-
1 : 2015/05/21(木) 00:11:27.95 -
チ級 「どうしてコウナッタ……」ル級 「大丈夫…… 私はあなたト共にアル」 ニヤァ
ヲ級 「いってみヨウ!」 ニッコリ
———————————————–
【注意】
※自分がもし深海棲艦なったら?
という妄想を、そのまま脳から取って出し
※オチ、ひねり無し
※独自設定、多数有り
※ダラダラ垂れ流します
※ゆるい話のみ
※不定期更新
———————————————–SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1432134677
ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432134677/
-
2 : 2015/05/21(木) 00:12:53.76 -
第一話 チ級誕生俺は雷巡チ級。
以前は人間だった。
まずは、チ級になった経緯を話そう。
———————————————–
ある日、海外旅行でハメをはずした俺は
ビーチで散々酒を飲んだあげく
海に突撃。
そのまま溺れた。
どこに出しても恥ずかしい溺れ方だった。
———————————————–
-
3 : 2015/05/21(木) 00:14:50.02 -
溺れた後、息苦しさを覚えて、俺は目を覚ました。
チ級 「ガハァ!」
口からゲル状の透明な粘液を
俺は吐き出した。
俺は薄暗い部屋にいた。
体中、卵の白身のようなもので覆われていて、
風呂桶のようなものに入っていた。
チ級 (俺は生きていたのか)
チ級 (ここはどこだ?)
チ級 (体中ヌルヌルだ)
チ級 (それに真っ裸)
チ級 (風呂桶か……)
チ級 (いや)
チ級 (卵の殻か?!)
———————————————–
-
4 : 2015/05/21(木) 00:16:19.81 -
ヲ級 「ヲォゥ、新しい船が出来たみたいだヨ!」ヲ級 「新入りさん、よろしく頼むデー」
深海棲艦が俺に話しかけた。
チ級 (深海棲艦!?) ギョ
チ級 (これから俺は襲われるのか……?)
チ級 (でも)
チ級 (『新入りさん』って言ってたな?)
チ級 (それにしても、深海棲艦って)
チ級 (思ったよりノリ軽いな)
チ級 (意外とフレンドリーかも……)
———————————————–
-
5 : 2015/05/21(木) 00:18:00.93 -
チ級 「そこのお姉サン」チ級 「ここ、どこですか?」
ヲ級 「ココか?」
ヲ級 「ココはナ、深海棲艦の『巣』や」
ヲ級 「深海何千メートルの海底の地下なんヤデー」
チ級 「な、なんだってーーーー?」
チ級 「……」
チ級 「ところで」
チ級 「お姉さんが俺を助けてくれたの?」
ヲ級 「ん?」
チ級 「俺、用事があってさ」
チ級 「ビーチまで帰らなきゃいけないんだけど」
チ級 「帰り方、教えてくれない?」
———————————————–
-
6 : 2015/05/21(木) 00:20:01.24 -
ヲ級 「あーー」ヲ級 「たまーーーにいるんヤナー」
ヲ級 「昔を覚えとるヤツが」
ヲ級 「まあ自分の顔でも見てみいヤ」
ちょっち背の低いヲ級が、部屋の鏡を指差した。
俺は何気なく鏡を見ると……。
チ級 「な、なんじゃこりゃーーーー!」
俺は深海棲艦になっていた。
———————————————–
チ級 「あわわわわわ!!!」
チ級 (落ち着け! 俺!)
チ級 (まだ、あわてるような時間じゃない!)
チ級 (素数を数えて落ち着くんだ!)
ヲ級 (そうとうパニクっとるナ……)
———————————————–
-
7 : 2015/05/21(木) 00:22:12.06 -
どこからともなくヲ級は飲み物を持ってきた。ヲ級 「まあ、これでも飲んデ」
ヲ級 「落ち着キ」
俺は飲み物を見た。
チ級 (黒い……)
チ級 (コーヒーかな?)
俺は飲み物を飲んだ。
チ級 (とても苦くて、少しピリピリ舌を刺激する)
チ級 (そして油っぽい……)
チ級 (オリーブオイルを飲んでるみたいだ……)
チ級 (凄く不味いけど)
チ級 (イヤじゃない)
チ級 (体が求めているみたいな……)
ヲ級 「落ち着くヤろ」
ヲ級 「C重油の軽油割 ホットやデ」
チ級 「」
不思議なことに、俺は重油を飲みきった。
———————————————–
-
8 : 2015/05/21(木) 00:23:48.28 -
ヲ級 「体中ヌルヌルで気持ち悪いヤろ?」ヲ級 「あっちにシャワーがアルから」
ヲ級 「浴びるとエエで」
俺は何も考えられないまま
言われたとおりシャワーを浴びた。
シャワーの水は海水だった。
チ級 (気が動転して気にならなかったが)
チ級 (俺、女になってるな)
チ級 (結構スタイルいいかも)
———————————————–
ヲ級 「サッパリしたやろ」
ヲ級 「次は、これ着テヤー」
俺は用意された服を着た。
チ級 (露出多いな)
チ級 (水着というよりは)
チ級 (女子陸上選手みたいな感じだな)
ヲ級 「あ、そこの仮面も着けてんカー」
俺は仮面を着け、鏡を見た。
チ級 (お! ちょっとカッコいいかも)
しかし……
———————————————–
-
9 : 2015/05/21(木) 00:25:10.62 -
チ級 「お姉さん」ヲ級 「なんヤ?」
チ級 「この仮面……」
チ級 「右目見えないんですけど……」
ヲ級 「……」
ヲ級 「ロマンや……」
ヲ級 「隻眼の美少女……」
ヲ級 「これをロマンと言わずシテ」
ヲ級 「なにがロマンなんヤ……」 ウットリ
チ級 「」
ヲ級 「冗談ヤデー」
ヲ級 「実は小さい穴が開いてるカラ」
ヲ級 「そこから覗いテ」
チ級 (なんかこんなの有ったな)
チ級 (目が良くなるメガネ?とか)
———————————————–
-
10 : 2015/05/21(木) 00:29:14.24 -
あまりの事態に、俺は現実逃避をし始めた。チ級 (長期休暇が終わったら)
チ級 (溜まっている会社の大量のメールを読まないとな……)
チ級 (月末の報告書、面倒だな……)
チ級 (遅れているPJの作業を)
チ級 (どうやってキャッチアップしようかな……)
チ級 (顔が変わったから、免許証の顔写真を替えないとな……)
チ級 (性別が変わったら、戸籍とかどうなるのかな……)
チ級 (上司に、どう言おうかな……)
チ級 (『俺、深海棲艦になったっス!』とか……)
チ級 (そもそも人間じゃないな……)
———————————————–
-
11 : 2015/05/21(木) 00:30:40.36 -
そんな俺の考えを見透かしたかのようにチビッコのヲ級が言った。
ヲ級 「悪いことはイワン」
ヲ級 「人間社会に戻るのは諦めたホウがエエで」 ニヤリ
ヲ級 「話せばワカル、と思ってるかもしれんガ」
ヲ級 「話せるほど、近づけんヨ」
ヲ級 「あんなぁ」
ヲ級 「深海棲艦と艦娘の戦いを、ガンダムみたいやと思ったら」
ヲ級 「大間違いヤデ」
ヲ級 「実際はナァ」
ヲ級 「最初に艦載機同士でヤリあって」
ヲ級 「次に電探と観測機に頼った遠距離の打ち合いナンヤ」
ヲ級 「話せる距離に近づく前に」
ヲ級 「爆発四散で、サヨナラやで」 ニヤリ
チ級 「」
———————————————–
-
12 : 2015/05/21(木) 00:32:14.86 -
ヲ級 「万が一、話し合えたとしテモ」ヲ級 「捕虜になって」
ヲ級 「キツーーーーーイ尋問やろうナ」 ニヤァ
ヲ級 「何も知らん、と言ってモ」
ヲ級 「信じてもらえんやろナ」 ニヤリ
チ級 「」 ブルブル
ヲ級 「そしテ」
ヲ級 「良くて解体」
ヲ級 「悪くテ」
ヲ級 「実験体として研究材料にされテ」
ヲ級 「さんざんオモチャにされたアゲク」
ヲ級 「ホルマリン漬けやろうナァ」 ニタァ
チ級 「アワワワワワ」 ブルブル
———————————————–
ヲ級 「逆に考えたらエエ」
ヲ級 「溺れて死んだケド」
ヲ級 「チ級として、オマケの人生を」
ヲ級 「生きられると思ったらエエんや」
ヲ級 「ラッキーやで、キミィ!」 ニッコリ
チ級 「……」
———————————————–
-
13 : 2015/05/21(木) 00:36:31.07 -
ヲ級 「ウチの名前はヲ級の乙羽」ヲ級 「よろしくぅ!」
ヲ級 「普段はヲ級って呼んでエエデ」
ヲ級 「ヲ級が何人かおるトキは」
ヲ級 「ヲトハ、って呼んでヤー」
ヲ級 「キミはチ級ヤデ」
ヲ級 「ウチが良い名前を付けたるわー」
ヲ級 「千鳥とかどう?」
ヲ級 「キミは酒臭かったらしいやん」
ヲ級 「『チドリ』足ってことヤデー」
ヲ級 「ウヒャヒャヒャヒャ」
チ級 「」
———————————————–
ヲ級 「トコロデ」
ヲ級 「明日はココを出て」
ヲ級 「ウチらの『チンジュフ』に行くで~」
ヲ級 「チョッチ長旅になるカラ」
ヲ級 「この部屋でユックリ休んどき」
チ級 「チンジュフ?」
ヲ級 「ウチらの巣のことヤデー」
ヲ級 「でも『巣』って呼び方が」
ヲ級 「なんかシックリこないんヨ」
ヲ級 「ウチな」
ヲ級 「深海棲艦の前の記憶は」
ヲ級 「ほとんど無いんヨ」
ヲ級 「でも」
ヲ級 「『チンジュフ』って呼ぶと」
ヲ級 「不思議とシックリくるんヤナ」
———————————————–
-
14 : 2015/05/21(木) 00:40:08.27 -
動転していた俺は、眠りに逃げた。そして起こされた。
ヲ級 「おはようサン!」
ヲ級 「ココを出発する前ニ」
ヲ級 「『オカン』に挨拶していくデー」
チ級 「オカン?」
———————————————–
-
15 : 2015/05/21(木) 00:41:38.90 -
俺たちは、巣の最深部に移動した。ヲ級 「オカンーーー!」
ヲ級 「会いにキタでーーー!」
チ級 「」
そこには化け物がいた。
化け物は、ひたすら何かを食べながら
卵を産んでいた。
チ級 (エイリアン2って映画の)
チ級 (クイーンエイリアンを数十倍大きくした感じだな……)
オカン 「キシャーーーーー!!!」 クルッ
オカンは、こっちを見た。
チ級 「!?」
オカン 「キシャーーーーー!!!」 ニコッ
チ級 (なにか今笑ったような……)
———————————————–
-
16 : 2015/05/21(木) 00:43:35.28 -
ヲ級 「オカンはな」ヲ級 「船の怨霊と」
ヲ級 「食べたモノから」
ヲ級 「深海棲艦の卵を産むんやデー」
ヲ級 「食べモノの中に」
ヲ級 「時々、人間の死体とか」
ヲ級 「轟沈した艦娘とかが混じっていて」
ヲ級 「キミみたいのが生まれるんヤ」
チ級 「」
———————————————–
ヲ級 「オカン、またナー」 フリフリ
オカン 「キシャーーーーー!!!」 フリフリ
チ級 「」 フリフリ
俺たちはオカンに別れを告げた。
———————————————–
-
17 : 2015/05/21(木) 00:45:01.02 -
ヲ級は俺に水中でのハンドサインを教えた。ヲ級 「デハ……」
ヲ級 「イッテミヨウ!」
俺たちは『巣』を出発し、『チンジュフ』に向かった
– 第一話 完 –
-
18 : 2015/05/21(木) 00:46:10.83 -
次回予告
第二話 姫、登場
近日公開予定
-
19 : 2015/05/21(木) 00:47:09.68 -
スレ汚し、失礼いたしました
ではまた
-
30 : 2015/05/22(金) 04:10:58.41 -
第二話 姫、登場俺たちの旅は、俺の予想に反して快適だった。
最初、俺は「チンジュフ」まで泳いで行くと思っていた。
しかし……。
———————————————–
出発前、俺はヲ級に聞いた。
チ級 「泳いで行くんですか?」
ヲ級 「ちゃうデー」
ヲ級 「キミはコレに乗るんや」
そこにはジェットスキーのような乗り物が有った。
チ級 「す、スゴイ!」
チ級 「深海棲艦の技術力は、結構、高いんですね!」
ヲ級 「ちゃうデー」
ヲ級 「キミと一緒に卵に入ってたんヤ」
チ級 「」
———————————————–
-
31 : 2015/05/22(金) 04:13:19.02 -
ヲ級 「詳しいことは、よう分からんのヤケど」ヲ級 「雷巡の怨霊が『自分の姿はこうや!!!』」
ヲ級 「と、思った姿で生まれるらしいんヨ」
ヲ級 「雷巡の怨霊も、ナカナカやるやんかなぁ?」
ヲ級 「だから服も着たままで生まれるんヤデ」
———————————————–
俺が生まれた時は、目覚める前に服を脱がせて、
洗って乾かしてくれていたらしい。
チ級 (ヲ級さん、ありがとう……)
———————————————–
ヲ級 「そういう点でいうと、空母の怨霊ハ」
ヲ級 「自分で言うのもアレやが……」
ヲ級 「相当ラリっとるナ!!!」
ヲ級 「ウヒャヒャヒャヒャ!!!」
ヲ級 「こんな帽子に杖とか」
ヲ級 「マジありえヘン!!!」
ヲ級 「ウヒャヒャヒャヒャ!!!」
チ級 「」
———————————————–
-
32 : 2015/05/22(金) 04:14:59.35 -
チ級 「ヲ級さんは乗り物があるんですか?」ヲ級 「あるデー」
ヲ級 「まあ乗り物っちゅうか……」
ヲ級 「この『ヲ帽子さん』が引っ張ってくれるんヤ」
ヲ級 「『ヲ帽子さん』は優秀なんやデ!」
ヲ帽子 「ヲ帽子です」
ヲ帽子 「以後、お見知りおきヲ」
チ級 (シャァベッタァァァァァァァ!!!)
チ級 「よ、よろしくお願いします」
なお、ヲ帽子さんは女性だそうな。
———————————————–
チ級 「酸素ボンベとか要らないんですか?」
ヲ級 「アーー、要らヘン、要らヘン」
ヲ級 「ウチら、水中で息が出来るんヤ」
ヲ級 「オカンの食べ物にな」
ヲ級 「魚が入っていて」
ヲ級 「ウチらも魚の性質を受け継いで」
ヲ級 「水中で呼吸が出来るみたいなんヤ」
チ級 (もう何でもありだな……)
———————————————–
-
33 : 2015/05/22(金) 04:16:32.08 -
ヲ級 「深海は真っ暗やから」ヲ級 「ハグレんように」
ヲ級 「お互いロープで繋いでおくデー」
ヲ級 「なんか用事があったら引っ張ってやー」
———————————————–
俺たちは艦娘に見つからないよう、海中を移動した。
俺はジェットスキーに乗って快適に移動した。
ヲ級はヲ帽子に引っ張られて移動していた。
ヲ帽子は2本の触手でヲ級を掴み、
残りの2本の触手で器用に泳いでいた。
引っ張られているヲ級は、適当に寝てたり
お菓子を食べたり、快適そうだった。
ヲ帽子の目は、まるで車のライトのように光って
深海で前方を照らしていた。
チ級 (ヲ帽子さん、優秀だな)
———————————————–
-
34 : 2015/05/22(金) 04:17:09.62 -
時々、俺たちは海底で休憩をして、食事や睡眠を取った。
熱水噴出孔の近くで休んだときは、
温泉のようで気持ち良かった。
チ級 (昔、ドラ●もんの映画で)
チ級 (海底を旅するなんてのが有ったな……)
チ級 (ドラ●もん……)
チ級 (俺のことも助けてくれないかな……)
———————————————–
-
35 : 2015/05/22(金) 04:19:27.83 -
そんなこんなで、俺たちは「チンジュフ」に着いた。チンジュフは南国の小島に有った。
打ち捨てられた小さなホテルを
チンジュフにしているようだった。
チ級 (まさか深海棲艦が地上に棲んでいるとは……)
———————————————–
-
36 : 2015/05/22(金) 04:20:51.50 -
ヲ級 「ではウチらの姫を紹介するでー!」ヲ級 「姫はチンジュフで一番エライんや」
ヲ級 「失礼なことしたらアカンでホンマ」
ヲ級 「この指令室におられるんや」
ヲ級が指令室のドアを開けた。
ヲ級 「ヲ級、新入りを連れテ」
ヲ級 「タダイマ戻りました!」 ビシッ!
指令室には、誰もいないようだった。
いや……。
机に後ろに誰か隠れていた。
机の後ろの女の子が、首だけ出して言った。
女の子 「いぢめる?」
ヲ級 「いぢめへんで」
チ級 「」
———————————————–
-
37 : 2015/05/22(金) 04:21:51.37 -
安心したらしく、女の子がオズオズと出てきた。真っ赤なロングブーツ、
真っ赤なストッキング、
黒いスカート、
白いシャツと上着、
白い肌と髪、
赤と黒の帽子。
10代半ばの女の子といった感じだ。
———————————————–
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38 : 2015/05/22(金) 04:23:45.59 -
ヲ級 「このお方コソ」ヲ級 「誰も知らナイ」
ヲ級 「知られちゃイケナイ」
ヲ級 「『旅客船姫』様なんやデーーー!」
チ級 「な、なんだってーーー!」
ヲ級 「チナミに」
ヲ級 「火力、無シ!」
ヲ級 「装甲、無シ!」
ヲ級 「運、無シ!」
ヲ級 「の、三拍子揃った」
ヲ級 「スゴイお方なんヤデーーー!」
チ級 「」
ヲ級 「キメ台詞は……」
旅客船姫 「氷山コワイ……」
旅客船姫、ヲ級 「イエーーー!」 ハイタッチ
チ級 「」
———————————————–
-
39 : 2015/05/22(金) 04:25:08.36 -
チ級 (このチンジュフ)チ級 (艦娘に攻められたら)
チ級 (イチコロだな……)
チ級 (俺もう駄目かも……)
チ級 (ホルマリン漬けかな……)
チ級 (ハハハ……)
– 第二話 完 –
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40 : 2015/05/22(金) 04:27:49.11 -
次回予告
第三話 招かざる客
スレ汚し、失礼しました。
ではまた。
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42 : 2015/05/22(金) 10:09:50.93 ID:Yv8GG/so0 -
よぉぉおお
ひぃぃいい
ぜなぁああああ
すぃんなふぃいいいいい -
43 : 2015/05/22(金) 23:56:58.70 -
>>42
セリーヌ姉さん? セリーヌ姉さんじゃないか!なぜバレたし……。(白目)
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44 : 2015/05/23(土) 21:13:05.04 -
第三話 招かざる客 (前編)俺は「チンジュフ」に到着し、旅客船姫に会った。
深海棲艦の姫は、おどろおどろしい化け物だと思っていたが、
予想に反して可愛い女の子だった。
———————————————–
チ級 「チ級です」
チ級 「よろしくお願いいたします!」 ビシ
俺は見よう見まねで敬礼した。
旅客船姫 「南国孤島のチンジュフへようこそ」
旅客船姫 「私は旅客船姫です」
旅客船姫 「長旅、お疲れ様でした」
旅客船姫 「今日は自室で休んでください」
旅客船姫 「話は明日にしましょう」
———————————————–
-
45 : 2015/05/23(土) 21:16:09.90 -
ヲ級はチンジュフを案内した。ヲ級 「ココがキミの部屋やデー」
ヲ級 「ココが共同浴場やでー」
ヲ級 「シャワーだけやのうて」
ヲ級 「なぜかスパもアルんや」
ヲ級 「ココが食堂」
ヲ級 「夜、食事の用意が出来たら」
ヲ級 「呼びに来るデ」
———————————————–
チ級 (規模は小さいけど)
チ級 (手入が行き届いているな……)
チ級 (俺が思っている深海棲艦の拠点のイメージとは)
チ級 (ずいぶん違うんだな……)
———————————————–
部屋で休んでいると、ヲ級が呼びに来た。
ヲ級 「メシやでー」
ヲ級 「皆、遠征に行ってて」
ヲ級 「今夜は、姫様とウチだけや」
———————————————–
-
46 : 2015/05/23(土) 21:17:03.73 -
夕飯はシーフードシチューだった。深海棲艦らしく、使っている油は軽油だった。
チ級 (軽油って無味無臭に近いけど)
チ級 (油の旨みがあって)
チ級 (魚の味も壊さない)
チ級 (美味いな……)
ヲ級 「美味いやろー?」
ヲ級 「姫様が料理したンヤデ」
ヲ級 「さすが旅客船」
ヲ級 「料理が上手やナー」
———————————————–
-
47 : 2015/05/23(土) 21:18:58.91 -
夕飯の後、俺は部屋に帰って寝た。俺は夢を見た。
夢の中で、俺はチ級のまま会社に行った。
そして当然のように仕事をして、自宅に帰って寝た。
そこで目が覚めた。
チ級 (もう、どこまでが現実で)
チ級 (どこからが夢か、分からんな……)
———————————————–
-
48 : 2015/05/23(土) 21:24:10.90 -
翌朝、俺は司令室に行った。ヲ級もいた。
チ級 「おはようございます」
ヲ級 「おはようサン」
旅客船姫 「おはようございます」
旅客船姫 「では座ってください」
旅客船姫 「このチンジュフについて話す前に」
旅客船姫 「まずは深海棲艦について話しましょう」
———————————————–
旅客船姫 「深海棲艦とは何か……」
チ級 「!?」
チ級 (全人類が知りたがっていることを)
チ級 (今、俺は知るのか!?)
旅客船姫 「実は私たち自身も、よく分かっていないのです……」
チ級 「」
———————————————–
-
49 : 2015/05/23(土) 21:25:27.14 -
旅客船姫 「私の考えですと……」旅客船姫 「深海棲艦は蟻に近いような気がします」
旅客船姫 「地下に巣を作って」
旅客船姫 「女王が卵を産んで」
旅客船姫 「兵隊アリや働きアリに相当する深海棲艦がいます」
旅客船姫 「働きアリがエサを集めるように」
旅客船姫 「このチンジュフも色々集めて」
旅客船姫 「お母様のいる『巣』に送っています」
旅客船姫 「このチンジュフでのチ級さんの仕事は」
旅客船姫 「資材、食料集めと、それを『巣』に送ること」
旅客船姫 「そして、その護衛です」
旅客船姫 「ここまで、よろしいですか?」 ニッコリ
———————————————–
-
50 : 2015/05/23(土) 21:36:57.63 -
チ級 「質問よろしいですか?」旅客船姫 「ええ」 ニッコリ
チ級 「深海棲艦は、どこから来たのですか?」
チ級 「突然変異で生まれたのでしょうか?」
旅客船姫 「それは…… 私達にも謎なのです」
———————————————–
以前、旅客船姫はお母様に同じ質問をしたそうな。
「前は違う場所に居たが、気付いたら今の場所にいた」
と、お母様は答えたそうだ。
———————————————–
旅客船姫 「どうやら、別の場所からココに来たようなのですが」
旅客船姫 「なぜ、どうやってココに来たかは」
旅客船姫 「お母様にも分からないのです」
チ級 「そうですか……」
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51 : 2015/05/23(土) 21:38:11.00 -
チ級 「それと」チ級 「なぜ人間を襲うのでしょうか?」
旅客船姫 「あなたが人間の記憶を持っていることは」
旅客船姫 「ヲ級さんから聞いています」
旅客船姫 「当然の質問だと思います」
旅客船姫 「人型ではない深海棲艦が襲う理由は」
旅客船姫 「船の怨霊に従っているため」
旅客船姫 「人型の深海棲艦が襲う理由は」
旅客船姫 「人間への恐怖からです」
旅客船姫 「その理由の説明は」
旅客船姫 「少し長くなります」
旅客船姫は話し始めた。
———————————————–
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52 : 2015/05/23(土) 21:39:41.61 -
深海棲艦は、今でこそ知能や理性を持っているが、最初は、本物の蟻のように、本能のままに行動していたそうな。
それで、人間を本能のままに襲って、食べていたそうだ。
———————————————–
旅客船姫 「本能に従うだけならば」
旅客船姫 「食べ物は、人間でなくても」
旅客船姫 「動物でも魚でも良かったのです」
旅客船姫 「しかし、運の悪いことに」
旅客船姫 「お母様は、ココに来て最初に」
旅客船姫 「船の怨霊を食べてしまったのです」
チ級 「???」
チ級 (船の怨霊って食べ物なのか???)
———————————————–
-
53 : 2015/05/23(土) 21:41:39.14 -
旅客船姫 「お母様も含めて、深海棲艦は」旅客船姫 「生物の生命エネルギー」
旅客船姫 「『魂』が主食なのです」
旅客船姫 「動物を食べるのは」
旅客船姫 「肉や骨よりは」
旅客船姫 「『魂』を食べるためなのです」
旅客船姫 「船の怨霊は、とても強大で」
旅客船姫 「お母様にはカロリーたっぷりの」
旅客船姫 「美味しい食べ物に見えたらしく」
旅客船姫 「深海に住んでいたお母様は」
旅客船姫 「真っ先に食べました」
旅客船姫 「そして」
旅客船姫 「お母様が生む深海棲艦の性質は」
旅客船姫 「お母様が食べた物に影響されるのです」
旅客船姫 「強力な船の怨霊を食べて」
旅客船姫 「深海棲艦を生んだ結果」
旅客船姫 「本能と」
旅客船姫 「人間への憎しみだけで行動する」
旅客船姫 「深海棲艦になってしまったのです」
チ級 「……」
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54 : 2015/05/23(土) 21:45:02.83 -
旅客船姫 「皮肉なことに」旅客船姫 「私達が人間を襲い」
旅客船姫 「お母様が人間の魂を食べ続けた結果」
旅客船姫 「理性と知性を持った」
旅客船姫 「人型の深海棲艦が生まれ始めました」
旅客船姫 「しかし『時すでに遅し』でした」
旅客船姫 「私達が人間にやってしまったことの意味を」
旅客船姫 「私達が理解出来るようになった時」
旅客船姫 「もう」
旅客船姫 「取り返しがつかないことも」
旅客船姫 「同時に理解してしまいました」
———————————————–
旅客船姫 「私達は恐怖しました」
旅客船姫 「人間は」
旅客船姫 「決して私達を許さないだろうと」
旅客船姫 「1人残らず解体するつもりだと」
チ級 「……」
———————————————–
-
55 : 2015/05/23(土) 21:46:42.65 -
旅客船姫 「だから、人型の深海棲艦は」旅客船姫 「人間に解体されないよう」
旅客船姫 「戦局の均衡を保つため」
旅客船姫 「『積極的防衛』の名のもとに」
旅客船姫 「人間を襲撃しているのです」
———————————————–
-
56 : 2015/05/23(土) 21:48:37.60 -
チ級 (もし人間や艦娘を襲えと命令されたら)チ級 (どうする……?)
チ級 (抵抗するか?)
チ級 (逃げるか?)
俺の考えを見透かしてか、旅客船姫は言った。
旅客船姫 「しかし」
旅客船姫 「このチンジュフでは」
旅客船姫 「人間も艦娘も襲いません」
チ級 「!?」
– 続く –
-
57 : 2015/05/23(土) 21:53:17.95 -
スレ汚し、失礼いたしました。
ではまた。
-
63 : 2015/05/26(火) 03:26:43.62 -
第三話 招かざる客 (中編)チ級 「なぜ襲わないのですか?」
旅客船姫は、少し考えてから答えた。
旅客船姫 「理由は一つではありません」
旅客船姫 「しかし……」
チ級 「しかし……」 ゴクリ
旅客船姫 「ここで休憩にしましょう」
チ級 「」
———————————————–
-
64 : 2015/05/26(火) 03:29:28.74 -
旅客船姫 「紅茶はいかがですか?」チ級 「はい」
チ級 「頂きます」
旅客船姫 「ヲ級ちゃんも紅茶でいい?」
ヲ級 「はい!」
チ級 「お願いしマス!」
———————————————–
旅客船姫 「ウフフ」
旅客船姫 「自分自身のことではありますが」
旅客船姫 「深海棲艦とは何か?」
旅客船姫 「を、考えるのは面白いんですよ」
旅客船姫 「本当に不思議です」
旅客船姫 「余り話す機会がないので」
旅客船姫 「熱く語ってしまいました」
しばらくすると、初老のダンディな執事が
紅茶とケーキを持ってきた。
チ級 「このチンジュフには人間が居るんですね」
旅客船姫 「いえ」
旅客船姫 「彼は私の艤装の」
旅客船姫 「ギャリソンさんです」
チ級 「」
ギャリソンさんがコッチを見て、
ニヤリと笑った。
チ級 「」
俺はメマイがしそうだった。
———————————————–
-
65 : 2015/05/26(火) 03:31:19.38 -
チ級 「そういえば艦娘には」チ級 「『スロット』という機構があり」
チ級 「装備を追加出来ると聞いてます」
チ級 「姫様も追加してはいかがですか?」
旅客船姫 「4スロット、既に全て埋まってます」
旅客船姫 「レストラン!」 バーーーーン!
旅客船姫 「プール!」 バーーーーン!
旅客船姫 「サウナ!」 バーーーーン!
旅客船姫 「スカッシュ場!」 バーーーーン!
チ級 「」
チ級 (アカン!)
チ級 (この姫様、根本的に戦争に向いてない……)
———————————————–
-
66 : 2015/05/26(火) 03:32:44.50 -
旅客船姫 「このように私は喧嘩が弱いので」旅客船姫 「やんちゃな姫姉様から、色々、可愛がりを受けました……」 ガクガク ブルブル
旅客船姫 「……」
旅客船姫 「いえ、可愛がられました……」
チ級 「そうですか」
チ級 (あの間は一体……)
———————————————–
-
67 : 2015/05/26(火) 03:35:24.61 -
紅茶を飲みながら、旅客船姫は話し始めた。旅客船姫 「では」
旅客船姫 「なぜ人間や艦娘を襲わないか、でしたね」
旅客船姫 「第一に」
旅客船姫 「メリットが無いため、です」
———————————————–
このチンジュフでは、
特に食料や資材には困っていないらしく、
わざわざ人間や艦娘を襲って、
それらを奪う必要がないそうだ。
———————————————–
-
68 : 2015/05/26(火) 03:36:33.50 -
旅客船姫 「第二に」旅客船姫 「チンジュフの戦力が弱いため、です」
———————————————–
このチンジュフは規模が小さく、
姫を入れても10人程しか居ないそうな。
そのため人間や艦娘を襲うためには
戦力が不十分らしい。
———————————————–
旅客船姫 「今の戦力で艦娘さん達を襲っても」
旅客船姫 「返り討ちにあって全滅でしょうね……」
———————————————–
-
69 : 2015/05/26(火) 03:41:09.44 -
旅客船姫 「第三に」旅客船姫 「私は争いごとは嫌いなのです」
旅客船姫 「他の深海棲艦は」
旅客船姫 「軍艦の怨霊が元となってますが」
旅客船姫 「私は旅客船の怨霊が元なので」
旅客船姫 「争いごとは苦手で嫌いなのです」
旅客船姫 「深海棲艦の姉妹達が嫌いな訳ではないのですが」
旅客船姫 「どうにも馴染めません……」
———————————————–
ヲ級 「実はな……」
ヲ級 「ウチも艦娘ちゃん達とヤリあうのが」
ヲ級 「どーーーにも、気が進まなくてナァ」
ヲ級 「ほんで」
ヲ級 「生まれてこのカタ」
ヲ級 「ずーーーーっと、艦娘ちゃん達と戦うのヲ」
ヲ級 「サボッっとったらな……」
ヲ級 「こんなサイハテの」
ヲ級 「誰もおらん」
ヲ級 「艦娘に襲われたら即全滅の」
ヲ級 「ちみっこいチンジュフに」
ヲ級 「左遷サレ……」
ヲ級 「コホン、オホン」
ヲ級 「ここに栄転になったんヤデ!!!」 バーーーーーン
チ級 「」
———————————————–
-
70 : 2015/05/26(火) 03:42:35.81 -
旅客船姫 「第四に」旅客船姫 「このチンジュフが将来」
旅客船姫 「人間と同盟を組むかもしれないからです」
チ級 「!?」
旅客船姫 「このチンジュフの敵は人間、艦娘だけではないのです」
旅客船姫 「将来、他の姫姉様と」
旅客船姫 「戦争になるかもしれないのです」
チ級 「!?」
———————————————–
-
71 : 2015/05/26(火) 03:44:09.94 -
旅客船姫 「実は『姫』というのは」旅客船姫 「次の『女王』の候補なのです」
チ級 「!?」
旅客船姫 「この星は、2人の『女王』には狭すぎます」
旅客船姫 「現在、私も含めて姫姉様達は」
旅客船姫 「とても仲が良いです」
旅客船姫 「しかし」
旅客船姫 「深海棲艦の『姫』としての本能に目覚めた時……」
旅客船姫 「『女王』争いが」
旅客船姫 「平穏に行われるか」
旅客船姫 「戦争になるか」
旅客船姫 「正直わからないのです」
チ級 「……」
———————————————–
-
72 : 2015/05/26(火) 03:48:07.85 -
旅客船姫 「このチンジュフが」旅客船姫 「他の姫姉様と戦っても」
旅客船姫 「勝ち目は全くありません」
旅客船姫 「ですから」
旅客船姫 「人間と同盟を組むことや」
旅客船姫 「最悪、人間側に亡命することもありえるのです」
旅客船姫 「そのため」
旅客船姫 「人間を敵に回したくないのです」
チ級 「……」
———————————————–
-
73 : 2015/05/26(火) 03:50:21.89 -
チ級 「説明ありがとうございました」チ級 「襲わない理由はわかりました」
チ級 「では」
チ級 「襲われた場合はどうするのですか?」
旅客船姫 「逃げます」
旅客船姫 「そもそも」
旅客船姫 「このチンジュフは戦略的価値が無いので」
旅客船姫 「まずまず襲ってこないのですが」
旅客船姫 「万が一襲ってきたら」
旅客船姫 「水中に逃げます」
旅客船姫 「艦娘さん達は水中戦が苦手らしく」
旅客船姫 「まず追ってきません」
旅客船姫 「そして、ほとぼりが冷めるまで」
旅客船姫 「海底の『巣』で待ちます」
———————————————–
-
74 : 2015/05/26(火) 03:53:42.14 -
ヲ級 「このチンジュフとは別に」ヲ級 「近くの海溝の海底地下に」
ヲ級 「ウチらの『巣』があるんヤ」
ヲ級 「ソコはチンジュフより、はるかに安全なんヨ」
ヲ級 「デモ……」 チラッ
ヲ級は飛行場姫を見た。
旅客船姫 「ふん!」 プイッ
ヲ級 「姫様が行きたがらないんヨ……」
旅客船姫 「海の底コワイ!」 ガクガク ブルブル
旅客船姫 「暗いのコワイ!」 ガクガク ブルブル
旅客船姫 「沈むのコワイ!」 ガクガク ブルブル
チ級 「」
———————————————–
-
75 : 2015/05/26(火) 03:57:00.24 -
指令室のドアがノックされた。ル級 「入ってもよろしいですか?」
旅客船姫 「どうぞ」
真っ黒な服の大柄な深海棲艦と、
黒いスカート付きのワンピース水着の
チビッコ深海棲艦が入ってきた。
ル級 「遠征から帰投いたしまシタ!」 ビシ
リ級 「いたしましたのデス!」 ビシ
———————————————–
-
76 : 2015/05/26(火) 04:01:37.61 -
旅客船姫 「遠征、お疲れ様でした」旅客船姫 「こちらが新しく配属なった」
旅客船姫 「チ級さんです」
チ級 「チ級です」
チ級 「よろしくお願いいたします!」 ビシ
旅客船姫 「こちら戦艦ル級さんです」
ル級 「私が戦艦ル級ダ。よろしく頼むゾ!」 ガシッと握手
チ級 「よろしくお願いします」
チ級 (大きいけど、奇麗な手だな)
旅客船姫 「こちら重巡リ級さんです」
リ級 「リ級です。どうか、よろしくお願いいたしマス」 握手
チ級 「よろしくお願いします」
チ級 (ちっちゃくて可愛いな)
チ級 (重巡にしては小さいような……)
旅客船姫 「お二人は、とりあえず休憩して下さい」
旅客船姫 「後ほど、遠征の報告願います」
ル級 「は!」
リ級 「は!」
ル級 「チ級、またナ!」
リ級 「またなのデス」 ペコリ
———————————————–
-
77 : 2015/05/26(火) 04:02:54.03 -
二人が部屋を出ようとした時、突然、司令室に深海棲艦が入ってきた。
ネ級 「姫!」
ネ級 「人間の船が近づいてきておるぞ!」
– 続く –
-
78 : 2015/05/26(火) 04:16:48.47 -
スレ汚し、失礼しました。この前、カラオケでダイターン3のOPを歌ったら、
ギャリソンさんを思いつきました。
ではまた
-
79 : 2015/05/26(火) 04:17:30.43 -
—– 広告 ——私の他のSSです。
【艦これ】 艦娘の花道
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430162173/
※読点多すぎ注意【艦これ】レ級「堀之内鎮守府に潜入捜査?」【R-15】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1431268931/
※胸クソ注意【艦これ】清霜は戦艦になった
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1431828645/
※グロ中尉 -
82 : 2015/05/30(土) 00:05:32.17 -
第三話 招かざる客 (後編)ネ級 「一艘のモーターボートが」
ネ級 「この島に向かっておるのじゃ!」
一同 「!?」
遅れて別の深海棲艦も入ってきた。
ヘ級 「軽巡、ヘ級、遠征から帰投いたしました!」
どうやら、ネ級、へ級は一緒に遠征していたらしい。
帰投の途中、島に到着寸前にボートに気づいたそうな。
———————————————–
-
83 : 2015/05/30(土) 00:06:51.24 -
旅客船姫 「ヲ級さん!」旅客船姫 「偵察機を飛ばしてください!」
ヲ級 「了解!」
旅客船姫 「この島への到着は?」
ネ級 「このままダト15分後ぐらいじゃろうカ……」
チ級 「海軍ですか?」
旅客船姫 「いえ」
旅客船姫 「多分、海賊です」
旅客船姫 「現在の海賊は」
旅客船姫 「船を襲うのではなく」
旅客船姫 「深海棲艦のふりをして」
旅客船姫 「海に近い町村を襲撃するのです……」
———————————————–
-
84 : 2015/05/30(土) 00:09:14.15 -
ヲ級 「偵察機が帰ってきタ!」ヲ級 「やはりボートは海賊ヤデ」
ヲ級 「それと面倒なことにナ」
ヲ級 「誘拐されたっぽい女性も数人乗っておルデ」
旅客船姫 「!?」
旅客船姫 「わかりました」
旅客船姫 「では、こうしましょう」
旅客船姫 「ゴニョゴニョゴニョ……」
———————————————–
-
85 : 2015/05/30(土) 00:10:20.78 -
海賊は、この島の桟橋に乗りつけ、船を係留した。海賊船長(以下、船長) 「この島だな」
船長 「このご時勢に海辺に住んでいる」
船長 「頭がイカレた一家が住んでいるというのは」
船長 「お前ら二人は、このボートに残って」
船長 「女共を見張ってろ!」
船長 「他の野郎共は」
船長 「俺について来い!」
海賊 「へい!」
———————————————–
-
86 : 2015/05/30(土) 00:11:30.59 -
海賊が島に乗り付ける前……。旅客船姫 「皆さん、作戦はいいですね?」
旅客船姫 「では」
旅客船姫 「ル級さんとヲ級さんは」
旅客船姫 「桟橋付近で隠れて待機」
旅客船姫 「ネ級さんとリ級さんは」
旅客船姫 「屋根裏の隠し部屋で待機」
旅客船姫 「チ級さんとヘ級さんは」
旅客船姫 「この服に着替えてください」
旅客船姫は、メイド服を差し出した。
旅客船姫 「深海棲艦とバレないよう」
旅客船姫 「相手を油断させるため」
旅客船姫 「着替えてください」
旅客船姫 「急いで!」
———————————————–
-
87 : 2015/05/30(土) 00:12:10.88 -
チ級 (まさか深海棲艦になったあげく)チ級 (海賊に襲われるとは……)
チ級 「どうしてコウナッタ……」
ル級 「大丈夫…… 私はあなたト共にアル」 ニヤァ
ヲ級 「いってみヨウ!」 ニッコリ
———————————————–
-
88 : 2015/05/30(土) 00:13:09.83 -
旅客船姫 「ル級さん」旅客船姫 「仮面と折りたたみのバケツを」
旅客船姫 「持っていって下さい」
ル級 「ありがたイ」
ル級 「貰っておコウ」
チ級 「?」
———————————————–
-
89 : 2015/05/30(土) 00:13:50.45 -
旅客船姫 「チ級さん、ヘ級さんは」旅客船姫 「マスクを取ってください」
旅客船姫 「代わりにこれを」
旅客船姫は、拳銃を差し出した。
チ級 「!?」
旅客船姫 「艤装の大砲を撃つと」
旅客船姫 「深海棲艦とバレるので」
旅客船姫 「これで相手をしましょう」
———————————————–
-
90 : 2015/05/30(土) 00:14:52.94 -
海賊がチンジュフの前までやって来た。船長 「ふーーーん」
船長 「金を持ってそうな屋敷だな」
船長 「まずは挨拶だ」
海賊 「へい!」
船長と海賊がアサルトライフルを、
屋敷の窓めがけて撃ってきた。
———————————————–
-
91 : 2015/05/30(土) 00:15:44.43 -
ダダダン! ダダン! ダン! ダダダダン!旅客船姫 「キャーーーー!!!」
ヘ級 「キャーーーー!!!」
チ級 「ヴォオオオオオ!!!」
俺だけ叫び方が男だった。
旅客船姫、へ級、ギャリソンが
拳銃で反撃した。
パン! パン! パン!
とりあえず俺も拳銃を撃った。
パン!
———————————————–
-
92 : 2015/05/30(土) 00:17:08.84 -
船長 「けっ!」船長 「やはり武器を持っていたか!」
船長 「もっと撃ち込んで」
船長 「黙らせろ!!!」
海賊 「へい!」
海賊は、もっと撃ち込んできた。
———————————————–
-
93 : 2015/05/30(土) 00:18:10.09 -
一方、桟橋の方は……。ル級とヲ級は、桟橋の下に潜って待機していた。
海賊が見張り二人だけになったのを見はからって
作戦を始めた。
ヲ帽子がスルスルと触手をのばし、
ボートを係留していたロープを
コッソリとほどいた。
そしてヲ級は、水中でル級に合図を送った。
ル級は音もなくボートの下につき、
ゆっくりとボートを沖合いに動かした。
———————————————–
-
94 : 2015/05/30(土) 00:19:17.38 -
見張りA 「ん?!」見張りA 「大変だ!」
見張りA 「このボート、沖に流されてるぞ!」
見張りB 「なに!」
見張りBは、ボートが桟橋から
離れて動いていることに気づいた。
見張りBはボートを桟橋に戻そうとして
エンジンを始動させようとした。
その時……。
グイッ!
見張りA、B 「!?」
ボートが、半ばウイリーしながら
急加速で沖に動き出した。
ル級が全力でボートを押し始めた。
ル級 (させんよ!) ニヤリ
ル級 (……)
ル級 (こんな時のキメ台詞が)
ル級 (何か、あったような気がするが……)
ル級 (……)
ル級 (何かの力、侮るなよ!)
———————————————–
-
95 : 2015/05/30(土) 00:20:24.97 -
しばらくすると、ボートが止まった。見張りA 「なんだったんだ???」
女A 「きゃーーーー!」
見張りA 「どうした!」
ル級はボートの船底にパンチをして、穴を開けた。
どんどん海水が船に入ってきた。
———————————————–
-
96 : 2015/05/30(土) 00:21:39.95 -
見張りA 「くそっ!」見張りA 「船から逃げるぞ!」
見張りAはライフジャケットを着た。
見張りB 「女達はどうするんだ!」
見張りB 「せっかく、さらったのに」
見張りB 「捨てたら金にならんぞ!」
見張りA 「馬鹿!」
見張りA 「女共の分のライフジャケットは無い!」
見張りA 「それに」
見張りA 「手足を縛ってるロープをほどいて」
見張りA 「万が一、逃げられて」
見張りA 「警察に行かれたらどうすんだ?」
見張りA 「このまま海に沈めて」
見張りA 「口封じしろ!」
見張りA、Bはボートから逃げ出して、
海に飛び込んだ。
———————————————–
-
97 : 2015/05/30(土) 00:22:51.92 -
見張りがいなくなったのを見計らって、ル級は船底の穴に、自分の服をねじ込んで
穴をふさいだ。
そして仮面を付けて、ボートに上がった。
ル級 「こんにちは」 ヌッ
女A 「きゃーーーー!」
ル級 「待て!」
ル級 「私は怪しい者ではなイ!」
ル級 「海の平和を守ル……」
女B 「海の平和を守る……」 ゴクリ
ル級 「『駆逐艦絶対助けるマン』だ!!!」 バーーーーーン!!!
女A 「」
女B 「」
女の子 (カッコイイ……) ポワーーン
———————————————–
-
98 : 2015/05/30(土) 00:24:36.12 -
ル級は女たちの手足の縄を解き、持ってきたバケツで
海水をかき出し始めた。
ル級 「お前たちは、どこで誘拐されたんダ?」
女A、B (悪い人じゃないかも……)
女A 「XXX村です」
ル級 「ふむ」
ル級 「ここからXXkmか」
ル級 「送ってやろウ」
あらかた海水をかき出したル級は、
また海中に戻り、ボートを押し始め、
女達を元の場所に返した。
———————————————–
-
99 : 2015/05/30(土) 00:26:14.03 -
逃げた見張り達は、島に向かって泳いでいた。見張りA 「ん?」
見張りA 「なんか前にいるぞ……」
見張りA 「げぇ!!!」
見張りA 「深海棲艦!!!」
ヲ級が待ち構えていた。
ヲ級 「お疲れやネ!」 ニタァ
見張りA、B 「」
見張り達は、あっという間にヲ帽子の触手に捕らえられた。
ヲ級 「やったデ! 作戦完了だヨ、っト」
ヲ級は作戦成功を報告する連絡機を発進させた。
———————————————–
-
100 : 2015/05/30(土) 00:27:35.47 -
ヲ級が連絡機を発進させる少し前、俺達は追い詰められていた。
ダダダン! ダダン! ダン! ダダダダン!
旅客船姫 「キャーーーー!!!」
ヘ級 「キャーーーー!!!」
チ級 「ヴォオオオオオ!!!」
チ級 (拳銃とアサルトライフルだと)
チ級 (火力が違いすぎる!)
チ級 (どうすれば……)
———————————————–
-
101 : 2015/05/30(土) 00:28:16.30 -
船長 「なんかぁ…… ものたんねぇなぁ……」船長 「あれ、もってこい! あれ!」
海賊 「へい!」
海賊は重機関銃を持ってきた
———————————————–
-
102 : 2015/05/30(土) 00:30:06.66 -
ズガガガガガガガガガガ!!!!!!部屋の家具が、見る見る細切れになっていった。
旅客船姫 「ギャアアアアアーーーー!!!」
ヘ級 「ギャアアアアアーーーー!!!」
チ級 「ヴヴヴヴォオオオオオ!!!」
旅客船姫 「ここは放棄します!」
旅客船姫 「司令室に逃げ込みましょう!」
窓際の部屋を放棄して、俺達は司令室に逃げ込んだ。
———————————————–
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103 : 2015/05/30(土) 00:31:45.35 -
海賊 「反撃が止まりやした!」船長 「乗り込むぞ!」
船長 「お前らは一応、外を見張ってろ!」
船長 「他の野郎共は」
船長 「俺について来い!」
海賊 「へい!」
海賊が屋敷の扉をブチ破って、乗り込んできた。
———————————————–
-
104 : 2015/05/30(土) 00:33:00.24 -
海賊が司令室の前に集まり始めた。海賊 「この部屋の中に」
海賊 「立てこもってやすぜ!」
船長はアサルトライフルで扉を撃った。
しかし、扉の中に鉄板が入っていて、
扉は壊れなかった。
船長 「ちったあ丈夫に作ってあるじゃねぇか」
———————————————–
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105 : 2015/05/30(土) 00:34:00.26 -
俺達は司令室に立てこもった。扉がブチ破られないよう、
扉の前に机やタンスを置いた。
旅客船姫 「扉には鉄板が入ってます!」
旅客船姫 「ライフルなんかじゃ貫通しません!」 フンス!
チ級 (なんか余計なフラグを立てたような……)
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106 : 2015/05/30(土) 00:34:41.64 -
海賊 「持ってきやした」海賊は重機関銃を持ってきた。
———————————————–
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107 : 2015/05/30(土) 00:35:49.10 -
ズガガガガガガガガガガ!!!!!!扉と扉の前の家具が、見る見る細切れになっていった。
旅客船姫 「ギャアアアアアーーーー!!!」
ヘ級 「ギャアアアアアーーーー!!!」
チ級 「ヴヴヴヴォオオオオオ!!!」
旅客船姫 「投降しましょう……」
チ級 「」
———————————————–
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108 : 2015/05/30(土) 00:37:08.03 -
俺達は海賊に投降した。船長 「これで全員か?」
旅客船姫 「はい」
船長 「そうか……」
船長が旅客船姫の腹を、ライフルで激しく突いた。
グポッ!
旅客船姫 「うぐっ……」
———————————————–
-
109 : 2015/05/30(土) 00:38:26.00 -
船長 「もっといるはずだ!」船長 「前もって調べてんだ!」
船長 「どこだ!」
旅客船姫 「買い物に…… 本土に行っていて……」
旅客船姫 「いません……」
船長 「隠れていても」
船長 「この家、後で燃やすから」
船長 「出てこないと焼け死ぬぞ」
チ級 「!?」
旅客船姫 「本当です……」
———————————————–
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110 : 2015/05/30(土) 00:39:51.73 -
船長 「ちっ、まあいい」船長 「金はどこだ?」
旅客船姫 「……」
船長はギャリソンを銃で撃った。
ギャリソン 「グッ!?」 ドサッ
チ級 「ギャリソンさん!」
船長 「もう一度聞く」
船長 「金はどこだ?」
旅客船姫 「こちらです……」
———————————————–
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111 : 2015/05/30(土) 00:42:31.25 -
その時、天井の窓から作戦成功の旗を付けた連絡機が飛び込んできた。
いきなり旅客船姫が船長を殴りつけた。
船長は吹っ飛んだ。
船長は、とっさに腕でガードをした。
ガードをした腕が折れた。
船長 「グハッ……」
旅客船姫 「汚いものを触ってしまいました」
旅客船姫 「ギャリソンさん……」
ギャリソンが何事もなかったかのように
立ち上がり、ハンカチを差し出した。
船長 「!?」
旅客船姫はハンカチで自分の手を拭きながら言った。
旅客船姫 「ようこそ海賊さんたち」
旅客船姫 「もう終わりですよ」
船長 「!?」
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112 : 2015/05/30(土) 00:44:28.23 -
船長がアサルトライフルで旅客船姫を撃った。旅客船姫の体に大穴が開き、血が出たが、
直ぐに穴が塞がった。
旅客船姫 「無駄です」
旅客船姫 「大人しくしてください」 ニパァアアア
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113 : 2015/05/30(土) 00:45:28.33 -
海賊 「ひいいいいい!!!」海賊は重機関銃で旅客船姫を撃った。
旅客船姫は細切れになりながら、再生していた。
カチン
重機関銃の弾が切れた。
旅客船姫 「終わりですか……」
———————————————–
-
114 : 2015/05/30(土) 00:46:10.03 -
海賊達は逃げ出した。屋敷の外に出ると、
外で待機していた海賊達が、
ネ級とリ級に取り押さえられていた。
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-
115 : 2015/05/30(土) 00:47:06.12 -
海賊達は桟橋に逃げた。あるはずのモーターボートが無かった。
船長 「畜生が!!!」
海賊達は俺たちに投降した。
海賊達は縛り上げられ、屋敷の近くの小屋に
閉じ込められた。
———————————————–
-
116 : 2015/05/30(土) 00:49:51.17 -
その後、俺たちは屋敷の掃除をした後、穴だらけの司令室でお茶を飲んだ。
俺は旅客船姫に聞いた。
チ級 「深海棲艦には通常兵器は効かない」
チ級 「と聞いていたのですが」
チ級 「実際、この目で見ると」
チ級 「本当に驚きました……」
旅客船姫 「私自身も最初は驚きました」
旅客船姫 「私の推測ですが」
旅客船姫 「普通の生物は」
旅客船姫 「まず物質の肉体が有って」
旅客船姫 「そこに魂が宿るのです」
旅客船姫 「肉体が主で魂が従ですね」
旅客船姫 「しかし」
旅客船姫 「深海棲艦は」
旅客船姫 「まず魂があり、その魂に沿った」
旅客船姫 「物質の肉体が造られる……」
旅客船姫 「ようなのです」
旅客船姫 「魂が主で肉体が従ですね」
旅客船姫 「ですから」
旅客船姫 「魂が傷つかないかぎり」
旅客船姫 「いくらでも物質の肉体が再生する……」
旅客船姫 「ようなのです」
旅客船姫 「核攻撃でさえも」
旅客船姫 「私達の魂を傷つけられません」
旅客船姫 「一方」
旅客船姫 「艦娘さん達の武器は」
旅客船姫 「私達の魂を傷つけます」
旅客船姫 「だから有効なのです」
チ級 (なるほど、わからん……)
チ級 「ご説明ありがとうございました」
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117 : 2015/05/30(土) 00:51:39.21 -
チ級 「ところで」チ級 「あの海賊は警察に渡すのですか?」
旅客船姫 「いえ」
旅客船姫 「『更生施設』にあずけます」
チ級 「?」
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この国は治安が悪く、また、警察も信用出来ないそうだ。
実は、何度も海賊に襲われたことがあるそうで、
以前、警察に海賊を引き渡したら、脱獄し、
復讐しに来たことがあるそうだ。
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118 : 2015/05/30(土) 00:52:57.03 -
旅客船姫 「ギャリソンさんが」旅客船姫 「地元の『顔役』の方と仲が良いので」
旅客船姫 「相談に乗ってもらいました」
旅客船姫 「そして」
旅客船姫 「どんな悪人でも100%更生し」
旅客船姫 「人に役に立つ存在になるという」
旅客船姫 「無料の『更生施設』を紹介してもらいました」
旅客船姫 「そこに引き取ってもらいます」
チ級 「そうですか」
チ級 (そんな都合の良い施設)
チ級 (本当にあるのかな?)
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119 : 2015/05/30(土) 00:53:49.81 -
チ級 「ん?」俺は違和感を感じた。
チ級 「このチンジュフは」
チ級 「人間と交流があるんですか?」
旅客船姫 「はい」
旅客船姫 「地元の人と交流があります」
旅客船姫 「もちろん深海棲艦としてではなく」
旅客船姫 「人間と偽ってですが……」
チ級 「!?」
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-
120 : 2015/05/30(土) 00:55:20.03 -
ヲ級 「顔色が悪いのも」ヲ級 「サンオイル塗って日焼けすれば」
ヲ級 「ごまかせるんヤデ」
チ級 「」
ヲ級 「在留資格も」
ヲ級 「深海棲艦の攻撃から逃げてキタ」
ヲ級 「難民ちゅうことデ」
ヲ級 「皆、正式な資格を持ってるんヤデ」
チ級 「」
ヲ級 「姫様は、ティターニア=シンカイ」
ヲ級 「ウチは、ヲトハ=シンカイ」
ヲ級 「キミも『チドリ=シンカイ』で」
ヲ級 「これから申請するんやデ」
チ級 「」
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121 : 2015/05/30(土) 00:57:04.60 -
数日後、施設の指導員が海賊を引き取りに来た。なぜか指導員は目出し帽を被って、
完全武装していた。
指導員 「こんにちは!」 サワヤカ
指導員 「海賊さん達を」
指導員 「引き取りに参りました!」 ニッコリ
なぜか指導員は海賊達の健康状態を見たいらしく、
海賊の目や舌や歯をチェックし始めた。
指導員 「君は酒を飲むのか……」
指導員 「君は麻薬をやっていたのか……」
指導員 「君は肝臓病の経歴があるのか……」
指導員は小声で、「チッ」と、言った。
チ級 「?」
指導員 「君は酒も麻薬もやらないのか!」
指導員 「それに若い!」
指導員 「立派に社会貢献できるよ!」 ニタァアアアア
何かを悟った海賊達が暴れだした。
指導員は冷静にスタンガンで大人しくさせた。
チ級 「!?」
———————————————–
-
122 : 2015/05/30(土) 00:59:29.87 -
好奇心に負けて、聞かなくてもいいことを
俺は聞いてしまった。
チ級 「以前、うちから引き取った人達は」
チ級 「今、どうしていますか?」
指導員 「全員もう施設から出て」
指導員 「多くの場所で」
指導員 「人々の『役』に立ってますよ!」 サワヤカ
それ以上、俺は聞かなかった。
———————————————–
-
123 : 2015/05/30(土) 01:03:47.56 -
夜になり、俺は穴だらけの自室でベッドに寝ていた。チ級 「この数日」
チ級 「ジェットコースターのような感じだった……」
チ級 「……」
チ級 「深海棲艦って」
チ級 「思ったより人間ぽいな」
チ級 「ここが特別なのかな……」
チ級 「姫様は喧嘩は弱いが」
チ級 「最終的に生き残るのは」
チ級 「姫様のような気がする……」
チ級 「姫様が人間と同盟を結べば……」
チ級 「俺は会社に戻れるのか……?」
自分のサラリーマン気質の根深さを悲しみながら、
俺は眠りに付いた。
– 第三話 完 –
-
124 : 2015/05/30(土) 01:05:35.94 -
続編まで時間がかかりそうなので、このスレは、ここで終わりにします。
皆様、乙、レス、誠にありがとうございました。
-
125 : 2015/05/30(土) 01:06:43.17 -
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※独自設定注意 -
126 : 2015/05/30(土) 01:07:55.01 -
– おまけ –
いつ公開かは未定ですが、
次回の予告です。
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リ級 「姫様!」
リ級 「海から女の子なのです!」
———————————————–
一人の少女がチンジュフの島に流れ着いた。
———————————————–
筑摩 「私は筑摩といいます」
———————————————–
ル級 「島が艦娘に包囲されタゾ!」
ル級 「待ちに待った艦隊決戦か! 胸が熱いナ!」
———————————————–
ネ級 「チクマさんといったかノウ……」
ネ級 「我輩はお主のことヲ」
ネ級 「全く覚えておラン……」
———————————————–
ヘ級 「あなた」
ヘ級 「人間のときの記憶があるんだって?」 ニヤリ
———————————————–
ネ級 「我輩は……」
ネ級 「毎晩、怖い夢を見るのジャ……」
ネ級 「我輩が……」 ポロポロ
ネ級 「罪も無い人々ヲ……」 ポロポロ
筑摩 「……」 ギュッ
———————————————–
日向 「貴重な食材ほど……」
日向 「料理の準備に時間をかけたい……」
日向 「この件も同じだ」 ニヤリ
———————————————–
筑摩 「姉さん!!!」
ネ級 「筑摩ーーーーーー!!!」
———————————————–
第四話 魂の記憶(仮)
公開未定
-
127 : 2015/05/30(土) 01:08:59.35 -
ではまた。
-
128 : 2015/05/30(土) 01:24:19.21 ID:KQ+EYZOF0 -
乙
ずっと気になってたが、一つの会話を細かく切りすぎじゃないか?
稚拙に見えてしまう -
129 : 2015/05/30(土) 01:40:43.95 -
>>128
ご指摘ありがとうございます。
そうですね。
自分も少し短いかなと思っていました。 -
130 : 2015/05/30(土) 02:16:57.22 ID:D9PTD0eyo -
別にそこは気にならないな
淡々と進めてるようには見えるけど、いきなり訳わかんない事続きのチ級の気持ちを考えれば物事をかみ砕いて理解しようとしてるってとれなくもないしそんなのより>>1投下毎にしつこいくらいへりくだってるのが気になるわ
そんな自分で見たら汚れるような物だと思ってる物を謝罪しながら人様の前に出すくらいなら最初から出すなよとしか思えないし -
132 : 2015/05/30(土) 02:53:06.93 -
>>130
ご指摘ありがとうございます。そうですね。
へりくだって予防線を張るのは、ただただヤラシイだけですね。
今後は止めようと思います。 -
133 : 2015/05/30(土) 03:04:03.90 ID:9Upc6OISO -
>>132
なあ、あんたhtml化依頼したのか?まだ続きそうに見えるんだが
依頼したなら基本ここでは発言しない方がいいし、してないなら酉割られてる上に勝手に依頼されてんぞ -
134 : 2015/05/30(土) 03:37:37.10 -
>>133
ご指摘ありがとうございます。html化は私が依頼しました。
次回の目処が立たなかったので、このスレは一旦html化しようと思いました。
以後、ここでは発言しません。
ご迷惑をおかけしました。
-
135 : 2015/05/30(土) 03:42:28.40 ID:vREPXPvSO - 続くと思って保留しといてって言ってしまったんだが…
-
136 : 2015/05/30(土) 03:50:20.04 -
>>133
>>135133と135の方は同一の方ですか?
仕切りなおしましょう。
私の方から、あらためて、html化を保留します。
※※あとがきを書き忘れていました。
第四話も、もしかしたら、2ヶ月以内にいけるかも???
これで、一旦、仕切りなおさせてください。
-
137 : 2015/05/30(土) 03:57:23.25 ID:lS4Iw0PAo -
おつおつ
予定が未定なら依頼出すのは嗜みとして問題ないですよ
面白かったので続きが来る日を待ってる -
138 : 2015/05/30(土) 03:59:58.17 -
>>133
>>135私の方から、あらためて、html化を取り下げてきました。
成りすましを疑われるような行動をして、すみませんでした。
そして、成りすましを心配していただいて、
ありがとうございました。
よろしくお願いいたします。
-
139 : 2015/05/30(土) 04:03:16.34 -
>>137
レス、ありがとうございます!
第四話は少し先になりそうですが、
ご期待に沿えるよう頑張ります!
-
143 : 2015/05/31(日) 23:35:26.63 -
第三話 後日談 −駆逐艦絶対助けるマンー海賊の襲撃の後、俺達は穴だらけになったチンジュフを修理した。
俺は貴重な男手の1人?として、地元の工事会社の人達と一緒に作業した。
人間といる時、俺達は人間の服装をしている。
俺は、麦藁帽子、Tシャツの上に袖をまくったシャツ、
ハーフのGパン、サンダル、といった感じだ。
他の深海棲艦も南国の女の子という感じの服装だ。
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144 : 2015/05/31(日) 23:37:27.88 -
俺は工事を手伝いながら、不思議に思った。チ級 「姫様…… いえ、ティターニアさん」
チ級 「この工事代金は、どこから手に入れたんですか?」
旅客船姫 「魚を売って稼いでいます」
チ級 「魚……」
俺には心当たりが有った。
深海棲艦の出現後、漁船が襲撃され、漁業が壊滅した。
そのため魚の値段が跳ね上がった。
日本は陸上での海水魚の養殖という離れ業で対応したが、
それでも魚は超高級食材だった。
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145 : 2015/05/31(日) 23:38:31.63 -
旅客船姫 「時々、マグロを取って市場に持っていきます」旅客船姫 「浜に打ち上げられた、と言えば引き取ってもらえます」
旅客船姫 「詳しくは存じませんが、末端価格で数十万ドルになるとか……」
チ級 「」
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146 : 2015/05/31(日) 23:39:39.87 -
ヲ級 「ギャリソンさんが帰ってきたデー」買い物を済ませたギャリソンが、ボートに乗って本土から帰ってきた。
海沿いに住む女性の一家は、深海棲艦と疑われることも多かったらしく、
本土への用事は、男?のギャリソンが行ったほうが、
色々、都合が良いそうな。
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147 : 2015/05/31(日) 23:40:31.17 -
ヲ級 「ん? 珍しいヤン。 お客さんがおるデ」ボートには大人の女性と女の子が乗っていた。
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148 : 2015/05/31(日) 23:41:28.90 -
彼女たちは、以前、海賊に誘拐されたことがあり、この島の近くで、ある人に助けられたそうだ。
女A 「私達を助けてくれた人を探しているのですが」
女A 「手がかりが、ほとんど無くて……」
チ級 「何か人相とか覚えていないのですか?」
女A 「彼女は…… その…… あの……」 モジモジ
チ級 「?」
女の子 「助けてくれたお姉さんは、自分のことを」
女の子 「『駆逐艦絶対助けるマン』って言ってたよ!!!」 目キラキラ
チ級 「」
——————————————————————————————
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149 : 2015/05/31(日) 23:42:45.53 -
ヲ級が爆笑した。ヲ級 「ウヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
女の子 「『駆逐艦絶対助けるマン』はカッコイイんだよ!!!」 プクー
ヲ級 「ゴメンなー」
ヲ級 「馬鹿にしている訳やないんやケド……」
ヲ級 「ルカーーーー!」
ヲ級 「ちょっち来てヤ!」
——————————————————————————————
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150 : 2015/05/31(日) 23:45:50.00 -
ル級がこっちに来た。ル級 「なんダ?」
ヲ級 「『駆逐艦絶対助けるマン』って知っとルか?」
ル級 「ん?」
ル級 「そんなコトか!」
ル級 「いいだろウ!」
ル級 「何を隠そウ! 私が『駆逐艦絶対助けるマン』……」
ル級は何かに気付いた。
ル級 「……の友達ダ!」
ヲ級 (コイツやな)
女の子 (この人だぁ) パァアアア
女 (この人ですね)
旅客船姫 (ル級さんですね)
チ級 (ウーマンじゃないんだ……)
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151 : 2015/05/31(日) 23:47:43.26 -
女の子がル級に近づいた。女の子 「お姉さん」 チョイチョイ
ル級 「ん?」
ル級は身をかがめ、顔を女の子に近づけた。
女の子 「はい」 ポフ
女の子は、花の冠をル級に被せた。
そしてル級の頬にキスをした。
ル級 「~~!」 顔真っ赤
女の子 「駆逐艦絶対助けるマン、ありがとう!」
女の子 「と、伝えてね、お姉さん」
幸せの絶頂の顔をしながら、ル級が倒れた。
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152 : 2015/05/31(日) 23:50:31.58 -
ル級が意識を取り戻し、無事なところを見届けて、彼女達は帰っていた。ギャリソンがボートで本土まで送ったので、
深海棲艦に襲われる心配は無かった。
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153 : 2015/05/31(日) 23:51:43.29 -
当のル級は、その日からしばらくデレデレ顔のままだった。– 完 –
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