ソース: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1382752380/
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3 : 2013/10/26(土) 11:14:36.15 -
八幡「マジか」
小町「マジだよー」
八幡「……いったい誰の子だよ」
小町「え、お兄ちゃん」
八幡「えっ」
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5 : 2013/10/26(土) 11:18:55.39 -
八幡「それは、ありえない。俺は童貞だ。QED」
小町「お兄ちゃん童貞じゃないよ。毎晩してるヤリチンさんだよ」
八幡「えっ」
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7 : 2013/10/26(土) 11:22:27.91 -
八幡「え、俺そんなこと知らないんだが」
小町「お兄ちゃん寝てるから仕方ないんじゃない」
八幡「寝てる俺を……?」
小町「うん。ご飯に睡眠薬混ぜてるからいっつもぐっすりだよね」
八幡「えっ」
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8 : 2013/10/26(土) 11:27:26.60 -
小町「でもどうしようか、お父さんたちに話したら、お兄ちゃん殺されちゃうかなぁ」
八幡「え、これ俺のせいなの?」
八幡「俺、どうしようもないだろ……」
小町「でも赤ちゃんはできちゃったんだよ?」
八幡「……下ろす」
小町「それは嫌だよ!そんなことしたら、お兄ちゃんにレイプされたって言うもん!」
八幡「うわ……詰んだわ」
小町「あ、そうだ。駆け落ちしよっか?」
八幡「えっ」
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13 : 2013/10/26(土) 11:31:00.27 -
八幡「待てよ。簡単に、ちょっとそこまでってノリで駆け落ちとかぬかしてくれてるけど」
八幡「そんなうまくいくわけないだろ」
八幡「金もない、あてもない。どうせすぐ見つかって連れ戻されるに決まってる」
小町「うーん、お金ならあるよ。小町、こんな時のために貯金してたもん」
八幡「えっ、なにそれ計画的犯行?」
小町「えへへ」
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16 : 2013/10/26(土) 11:35:51.80 -
八幡「た、たとえ金があっても、俺は行くとは一言も……」
小町「そっかー、じゃあお父さんたちに言うしかないかな」
八幡「言えよ。だいたいこれはお前のためでもあるんだ」
八幡「その年で妊娠なんてマジビッチじゃねえか。下ろしたほうがいいに決まってる」
小町「お兄ちゃんは妹したって悪役になっても?」
八幡「……それしかないだろ」
小町「あーん、小町、お兄ちゃんの愛をがんがん感じて感動だよぉ。でも」
八幡「……あれ」
八幡「なんだか……眠気が……」
小町「さっきのお昼御飯、おいしかった?隠し味は睡眠薬だよ」
八幡「えっ」
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19 : 2013/10/26(土) 11:40:54.21 -
小町「お兄ちゃん、起きて、起きて」ユサユサ
八幡「え……」
小町「ほら、タクシー降りよ」
八幡「……あ、うん」
八幡(なんだ……頭ががんがんする……)
小町「ここからは電車に乗るからね」
八幡「ああ……」
小町「ふふふ、寝ぼけてるから素直だね」
八幡「……」フラフラ
八幡「ここ……どこだよ」
小町「駆け落ちって言ったら、北国でしょ」
八幡「えっ」
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22 : 2013/10/26(土) 11:48:21.41 -
八幡「……帰るぞ」
小町「えー、せっかくここまで逃げてきたのに?」
八幡「これからどうするんだよ。金はあっても、いずれ尽きる。住む場所は働き口は?」
小町「住み込みの仕事場話つけてあるよ」
八幡「え、でも俺ら未成年だろ。怪しまれるんじゃ」
小町「両親の虐待から逃げたいんですって涙ながらに語ったらOKだったよ」
小町「そんな両親でも警察沙汰にはしたくないってことも言ってあるし」
小町「小町、演技派☆」
八幡「えっ」
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24 : 2013/10/26(土) 11:54:56.83 -
八幡「……もうこうなったら直接親に連絡を」
小町「お兄ちゃん、それは無理だなぁ」
小町「お兄ちゃんの携帯はおいてきちゃったし。あ、いいよね、どうせ使ってないし」
八幡「え、いや、それはそうなんだが……」
小町「お金は小町が全部管理してるし」
小町「それに、置き手紙には、この駆け落ちはお兄ちゃんも納得済みって書いてあるんだよ?」
小町「妹犯して、妊娠させて、駆け落ちしたなんて汚名、ほんとに着たいのかな、お兄ちゃんは」
小町「小町と一緒にこの町で暮らしたほうが絶対幸せだよ?」
小町「小町、お兄ちゃんのこと愛してるもん。あ、今のは小町的にポイント高いね」
八幡「それでも、俺は……」
小町「そっか。じゃあ仕方ないかな。親子三人で死んじゃおっか」
八幡「えっ」
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26 : 2013/10/26(土) 11:56:59.88 -
小町「だって、戻ったら赤ちゃんは殺されるかもしれないし、お兄ちゃんとも離ればなれにされちゃう」
小町「小町、そんなの生きてる意味ないもん」
八幡「……」
八幡「わかった……」
小町「わーい、幸せにしてね、お兄ちゃん」
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31 : 2013/10/26(土) 12:02:54.91 - 我希望次編
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32 : 2013/10/26(土) 12:03:30.15 -
雪ノ下「この町に……比企谷君たちが……」
由比ヶ浜「ここに来るまで、一年もかかっちゃったね」
雪ノ下「でも、それもこれで終わり。なんとしても二人を連れ戻しましょう」
雪ノ下「たしか、この辺の工場で働いているそうだけれど」
由比ヶ浜「すいませーん」
「はーい……げっ」
由比ヶ浜「?どうかしましたか?」
雪ノ下「ちょっと待って由比ヶ浜さん。その人、体は別人のように鍛え上げられているけれど、その目って」
八幡「腐ったままの目で悪かったな」
由比ヶ浜「えっ」
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33 : 2013/10/26(土) 12:05:41.76 -
八幡「よくわかったな」
雪ノ下「手を尽くしたもの」
由比ヶ浜「でも良かったぁ、すぐ見つかって。ほら、ヒッキー帰ろ」
八幡「悪いが、それはできない」
由比ヶ浜「え、どうして」
雪ノ下「小町さんとのことなら、私たちも力になるわ。だから」
八幡「いや、普通にまだ仕事終わってないから」
雪ノ下「えっ」
由比ヶ浜「ヒッキーが仕事に前向き!?」
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37 : 2013/10/26(土) 12:12:59.27 -
八幡「仕事終わるまで、待っててくれ」
由比ヶ浜「あ、うん……」
雪ノ下「分かったわ」
「なんだ八幡、浮気か」
八幡「違いますよ」
由比ヶ浜「なんか、仲良さそう……」
雪ノ下「あんな風に比企谷君が楽しそうに働いているなんてね……」
八幡「待たせたな。じゃあ行くか」
由比ヶ浜「あ、うん」
雪ノ下「ええ」
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39 : 2013/10/26(土) 12:16:50.61 -
八幡「ただいま」
由比ヶ浜「おじゃましまーす」
雪ノ下「おじゃまします」
小町「おかえりー、あなたーって、え」
由比ヶ浜「あ、あなた!?」
雪ノ下「その赤ん坊が……」
小町「結衣さん……雪乃さん……」
八幡「俺たちの子だ」
小町「見つかっちゃったんだ……」
小町「……結衣さん、雪乃さんごめんなさい」
雪ノ下、由比ヶ浜「えっ」
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41 : 2013/10/26(土) 12:19:47.78 -
小町「お兄ちゃんの赤ちゃんを作って、お兄ちゃんを小町のものにしようなんて」
小町「卑怯だったって思います。でも、もう小町とお兄ちゃんは愛し合ってるんです!」
小町「なにも言わずに、帰ってください!」
由比ヶ浜「あ、愛し合ってる?」
八幡「ああ。俺も小町を愛してる」
雪ノ下「えっ」
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58 : 2013/10/26(土) 13:08:42.31 - はよ
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83 : 2013/10/26(土) 15:42:04.24 -
あと面白いことなんてないよ
オチつけるだけだもの八幡「最初は、こんなところと思っていた」
八幡「でも、ここで働き始めて、小町を養っていって、俺はこんな生活もありだと思うようになった」
八幡「人付き合いが苦手だった俺に、すむ場所と仕事をくれた親方に認められるのも、だんだん嬉しくなった」
八幡「そして、小町と、お腹の中で育っていって、ついに産まれた俺の子供が、どんどん大切になったんだ」
八幡「この生活を今は捨てたくない」
八幡「いずれは一度挨拶に戻るべきだとも思ってる。でも、今はまだ、帰れない」
由比ヶ浜「そんな……」
雪ノ下「驚いたわ……」
雪ノ下「比企谷君が、こんな真人間なことを言うなんて……!」
由比ヶ浜「ええ、そこぉ!?確かにそこも驚いたけど……」
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84 : 2013/10/26(土) 15:46:22.25 -
八幡「だから、なにも言わずに今日は帰ってくれ。頼む」
雪ノ下「そう。もう、昔の比企谷君は、ここにはいないのね」
八幡「……ああ」
由比ヶ浜「ゆきのん、いいの?」
雪ノ下「ええ。さようなら。比企谷君」
由比ヶ浜「ヒッキー……小町ちゃん、幸せにね……うう」ジワッ
由比ヶ浜「やだ、もー、ヒッキーの変わりように感動しちゃったのかな……それじゃ!」
小町「結衣さん……」
八幡「ありがとな。じゃあ、気を付けて帰れよ」
雪ノ下「あなたが人の気遣いをするなんて、ほんと……だからここはこんなに雪が降っているんだわ」
小町「お兄ちゃん……良かったの?」
八幡「……確かに、俺たちは間違っているかもしれない」
八幡「それでも、これで良いんだ」
おわり
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