八幡「一色いろはを慰めることになった」


1 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/04(土) 17:25:20.04 ID:OmXQs/jh0

いろは「先輩、ちゃんとその荷物運んでくださいよ~」

八幡「いやいや、なんで生徒会の仕事を俺は手伝ってんの?」

いろは「それは、わたしを会長にした責任というやつですね」

八幡「その発言いい加減に時効にしない?」

いろは「だめです。あと、3年生になったんですから時間あるじゃないですか」

八幡「いや、受験控えてるしむしろないんだが…」

いろは「は~い、このこの教室に入れておいてくださいね」

八幡「聞いてないな…」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1435998310


ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435998310/


3 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/04(土) 17:28:33.25 ID:OmXQs/jh0
いろは「奉仕部とか、3年になっても活動してるんですか?」

八幡「してないが…依頼は時々きてるぞ」

いろは「ああ、そういえばこの前来てましたね」

八幡「一色が知ってる時点でなんかおかしいけどね」

いろは「でも引退とかじゃ?」

八幡「普段は受験勉強してるな…由比ヶ浜とか気合い入ってるぞ」

いろは「結衣先輩が、そうなんですか」


4 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/04(土) 17:31:41.53 ID:OmXQs/jh0
スタスタスタ

八幡「ん?あれは…」

いろは「どうしたんですか?って…葉山先輩?」

八幡「みたいだな…校舎裏だぞ、この先は」

いろは「はは~ん、わかりましたよ」

八幡「なにが?」

いろは「葉山先輩、呼び出されたんですよ」

八幡「校舎裏でボコボコにされるのか」

いろは「違います~葉山先輩は恨まれるような人じゃないです、先輩と違って!」

八幡「わかってますよ、てことは告白の方か」


5 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/04(土) 17:34:45.67 ID:OmXQs/jh0
いろは「よ~し、覗いちゃいましょうか!」

八幡「…覗くの?お前的には微妙じゃねぇのか?」

いろは「大丈夫ですよ、葉山先輩断るに決まってますし」

八幡「…」

いろは「ほら、行きましょ、先輩!」

八幡「本当に行くのかよ…」

いろは「えっと…あ、あそこですね…」

八幡「見えるか?」

いろは「はい、声も聞こえそうですね…」


6 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/04(土) 17:38:15.28 ID:OmXQs/jh0
八幡「相手もいるのか…?」

いろは「はい…ただ…」

八幡「ただなんだよ…?」

いろは「葉山先輩を呼び出したの、三浦先輩みたいです」

八幡「三浦か…」(なんか嫌な予感が…)

いろは「…」


7 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/04(土) 17:42:33.57 ID:OmXQs/jh0
葉山「優美子、用っていうのはなにかな?」

三浦「隼人…多分さ、ここに呼び出した時点で察しはついてるだろうけど」

葉山「…」

三浦「あーしさ、隼人が好き…だから、付き合ってくれないかな…?」

葉山「優美子……」

三浦「……」

葉山「ありがとう、うれしいよ」

三浦「…」

葉山「わかった、俺でよければ付き合おうか」

三浦「え…?ほ、ホントに…!?」

葉山「ああ、俺も君のことは好きだからね」

三浦「は、隼人……」


8 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/04(土) 17:45:36.32 ID:OmXQs/jh0
いろは「……」

八幡「……はあ」

いろは「あ……」

八幡「おい、一色…」

いろは「せ、せんぱい……?」

八幡「まあ、その…元気出せよ…て」

いろは「あ…あ…」ポロポロポロ

八幡「お、おい…泣くなよ…こんなところで…」

いろは「せ、先輩~~~」ダキ

八幡「おい、一色…これは色々まずいからな?とりあえず、落ち着け…」


17 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/05(日) 19:00:07.90 ID:q0dR5VZI0
別の場所

いろは「…」ヒック ヒック

八幡「…落ち着いたか?」

いろは「……はい」

八幡「俺が言えることじゃないが…」

いろは「なんですか?」

八幡「お前、まだ葉山のこと諦めてなかったんだな」

いろは「それは……わかりません」

八幡(しかし、三浦の告白に葉山がOK出すなんてな)

八幡(ちょっと意外だった…でも、それが普通か?)


18 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/05(日) 19:05:14.51 ID:q0dR5VZI0
いろは「自分でも驚いてるんです…まさか、涙出てくるなんて…」

いろは「だってわたしは…」

八幡「ん?」

いろは「なんでもないです」

八幡「そうか…今日奉仕部来るか?」

いろは「え…?どういうことですか…?」

八幡「雪ノ下や由比ヶ浜と話せば、気分も変わるだろ」

いろは「先輩…気を遣ってくれてるんですか?」


19 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/05(日) 19:13:44.49 ID:q0dR5VZI0
八幡「…まるで俺が気を遣わないみたいな言い方だな」

いろは「そんなことないです、ありがとうございます」

八幡(あれ?そこはもっと蔑む言葉が来るところじゃないですかね?)

八幡(そんな素直な言葉が、一色から帰ってきたら…)

八幡「……調子狂うな…」

いろは「え?なにか言いました?」

八幡「いや、なんでも」


20 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/05(日) 19:16:51.52 ID:q0dR5VZI0
放課後 奉仕部

八幡「うーす」ガラガラ

結衣「あ、ヒッキー、やっはろー!」

雪乃「こんにちは、比企谷くん」

八幡「おう、二人共早いな」

雪乃「そういえば…」

結衣「なに?ゆきのん」

雪乃「あなた達は二人で来ないのね」

八幡「俺と由比ヶ浜か?」

雪乃「以前は来ていたでしょ?」

八幡「2年の時だろ、それ」


21 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/05(日) 19:21:38.54 ID:q0dR5VZI0
結衣「違うクラスになっちゃったしね」

八幡「別々に来た方が、節約っていうか」

八幡「わざわざ待ち合わせてもな…」

結衣「む…!」

雪乃「くす」

結衣「ゆ、ゆきのん……!」

八幡「ん?なんだよ…?」

結衣「え?あ、なんでもないよ!」


22 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/05(日) 19:26:43.32 ID:q0dR5VZI0
ガラガラ

いろは「あ、あの~…こんにちは」

雪乃「……こんにちは」

結衣「えっ…えっと…」

八幡(あからさまに遠慮気味だな…いままでの元気さはどこへいった)

八幡(雪ノ下も由比ヶ浜も驚いてるじゃねぇか)

結衣「え~と、いろはちゃん、やっはろーーー!」

いろは「あ…や、やっはろーですっ…結衣先輩」

八幡(一際大きなやっはろーで、空気を少し戻した…さすが由比ヶ浜)

いろは「いいですか…入っちゃって…?」

八幡「いままでの図々しさが、今日はないな」

いろは「そんなことないですけど…」

いろは「ていうか、図々しさとか失礼です、先輩!」


23 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/05(日) 19:31:37.03 ID:q0dR5VZI0
雪乃「あなたは部員ではないけど…今の奉仕部は受験勉強が中心だし」

雪乃「それの邪魔をしないのであれば、特に問題はないわ」

いろは「雪ノ下先輩……」

結衣「そうだよ、いろはちゃんがいないと活気が足りないからさ!」

いろは「結衣先輩…」

八幡「元気なのは由比ヶ浜だけでいい気もするけどな」

結衣「なんか、馬鹿にされてる気がする…」

いろは「じゃあ…お邪魔します…」ガタ

八幡(やっぱ元気ないな…というか、あれ見ただけでまさかここまで変わるとは)

八幡(あの一色がね…)


24 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/05(日) 19:32:30.76 ID:q0dR5VZI0
今日はここまで

27 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/06(月) 16:15:03.16 ID:CdiS0w080
——————————

結衣「えっと、じゃあこれで解けばいいのかな?」

雪乃「そういうことになるわね」

結衣「ありがとう、ゆきのん」

雪乃「いえ、どういたしまして」

いろは「は~、やっぱり雪ノ下先輩は頭いいんですね、尊敬しちゃいます」

雪乃「ありがとう」

いろは「おまけに綺麗ですし~」

雪乃「…」

八幡(照れてますね、雪ノ下さん。顔が火照ってますよ…なんて言ったら、立ち直れない言葉浴びせられそうだ)


28 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/06(月) 16:22:00.18 ID:CdiS0w080
結衣「ちょっとは元気になったかな、いろはちゃん」

いろは「え…あ、はい」

雪乃「そう、よかったわ」

結衣「ヒッキーが何かしたの?」

いろは「え?ち、違いますよ」

八幡「あれ、俺ってそんな信用ないのかよ」

雪乃「あなたは備品だから…いくら優秀でも備品なのよ」

八幡「褒めたり落としたり、どっちかにしてくれ…疲れる」

結衣「まあ、ヒッキーがいろはちゃん悲しませたりしないのはわかってるって」

八幡「そりゃどうも」

いろは「……」


29 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/06(月) 16:25:50.27 ID:CdiS0w080
雪乃「じゃあ今日はこの辺りまでにして…比企谷くん」

八幡「なんだ…?」

雪乃「ちゃんと一色さんを送ってあげるのよ」

八幡「えっ…なに言ってんだ?」

いろは「ええ…あ、いえそんなことしてもらわなくても…」

雪乃「一色さんが嫌というなら仕方ないけど」

いろは「いえ…嫌では…」

結衣「じゃあ、ヒッキー。ちゃんと送ってあげなよ!」

八幡「わかったよ…お前らはどうするんだ?」

雪乃「私達は鍵を返して、それから帰宅するわ」

いろは「なら、雪ノ下先輩たちも…」

八幡「わかった、じゃあ行くか、一色」

いろは「え…?」


31 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/06(月) 17:12:51.25 ID:CdiS0w080
八幡「帰る用意だっての」

いろは「え~っと、わかりました」

—————————————–

いろは「あの…先輩」

八幡「ん?」

いろは「よかったんですか?待たなくて」

八幡「察してくれたんだろ、雪ノ下も由比ヶ浜も」

いろは「どういうことですか?」

八幡「お前の元気ない事情、俺は知ってると思ったんだろ」

いろは「ああ、そういうことですか…ていうかわかり合ってるんですね」

八幡「そうか?」

いろは「さっきのやり取り見てて思いました」

八幡「まあ、昔よりはな…去年の年末から色々あったしな…」


32 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/06(月) 17:18:24.17 ID:CdiS0w080
いろは「よかったですね、先輩。それって先輩がほしかったものじゃないんですか?」

八幡「どうだろうな、積極的に動いたから手に入った物だろうけどな…」

いろは「積極的にですか…」

八幡「で、元気は戻りそうか?」

いろは「……先輩が元気づけてくれるんですか?」

八幡「まあ、一応当事者だしな…」

いろは「涙も見られちゃいましたしね」エヘヘ


33 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/06(月) 17:25:45.41 ID:CdiS0w080
いろは「女の涙見た罪は重いんですよ?」

八幡「え?そんなのあんの?」

いろは「じゃあ明日からも、生徒会の仕事とか手伝ってもらいますからね、先輩!」

八幡「わかったよ…ったく…」

いろは「あと、デートとかにも連れて行ってもらいますからね」

八幡「デート…なんか採点とかされそうだ」

いろは「もちろんありますし、50点はとってくださいよっ!」

八幡「葉山じゃないから−10点なんだろ?」

いろは「…」

八幡「ん?」

いろは「じゃあ、よろしくお願いしますね」

八幡「あ、ああ…」


35 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/06(月) 17:34:15.33 ID:CdiS0w080
しばらく経過 奉仕部の部室

結衣「ねえ、ヒッキー」

八幡「ん~?」

結衣「いろはちゃんさ、元気になってるよね?」

八幡「そうだな…もう大丈夫じゃないかとは思うが」

雪乃「あなた達、デートにも行ってるんでしょう?」

結衣「そうだよ、あとなんか付き合ってるとか噂あるし?」

八幡「べ、別に付き合ってねぇよ…」

結衣「デートしてるんだからさ、付き合っちゃえばいいのに」


36 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/06(月) 17:40:43.66 ID:CdiS0w080
八幡「…お前にそれ言われるとな…」

結衣「ヒッキー、あたしとのことは決着ついたじゃん。ヒッキーが振ったんでしょ…」

八幡「まあ…そうだけど…」

雪乃「比企谷くん」

八幡「な、なんだ…?」

雪乃「今の私たちの関係が、あなたの出した答えでしょ?」

八幡「…そうだな」

雪乃「嫉妬がないと言えば嘘になるわ…でも、あなたが別の誰かと付き合えるなら動かないと」

雪乃「もう二度と手に入らないかもしれないわよ?」

八幡「うわ…ひでぇ…」


37 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/06(月) 17:44:49.63 ID:CdiS0w080
生徒会

八幡「おっす」

いろは「あ、先輩…待っててくれたんですか?」

八幡「今日、部室来なかったろ?だから寄ってみた」

いろは「あ、ありがとうございます…」

八幡「そこはなんか悪口が飛んでくるところなんじゃねぇの?」

いろは「礼儀正しい後輩を演じたのになんですかその反応は~!」

八幡「演じてたのかよ…」

いろは「大体先輩は…あ」

八幡「ん?」


38 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/06(月) 17:48:35.25 ID:CdiS0w080
三浦「隼人~~どっかで夕食食べて行こ!」

葉山「そうだな、そうしようか」

三浦「うん、楽しみっ!」

八幡「…うまく行ってるみたいだな、あの二人」

八幡「一色…?」

いろは「……」グス

八幡「…」(もう大丈夫…か)

八幡(全然だったな…最近、葉山達を見てなかったから勘違いしてたが)


39 : ◆KkwE6yJXmI 2015/07/06(月) 17:57:44.68 ID:CdiS0w080
八幡(普段は元気そうにしてても…実際見ると悲しみが込み上げてくるか)

八幡(はあ、一色を慰めるのはまだまだこれからが重要ってことか…)

八幡(先は長そうだな…)

八幡「一色」

いろは「はい…?」

八幡「夕食、奢るから行くか?」

いろは「先輩…はい、行きます」

八幡(積極的に動いててにいれた奉仕部の信頼関係…)

八幡(俺は由比ヶ浜や雪ノ下と付き合わない選択肢をとった)

八幡(それにより、今でも受験勉強などに華を咲かせる関係をてにいれた)

八幡(俺が一色に対して積極的に動くことで交際が待ってるのか?)

八幡(この一色いろはを元気づける事の先に何があるのかは…まだわからないな)

おわり

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