モバP「親愛度MAXになったアイドルを移籍する」


1 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/14(水) 22:01:23.18 ID:Ep1DgiIEo
モバP(以下P)「なんでも、通常の10倍ほどのマネーを支払ってくれるらしい」

P「しかも増額分は俺の個人口座に振込まれるそうだ」

P「薄給で馬車馬のごとく働かされる毎日……俺にだってそういうご褒美があってもいいはずだ」

P「ということで、今日の朝一番で早速話をしてみよう」

P「まずは…………そうだな、あの娘にしようか」

奈緒「……ぁ、お、おはよっ、プロデューサー」

P「ああ、おはよう」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1421240482


ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1421240482/


6 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/14(水) 22:10:20.39 ID:Ep1DgiIEo
P「そうだ神谷、ちょっと時間あるか?」

奈緒「え? な、なんだよ……新しい仕事の話、か?」

P「うーん、まぁある意味そうだな」

奈緒「べ、別に、あたしはプロデューサーの持ってきた仕事なら、な、なんでもいいっていうか……」

P「そうか、ならいいんだ」

奈緒「で……ど、どんな仕事なんだよ……?」

P「準備があるから単刀直入に言うぞ、神谷、お前は移籍することになった」

奈緒「…………いせき? せ、世界ふ○ぎ発見に出演したりするのか?」

P「違う、このプロダクションから別のプロダクションに移ってもらう、ということだ」

奈緒「…………」

奈緒「え?」


9 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/14(水) 22:40:55.93 ID:Ep1DgiIEo
P「ということで、早速だが荷物をまとめてくれないか」

奈緒「……」

P「今日の予定はキャンセルしておいたから」

奈緒「……」

P「じゃあそういうことだから、頼んだぞ」

奈緒「……な、んで」

P「ん?」

奈緒「じょ、冗談だろ……な、なぁ?」

P「いや?」

奈緒「そ、そうだ……カメラ、カメラがどっかにあって、ど、ドッキリ、とか、なんだよな……な?」

P「何を言ってるんだ?」

奈緒「だって、だ、プロデューサー、あれ、あた、あたしたち、もっとこれから……」

P「お、電話か……はいもしもし、ああ、お世話になっております」

奈緒「ぷろ、ぷろでゅ……」

P「……」ギロ

奈緒「っ!」ビク


10 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/14(水) 22:45:50.86 ID:Ep1DgiIEo
P「ええ、ちょうど今その話をしてたところなんですよ、はい、ええ、大丈夫です」

奈緒「……」

P「じゃあそういうことで、はい、こちらの方での手続きはもう済ませてありますから、はい」

奈緒「……」

P「よろしくお願いします、失礼いたします」

奈緒「……」

P「ふぅ……ん、何をしてるんだ、神谷」

奈緒「あた、あたし……」

P「移籍はやることが多いから、早く作業に移ってくれ、俺は外に出てくるから」

奈緒「…………」

ガチャ バタン

奈緒「……」ボーゼン


12 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/14(水) 22:57:57.67 ID:Ep1DgiIEo
奈緒(その後、あたしはプロデューサーと一言も話す機会を得られず、プロダクションを去ることになった)

奈緒(移籍当日まで、私は荷物を整理しながら、今までのことを思い出していた)

奈緒(プロデューサーが声をかけてくれたあの日)

奈緒(訝しむあたしに頭を下げて、「君にしかできないんだ!」と言ってくれたプロデューサー)

奈緒(レッスンに励んで、ライブをして、たくさんのファンの人たちに声援を送られて……)

奈緒(その、すべての思い出に、プロデューサーの姿があった)

奈緒(そのことを思い出して、涙が止まらなくなった)

奈緒(何が悪かったんだろう? なんで私は移籍させられなければならなかったんだろう?)

奈緒(謝れば許してもらえるかも、と思って、何度もプロデューサーに会おうとした。電話もしてみた)

奈緒(何度も何度も何度も……)

奈緒(それでも、プロデューサーは相手にしてくれず、あたしが移籍するという決定が覆ることはなかった……)


13 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/14(水) 23:01:53.51 ID:Ep1DgiIEo
奈緒(そして、移籍当日)

奈緒「お世話に……なりました」

ちひろ「奈緒ちゃん……」

P「じゃあな、向こうでも元気でやれよ」

奈緒「……ぁ、あの」

P「じゃあ俺は予定が入ってるんで、ちひろさん、あとはお願いします」

ちひろ「……はい」

奈緒「ぷろ……」

奈緒(それ以来、私はプロデューサーと会うことはなかった)

神谷奈緒 END


16 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/14(水) 23:08:58.87 ID:Ep1DgiIEo
ちひろ「まぁ~ったく、サイテーですよ本当に」グビグビ

P「そのサイテーな奴がサイテーの方法で稼いだ金で酒飲んでるのはどこの誰ですか」

ちひろ「いやぁ、あんまりにも胸糞悪すぎて飲まないとやっていけませんからね」

P(まさかこの悪魔にバレるとは……不覚だった)

P(利益の3分の一を要求しておきながら飯までたかるという極悪っぷり……なんて女だ)

ちひろ「で? 次はどうするつもりなんですか?」

P「はぁ?」

ちひろ「またまたぁ……もう次のことを考えてるんでしょ?」

P「……ま、うちの事務所は大所帯過ぎますからね、適度に間引かないと」

ちひろ「ド外道ここに極まれり、ですね!」

P「なんとでも言ってください、それにこれは働きに見合った正当な対価ですよ」

P(……この悪魔の言うとおり、もう次のターゲットは決まってるしな)


20 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/14(水) 23:22:28.43 ID:Ep1DgiIEo
あい「おはよう、プロデューサーくん」

P「ああ、おはよう」

あい「君に面倒を見てもらっている身としてはなんだが……最近オーバーワーク気味じゃないのかい?」

P「そうか? 俺としては普通のつもりなんだけどな」

あい「たまにはゆっくり休んだほうがいい」

P「まぁな……時々予定を全部キャンセルして、一日中ぼーっとっしていられたらとは思うけどな」

あい「ああ、いいなそれは……君はもっと自分を大事にしたほうがいい」

P「って言っても、今は特に忙しいから無理なんだけどな……お前の移籍の件もあるし」

あい「………………すまない、もう一度言ってもらえないだろうか」

P「ん? お前の移籍の手続きとかがあるから忙しいって……」

あい「」

P「どうした?」

あい「なん……だ、それは……」ワナワナ

P「そのまんまの意味だが……言ってなかったか?」

あい「っ! 聞いていない!」バン


22 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/14(水) 23:28:45.62 ID:Ep1DgiIEo
P「そうだったか……いや、悪かったな」

あい「そんなに簡単にっ……いやっ、違う、そうじゃない……」プルプル

P「とりあえず、追って正式な文章で通達するから」

あい「何を……何を言っているんだ……君は……」プルプル

P「心配するな、別に待遇は悪くならないさ」

あい「そうじゃないっ……そうじゃない! 君は……わからないのかっ!?」

P「は? えっと…………すまん、何がだ?」

あい「っ!」ギリッ

P「あ、私物はまとめておいたほうがいいぞ、できることは早めにやっておかないと、後で大変だからな」ハハハ

あい「ふっ、ふざっ……ふざけないでくれっ!」

P「……俺、何かふざけてたか?」

あい「ああっ、何もかもがな!」

P「んー?」


23 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/14(水) 23:37:15.60 ID:Ep1DgiIEo
あい(いや、ダメだ……おちつけ……おちつけ……)フーフー

P「おいおい……大丈夫か、東郷?」

あい「なんで……どうして私が移籍することに……」

P「先方……お前の移籍先からオファーがあってな、お前にとってもウチにとってもいい条件だし、断る理由がないだろ」

あい「条件……だって?」

P「まぁそこは色々とな」

あい「売ったのか、私を!?」

P「人聞きの悪いこと言うなよ、俺たちはビジネスをやっているんだぞ? 金の話になるのは当然じゃないか」

あい「そういう問題じゃない!」

P「いや、そういう問題だ、東郷、お前だって給料をもらっているだろう? そもそもそのために働いているはずだ」

P「そして今回の移籍で変わるのは、お前の待遇がよくなる、つまり給料が増えることと、ウチの事務所に金が入ること」

P「それだけのことだ、向こうに行ってからの待遇は契約書類でしっかり守られてる」

P「何も問題はないだろう?」


24 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/14(水) 23:42:59.77 ID:Ep1DgiIEo
あい「違う……違うんだ……そうじゃないんだ……」

P「いったいどうしたんだ、何が不満なんだ?」

あい「君は……忘れたのか、私をスカウトしたときのことを……」

P「え?」

あい「『君を、トップアイドルにしてみせる』と……言ってくれたじゃないか……」ポロッ

P「言ったな」

あい「じゃあなんでっ」

P「そのために、もっと上へ行くための階段を用意してやったんだろ?」

あい「っ!私はっ、君に……君とっ……」ポロポロ

P「はぁ……まぁそういうことだから……俺は社長んトコ行ってくるわ」

あい「…………」ポロポロ

あい「……」ズルッ ペタン

あい「嘘だって……言ってくれ……」ポロポロ


27 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/14(水) 23:46:48.05 ID:Ep1DgiIEo
ちひろ「プロデューサーさん、実はいい商品が入荷したんですけど」

P「は? まだたかり足りないんですか」

ちひろ「やーだなぁ、鬼畜な方法でお金を稼いでるから、胃が痛んでるんじゃないかと思って心配してるんですよ?」

P「余計なお世話です」

ちひろ「いいじゃないですか、どうせ財布はホッカイロ並に暖かいんでしょう?」

P「はぁ…………一応値段だけは聞いておきましょうか」

ちひろ「あいちゃんの10分の一のお値段でいいですよ♪」

P「失せろ」

東郷あい END

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