唯「澪ちゃん…なんで……」


1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 01:10:02.29 ID:4qcFe/ZCO

—部室

  チ~~~~~ン

律「バカやろう……」

紬「うっ……」

唯「澪ちゃん……なんで死んじゃったんだよ…」

律「………ん」

律「そういえば何でだっけ?」

唯「さぁ?…」


ソース: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1257091802/


6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 01:20:27.90 ID:p1S2I2S7O
メトロノーム「ちーん」

なら面白かった


7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 01:20:36.52 ID:4qcFe/ZCO
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唯「なんでだっけ…でもこの部室入った時から感じたんだよ」

唯「もう澪ちゃんは……」

紬「うぅっ…」シンシン

律「解ってるよ…けどその理由がはっきりしないんだよ」

律「澪は確かに……なのに不思議だ」

唯「なんか悩みとか……」


8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 01:25:48.42 ID:4qcFe/ZCO
唯「………あっ…」

律「どうした」

唯「ほら…あの時」

唯「和ちゃんと一緒に帰った後のファミレス……」

律「和ぁ?」

紬「あ…ほら……」

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律『澪ってさ、案外眼鏡かけたら似合うんじゃん』

澪『え~…似合わないよ』


10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 01:32:39.39 ID:4qcFe/ZCO

律『ちょっと和、眼鏡貸して』

澪『イヤいいって…!』

唯『ほら、似合うかも!』

律『さぁさぁ!』スッ

澪『お、こらッ……』

律紬唯和『………』ジィ~~

澪『ど、どうせ似合わないでしょ…』


11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 01:41:03.12 ID:4qcFe/ZCO

律『……………ぷっ』

律『ギャーー似合わねぇえええーー!!!!wwwwwwwww』デコデコデコ

澪『…………………』

唯(マズいよりっちゃん…!)

紬(ど、どうしましょ…)ハラハラ

和(見えないわ…)

バキャーーン

律『でこっ!!』ガシャッ

澪『ッッ帰る!!!!!』


12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 01:47:53.62 ID:4qcFe/ZCO
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唯「今思えば、やっぱりあれが引き金に……」

律「待て待て!!そんなんで死ぬか!?ふつう」

律「…それにそれ二週間も前じゃんか……」

紬「うーん………」

紬「もしかして、三日前のあれじゃあ……」

律「あ、あれって…?」

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—部室

澪「律、消しゴムかして」

律「いいよー」


13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 01:53:14.23 ID:4qcFe/ZCO

澪『へぇ~……』

律『なんだよ…』

澪『律のって、“まとまるクン”じゃないんだ……』

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紬「…………ね?」

律「……!!?!?」

唯「取りあえずなんで死んじゃったのか調べてみない?」


15 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 01:57:48.85 ID:Y9PhmdrF0
律「和ぅ?」

だろうが間違えんな


16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 02:13:04.54 ID:4qcFe/ZCO

律「まだ7時半か……HRで話あるだろうな……」

紬「信じられないわね…」

唯「………ねえ、まだ梓ちゃんは?」

律紬「え?」

唯「梓ちゃんだよ…朝練休むなんて珍しいね……」

律「梓ちゃんっておま…」

ガチャ

澪「おーっす……」

澪「…居ないよね……」

梓「…先輩、唯先輩達ならきっと大丈夫ですよ」


17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 02:21:37.82 ID:4qcFe/ZCO

律「み、澪!?」

澪「………」

梓「…………先輩」

唯「澪ちゃん!梓ちゃん!?…なんで無視するの…?」

律(…………)

紬「これって……」

律「どういう事だ…」

唯「ねえ二人ってば!!」

律(……)


19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 02:27:15.36 ID:4qcFe/ZCO

澪「分かってるよ。きっと皆なら、大丈夫だよね……」

梓「そうですよ!きっと直ぐに……」

律「おい…何のことだよ……」

澪「憂ちゃんも…心配だな…」

梓「…行きましょ。HR始まりますよ」

澪「うん…」

バタン


21 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 02:38:08.30 ID:4qcFe/ZCO


律「ムギ、どういう事だと思う…?」

紬「ちょっと頭が混乱して…」

律「澪は生きてた……というより」

律「なんで私達は“死んだ”なんて思ってたんだろ…」

唯「それに私達が見えてなかったみたい…」

紬「そう……」

唯「澪ちゃんも、梓ちゃんも…」


22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 02:49:19.30 ID:4qcFe/ZCO

律「その梓ちゃんってのやめろよ……」

唯「え?」

律「…もういい。それより、あいつらの言ってた事が気になるな…」

紬「ダイジョウブ、とか…憂ちゃんのことも言ってたよね…」

律「ん?AZUSAは澪とフツウに会話してたな…」

唯「あ………もしかして……」

律「…なに」

唯「死んでるのって…私達なんじゃ……」

律紬 (あ—ッ!)


23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 03:00:21.05 ID:4qcFe/ZCO

紬「でも、そんなような事は…」

律「そうだ!私は確かに昨日聡と話したんだ!!そんな事は—」

唯「だったら私も憂と話したよ」

律「間違いないな……唯、今から憂ちゃんの携帯に電話しろ」

唯「…なんで?」

律「いいから…」

唯「うん」パッピッコッ

prrrrrr・・


26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 03:10:15.64 ID:4qcFe/ZCO

ピッ

憂『お姉ちゃん……?私イジメられてるかもしれない…』

唯「!?どういう事!?」

憂『みんながね……私のこと無視するの……』

憂『話しかけても誰も返事してくれなくて……』

律「どうしたんだ…?」

唯「憂……皆に無視されるって……」

律「(やっぱり……)…ちょっと貸して!」パリ

律「憂ちゃん!?田井中だけど!」


29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 03:18:31.93 ID:4qcFe/ZCO
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—部室

律「ごめんね……抜けてもらっって」

憂「大丈夫ですよ…皆やっぱり気にも留めてなかったですし…」

律「もしかしたら…唯の言う通りかもしれない……」

紬「私達が…」

憂「何ですか?」

唯「いや~…私達死んでるかも、って……」

憂「…………ん?」


32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 03:40:20.33 ID:4qcFe/ZCO

律「やっぱり……心当たりとかないか…」

紬「でもまだそうと決まった訳じゃないでしょ?」

紬「あの二人の言葉思い出して」

唯「じゃあさ…もう本当に死んじゃってるのか試してみることから始めようよ」

律「どうやって?」

唯「ベタに物で殴るとか…」

律「オイ言い出しっぺがやれよ」


33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 03:50:06.67 ID:4qcFe/ZCO

唯「えぇ…じゃあ誰かにいたずらして反応を見るとか…」

律「憂ちゃん、HRで先生何も言ってなかったの?」

憂「特に、いつも通りでしたけど…」

律「なんか存在自体が空気扱いって感じだな…」

紬「でもあの二人は……」

律紬「うーん………」

律「取りあえずここに居てもしょうがないし、外出よう外」


34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 03:57:10.26 ID:4qcFe/ZCO

「なあなあ」

—廊下

律「私達同士はこう—触れるじゃん」

律「周りの連中はどうなのかな?」

チーンコーンカーン・・・

唯「あ、授業終わったみたい」

律「ちょうどいいや、通りすがりにタッチしてみよう」

唯「なるほど!本当に死んじゃってたら触れないもんね」


35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 04:03:59.25 ID:4qcFe/ZCO

わいわい

律(いくぞー)

生徒「……が憎めないよね~」

律(ちょっとゴメンよ…!)

ふぁさ…

律!

憂「きゃぁぁああ!!」

唯紬(あー……)(ダメか…)


37 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 04:20:33.23 ID:4qcFe/ZCO

律「……」

紬「駄目だったね……」

律「お前らもやって来いよ…」

律「私だけかも知んないしさ……」

唯紬憂「ダメでした…」

律「うわぁぁあああもう私ら死んだぁぁあああ!!!!」

唯「あでも…ってことは……」


39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 04:28:29.29 ID:4qcFe/ZCO

唯「聡君もマズいんじゃ……」

律「ハッ……」

律「うわぁぁあああさとしぃぃぃいいい!!!」デコデコ

紬「りっちゃん……」

紬「でも、澪ちゃんや中野さんは何で私達の事覚えてた」

律「ぐずっ……あれ?」

唯「そうだよ!秋山さん達なら、何か知ってるかな!?」

律「…おい、お前ら……」


40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 04:35:56.29 ID:4qcFe/ZCO
羽生さん……好きです。
今期王将戦、お体に気を付けて頑張って下さい。
では
おやすみなさい。来週NHK杯観るからね。

59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 20:06:30.33 ID:4qcFe/ZCO

律「なんだよ…その呼び方…」

律「梓ちゃんとか、秋山さんとか!」

唯「どしたの…?別にいつも通りじゃん」

紬「うん……きっと少し疲れてるのよ」

律「はぁ…?」

憂「あの、それより私達って本当に…」

唯「それ、マズい事になったよねー…」


60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 20:17:26.25 ID:4qcFe/ZCO

憂「どうします?これから」

律「うん…あ!そうだ聡!あいつも……」

律「…ムギは!?昨日誰かと話せたり」

紬「私は……」

紬「昨日は疲れててすぐ寝ちゃったから…誰とも」

唯「う、うい~~…」フランス

憂「大丈夫だよ……」

憂「律さん、聡君のところ行ってみませんか?」


62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 20:26:56.43 ID:4qcFe/ZCO

律「そうだ……あいつもきっと私達みたく困ってる筈…」

紬「じゃあきっとお家に帰ってるかも…」

唯「りっちゃん!行こう」

律「うん…」

律「憂ちゃん大丈夫?」

憂「はい、もちろん」


63 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 20:34:55.75 ID:4qcFe/ZCO
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—田井中家

紬「りっちゃんの家初めて…!」

唯「人の家ってわくわくするよねえ!」

憂「アハハ……」

律「いいんだよ…それより」

律「…………まだ帰ってないな」

憂「え…」


64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 20:42:29.20 ID:4qcFe/ZCO

律「靴がない…」

憂「あ、いつもの」

律「そう……おい、二人とも帰るぞ」

唯「えぇ!?せっかくだから上がりたい!」

律「何言ってんだこんな時に」

唯「ねえムギちゃんも上がりたいでしょ~」

紬「私は~…」

唯「上がろ上がろ~♪」

律「」イィラッッ


66 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 20:47:35.74 ID:4qcFe/ZCO

律「憂ちゃん、ちょっと外してくれる?」

憂「すみません……」ガラッ

シドッッ

唯「あ…ぅ……」アリアリ

律「出るぞ」

紬「うん…」

律「憂ちゃんおまた」ガラッ


67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 20:56:41.70 ID:4qcFe/ZCO
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律「とは言ったものの…」

紬「どうするの?これから…」
律(…!)

唯「どーすーるのー」イライラ

律「なあ……」

紬「なに?」

律「お前達……家来た事あるだろ」


69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 21:05:28.65 ID:4qcFe/ZCO

紬「?さっきので初めてだけど」

唯「りっちゃん、さっきから何かオカシイよ…」

律「ほら!私が風邪ひいた時!お見舞い!」

唯「ホラ…カゼ…オミマイ……?」

律(名前の事といい…間違いない…)

紬「大丈夫かしら…」

律(こいつら記憶がどんどん……!?)

唯「あ…和ちゃんは……?」


71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 21:17:54.48 ID:4qcFe/ZCO

律「そうか…こうなると和も無事かどうか……」

唯「早く学校戻ろうよ!」

律「行こう皆」

紬「…………」

憂「あの…私…」

律「なに?」

憂「いえ……なんでも」

律「…?おい、ムギも」

紬「え…うん、行こ……」

律(………)


73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 21:24:41.86 ID:4qcFe/ZCO
羽生さん暫く封じ手

79 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 23:33:06.38 ID:4qcFe/ZCO

—銭湯 ~湯の和~

カコーーン

律「あぁ~…いい湯だな…」

唯「皆で来るの初めてだね~」

紬「私皆でお風呂に来るの夢だったのぉ♪」

律「憂ちゃん湯加減どう、熱くない?」

憂「大丈夫ですよ、気持ちいいです」

律唯紬憂「ふぅ~・・・・・」


81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 23:43:12.68 ID:4qcFe/ZCO

—学校 教室前

律(開けるよ……)

唯(うん…)

紬(……)

律(し、失礼しま)

唯(ねえ…)

律(な、なんだよ…)

唯(勝手にドア開けたらマズくない?)

律(なに言ってんだ、確かめるだけだろ…)


82 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/02(月) 23:52:19.48 ID:4qcFe/ZCO

唯(いや…勝手にドア開いたら皆びっくりするんじゃないかな……)

律(でもここからじゃよく見えないし…)

唯「そもそもこんなコソコソする必要ないじゃん。どうせ聞こえないんだし」

律(…………)



律「……仕方ない、授業終わるまで待つか…」

唯「うん」


83 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 00:08:07.54 ID:mmFx1YOoO

— 一階、踊り場

律「和大丈夫かな」

唯「うん…それよりこれからどうするか考えようよ」

紬憂「……………」

律(………)

律「ちょっと私トイレ…唯も来る?」

唯「私は大丈夫だよ」

律「……来る?」

唯「え…大丈夫だって」

律「来 る……?」


85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 00:12:58.10 ID:mmFx1YOoO

唯「うん、行く……」

律「じゃあ私達トイレ…ムギと憂ちゃんはここで待ってて」

憂「あ、はい」

紬「…わかった」

律「じゃいこ、唯」




 —トイレ

唯「どしたの……りっちゃん」

律「唯、やっぱあの二人…」

唯「なに…」


86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 00:21:30.18 ID:mmFx1YOoO

—踊り場

憂「あの……紬さん」

紬「なに?」

憂「和って人、二年生の人ですか?」

紬「いや…私の知らない人みたい」

紬「二人の知り合いなのに、私だけ知らないの寂しくて…」

憂「…………」


87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 00:31:54.76 ID:mmFx1YOoO



律「間違いない…紬や憂ちゃんは記憶が……」

唯「なんで…」

律「(お前もだけど……)それと憂ちゃんも引っかかる」

律「あの子、澪がいないこと気にしてなかっただろ…」

律「いつも一緒にいるのに気遣った…というより」

唯「秋山さんの事も…」

律「…………。だろうな」


91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 01:11:12.16 ID:mmFx1YOoO

律(まずいな……このペースだと…)

律(けど憂ちゃんや唯達はお互いを覚えてる…)

律「…取りあえず戻るか」

唯「うん…」

ガタガタガタ ・・・

唯「あ、なんか騒がしくなったね」

律「終わったか……よし、確かめるぞ」


93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 01:24:43.71 ID:mmFx1YOoO

—教室

澪(おかしい……皆唯達のこと知らないだなんて)

澪(まるで私一人おかしいみたいな反応…)

「 澪? 」

澪「あ?あぁ…ごめん何?」

和「どうしたの?世界の終わりみたいな顔して」

澪「はは…そんなに暗かったな…」

和「うん。あんまり思い詰めちゃダメ。悩みがあるなら、相談しなよ」

澪「うん…けど平気」

澪(…梓は、大丈夫かな)


98 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 02:28:10.63 ID:mmFx1YOoO

—定食屋~和の極み~

「いらっしゃいませー!!」

店主「はいどうぞ~!」

律「いやー腹減った!皆なに食べる?」

唯「おじさん、私この焼き魚定食!」

紬「じゃあ私この秋飯スペシャル~華の乱~、憂ちゃんは?」

憂「私はお姉ちゃんと同じのお願いします」

律「おっちゃん!私この爆弾そぼろ飯ね!」

店主「はいよ!」


99 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 02:43:36.20 ID:mmFx1YOoO

律「澪と何か話してるな……」
唯「ってことは……」

憂「無事みたいですね」

紬「………」

唯「あとは聡君の無事だけだね…」

律「………なあ、今日一日澪の後ついて行ってみない?」

紬「それは…!」

唯「悪いよそんなの!」

律「確かに気が引けるけど…状況が状況だしさ……」

律「なにより情報が足りなさ過ぎるよ」


100 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 02:55:36.05 ID:mmFx1YOoO

律「嫌なら無理にしなくてもいいけど…」

憂「あの…私は?…」

律「あ…じゃあさ憂ちゃん、梓をお願いできる…?」

憂「梓ちゃんですか……」

律「(あ、覚えてるぞ…!)ダメかな?」

憂「あ…分かりました」

律「ムギは…どうする?事が事だから…無理しなくても…」

紬「やるっ」ムギュ

律「そ…そうか」


104 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 03:11:08.33 ID:mmFx1YOoO

律「じゃあこれからは二手に、私と唯は澪、ムギと憂ちゃんは梓を頼むな」

憂「はい」

紬 「はい!」

律「動くのは昼休みと放課後くらいかな」

唯「結局私もやるんじゃん……ねえそれより私お腹が…」ズゴーーー

律「まさか腹減ったのか!?死んでるのに?」


107 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 03:48:22.33 ID:mmFx1YOoO

律「じゃあ取りあえずどっかで飯……って勝手に盗って食うのはまずいか…」

律「しょうがね…家来いよ…」

唯「本当に!?ッッしゃ」

紬 ニコニコ

憂「紬さん楽しそうですねー…」

紬「だって、皆で後付けるなんて探偵みたいで楽しそう!」

紬「こういうのユメダッタノー♪」

憂「はは……はぁ…」

律「じゃ皆ウチ行くぞー」


129 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 17:46:46.49 ID:mmFx1YOoO

—田井中家

律「結局また来ちゃったけど…」

唯「さっ、早く入ろうよー」

律「はいはい…」

ガラッ

律 !

唯「どしたの?」

律「聡が帰ってる……」

紬「あっ、じゃあ…」

律「うん、よし……」


130 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 17:56:38.16 ID:mmFx1YOoO

律「おーい聡ー、姉ちゃん帰ったぞー」




唯「…居ないのかな?」

律「靴はあるのに……ま、入るか…」

唯「オジャマします!」

律「…さ、入って」

紬憂「あ、お邪魔します…」


134 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 18:42:36.23 ID:mmFx1YOoO

スタスタ

律「聡いないのかー…?」

唯「っていうかさ」

律「何?」

唯「弟くん、サトシっていうんだ…?」

律「は……!?オマエ何言って…!」

律「聡!!」

バシュン!ピピーッ

聡「………」ピコピコ

律「おい聡……」

紬「……やっぱり聞こえてないみたいね…」


135 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 18:59:00.71 ID:mmFx1YOoO

憂「あ…でも無事、ってことですよね」

律「…………」

紬「よかったのよね、りっちゃん…」

唯「そうそう、何でもないってことだよ!」

聡「あー…キャプチャー失敗」カチャカチャ

律「………出るぞ」

唯「え……いやまだ本当の目的が」

律「いいから出るんだよ!!」


136 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 19:24:26.63 ID:mmFx1YOoO
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー

唯「りっちゃん…急にどうしたの…?」ビクビク

律「よく考えればおかしいだろ……」

紬「なにが?…」

律「今日の朝、聡とは私はなんでもなかった……」

唯「それだったら私も憂も別に…」

律「そこだ…」

律「今朝まで同じ状況だった。なのに私と聡、唯と憂ちゃんとは今状況が違う……」

唯「だからそれは、憂も…だからでしょ……?」


137 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/03(火) 19:51:18.54 ID:mmFx1YOoO

律「違うな」

律「今朝、私と聡はいつもと変わらず話せた…」

唯「……うん」

律「つまり……状況は“今朝”から変わったんだ……何もかも…………!」

唯 紬 憂 「「  」」

律「あ、あ……れ……?」

唯「…りっちゃん……」

そ ん な こ と   最 初 か ら わ か っ て る よ ・・・

律「……………へへっ…」


154 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/04(水) 00:43:25.24 ID:lbFXqKIdO

「何やってんのー、はやく~!」

律「ほら早く行くぞ!」グイ

澪「ちょっと!…」

律「こいつ、二組の澪!一緒に帰ろうってさ、ほら」バン

澪「あ…よ、よろしくね…ハハ」

「澪ね、じゃ一緒に帰ろ!」

澪「うんっ」

律「なぁこれからどこ行く?」

「え~、あ!駅前にサー○ィワン出来たの知ってる!?」

律「マジで!?よっしゃ行こう行こう!」

澪「……………」


155 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/04(水) 00:51:14.56 ID:lbFXqKIdO

律は他クラスにも友達が多かった…
当然だ。元気で明るくて、私とはまるで正反対なのだから…

学校帰りに皆でどこか行こう、とか、私はそういうノリは苦手だった……

律「澪も来るだろ!?」

澪「あぁ、うん…」

律「ノリ悪いなー…あ、もしかしてダイエット中か?」ニヤニヤ

澪「ち、違うよ!行くよっ」

律「じゃ、皆行こうぜ」


158 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/04(水) 00:59:29.93 ID:lbFXqKIdO

— サーティ○ン

律「おぉー…これがテレビでよく見る……!」

「律、その言い方オバサンくさいよw」

律「うるせぇ!それより何にする?さすが種類が多いな~」

ダメだ……こういう会話が私にはできない…
出来るのは、こうやって最後尾からその光景をみて微笑むだけ…

律の場合、本当に微笑ましいのだけど…

律「澪は何にする?」

澪「えっ?……そうだな…」


159 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/04(水) 01:10:45.72 ID:lbFXqKIdO

澪「そうだな……」

澪「じゃあチョコカレーと、マシュマロ豆乳のダブルで…」

「わ~…凄いの選ぶね澪…」

「じゃあ私は…」

期待していた反応とは違った…

ただ一人を除いて

律「ギャーー馬鹿だ馬鹿!!wwww絶対それ全部食えよー!?」ケラケラ

澪「あ…あったり前だろ!」ポン


160 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/04(水) 01:18:23.86 ID:lbFXqKIdO



「おいしかったねー」

「また来よっか!」

澪「………うぷ…」

律「おい大丈夫かよ…あんなゲテモノ食うから……」

「じゃあ律、私達行くね」

律「おー、じゃあな!おい、澪」

澪「……うっ、じゃあ…」

「………うん、じゃあね」


161 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/04(水) 01:31:25.31 ID:lbFXqKIdO
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—帰り道

澪「うぅ…お腹痛…」

律「ホント大丈夫かよ……」

澪「律……帰ったらメールしてよ?」

律「するから…もう今日は早く帰って休めよ」

澪「うん…」

律「くくっ……けど澪、ホントにあれ全部食うんだもんなぁ」

澪「全部食べるって…言ったからな……」

律「…………」


162 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/04(水) 02:00:38.81 ID:lbFXqKIdO

—翌日、学校、廊下

スタスタ

「—あ」ピタ

澪「あ…」

「き、昨日は楽しかったね……澪…」

澪「う、うん…」

「ま、また行こうね!」

澪「そうだね…ハハ」

「えっと…じゃあね」

澪「………うん」

なんだよ……あの感じ…


163 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/04(水) 02:10:21.96 ID:lbFXqKIdO

—放課後

澪(トイレトイレ……)

「あー、あの子ね…澪っていう」

澪 !! ピタ

「なんか暗いんだよねー…ノリ悪いし」

「でも律と仲良さそうだったよ」

「あー幼馴染みらしいよ…あれ」

澪「ッ……………」

律「あっ、お前ら何してんの?なんの話?」

澪(律……!)


165 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/04(水) 03:06:13.96 ID:lbFXqKIdO

「あのさ……澪はもう遊びに誘わなくてよくない?」

律「は?何で?」

「だって暗いじゃん…」

「そうそう、一緒にいてもなんかさ…向こうも無理してんじゃない?…」

澪(…………)

律「じゃあいいよ、お前らが嫌ならそれで」

「え…」

律「それだけの事じゃん」

律「お前らはもう澪と関わらない、それでいいんだろ?ならそうすれば」

「律…」

澪(…………)


182 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/04(水) 17:29:44.93 ID:lbFXqKIdO

律「とにかく私からうまく言っておく。だからこの話はもう終わりっ」

「…………」

律「じゃあ今日は私もう帰るから、じゃあな」

「うん…じゃあね…」



律(今日は澪と二人で帰るんだ)シタシタ

律「あ……」

澪「……………」

律「…………聞いてた…?」

澪「別に…」ダッ

律「おっ、おい待てよ!」ズギャオッ


184 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/04(水) 17:51:32.52 ID:lbFXqKIdO

—廊下

律「………なあ」

澪「帰れよ……あの人達と」

律「…私は澪と帰るよ」

澪「フ…同情……」

律「違えよ」

澪「違うもんか!!」

澪「いつも独りで可哀想とか、構ってあげようとか!」

澪「昔から、ずっとそう思ってるんだろ!!」


186 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/04(水) 18:01:02.62 ID:lbFXqKIdO

シュッ ←足払い

澪「いたっ」ドサッ

律「馬鹿やろう!!!!!」

澪 !!

律「そんな気持ちで!!……そんな気持ちで…!」

律「そんな気持ちで今まで私と友達やってたのかッッ!!!」

澪「………!!」

律「私は悲しいぞ……」

律「友達っていうのは……いや…親友っていうのは……!!」

律「…そんなんじゃないだろ………」ポロポロ

澪「………律…」


188 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/04(水) 18:37:17.32 ID:lbFXqKIdO

澪「ごめん……私間違ってた…」

律「そうだよ…」

律「可哀想とか…そんなんで付き合う訳ないじゃんか……」

律「私はただ、好きだから一緒居るだけだよっ」ニコ

澪「……うん…」

律「さっ…一緒に帰ろ!」

澪「…うん!」

ありがとう律……
好きって言ってくれて
友達の意味が少しだけ解ったような気がするよ…


191 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/04(水) 18:55:12.02 ID:lbFXqKIdO

—午前11時

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唯「ねえ……私達どうなっちゃうの…?」

律「さぁな……」

憂「皆……私達の事、忘れちゃったんですかね…」

唯律紬「……………」

律「忘れる………か…」

律「なあ、この状態が幽霊ってやつかな?」サッサッ

唯紬憂「……………」

律「ごめん……」


204 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/05(木) 00:36:20.95 ID:doRYBkQMO

律「また負けた……」

紬「3二金がぴったり」

唯「うわ、りっちゃん弱すぎ…」

律「うっせぇ!“最強羽生将棋”でちゃんと勉強したんだ」

唯「それゲームじゃん……古いし」

律「もう羽生の頭脳全集買うか…」


205 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/05(木) 00:44:57.28 ID:doRYBkQMO
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—12時半、学校

律「とりあえず—」

唯「昼休みの時間だね……これから秋山さんの後付けるの?」

律「……そう、まずは私達の身に何が起きたのか調べないと…」

律「憂ちゃん、梓の方よろしくね」

憂「あの……ちょっと分からないです…」

律「えっ?」


206 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/05(木) 00:51:11.11 ID:doRYBkQMO

憂「何だが分からなくなっちゃって……」

律「お、落ち着いて…」

唯「うい、大丈夫?」

憂「……お姉ちゃん…」

律「……!」

律「……ねえ、梓は…?梓って子…」

憂「あずさ…?すみません、ちょっと…」


208 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/05(木) 00:57:51.62 ID:doRYBkQMO

律(おい…マジかよ………)

紬「ねえ…」

律「な、なに?」

紬「その子がどうかしたの?…」

律「ムギ……おい唯!?」

唯「なに?」

律「何じゃないだろ!梓だよ!お前は覚えてるだろ……?」

唯「えっ…覚えてるも何も知らないよ」

律「ウソだろ……」


210 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/05(木) 01:13:05.52 ID:doRYBkQMO

どうすればいいんだ…どうすれば……
…何故私だけ記憶がはっきりしてる……?

梓…澪…和……
無くなっていく記憶

とにかく……澪の周辺だけでも調べないと
理由を……早く何とかしないと皆が………!

憂「あの、律さん」


213 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/05(木) 01:39:45.19 ID:doRYBkQMO

梓「少し姉の様子が気になって……」

「大丈夫よ、少しイメージが乱れる部分もあるけどね。今は安定してるわ」

梓「どんなの見てるんだろ…」

「気になる?けど規約で見せられないの、ごめんね」

「あ!梓ちゃんも今度試してみる?今ならサービスしちゃうわよ~ん」

梓「い、いや…私は………」

「先生、困ってるじゃないですか…!」ボソ

梓「じ、じゃあ私はこれで……」

バタン


216 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/05(木) 01:53:09.04 ID:doRYBkQMO

「やっぱり似てますね。姉妹だと」

「そうねえ……って、そろそろよ。アレ準備して」

「あ、はい」

(……やっぱり、プログラムのイメージにノイズが入り始めてるわね…)

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律「どうしたの……?憂ちゃん……」

憂「私……今全部知っちゃいました…」


218 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/05(木) 02:10:49.00 ID:doRYBkQMO

律「え……?」

唯「ねえ憂、どういう事…?知ったってなにを……」

紬「教えて、憂ちゃん」

憂「紬さん……」

憂「紬さん、いつも姉に楽しいティータイムを提供してくれてありがとうございます」

紬「え…?」

憂「お姉ちゃんはいつも『明日のお菓子は何かなー♪』とか…」

憂「…『今日はムギちゃん美味しい紅茶を淹れてくれたんだよー!』とか……」

憂「嬉しそうに…とっても嬉しそうに……」

律「憂ちゃん……?」


220 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/05(木) 02:22:41.78 ID:doRYBkQMO

憂「たくさんの笑顔を作って下さって、本当に妹として感謝してるんです」

紬「憂ちゃん…」

憂「お姉ちゃん……ありがとね」

唯「憂……何言って…?」

憂「ねえ、小さい頃のクリスマスの日、覚えてる?」

唯「クリスマス…」

憂「ふふ…クション破って中身出しちゃったんだよね」

唯「あ…あの時…」

律(…………)


223 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/05(木) 02:56:34.53 ID:doRYBkQMO

憂「その後お父さんとお母さんに凄く怒られて…」

唯「えへへ……憂に喜んでほしくてさ…」

憂「……今までの思い出が全部なくなっちゃうなんて事…絶対ないよね……」

唯「……憂、なんで泣いて…」

律(…!…)

憂「私のお姉ちゃんでいてくれてありがとう……」

憂「じゃあね……お姉ちゃん」

大好きでした…

律「憂ちゃん!!」





225 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/05(木) 03:01:19.66 ID:doRYBkQMO
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唯「…………」

律「憂ちゃん…?まさか消え……」

律「…おい唯!!」

唯「へ?……」

律「なにボーッとしてんだよ!!憂ちゃんが…!」

唯「ウイ…チャン…?」

唯「何のこと言ってんの?りっちゃん…」

紬「さぁ…」


227 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/05(木) 03:15:50.51 ID:doRYBkQMO

律「おい!!今見ただろ!!!」ガッ

唯 「なに!?」

律「憂ちゃんが消えちゃったの!!お前見ただろ!!!」

唯「もうさっきから何言ってんの!?痛いよ……」

律「ふざけんな!!お前憂ちゃんの姉だろ!!?今まで一緒に暮らしてきたんだろ!!!?」

唯「ねえ……なんなの…」ビクビク

律「お前妹のことまでッ……!!」

紬「…………」


233 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/05(木) 03:45:22.96 ID:doRYBkQMO




唯「ねえりっちゃん…澪ちゃんの教室行くの…?」

律「そーだよ…当たり前だろ…」スタスタ

唯「ねえ…何で怒ってるの…?」

律「怒ってねえよ……」スタスタ

律(とにかく…今はこの状況をなんとかするんだ……)

律(急がないと、にかくヤバい……)

律(憂ちゃん………)


234 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/05(木) 04:00:39.54 ID:doRYBkQMO

—教室

紬「ここね…秋山さん」

律「…………」

唯「居るかな……」



紬「いないみたい……」

唯「どうするの…?」

律「……他急いで探すぞ」

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梓「どうしたんですか?先輩」


239 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/05(木) 04:36:38.20 ID:doRYBkQMO

澪「梓、私全部解ったんだ……」



「これでようやく一歩お目覚めね」

「そうですね」

「後なん…」

「2分です」

「…一人関係の薄い子が消えたわね」

「可哀想ですよね……最後に自分の運命を知るわけですし」

「“プログラム”としての運命ね…」

「この子、ちゃんと皆にお別れの挨拶できてるでしょうか……」

「その心の余裕があればね…」

「そろそろ梓ちゃん呼んどく?」

「あ、そうですね」


287 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/05(木) 22:45:19.51 ID:nDbLm5uaO
唯「あーだる……」

の作者様がお通りだー
道をあけろー


295 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 00:24:54.13 ID:bxP7DCVQO

梓「解った…?なにがですか」

澪「もう少しでこの世界も終わるんだ」

梓「…は……?」

澪「信じられないのは分かる。私だって信じたくないよ…」

澪「けど思い出しちゃったんだ。全部…」

梓「ちょっと……何言ってるか全然解んねーです……」


298 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 00:38:47.24 ID:bxP7DCVQO

澪「この世界が歪み始めてる…」

澪「梓……もう気付いてるんだろ?」

澪「自分が…仕組まれた存在であることにッッ…………!!」バキバキ

梓「ッ………!」

梓「……そうですよ…。出来れば気付かれずに“あっち”に行って欲しかったです」

澪「………」

梓「でもよかったです。こっちではお別れですが…」

梓「あっちではあなたの妹なんですから」


299 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 00:46:07.26 ID:bxP7DCVQO

澪「ああ……」

澪「後輩としての梓と出会ってからの一年……絶対忘れないよ」

梓「私はもう消えちゃいますが……」

梓「あっちに行っても、元気に暮らして下さい」



律「居た!!」

澪梓 !

澪「律!!…に二人も!?」

唯紬「いや、ダレ……?」


302 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 00:53:18.50 ID:bxP7DCVQO

澪「そっか…私のこともう忘れちゃったのか……」

律「っていうかお前私達のこと見えて……!」

梓「先輩は全てを思いだしたそうです」

律「オモイダス…?」

梓「そっか……澪先輩と特に関係が深い先輩3人はまだ……」

梓「本来の使命、自分の宿命に気付いてないんですね…」


304 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 00:59:57.56 ID:bxP7DCVQO

澪「………」

律「お、おい澪…梓の奴何言ってんだよ……ワケわかんないっての…」

唯「そうだよ……さっきからあの子、何言って…」

唯「あっ、アタマいた………」

紬「私も……なんだか…」

律「おいどうした……!?」

澪「気付き始めたんだ……」

梓「もうすぐ終わるんですね………」


308 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 01:19:51.40 ID:bxP7DCVQO

唯「そんな……皆そうだったの……?」

唯「みんなみんな、澪ちゃんの……」ポロポロ

澪「……そう」

紬「嘘よこんなの…」

梓「本当です……私達は全て……」

プログラムされた仮想世界に仕組まれた存在
“データそのもの”に過ぎません

梓「つまり…………」

梓「私達は、澪先輩の見てる夢そのものなんですよ……。思い出しました?」


310 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 01:29:12.23 ID:bxP7DCVQO

律「唯…ムギ……こいつ何ワケわかんないこと」

唯「りっちゃん、もう終わりなんだよ…」

律「だから…なにが」

紬「聞いたでしょ……私達は別に死んでなんかなかった…」

唯「ただ“最初から”存在しなかったんだよ……」

律「なにを……」

梓「まだ分からないんですか………」

梓「私達も律先輩も、この仮想世界にプログラムされた—」

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澪「ん………」

梓「あ、お姉ちゃん起きましたよ!?」


311 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 01:36:30.29 ID:bxP7DCVQO

—山中クリニック

さわ子「お帰りなさい」ニコ

澪「…………」

さわ子「どうだった?『人生円滑サポートシミュレーションシステム』は?」

和「先生、その名前なんとか短くできないんですか……」

さわ子「助手が口出ししなさんな~」

梓「お姉ちゃん大丈夫…?」

澪「梓……うん、大丈夫」

さわ子「今年から高校生なんでしょ?今回のシミュレーションは役に立ちそうかしら」


312 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 01:45:53.07 ID:bxP7DCVQO

和「凄い技術ですよね、たった二時間で二年分の仮想体験が出来るんですから」

梓「この機械でですかぁ……」

さわ子「今回澪ちゃんには、高校入学から、二年時の冬までを体験してもらったけど」

さわ子「大切なお友達はできたかな?」

澪「はい…あの先生、こんなこと訊くのも野暮かと思うんですけど……」

さわ子「なに?」


314 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 01:53:52.82 ID:bxP7DCVQO

澪「あの世界で出会った皆は……やっぱり消えてしまうんでしょうか…」

和「………」

さわ子「消える、とは考えない方がいいわ」

さわ子「確かに、今まで二年間一緒だった人だろうから、心苦しいのは解るわ」

澪「…………」

さわ子「だからこそ、最後に皆にさよならを言ってほしかったの…」

澪「…それで最後に現実の記憶を……」

さわ子「まっそういうワケね…」


315 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 02:02:00.91 ID:bxP7DCVQO

さわ子「でもその様子なら高校生活も心配なさそうね」

和「秋山さん、きっと直ぐに大切なお友達が見つかりますよ」

澪(和………いや、真鍋さんか…)

梓「お姉ちゃん、あんまり心配する必要なかったんだよ…」

澪「…あの、最後に一ついいですか?」


317 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 02:11:30.32 ID:bxP7DCVQO

澪「律………いやあのカチューシャの子は…」

澪(って、こんな事言っても分かるわけないか……)

さわ子「……真鍋さん…」

和「…はい…やっぱり…」

澪「?」

澪「あの、どうかしましたか……?」

さわ子「でるのよ…………」

澪「え?」


320 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 02:22:02.08 ID:bxP7DCVQO

さわ子「ウチにはこれと同じマシンが他にもたくさんあるけど……」

さわ子「このBー05番、澪ちゃんが今回使ったこれね…」

さわ子「使ったクランケの方が皆言うのよ……」

さわ子「“カチューシャをした女の子が”って……名前は…」

「田井中律」

澪「……!」

さわ子「そうでしょ?」

澪「……はい…」


325 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 02:32:03.18 ID:bxP7DCVQO

さわ子「どうやらこの機械で行うシミュレーションには、必ず『田井中律』と呼ばれる女の子が存在するみたいなの」

和「皆さん、終わった後に必ず言うんですよ、リツ、リツ、って…」

梓「なんか怖いですね……」

さわ子「きっと体験者に強い影響を残すんでしょうね……」

澪「リツ、…タイナカリツ……」

澪「ただの…プログラム……」


330 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 02:46:25.48 ID:bxP7DCVQO

梓「お姉ちゃん、そろそろ帰ろっか」

…全てはプログラム

和「秋山さん……?」

何度も、何度も違う人の…

さわ子「大丈夫?」

大切な人になってきた……律

梓「ねえ、聞いてるの?」

皆消えていく中……

たった一人で何度も何度も

仮想世界に生きる田井中律……




332 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 02:53:48.47 ID:bxP7DCVQO

梓「お姉ちゃん!!」

澪「………!」

梓「ねぇ大丈夫……?」

澪「ごめん……大丈夫だよ」

和(無理もないですよね…本人にしたら何年も向こうに居たわけですから……)

さわ子(そりゃま、まだ少しは混乱するわよ…)

澪「じゃあ私、帰りますね」


333 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 02:58:10.70 ID:bxP7DCVQO

さわ子「あ…はい、それじゃあ、今後に活かせるように祈ってるわ」

澪「はい…ありがとうございました」

さわ子「高校生活、頑張ってね」

澪「はい」

梓「じゃ、行こっ」

澪「…うん」

バタン

「次の方どうぞ」


336 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/06(金) 03:10:06.46 ID:bxP7DCVQO
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—季節、春

「じゃあねー」「バイバーイ」


「—なぁなぁ!」

少女「え……私…?」

「君いっつも一人で帰んないでさ、今日は私と一緒に帰ろうぜ!」

少女「あなたは…確か三組のクラスの……」

「あ、名前?」

「私は律、田井中律!よろしくね」

          —END—

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