幼馴染「あん?何か文句でもあんのか?」男「別に」


1 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:00:33 ID:te7qunR2
幼「何か言いたそうだったじゃねえか」

男「別になんでもないってば」

幼「ウソつけよ、言いたい事はっきり言えよ!」

男「…じゃあ、何でいつもジャージなの?」

幼「あん?動きやすい様にだよ、決まってんだろ」

幼「今さらな質問だなぁ、それ」


ソース: http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1340892033/


2 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:01:16 ID:te7qunR2
男「…何でいつも動きやすい格好をしてるの?」

幼「いつ敵が襲って来ても、迎撃出来るようにだよ」

幼「いつもそうしてるだろ?」

男「幼、危ない事、やめた方がいいと思うよ」

幼「…んだよ。アタシがどうしようが男には関係ねーだろ?」

幼「それに、空手黒帯のアタシが負ける訳ねーだろ」

男「…」

幼「心配すんなよ、男。アタシは無敵だ。誰にも負けねぇよ!」

男「…はぁ」


3 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:02:07 ID:te7qunR2

ヤンキー女a「おい、てめぇが幼って奴か?」

幼「あ?誰だお前」

ヤンキー女b「ププッ。噂通りのジャージ姿だな!」

幼「どうやら、死にたいみてぇだな…」

ヤンキー女c「噂じゃそこの高校の番長なんだって?」


4 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:02:54 ID:te7qunR2
幼「なんだ、番長って。アホか」

ヤンキー女a「お前、評判になってるんだぜ?」

幼「評判?どんなだ?」

ヤンキー女b「てめえの学校の番長様が、女にやられた…ってね」

幼「番長?誰の事だ、そりゃあ」

男「…幼、ちょっと、こっちに」

幼「あんだよ、言いたい事あるなら言えよ!」


5 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:03:39 ID:te7qunR2
男「…先週、ほら…幼が、蹴っ飛ばした奴がいたじゃん…」

幼「あ?あぁ、アイツか。あ?あいつ番長だったのか?」

男「…自分で喧伝してたからね。有名だよ」

幼「あんな奴がなぁ…番長って。ハハハ」

ヤンキー女a「オイコラ!シカトしてんじゃねぇよ!」

ヤンキー女b「今、こっちが話してんだよ!」

ヤンキー女c「そこの男、引っ込んでろよ!」


6 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:04:35 ID:te7qunR2
幼「まぁ、降りかかる火の粉は、パッパとはらっちまうに限るぜ」

男「止めなさいって言っても…?」

幼「ハハハ!止める訳ねー!」

幼「おら、3人まとめてかかってこいよ!」

幼「…その為に来んだろ?あん?」

ヤンキー女a「上等だコラァ!」

男「はぁ…」


7 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:05:26 ID:te7qunR2



幼「…お前ら弱すぎるだろ」

ヤンキー女達「」

幼「鍛えて来い!クマ一頭倒せるくらいになってから来い!」

男「…まぁ、今日はやりすぎてないみたいだから良いか…」


8 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:06:07 ID:te7qunR2
男「幼、ほら、手貸して」

幼「あんだよ」

男「ナックルガードもなしで、人を殴ったんだから」

男「血、出てるだろ」

男「包帯巻くから、手貸して」

幼「んなのいらねーよ」

男「幼、よくないよ」

幼「ハッ。こんくらいの血でビビってんなよ、男」

男「はぁ…」


9 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:07:00 ID:te7qunR2

幼「今帰ったー」

幼父「む。帰ったか…幼、ちょっとここに座れ…」

幼「あ?アホか、父ちゃん。何でアタシが…」

幼「父ちゃんの膝の上に座んなきゃなんねーんだよ!」

幼父「む。寂しかったからだ!」


10 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:07:55 ID:te7qunR2
幼「冗談はその鬼瓦みてーな顔だけにしろよ」

幼父「む。鬼瓦に…似ているか?」

幼「そこは疑問に思う所じゃねーだろ」

幼「鏡見ろよ」

幼父「…む」


11 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:08:45 ID:te7qunR2
幼父「それはともかくだ、幼」

幼「なんだよ、言いたい事あるならさっさと言えよ」

幼父「む…また、喧嘩してきたな」

幼「…そうだよ、それがどうかしたか?」

幼父「お前は強い」

幼父「その年でウチの道場で一番だ」

幼「頑張ったからな…へへっ」


12 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:09:25 ID:te7qunR2
幼父「だが、喧嘩はいかんぞ」

幼「そう言われてもよ、父ちゃん」

幼父「男君の事を守ろうとしているのはわかっている」

幼「な、ならよ!」

幼父「だが、喧嘩はいかん」

幼父「今は勝っているから良い」

幼父「だが、いつか、お前より強い奴が」

幼父「お前の前に立ちはだかったら、どうする?」


13 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:10:34 ID:te7qunR2
幼「…死んでも勝つ!」

幼父「それも良いかもしれんがな」

幼父「お前が死んだら、誰が男君を守るんだ?」

幼「…」

幼父「む。わかったら、もう喧嘩はよせ、幼」

幼「…考えとくよ」

幼父「パパは心配なんだ、幼よ」

幼「…」


14 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:11:22 ID:te7qunR2



幼「あー。今日だりぃなぁ。男、一緒にサボろうぜ?」

男「そんな事は認められませーん」

幼「つまんねぇ奴だな!」

男「幼、ちゃんと高校は卒業するって言ったろ?」


15 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:11:56 ID:te7qunR2
幼「不良のアタシが、高校に入れたのも」

幼「退学もせずに3年まで来られたのも」

幼「全部男のお陰だからよー」

幼「感謝してるんだぜ?」

男「別に感謝して欲しい訳じゃないからね?」

幼「わーってるよ」


16 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:12:45 ID:te7qunR2

ヤンキー「おい、そこのお前」

幼「あ?」

ヤンキー「お前がここの高校の番長だな?」

幼「何か昨日もこんな事あったような?」


17 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:13:44 ID:te7qunR2
ヤンキー「昨日、お前にやられたのは、俺のオンナ達だ」

幼「は?」

ヤンキー「あの3人は俺のツレだって言ってるんだ」

幼「で?」

ヤンキー「お礼はしとかないとなぁ…」

男「…幼、ダメだよ。こいつはダメだ」


18 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:14:31 ID:te7qunR2
幼「下がってろよ、男」

ヤンキ−「彼氏の前で、その可愛い顔、グチャグチャにしてやるぜ…」

幼「はっ!アタシが負けるかよ!」

幼「来い!デカブツ!」

男「幼っ!ダメだっ!」

ガスッ!


19 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:15:15 ID:te7qunR2
幼「ガハッ…」

ヤンキー「ククク。強いったって、所詮女だ」

ヤンキー「俺に勝てる訳がない」

ヤンキー「さぁ、覚悟しろよ…」

幼(やべぇ…一撃貰っただけで、足に…きてやがる…)

幼(こいつ、マジ強ぇ…)

幼(や、やられるっ…)


20 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:16:06 ID:te7qunR2
男「ちょっと待った!」

ヤンキー「あ?何だ?こいつの代わりにお前が俺とやんのか?」

ヤンキー「もやしみてーな身体でよぉ」

男「謝る!幼がしたこと、謝るから、勘弁してください!」

幼「お、男っ…な、何言ってやが…る」

ヤンキー「はぁ?許すわけねーだろが」

ヤンキー「頭悪いんだな、オマエ」

ヤンキー「てか、お前もぶっ潰すわ」


21 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:16:56 ID:te7qunR2
幼「!そ、それだけは…させな、い!」

男「金なら、持ってるだけ、全部やる!」

男「土下座でも何でもします!」

男「だから…だから、どうか許してください!」

幼「男…」


22 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:17:46 ID:te7qunR2
ヤンキー「あー。そうだなぁ」

ヤンキー「お前が俺の女になるっつーんだったら、許してやるぜ?」

幼「…え?」

ヤンキー「可愛い顔してるじゃねぇか。お前、俺の女になれよ」

ヤンキー「そうすれば、お前も、ここで土下座してる男も」
ゲシッ
男「…」


23 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:18:35 ID:te7qunR2
ヤンキー「無事に家に帰れるぜ?」

幼「くっ…そ…」

幼(身体動かねぇ…)

男「…」

ヤンキー「んじゃ、行くか?ここで2人仲良く俺にぶっ殺されるか」

ヤンキー「好きな方選べよ、ククク」


24 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:19:23 ID:te7qunR2
男「…まぁ、あれだ」

ヤンキー「あ?もう土下座終わりか?」

男「先に手出したのはそっちって事でいいよね」

幼「お、男…」

男「幼、ちょっと約束してくれよ」

男「この場を切り抜けられたら、俺の言う事、何でも1つ聞いてね?」

幼「は?」


25 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:20:04 ID:te7qunR2
ヤンキー「あぁ、2人ともぶっ殺されたい訳ね?」

ヤンキー「オッケーオッケー」

男「いいよね、幼?」

幼「お、おぅ…」

ヤンキー「おらぁ!お前から死ねやぁ!」

バチッ

ドタッ

ヤンキー「?」


26 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:20:43 ID:te7qunR2
男「…」

幼「お、男、今何を…」

ヤンキー「あれ?何で殴りかかった俺が地面に転がってる?」

男「あぁ、一応言ってみるけども」

男「これであいこって事で、帰ってくれないかなぁ?」

ヤンキー「ふっざけるな!クソが!」

男「…だよね」


27 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:21:26 ID:te7qunR2
ヤンキー「おらぁ!」

バチッ!ガスッ!

ドタッ

男「何度やっても無駄だと思うよ」

ヤンキー「んだと、コラァ!」

幼(何だあの構え…何だあの動き…空手…じゃねーよな?)

幼(男はもう空手出来ねーもんな…)


28 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:22:11 ID:te7qunR2
ヤンキー「クソがっ!捕まえさえすれば!」

男「そうならないように動いてるんだよ」

男「そんな大振りなパンチには当たらないよ」

男「…次はちょっと本気で行くよ…」

ヤンキー「!」

ガスッ!バチンッ!ドスッ!

ヤンキー「お、おぇえ…」

ドサッ

男「…ふう。まぁ、そうは言っても手加減したけどね」


29 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:23:05 ID:te7qunR2
幼「男、今の…」

男「幼、大丈夫?立てる?」

幼「アタシは大丈夫だよ!」

幼「それより、今の何だよ!空手か?」

男「違うよ」

幼「今の動き、何だ?あのアホに何したんだ?」

男「あぁ、ちょっと脳みそ揺らして、気絶してもらった」


30 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:24:05 ID:te7qunR2
幼「脳みそって…どうやったんだ?」

幼「早すぎて…見えなかった」

幼「気絶するくらい強く殴ったのに、コイツの顔、凹んでないぜ?」

男「あぁ、グーじゃなくて、パーで後頭部を叩いたからね」

男「さっきのはそういう技なんだよ」

幼「だから、何なんだよ?」


31 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:24:46 ID:te7qunR2
男「そんな事より、幼、約束守ってね?」

幼「は?」

男「この場を切り抜けたら、何でも1つ、言う事聞くって」

幼「お、おぅ…何だよ、聞くだけ聞いてやるよ…」

男「今後は女の子らしく生活する事!」

幼「はぁ?」


32 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:25:33 ID:te7qunR2
男「危ない事はナシ!もっと女の子らしく、ね?」

幼「で、でも!」

男「幼が、俺の為に強く強くなって」

男「俺を守ろうとしてる事はわかってる」

男「でも、もう気にしなくていいんだよ、幼」

幼「…」


33 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:26:13 ID:te7qunR2
男「小5の時…」

幼「ぅ…」

男「稽古の途中、幼の上段蹴りが、俺の顔面に当たって」

男「俺の左目の視力がほとんどなくなった事に」

男「責任を感じてる事もわかってる」

男「でも、大丈夫だから」

幼「…」


34 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:27:05 ID:te7qunR2
男「幼が空手好きなのもちゃんとわかってる」

男「だから空手を辞めろなんて言わないよ」

男「幼の演舞、俺も好きなんだ」

男「でも、もう危ない事はダメ!」

幼「…わかったよ…」

男「良かった、わかってくれて」

幼「こんだけ強いんだ。アタシの守りなんていらねーよな」


35 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:27:50 ID:te7qunR2
男「普通に生活していれば、こんな力を振るう事もないんだよ」

男「いざって時に、ちょこっとだけ、使えばいいんだよ」

幼「…あぁ、今日のでわかった」

幼「世の中、上には上が居るってな」

幼「とりあえず男!さっきのどうやったのか、いい加減教えろ!」


36 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:28:39 ID:te7qunR2
男「あー、あれ、骨法って言うんだ」

幼「骨法?」

男「まぁ、喧嘩用の技だよ」

幼「ずりーぞ、男!自分だけ!」

男「まぁ、幼に何かあった時、守れる力が欲しかったからさ…」

男「片目見えなくても出来そうな武道探してたら、見つけたんだ」


37 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:29:16 ID:te7qunR2
幼「アタシにも教えろ!」

男「ダメでーす」

幼「くそっ!ズルい!ズルい!」

男「幼、忘れてるかもしれないけど」

幼「あ?」


38 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:30:09 ID:te7qunR2
男「まぁ、今から行けば、二限には間に合うんじゃないかな」

幼「えー?今日はサボろうぜー」

男「ダメでーす」

男「気絶してるヤンキーを公園まで運んだあと」

男「ちゃんと学校行きマース」

幼「えー。今日、そんなテンションかー?」


39 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:30:49 ID:te7qunR2



幼「あん?何か文句でもあんのか?」

男「別に」

幼「…ていうか、何か言えよ!」

男「文句なんてないよ、幼」


40 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:31:28 ID:te7qunR2
男「そのロングのワンピース、良く似合ってるよ」

幼「おぅ…」

幼「や、約束だからな…」

幼「なんかスースーして気色悪いけどな…」

男「いきなり学校の制服はハードル高いと思ったから」

男「休日、私服で慣らして行こうって、ちゃんと話し合っただろ?」

幼「…そうだけどさ」


41 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:33:01 ID:te7qunR2
男「幼、これからはさー」

幼「おぅ」

男「もう、どっちかがどっちを守るとか、考えなくていいからさ」

幼「…」

男「ただ、傍にいてくれよ、幼」


42 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:34:06 ID:te7qunR2
幼「アタシがお前を守ってるつもりだったけど」

幼「逆だったんだな」

幼「それに気付けなかったアタシは大バカだな」

男「…俺の目の届く範囲に、ずっと居てくれ」

幼「それって、あれかよ…その…こ、こくは…」

男「俺と付き合ってくれ、幼」


43 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:34:55 ID:te7qunR2
幼「…お、おぅ」

幼「こっちから頼みてぇよ、男」

男「…うん」

幼「ガサツで、乱暴者なアタシだけど…」

幼「そんなアタシで良ければ、つ、付き合ってくれ…よ」

男「…うん。うん!」


44 : ◆L0dG93FE2w 2012/06/28(木) 23:35:32 ID:te7qunR2
幼「そして、骨法教えてくれよ!」

男「それはダメ!幼はもう危ないことしちゃダメ!」

幼「いいじゃんか、よっ!」
ガシッ

男「お、幼!ちょっと!当たってるよ、色々と!」

幼「ウリウリッ!アタシの言う事を聞けよ!」

男「…はぁ…幼には一生勝てる気がしないよ…」

幼「えっへっへ。そうだろ!」

幼「…一生、守ってくれよな…男」

おわり

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