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1 : 2013/08/03(土) 13:45:17.84 -
藍子「ふふ、今日はお休みですよ」
P「じゃあなんでここにいるんだ?」
藍子「Pさんの顔が見たかったからに決まってるじゃないですか」
P「おいおい。そういう勘違いを招くような発言は控えろよ? どこでレンズが光ってるか分からないんだからな」
藍子「ごめんなさい。でも、たまにはいいでしょ?」
P「よくはないんだがな……。まあいいや、せっかく来たならゆっくりしていけ」
藍子「ええ。そうさせてもらいますね」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375505117
ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1375505117/
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2 : 2013/08/03(土) 13:51:42.44 -
P「お茶淹れるからちょっと待ってろ。よいしょ……っと」
藍子「ああ、私が淹れるから構いませんよ。Pさんは座ってて下さい」
P「客人をもてなすのは家主としての務めだろう。ええと、お茶の葉はどこに置いたかな……」
藍子「そこの戸棚ですよ」
P「お、あったあった。よく分かったなぁ」
藍子「そりゃあPさんがどこに置いてるかくらい把握してますよ」
P「なんだ、ストーカーみたいな発言だな」
藍子「あっ、ひどい。いいですよー、Pさんの分は熱々にしてあげますから」
P「冗談だ。勘弁してくれ」
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4 : 2013/08/03(土) 13:57:38.52 -
藍子「はい、どうぞ」
P「すまんな。結局淹れてもらって」
藍子「いいんですよ。私が好きでやってるんですから」
P「はは。トップアイドルにお茶を淹れてもらうなんざ、贅沢が過ぎてバチが当たりそうだよ」
藍子「ファンの人に嫉妬されちゃいますね」
P「笑い事じゃないぞ? 買い物に付き合っただけでブログが散々な目になったじゃないか」
藍子「そんな事もありましたねぇ……。熱狂的なファンの人が事務所に乗り込んできちゃいましたし。ふふっ」
P「笑えないっての」
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5 : 2013/08/03(土) 14:03:58.32 -
藍子「いえ、その時のPさんを思い出しちゃって。暴れるファンを制止する姿は格好良かったですよ」
P「護身術を習ってて良かったとつくづく思った」
藍子「いいか、藍子はそんなふしだらな子じゃない。お前もファンならどうして信じてやらないんだ! でしたっけ」
P「よく覚えてるな」
藍子「嬉しかったんですから。私を庇ってくれた事が」
P「事実を述べたまでだよ」
藍子「あの時思ったんですよ。ああ、私はこの人に着いてきてよかったなーって」
P「よせやい」
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6 : 2013/08/03(土) 14:11:48.33 -
藍子「それからこうも思いました。これから先も、ずっとこの人に着いていこうって」
P「……嬉しいな」
藍子「ふふ、私の勘も間違いじゃなかったみたいですしね」
P「どういう事だ?」
藍子「内緒、です。ふふ。あ、やだ私ったら。お茶請け忘れちゃってましたね。取ってきます」
P「すまんな。いろいろ気を使わせちゃって」
藍子「今更ですよ。Pさんと私の仲じゃないですか」
P「だからそういう事を言うなと」
藍子「耳たこでーす」
P「やれやれ……」
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7 : 2013/08/03(土) 14:16:59.29 -
藍子「はい。煎餅とお饅頭がありましたけど、どちらにしますか?」
P「じゃあ煎餅をもらおうかな」
藍子「はい」
P「ありがとう」
藍子「いえいえ」
P「……しかし、俺は贅沢者だよな」
藍子「そうですか?」
P「休みに縁側でお茶を飲みながら庭に咲いた花を見て楽しむ。傍らには可愛いアイドルだ。贅沢以外のなんでもないよ」
藍子「もっと独り占めしていいんですからね? 私でいいなら」
P「……もう充分独り占めしたさ」
藍子「……そうですか」
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8 : 2013/08/03(土) 14:23:30.78 -
P「なあ藍子」
藍子「はい、なんですか?」
P「お前は幸せか? 俺に着いてきて」
藍子「さっきも言いましたよね。私はそれを自分で選び、その結果に満足してるって」
P「その言葉を完全に信じられないとは、歳は取りたくないもんだな」
藍子「……ね、Pさん」
P「ん?」
藍子「よかったら私の膝の上に頭を乗せて下さい」
P「迷惑じゃないか?」
藍子「まさか。そうなら言い出しませんよ」
P「じゃあ……お言葉に甘えるか。少しうとうとしてきてたしな」
藍子「はい♪」
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9 : 2013/08/03(土) 14:27:44.49 -
P「なんだか久しぶりだな。藍子に膝枕をしてもらうのは」
藍子「そうですねー。いつ以来かな?」
P「相変わらず安らぐよ。うっかり寝てしまいそうだ」
藍子「寝てもいいんですよ。起きるまでずっとそばにいますから」
P「そんな訳にもいかないさ。それに」
藍子「それに?」
P「今寝たら、もう藍子に会えない気がするんだよ」
藍子「……」
P「はは、なんでだろうな。そんな訳ないのに」
藍子「ええ、そうですよ。そんな訳ないじゃないですか」
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10 : 2013/08/03(土) 14:37:05.98 -
P「だけど、怖いんだよ。このまま寝るのが。永久の闇に落ちていきそうで」
藍子「……なら、私が手を掴んであげます」
P「え?」
藍子「ずっと、ずっと。手を繋いであげます。そばにいるって伝えるために」
P「そうか……。なら、怖い事はないな」
藍子「ええ。今までずっと、そうしてきたんですから」
P「ああ、そうだな。なんだか安心したよ……」
藍子「ゆっくり休んで下さい。私は、ずっとあなたのそばにいますから」
P「ありがとう。藍子」
藍子「はい」
P「ずっと、愛してるよ……」
藍子「はい、私も……。私の居場所は、あなたの隣だけですから」
風が風鈴を鳴らす中、2人は静かに永久の眠りにおちた。
互いの手を繋いだまま眠るその顔は、安らぎに満ちたものだったという——。 -
11 : 2013/08/03(土) 14:39:25.99 -
P「だけど、怖いんだよ。このまま寝るのが。永久の闇に落ちていきそうで」
藍子「……なら、私が手を掴んであげます」
P「え?」
藍子「ずっと、ずっと。手を繋いであげます。そばにいるって伝えるために」
P「そうか……。なら、怖い事はないな」
藍子「ええ。今までずっと、そうしてきたんですから」
P「ああ、そうだな。なんだか安心したよ……」
藍子「ゆっくり休んで下さい。私は、ずっとあなたのそばにいますから」
P「ありがとう。藍子」
藍子「はい」
P「ずっと、愛してるよ……」
藍子「はい、私も……。私の居場所は、あなたの隣だけですから」
風が風鈴を鳴らす中、2人は静かに永久の眠りにおちた。
互いの手を繋いだまま眠る老夫婦の顔は、安らぎに満ちたものだったという——。 -
12 : 2013/08/03(土) 14:44:56.46 -
………
…ちひろ「そんな感じですかね?」
P「縁起でもない想像はやめてくれません? なあ藍子」
藍子「……ふぇ? あ、そ、そうですよ!」
ちひろ「ふむ、藍子ちゃん的には悪くないみたい」
P「いやまあ確かにそんな終わり方ならいいかもしれませんけど、明らかに俺ボケてますよねそれ」
ちひろ「ワーカーホリックはボケやすいっていいますから」
P「誰だよその現状作り出した張本人は」
ちひろ「さあ誰でしょ」
藍子「まあまあ……」
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13 : 2013/08/03(土) 14:51:10.17 -
ちひろ「冗談は兎も角、せっかく私もお金出したんですから間違いはないように」
P「分かってますよ」
ちひろ「鬼や悪魔に誓って?」
P「いくらでも誓ってやりますよそんなもん」
ちひろ「よろしい。なら私は向こうに行くとします。お待ちしてますよー」
P「はーい」
藍子「ふふっ」
P「どうした?」
藍子「いえ、ちひろさんらしいなーって。自分を悪役みたいに」
P「あの人はそんなもんだよ。今に始まった事じゃないさ」
藍子「むー? ちひろさんの事よく見てるんですねぇ?」
P「仕事上一番接点があっただけだ。他意はない」
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14 : 2013/08/03(土) 14:58:16.96 ID:64I/+HZGo - 縁側って、老人か? と思ったら夢オチかと思ったらこれはもうめでてぇな!!
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15 : 2013/08/03(土) 14:58:59.45 -
藍子「私がいなかったら惚れてました?」
P「どうだろな。ちひろさんは玉の輿に乗るんだーって言ってたからそんな目で見たことなかったから。それに」
藍子「それに?」
P「藍子がいないなんて、考えたくないさ——」
藍子「ん——。も、もう、気が早いですよ!」
P「いいじゃないか。これから何度もするんだから」
藍子「……はい」
P「今夜は覚悟しろよ?」
藍子「も、もう! 変な事言わないで下さい!」
P「はは、悪い悪い。それじゃあそろそろいこうか。あまり待たせ過ぎちゃ悪魔に怒られるからな」
藍子「はい! あ、Pさん」
P「どうした?」
藍子「さっきのお話しのような未来になるように、頑張っていきましょうね♪」
おわり
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