな」

淳和「……あき穂ちゃん聞いたら怒るよ?」

海翔「まあ、とにかくそういうんじゃないんだ。あきちゃんとは」

淳和「……そ、そっか」

海翔「うん……」


96 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 13:17:12.88 ID:+RF5Zz810
淳和「あの……八汐君」

海翔「なに?」

淳和「えと、その……好きです」

海翔「……お、俺も……好きです」

淳和「……///」

海翔「……///」

淳和「ほ、ほんとに私でいいの……?」

海翔「うん……逆に、淳ちゃんは俺でいいの?」

淳和「も、もちろんだよ……」


98 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 13:27:08.42 ID:+RF5Zz810
海翔「えっと……これからよろしく」

淳和「う、うん……よろしく」

海翔「……」

淳和「……」

海翔「とりあえずキスでもする?」

淳和「き、キスっ!?///」

海翔「いや、そんな驚かなくても」

淳和「お、驚くよぉ!」

海翔「いや、嫌ならいいんだけどさ……」

淳和「い、嫌じゃないけど……いきなりすぎるというか……もう少し段階を……///」ゴニョゴニョ

海翔「んー……じゃあ手握ってもいい?」

淳和「っ! そ、それくらいなら……///」


99 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/08(金) 13:32:49.91 ID:+RF5Zz810
海翔「……いくよ?」

淳和「は、はい……っ」

海翔「なんで敬語……? まあ、いいや」

淳和「ち、ちゃんとカウントしてね……」

海翔「カウント?」

淳和「い、いきなりだとその……ビックリしちゃうから……」

海翔「うん、わかった」

海翔「んじゃ、せーの……」

…ギュ

おわり

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