雪乃「比企谷くん、バレンタインね」


1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/18(火) 01:18:49.73 ID:6gxuqSnO0
八幡「は?」

雪乃「だからバレンタインよ。……あ、ごめんなさい、比企谷くんには縁のないイベントだったわね」

八幡「最初からそれが言いたかっただけだろ……。だが残念だったな、俺は毎年k」

雪乃「小町さんからの分はノーカウントよ」

八幡「そんな殺生な……」

雪乃「やっぱりね、そんなことだろうと思ったわ」

八幡「……つーかなんで今さらバレンタインなんだよ。とっくに終わったっつーの」

雪乃「いえ、私も先週の金曜日に由比ヶ浜さんからチョコを貰った時に気づいたのよ」

八幡(え……、俺貰ってねーんだけど。……べ、別に欲しくなんてないんだから)

八幡「へ、へぇ、にしてもあれだな、バレンタインに気づかない女子高生ってのもすごいよな」


ソース: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1392653929/


7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/18(火) 01:22:21.72 ID:6gxuqSnO0
雪乃「仕方ないじゃない。今までこういった行事に参加したことがなかったのだから」

八幡「悲しすぎる……。俺も似たようなもんだけど」

雪乃「違うわ。あなたは参加したくてもできなかっただけでしょう。私は自分の意思で参加しなかったのよ」

八幡「……いやでも、貰うだけなら自分の意思なんて関係ないだろ。由比ヶ浜から貰ったのだってそうじゃん」

雪乃「ち、違うわ。私の意思よ」

八幡「ふーん、へぇー」

雪乃「……貰う方はともかくとして、……あげるほうの話よ」

八幡「あー、確かに色々めんどくさそうではあるしな。女子同士の場合は特に」

雪乃「はぁ……、まぁいいわ」

八幡「え、なにそのゴミを見るような目」


10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/18(火) 01:27:54.40 ID:6gxuqSnO0
雪乃「そんなゴミ谷くんのことだから、どうせ今年もチョコをもらえなかったのでしょう?」

八幡「言葉の端々がすげぇトゲトゲしてんだけど……」

雪乃「で、どうなのよ」

八幡「……さっき小町の分ノーカンにされちゃったからなー」

八幡「ま、気を使ってくれるくらいなら、チョコなんていらないけどな」

雪乃「へぇ、そういうものなの。私はてっきりもっと深刻なダメージを受けているものだと思っていたのだけれど」

八幡「そう思うなら掘り返すなよ……。俺レベルになるとノーチョコが基本だし、最初から変な期待してないからな」

雪乃「かわいそうに」

八幡「お前が言わせたんだろ……」


12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/18(火) 01:34:39.68 ID:6gxuqSnO0
八幡(思えば今回だってそうだ)

八幡(葉山が気まずそうにチョコを分けようとしてくれやがったことも——)

八幡(戸塚が『はちまーん、こんなにいっぱい食べられないよー』と可愛く言ってきたことも——)

八幡(材木座が得意気にチロルチョコを見せびらかしてきたことも、あ、こいつはどうでもいいや)

八幡(とにかく、全部バレンタインとかいうチョコレート会社の陰謀が悪い。クソが)

八幡(……あれ、俺としたことが結構ダメージ受けてんのかな。無意識に期待してたんだろうか……。わかんね)


16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/18(火) 01:43:55.28 ID:6gxuqSnO0
雪乃「そんな恵まれない比企谷くんに、はい、これあげるわ」

八幡「は? えっ……、それってチョコ?」

雪乃「ええ、そうだけれど」

八幡「えっ、お、俺にくれんの?」

雪乃「そう言ってるじゃない。あ……、もしかして、チョコは嫌い、かしら」

八幡「い、いや、そういうわけじゃないが……」

八幡(なんだ、なんのトラップだ? よりによって雪ノ下が……、毒でも盛ってんの? それとも呪いの類?)

八幡(いや、同じ部活の部員なんだし、これくらい普通なのか? 悲しいことにサンプル不足過ぎて分からん)


18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/18(火) 01:46:49.62 ID:6gxuqSnO0
雪乃「あの、受け取ってもらえるかしら」

八幡「あ、ああ」

雪乃「そう……、はい、どうぞ」

八幡「お、おう、さんきゅ」

雪乃「……ふふ」

八幡「な、なんだよ」

雪乃「さっきからあなたがおろおろしてるのが面白くて」

八幡「うるせー、慣れてないんだよ」

雪乃「……私だってそうよ。さっき言ったでしょう。バレンタインには参加したことがないって」

雪乃「だから……、あなたにあげるのが初めてよ」

八幡「そ、そうか」

雪乃「……」

八幡「……」


23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/18(火) 01:56:27.72 ID:6gxuqSnO0
ガラッ

結衣「やっはろー!」

雪乃「……こんにちは、由比ヶ浜さん」

結衣「あれ? 二人で何してるの?」

八幡「こここ、ここれはだな、あ、ああれだ、に、日本経済の今後について」

雪乃「比企谷くんにチョコを渡していたところよ」

八幡(あぁ、めんどくさいことになりそうな予感)

結衣「え!? ゆきのんがヒッキーにあげたの?」

雪乃「ええ」


26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/18(火) 01:59:17.21 ID:9fi+D0Tp0
八幡「…じゃあ食べるわ」

パク

八幡「この味は…納豆?チョコに納豆ってどう考えても罰ゲームの域だが、自然と美味しい」

雪ノ下「それは水戸産の納豆よ。そこらの納豆と一緒にしないでくれるかしら」

八幡「いや、水戸の納豆が美味しいのはしってるがチョコと合うとは思わなかった」

雪ノ下「私が納豆がチョコと合うように試行錯誤を重ねたのよ」

八幡「流石茨城県民だな」

雪ノ下「とはいえ日立製の電化製品を使えば容易に作れたわ」


30 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/18(火) 02:01:18.09 ID:6gxuqSnO0
結衣「ヒッキー! どういうこと!?」

八幡「矛先俺かよ!」

結衣「だって、貰ったんでしょ!?」

八幡「べ、別に俺が誰から貰おうが勝手だろ!」

結衣「それはそうだけど……」

八幡「ああ、この話は終わりだ」

結衣「ま、まって!」

八幡「あ?」

結衣「……あたしからもあげる」

八幡「えっ」


33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/18(火) 02:08:33.41 ID:6gxuqSnO0
結衣「あ、あのね、本当はバレンタインに渡すつもりだったんだけど……」

結衣「頑張って作ってたら、間に合わなくて……。ごめんね?」

八幡「い、いや、それはいいんだが……、ってことは手作り?」

結衣「う、うん」

八幡(マジかよ……、変なもん入ってないだろうな)

結衣「はい! 食べたら感想きかせてね」

八幡「あ、ああ、さんきゅ」

雪乃「比企谷くん比企谷くん、私のも手作りよ」

八幡「お、おう」


34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/18(火) 02:10:15.10 ID:9fi+D0Tp0
八幡「お、おう。すまねぇな」

結衣「今食べて!」

八幡「え、いや俺今雪ノ下のチョコ食べて、お腹いっぱいだったり…」

結衣「そんな訳ねぇーーぺよーーー!!」

八幡「分かった!分かったから茨城弁でキレるな!怖い」

結衣「全く」

八幡「じゃ、食べるかな…」

パク

八幡「こ、これは茨城の特産品、あんこう!美味しいけどチョコとは全く合ってない、帰れ!茨城の漁師さんに謝れ!」


38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2014/02/18(火) 02:16:58.54 ID:9fi+D0Tp0
平塚「さっきから貴様は人様のssで何をしているのだバカモン」

バシッ

八幡「ぐふっ…い、茨城の魅力を伝えようと……」

平塚「だからって他にやり方があるだろ。お前は本当にどうしようもないやつだ」

雪ノ下「あなたのやり方…嫌いよ」

結衣「他の人のことも考えなよ」

八幡「この度はご迷惑をおかけして誠に申し訳ございませんでしたー!!」

八幡は土下座をした

川崎「な、何してるのあんた?」

八幡「……黒のレース」

川崎は八幡の顔面を前蹴りした

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