-
1 : 2015/06/22(月) 22:45:15.88 -
P「お疲れ、未央」
未央「やみのまー……ふぅ」
P「……本当に疲れているみたいだな」
未央「うん……ここまで頑張ったんだから、ご褒美がほしいなー……チラッ」
P「チラッ、って自分で言うか?」
未央「だってほしいんだもん」
P「はぁ……何がいい?」
未央「んー……あ、お腹が空いてるから、何か食べに行きたいかも。何でもいいから、さ」
P「……本当に何でもいいのか?」
未央「おおっ、プロデューサー、乗り気? これはもしかして、連れて行ってくれちゃう感じ?」
P「ああ。ちょうど俺も食べに行きたい頃だったんだよ。……女の子を連れて行く、っていうのは我ながらどうかと思うが」
未央「いいよいいよ。私とプロデューサーの仲でしょ? 今更そんなこと気にする必要ないよ。行っちゃお行っちゃおー!」
P「未央がいいなら、行くか」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1434980705
ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434980705/
-
2 : 2015/06/22(月) 22:49:04.00 -
——未央「……で、ここは」
P「ん、ラーメン屋だな」
未央「……本当に女の子を連れて行くのはどうかってところだね」
P「お前がどこでもいいって言ったんだろ?」
未央「確かに言ったけどさー……まあ、私はいいんだけど、他の女の子を連れて行ったりしちゃダメだよ?」
P「……い、行かないに決まってるだろ」
未央「……その反応、もしかして、もう誰かを連れてきちゃったことある?」
P「……ちひろさん」
未央「二人きりで?」
P「うん」
未央「ちひろさんはどんな反応だった?」
P「怒られた」
未央「そりゃそうなるよ……プロデューサー、バカなの?」
-
4 : 2015/06/22(月) 22:53:36.21 -
P「いや、だって……ちひろさんも『どこでもいい』って言ったんだぞ? それなのに……」
未央「いやいや、『どこでもいい』って言っても限度はあるでしょ……」
P「そういうもんかなぁ」
未央「そういうものだよ」
P「……未央、やっぱり他の店にするか?」
未央「んー……いいよ。プロデューサーはここで食べたいんでしょ? 確かに花も恥じらう女子高生をラーメン屋に連れて行くとかどうかと思うけれど……私もラーメン、好きだしね。むしろこういう機会じゃないと入りにくいし?」
P「あんだけ言っといていいのかよ」
未央「だから、他の女の子とは、だって。私はいいし……他にもいいって子は居ると思うよ? ただ、誰が大丈夫で誰が大丈夫じゃないかは私もわかんないけどね」
P「そうか……まあ、いいなら食べるか」
未央「うん。食べよ。もうお腹、ぺこぺこだし」
-
5 : 2015/06/22(月) 22:55:59.96 -
——店内未央「ここ、地元では見たことないけど、東京では割りと見るね。どういう感じのお店なの?」
P「千葉にはないのか?」
未央「んー、どうだろ。私は見たことないけど、どこかにはあるのかも」
P「……っと。ないみたいだな。ちょっと検索してみたが、見当たらない」
未央「えー……それじゃあ、おいしかった時にまた食べに行きにくいじゃん」
P「ここらへんならいくらでもあるから大丈夫だろ」
未央「まあ、そっか。でも、女の子一人じゃあ……」
P「あー……そうだな、ここは京都に本店があるから、紗枝や周子、夏美さんに……雪美、はさすがにダメかな。まあ、そういう京都出身の人を誘ったらきてくれるかもしれないぞ」
未央「へぇ、京都に……なんか、京都って『和』のイメージがあったから意外かも」
P「割りと京都発のラーメン屋ってのは多いけどな」
未央「そうなんだ……実は紗枝はんがラーメン大好きっ子っていう可能性も?」
P「もしかしたら、あるかもな……」
-
6 : 2015/06/22(月) 22:58:48.29 -
——
未央「それで、ここのラーメンは何を頼めばいいのかな? 『あっさり』と『こってり』があるみたいだけど……どっちが良いの?」
P「有名なのは……というか、普通は『こってり』だな。ここに来たら『こってり』を頼め、ってくらいには『こってり』が有名だ」
未央「へぇー……それじゃあ、私も『こってり』を頼んでおけばいいのかな?」
P「いや、そうとも限らない。ここの『こってり』は好き嫌いがわかれる。だから、とりあえず『あっさり』を頼むというのも手ではあるな」
未央「えー……でも、ここと言えば『こってり』なんでしょ? それじゃあ、『こってり』を頼むべきなんじゃないの?」
P「それはそうなんだが……あ、そうだ」
-
7 : 2015/06/22(月) 22:59:53.10 ID:j7DSEFER0 - そんな時こそこっさり
-
8 : 2015/06/22(月) 23:01:08.23 -
未央「? どうしたの?」
P「俺はどうせ『こってり』を頼むから、それを食べるか? 口に合えば交換するし、な」
未央「えー……そんなこと、私、恥ずかしくてできないっ」
P「で、どうするんだ?」
未央「私が『あっさり』を頼むからプロデューサーは『こってり』を頼んでよ。でも、『こってり』の方がおいしかったからって交換するのはちょっとプロデューサーに悪いかも」
P「なんでだ?」
未央「だって、プロデューサーは『こってり』を食べたいんでしょ? それなのにもらうっていうのは、さすがの未央ちゃんも気が引けちゃうよ」
P「問題ない。たまには『あっさり』も食べてみたくなるんだよ。ただ、一人で来るとなったら『こってり』を頼んでしまうだけでな」
未央「……もしかしてプロデューサー、そのために私と一緒にここに来た?」
P「……想像に任せる」
未央「もー……それじゃ、注文しよっか。すみませーん!」
-
11 : 2015/06/22(月) 23:04:26.12 -
——未央「それではきました、『こってり』と『あっさり』。それに餃子が一人前」
P「なんだそれ」
未央「レポーターさんの真似? というか、女の子が一緒に居る時に餃子を頼むとは……プロデューサーはとことんダメだね」
P「なんでだよ……餃子、うまいだろ」
未央「確かにおいしいけどさー……ほら、口、臭っちゃうじゃん?」
P「……だからちひろさんは餃子に手を付けなかったのか」
未央「ちひろさんと一緒に来た時にも餃子頼んじゃったんだ……」
P「ラーメンと餃子、それにビールってのが……いや、なんでもない」
未央「餃子じゃなくてチャーハンだったらまだいいんだけど、餃子はねぇ……」
P「そのラーメン屋は餃子がうまい店だったんだよ……」
未央「あ、ここじゃないんだ」
P「まあな。ここならチャーハンもかなり良いんだが……個人的に、俺はラーメンを食べる時はチャーハンよりも餃子派なんだよ」
未央「そうなんだ。べつにどうでもいいけどね」
P「ひどいな。……じゃあ、食べるか。いただきます」
未央「うん、いただきまーす」
-
12 : 2015/06/22(月) 23:07:11.84 -
——未央(んー……ラーメン、か。食べるの、結構久しぶりかも)
未央(わざわざプロデューサーが連れてきてくれた店だけど……どうだろ? おいしいのかな?)
未央(ま、食べてみなくちゃわからないよね。では、まずスープから……)ズズ…
未央「……んー」
未央(おいしいけど、思ったほどじゃない、かも? なんか、『普通においしいラーメン』って感じ……でも、プロデューサーは『こってり』こそがここのラーメンみたいなことも言ってたし、これは当然のことなのかも)
未央(あと、『あっさり』って割りにそこまで『あっさり』してない。味がかなりしっかりしてる。これが『あっさり』……『こってり』って、どんなのなんだろう)
未央(っと、スープだけで決めちゃだめだよね。それでは、麺を……)チュルチュル
未央「……おっ」
未央(おいしい。スープだけではそこまで感じなかったけど……麺を食べるとかなりおいしい。私、これくらいの硬さの麺が好きかも)
-
13 : 2015/06/22(月) 23:09:10.97 -
P「どうだ? 未央」
未央「おいしいよ。そうだね……ラーメン界の王道、みたいな?」
P「普通の味、ってことか」
未央「えー……それ、さすがに曲解し過ぎじゃない?」
P「かもな。ま、おいしかったならそれでいい。じゃあ、こっちも食べてみるか?」
未央「うん。あー……」
P「……何してる?」
未央「え? あーん、ってしてくれるんじゃないの?」
P「するわけないだろ」
未央「えー、つまんないなぁ」
P「そんなこと言って、本当にしたら恥ずかしがるだろ」
未央「……そんなことないですよ?」
P「絶対嘘だろ」
未央「むー……それじゃ、試してみなよ!?」
P「誰がやるか。ほら、自分のレンゲと箸を使って食べろよ」
未央「なんか釈然としないけど……じゃあ、いただきます」
-
14 : 2015/06/22(月) 23:13:24.37 -
未央(……ほほう、これはもう、見た目からして違いますなぁ)
未央(『こってり』って話だけど……これ、もう『とろーり』なんて言った方がいいんじゃない? レンゲでちょっとすくっただけで)トローリ
未央(思った通り、この有り様ですよ。……これ、大丈夫なのかなぁ?)
未央(でも、食べてみなくちゃ始まらないよね。……では、一口)ズズ
未央「……んー!」
未央(こっ……これ、すごい! めちゃくちゃ濃いけど……おいしい! こんなラーメン、食べたことないかも……これはプロデューサーがハマるのも、わかるかもしれない)
未央(じゃ、じゃあ次は麺を……)チュルチュル
未央「……おおー」
未央(おいしい……。麺とスープがすっごく絡んでて……クリーム系のパスタみたいな? とにかく、おいしい……)
未央(でも、『好みがわかれる』って気持ちもわかるなぁ……私は大丈夫だったけど、これ、ダメな人はダメなような気がする。勝手なイメージだけど、しまむーとかしぶりんはダメなような気がする。逆にあーちゃんとか茜ちんはなんか大丈夫なような気がする)
未央(んー……あと、は)
-
15 : 2015/06/22(月) 23:14:40.24 -
未央「プロデューサー」
P「ん?」
未央「ネギ、ちょっともらってもいい?」
P「いいぞ。俺も未央のネギもらってるしな」
未央「あ! いつの間に……人のラーメンの具を食べるなんて、鬼? 悪魔? それともちh」
P「チャーシュー食べてないだけマシだろ」
未央「もー……じゃ、遠慮なくいただくからね」
P「おう」
-
17 : 2015/06/22(月) 23:16:22.73 -
未央(と、いうことで、結構乗せられているネギを……)パクリ
未央「ほぉ……」
未央(おいしい。なんか特別なネギが使われていたりするのかな? でも、ただ『ネギ』がおいしいわけじゃなくて、このラーメンと一緒だからおいしいのかも……)
未央(うーん……これは、思った以上においしいかも)
P「で、どうだ?」
未央「え?」
P「味。『こってり』、大丈夫だったか? って、その反応を見る限り、大丈夫そうだけどな」
未央「うん……思ったよりおいしいよ。食べたことない感じ。なんか、すごく、くるね」
P「だろ? それが良いんだよなぁ……疲れていて、腹が空いている時に、これを食べる……最高だろ?」
-
18 : 2015/06/22(月) 23:17:38.34 -
未央「うん、最高かも……プロデューサーの言った通り、好みはわかれるだろうけどね」
P「ああ。凛や卯月は苦手なような気がする。勝手なイメージだけどな」
未央「」プッ
P「? どうした、未央?」
未央「……ううん、なんでもない。ただ、考えることは同じだな、と思ってね」
P「……よくわからんが、そうか」
未央「うん、そうなの。でも、おいしかったから通っちゃうかもなー……」
P「アイドルなんだから通うな。太るぞ」
未央「……そんなところにアイドルを連れて行ったのは誰なんですかね?」
P「……で、感想は上々とのことだが」
未央「あ、流した」
-
19 : 2015/06/22(月) 23:19:55.49 -
P「……それで、未央。もう一回『あっさり』を食べてみろ」
未央「え……あ、やっぱりプロデューサー、『こってり』の方が良いの?」
P「そういうわけじゃなく……食べてみろ」
未央「……うん、わかった」
未央(うーん……確かに『あっさり』もおいしかったんだけど、『こってり』を食べた後だと、なんか物足りないような気がするなぁ……)
未央(でも、『あっさり』もおいしかったことは確かだし……うん、仕方ないね)
未央(じゃあ……)ズズ…
未央「ん!?」
未央(うわ……なんだろ、これ……さっきと全然印象が違う?)
P「おっ、その顔……未央も、これ、好きか?」
未央「……うん。なんだろ。さっきよりも、ずっとおいしい」
未央(そう……本当に、おいしい……『あっさり』している……)
P「そうだよな。これくらい『こってり』の後だと、この『あっさり』でも本当に『あっさり』に感じる。これを『物足りない』ように感じる人も多いと思うが……俺はこの『こってり』の後の『あっさり』ってのが好きでなぁ……一人ではちょっとキツイが、二人以上で来る時はこれをしたいんだよ」
未央「プロデューサー……やっぱり、自分がしたかっただけなんだね」
P「でも、未央も満足しただろ?」
未央「まあね。プロデューサー、こんなにおいしいお店を教えてくれてありがとね☆」
P「どういたしまして」
-
20 : 2015/06/22(月) 23:23:08.16 -
——店外未央「——ごちそうさまでした、っと」
P「結局、未央も餃子を食べてたな」
未央「だって、プロデューサーがすっごくおいしそうに食べるんだもん……」
P「……未央、未央」
未央「ん? 何、プロデュ——」
P「」ハァー……
未央「うわっ! ちょ、プロデューサー、息をにおわせるとかやめてよー……」
P「ふっふっふ……今、未央も同じにおいをさせてるんだぞ?」
未央「それ、言っちゃう? というか、私はプロデューサーと違ってアイドルだもん。息はくさくないよ」
P「いやいや、わからないぞ? 今日帰る途中の電車とか、周りからくさいって思われるかもしれないぞ?」
未央「ちゃんとブレスケアくらいするよ……私、これでも女子高生ですよ? 持ち歩いてないわけないでしょ」
P「? じゃあ、どうしてまだやらないんだ?」
-
21 : 2015/06/22(月) 23:25:08.87 -
未央「それは……あの、ちょっと恥ずかしいから、耳、寄せてよ」
P「は? ……べつにいいが」
未央「」ハァー…
P「ブッ……未央、お前」
未央「あはは。引っかかったー☆」
P「……お前、アイドルなのに何をしてるんだよ」
未央「えへへー……でも、現役女子高生アイドルの息だよ? 嬉しいでしょ?」
P「餃子食った後じゃなかったらな」
未央「んふふー……先にやったのはプロデューサーだからね。文句を言われる筋合いはないよ」
P「それを言われると返す言葉もないな……」
-
22 : 2015/06/22(月) 23:28:14.40 -
未央「でも、本当においしかったなー……通うのはなしにしても、また来てみたいな」
P「そうか。気に入ってくれて嬉しいよ。でも、一つだけ注意したいことがある」
未央「なに?」
P「他の店だと『こってり』がこんなもんじゃない可能性がある。割りと店舗によって違うんだよ、ここ。キツイところはスープが本当に『ドロドロ』ってこともあるからな。俺はそういうのも好きだが……ここと同じ感じだと思って頼むと面食らう可能性がある、って覚えておいてくれ」
未央「へぇ……でも、食べてみたいかも」
P「いや、アレは本当に強烈だからなぁ……そもそも狙い撃ちってのはなかなかできないしな。俺が知ってる店は俺の地元だし」
未央「あー、そっかぁ……まあ、そういうのは行ってみて試してみるものだよね」
P「そうだな。また、他の店に行った時に、だな。俺が一緒ならまた今回みたいにするか?」
未央「うん、そうしよっかな。その前に紗枝はんとかと行ってたりするかもだけど」
P「紗枝がここを好きじゃなかったら?」
未央「んー……誰か他の子を誘っていくかも。でも、プロデューサーとっていうのが最有力かな」
-
23 : 2015/06/22(月) 23:31:28.26 -
P「そうか……まあ、俺はいいが」
未央「おっ、いいの?」
P「複数人で食べに行くってのは一人じゃあできないこともできたりするからな……だが、ここだけでいいのか?」
未央「? どういうこと?」
P「他の店にも行きたくはないか、ってことだ」
未央「……連れて行ってくれるの?」
P「ああ」
未央「……プロデューサー、本当にプロデューサー?」
P「なんだよ、それ……俺が俺以外の誰に見える」
未央「いや、なんか、優し過ぎるような気がして……」
-
24 : 2015/06/22(月) 23:34:44.83 -
P「失礼な奴だな……さっきも言ったが、俺のためでもあるんだよ」
未央「かわいいアイドルと一緒にごはんを食べれる、とか?」
P「……まあ、それもないとは言わない」
未央「それはそれは……プロデューサーとして、どうなのかなー?」
P「じゃあ連れて行かない」
未央「待って待ってごめんごめん連れて行って下さいお願いします」
P「ああ。じゃ、次どこに行くか考えとくよ」
未央「……なんか、プロデューサー、楽しそうだね」
P「んー? まあな」ウキウキ
未央「私よりも楽しそうなんだけど……べつにいいけど。じゃ、期待してるからね、プロデューサー」
P「おう、期待してくれ」
終
-
25 : 2015/06/22(月) 23:43:33.05 -
これにていったん終了です。
>>7言われているように「こっさり」という選択肢もあったんですが、恥ずかしながら「こっさり」を食べたことがないためにこのSSではないものとして扱ってしまいました。申し訳ありません。このSSはこのように未央とごはんを食べたい妄想SSとなります。
今回「ラーメン」を選んだのはしばしば「未央はラーメン屋に連れて行っても大丈夫そう」と言われているからです。それを見て未央とラーメン食べに行きたくなったので書きました。
今のところ不定期で続ける予定ですが、ひとまずは、ここまで読んで下さってありがとうございました。 -
27 : 2015/06/22(月) 23:46:50.51 -
あとSSとは関係ありませんがデレアニ第三巻のジャケットの未央かわいすぎますね。
改めてありがとうございました。
-
33 : 2015/06/23(火) 22:01:00.59 -
——事務所
TV「——屋!」
P「……久しぶりに、食べたいなぁ」
ちひろ「? どうしたんですか? プロデューサーさん」
P「いや、何でもありません。……ちひろさんは、この後」
ちひろ「楓さんたちと飲み会ですね♪ プロデューサーさん、やっぱり来ますか?」
P「いえ、俺は明日早いんで」
ちひろ「そうですか……残念です」
P「俺も残念ですよ……」
P(本当に残念だが……仕方ない。今日は独りで——)
未央「たっだいまー!」
P「!」
-
35 : 2015/06/23(火) 22:15:54.14 -
ちひろ「あ、おかえりなさい、未央ちゃん。……でも、どうして? 今日はもう終わったはずだけど……」
未央「いや、ちょっと事務所に忘れ物をしちゃいまして……誰も居ないなら帰ったんだけどね」
ちひろ「何を忘れたの?」
未央「明日提出の宿題、かな」
ちひろ「……未央ちゃん」ジトー……
未央「だ、だから取りに来たんじゃん。私、これでも成績優秀ですからね?」
ちひろ「でも、こんな時間に女の子が……」
P「ちひろさん、まあ、いいじゃないですか」
ちひろ「プロデューサーさん?」
P「未央は確かに忘れ物をしましたが、しっかり取りに来ました。こんな時間とは言っても、まだ人は大勢出歩いている時間です。そこまで心配することじゃないですよ」
ちひろ「でも……」
P「大丈夫です。帰る時は俺が送りますから。……ってことで、未央、悪いがちょっと待っててくれ」
未央「え、うん、いいけど」
ちひろ「……ハァ。プロデューサーさん、帰って下さい」
P「ちひろさん……?」
ちひろ「アイドルを待たせるわけにはいきませんからね。……残りは私がやっておきます。だから、先に帰って下さい」
P「ちひろさん……ありがとうございます」
ちひろ「どういたしまして。……じゃあ、また明日、よろしくお願いしますね」
P「はい、また明日、よろしくお願いします」
-
36 : 2015/06/23(火) 22:22:31.46 -
——未央「ねぇ、プロデューサー、よかったの?」
P「またお礼はするよ。ここはご厚意に甘えてさせてもらおう」
未央「でも、私のせいで……悪いことしちゃったなぁ」
P「そこまで仕事が残っていたわけじゃないから気に病むな。それに、ちひろさんはこの後楽しい楽しい飲み会だからな……」
未央「? プロデューサーは行かないの——って、もしかして、私のせいで……?」
P「違う違う。未央が来なくても俺は行けなかったんだよ。まったく、俺は明日も早いってのに……あの面子じゃあ、いつまでやるかわからないからな」
未央「あの……ご愁傷様?」
-
38 : 2015/06/23(火) 22:31:30.03 -
P「だから、俺としては未央が来てくれて助かったんだよ」
未央「? どうして?」
P「——っと、その前に聞いておかなくちゃいけないな。未央、夕食は?」
未央「時間がなかったから、まだ、食べてないけど……」
P「で、今日は寮に泊まるつもり……だったよな?」
未央「うん。……まだ電車は残っているけれど、今から帰るとなるとかなり遅くなるからね。今日は泊まらせてもらって、明日の朝、帰るつもり」
P「よし! それじゃあ、行くか!」
未央「どこに?」
P「社会人の味方のところに、だ」
-
39 : 2015/06/23(火) 22:37:56.18 -
——店の前未央「で、ここは……」
P「牛丼屋、だな」
未央「……前はラーメンで、今度は牛丼? プロデューサー……」
P「仕方ないだろ。この時間だしな。まだ夕食を食べていないお前が悪い」
未央「仕方ないじゃん。仕事から帰った時点で寮の食堂も閉まってたんだし」
P「お前、それじゃあ今夜はどうするつもりだったんだ?」
未央「……コンビニで何か買おっかなー、と」
P「アイドルがコンビニ飯って……いや、コンビニ飯もそれはそれでいいかもなぁ……」
未央「どっちなの……?」
P「たまになら良いな。未央はできるかぎりやめておけよ?」
未央「さすがにめったにしないよ……」
-
40 : 2015/06/23(火) 22:44:02.64 -
——店内未央「でも、牛丼かぁ……」
P「もしかして初めてか?」
未央「女子高生で来たことあるって子の方が少ないんじゃないかな」
P「そうか……でも、初めて、か」
未央「初めてだったらなんなの?」
P「いや、なんでもない。それで、何にする?」
未央「プロデューサーのオススメは?」
P「やっぱり牛丼だな。他のも頼みたくはなるが……やっぱりコレなんだよなぁ」
-
41 : 2015/06/23(火) 22:48:37.29 -
未央「それ、前のラーメン屋さんでも言ってなかった?」
P「そういうもんってことだな」
未央「そういうもの、なの?」
P「ああ。たまに冒険もしたくなりはするけどな。気分による。今日はいつものって気分だからいつものを頼む……って調子でな」
未央「へぇ……」
P「ま、人によるだろうけどな。で、未央、どうする?」
未央「まあ、私はよくわからないし、プロデューサーのオススメに従っておくよ」
P「そうか。じゃ、すみませーん」
-
42 : 2015/06/23(火) 22:54:34.70 -
——未央「そういえば、牛丼屋さんってすごく早く来るって聞いたけど、ホント?」
P「んー……まあ、そうだな」
未央「どれくらい?」
P「たぶんもう来る」
未央「え」
店員「お待たせしましたー。牛丼並盛と特盛です」
P「ありがとうございます……ほらな?」
未央「……ファーストフード?」
P「そうだぞ? 逆に何だと思ってたんだ?」
未央「……牛丼の店」
P「正しいな」
-
43 : 2015/06/23(火) 22:58:44.28 -
——未央(で、予想以上の速度で運ばれてきたわけですが……)
未央(……うん、牛丼だ。牛丼以外の何物でもない)
未央(かなり身近だけど、食べたことなかったんだよね。どういうものかは知っているつもりなんだけど……)
未央(でも、プロデューサーが連れてきてくれたわけだし……まずいってことはないよね?)
未央(でも、この値段と、速度……これでおいしいっていうのは……)
未央(……いやいや、プロデューサーを疑うなんてしちゃダメだ。食べる前から決めつけちゃダメだよね)
未央(そもそも、他のファーストフードだっておいしいし……うん、ここもおいしい! そうに違いない!)
未央(……って、考えたいんだけれど、どうだろうなあ)
未央(においも、割りと独特だし……うーん)
-
44 : 2015/06/23(火) 23:03:36.14 -
未央(……ま、食べなくちゃわからないし、食べよう)パクッ
未央「……え!?」
未央(な……なにこれ!? おいしい!? ……え、こんなに……こんなにおいしいの!? こんなにおいしいものがこの値段と早さで……? 何か間違ってるんじゃない!?)
P「その顔……未央、お前、わかりやすいな」
未央「いや、でも……これ、おかしくない? ちょっと、思ってたのよりもおいしすぎる……」
P「だよなー。初めて食った時はそうなるよなー。俺も初めてここの牛丼を食べた時は『ここまでうまいものがこの世界に存在していいのか』って思ったからなー」
未央「それで、この安さで、この早さで……ぷ、プロデューサー。これ、なにか危ないものとか……」
P「たぶんないよ。俺も初めて食った時はちょっと疑ったけどな……」
未央「でも、これ……これ!」
P「うまいよなぁ……今でもうまいと思うが、初めて食った時は本当に……。未央、早く食べなくていいのか? 冷めるぞ?」
未央「そ、それもそうだね……」
未央(……でも、これ、本当においしい……)
未央(なんだろう……本当に、一口食べた瞬間にガツンときた……)
未央(……はしたないけど、がっついちゃう)
未央(……これは、危ない食べ物かも)
-
45 : 2015/06/23(火) 23:10:00.81 -
——未央「……もう、食べ終わっちゃった」
P「ほとんどがっついてたな」
未央「だっておいしいんだもん……というか、プロデューサーだってがっついてたじゃん」
P「やっぱりたまに食べるとうまくてなぁ……それに、俺はアイドルじゃないからがっついてもいい」
未央「それ、ズルいなぁ……」
P「しかし、今回も未央はうまそうに食べてたな……見てるこっちがうれしくなるくらいに」
未央「おいしかったからね。……こここそ、安いし、通っちゃうかも」
P「やめとけ」
未央「やっぱり? 確かに、毎日食べてたら太りそうだしね」
P「そういう意味じゃない。ここは確かにうまいんだが、毎日食べるとさすがに飽きる。ソースは俺だ」
未央「プロデューサー、したんだ……」
-
46 : 2015/06/23(火) 23:13:30.42 -
P「ああ。だってこんなにうまいんだぞ? そりゃ、毎日食べるだろ」
未央「うわぁ……」
P「その時期には色々と頼んだなぁ……それで『つゆだく』とか『ねぎだく』とか『とろだく』とか色々したんだが……結局、ノーマルに落ち着いたんだよなぁ。なんだかんだでノーマルがいちばんうまいと思うんだよ」
未央「……その『つゆだく』とかって、何?」
P「ああ、わからないか。『だく』っていうのは、まあ、『多め』とかそういう意味……なんじゃないか? 『つゆだく』だったら汁多め。『ねぎだく』だったらねぎ多め。『とろだく』だったら脂身の多い肉多め、ってな感じでな」
未央「へぇ……そういうのもやってみたいかも」
P「まあ、やってみるのもいいかもしれないな。でも、あんまり来るなよ? たまに、だ、たまに」
未央「……そっちの方が、おいしいから?」
P「その通り。よくわかってるな」
未央「あんだけ言われたらさすがにわかるよ」
-
47 : 2015/06/23(火) 23:16:51.41 -
P「でも、おいしいって言ってくれてよかったよ。なんか、自分の好きなものにこんだけよろこんでくれると『俺も生きていていいんだ』って気持ちになるよ」
未央「……プロデューサーは生きていてもいいよ」
P「おおう、今の破壊力高いな」
未央「そう? ……プロデューサー、生まれてきてくれてありがと♪」
P「ぐっ……未央、お前ってやつは……」
未央「んふふー……嬉しかった?」
P「最高だ」
未央「やったー♪」
P「だから……ちょっと、ご褒美だ」
未央「え?」
-
48 : 2015/06/23(火) 23:20:23.82 -
——未央「で、ご褒美っていうのは……それ?」
P「ああ。嬉しいだろ?」
未央「……いや、確かに好きだけど……牛丼のあとにこれ、いいの?」
P「大丈夫だろ」
未央「トレーナーさんに怒られても知らないよ?」
P「じゃあやめとくか?」
未央「食べまーす♪」
P「じゃ、ほら」パキッ
未央「はーい。……でも、これを二人で……なんか、恋人みたいだね」
P「おいアイドル」
未央「えへへ……ごめんなさい☆ でも、男心、くすぐられたでしょ?」
P「……正直、な」
-
49 : 2015/06/23(火) 23:26:02.76 -
未央「というか、アイドルに対してこういう二人で分けるアイスを買ってくるのが悪いんだよー……確かにおいしいんだけどさぁ」
P「お、未央も好きか? 俺も好きだ。たまに買ってきて食べるんだが、おいしいよなぁ……。最初の方はかたくてなかなか食べれないんだが、手でむりやり溶かして、それで食べていく……『コーヒー』の味をしてるかっていうと微妙だが、このアイスとかの『コーヒー』の味って好きなんだよ。それがこの値段で食べることができる……最高だ」
未央「そこまで……? 前から思ってたけど、プロデューサーって割りと食に熱いよね」
P「アイドルほどじゃないぞ?」
未央「おおぅ、そうきますか……」
P「未央のこととか、本当に熱いからな。いくらでも語れるって感じだ」
未央「……さすがに恥ずかしいから、語らないでよね」
P「俺も恥ずかしいから語らないよ」
未央「……そう言われると、語って欲しくなっちゃいましたねー」
P「そうか? まず未央。お前の最大の魅力は明るさだな。『人を楽しくさせる天才』だ。お前を見てると元気が出てくる。それと——」
未央「……ちょ、ちょっと、プロデューサー。もうやめて」
P「あと数時間は語れるが」
未央「さすがにやめて……」
-
51 : 2015/06/23(火) 23:33:23.54 -
——女子寮前未央「……プロデューサー、送ってくれてありがと」
P「寮だからな、そこまで遠くないし気にするな。というか、今日はむしろ俺が付き合ってもらったようなもんだからな」
未央「確かに、ね……でも、私もあんなにおいしいものをごちそうになったんだから、感謝しないわけにはいかないよ」
P「牛丼でそこまで感謝されても困るが……感謝するなら俺よりちひろさんに感謝してやってくれ」
未央「……それもそうだね。天使様女神様ちひろ様。ありがとうございます。この御恩はいつかプロデューサーが必ず返します」
P「俺かよ」
未央「プロデューサーが返すんでしょ?」
P「まあ、そうなんだけどな」
未央「しっかり考えないとダメだよー? 私みたいに、ラーメン屋や牛丼屋に連れて行ったりしちゃダメなんだから」
-
53 : 2015/06/23(火) 23:38:05.96 -
P「当然、それくらいは考えてるさ。……でも、未央」
未央「え?」
P「未央のことも、考えてないわけじゃあないからな」
未央「……うん。わかってるよ、それくらい」
P「そうか。なら良かった」
未央「うん……プロデューサーの気持ち、ちゃんと伝わってるからね☆」
P「……なんか間違った風に伝わってるような気もするが、ま、明日も早いし、そろそろ、な」
未央「うん……じゃ、またね、プロデューサー。おやすみなさい」
P「ああ。おやすみなさい、未央」
終
-
54 : 2015/06/23(火) 23:43:44.75 -
これにて今回は終了です。
ここの牛丼屋に初めて行った時は本当に「ここまでおいしいものがこの値段で……!?」と思いました。
もちろん今でもおいしいとは思っているんですが、初めて食べた時の衝撃が強すぎて……。あと、B級グルメが多くなるとは思いますが今のところ特に縛りなどは設けていません。とにかく未央と食べに行きたいものを書いていきたいです。
ここまで読んで下さってありがとうございました。 -
55 : 2015/06/23(火) 23:50:50.47 -
あとSSと関係ないですがかな子ガチャやばいですね……かな子Pはおめでとうございます。がんばって下さい。
改めてありがとうございました。
-
69 : 2015/06/26(金) 22:34:39.63 -
未央「お肉が食べたい」
P「は?」
-
71 : 2015/06/26(金) 22:45:26.60 -
P「いきなりなんだ? 未央」
未央「なんだか、お肉が食べたくなりまして」
P「連れて行けって?」
未央「お願い……できる?」
P「まあ、俺も行きたい……というか、言われたら食いたくなってきた。行くぞ」
未央「はーい♪ ありがと、プロデューサー」
P「どういたしまして」
-
72 : 2015/06/26(金) 22:49:57.42 -
P「でも、どうして肉なんだ?」
未央「いや、前にデレラジメンバーがお肉を食べに連れて行ってもらったみたいじゃん?」
P「……すまん」
未央「すまんって何? べつにいいよ。三人はラジオでがんばってるんだし、ご褒美くらいはあっても」
P「……めったに行かないから」
未央「デレパはまったく行かないけどね!?」
P「うっ……い、いつか二人もどこかに連れて行くよ」
未央「デレラジ組は割りと良いところに連れて行ってもらったみたいですけど?」
P「……割りと良いところに連れて行くよ。二人がよろこぶようなところに」
未央「よろしい……って、リーナには悪いけど、私は今日もプロデューサーとごはんだけどね☆」
P「……李衣菜が好きそうなところに連れて行ってやろう」
-
73 : 2015/06/26(金) 22:56:57.97 -
未央「でも、しまむーたちの話を聞く限り、本当に良いところだったみたいだね」
P「実際、かなり良いところだったからな……今月は節約しなくちゃならん」
未央「そこまで良いところに……羨ましいなあ」
P「さすがにあそこまで良いところってなると、年に数回……いや、一回でも行けたら上々だな」
未央「しぶりんまで『おいしかった……』なんて言ってたからね。しぶりんが食べ物であんな顔するなんて、見たことないよ。……あんな顔されて、その話をされちゃったら、そりゃ、お肉も食べたくなっちゃうよ」
P「だから、今から行くんだろ?」
未央「お高いところに?」
P「……おいしいところに」
未央「うん。それならいいでしょう」
P「何様だ」
未央「未央ちゃんだよ☆」
P「……そうだな」
未央「……あの、スルーされるとキツイんだけど」
P「なら最初からするな」
-
74 : 2015/06/26(金) 23:06:48.89 -
——店の前
未央「あ、ここかー」
P「お、知って……というか、来たことあるか」
未央「うん。おいしいよね。私も好きだよ」
P「そうか……なんか複雑だな。知らないところに連れて行ってやりたかったような気もするが」
未央「いいよいいよ。私もここを見ちゃったら、一気にここの口になっちゃったしね」
P「……まあ、俺もここの口になってるからな。肉が食いたいってなると、俺はここなんだよなぁ……」
未央「焼肉とかじゃないんだね」
P「焼肉もいいんだが……ここのハンバーグ、好きなんだよ」
未央「私も好きだけどね……プロデューサー、ハンバーグ、好き?」
P「かなり好きだな。なんならステーキとかより好きだ」
未央「へぇ……ハンバーグが好きっていうと、みくにゃんとらんらんが思い浮かぶね」
P「そういえばあの二人も好きだったか……また、あの二人を連れてきてもいいかもな」
未央「だね」
-
75 : 2015/06/26(金) 23:09:23.46 -
——店内
未央「……何回見てもすごい店だよね。すごい雰囲気」
P「初めて来た時はびっくりしたよな……今ではもう慣れたが、改めて見るとすごい内装だ」
未央「雰囲気あるよね……こういうのって、味にも影響するのかな?」
P「するだろうな。海の家とか出店とかで食う焼きそばがうまいみたいなもんだ」
未央「あー……なんか、わかるかも」
-
76 : 2015/06/26(金) 23:13:27.31 -
P「で、何にする?」
未央「んー……何にしよっかなー。プロデューサーは?」
P「パインバーグディッシュだな。ここに来たらこれだろ」
未央「……え? マジで?」
P「……どうした、未央。お前もここに来たことあるんだったら頼んだことあるだろ?」
未央「ないよ……逆にどうして私がこれを頼んだことがあるって思ったの?」
P「未央は頼みそうだからな」
未央「それ、褒めてる?」
P「褒めてるかどうかは微妙だが、未央は俺と同じで、変なものがあったら頼みたくなるタイプだろ?」
未央「やっぱり変なものなんだ……まあ、確かに気になってはいたけどね」
-
77 : 2015/06/26(金) 23:20:29.69 -
P「じゃあ頼むか?」
未央「どうしてそうなるの……変なもの、なんでしょ?」
P「俺も初めはそう思っていた。だが、今はもうここに来るとほとんど確実にこれにするってくらいにはうまいぞ?」
未央「本当においしいの?」
P「俺は好きだ、としか言えないな。……そうだな、無理だったら未央の分も食ってやるよ。それから、未央は他のやつを頼めばいい。それでどうだ?」
未央「……じゃあ、そうしようかな」
P「よし、決まりだな。すみませーん」
-
78 : 2015/06/26(金) 23:26:03.04 -
——店員「お待たせしました、イカの箱舟でございます」
P「ありがとうございます……で、来たな」
未央「来たけど……これ、何?」
P「イカの箱舟」
未央「なんで頼んだの……?」
P「いや、一人だと頼むのをためらうんだが、二人なら、と思ってな。というか、未央、これも食べたことないのか」
未央「うん……これ、おいしいの?」
P「おいしくないものを頼むとでも? というか、においからしてうまそうだろ? バターと醤油。このにおいをかいでうまそうと思わない日本人は少ないだろ」
-
79 : 2015/06/26(金) 23:31:24.30 -
未央「確かにおいしそうなにおいだけど……マヨネーズ、かかり過ぎじゃない?」
P「それがうまいんだよ」
未央「……太りそう」
P「じゃあ食べないのか?」
未央「…………食べないっ」
P「そうか。なら俺がもらおう」パクッ
P「……うん、やっぱりうまいな! イカと和風マヨネーズ、それにこのタレ……口に入れた瞬間に『うまい!』ってわかる。強烈だ。『ヤミツキ』っていうのはこういう料理のことを言うんだろうなぁ……」
未央「……う」
P「箸が止まらん。もう一口……ああっ! うまい! 少しクドいが、それもまた良い! あー……本当に、箸が止まらんな!」
未央「……プロデューサー」
P「ん? なんだ?」
未央「やっぱり食べます……」
P「そうか、なら食え」
未央「……プロデューサーの意地悪」
-
80 : 2015/06/26(金) 23:32:56.65 -
P「仕方ないだろ。めちゃくちゃうまいが、一人で食うと結構キツいんだよ」
未央「もう……」パクッ
未央「……うわっ!? おいしっ!?」
P「だろー!? うまいだろー!?」
未央「うん……プロデューサーの言う通り、ちょっとクドいような感じはするし、なんというか、味が重いけど、すっごくおいしいよ。確かにこれは量を食べるとキツそうだけど、何人かでわけると最高かなー」
P「うんうん。わかってくれて嬉しいよ。やっぱり、未央と俺の舌は似ているのかもな。そういう人との食事っていうのは楽しいよ」
未央「……」パクッ
未央「んー!」バタバタ
P「……すっかり虜になってるな。俺も食うか」パクッ
P「……うん、うまい!」
-
81 : 2015/06/26(金) 23:36:43.05 -
——未央「……で、パインバーグ、来ちゃったね」
P「『来ちゃった』ってなんだよ。うまいんだぞ?」
未央「……本当に?」
P「……人による」
未央「えー……」
P「……仕方ないだろ。パインバーグだぞ? パイナップルとハンバーグだぞ? そんなの、好き嫌いがわかれて当然だろ?」
未央「……なんか未央ちゃん、不安になってきちゃったんだけど」
-
82 : 2015/06/26(金) 23:41:33.30 -
P「……俺は好きだから、舌が似ている未央も好きだって」
未央「……プロデューサー、酢豚にパイナップルとか入れる派?」
P「入れない」
未央「入れないんだ……私も入れないけど」
P「よし、じゃあいけるな」
未央「むしろダメなんじゃないの……?」
P「俺が好きなんだから大丈夫だって。…………たぶん」
未央「あー! 今、『たぶん』って言ったー!」
P「……この世に絶対なんてないからな」
未央「それ、言っちゃう?」
P「……早く食べるぞ。これは温かい内に食べるのが最高にうまい料理だからな。冷めたら魅力が半減する」
未央「……わかったよ。じゃ、いただきます」
-
84 : 2015/06/26(金) 23:50:06.78 -
未央「……ん?」
未央(……あれ? なんというか、思ってたのと、違うような……)
未央(甘い。すごく甘い。それは確かなんだけど……んん?)
未央(……もう一口)パクッ
未央「……うん」
未央(……どうしよう。おいしい)
-
85 : 2015/06/26(金) 23:58:00.31 -
未央(元々甘いパイナップルだけど、それがハンバーグの熱でさらに甘く感じるようになっていて……でも、その甘さはハンバーグと合わさっておいしくなくなったりしないで、むしろ、おいしくなっている)
未央(肉汁たっぷりのハンバーグと、熱で甘みが増したパイナップル……この二つって、こんなに合うの?)
未央(……なんか、ごはんが欲しくなる)
未央(……次は、ごはんと一緒に)パクッ、パクッ
未央「……くぅーっ!」
-
86 : 2015/06/27(土) 00:34:58.54 -
未央(これはおいしい! ……なんというか、ついさっきまでめちゃくちゃ警戒していたからか、負けた気分というか、なんか、複雑な気持ちになるけど……これはおいしい!)
未央(普通のハンバーグとごはんでもめちゃくちゃ合っているんだけど、ここにパイナップルが合わさることでさらにおいしく感じる)
未央(プロデューサーの言う通り、誰もがこれをおいしく感じるわけじゃないと思う。嫌いな人は嫌いな味だとさえ思う。でも、私は……)
未央(……あー、もー!)
未央「プロデューサー」
P「ん? なんだ? 口に合わなかったか?」
未央「ううん……すっごくおいしいよ」
P「そうか……それにしては、変な顔してるな」
未央「……さっき、あそこまで疑っちゃってたからね。素直によろこべないというか……」
未央(むしろ、これの代わりに何を頼むかまで考えてたとか言えない……)
-
87 : 2015/06/27(土) 00:42:13.30 -
P「そうか。でも、おいしいんだろ?」
未央「……うん」
P「勝った」
未央「そんな反応されると思ったから複雑なんだよ……」
P「ふっふっふ。未央がいつまでも俺を疑っていたからだ。……食べなくていいのか? 冷めるとダメ、ってことはもうわかってくれたと思うが」
未央「……食べるよ! もう!」
未央(そんな反応されちゃ、素直に感謝できないじゃん)
未央(……私にこれを教えてくれて、勧めてくれて、ありがとう、プロデューサー)
未央(……心の中で言っても、意味ないか)
未央(さて、食べよう! プロデューサーの言う通り、これは冷める前に食べた方が確実においしいからね)
-
88 : 2015/06/27(土) 00:47:37.06 -
——P「……未央」
未央「何? プロデューサー」
P「……お前が頼まないって言ってた時点で少し疑問には思っていたが……アイドルっていう自覚、本当にあるか?」
未央「あるから自分では頼まなかったんじゃーん。おいしいけど、一人で食べると太っちゃうでしょ? だから仕方なくだよ仕方なく」
P「……食べないという選択肢は?」
未央「ないよ。だって、メリーメリーゴーランド、好きだもん。ここに来たらだいたいこれを頼むね、私は」
-
89 : 2015/06/27(土) 00:56:44.04 -
P「ハァ……だからって、これを二人で分け合うっていうのは、その……」
未央「カップルみたい?」
P「……兄妹みたい」
未央「えー? 兄妹でこんなのするかなー? 少なくとも私は弟とはしないけどなー」
P「未央、お前……」
未央「……プロデューサー、嫌? 本当に嫌なら、べつに、いいけど」
P「……ったく、未央、お前は本当にズルいな。……一緒に食べるか」
未央「うん。プロデューサー、ありがとね♪」
P「……礼はいらん」
終
-
91 : 2015/06/27(土) 01:09:48.42 -
あとSSと関係あるようなないような話ですが今回話に出た「デレラジ組の話」、それと前回に話が出た「ちひろさんへのお礼の話」に需要はあるでしょうか。
未央がプロデューサーとごはんを食べるという趣旨のSSなのでそこから外れることになりますが……。番外的な位置づけで。どうでしょう。意見をもらえると嬉しいです。改めてありがとうございました。
-
103 : 2015/06/30(火) 21:10:37.01 - 番外編 ちひろさんごはん
-
104 : 2015/06/30(火) 21:12:05.51 -
P「ちひろさん、昼、決まってますか?」
ちひろ「食堂に行こうと思ってたんですが……どうしてですか?」
P「前のお礼をしようと思いまして」
ちひろ「前の?」
P「ほら、未央の……」
ちひろ「ああ……そんな、べつにいいのに」
P「……嫌、ですか?」
ちひろ「いえ、うれしいですよ♪ ただ、前みたいにラーメン屋さんとかだったら複雑ですけど」
P「今日のところは大丈夫なところですよ……たぶん」
ちひろ「本当ですか?」
P「……そう言われると心配になってきました」
ちひろ「……ふふっ。いいですよ。プロデューサーさんがどんなセンスをしているのか、私が確かめてあげちゃいます」
P「それ、どういう意味ですか?」
ちひろ「そういう意味です♪ じゃ、行きましょうか」
-
105 : 2015/06/30(火) 21:13:56.09 -
——店の前ちひろ「ここ、ですか……」
P「……どうですか?」
ちひろ「外観を見る限りでは、合格、ですかね」
P「おっ」
ちひろ「パスタの店……ですよね? 割りと入り組んだところにあるからか、お客さんが並んでいるというわけではないですけど、そこそこの入り……店内の雰囲気を見る限りでも良い感じですね。少々狭いようにも思えますが……ああ、つくっている人が一人なんですね。そういう理由で、ですか」
P「……外から見ているだけで、よくそこまでわかりますね……」
ちひろ「プロですから」
P「何のプロですか」
ちひろ「アイドルの……ですかね?」
P「アイドルのプロがどうしてそんなことわかるんですか……」
ちひろ「さて、なぜでしょう? ……と、ここまでは合格ですが、中に入ってみないとわかりませんからね。入りましょうか」
P「はい」
-
106 : 2015/06/30(火) 21:22:40.07 -
——店内ちひろ「へぇ……こういう店、ですか」
P「はい。……ちひろさんは何にします?」
ちひろ「何に、って……ああ、ランチはこのコースって決まってるんですね。いや、コースというよりはセット? パスタとサラダとパン、それにドルチェ、ですか。それで千円……なかなかにリーズナブルですね」
P「はい。この五種類のパスタから一つ選ぶ、という形式ですね」
ちひろ「ふんふむ……季節で変わるタイプですね。何回でも来たくなるような工夫、ですかね?」
P「まあ、そうでしょうね。……決まりましたか?」
ちひろ「はい」
P「では、頼みましょうか。すみませーん」
-
107 : 2015/06/30(火) 21:24:00.40 -
——ちひろ「……どうしてプロデューサーさんがこんな隠れ家的な店を知っているのか疑問だったんですが、店主さんとお知り合いだったんですね」
P「ええ。というか、そうでもないと俺がこんなところを知っているわけがないじゃないですか」
ちひろ「自慢することですか? ……あそこに書いてあるメニューは、夜のですか?」
P「そうですね。夜のです」
ちひろ「……なかなかに良さそうですね。それに、並んでいるお酒も珍しいものや、おいしそうなものが……どうして夜に誘ってくれなかったんですか?」
P「ちひろさんのお眼鏡に適うかわからなかったので」
ちひろ「もう……でも、あそこにパスタは書いてませんね。それはどこに?」
P「パスタのメニューはパスタのメニューでべつに用意してあるんですよ。確か二十種類、ですね。これもたまに変わりますが」
ちひろ「へぇ……って、プロデューサーさん、相当このお店に来てますね?」
P「こういう店はここ以外にあまり知らないので」
ちひろ「なら、前回もここに連れてきてくれたら良かったのに……」
P「前はラーメンが食べたかったんですよ。……確かに、女性と一緒だという考えに欠けていましたが」
ちひろ「……まあ、今回連れてきてくれたから許してあげます」
P「ありがとうございます」
-
108 : 2015/06/30(火) 21:26:01.41 -
——ちひろ「最初はパンとサラダ、ですか」
P「はい」
ちひろ「フランスパン……と、このサラダ。……この混ざっているものは、ベーコン?」
P「そうですね」
ちひろ「へぇ……じゃあ、いただきます」
P「じゃあ俺も……いただきます」
ちひろ(……まずは、サラダを)パクッ
ちひろ(……あ、これ、おいしい。『おいしいサラダ』が出るお店っていうのは良いところなことが多いから、これは期待できるかも)
ちひろ(……でも、本当においしいわね、このサラダ。この味……このドレッシングは、りんご、かしら? 爽やかで、フルーティで……とても、おいしい。それだけでも十分過ぎるほどにおいしいのだけれど、このカリカリに焼きあげられたベーコンがとても良いアクセントになっている。小さく刻まれているから主張は控えめなものになっているけれど、それがちょうどいい。食感と風味だけを残して、バランスを崩さないように細心の注意が払われている、といった感じかしら)
ちひろ(うん、これは期待できるかも……次は、パンを)パクッ
-
109 : 2015/06/30(火) 21:27:05.35 -
ちひろ「ん……」
ちひろ(このパンもおいしい。小麦本来の……なんていう形容詞は、今じゃどこでも使われているけれど、本当はこういうパンにこそ使われるべきよね)
ちひろ(それにしても、ただのフランスパンのはずなのにここまでおいしいとは……なかなかないわよね。サラダだけじゃなく、パンまでおいしいものを出す……これはますます期待できそう)
ちひろ(こんな店をプロデューサーさんが知っていたなんて……なんだか、複雑な気分ね)
P「……どうですか?」
ちひろ「とってもおいしいですね。正直、びっくりしてます。まさかプロデューサーさんが……」
P「褒められているように感じないんですが……そこまで意外ですか?」
ちひろ「ラーメン屋さんに女性を連れて行く人がこんな店を知っていることが意外でないとでも?」
P「……それを言われると弱りますね」
-
111 : 2015/06/30(火) 21:28:29.40 -
ちひろ「ふふっ。でも、ここは本当に良いお店ですね……私、一人でも来ちゃいそうです」
P「まあ、一人でも入りやすい店ですしね。俺もよく一人で来ますし」
ちひろ「こういうお店で男性が、っていうのはなかなかに珍しいですよね。かと言って、女性が入りにくいわけでもない……本当、よくこんなお店を、という感じですね」
P「この店以外には知らないんですけどね」
ちひろ「こういうお店は一つ知っているだけでいいと思いますよ? 色んなお店を知っている必要なんてないんです。良いお店を一つ知っている。それだけで人生は豊かになるんだと思いますよ?」
P「そういうものですか」
ちひろ「そういうものです」
-
112 : 2015/06/30(火) 21:29:29.46 -
——ちひろ「……きましたね」
P「はい、きましたね」
ちひろ「……では、いただきます」
P「はい。……では俺も」
ちひろ(さすがに見ただけじゃ普通においしそうなパスタとしか思えないけれど……どうかしら)
ちひろ(今までが今までだからハードルも高くなってしまっているけれど……食べてみなくちゃわからないわよね)
ちひろ(じゃ、改めて……いただきます)パクッ
-
113 : 2015/06/30(火) 21:30:22.40 -
ちひろ「……へぇ」
ちひろ(おいしい。今回はペペロンチーノを頼んだけれど……ペペロンチーノがおいしいお店っていうのは信頼できるわよね)
ちひろ(シンプルにおいしい。それ以上の言葉なんてない。ペペロンチーノはペペロンチーノだし、何か特別なことがあるわけでもない。……もしも特別なことがあるとすれば、それは『おいしい』ということかしら)
ちひろ「プロデューサーさん」
P「なんですか?」
ちひろ「おいしいですね」
P「はい……俺のも食べます?」
ちひろ「えっ」
-
114 : 2015/06/30(火) 21:33:37.46 -
ちひろ(そ、それはどういう意味なんですかプロデューサーさん? いや、その、確かに私ももう女の子っていう年齢ではないですしこんなことで動揺するほど初心でもないつもりですけど心の準備ができてない状態で不意にこういうことをされるとさすがにびっくりするというか困るというかいやたぶんきっとプロデューサーさんにはそんな気持ちはないと思うんですけどそんな気持ちがなくても女性に対してそんなことを言うのかどうかと思うというか——ハッ! も、もしかしてアイドルたちにもこういうことをやっていたりするんですかそうなんですかもしそうだとしたら問題ですよ大問題ですよアイドルたちからいや親御さんからもしも何か言われたら不祥事で事務所が大変なことになっちゃいますよ私ももうこれ以上プロデューサーさんと仕事ができなくなっちゃいますよそれは嫌ですしだからもうこんなことはさせてはいけませんねプロデューサーさんはダメな人ですねもう!)
ちひろ「まったく! プロデューサーさんったら!」
P「えっ……な、なんですか?」
-
115 : 2015/06/30(火) 21:34:48.80 -
ちひろ「ハッ……い、いえ、なんでもありません。……プロデューサーさん? 相手が私だから良かったものを、女性に対して自分の口をしたものを分けたりしようとしたらいけませんよ?」
P「……あ、た、確かにそうですね」
ちひろ「もう……他の子たちにもしてないか心配になりますよ」
P「……」
ちひろ「……もしかして」
P「……だ、誰にでもやってるわけじゃないですよ?」
ちひろ「なら、いいですけど……気を付けて下さいね?」
P「……善処します」
-
116 : 2015/06/30(火) 21:35:52.89 -
ちひろ「お願いしますよ。……あ、あと」
P「? なんですか?」
ちひろ「……パスタ、もらってもいいですか?」
P「……」
ちひろ「……」
P「」プッ
ちひろ「! な、なんですか、プロデューサーさん!」
P「いや……結局、食べるのかと思いまして」
ちひろ「……だって、おいしいんですもん。プロデューサーさんも、おいしそうに食べてましたし……」
P「……ちひろさんって、やっぱりかわいい人ですね」
ちひろ「な……! ぷ、プロデューサーさん! からかわないで下さい!」
P「いえ、本心ですよ。……ちひろさん、やっぱりアイドルになりません?」
ちひろ「なりません! ……まったく、プロデューサーさんったら」
-
117 : 2015/06/30(火) 21:37:12.43 -
P「俺は真面目ですよ? ちひろさんなら確実に成功すると思います……まあ、俺としてもちひろさんには色々と助けられているんで、本当にアイドルになられたら困ってしまうとは思いますが」
ちひろ「なら最初から言わないで下さい……」
P「俺もプロデューサーですからね、アイドルの原石を見付ければスカウトしたくなってしまうんですよ」
ちひろ「……プロデューサーさんが色んな人をスカウトできた理由がわかったような気がします」
P「お褒めいただき光栄です」
ちひろ「褒めて……ますけど、皮肉です」
P「わかってます。では、どうぞ」
ちひろ「もう……」パクッ
P「お味は?」
ちひろ「……おいしいです。とても」
P「それは良かった」
ちひろ「……プロデューサーさん、そんな性格でしたっけ」
P「そうですよ。嫌いになりましたか?」
ちひろ「……黙秘します」
P「それは残念」
-
118 : 2015/06/30(火) 21:38:24.42 -
——ちひろ「ドルチェは……チョコのジェラート、ですか」
P「そうですね。割りと毎回味は違いますが」
ちひろ「……そんなことを言われるとまた来たくなっちゃうじゃないですか」
P「あ、ちひろさん、やっぱり甘いものはお好きですか?」
ちひろ「好きですね……だから、こういうのにはちょっとうるさいですよ?」
P「そうですか。では、どうぞ」
ちひろ「……まあ、いいですけど」
ちひろ(……こういう店のジェラートは確かにおいしいことも多いけれど、どうなのかしら。チョコのジェラート……珍しいものではないけれど、『チョコ味のアイス』とは明確に違うはず)
ちひろ(これで平凡な『チョコ味のアイス』だと期待はずれだけれど……さてさて、どうかしら)
ちひろ(では……)パクッ
-
119 : 2015/06/30(火) 21:40:02.76 -
ちひろ「……んー!」バタバタ
ちひろ(甘い! でも、シャリシャリとしていて……シャーベットというわけではなくて、なんというか、薄い薄い氷の層が何層にも積み重なっているような……舌に触れただけでとけるような、でも、食感がまったくないわけでもなくて、気持ちの良い、舌触りの良い食感……)
ちひろ(そして、このチョコ味……これも良い。甘くて、でも、くどいというほどではなくて……じんわりと、舌にとけこむような、濃いチョコの味。これだけでも、専門店に負けてないような……)
P「おいしいでしょう?」
ちひろ「……はい。本当に、本当においしいです。これだけの店でも、私、通っちゃうかもしれません」
P「そこまでですか……まあ、確かに俺もかなりおいしいと思いますが」
ちひろ「……プロデューサーさん、ありがとうございます。こんな店に連れてきて下さって」
P「どういたしまして。俺も、仕事をやって下さって……いえ、いつも助けて下さってありがとうございます」
ちひろ「どういたしまして♪」
-
120 : 2015/06/30(火) 21:47:49.76 -
——店外
P「それで、今回は合格ですか?」
ちひろ「そうですね……プロデューサーさん自身に減点ポイントはありましたけど、このお店だけなら大合格ですね」
P「俺自身に、ですか」
ちひろ「はい。……まあ、ある意味では加点ポイントですけど」ボソッ
P「加点ポイント?」
ちひろ「なんでもないです」
P「そうですか」
ちひろ「はい。……じゃあ、仕事に戻りましょうか」
P「そうですね。……杏じゃないですが、働きたくないですね」
ちひろ「乃々ちゃんじゃありませんけど、もう帰りたいですね」
P「でもまあ、アイドルたちの笑顔のためなら頑張れるってもんですね」
ちひろ「はい♪ では、帰ってからも頑張っていきましょう!」
P「もちろん。頑張っていきましょう!」
-
121 : 2015/06/30(火) 21:49:04.82 -
ちひろ「じゃあ、やりますか?」
P「何をですか?」
ちひろ「アイドルたちがいつもやってるアレですよ」
P「……そうですね、じゃあ、午後もプロデユース活動、頑張りましょう!」
ちひろ「ファイトー!」
P・ちひろ「「オー!」」
ちひろ「……ふふっ」
P「……ははっ」
ちひろ「なんだか変な感じですね。……でも、なんか、元気が出てきました」
P「俺もです」
ちひろ「……これからも、よろしくお願いしますね、プロデューサーさん♪」
P「こちらこそ、これからもよろしくお願いします、ちひろさん」
終
-
122 : 2015/06/30(火) 21:49:57.05 -
>>121正
P「……そうですね、じゃあ、午後もプロデユース活動、頑張りましょう!」
↓
P「……そうですね、じゃあ、午後もプロデュース活動、頑張りましょう!」 -
124 : 2015/06/30(火) 21:56:38.05 -
これにて今回は終了です眼鏡ちひろさんかわいすぎですね正直眼鏡ちひろさんが衝撃的過ぎてシルエットをきちんと見ることができませんでした。
当初は予定を変更して李衣菜の誕生日ということで予定より早く未央李衣菜の話を書こうと思ったんですが間に合いませんでした。申し訳ありません。李衣菜、誕生日おめでとう。今回のお店は珍しくチェーン店ではなく割りと良い感じのお店……まあ、どうして『ランチ』にしたのかは察してもらえれば。
こういうお店はなかなかに入りにくいかもしれませんが当たりの店は本当に良いですよね。量が割りと多い店もありますし、今回のSSの店ではパスタが大盛りなんかにもできてポイント高かったですね。あと単純に味が良い。こういう店を探してみるのも一興だと思います。
ここまで読んで下さってありがとうございました。 -
125 : 2015/06/30(火) 22:01:45.48 - あとSSとは関係ありませんがG4U未央かわいすぎですよ! デレソニ会場で叫んでしまいましたよ! 未央かわいいかよ! 最高かよ! ありがとうシンデレラガールズ! 天使! 女神! ちひろさん! あとなんなんですかあの衣装! えっちかよ! かわいいかよ! 最高かよ! 本田未央かよ! めちゃくちゃ楽しみです!!!
-
126 : 2015/06/30(火) 22:05:53.54 -
あ、たぶん次は未央ごはんです。デレラジ組はまた三回くらい未央ごはん挟んでからの予定です。
改めてありがとうございました。
-
130 : 2015/07/02(木) 22:23:25.32 -
未央「大阪、かぁ……」
P「? どうした、未央」
未央「いや、前にみくにゃんとさ、話してたんだよね」
P「何を」
未央「大阪について? ほら、私、前に大阪に行ったじゃん?」
P「行ったな。結構前だが」
-
132 : 2015/07/02(木) 22:37:36.96 -
未央「でも、忙しくてあんまり大阪を楽しめなかったじゃん?」
P「まあ、イベントのために行ったわけだからな。俺も忙しくてどこにも行けなかったしな」
未央「それで、『あんまり観光とかできなかったんだー』って言ったら、みくにゃん、大阪に思いを馳せちゃって」
P「そういえば、みく、まあまあ長いこと大阪に帰ってなかったな」
未央「らしいね。『ソースの味が恋しいにゃあ』とか言ってたよ」
P「そっちかよ……というか、ソースの味がしたもんくらいここでも食べられるだろ」
未央「大阪の、がいいらしいよ? 私にはよくわかんないけど」
P「……俺は少しわかるな」
-
133 : 2015/07/02(木) 22:50:52.40 -
未央「そうなの?」
P「なんか違うってことは確かだな……なあ、未央」
未央「うん?」
P「腹、減ってないか?」
未央「え? いや、まあ、減ってるけど」
P「なら、行くか」
未央「どこに?」
P「ソースの味がしたもんを出す店に、だな」
-
134 : 2015/07/02(木) 22:55:27.37 -
——店の前
未央「……お好み焼き屋さん?」
P「ああ。大阪に本店がある店だな。他の店でも良いんだが、今日はここの気分でな……大阪のお好み焼き屋で初めて食べたのがこの店だからかもしれん」
未央「……みくにゃんが恋しいって言ってたのに、みくにゃんは連れてこないんだ」
P「あいつは今頃仕事だ。まあ、ここじゃなくてもまたどこかに連れて行くさ。もしくは大阪の仕事でも取ってくるよ」
未央「お願いね? みくにゃん、本当に恋しそうだから……」
P「そんなにか……じゃあ、今度ちひろさんに頼んで事務所で何か作るかな。大阪のソースくらい入手できんこともないからな」
未央「おっ、それ、いいね。楽しみかも」
P「それでも今回はここにするんだがな」
未央「いいよいいよ。明日やるってわけでもないでしょ? それに、お店のと自分たちで作るのとは違うからね」
P「まあな。じゃ、入るか」
未央「うん」
-
135 : 2015/07/02(木) 23:01:26.07 -
——店内未央「んー……すごいソースのにおいだね。お腹減っちゃう」
P「やっぱりこのにおいは腹が減るよなぁ……早く食いたくなってきた」
未央「で、プロデューサー。ここのオススメはなんなの?」
P「ん、そうだな……未央、お好み焼きでは何が好きだ?」
未央「何が、って……何か違うの?」
P「大きく分けるなら、大阪のとか広島のとか、あとはモダン焼きとかねぎ焼きとかな。それ以外もあるかもしれんが、まあ、それくらいか。あと、具の種類もあるな。肉や海鮮モノってのが普通だろうが、他にも色々入れるところはあるな。チーズやらもちやらすじコンやら。生地に山芋が入ってるやつなんかもあるな。あと……」
未央「ちょ、ちょっと待ってプロデューサー」
P「ん?」
-
136 : 2015/07/02(木) 23:06:59.98 -
未央「そんなに言われてもわかんないよ……というか、そんなにあるの?」
P「ああ。この店にはないが……ここの系列で、もうちょっとお高いところだと、創作料理めいたお好み焼きを出したりもするな。メレンゲを使っている、一見お好み焼きとは思えないようなやつも……」
未央「そんなのまであるんだ……でも、何が好きだって言われても、私はよくわからないよ。今プロデューサーが言ってたのもほとんどわかんなかったし」
P「ってことは、なんでもいいってことか?」
未央「うん」
P「じゃ、今回は俺が選んでいいか? 俺の好きなもんになるが……」
未央「それでいい……というか、それがいいかな。今までの感じだと、プロデューサーと私の好みは近いみたいだし」
P「じゃ、決定だな。すみません」
-
137 : 2015/07/02(木) 23:13:10.52 -
——未央「……で、まず来たこれは」
P「とん平焼き、だな。本当なら他にも頼みたいもんはあったんだが、さすがに二人じゃあ、な」
未央「これ、おいしいの?」
P「うまいぞ。ここに来たらこれを頼め、っていうくらいには」
未央「お好み焼きじゃないんだ……」
P「お好み焼きは言われなくても頼むだろ?」
未央「まあ、そうかもしれないけど……」
P「まあ、食べてみろ。うまいから」
未央「うん……じゃ、いただきます」
-
138 : 2015/07/02(木) 23:18:03.78 -
未央(って、今回のは本当に見るからにおいしそうなんだけどね)
未央(玉子で何かを……豚肉? まあ、何かを包んであって、それにソースとマヨネーズがたっぷりかけられてる)
未央(正直、ソースとマヨネーズってだけでもうおいしそうなんだよね。だから、ある意味で『ソース』の味に期待、かな)
未央(じゃ、早速一口……)パクッ
未央「熱っ……ん!」
未央(熱いけど……おいしい! ソースは甘口で、玉子はとろとろで、そこにみじん切りされた豚肉が……本当に、おいしい)
未央(甘口のソースとマヨネーズがとろとろの玉子と一緒に舌の上でとろけてる……とろけそうな味、っていうのはこういうのなのかも)
未央(……おいしいだろうとは思ってたけど、まさか、ここまでとは……)
-
139 : 2015/07/02(木) 23:23:01.87 -
P「うまいか?」
未央「……うん。とってもおいしい——って、ん?」
未央(……なんか、さっきよりも明らかに量が……)
未央「……プロデューサー、なんか、さっきより量が明らかに少ないんだけど」
P「そりゃ、俺が食ってるからだな。一瞬で口の中でとろけるからバクバク食えちまう。罪な料理だよ」
未央「罪なのはプロデューサーだよ!? 私も食べたいのに……あー! もう、プロデューサー! これ以上食べないで!」
P「ちんたら食ってるのが悪い」
未央「もー! プロデューサーのバカ!」
P「文句言ってる暇あるのか? まあ、食わないなら俺がもらうけど」
未央「食べる! 食べるから、プロデューサーはもう止めて~!」
-
140 : 2015/07/02(木) 23:28:07.14 -
——未央「……プロデューサーの意地悪」
P「なんでだよ。結局、未央も半分食っただろ」
未央「もっとゆっくり食べたかったんだもん……」
P「俺もゆっくり食べたくなかったわけじゃない。ただ、これがうますぎるのが問題なんだよ」
未央「絶対プロデューサーの問題だよ……」
P「かもな……っと、そろそろ来るな」
未央「……もう」
-
141 : 2015/07/02(木) 23:38:45.99 -
——未央「……すごかったね」
P「ああ、マヨネーズか? こういう店のマヨネーズのかけ方は何度見ても感動するよな。まあまあな距離からものすごい速度でかけられるマヨネーズ……一種のエンターテイメントだ」
未央「私、初めて見たかも」
P「おっ、そうか」
未央「うん。すごいね、アレ。私にもできるかな……」
P「普通に売られているマヨネーズのチューブだったら無理だな。経験上」
未央「やろうとしたことあるんだ……」
P「あんなの見たらやってみたくなるだろ。……で、きたわけだが」
未央「お好み焼きと焼きそば……焼きそばを頼んだのは」
P「ここは焼きそばもおいしいから、だな。二人ならまあこれだろ」
未央「そうなんだ……まあ、私もどっちも食べれるならどっちも食べたいけど」
P「だろ? じゃ、いただきます、っと」
未央「いただきまーす」
-
142 : 2015/07/02(木) 23:43:53.65 -
未央(さて、いざ実食、ってなわけだけど……うん)
未央(さすがに普通のお好み焼きと焼きそばだよね。焼きそばはよく食べるけれど、そういえば、お好み焼きって食べるの結構久しぶりだなー……普通に生きていてお好み焼きを食べる機会ってあんまりないもんね)
未央(大阪の人はどれくらいの頻度で食べているんだろう……毎日、なわけないし……月に一回くらい? 私は一年に一回あるかないか……というか、本当に長いこと食べてないような気がするな。この一年間に食べたことあったっけ……?)
未央(思えばかなり久しぶりかも。うん、なんか楽しみになってきた)
未央(さてさて……これはこのヘラ? を使って食べればいいのかな? プロデューサーは……ヘラで切ってから取り皿に分けて、それをお箸で食べている……そういう食べ方もあるのか)
未央(……というか、プロデューサーならなんかヘラだけで食べそうな気がしたけれど、そんなことないんだね。いや、べつにいいんだけど……まあ、人による、ってことなのかな?)
未央(とりあえず、プロデューサーと同じようにして食べよう。まずヘラで切って……ん?)
未央(……微妙に切れない。プロデューサーは……ああ、そうするのか。えっと、ザクっと突き刺して、こするようにして切る。のこぎりみたいな……ってほどじゃないけれど、こうすれば切れるのか)
未央(……こんな状態で、前の私はいったいどうやって食べたんだろう。誰かに取り分けてもらってでもしたのかな? もう前に来た時のことを覚えてないから一概には言えないけれど……)
-
143 : 2015/07/02(木) 23:48:46.19 -
未央(まあそれはおいといて、とりあえず、取り分けることはできた。じゃ、これをお箸で挟んで……いただきまーす)パクッ
未央「……あふっ……んっ、んんっ!」
未央(うん、おいしい! 正直わかっていたけれど、やっぱりおいしい。ふわふわの生地に色々入っている具材、ソースの味とマヨネーズの味、かつお節やらが一つになった味)
未央(『お好み焼き』っていう名前はその通りで、色んな物が入っていて、その味がごちゃ混ぜになっているんだけれど、それで味が損なわれるなんてことはなくて、むしろおいしくなっている。この強烈なソースの味がすべてをまとめているって感じだね)
未央(うーん、おいしい。なんでこんなにおいしいのかって説明を求められると困るけど、なんかおいしい。おいしいものはおいしいんだから、って感じだ)
-
144 : 2015/07/02(木) 23:55:14.28 -
未央(……じゃ、次は焼きそばをもらおうかな。焼きそばは……うん、普通にお箸でとるよね)
未央(焼きそばは……まあ、さすがに普通、ってわけでもないかな。おいしいんだろうけれど……どれくらいおいしいんだろう)
未央(……とりあえず、一口)パクッ
未央「……んっ」
未央(おいしい! うわっ何これ。焼きそば……だよね? いや、焼きそばだ。味も焼きそばの味だ。いつも食べてる焼きそばとそこまで離れている味じゃない。ただ『とてつもなくおいしい焼きそば』だ)
未央(基本的な味に大きな違いがあるわけじゃないけれど……本当においしい。正直、思ってた以上においしい)
未央(……ちょっと、お箸が止まらないかも)
-
145 : 2015/07/03(金) 00:01:13.01 -
P「おお、未央。気に入ったみたいだな」
未央「うん……おいしいね、プロデューサー」
P「焼きそば頼んでよかっただろ?」
未央「うん。お好み焼きもおいしいけど、焼きそばも本当においしいね」
P「それは良かった。いやぁ、やっぱりソースの味がしたもんってのはたまにめちゃくちゃ食べたくなるよな。みくの気持ちももっともだ。焼きそばなら自分でも手軽に作れるんだが、お好み焼きとなるとそうはいかない。そこまで難しいもんでもないが、手軽にってわけにはいかないからな。このソースとマヨネーズのどっちもがかかったお好み焼き。色んな具材がいっしょくたになっているコレはやっぱりうまいんだよなぁ。ふわとろって感じのお好み焼きもあるんだが、あれもまたうまい。でも俺はここみたいなやつの方が慣れ親しんでいるんだよなあ。だからここのを食べると『うまい!』と同時に懐かしさも感じる。良いよなぁ……」
未央「……熱いね、プロデューサー」
P「まあ、鉄板の近くだからな」
未央「そういう意味じゃないよ……」
未央(でも、本当にどっちもおいしい。プロデューサーの言う『ふわとろ』っていうのも気になったけれど……私にとっては、ここのお好み焼きで十分過ぎるほどにおいしい)
未央(焼きそばにもいっぱい具材があるけれど……お好み焼きは『具材あってこそ!』って感じがするから、そういう点ではこっちの方が上かも)
未央(んー……甲乙つけがたいですなぁ。まあ、甲乙つける必要なんてないんだけど)
未央(……なんか、食べてる途中なのにお腹空いてきた。食べよ)パクッ
-
146 : 2015/07/03(金) 00:08:21.71 -
——店外未央「ごちそうさまでしたー」
P「結構食べたな、未央」
未央「だっておいしかったんだもん。というか、プロデューサーに言われたくないんですけど?」
P「そうか? 俺はいつも通りだと思うが……むしろいつもより少なめじゃないか?」
未央「男の人だからって食べてたら太るよ? プロデューサー、ただでさえ外食多そうだし……」
P「運動はそこそこにしてるから大丈夫だ。忙しいしな」
未央「運動って言っても私たちほどはやってないじゃーん」
P「そもそも俺は太っても問題ない。アイドルじゃないからな」
未央「……アイドルたちから嫌われちゃうかもよ?」
P「うっ……い、いや、でも、みんなは太ったくらいで俺のことを嫌いになったりしないから」
-
147 : 2015/07/03(金) 00:13:02.18 -
未央「そうだろうけど……ね?」
P「なんだよその『ね?』って……765の徳川さんかよ……こわいからやめろよ……」
未央「ほ? なんのことなのです?」
P「お前765さんネタやめろよ……テレビなんかでは絶対にやるなよ? 怒られるぞ?」
未央「わかってますって。さすがの未央ちゃんもそのあたりはわきまえてますから。たまにしかやりませんよ」
P「たまにならやるのかよ……」
未央「そこまでひどいのはやらないよ? でも、一緒の現場とかになったら流れですることもあるかなー」
P「まあ、それくらいならいいか。765さんは優しいしな」
未央「おっ、誰も見ていないところで媚売りとは……プロデューサーも染み付いてますなあ」
P「まあ、俺くらいのプロデューサーともなると自然と媚を売っちゃうからな」
未央「うおぅ、自分から振っといてなんだけど、全然自慢できることじゃないね……」
-
148 : 2015/07/03(金) 00:17:53.98 -
P「まあな。だが、媚を売るのは何も悪いことだけじゃあない。円滑なコミュニケーションのためには結構役に立つ」
未央「うわ、なんか大人の世界の闇を聞かされたような……」
P「いや、そこまで闇ってほどじゃあないぞ? 媚って言ったらそう聞こえるかもしれないが、実際のところは『気遣い』だ。気遣いあってオトナの社会は成立している、って言ったら良さそうに聞こえるだろ?」
未央「まあ、確かに」
P「結局は言い方の問題でしかないんだよ。それで、言い方だけで気分が良くなるんだったら、それは良い方にするべきだろう?」
未央「うん……ああ、なんか、プロデューサーが有能なように思えてきちゃった」
P「実際俺は有能だけどな」
未央「自分で言う? まあ、これだけの数のアイドルをプロデュースしていて有能じゃないわけないけどさぁ」
P「おっ、なんだ? いきなり褒めて……アイスでも欲しいのか? ハーゲンダ○ツでも食べるか?」
未央「ちょろっ! プロデューサー、ちょろすぎない!?」
-
149 : 2015/07/03(金) 00:21:40.21 -
P「褒められたら嬉しいからな!」
未央「それにしてもそれだけでハーゲンダ○ツは……」
P「食べないのか? じゃあ俺が一人で買って食べるけど」
未央「食べる!」
P「素直でよろしい。じゃ、買いに行くか。そこのコンビニでいいよな?」
未央「はーい。あ、そうだ、コンビニなら他にもちょっと買いたいものがあるんだよねー。もちろんそっちは自分で払うけど」
P「俺もコーヒーでも買うかな。コンビニのコーヒーはあの値段にしてはうまいからなぁ……」
未央「そうなの?」
P「ああ。割りとオススメだぞ」
未央「へぇ……」
-
150 : 2015/07/03(金) 00:25:00.46 -
P「ちょっと飲んでみるか?」
未央「そうしよっかなー……まあ、苦くてダメな可能性の方が高いけど。プロデューサー、砂糖とか牛乳は?」
P「入れないな。でもたまに甘ったるいコーヒーとかも飲みたくなるからそこは気分だが」
未央「そうなんだ。ま、私はよくわからないけど」
P「大人になったら……わかるもんでもないな。人にもよるしな」
未央「えー? じゃあどうやったらわかるの?」
P「コーヒーを飲んでいればわかる可能性がある」
未央「そこがまずハードル高いね」
P「ま、俺と行動していると割りと飲むことになるだろうから心配するな」
未央「むしろ心配なんだけど……」
-
152 : 2015/07/03(金) 00:29:40.50 -
P「ふっふっふ……お前を俺と同じコーヒー党にしてやるからな。ウチの事務所は割りと紅茶党が多いから寂しいんだよなあ……」
未央「女子高生にそれ、求める?」
P「今からやってると将来的に好きになってくれるかもしれないだろ」
未央「まあ、そうかもしれないけどさぁ……」
P「じゃ、買いに行くか。さて、ハーゲンダ○ツ、何味にするかなぁ……」
未央「私も、何にしようかなー……なかなか食べられないから、迷うかも。オススメとかある?」
P「オススメ? 俺もそこまで食べたことはないが、そうだな——」
終
-
153 : 2015/07/03(金) 00:35:00.05 -
これにて今回は終了です。
こんなの書いてたら食べたくなってきました。ソース味のものはたまに食べたくなりますがいちばん食べたくなるのはあのにおいを嗅いだ時ですよね。お腹が空くにおいです。
今回はお好み焼きと焼きそばでしたがたこ焼きも良いなぁ……この店、たこ焼きめいたものも出すんですよね。あれもまたおいしかったなぁ……。
……こうやって書いているとどんどんお腹が空いてくるのでそろそろやめます。
ここまで読んで下さってありがとうございました。 -
155 : 2015/07/03(金) 00:40:45.38 -
あとSSとは関係ないですが今回のガチャ……ミリオンとも被ってますし……とりあえず、担当Pの方々はおめでとうございます、頑張って下さい。
あとありすPは本当におめでとうございます。ありす……ありすぅ……ってなりました。ハロまゆはなぜこのタイミングで……と思いましたがあれはあれで「やっとか~」っていう感じです。まゆPもおめでとうございます。改めてありがとうございました。
-
160 : 2015/07/05(日) 18:35:00.88 -
はじめに。
今日はいつもより長いです。あと、未央以外のアイドルが出ます。一緒に食べます。具体的に言うと今回はNG編です。
では、始めさせていただきます。
-
161 : 2015/07/05(日) 18:35:59.11 -
美嘉「……カレー、おいしかったなぁ」
未央「? いきなりどうしたの、美嘉ねー」
美嘉「あ、声に出てた? いや、前に莉嘉と一緒にカレー屋さんに連れて行ってもらって、ね」
未央「城ヶ崎姉妹でカレー……? なんか、意外だね。その連れて行った人も勇気がありますなぁ」
美嘉「まあ、プロデューサーだけど」
未央「あー……そういうことか」
美嘉「納得するんだ……」
未央「いや、まあ、プロデューサーだしね」
-
162 : 2015/07/05(日) 18:43:57.61 -
美嘉「まあ、そうだけど……アタシも逆の立場だったらそうなると思うし」
未央「そうかなー? 私の場合、そもそもカレー屋さんに連れて行ってもらっても違和感ないんじゃない?」
美嘉「そんなことないよ。未央も女の子なんだしね」
未央「……」
美嘉「? どうしたの?」
未央「……美嘉ねー。やっぱりカリスマだね」
美嘉「いきなり何言ってるの……?」
未央「美嘉ねー、女の子に人気あるでしょ」
美嘉「それはまあ、カリスマだし? 女の子に人気ないとやってられないでしょ」
未央「そういう意味じゃなくて……いや、そういう意味なのかな?」
美嘉「全然意味がわからないんだけど……」
未央「そういう意味だよ」
美嘉「だから、どういう意味?」
未央「未央ちゃんが美嘉ねーを改めてカリスマだって理解したってことですよ」
美嘉「……なんか釈然としないけど、ま、それならいいかな」
未央「うんうん。それならいいのです」
-
163 : 2015/07/05(日) 18:49:04.93 -
美嘉「ふふっ……でも、本当においしかったなぁ。莉嘉は辛そうだったけど」
未央「辛かったの?」
美嘉「うん、結構ね。アタシもかなり汗かいちゃったなー……」
未央「そこまでかー……甘口とかなかったの?」
美嘉「あったよ。でも、プロデューサーが辛口を頼んじゃったから、莉嘉も辛口を食べるって言って聞かなくなっちゃって。プロデューサーは『本当に辛いからやめろ』って言ってくれたんだけどね……」
未央「あー……それで、結局どうしたの?」
美嘉「アタシが甘口を頼んだよ。それで、案の定、莉嘉が辛くて食べれないってなっちゃって、それでアタシと交換した、ってところかな」
未央「美嘉ねーは食べれたの?」
美嘉「辛かったけどねー……ま、おいしかったからいいんだけど」
未央「へぇ……私も食べてみたいかも」
美嘉「プロデューサーに頼んでみたら?」
未央「そうしよっかなー」
-
165 : 2015/07/05(日) 18:52:51.85 -
——未央「ということで、カレーが食べたいです!」
P「と、未央は言ってるが……凛と卯月は?」
卯月「……その話を聞いていたら、食べたくなってきました」
凛「私も食べに行きたいかも」
P「なら、行くか」
未央「おっ、いいの? 美嘉ねーの話だと、割りと最近行ったみたいな感じだったけど」
-
166 : 2015/07/05(日) 18:59:23.54 -
P「俺はカレーが好きだからな」
凛「……プロデューサー、子どもみたい」
P「凛は嫌いなのか?」
凛「……好きだけど」
P「子どもかよ」
凛「……ごめん。でも、ムカつく」
P「俺は興奮したよ、ありがとう」
凛「……」
P「スルーはやめてくれ。傷付く」
凛「だって、気持ち悪かったし……」
-
167 : 2015/07/05(日) 19:02:43.12 -
P「……そこまでか?」
未央「正直、かなり……」
P「未央まで……う、卯月は?」
卯月「……ごめんなさい」
P「……俺の方こそごめんな。卯月、お前にそんなに気を遣わせるなんて……俺は、ダメな奴だな」
未央「なんか私たちと反応違くない!?」
P「正直お前らに言われるのは普通に悲しいくらいで済むが、卯月に言われると泣きそうになるからな……いや、本当、泣きそう……」
-
168 : 2015/07/05(日) 19:05:16.02 -
凛「……わからなくもないけど」
未央「しぶりんまで……いや、私もわかっちゃうんですけどね?」
卯月「えっ……ど、どうしてですか?」
P「卯月は天使だからな……」
未央「うわぁ……すごいこと言ってるね、プロデューサー」
P「否定するのか?」
未央「いや、しまむーは確かに天使だけどね! ね! しぶりん!」
凛「……そうだね。卯月は天使みたいにかわいいよ」
卯月「そ、そんな……もう! 凛ちゃん! 未央ちゃん! プロデューサーさん! からかわないで下さい!」
-
169 : 2015/07/05(日) 19:08:55.91 -
P「ははは。すまんな。でも、天使みたいにかわいいって思ってるのは嘘じゃないぞ?」
凛「私もごめんね、卯月。でも、私もプロデューサーと同じで嘘じゃないよ」
卯月「うぅ……そんなこと言われたら、どう返していいかわからなくなっちゃうじゃないですかー……」
未央「つまり、しまむーは天使みたいにかわいいってことですよ! もちろん、しぶりんや私も、ね!」
凛「自分で言う?」
未央「しぶりんは私をかわいいって思ってくれてないの……?」
凛「……思ってるけど」
未央「……えへへっ、しぶりんしぶりん、」
凛「……何」
未央「大好きだよ☆」
凛「なっ……もう、からかわないでよ」
未央「だってしぶりんが嬉しいことを言ってくれるんだもーん」
-
170 : 2015/07/05(日) 19:11:53.53 -
凛「だからって……そんな、恥ずかしいじゃん」
卯月「私も凛ちゃんのことが大好きですよ」
凛「……卯月まで」
卯月「もちろん、未央ちゃんのことも大好きです!」
未央「お、おおぅ……しまむー、やっぱり君は天使だったのか……私も大好きだよ、しまむー!」
卯月「未央ちゃん!」
未央「しまむー!」
卯月「未央ちゃん!」
未央「しまむー!」
卯月「未央ちゃん!」
凛「……それ、いつまで続くの?」
-
171 : 2015/07/05(日) 19:19:24.00 -
未央「おっ、しぶりーん。もしかして嫉妬? 嫉妬かなー?」
凛「違うけど」
卯月「そうなんですか? 凛ちゃん」
凛「だから違うって……もう」
P「……お前ら、いちゃいちゃし過ぎだろ」
未央「プロデューサーも混ざりたいのー?」
P「もちろん。だが、そうやって仲良くしてるのを見ているだけっていうのもそれはそれで良いものなんだよ。むしろ俺が混ざったらダメだな」
凛「どういうこだわり……?」
P「これがわからん内はまだまだだな……勉強しとけよ?」
卯月「そうなんですか……はい! 島村卯月、頑張ります!」
P「いや卯月は勉強しなくてもいい頼むから勉強しないで下さいお願いします」
-
172 : 2015/07/05(日) 19:22:20.74 -
未央「どっちなの……?」
P「天使にあんな世界を見せられるわけないだろ!?」
凛「そんな世界なんだ……」
卯月「え、えっと……私は結局、どうしたら……」
P「卯月はそのままでいてくれ」
卯月「は、はい……わかりました」
P「で、カレー、食べに行くんだよな? じゃあ準備しろ。行くぞ」
未央「はーい」
凛「うん、じゃあ、行こうか」
卯月「はいっ。楽しみです!」
-
173 : 2015/07/05(日) 19:28:55.80 -
——店の前未央「……ここ?」
P「ああ」
凛「……なんか、雰囲気あるね」
卯月「はい……」
P「ん? 思ったよりボロいって?」
未央「そんなこと言ってないけど!?」
P「思ってないのか?」
凛「……正直、少しは」
P「マジかよ……凛、それはちょっと失礼じゃないか?」
凛「……プロデューサー? さすがに怒るよ?」
P「すまん」
凛「……ハァ。べつにいいけど、さ」
-
174 : 2015/07/05(日) 19:33:43.82 -
未央「でも、本当に、ちょっと、思った以上なんだけど……大丈夫なの? ここ」
P「こういう店こそうまいもんだ……とは、思わないのか?」
未央「いや、確かにそういう考えもわかるけどさぁ……というか、美嘉ねーをここに連れてきたんだよね」
凛「……そう考えると、プロデューサー、度胸あるね」
P「それはちょっと色々あってな……でも、美嘉の感想は聞いただろ?」
卯月「そういえば……そう考えると、このお店はとても良いお店、なんですか?」
P「それは人によるとしか言えないな」
凛「人によるんだ……」
P「カレーはほとんど間違いなくうまいと思うだろうが……まあ、入ってみればわかる」
未央「まあそっか。じゃあ、入るぞー、おー!」
卯月「おー!」
凛「お、おー……」
-
175 : 2015/07/05(日) 19:38:46.02 -
——店内未央「……店の中も雰囲気あるね」
凛「うん……なんか、思ったよりも……」
P「あー……これは本当に好みがわかれるだろうな。こういう店で唯一の欠点と言ってもいいかもしれないが、雰囲気作りのためってところもあるだろうから欠点ってほどでもない」
卯月「雰囲気作り、ですか……」
凛「……それはわからないでもないけど」
未央(……正直、このよくわからない音楽は……なんか、変な感じがする。あと、すっごく『インド!』って感じの内装……)
P「初めて来たらまあ面食らうよなぁ……こういう店の内装は割りとこんな感じのところが多いんだが、確かに俺も最初に来た時は面食らったし、この音楽もなかなかなぁ……でも、今となってはこの内装とこの音楽こそが『インドカレー屋!』って感じがする」
卯月「そうなんですか……」
-
176 : 2015/07/05(日) 19:45:04.21 -
P「まあ、食べてみなくちゃわからないよな。さて、メニューだが……何を頼む?」
凛「プロデューサーのオススメは?」
P「無難にコレでいいんじゃないか? ナンにカレー、あとはサラダとタンドリーチキンが一つ、ってな」
未央「ナン……ナンかぁ」
P「どうした?」
未央「そういえば、ナンって食べたことないかも……って思ってさ」
P「そうか? 凛と卯月は?」
凛「ない……かな。確か」
卯月「私も食べた記憶はないですね……」
P「へぇ……まあ、そうか。家で作るわけもないし、こういう店に来ないと食べないもんな」
-
177 : 2015/07/05(日) 19:48:39.63 -
未央「うん。……で、カレーは?」
P「本日のカレーってやつがあるから……うん、あの味ならあのままでいいな。割りとスタンダードなカレーだ。マトンカレー」
凛「マトンカレーとだけ言われてもわからないんだけど……美嘉たちと来た時は何だったの?」
P「マトンカレーはその名前の通りマトン、つまり仔羊の肉を使ったカレーだな。美嘉たちと来た時はチキンマサラ……まあ、チキンカレーみたいなもんだな。正確には違うような気もするが、それくらいの理解で問題ないだろ」
未央「ふぅん……インドカレーって、マトン? とかチキンが普通なの?」
P「知らん。だが、牛肉と豚肉は宗教の関係もあるからな。となればマトンとチキンが普通なんじゃないか?」
卯月「あー……そういうことですか」
P「まあ、マトン……というか、羊の肉ならマトン以外にも種類はあるらしいが、よくわからん。俺がよく見るのはマトンだ。で、カレーは本日のカレー……で、いいんだよな?」
未央「うん。ま、私たちはこの店のことよくわかってないしねー」
-
178 : 2015/07/05(日) 19:52:26.19 -
P「辛さはどうする?」
凛「プロデューサーは?」
P「ここでいちばん辛いのを」
卯月「それってどれくらい辛いんですか?」
P「ここのはそこまで辛いってわけじゃないな。店主さんがそこまで辛いのが好きじゃない……というか、『ワタシたちそこまで辛いカレー食べないヨ。これ以上辛くするとワタシたち味見できない。どうしてそんなに辛いの食べれるの? もう自分でこれを入れればいいヨ』みたいなこと言われて唐辛子のパウダーみたいなのを渡されたし、そういうもんなのかもしれない。だが他の店では俺でも泣きそうなくらい辛いカレーを出されたこともあるし、実際のところはわからんな……」
未央「ということは、私たちが辛いカレーを頼んでも問題ないと?」
P「問題ない……と思うんだが、どうだろうな。莉嘉も美嘉も涙目になってたからな……」
-
179 : 2015/07/05(日) 19:55:53.84 -
凛「美嘉が涙目……?」
卯月「それって、どれだけ……」
P「でも、うまいって言ってただろ? ラッシーを飲めば辛さも中和されるしな」
未央「ラッシー? 何それ。緑色の恐竜? ラス湖にでも住んでるの?」
P「ヨーグルトベースの飲み物だよ。インドカレー屋にきたらまあこれだな」
卯月「おいしいんですか?」
P「うまい。というか、激辛のカレーを頼んだ時は砂漠のオアシスみたいに感じるな……」
凛「砂漠のオアシスって……そこまで言うなら激辛カレーなんて頼まなきゃいいのに……」
P「仕方ないだろ? うまいんだから。汗をだらだら垂らして涙目になって、傍から見れば気持ち悪いって思われるような状態で、辛い辛いと言いながらもカレーを食べる。それでラッシーを口に含み、ほっとして、しかしまだ舌の痛みは完全に消えることはなく、また辛い辛いカレーを欲する……それが本当に良いんだよ!」
-
180 : 2015/07/05(日) 19:59:42.28 -
凛「……プロデューサー、熱いね。でも、そこまで熱弁するなら、私も食べてみたいかも……」
卯月「えぇっ!? わ、私は逆にちょっとこわくなっちゃいました……」
未央「あれ? ってことは、しまむーは甘口を頼むの?」
卯月「そ、そのつもりですけど……未央ちゃんは?」
未央「私はもちろん激辛に挑戦しますよ? しまむーはこの中でひとりぼっちになっちゃうのカナー?」
卯月「う、うぅ……じゃ、じゃあ私も」
P「やめとけ、卯月。未央も、悪ノリが過ぎるぞ」
未央「確かにねー……ごめんね、しまむー」
卯月「い、いえ……でも、未央ちゃんの言う通り私だけというのも……」
P「そんなもんを気にする必要はない。甘いのを頼んでいる奴が一人くらい居た方が比較できていいかもしれないしな」
卯月「そうでしょうか……」
-
181 : 2015/07/05(日) 20:06:27.61 -
P「卯月が辛いのを食べてみたいってことなら、俺らが分ける。問題ないよ。その代わり、俺らも卯月のをちょっともらうことになるかもしれないけどな」
卯月「……じゃあ、私、甘口を頼むことにします」
P「ああ。そうしとけ。甘口だからって味が落ちるってことはないし、むしろ純粋に味だけを楽しむならそっちの方が良いかもしれないってくらいだ。俺が激辛を頼むのは単に好みの問題、だな。あと、『甘口』だからって甘いわけじゃない。唐辛子があんまり入ってないってだけで、普通にスパイスの味はする。『辛い』とはあまり感じないだろうが、カレーの種類によっては感じるものもあるだろう。今回のマトンカレーは……どうだったか忘れた。すまんな」
卯月「いえ、ありがとうございます、プロデューサーさん!」
P「じゃ、卯月以外は激辛で卯月が甘口……で、いいか?」
未央「うん、それでいいよ」
凛「私も」
卯月「私もです!」
P「わかった。すみませーん!」
-
182 : 2015/07/05(日) 20:11:54.07 -
——P「で、来たな……」
未央「こ、これが……って、そこまでびっくりするようなものじゃないけどねー」
凛「これがナン……だよね? なんか……」
P「てかてか光ってるって? たぶんバター、だな。熱々のナンだ。うまいぞ? あと、ナンは一応おかわりできる。もちろんタダとはいかんが、好きに頼め。カレーの量は気にせずに食った方がいいからな」
卯月「……すごく、いいにおいですね」
未央「バターと、なんだろう。なんか甘い感じのにおいがする……でも、砂糖とかのにおいじゃなくて……」
凛「……おいしそう、だね」
P「じゃあ、食べるか」
未央「食べる順番とかはあるの?」
P「特にない。好きに食べろ」
未央「そっか。じゃあ、いただきまーす」
-
183 : 2015/07/05(日) 20:17:22.04 -
未央(と、いうことで……うーん、どうしよっかなー)
未央(ナンのこのにおい……本当にいいにおい。もうこれだけでもおいしそう。カレーもカレーでおいしそうだなー……スプーンとフォークがあるけれど、これはどう使うんだろう? ……あ、スプーンでカレーをすくったりするのか。フォークはサラダ、かな?)
未央(ちぎったナンでカレーをすくったりしてもいいっぽいけど、それじゃあこのマトン? まですくうのは難しいから……なのかな?)
未央(インドでもそうなのかは知らないけれど……とりあえず、まずはナンだけで食べてみよっかなー)
未央(では、まず一口……)パクッ
未央「……んんー!」
未央(おいしい! バターがたっぷり塗られてあって、手がべとべとしちゃうくらいだけど……本当においしい! なんだろう、このナン……焼きたてで、なんだか甘くて……とても、おいしい)」
-
184 : 2015/07/05(日) 20:20:36.09 -
未央(もうこれだけでおいしいなぁ……では、カレーを……まずは、スプーンだけで)ズズ…
未央「……んんっ!?!?」バタバタ
未央(辛い辛い辛い辛い! というか痛っ! 痛い! ダメダメダメダメ! 早く飲み物!)
P「あ、未央。ラッシーはストロー越しに飲めよ。ストロー越しにちびちびと、だ。一気に飲むな。ちびちび飲まないと意味がない」
未央(えっ? でも、いや、そうか。プロデューサーの言う通りに。飲もう)チュー……
未央「……ふぅ」
未央(んー……癒やされた。すごい。甘いんだけれど、ヨーグルトの酸味もあって……カレーの辛さが中和されてる。でも完全に消えるってわけでもなくて、余韻みたいなものは残ってる。それで、その余韻がカレーをまた食べたくしてる……)
P「どうだった? 未央」
未央「……辛いね。すごく辛い。でも、これなら……」
P「そうか。なら良かった」
未央(……もう一口)ズズ……
未央「っ!」
未央(辛い! ……でも、おいしい。いつも食べてるカレーとはまったく違う。いや、カレーはカレーなんだけど……すごい。おいしい)
-
185 : 2015/07/05(日) 20:25:20.18 -
未央(じゃあ、次はナンにカレーを付けて、一口……)
未央「……うん!」
未央(おいしい! 辛いけど……辛いけど、おいしい! なんだろう。カレーの辛さとナンの甘み? バター? 何かはわからないけれど、それが一緒になって……めちゃくちゃおいしい!)
未央(でも、すっごく辛い……涙目になってることがわかる。なんだか汗をかいてきたような気がする……ということで、ラッシーを)チュー…
未央「……はぁ」
未央(幸せ……本当、このラッシーが良い仕事をしてる……これがなかったらどうなっていたことか……。飲む度に辛さが中和されて、それでさらにカレーが食べたくなってしまう……ん? もしかして、このラッシー……女神みたいなものだと思っていたけれど、実は悪魔なんじゃ……。辛さを癒やすと見せかけて、いや実際癒しているんだけど、その代償にさらにカレーを求めさせている……。うん、ラッシーくん、君には『ちひろさん』の名前を授けよう)
-
186 : 2015/07/05(日) 21:00:31.26 -
凛「……そこまで辛いの?」
未央「え? ……あ、しぶりん、まだ食べてなかったの?」
凛「プロデューサーがどんな順番でもいいって言うから、とりあえず、タンドリーチキンをね。これもちょっと辛い……かな」
未央「へぇ……じゃあ、次は私も食べてみよっかなー」
凛「それで、辛いの?」
未央「正直、めちゃくちゃ辛いよ? でも、すっごくおいしい」
凛「へぇ……」
未央「ほらほら、食べてみなよー」
凛「……うん。じゃ、もらおうかな」
-
187 : 2015/07/05(日) 21:03:40.72 -
凛「……」パクッ
凛「……っ!? んっ、んー!」バッ
凛「……ふぅ」
未央「おお……しぶりんのそんな反応、初めて見たかも」
凛「だって……プロデューサー? どこが『そんなに辛くない』の?」
P「食べた瞬間に汗が噴き出て泣くほどじゃないだろ? なら、『そこまで』だろ」
凛「プロデューサーの『辛い』のハードル高過ぎるよ……」
-
188 : 2015/07/05(日) 21:10:11.54 -
未央「そういえば、しまむーは?」
卯月「……んー!」
未央「……幸せそうだね」
卯月「はい! とってもおいしいです!」
未央(……私も甘口を頼むべきだったかもしれないなぁ)
卯月「でも、辛いのもちょっと気になりますね……一口、もらってもいいですか?」
凛「うん。はい、卯月」
卯月「ありがとうございます! じゃ、いただきまーす」パクッ
卯月「……!? んー!?」ナミダメ
P「卯月っ!」バッ
卯月「あ、ありがとうございまひゅっ」チュー……
未央「プロデューサー、私たちの時と反応違い過ぎない……?」
P「卯月が苦しんでいる姿なんて見たら心が痛むだろ」
凛「私たちが苦しんでいる姿は心が痛まないように聞こえるけど」
P「こういうので苦しんでいる姿に限ってはむしろ……あっごめんごめんこういうの以外では絶対に苦しむようなことさせないからそんなにこわい顔するな凛未央二人とも俺の大切なアイドルだから愛してるからだから許して下さいお願いします」
-
189 : 2015/07/05(日) 21:16:49.85 -
卯月「……ふぅ」
卯月「……か、辛い、ですね。でも、なんだか、もう一口食べたくなるような……中毒性がありますね」
P「辛いのは中毒性があるからなぁ……辛くてたまらないんだが、それがまた良い、って言葉の意味、わかってくれたか?」
卯月「はい……これはさすがにちょっと辛すぎますけど、辛いのも辛いので良い、ですね」
P「もちろん、甘口も良いんだけどな」
卯月「正直、甘口を食べた時はこれが甘口だと思ってませんでしたが……これを食べた後だと、やっぱり甘口だなぁ、って思います。いや、『甘い』ってわけじゃないんですけど」
未央「へぇ……しまむー、一口もらってもいい?」
凛「私も、いい? 卯月」
卯月「はいっ、もちろんです!」
-
190 : 2015/07/05(日) 21:21:25.31 -
未央(ということで、早速一口……)パクッ
未央「……んんっ!」
未央(おいしい……なんか、激辛よりもしっかりと味がわかるっていうか……激辛から『辛さ』だけを抜いたって感じ?)
未央(でも……なんか、物足りないかも)
P「未央、凛……物足りない、って顔、してるぞ?」
未央「えっ」
凛「……うん」
P「ふっふっふ……お前らはやっぱりこちら側だということだよ……ようこそ、『辛党の世界』へ……」
凛「……辛党ってお酒が好きな人って意味じゃなかったっけ?」
-
191 : 2015/07/05(日) 21:27:09.46 -
P「細かいことは気にするな! 実際、お前ら、激辛にハマってるだろ」
凛「……まあ、否定はできないかな」
未央「私も、かなり……」
P「だろ? ふっふっふ……美嘉もそうだったが、やっぱりな。さて、食うか。冷めるぞ?」
凛「それもそうだね。じゃあ、食べよっか」
未央「改めて、いただきまーす、っと」
未央(っと、その前に、タンドリーチキンを……)パクッ
未央「……おおぅ」
未央(おいしい。外はパリパリで、中はジューシーな……うん! とってもおいしい。ちょっと食べにくいけど、フライドチキンが好物な未央ちゃんはこういうものを食べるのもお手の物、ですよ、っと)
未央(この味……スパイスがちょうど良い具合に効いていて、ふわっ、と口の中で広がって、鼻から抜ける。うーん、おいしい!)
-
192 : 2015/07/05(日) 21:34:01.21 -
未央(——っと、もう食べちゃった。これはおかわりしてもいいかもしれませんなぁ……と思いながらも、カレーを食べましょう!)
未央(ナンをちぎって、カレーを……そうだ、今度はスプーンを使ってみよう。大きめにちぎったナンにカレーとマトンを乗せて、それをナンでくるむようにして……)バクッ
未央「……んー!」
未央(辛い! おいしい! それと、マトン、だったっけ? これがまた良い! ナンとカレー、それにマトン……これ、すっごく合う! もちもちしたナンにジューシーなマトン……それと辛くてスパイシーなカレー……最高!)
未央(次はマトンはなしに、ナンにカレーを多めに乗せて、それを包んで……)パクッ
未央「ん~!」
未央(辛い辛い辛い! でも、おいしい! そこにラッシーを……)チュー……
未央「ふぅ……」
未央(ああ……ダメ……もう、これ……ハマっちゃった……)
-
193 : 2015/07/05(日) 21:45:17.81 -
——P「ん、そろそろナン、頼んどくか?」
未央「え? ……あ」
未央(確かに、もうナンが少なくなってきてるかも……)
未央「じゃ、じゃあ、お願いします……」
凛「私も、お願い」
卯月「私もお願いします……」
P「よし。すみませーん、ナン四枚、追加でー!」
店員「四枚? わかったヨー! ありがとネー!」
卯月「うう……ちょっと、食べ過ぎているような気がします」
凛「うん……でも、なんだか、まだまだ食べれるような気がする」
-
194 : 2015/07/05(日) 21:49:17.52 -
P「辛いもんは食欲を促進するからなぁ……体温が上がって、汗もかくだろ? それと一緒で消化器官が活発に動くようになるから、食欲も促進しちまうんだよな」
未央「でも、それだとどうしてしまむーは?」
P「む……それもそうだな。どうしてだ、卯月?」
卯月「どうしてでしょう……」
凛「おいしいからじゃない? というか、同じカレーなんだし、スパイスが含まれてるのは一緒でしょ? 私たちほどじゃないけど、卯月も汗、かいてるしね」
P「おお、それっぽい解説だな、凛」
未央「さすがは我らがしぶりん、だね」
凛「どういうこと……?」
P「頼りになる、ってことじゃないか? そういえば、未央、まだサラダ食べてないんだな。食べればどうだ?」
-
196 : 2015/07/05(日) 21:55:49.00 -
未央「お、それもそうだね。では一口……」パクッ
未央「……うん。サラダだ!」
P「まあな」
未央(サラダ……サラダだ! はっきり言ってそこまでおいしくない! でもまずいってわけでもない! コメントに困る!)
P「これでサラダもうまい……とはさすがにいかないんだよなぁ。まあ、辛さを和らげるって意味で考えるとこれで十分なんだけどな」
未央「まあ、そうだよね。これでサラダまでおいしかったらちょっとこの店完璧過ぎるよ……」
P「そこまで言ってる時点で未央のこの店に対する評価の高さがわかるな……」
凛「でも、本当に良い店だね、プロデューサー。こういう店って入ったことなかったけど……」
卯月「はい。本当においしいお店ですね」
P「よろこんでくれて何よりだ……さて、終わりみたいな感じだが、まだ折り返し地点だ。どんどん食べるぞ」
-
197 : 2015/07/05(日) 22:15:16.37 -
——未央「あちち」
未央(もう一枚のナンがきて、焼きたてのそのナンはとっても熱い。ちょっと触るのもためらわれるほどに)
未央(でも、これをなんとかちぎって、カレーを付けて、食べる……)パクッ
未央「ん……!」
未央(辛さとうまみが爆発して、舌が痛くなる。水が欲しくなる。でも、水を飲んだら舌がさらに痛くなることはわかってるから、ラッシーをちびちびと流しこむ)チュー……
未央「……ふぅ」
未央(暑い。体温が上がってる。汗だくだ。おでこや鼻、あごのあたりから汗がどんどん噴き出てる)
未央(しぶりんも汗だくだし、プロデューサーも汗だくだ。しまむーはそれほどでもないけれど、ちょっと汗をかいている)
未央(……今なら、プロデューサーが言っていたことの意味がわかる。汗だくになって、涙目になって、他の人から見れば見苦しいかもしれないような状態だけど、それでも、辛い辛いカレーを食べる。それでまた舌が痛くなって、汗が出て、ラッシーを飲んで癒される。この繰り返し……癖になる)
未央(なんだろう……おいしいし、なんだか、楽しい……?)
未央(……みんなと食べているからっていうのもあるだろうけれど、こうやって、汗をかいて、人の目を気にしないで食べるっていうのは、ちょっと、気持ち良いかも……)
未央(……なんか、今の私、変態っぽいかも。……食べよ)パクッ
未央「……んー!」
-
199 : 2015/07/05(日) 23:14:45.16 -
——店の外未央「ふー……ちょっと、食べ過ぎちゃったかも」
卯月「私もです……」
凛「私も……でも、おいしかったよ。美嘉がべた褒めしてたっていう理由もわかる、かな」
P「やっぱりこういうカレー屋は良いよなぁ……とにかくうまい。べつに洋食屋とかのカレー、インドカレーじゃないのがダメだって言ってるわけじゃないが、インドカレー屋とはもう別の種類の店だよな。こういうのを食べたくなる時っていうのはやっぱり一定の周期であるんだよなぁ。こういうの……特にナンだな。あれを食べれる店は少ない。カレーはもちろんだが、ひょっとすると俺はナンを食べにここに来ているのかもしれない……」
未央「えぇー……いや、わからなくもないけど」
P「あとは、汗をかきにきているのかもな。辛い辛いと言いながら、暑い暑いと言いながら、それでもその原因であるカレーをバクバク食って汗をかく。俺みたいな男がそんなことをやっているのは傍から見れば見苦しいんだろうが、やってる本人としては気持ちいいんだよなぁ……」
凛「……それも、わからなくはないかも」
P「おおっ、わかってくれるか! でも、お前らは良いよなぁ……汗だくになってもアイドルだ。汗だくになってるその姿も魅力的に見えるんだもんなぁ……美嘉なんかには『見ないで!』って言われたが、もっと見たかったところだ。あいつ、すぐにメイクを直すんだもんなぁ……」
未央「美嘉ねーは、まあ……ね」
未央(メイクを落としてもかわいいんだけど……プロデューサーに見られるのはさすがに嫌なんだろうなぁ)
未央(最初から予想できていたらべつだけど、汗をかいても大丈夫なメイク、なんて、都合良くはしてないだろうし)
-
201 : 2015/07/06(月) 00:08:21.23 -
卯月「でも、本当においしかったです……」
凛「うん。辛かったけど、本当においしかった……」
P「それは良かったよ」
未央「あのさ、プロデューサー」
P「なんだ?」
未央「辛いものを食べた後ってさー……甘いもの、欲しくならない?」
P「……ハァ。わかった。どこか行くか」
未央「おおっ、プロデューサー、気がきくぅー!」
凛「……本当にいいの?」
P「お前らも食いたいだろ……そうだな、凛が居るってことは……アレだな」
凛「あれ?」
P「行くぞ。ちょうどいいから、お前らには『体験したことがないほどうまいもの』をもう一回食べてもらう——いや、飲んでもらう、かな」
卯月「どういうことですか……?」
P「来ればわかる。とりあえず、凛は絶対に好きだな」
凛「私が……ってことは、チョコレート?」
P「ああ。……行ったことあったら正直恥ずかしいが、絶対に聞いたことがあるところだ。期待してろ。行くぞ」
凛「……うん。わかった。行こうか」
-
202 : 2015/07/06(月) 00:12:33.42 -
——店の前凛「ここ、って……」
未央「……私でも知ってるんだけど」
卯月「……見たことはありましたけど、入ったことはないですね……」
P「まあ、高いイメージがあるからな。実際そこそこの値段はするがそこまでじゃあない。でも、その反応を見る限り、入ったことはないみたいだな」
未央「いや、だってここ、めちゃくちゃ高いイメージがあるんだけど……」
P「確かに普通のなら高いだろうが、俺らが今から飲もうと思ってるのならワンコイン……では無理だが、600円くらいだ。そこまでじゃあない」
凛「それでも十分高いと思うんだけど……」
P「そう思うか? ……いや、そう思っても無理はないか。だが、一度飲んだらそうとは思えなくなるぞ」
未央「そんなに?」
P「ああ、じゃ、入るぞ」
-
203 : 2015/07/06(月) 00:14:44.47 -
——店内
P「お前らは何にする?」
未央「プロデューサーのオススメは?」
P「普通にこれだな。ミルクチョコレートデカダンス。とりあえずこれを頼んでおけばいいと俺は思うぞ」
凛「じゃあそれで」
卯月「私もそれでお願いします」
未央「私もー」
P「そうか。じゃ、ミルクチョコレートデカダンスを4つ、お願いします」
-
204 : 2015/07/06(月) 00:18:58.27 -
——P「で、きたな。飲んでみろ」
凛「うん……じゃあ、もらうね」
凛「……」チュー……
凛「……!!!!!」
凛「ぷ、プロデューサー!」
P「なんだ?」
凛「すっごくおいしい! 何、これ……甘くて、冷たくて、濃厚で……辛いものを食べた後だから? すっごく甘く感じるけれど、甘ったるいわけじゃなくて、本当に、なんというか、幸せな……『幸せ』をそのまま飲んでいるような感じがするよ」
P「……いや、凛は好きだろうと思っていたが、まさかそこまでの反応だとは思わなかったぞ」
凛「え? ……!」ハッ
凛「ち、違うから! 今のは、その、違うから!」
未央「でも、しぶりんのその反応もわかるよ……本当においしいね、これ」
-
205 : 2015/07/06(月) 00:20:44.35 -
P「だろ? 正直、初めてこれを飲んだ時はあまりのうまさに夢でも見てるのかと思ったからな……甘ったるいと思う人は甘ったるいと思いそうだが」凛「うん……本当にそんな感じだよ。なんだろうね、これ。他のも頼みたくなるよ。でも、これはこれでシンプルで良いね。ダークチョコレートデカダンスっていうのはちょっと苦い……というか、その名前の通りミルクチョコレートじゃなくてダークチョコレートの味なんだろうね。つまり、カカオ含有量が高いのかな。それはそれでおいしそうだけれど、今の舌だとこのミルクチョコレートデカダンスが最適だろうね。とってもおいしいよ。抹茶やキャラメル、なんてものもあるんだ……それもそれでおいしそうだけれど、私はたぶんどっちかが好きだね。今度はダークチョコレートデカダンスっていうのも頼んでみようかな。いや、期間限定のものは今のうちに頼んでおいた方がいいのかな……どうだと思う? プロデューサー」
P「いや……凛のチョコレートに対する思いは本物だな、って思うが」
凛「? そんな話をしているんじゃないんだけど……」
P「あー……そうだな、また俺と来るか? その時は他のを頼み合うことにするとか」
凛「それ、良いね。というか、プロデューサーはここに何度か来たことがあるような口ぶりだったよね? 他のはどうだったの?」
P「え? いや……まあ、俺はミルクチョコレートデカダンスがいちばん好きだな。カカオの香りがするってのも良いんだが、やっぱり甘いのが好きというか……」
凛「ふぅん……で、他のは? というか、期間限定ってことは今あるメニュー以外でもあるってことだよね? それに関しても話を聞きたいんだけど……」
P「そ、それは、だな……」チラッ
-
206 : 2015/07/06(月) 00:21:47.17 -
未央「……しまむーしまむー、なんか、長くなりそうだから二人で飲んでおこうか」
卯月「えっ? でも、その……」
未央「いいよいいよ。あんなしぶりんが見れるのも貴重だし、プロデューサーには犠牲になってもらおう……もちろん、こんなにおいしいものを教えてくれたことには感謝してるけどね」
卯月「……確かに、凛ちゃん、とっても楽しそうですね。まるで歌の話をしている時みたい……」
未央「うん……たぶん、プロデューサーもよろこんでるよ」
卯月「そう……ですかね」
未央「しぶりんがあんなに楽しそうなんだから、プロデューサーがよろこばないわけないじゃん」
卯月「それもそうですね……じゃあ、邪魔しないようにしておきましょうか」
未央「うん」
-
207 : 2015/07/06(月) 00:23:27.44 -
P「ちょ、未央、卯月……!
凛「? プロデューサー、どうしたの? まだ聞きたいことはいっぱいあるんだけど」
P「え、いや、その……そうだな。俺としては……」
未央「……はぁ。おいしいね、しまむー♪」
卯月「はいっ。とってもおいしいです♪」
終
-
208 : 2015/07/06(月) 00:37:21.42 -
これにて今回は終了です非常に長くなってしまい申し訳ありませんでした!
長くなるとは思っていましたがまさかここまで長くなるとは思っておりませんでした。あと、ここまでかかるとも思っていませんでした。すみません。完全にAO進化論を見てリアル野球盤を見てデスノートを見てました。面白かったです。今回の店はインドカレー屋と某チョコレート屋ですね。
インドカレー屋っていうのはどうしてあんなに魅力的なんでしょうか……ナンがおいしいインドカレー屋は貴重ですよね。あと、私の運が良かっただけかもしれませんが店員さんが良い感じの人のことも多いような気がします。あれが苦手って人も居るのだと思いますが私は好きです。
インドカレー屋の内装とあの独特の音楽は好き嫌いがわかれるんだろうなあ、と思います。カレーとナンが嫌いって人はあまり居ないと思うんですが……。
でも、「あの内装と音楽は正直苦手だけれどおいしいから入っちゃう……!」って人も割りと居るんじゃないかなー、と。あのナンとカレーが嫌いって人も居るのかもしれませんが、私は好きです。とても好きです。でも最近食べれてません。食べたいです。書いててお腹がすきました。某チョコレート屋のアレは本当においしいですよねぇ……。甘ったるくて嫌いって人も居るのかもしれませんが、私はそこまで感じませんね。確かにめちゃくちゃ甘いんですが、くどくなく、上品な甘さとでも言うのでしょうか。初めて口にした時に「この世界にこんなものが存在していいのか……? これだけで戦争がなくなるんじゃないか……?」と思ったものはいくつかあると思いますが、私にとってこれはその一つですね。おいしいです。飲みたいです。でもちょっとお高い……。でも「味にしては高い!」とかは言えないんですよね。好きなので。
ここまで読んで下さってありがとうございました。
-
209 : 2015/07/06(月) 00:53:55.76 -
あとSSと関係あるようなないような話ですが今回の美嘉莉嘉ポジションは当初、楓さんと美波でした。楓さんと美波が一緒にカレーを食べに行った、という話を聞いた未央が……という流れでした。その場合はPと未央が二人きりで、というルートもありましたがちょっと色々考えた結果こうなりました。今になって考えるとそういうルートでも良かったのかな、と思います。少なくともここまで長くはならなかったと思いますし出す予定がなかった某チョコレート屋を出すこともなかったかと。
でも個人的なことになりますがNGを書けて良かったです。何ならP抜きでNGだけで食べに行く話とかも書きたいかもしれません。逆にPだけで食べに行く話……はさすがにダメですね。今回は過剰なまでに長くなってしまい申し訳ありませんでした。次回からはもう少し短くまとめられるようにしたいですが、また他のアイドルと食べに行くことがあれば今回ほどではないにしても長くなってしまうと思います。基本は未央とPの、なので本当にたまにしかないとは思いますが……。(そもそも、現時点では李衣菜とのデレパでのものしか考えていないので、それ以外にあるかどうかもわからないのですが)。
改めてありがとうございました。
-
218 : 2015/07/06(月) 11:57:53.43 ID:aAvF2F7kO -
仔羊の肉はマトンではなくラムだよ
マトンは成長した羊の肉 -
219 : 2015/07/06(月) 19:12:53.93 -
>>218
あああああすみませんすみません完全に勘違いしてました -
220 : 2015/07/06(月) 19:13:57.02 - ごめんなさいちょっと後日談を入れます。
-
221 : 2015/07/06(月) 19:39:15.07 -
>>207日談
未央「あのさ、プロデューサー」
P「なんだ?」
未央「ちょっと聞きたいことがあるんだけど……マトン、って、なんだったっけ?」
P「羊の肉、だろ?」
未央「もうちょっと詳しく」
P「はぁ? ……ああ、そういう意味か。仔羊の肉、だろ?」
未央「……あのね、プロデューサー。プロデューサーが他にも羊のお肉の種類はあるって言ってたでしょ? それで、調べてみたんだけど……仔羊のお肉は、ラムだよ」
P「……え?」
未央「マトンは成長した羊のお肉で……ラムが、仔羊のお肉」
P「……ちょ、ちょっと待ってくれ」
P「……」ポチポチ
P「……マジか。マジかぁ……」
未央「あー……その、そこまで気にすることじゃないと思うよ? 間違いくらい誰にでもあるって」
-
222 : 2015/07/06(月) 19:55:26.92 -
P「でも……あああああ恥ずかしい。偉そうに言ってごめんな、未央。……ああ、凛と卯月にも言わなきゃ……あああああ、やっちまったぁ……」
未央「そこまで気にすること……?」
P「いや、だって、もしもお前らが他の人に、そう、テレビとかでこんなこと言ったら全国で恥をかくことになるんだぞ? それはさすがに申し訳無さすぎる……」
未央「……確かに。まあ、しまむーもしぶりんもそういう知識をひけらかすタイプじゃないから問題ないと思うけど」
P「知識をひけらかすタイプでごめんな……」
未央「あっ。そ、そういう意味じゃないよ? プロデューサーは気にしないでよ」
P「というか未央もなんでそんなに優しいんだよぉ……いつもならからかうだろ? 『ふっふっふ、これは何かお礼をしてもらわないといけませんなぁ』とかそういうこと言うだろ?」
未央「プロデューサーにとって私ってどういう人間なの……? いや、否定できないんだけどね。からかわなかった理由は、その……ちょっと、これはからかったらダメなやつかなー、って思って」
P「そこで空気読むなよぉ……」
-
223 : 2015/07/06(月) 19:56:03.12 ID:cLbeuoVAo -
カレー食いたくなるな
インドカレー屋ってやっぱ独特の雰囲気があって入り辛いけど今度行ってみようかな
一緒に行ってくれる女の子いないけど -
224 : 2015/07/06(月) 19:58:33.93 -
未央「じゃ、じゃあ、プロデューサー。また何か食べに連れて行ってよ。NGのみんなで、さ」
P「……ありがとう、未央。でも……はぁ。やっちまったなぁ……卯月と凛にも言わないといけないし……ああ、憂鬱だ……」
未央「私が言おっか?」
P「いや、それはやめてくれ。もっとキツい。早く言わなきゃなぁ……はあぁ……」
未央「……えーと、何と言うか、ご愁傷様?」
P「……でも、未央、本当にありがとうな。お前に教えてもらわなかったらまた恥をかいていた可能性がある……今すぐマッ缶でもおごるよ」
未央「千葉県民だからってマッ缶好きだって発想はどうなの……?」
P「好きじゃないのか?」
未央「……好きだけど」
-
225 : 2015/07/06(月) 20:00:46.84 -
P「俺も飲む……マッ缶でも飲んでないとやってられない……はぁ、本当、どうして……」
未央「いつまで引っ張るの……? ……もう、仕方ないなぁ。プロデューサー、ちょっと、こっち見て」
P「ん……?」
未央「てい」デコピンッ
P「痛っ」
未央「ていっ、ていっ」ツンッ、ツンッ
P「痛っ、痛っ……ちょ、未央、なんだよ」
未央「プロデューサーが陰気臭い顔してるからだよ、もう。そんな顔をしているくらいなら自信満々に『マトンは仔羊の肉だー!』って言ってる方がいいよ。考えてもみなよ。明日からいきなりリーナが『私、今までロックについてすっごく勘違いしてた……ごめんなさい、Pさん……私、本当、最悪ですね……ロックじゃないですね……』なんて言ったら嫌でしょ? 必要以上に自分の失敗を後悔するのは周りの人にとっても嫌なの。だから、元気出してよ。ね? プロデューサー」
P「……ああ、そうだな。お前の言う通りだ、未央。……ありがとう」
-
226 : 2015/07/06(月) 20:02:35.40 -
未央「えへへ、どういたしまして。じゃ、行こう、プロデューサー。マッ缶、おごってくれるんでしょ?」
P「……ああ」
未央「じゃ、先に行ってるよ? 早く来てよね?」
P「ああ」
未央「じゃ、お先—」タッタッタ……
P「……ったく」
P「……本当にありがとうな、未央」
未央「プロデューサー? 早く早くー!」
P「お前が早すぎなんだよ! 待ってろ! すぐに行くー!」タッタッタ……
終
-
228 : 2015/07/06(月) 20:08:28.27 -
これにて後日談は終わりです今回は本当に申し訳ありませんでした! 何か失敗をしてしまった時は未央にこうやって元気付けてもらいたいです。
ここまで読んで下さってありがとうございました。
-
229 : 2015/07/06(月) 20:25:21.03 -
>>223
確かに外から見ると独特の雰囲気があるかもしれませんね。中も独特で音楽も独特でむしろ中に入った方が独特の雰囲気がするような気もしますが、一度行ってみると案外大丈夫だと思います! でも苦手な人も居ると思うのでそこは断言できません。すみません。
店員さんは店によるとしか言えませんが、個人的な経験では陽気な方が多い印象です。ですから、そういう点では良い雰囲気でもあると思います。
カレーに関しては癖の強いものもあるのでそのあたりは注意した方がいいのでしょうが、口に合えば本当においしいと思うので、一度行ってみてもらいたいです。ここまで言っておいて口に合わなかったらすみませんとしか言えないのですが……それでも、日本人の口に合うようにされているところも多いので、普通にカレーが好きなら大丈夫だと思います。たぶん。
-
239 : 2015/07/09(木) 23:12:27.63 -
未央「プロデューサー、お腹空いたー」
P「俺もだよ。……だが、あそこまでかかるとはな。仕事としては本当に良かったから文句も言えないが」
未央「私はお腹ぺこぺこだよ……もうどこかテキトーなところに入ろーよー」
P「テキトーなとこ、って言ってもなあ……ん、じゃ、あそこにするか」
未央「あそこ?」
P「ラーメンでいいか?」
未央「いいけど」
P「なら決定だ。行くぞ」
未央「あ、うん」
-
240 : 2015/07/09(木) 23:19:30.66 -
——店の前未央「ほほう、結構大きな駐車場……それが割りと埋まっているということは、おいしいお店?」
P「チェーン店だからわからん。ラーメン屋のチェーン店ってのは割りとその店によって味が違ったりするからな……俺のよく行っていた店はうまかった」
未央「チェーン店で味が違う……っていうのは、前に連れて行ってくれたこってりのところとか?」
P「ああ。だから口の合わないところに最初に入って悪印象、って人も割りと居るような気がするな。とは言っても、チェーン店なんだからそこまで大きな味の違いがあるってわけでもないし、本当にその店の味が口に合わなかったって人も多いんだろうけどな」
未央「前のお店だと『こってり』の程度に差はあれど……みたいなこと?」
P「ま、そういうことだな。たぶん。……じゃ、入るか」
未央「おー」
-
241 : 2015/07/09(木) 23:27:03.05 -
——店内未央「……なんか、『ラーメン屋さん!』って感じのお店だね」
P「あいさつが元気だったりそこらに『ラーメン格言』的なものが貼ってあるところとかか?」
未央「そういう意味じゃないけど」
P「色々書いてあるよなぁ……これは店舗によって変わらないんだな。ま、気にしなくてもいい。ただの雰囲気作りだって考えとけ。気になる人も居そうだけどな」
未央「確かに気になる人は気になるかもね……」
P「で、何にする?」
未央「んー……そうだなあ。今の未央ちゃんはお腹が空いていますからね、結構食べられますよ?」
P「そうか……じゃ、これで決定かな」
未央「うん。何かはわからないけど、それでいいよ」
P「よし。すみませーん!」
-
242 : 2015/07/09(木) 23:33:31.64 -
——店員「大変熱いのでお気をつけ下さい」
P「はい、ありがとうございます。……で、来たな」
未央「うん、でもこれ……」
P「未央、早く混ぜた方がいいぞ。そっちのがうまい」マゼマゼ
未央「えっ、あ、うん」マゼマゼ
未央「……まさか、ラーメン屋さんでこういうのが出てくるとはね」
P「最近のラーメン屋ならそこまで珍しくも……あるか。でも、これがうまいんだよなあ。鉄板玉子チャーハン。中央のチャーハンと周りの溶き卵、それに肉とねぎ。早く混ぜろとばかりにジュージューと鳴り響く鉄板。ぜんぶを一気にかき混ぜて、それを口に運ぶと……うん、うまい!」
未央「熱そうだけど……大丈夫なの?」
P「ラーメンのが熱い。大丈夫だろ」
未央「そっか。……なら、いただきます」
-
243 : 2015/07/09(木) 23:39:41.09 -
未央(でも、これ、もうこの時点でおいしそうだよね。ジュージューと鳴ってるこの音とまぜた時のにおいが、なのかな? もうお腹が空いてたのに、さらにお腹が空いてくるような……)
未央(……いただきます!)パクッ
未央「熱っ……うん。……うん!」
未央(思っていた通り、ううん、思ってたよりもおいしい! このそぼろのお肉? が良い仕事してる。甘い……のかな? というより『うまい』? このお肉にうまみがたっぷりとつまっている感じがする)
未央(チャーハン自体もおいしい。熱々の鉄板の上だからかな。熱々で、そして、パラパラで……そこに溶き卵が絡んで、さっき混ぜたねぎの食感が楽しくて……とにかくおいしい! うーん、未央ちゃんはもうこの料理だけで満足できるかもしれませんよー)
-
245 : 2015/07/09(木) 23:55:57.86 -
——P「よし、肉そばと餃子もきたな」
未央「はやいね。……まだチャーハン、全然食べれてないよ」
P「まあ、そこまで時間をあけてもな……ぜんぶを一緒に食べてからこそ、ってのもあるしな」
未央「そういうもの、かな」
P「そういうもんだろ。チャーハンも鉄板で熱せられてるからそこまで早くは冷めないし、時間が経ってからこその楽しみ方もこの店ではあるしな……じゃ、食べるか」
未央「うん。……これは、最初にこのもみじおろし? を混ぜた方がいいの?」
P「俺はよけてる」
未央「え」
-
246 : 2015/07/10(金) 00:00:47.03 -
P「あと、俺は個人的にここの食い方はぜんぶ無視してる」
未央「食べ方?」
P「そこに貼ってあるだろ」
未央「あ、ほんとだ。……『極めの五ヶ条』? って書いてあるけど。……この通りに食べないんだ」
P「スープは最初に飲むしその次に麺を食うのくらいはやるが、それ以降は無理だな。個人的に柚子胡椒おろしとか苦手なんだよ。まあ、混ぜたら味がすっきり? あっさり? まあとにかくそういう感じになるんだが、俺はあまり好きじゃない。半分くらい食べてから混ぜるってのが普通なんじゃないか? あと、ラー油。これはまあ入れてもいいだろうが、俺はべつのもんを入れる。酢もまああっさりになるんだろうな。入れたことがないからわからん」
未央「ごはんは?」
P「ここに来たらだいたいチャーハンを頼むからやったことがないな」
未央「へぇ……まあ、とりあえず今は、この、柚子胡椒おろし? は、よけておけばいいのかな?」
P「最初は、な」
未央「まあ、とりあえず、いただくね」
P「ああ」
-
247 : 2015/07/10(金) 00:07:57.70 -
未央(……っと、それではまずはスープを……)ズズ……未央「熱っ! ……うん」
未央(醤油味? ……だけじゃないかな。お肉の脂みたいなのも味、というか、感じもするかな。前の店と比べるとさすがにあっさりしてるけど、それでも、こういう味のラーメンにしてはこってりしてる? いや、そこまでラーメンに詳しいわけじゃないからわかんないんだけど)
未央(前の『こってり』のお店ほどガツン! とはこないけど、おいしい。これこれの味が~みたいな食レポみたいなことはできないけど、うん、おいしい)
未央(じゃ、お次は麺を……)チュルチュル
未央「……うん!」
未央(おいしい。特に何か言うことはできないんだけど……おいしいからいいかな)
未央(さてさて、それではこのラーメンの主役っぽいお肉も一緒に食べてみましょうか)
未央(でも、これはまたけっこうな……たっぷりのお肉と、玉ねぎ? これは……豚バラ肉かな? えーっと、確か、これを絡ませながらズルズルと……っと。よし、いただこう)ズルズル
未央「……おお!」
未央(お肉と玉ねぎが一緒になって、さっきよりもおいしく感じる! かむごとに脂が染み出してくるお肉と、シャキシャキした玉ねぎ。それと一緒に啜る麺……これは、おいしい!)
-
248 : 2015/07/10(金) 00:12:09.78 -
未央「おいしいね、プロデュー……それ、何?」
P「ん? 野沢菜醤だ」
未央「……入れすぎじゃない?」
P「これがうまいんだよ。バカみたいに野沢菜をいれる…そこそこ辛くなるが、まあ、前に行ったカレー屋の激辛ほどじゃあない。個人的には確実にうまくなると思う。ラー油よりも俺はこっちをドバドバ入れたいんだよなぁ……」
未央「……そんなにおいしいの?」
P「俺は好きだな。俺がここに来るのは鉄板チャーハンと野沢菜のためだ」
未央「断言しちゃうんだ……」
P「それくらいだってことだよ。だが、自分のに入れると味が変わるか……俺の、ちょっと食うか?」
未央「いいの?」
P「よくなかったら提案しない」
未央「それもそうだね。じゃ、お言葉に甘えて……これは、どう食べるの?」
P「レンゲですくって食っても、麺と一緒に食ってもどっちでもいいと思うぞ。どっちでもうまい」
-
249 : 2015/07/10(金) 00:16:03.08 -
未央「ほうほう。それでは、一口……」ズズ……未央「……ん!? おいしい!」
P「だろ!?」
未央「うん、本当に……本当においしいよ、プロデューサー。麺と一緒にもらってもいい?」
P「ああ、食え」
未央「じゃあ……」ズルズル
未央「……んー!」
未央「なんだろう……あの、この、野沢菜? 割りと辛いんだけど……このスープを混ざって、辛さがちょっと抜けてて、でもその代わりに肉そばの肉の脂? そのうまみみたいなのが加えられてて……ううん、そんなことはどうでもいいや。食感! この食感がいいね! 玉ねぎもシャキシャキしてたんだけど、この野沢菜はもう、ジャキジャキ? そんな感じがする。この食感が本当に良いね!」
P「だろ!? だろー!? うまいよな、これ。ドバドバ入れちゃうよなー!? 正直そこまで辛くなるかって言ってそこまで辛くならないからな。ラー油ならドバドバ入れちまうと辛すぎるってなるのかもしれないが、これはそれ単体で食べても割りと辛いって程度だ。ドバドバ入れてもその辛さに近づくってくらいで、超えはしない。だから俺はこれを入れてる。食感も楽しいし、未央が今言った通り、これ自体の味も良いんだ。この辛さと、味……本当、俺はこれを食うためにここに来てると言っても過言ではないな!」
未央「いつも通り熱いね、プロデューサー……でも、本当においしいよ、これ」
P「未央もさっき割りと熱かったがな」
未央「えっ……えぇー……」
P「なんでそんなにショックを受けたような表情してんだよ」
未央「……プロデューサーが感染った……プロデューサー菌が……」
P「おいそれやめろ」
-
250 : 2015/07/10(金) 00:22:26.15 -
未央(……でも、本当においしかった。うーん、未央ちゃんもこれを入れようかな、どうしようかなー……迷っちゃうかも)
未央(うーん……よし、決めた。せっかく初めて来たんだし、ここは先に柚子胡椒おろし? を入れてみよう。そこから野沢菜醤? を入れてもいいよね)
P「あ、そうだ、野沢菜醤だが」
未央「? なに? プロデューサー」
P「ここに鉄板玉子チャーハンがある」
未央「うん、あるね。割りと残ってる」
P「ここに……野沢菜をドーン!」ドサッドサッ
未央「え!?」
P「そして混ぜる!」カッチャカッチャ
P「そして食う!」パクッ
P「……うまい!」
P「……って食い方もある」
-
251 : 2015/07/10(金) 00:26:39.90 -
未央「……プロデューサー」
P「ん?」
未央「私もやる。貸して」
P「おお、いいぞ」ヒョイ
未央(……さて、プロデューサーほどじゃないにしても、最初はちょこっと……あ、割りと入れちゃった。まあいっか)
未央(それで、混ぜる)マゼマゼ
未央(そして、食べる!)パクッ
未央「……んー!」
未央(おいしい。これはおいしい。というか、チャーハン自体がさっきと違ってるような気がする。あ、鉄板で熱せられて、おこげみたいなのがちょっとできてるんだ。これチャーハン自体も食感が変わって楽しいかも)
未央(でもそんなことは割りとどうでもいい。野沢菜。これが良い。味が変わってるし食感も変わってる。でもチャーハン自体の味を殺してるわけじゃなくて……相乗効果? みたいなのが生まれてる。……これは、おいしい)
未央「プロデューサー、これ、おいしいよ」
-
252 : 2015/07/10(金) 00:31:33.97 -
P「そうか……じゃあ、これもやるか」
未央「え?」
P「ここにラー油がある」
未央「うん」
P「固形のどろどろしたラー油。これをチャーハンに入れる」ドサドサ
未央「うわっ……それ、さすがに入れすぎじゃ」
P「かもな。で、混ぜる」マゼマゼ
P「そして、食う」パクッ
P「……うん、やっぱりこれも良いな!」
未央「……一口くれない?」
P「自分ではやらないのか?」
未央「さすがに……」
P「じゃあ、食え」
未央「うん。あー……」
P「自分でとって、な」
未央「えー……」
P「えー、じゃないぞ、アイドル。ほら」
-
253 : 2015/07/10(金) 00:36:27.75 -
未央「はーい。……では」パクッ
未央「……うん、おいし辛っ! ちょ、やっぱり入れすぎだよプロデューサー!」
P「そうか? ……そんなことはないと思うが」
未央「味覚おかしいんじゃない!?」
P「……で、まだ手を付けていない餃子だが」
未央「スルー!?」
P「これは小皿にタレを入れて、そこにラー油をぶっこむ」
未央「またバカみたいに入れてるし……」
P「待て。これはこれでいいんだ。……で、このもうタレだかラー油だかわからなくなったドロドロの何かを餃子に付けて、食べる」パクッ
P「……ああ、うまい!」
未央「……ほんとに?」
P「食ってみろって」
未央「……」パクッ
未央「……辛っ! やっぱり辛いじゃんっておいしい!?」
P「ふっ……わかったようだな、俺の『バカみたいにタレにラー油をぶっこむことによってもうほとんどラー油をそのまま餃子に塗りたくって食べてるのと変わらないだろお前バカかよ食ってみろってお前そんなの絶対辛いってうまい!?』とまで言われた餃子の食い方の良さを……」
未央「いや、本当に『プロデューサーってバカなんじゃ……』って思ったけど、おいしいよ。辛い……辛いんだけど、おいしい。このラー油、おいしいラー油?」
P「なんだよその質問……まあ、うまいんじゃないか? ラーメンに入れてもうまくなるからな。俺が野沢菜醤を入れるのが好きってだけで」
未央「へぇ……まあ、とりあえず私はこのまま食べていくよ」
P「おう、俺ももう言うことはないな。あとは食事を楽しめ」
未央「うん」
-
254 : 2015/07/10(金) 00:38:20.79 -
未央(さて、最初は餃子を普通に食べてみよー、っと)パクッ
未央「……うん」
未央(おいしい。おいしいんだけど……あー! もう! プロデューサーのを先に食べちゃったから物足りなく感じちゃうじゃん! ……ラー油入れよ)
未央(……さて)
未央(次はまたまたラーメンを、っと)ズルズル
未央(うーん、やっぱりおいしい……けど、進めるにつれて、なんか……脂っこくなってきたような?)
未央(……あ、もしかして)
未央(……うん、やっぱりそうだ。柚子胡椒おろし? を入れると、さっぱりする。脂っこいのが好きな人とかはそのままでもいいのかもしれないけど、これ、食べていくごとに脂っこさが増してるような気がする。それがこの柚子胡椒おろしを混ぜると少なくなって、さっぱりとしたものになる)
未央(プロデューサーは野沢菜醤? をドバドバ入れてるから気付いてないのかもしれないけど……うん。これは良いね。私は好き)
未央(えーと、極めの五ヶ条? ではここにラー油を入れるんだっけ。……よし!)
未央(野沢菜醤を入れよう!)ドバババ
未央(食べよう)ズルルル
未央(うん! おいしい!)
-
255 : 2015/07/10(金) 00:43:25.71 -
——未央「……で、なんでソフトクリームを頼んだの?」
P「うまいからだな」
未央「……そう」
P「お前、信じてないな?」
未央「だって、ラーメン屋さんのソフトクリームって……まったくどういうのかわからないんだけど」
P「割りとうまい」
未央「本当に? ……それじゃあ、いただきます」パクッ
未央「……おいしいじゃん!?」
P「なんで怒ってるんだよ……」
未央「……ラーメンを食べた後だから? あと、ちょっと辛いものも食べたし。熱々で辛いものを食べた後……それに、肉の脂でこってりしたものを食べた後。……そりゃあ、アイスもおいしく感じるか」
P「いきなり冷静になるのやめてくれないか?」
未央「うーん……でも、本当においしいね。プロデューサー、ありがとね☆」
P「……どういたしまして」
-
256 : 2015/07/10(金) 00:48:06.52 -
——店の外P「じゃあ、帰るか」
未央「うん。予定より遅くなってるけど……大丈夫?」
P「問題ない。あの人のだし、遅くなるのも予想できないわけじゃなかった。さすがにあそこまでかかるとは思ってなかったが、どれだけ遅れても大丈夫なようにはしてあるさ」
未央「へぇ……ちゃんと考えてるんだね」
P「お前らのことだからな、当然だろ」
未央「……うん」
P「さて、ここからもまたちょっとかかるぞ。疲れただろ? 飯も食ったし……疲れてるんなら寝とけ」
未央「食べた後にすぐ寝ちゃダメなんだよ? 寝ませんよ、私は」
P「あんだけ食ってた奴が何言ってんだ」
未央「そこに連れてきたのはプロデューサーでしょ? ……それとは関係なしに、寝ないよ。プロデューサーと、話してる。話すのが運転の邪魔だっていうなら、やめとくけど」
P「……いや、それは俺としてもありがたい。人と話していると寝ないからな」
-
257 : 2015/07/10(金) 00:56:40.38 -
未央「うん。じゃ、話そー! 未央ちゃんは話そうと思えばいくらでも話せますからねー……」
P「俺もお前らのおかげで話すネタには困らんな」
未央「おっ、じゃあやっちゃいます? トークバトル、やっちゃいます?」
P「いいぞ。勝負の判定を誰が下すのかは知らんがな」
未央「それは自己判断ですよー」
P「そうか……で、どっちから話す?」
未央「私はどっちでもいいですよー?」
P「そうだな、じゃあ俺から。この前、凛と夕美が一緒に仕事した時の話なんだが——」
未央「ふんふむ?」
終
-
258 : 2015/07/10(金) 01:04:38.88 -
これにて今回は終了です。
ラーメン屋は二回目ですね。でも割りと違う感じの店?
私はこの店も好きですね。たまに食べたくなります。最近行ってないので行きたいです。
何回か行ってるのに肉そばとチャーハンと餃子以外を頼んだことがなかったりします。他のもおいしいのかな、と思いながらも肉そばを頼んでしまいます。からあげとかもおいしそう……あっダメだこれお腹空くやつ。ここまで読んで下さってありがとうございました。
-
259 : 2015/07/10(金) 01:08:17.83 -
あとSSとは関係ないですが今回のガチャは美嘉ガチャでしたね。かわいい。美嘉も担当なので回しました。はい。
改めてありがとうございました。
-
264 : 2015/07/10(金) 19:47:03.00 ID:pHyMYzILO -
>>259
で、出たの? -
266 : 2015/07/12(日) 09:33:00.63 -
>>264gt;>265
出ました。出ましたが、10thが…… -
267 : 2015/07/12(日) 09:34:04.52 -
P(ウチの事務所のキッチンの設備は割りと充実している)
P(お菓子作りを趣味にしているアイドルが所属しているから、というだけではなく、社長の意向あってのこと、らしい)
P(さすがに普段は忙しいから外食で済ませたりコンビニ弁当で済ませたりすることも多く、あのキッチンを使うのはほとんどがアイドルである)
P(しかし、家に帰るというほどの時間はないがそれでもある程度の時間が余っている時)
P(そして、『何かをガッツリと、店では難しいくらいの量を食べたくなる』という時)
P(俺は、料理がしたくなる)
-
268 : 2015/07/12(日) 09:38:19.27 -
——P「……ふぅ」
P(予想以上の速度で仕事が進み、一段落ついた。時計を見ると次の予定までまだまだ時間がある)
P(……今、事務所に居るのは)
P「未央」
未央「んー?」
P「腹、減ってないか?
未央「え? つまり……どこかに食べに行くのカナ?」
ちひろ「えっ」
P「違う。……ちひろさんも『どうして私に声をかけてくれないんですか』みたいな顔しないで下さい」
ちひろ「そ、そんな顔してません」
-
269 : 2015/07/12(日) 09:44:38.33 -
未央「でも、それじゃあどうしてお腹が減ってるかなんて聞いたの?」
P「もし減ってるんなら、付き合ってもらおうと思ってな」
未央「何に?」
P「買い物に」
ちひろ「……まさか」
P「そういうことです。ちひろさんは米を炊いといて下さい。……あとは、俺がやるので」
ちひろ「……はい」
未央「なんか二人で通じあってるけど……どういうこと?」
P「まあ、付いて来ればわかる……未央、お前、料理はどれくらいできる?」
未央「え? 家庭科の授業で作ったことくらいならあるけど……そこそこ、かな?」
P「それくらいか。ま、問題ないな。……それで、付いて来るか?」
未央「うん。よくわからないけど、わからないままだともやもやするしね」
P「よし。じゃ、行くか」
-
270 : 2015/07/12(日) 09:49:35.35 -
——店内未央「スーパー、だね」
P「まあ買い物しに来たからな」
未央「で、話の流れ的にプロデューサーが料理をするんだろうけど……何を作るの?」
P「食材から判断してみろ」
未央「えー……」
P「とは言っても、だ。……事務所の冷蔵庫、何入ってたっけなぁ」
未央「確認せずに来ちゃったんだ……」
P「んー……まあ、余ってもどうにかなるだろ。響子とかまゆとかが使うような気もする。葵も居るしな。他にも料理をするアイドルは割りと居るから大丈夫だろ」
未央「大丈夫、なのかなぁ……」
P「玉子が大量にあったりしたらまずいが……玉子なら菓子にも使えるし、問題ないか」
未央「玉子……ということは、玉子を使う料理、なのかな?」
P「ま、そうだな。……えーっと、まあ、玉子とマヨネーズ、ピクルスに玉ねぎ、あとは鶏むね肉があればそれでまあ問題ないだろ」
未央「……タルタルソース? あと、鶏むね肉……あ、わかったかも」
P「わかったか。じゃ、買って、帰るぞ」
未央「はーい」
-
271 : 2015/07/12(日) 09:56:44.06 -
——事務所P「ただいま帰りましたー」
未央「ただいまー」
ちひろ「あ、おかえりなさい。ありがとうございます」
P「いえいえ。ちひろさんに作ってもらう時もありますしね……じゃ、キッチンに行くか、未央」
未央「うん……というか、あの感じだと、今までにも割りと事務所のキッチンで料理とかしてたの?」
P「俺とちひろさんがだいたい交互に、月に数回、ってくらいだけどな。そういや、他のアイドルが居る時にすることはあんまりなかったな……」
未央「私も初めてだしね……そもそも、プロデューサーが料理できたってことから知らなかったし」
-
272 : 2015/07/12(日) 10:00:25.55 -
P「俺も料理ができるわけじゃあない。できるのは簡単なもんだけだ」
未央「今回作ろうとしてるのって簡単なの……? もしかして、私、何か勘違いしてる?」
P「いや、たぶん合ってる。ただ、タルタルソースに手間がかかるってだけでそこまで難しくはないと思うぞ?」
未央「そうなんだ……なんか、意外かも」
P「未央なら難なく作れても違和感ないが」
未央「さすがの未央ちゃんも料理まではそこまでできませんよ。他に上手い子はたくさん居るしね。趣味にしてる子とかにはさすがに負けるよ」
P「ま、さすがにな。……さて、冷蔵庫の中身は、っと……うん、ま、大丈夫だな」
未央「というか、結構買ったよね……食べ切れるの?」
P「腹いっぱい食べたいんだよ。『食べ切れるのか?』ってくらいの量でちょうどいい」
未央「へぇ……」
P「余ったら仕事終わりのみんなに食わせる」
未央「まあ、そうなりますよねー」
P「じゃ、そろそろ調理開始といくか。チキン南蛮、適当クッキングの時間、ってな」
-
273 : 2015/07/12(日) 10:07:13.02 -
——未央「どういう順番?」
P「まずはタルタルソースかな。俺の場合は」
未央「みじん切り……だっけ?」
P「ああ。玉ねぎとピクルスをみじん切り……と言うにはちょっと大きいくらいに刻む。まあ俺が面倒くさがりで不器用なだけなんだが、個人的にはこれくらい適当なみじん切りがちょうどいい。食感的にもな」
未央「ってことは、未央ちゃんは手伝わない方がいいのかな?」
P「手伝ってくれ」
未央「はーい。……でも、玉ねぎのみじん切りかぁ」
P「なんかゴーグルとか付けるといいんだったか? 面倒だから俺はいっつもそのままで切ってる。確かにちょっとキツイがそこまで気にならん」
未央「私は割りと気になっちゃうかも……」
P「人によるんだろうな……っと、そういやその前にゆで玉子を作っとかなきゃならんな。それで、そのゆで玉子も適当に刻む……まあ、ピクルスと玉ねぎを刻んでいる内にできるだろ。それじゃ、始めるとするか」
未央「おー」
-
274 : 2015/07/12(日) 10:13:23.91 -
——P「さて、この刻んだゆで玉子、ピクルス、玉ねぎとマヨネーズを混ぜて塩コショウで味を整えてタルタルソースは完成、っと。次は南蛮酢……醤油、酢、砂糖を適当に鍋に入れて温める。んで、鶏むね肉を適当な大きさに切って塩コショウをふっとく。それから油を熱してこれくらいだろって感じになったら鶏むね肉に片栗粉、溶き卵をつけて油で揚げる。で、揚がったこれを南蛮酢にくぐらす……というにはちょっと長い時間くらい漬けておいて、適当に一口大に切って、そこにたっぷりのタルタルソースをかける。これで完成、だな」
未央「なんか、『適当』っていうのが多過ぎたような」
P「適当にやってうまくなるからいいんだよ」
未央「いや、おいしくなったらそれでいいんだけどさぁ……」
ちひろ「できたんですか?」ヒョコッ
P「はい、できました」
ちひろ「じゃあ、食べましょうか。ごはん、よそいますね」
P「ありがとうございます。……未央、持って行くぞ」
未央「はーい。……でも、すごい量だよね。食べ切れるの?」
P「……誰か帰ってくるだろ」
未央「……まあ、そうだね」
-
275 : 2015/07/12(日) 10:23:56.06 -
——ちひろ「チキン南蛮、ですか。……プロデューサーさん、好きですね。今日はどうして?」
P「単に食べたくなった、っていうのもありますが、前、ある定食屋で食べたチキン南蛮がなんか違うやつでして……。おいしかったんですが、俺はあれをチキン南蛮とは認めたくないんですよね」
未央「チキン南蛮にもなんか派閥みたいなのがあるんだ……」
P「俺のも邪道って言ったら邪道なのかもしれないけどな。本場では玉ねぎとかピクルスとかもざっくりではなくもっとみじん切りにするところも多いような気がするな。けど、俺はタルタルソース自体も結構な質量を持っていてほしいんだよな。具がわかるくらいのタルタルソース。もうタルタルソースだけでずっしりとしているくらいのがいい」
ちひろ「確かに、プロデューサーさんのチキン南蛮はタルタルソースはお店で食べるものよりも少し玉ねぎやピクルスなんかが大きいような気がしますね。でも、そこまで大きいわけではないですし……私は好きですよ」
未央「へぇ……というか、そもそも私、チキン南蛮をそこまで食べたことはないかも。さすがに一回も食べたことないってことはないけどね。だから、プロデューサーの作ったこれが私のチキン南蛮の基準みたいになっちゃうかもね」
P「……未央、やっぱり食べないでおくか?」
未央「え!? ここで食べさせないって、プロデューサー、ちょっと残酷過ぎるよー!」
P「だってそんな責任重大な……」
未央「そこまで気にしなくてもいいよ……」
-
276 : 2015/07/12(日) 10:33:35.80 -
ちひろ「大丈夫ですよ、プロデューサーさん。プロデューサーさんのチキン南蛮はおいしいですし、私もお店で食べるよりもプロデューサーさんが作るものの方が食べる機会が多いので、もうすっかりプロデューサーさんの作ったチキン南蛮が普通になっちゃいましたし」
P「そうですか……それじゃあ、食べますか」
ちひろ「はい♪」
未央「うん、食べよう食べよう。……で、食べ方は?」
P「タルタルソースはもうかけてあるし、好きに食えばいいんじゃないか」
未央「そっか……じゃ、いただきまーす」
未央(……っと、しかし、これはなかなか……)
未央(南蛮酢? に漬けられたお肉にたっぷりの……というか『どっさり』としたタルタルソースがかけられている、というか、乗せられている?)
未央(うーん……これはなかなかにボリューミーな……それが大皿いっぱいにあるもん。もう、見ているだけで『おおっ』ってなっちゃう)
未央(……でも、まあ、いただきますか。まずは一切れ、っと)パクッ
-
277 : 2015/07/12(日) 10:38:59.13 -
未央「……んー!?」
未央(え!? 何これ!? おいしっ! タルタルソースの玉ねぎとかピクルスとか、プロデューサーは割りと粗めに刻んでいたけど、それが良い! なんかざくざくしてる。ざくざくした食感が気持ち良い! それがお肉と一緒になって……とってもおいしい! このお肉もまた良い! 南蛮酢? が効いてて、甘くて……タルタルソースに入ってるピクルスの酸味も効いて……もう! おいしい!)
未央(……なんか、ごはんが欲しくなってきたかも。次は、ごはんと一緒に……)パクッ
未央「……くぅー!」
未央(おいしい! ごはんに合う! というか、ごはん自体もちょうどいい炊き加減で……やっぱり天使女神ちひろさんだ……)
未央(あーもう! 幸せ! もうもうもうもう! 本当においしい!)
P「……どうだ? 未央」
未央「おいしいよ! とってもおいしい! プロデューサー、ありがとね!」
P「おおう……そこまでよろこばれるか」
ちひろ「だって、本当においしいですからね、このチキン南蛮」
P「たぶん誰が作ってもこういう味になると思いますよ? チキン南蛮っていう料理がすごいんです。ありがとう宮崎。サンキュー○ぐら」
-
278 : 2015/07/12(日) 10:44:33.14 -
ちひろ「でも、この『カリッ』っていう食感はなかなかに難しいような気がしますけど……カリカリってわけでもないんですけど、良い具合に衣がカリッとしているんですよね。カリッとはしているけれど、なんだかジューシーというか……いったい、どうしているんですか?」
P「適当に」
未央「適当に、って、それ、普通、料理がうまい人の言葉じゃない?」
P「実際適当にやってるからな……まあ、レパートリーが少ない分、作ってる回数も多いからそれで、じゃないか?」
ちひろ「確かにそうかもしれませんね……料理は結局『慣れ』ですから」
未央「慣れ、ねぇ……じゃあ私も何回か作ってたら同じのを作れるようになるのかな?」
P「未央なら三回くらいやったら覚えそうだな」
ちひろ「確かに、未央ちゃんならそれくらいで覚えられるような気がしますね」
-
279 : 2015/07/12(日) 10:50:50.76 -
未央「ちょっと、二人にとって私は何なのさ。いくら未央ちゃんが完璧超人とは言っても、できないことはあるんですよ?」
P「お前が自分のことを『完璧超人』とか言ってると嫌味に聞こえるな。実際、かなり完璧超人に近いから」
ちひろ「でも、嫌味に聞こえないし、嫌味に見えないんだからすごいですよね……だからこその『完璧超人』なのかもしれませんが」
未央「な、なんかそこまで言われるとさすがの未央ちゃんも恥ずかしいんだけど……」
P「それが狙いだからな」
ちひろ「はい♪」
未央「うー……もう! ほら、二人とも! 早く食べないと冷めちゃうよ!」
P「わかってる」
ちひろ「はいはい」クスクス
未央「……もー」
-
280 : 2015/07/12(日) 10:58:10.49 -
——未央「ふぅー……もう、お腹いっぱいかも」
ちひろ「私もです……」
P「俺もさすがに……」
未央「……なんだかんだで、なくなったね」
P「ああ……さすがに食い過ぎたかもしれんな。未央、ちゃんとレッスンしろよ?」
未央「しーまーすーよー……でも、今は無理。お腹いっぱい。動きたくなーいー」
ちひろ「ああ……私もダイエットしなきゃ……トレーナーさんに頼んでちょっとレッスンでもしようかしら? というか、私はまだ仕事が……ああ、動きたくない。もう寝ちゃいたい……」
P「同感ですけど、ちひろさん。ちょっとゆっくりしたらちゃんとしなきゃいけませんよ……」
ちひろ「わかってますけど……もう。こんなおいしいチキン南蛮を作っちゃうプロデューサーさんが悪いんです」
P「俺ですか……」
-
281 : 2015/07/12(日) 11:02:49.31 -
ちひろ「……文句を言っていても仕事がなくなるわけじゃありませんね。そろそろ、再開しましょうか」
P「お、もういいんですか?」
ちひろ「これ以上だらだらしてると本当に寝ちゃいたくなるので……」
P「ああ……」
未央「ん、二人とも、仕事—?」
P「おう。未央は……」
未央「んー……レッスンー」
P「行けよ?」
未央「行くけどさー……お腹、いっぱいなんだもん。おいしかったし……余韻にひたってたいんだよー」
P「また作ってやるから行け」
未央「ほんとにー? ……あ、次は違うものが食べたいかも。チキン南蛮もおいしかったけど、それ以外にも作れるんでしょ?」
P「まあ、レパートリーは少ないが、な」
-
282 : 2015/07/12(日) 11:18:07.34 -
未央「じゃあそれでー……っと、じゃあ未央ちゃんも頑張っていきましょうかね!」
P「いきなり立ち上がったな……お前、今までのは演技か?」
未央「演技じゃありませんよ? ただ、プロデューサーが約束してくれたんだから、頑張らないと、と思いまして。うん、私ってば良い子だね!」
P「自分で言うか? ……ま、頑張ってこい」
未央「はーい! プロデューサーも、お仕事、頑張ってね?」
P「言われなくても……レッスンの後はそのまま帰るか?」
未央「たぶん戻ってくると思うけど?」
P「そうか……じゃ、また後で」
未央「また後でー」
終
-
283 : 2015/07/12(日) 11:25:04.24 -
これにて今回は終了です。
チキン南蛮編……初めての店屋物以外のものですね。実際の未央はチキン南蛮くらいなら作れてもおかしくなさそう……。
チキン南蛮、おいしいですよね。好きです。というか鶏肉が好きです。鶏肉とかいうどんな調理をしてもだいたいおいしくなる食材は「鶏さん生まれてくれてありがとう」ってなりますね。
しかし今更ですがこのプロデューサーはアイドルにどれだけ食わせているのか……トレーナーさんに怒られていそうです。ここまで読んで下さってありがとうございました。
-
285 : 2015/07/12(日) 11:31:39.45 -
あとSSとは関係ないですがマジアワNGsヤッター! お耳の恋人本田未央かわいい! 凛かわいい! 卯月かわいい! ヤッター!
改めてありがとうございました。
-
286 : 2015/07/12(日) 11:46:33.07 -
あ、そういえばなにか未央と一緒に食べたいものがあれば言って下されば書く可能性が高くなります。「あっ確かに食べたい……」ってなれば書く優先順位が変わります。でも行ったことない店だとなかなかに難しいです。次回は自分の中ではもう確定していますが……。
あとチキン南蛮関連で鶏肉に関する話が。今、ローソンでからあげクン餃子味って売っていますよね。最近あれにハマっています。ちょっと前? にあった鶏皮餃子を思わせる味というか? 何ならこれだけで書く構想すらありましたがさすがに……。
何度も申し訳ありません。ありがとうございました。
-
304 : 2015/07/26(日) 19:55:52.91 -
色々な意見ありがとうございます。「あ、そういえば……」というものもあって未央と食べに行きたいものが増えました。
次の更新はサマフェス東京前あたりになると思います。それくらいまでには書きたいなあ……と。ちょっと間隔が空きすぎたので報告だけ……。
-
305 : 2015/07/26(日) 20:00:17.81 -
未央「プロデューサー」
P「ん?」
未央「ちょっと、寄らない?」
P「べつにいいが……ここでいいのか?」
未央「いーの♪ たまには未央ちゃんに任せなさい、って☆」
-
306 : 2015/07/26(日) 20:03:08.73 -
——店内P「未央はここ、よく来るのか?」
未央「まあね。私の好物、フライドチキンだし?」
P「そういやそうだったな……」
未央「だから、未央ちゃんはここに関してはなかなか詳しいですよー?」
P「詳しいも何もないだろ……そこまでメニュー数があるわけでもないしな。何なら俺だって詳しい」
未央「えへへ……そうかも。でも、たまには私に良い顔させてほしいなー」
-
307 : 2015/07/26(日) 20:10:12.18 -
P「じゃあ聞くか。未央、ここのオススメはなんだ?」
未央「オリジナルチキンは鉄板かなー……でも、クリスピーもクリスピーでおいしいんだよねー。実はサンドもおいしいしツイスターもおいしい……あと、個人的にビスケットは外せないかなー」
P「結局オススメは何なんだよ……」
未央「んー……今のクーポンはこれとこれだから……よし、決めた!」
P「で、何なんだ?」
未央「ふっふっふ……それは後のお楽しみ、ってことで、プロデューサーは席を取っておいてくれない? ここは私の奢りにしてあげるから」
P「アイドルに奢られるわけにいくか」
未央「……でも」
P「……わかったよ。ありがとう、未央。でも、さすがに奢られたら男として立つ瀬がない。割り勘だ。あとでレシートを見せろ。半分払う。わかったか?」
未央「……うん。ありがと、プロデューサー」
P「なんで未央が礼を言うんだよ」
未央「なんでだろうね。でも、ありがと☆」
P「……どういたしまして」
-
308 : 2015/07/26(日) 20:21:54.56 -
——未央「お待たせー」
P「ん、来たか……」
未央「何やってたの?」
P「スケジュールの確認。未央の次のレッスンはいつだったか、とかな」
未央「げ……それ、今言う?」
P「食べ終わった後よりはマシだろ?」
未央「それはそうだけど……そうだけどさー。プロデューサーだって、自分の好きなものを食べる前に『今日の仕事はいつまでかかりそう?』とか聞かれたら嫌でしょ?」
P「それは確かに嫌だな……ごめんな、未央」
未央「素直に謝るとは好感が持てるね。よろしい、許してあげましょう」
P「ありがとうございます、未央サマ」
未央「うむ、よきにはからえ」
P「……それ、意味、違わないか?」
未央「そうなの? 未央ちゃん、わかんなーい」
P「まあ俺もよくわからないんだけどな」
未央「なら言わないでよー」
-
309 : 2015/07/26(日) 20:29:17.75 -
P「すまんすまん。……で、それは」
未央「オリジナルチキン2ピースにクリスピーが2個、和風チキンカツサンド、それとてりやきツイスター、あとはビスケットが二つ、だね!」
P「……絶対足りないんだが」
未央「そう? まあ、私もこういう頼み方をするのは初めてだからなー」
P「初めてなのかよ……で、これにした理由は?」
未央「オリジナルチキンは外せないしクリスピーも食べたいし……サンドとツイスターは迷ったんだけど、こっちの口だったから、かな。ビスケットは好きだから!」
P「そうか……だが、サンドとツイスターは一つずつなんだな」
未央「プロデューサーと半分こするつもりだからねー」
P「……そうか」
未央「あれ? 文句、言わないんだ?」
P「言っても無駄だろ」
未央「ほほう……プロデューサーくんも未央ちゃんへの理解が深くなりましたねぇ……」
P「そりゃこんだけ付き合ってたらな」
-
310 : 2015/07/26(日) 20:30:34.36 -
未央「じゃあ、食べましょ食べましょー」
P「ん、じゃあ、まずはこれからかな」
未央「私もかなー」
未央(というわけでオリジナルチキンから、いただきまーす)パクッ
-
311 : 2015/07/26(日) 20:37:23.77 -
未央「……うん、やっぱりおいしいね、プロデューサー♪」
P「ああ……たまに食うとやっぱり良いな。ファストフードっていうのはどれも無性に食べたくなる時があるんだよなぁ……特にここのオリジナルチキンとクリスピー。俺は子どもの頃、これだけで腹いっぱいになるまで食べることが夢だったんだよ……どちらかと言うと、小さい頃ほどクリスピーの方が好きだったっけな。骨がなくてサクサク食える。子どもの頃はこれならいくらでも食べれると思ってたなぁ……」
未央「その気持ち、わかるかも。私も子どもの頃はそれが夢だったなぁ……」
P「未央はまだ子どもだろ」
未央「高校生になった未央ちゃんはもう実践してみたことがあるのですよ。夢を叶えようとしたわけですね。すると思った以上に食べられなくて……」
P「あー……」
未央「食べる毎になんか口が油でいっぱいになるんだよねー……舌が重くなるっていうか、喉が重くなるっていうか? 正直、バカなことをやったなぁ、って思うよ」
P「……まあ、誰でも一度は考えることだからな」
未央「プロデューサーはやったこと」
P「ない」
未央「そっかー……くっ! さすがのプロデューサーもこの気持ちを共有することはできなかったか……!」
-
312 : 2015/07/26(日) 20:40:33.10 -
P「まあな……で、サンドとツイスターだが」
未央「プロデューサーはどっちから食べたい?」
P「どっちでも」
未央「なら、私はサンドからもらおうかな」
P「そうか。なら俺はツイスターをもらうよ」
未央「……ぜんぶ食べないでよ?」
P「食べないよ。心配するな」
未央「だって、おいしいから一気に食べちゃうかもしれないじゃん……私、一気に食べちゃいそうだし」
P「お前かよ……俺もここは好きだが、お前ほどじゃないから大丈夫だ。安心しろ」
未央「……わかった。じゃあ、もらうね?」
P「ああ。俺ももらう」
未央(じゃあ、和風チキンカツサンドを一口……)パクッ
-
313 : 2015/07/26(日) 20:53:53.27 -
未央「……うん! やっぱりおいしい!」
P「こっちもうまい。……しかし、たまに知らない人も居るんだが、和風チキンカツサンドとかてりやきツイスターってのは実はかなりうまいんだよな」
未央「プロデューサーは知ってたみたいだけどねー。正直、未央ちゃん的にはオリジナルチキンだけでここを知ったつもりにならないでほしいよ。もちろんオリジナルチキンは基本中の基本なんだけれど、こういうメニューもあるんだぞーって教えてあげたいよね。個人的には和風チキンカツサンドはハンバーガー屋さんのハンバーガーよりもおいしいんじゃないかとすら思うよ」
P「ハンバーガー屋にも色々あるが、な。未央……お前は本当のハンバーガーというものをまだ知らない……」
未央「何、いきなり? 本当のハンバーガーって……どういうこと?」
P「軽く1000円近くするハンバーガーだな」
未央「えっ!? 高っ!?」
P「ふっ……やはり知らなかったか。またいつか連れて行くよ」
未央「おいしいの?」
P「『ハンバーガー』の定義がひっくり返るくらいには」
未央「そこまで……なんか、すごそうだね」
P「まあ、今話してるところとは別のところに李衣菜も連れて行く予定が既にあるんだがな……前に話してた、デレパので、な」
未央「ほほぅ……それはそれで気になるかも」
P「まあ、あれはもう別の料理みたいなもんだからここのサンドと比べるべきではないんだがな……」
-
314 : 2015/07/26(日) 20:58:32.30 -
未央「あ、プロデューサー。半分食べ終わったのならツイスターちょうだーい」
P「ん、じゃあサンドも……」
未央「ツイスターもおいしいよねー。なんだろうね、この食べやすくておいしい感じ。手軽においしい……これって最高だと思うんだ。手も汚れないしね」
P「結局オリジナルチキンを頼むんなら汚れるがな」
未央「それを抜きにしてもおいしいからいいの♪」
P「それに関しては同感だな」
未央「ツイスターもおいしいよねー……どっちも好きだけど、個人的にはてりやきの方が好きかも。甘辛いてりやきソースが絡んで、本当においしいんだよねー……日本人だからこっちの方が好きなのかな?」
P「日本人でも普通のツイスターのが好きな人も多いだろ……」
未央「そうだね。まあ、おいしいからいいってことで」
P「結局そうなるのか……べつにいいが」
-
315 : 2015/07/26(日) 21:05:39.63 -
——未央「それではビスケットですが……プロデューサーはどうやって食べる派?」
P「普通にこのハニーメイプルをかけて食べる」
未央「そうじゃなくて……割るとか色々あるじゃん?」
P「そういうことか。俺は割るぞ?」
未央「いくつに?」
P「は? ……半分に、だが」
未央「そっち派かー……未央ちゃんは3つに割る派なんだよねー。時には2つにもするけれど、基本は3つかなー」
P「そんな派閥があるのか……」
未央「あるよあるよー。ビスケットの厚さとハニーメイプルの濃さ……色んな要素がいくつに割るかによって変わるからね。私は厚いのが一つとすっごく薄いの、それと中くらいのが一つ……みたいな割り方がベストだと思ってる。ハニーメイプルの量は厚いのに気持ち多めで……でも、そこまで区別はつけない感じかなー」
P「そんなこだわりがあったのか……」
未央「食感とか色々変わるでしょー? 個人的には半分に割ってからハニーメイプルをかけてそれをサンドするみたいな、『ビスケットのハニーメイプルサンド』みたいな食べ方もなかなか良いと思うよ」
P「知るかよ……」
未央「でも、それだとうまく食べないとめちゃくちゃ落ちるし……運が悪かったらうまく食べても落ちちゃうんだよねー。だから私は今のこの食べ方に落ち着いた、ってわけだね」
P「……未央、お前もやっぱり結構こだわり強いよな」
未央「これくらい女の子なら普通だって」
P「絶対違うと思うが……」
-
316 : 2015/07/26(日) 21:12:14.38 -
未央「んー、やっぱりおいしいね。ここに来たらこれもやっぱり鉄板だね。Krushersもあるけど……個人的にはここにきたらこれってイメージがあるんだよねー」
P「それはわかるな……未央、口」
未央「ん? 口が何?」
P「付いてる」
未央「……んー」
P「……なんだ、その顔」
未央「拭きとってよ、プロデューサー♪」
P「……ったく」グイッ
未央「んっ……とれた?」
P「ああ」
未央「ありがと、プロデューサー☆」
P「どういたしまして」
-
317 : 2015/07/26(日) 21:20:33.74 -
——店の外未央「はー、おいしかった」
P「満足したか?」
未央「うん。付き合ってくれてありがと」
P「いつも付き合わせてるのは俺の方だからな、気にするな。それに、久しぶりに来たから、俺も良かったよ」
未央「そう? それは良かった」
P「それじゃ、帰るか」
未央「うん」
-
318 : 2015/07/26(日) 21:26:09.50 -
未央「プロデューサー」
P「なんだ?」
未央「えへへ……なんでもない」
P「……そうか」
未央「うん。……あ、やっぱり嘘かも。あのね、前にあった話なんだけど、ニュージェネとトラプリでしぶりん争奪戦をした時の話なんだけど」
P「何やってんだよ……」
未央「もちろん遊びだけどね? それで——」
終
-
319 : 2015/07/26(日) 21:31:28.23 -
報告だけと思いましたがちょっと即興で。次のは決まっているつもりですが書いている途中だったのをなくしたのでどうなるか……。
書いている途中に思いましたが連続で鶏肉でしたね。しまった。次は鶏肉以外にしようと思っていたのに完全に忘れていました。フライドチキンは未央の好物、ということで書くのは決まっていましたが、まさかこんなタイミングで書くことになるとは思いませんでした。しかし即興で書けそうだったので書いてしまいました。久しぶりに行きたいです。
カーネリングポテトとやらはおいしいのかどうなのか……気になってます。ここまで読んで下さってありがとうございました。
-
320 : 2015/07/26(日) 21:44:18.49 -
あとSSとは関係ありませんが……ちょっとこの二週間色々ありすぎて話すことがいっぱいですね。とりあえずデレアニの未央もかわいいですね。今回は加連と奈緒にいきなり距離を詰めていってさすがコミュ力の怪物、と思いました。そんなところも好きです。というか、今回のデレアニ、未央がすっごくかわいかったと思うんですよ。楓さんは言うまでもなく素晴らしかったんですが、未央が本当……「本田未央、レッスン頑張ります!」のところの未央とかもう最高にかわいくないですか? 他にも色々かわいかったと思います。未央、かわいい……。
あと本当に私事となりますがスペシャルスカウトキャンペーンがありましたね。恥ずかしながらNG未央をまだ持っていなかったのでNG未央にしました。最高にかわいいです。幸せです。NG未央は思い入れが深いのでずっとお迎えしたかったんですよね……NG未央が出る前からモバをやっているすべてのプロデューサーにとって、NG未央は特別だと思います。あれを見た瞬間は泣きそうになったなぁ……まあ、今までお迎えできなかったんですが。でも、マイアイドルとしてお迎えできて本当に良かったと思います。
改めてありがとうございました。
-
322 : 2015/07/26(日) 22:31:46.50 ID:LYYaK1p1o -
おつ
この間初めてデカダンス売ってるところ行ったから思いきって買ってみたらホントに幸せを飲んでる感じだった
あまりのおいしさに買い物した袋そのまま忘れて帰りそうになったくらい -
323 : 2015/07/26(日) 22:57:51.62 ID:0xL0xzMsO - アニメは未央の女っぽさをもっと出して欲しいんじゃ〜
-
324 : 2015/07/27(月) 00:06:41.26 -
>>318
未央「うん。……あ、やっぱり嘘かも。あのね、前にあった話なんだけど、ニュージェネとトラプリでしぶりん争奪戦をした時の話なんだけど」
↓
未央「うん。……あ、やっぱり嘘かも。あのね、前にニュージェネとトライアドでしぶりん争奪戦をした時の話なんだけど」に変更でお願いします。未央だと呼び方はどっちでもおかしくないような気がしなくもないですが……
-
325 : 2015/07/27(月) 00:19:03.31 -
>>322
おいしいですよね……口に合ったようで嬉しいです。>>323
未央の真の魅力はそこでもありますよね……でも個人的に未央が武内Pにあの感じで接すると嫉妬心が爆発してしまいそうです。 -
327 : 2015/07/27(月) 06:55:18.76 -
丁度?昨日1000円するハンバーガー食べたが、
オーソドックスなやつだからかソースとか無くて、
パテに付けられた強めの塩味で食べる感じでワイルドだった
というかパテが美味しい、塩味お陰かハンバーグより「肉」って感じを味わえたなそろそろデザートに未央タンが味わいたいです
-
336 : 2015/08/18(火) 02:05:16.84 - サマフェス東京前ではなく大阪前になってしまいました
-
337 : 2015/08/18(火) 02:06:23.13 -
——店内静香「——天かすやねぎの量はお好みで。入れる人はかなり入れますが……」
未来「そう言えば、星梨花はねぎをめちゃくちゃ入れていたような気がするなー」
静香「そうね。アイドルになる前はあまりこういう店に来たことがなかったみたいだけれど、最近はよく来て、ねぎを丼いっぱいに入れて食べているらしいわね」
未来「『らしい』って言ってるけど、だいたい連れて来てるのは静香ちゃんだよね」
静香「そうね。でも、星梨花もよろこんでくれているわよ?」
未来「うんうん。私も静香ちゃんのおかげでおいしいうどんがいっぱい食べれて幸せだよー。いつもありがと、静香ちゃん♪」
静香「なっ……い、いきなり何言ってるの。そんなことより、座りましょう、未来。早く食べなくちゃ、せっかくのうどんがダメになってしまうわ」
未来「あ、それもそうだね。座ろ座ろー」
-
338 : 2015/08/18(火) 02:12:36.51 -
——静香「さて、それでは——いただきます」
未来「いただきまーす♪」
静香「」ズズズ……
静香「……うん。やっぱりおいしいですね。チェーン店で、それもここまでの安価でこんなにおいしいうどんが食べられる。こんなに素晴らしいことが他にどれだけあるでしょうか。どこでもここまで本格的な讃岐うどんが食べられるというのは本当にありがたいことです。もちろんうどんは讃岐うどんだけではないのですが、今、一般的に『うどん』と言えば讃岐うどんが連想されるのはこの店の影響もあるのかもしれませんね。と言っても、この店は香川県で始められたわけではなく、兵庫県で始められたわけなのですが、だからと言って本場の味と大きく違うわけではなく——」
未来「うん! 本当においしいね、静香ちゃん! でも、そろそろ時間みたいだよ?」
静香「えっ? いや、話したいことはまだまだ——」
未来「ということで、今回の『最上静香のうどん探訪』はここまで! スタジオにお返ししまーす♪」
静香「ちょっと、未来—!」
-
339 : 2015/08/18(火) 02:17:44.95 -
——スタジオ春香「はい、お返しされました♪ ……あはは。静香ちゃん、本当にうどんが好きだね。深い愛が伝わってくる映像でした」
志保「深いというより重かったような……さすがに話し過ぎだったと思います」
桃子「でも、魅力は伝わってきたよね。桃子、明日のお昼はうどんにしようかな……」
春香「それじゃ、三人で食べに行こっか♪ 何ならこの後でも、ね」
桃子「いいの? それなら、桃子は行きたいな。志保さんは?」
志保「私は……そうですね。確かに今の映像を見ていると私もうどんが食べたくなってきました。私もご一緒させて下さい」
春香「じゃあ、決まりね♪ ということで、『最上静香のうどん探訪』でした! ではでは、次のコーナーは——」
-
340 : 2015/08/18(火) 02:28:22.32 -
——事務所ちひろ「——プロデューサーさん、そろそろ時間ですよ。テレビを見てないで、準備して下さい」
P「あ、ちひろさん……いや、これは765さんのところの番組を見ることで勉強しているだけでサボっているわけでは」
ちひろ「……そういうことでいいですから、早く準備して下さい。どうせ録画してるんでしょう? 後で見ればいいじゃないですか」
P「それはそうなんですけど、リアルタイムで見るということに意味が」
ちひろ「いいですから、早く」
P「……はい」
-
341 : 2015/08/18(火) 02:41:27.05 -
——車内P(はぁ……見たかったなあ。ちひろさんの言葉は正論なんだが、生っすかは本当に面白いからなぁ……)
P(毎週毎週あのクオリティのものを出せるってのは凄い……今週のメインパーソナリティの三人も良かった。最初にメインパーソナリティ入れ替え企画をするって聞いた時は『大丈夫か?』とも思ったが、毎回毎回変わるってのもなかなかいい。天海さんは固定だからそこは安定してるしな。まあ、いつもの三人が恋しくもなるんだが……)
P(しかし、うどん探訪はズルいよなぁ……ラーメン探訪もそうだが、腹が減る。四条さんも最上さんも本当に好きだってわかるもんなぁ……やっぱりああいうコーナーは良い。ウチもそういう企画、出してもいいかもしれないな。料理コーナーは既にあるが、食べ歩きみたいなのも……)
P(……なんか、考えてたら腹が減ってきたな)
P(……よし)
-
343 : 2015/08/18(火) 02:52:23.33 -
——テレビ局未央「あ、プロデューサー!」
P「ん、来たか」
加蓮「あ、Pさんだ。やっほー。元気?」
みく「Pチャン、わざわざ迎えに来てくれたの? べつに良かったのに……」
P「申し訳ないが、仕事のついでだ」
未央「ついでって……それは言う必要なかったんじゃない?」
加蓮「そうだよ、Pさん。ここは『それでもお前たちを迎えに来たかったんだ』みたいなことを言う場面だよ」
P「そうか? じゃあ仕事のついでっていうのは嘘だ。お前たちを迎えに来たかったんだよ」
みく「今更言っても遅いにゃ……」
-
345 : 2015/08/18(火) 02:57:57.11 -
P「それもそうだな。それで、話は変わるが、お前ら、昼、もう食べたか?」
未央「食べてないよ。お腹ぺこぺこだよー」
加蓮「え? Pさん、連れて行ってくれるの?」
P「まあ、そういうことだな」
みく「……お魚じゃないよね?」
P「さすがに仕事終わりのアイドルにそんなことしない。俺をなんだと思っているんだ」
みく「『仕事終わり』じゃなかったらやるみたいな台詞を言ってる時点で察してほしいにゃ……」
P「まあ、少なくとも今日は違う。安心しろ」
みく「それならいいけど……」
-
346 : 2015/08/18(火) 03:05:21.58 -
未央「で、どこに行くの? プロデューサー」
P「ん? ああ、ちょっと、生っすかの『うどん探訪』を見てな……」
未央「最上静香のうどん探訪?」
加蓮「ってことは、うどん屋さん?」
P「まあ、そうだな。あれを見てたらうどんが食べたくなってきてな……」
みく「静香チャンのうどん好きは七海チャンのお魚好きや法子チャンのドーナツ好きと同じくらいすごいもんね……やっぱり好きなものを楽しんでいるところを見ると、見ているこっちも気になっちゃうにゃ」
P「それじゃあ七海の魚好きでみくも魚に」
みく「それはないけど」
未央「んー……本当にお腹が空いてきた。プロデューサー、早く行こ?」
P「そうだな。じゃ、行くか」
加蓮「おー♪」
未央「おー!」
みく「えっ、何この流れ……お、おー」
-
347 : 2015/08/18(火) 03:09:28.44 -
——車内加蓮「うどん屋さんっていうのはわかったんだけど、どこなの? Pさん」
P「今日のうどん探訪で行ってたところだな」
加蓮「えっ……それじゃあ、すっごく混んでるんじゃないの? テレビで紹介されたりしたお店って、放送後はいっぱいになるじゃん」
P「大丈夫だ。今日行ったところはチェーン店だったから」
未央「チェーン店……ってことは、あのお店かあのお店かあのお店だね!」
みく「どのお店かまったくわからないにゃ……」
P「正解だ、未央」
みく「えっ」
未央「おおっ、ってことは、あのお店?」
P「そう、あの店だ」
未央「ほほぅ……これはこれは楽しみですなぁ」
みく「えぇー……加蓮チャン、わかった?」
加蓮「ん? 全然?」
みく「だよね。というか、未央チャンも絶対わかってないでしょ」
未央「いやいや、私は本当にわかってますよ?」
P「どっちにしろすぐにわかる。ま、楽しみにしとけ」
-
348 : 2015/08/18(火) 03:17:49.18 -
——店の前未央「あ、ここかー」
みく「やっぱりわかってなかったんだ……」
加蓮「ここは私も来たことあるなー。好きだよ、結構」
未央「安いし早いしおいしいし、割りと学生の味方な感じあるよね」
P「社会人の味方でもあるがな。むしろ社会人の味方だと思うが。学生はもっとファストフードとかじゃないのか? 加蓮とか、な」
加蓮「このお店もファストフードといえばファストフードじゃない?」
P「……言われてみればそうだな」
みく「そんなことはどうでもいいから早く入ろうよ。結構並んでるし……ずっとここに居ても邪魔だよ?」
P「……はい。ごめんなさい」
加蓮「ごめんなさーい」
未央「ごめんちゃい♪」
みく「……いいから、入るにゃ」
-
349 : 2015/08/18(火) 03:25:05.98 -
——店内P「何を頼むかはもう決めてるか?」
未央「んー……プロデューサーのオススメは?」
P「お前、来たことあるんだろ?」
未央「あるけど、どういうのが好きなのかなーって」
加蓮「あ、それ、私も気になる。Pさん、Pさんは何が好きなの?」
P「何がって……割りと毎回の気分で食ってるから、何とも言い難いんだが」
未央「今食べたいものでいいから、ね?」
加蓮「ほらほら、早く決めないと順番、来ちゃうよ?」
P「どうしてお前らはそんなに気になるんだよ……みく、何か言ってやってくれ」
みく「Pチャンがさっさと言えばいいと思うよ」
P「なっ……みく、お前、裏切るのか?」
みく「裏切るも何も、Pチャンが言えばそれで終わるでしょ? だからさっさと言えばいいと思うにゃ」
-
350 : 2015/08/18(火) 03:25:45.40 -
P「……まあ、それもそうか。でも、今日食いたいもの、か……そうだな、じゃあ、とろ玉うどんで」
未央「へぇ……ってことは、もがみんもそれを頼んだの?」
P「いや、釜揚げうどんだったな」
加蓮「そうなの? すっかり同じものを頼むのかと思ってた」
P「迷ったんだが、夏だしな。ざるでも良かったんだが……ちょっとやりたいことがあってな」
みく「やりたいこと?」
P「ま、それに関してはお楽しみってことで」
みく「なんで焦らすの……?」
P「説明するのが面倒くさいからだ。で、お前らは何を頼むんだ?」
未央「私はプロデューサーと同じのにする!」
加蓮「じゃあ私もー」
みく「それならみくも」
P「は? なんでみんな同じにするんだよ。気持ち悪いな……」
未央「気持ち悪いってさすがにひどくない? 未央ちゃん傷付くなー」
加蓮「加蓮ちゃんも傷付くなー♪」
みく「全然傷付いてそうにないにゃ……」
-
351 : 2015/08/18(火) 03:26:31.23 -
P「いや、べつにいいんだが……お前ら、食レポとかでこういうのするなよ? 看板メニューならべつにいいが、それ以外のメニューで合わせるってのは……な」
未央「え、何? プロデューサー、釜玉うどんをバカにしてるの? 釜玉うどんはこのお店のれっきとした看板メニューだよ!」
加蓮「そうだよ、Pさん。いつか私たちもここのお仕事をするかもしれないんだから、私たちのプロデューサーであるPさんがそんなことを言っちゃダメだと思うよ?」
P「……」
みく「Pチャン、めちゃくちゃ面倒くさそうな顔してるにゃ……少なくともアイドルに向ける顔はしてないにゃ……」
P「……はぁ。もう何でもいいからちょっと静かにしてろ。そろそろ順番だしな」
加蓮・未央「「はーい♪」」
-
352 : 2015/08/18(火) 03:27:10.96 -
——P「天ぷらとかは——もう好き勝手取ってるな」
未央「ん? 天ぷらも同じにした方が良かった?」
P「いや、天ぷらまで同じにされたらさすがに引いた」
加蓮「まあ、これは好みだよね。Pさんは……へぇ。そうするんだ」
みく「Pチャンは結構無難だにゃ」
P「無難って……何が無難なんだよ。そもそも無難じゃないのってなんだよ」
みく「でも、みく的には無難なの。みくもよくそうするしね」
P「それみくの好みと俺の好みが近いだけじゃないか?」
みく「……そうかも」
-
353 : 2015/08/18(火) 03:28:00.50 -
加蓮「……あ、Pさん、おいなりさん、食べるんだ」
P「食べないか? 俺はうどんとかを食べる時はいなりが欲しくなるんだよ。正直わさびいなりの方が好きだったんだが……あれはいつ頃からなくなったんだっけな」
加蓮「ここで食べたことはないからわからないかな」
未央「私もわかんない」
みく「みくはおいなりさんの方なら食べることもあるけど、わさびの方は食べたことがないんだよね。気付いたらなくなってたって感じにゃ」
P「うーん……店舗によっては実は残ってたりするのか? また食べたいんだが……」
みく「そんなこと言ってもないものはないよ。今は我慢するにゃ」
P「我慢するけどさぁ……」
-
354 : 2015/08/18(火) 03:28:39.95 -
未央「でも、おいなりさんかー……私もちょっと食べてみようかなー」
加蓮「私も、Pさんがそこまで言うなら気になってきたかも」
みく「みくも久しぶりに食べよっかなー」
P「ふっふっふ……これでお前らはいなりの魔力から逃れられなくなる。一度食べれば最後、二度といなり無しではうどんが食べれなくなるだろうよ……」
みく「みくはそんなことなかったけどね」
P「それは言うな」
-
355 : 2015/08/18(火) 03:33:19.29 -
——P「んで、会計を済ませて……さて、これだ」
加蓮「ん? ねぎと、天かす?」
未央「あー……これ、結構入れる量、人によってわかれるよね。加蓮は天かすをいっぱい入れそう」
加蓮「未央にとって私はどういう好みを持っている人なのかな?」
P「それで、入れるのか?」
加蓮「え、Pさん、ちょっと、なんでそんなにマジメな顔……入れるけど」
-
356 : 2015/08/18(火) 03:34:31.04 -
P「あんまり入れ過ぎると身体に」
加蓮「そう言うと思ったけどさー……正直、フライドポテトとかポテチとかを食べてる方がよっぽど健康に悪いと思うよ? だからここで天かすをいっぱい入れるくらい許してよ」
P「お前、フライドポテトとかポテチも食うだろ」
加蓮「うん、食べる♪ Pさんたちは心配し過ぎなんだよ。心配してくれるのは嬉しいけど、私、もう大丈夫だよ?」
P「……まあ、本当に辛くなったらすぐに言えよ。もし何も言わずに無理なんかしたら、俺は怒るぞ」
加蓮「怒るって?」
P「責任とってプロデューサーを辞めるかもな」
加蓮「……それは嫌だなぁ。わかった。無理はしないよ。約束する。だから、辞めるなんて二度と言わないでよ?」
P「お前がバカなことを言わない限りはな」
加蓮「うん。出来る限り、言わないようにするよ」
P「そうしてくれ」
-
357 : 2015/08/18(火) 03:35:27.52 -
みく「それで、Pチャンはどれくらい入れるの?」
P「そうだな……んー、まずは天かすをこれくらい入れて」
未央「ほうほう」
P「それで、ねぎをこう」ドサッ
加蓮「……ん?」
P「さらに、こうだ」ドサッドサッ
みく「ちょっ! さすがに入れ過ぎじゃない!?」
P「……うん。入れ過ぎだよな。実際見るとヤバいな、これ……」
未央「じゃあなんでやったの……?」
P「それに関してはあとで説明する。とりあえず、席に着こう」
加蓮「う、うん……大丈夫?」
P「……たぶんおいしいから大丈夫だ」
未央(ホントかな……)
-
358 : 2015/08/18(火) 03:38:04.70 -
——P「そういや、未央はやっぱりかしわ天を取ったんだな。予想通りだ」
未央「まあね。ここのかしわ天、割りとフライドチキンっぽいんだよね。某フライドチキン屋さんのクリスピー的な感じ」
加蓮「私もそう思ってるからかしわ天—」
P「加蓮……お前、本当にそういうの好きだよな……」
加蓮「まあね。やっぱり身体に悪そうなものっていうのはおいしいんだよ。ここのかしわ天はそこまで身体に悪そうじゃないけどね。個人的にはもっと身体に悪そうだともっと良いかな」
P「それ身体に悪いものが好きなだけじゃねえか」
加蓮「あはは。そうかも」
P「はぁ……本当、やめろよ?」
加蓮「前にも言ったけど、私なりに気を遣ってるから大丈夫だよ。たぶんね」
P「……トレーナーさんにちゃんと聞いて、な」
加蓮「うん。そうする。……いつもありがとね、Pさん♪」
P「どういたしまして」
-
359 : 2015/08/18(火) 03:38:47.24 -
みく「……Pチャン、加蓮チャンといちゃいちゃし過ぎじゃない? みくも構ってくれないと拗ねちゃうよ?」
P「……べつにいちゃいちゃしてたつもりはないが」
みく「してたよ」
未央「してたね」
加蓮「えー? してなかったのー?」
P「……なんで加蓮がそっち側に回るんだよ」
加蓮「えへへ。そっちの方が面白そうだったから?」
P「なんだよ、それ……」
未央「いやいや、大事なことですよ? 面白そうな方に付く。アイドルとしてはすっごく大事なことと言えると未央ちゃんは思いますよ?」
P「アイドルというか芸人じゃないか?」
未央「あ……そうかも」
-
360 : 2015/08/18(火) 03:55:44.28 -
P「そうかもって……はぁ。それで、みくはちくわ天といか天、か」みく「うん。どっちもおいしいでしょー?」
P「そうだな……実はいか天の方はあんまり食ったことはないんだが、ちくわ天はうどんと相性良いよな」
みく「うんうん。Pチャンならわかってくれると思ってたよ」
未央「……あれ? でも、みくにゃん、魚介類ダメなんじゃなかったっけ? いか、大丈夫なの?」
みく「大丈夫だよ。というか、その理屈だと、みく、たこ焼きも食べれなくなっちゃうでしょ?」
未央「あ、確かに」
-
361 : 2015/08/18(火) 04:00:51.10 -
加蓮「たこ焼きかー……最近、食べてないかも。久しぶりに食べたいなー」
P「俺も食べたいな……事務所でたこ焼きパーティー的なのをやっても、っていうのをそういえば計画してたような気もするな」
みく「そうなの!? みく、聞いてないんだけど!」
加蓮「私も初耳だなー」
未央「ふっふっふ……しかしこの未央ちゃんは知っていたのでした! まあ、たこ焼きだっていう話ではなかったような気もするけどねー」
加蓮「ふぅん……ねぇ、未央、それ、どこで知ったの?」
未央「え?」
P「知ったというか俺と未央が話してただけの話だからな。みくが前にソースが恋しいとか言ってたって話から、な」
みく「ということは、みくのため? Pチャン、未央チャン、ありがとにゃ♪」
P「気にするな。俺も食いたいからな。大阪だからって押し付けるようで悪いが、大阪組には頑張ってもらうつもりだから覚悟して、な」
みく「それに関しては問題ないよ。むしろみくが取り仕切りたいくらいにゃ」
P「まあこれ話したら絶対瑞樹さんが名乗りを上げると思うけどな」
みく「……さすがに勝てる気がしないにゃ」
-
362 : 2015/08/18(火) 04:01:42.47 -
加蓮「……」
P「ん? どうした、加蓮」
加蓮「Pさんと未央って、よくご飯とか一緒に食べに行く?」
未央「」ブッ
みく「えっ」
P「食べに行くよ。割りとな」
みく「えっ!?」
加蓮「へぇ……それなら私も連れて行ってほしいなー」
P「今日、こうして連れて来てるだろ」
加蓮「二人きりでも、ね」
P「……まあ、また、な」
-
363 : 2015/08/18(火) 04:02:19.94 -
みく「あっ、その、Pチャン! みくも! みくも二人きりでご飯、行きたいにゃ!」
P「連れて行く連れて行く。だから、そろそろ食べよう。最上さんも言ってたが、せっかくのうどんだ。味が損なわれたらもったいないだろ?」
加蓮「ん、そうだね。デートの約束もしてもらったし、そろそろ食べようか」
みく「うん。天ぷらも、せっかく揚げたてだったんだから、出来るだけ早く食べたいしねー」
P「じゃ、食べるか——って、未央? どうかしたか?」
未央「えっ……いや、なんでもないですよ? ただ、プロデューサーとのデートがバレちゃって恥ずかしかっただけで」
P「デートというか二人で食事しただけだがな」
加蓮「それをデートというんじゃないの?」
P「ラーメンとか牛丼とかでもか?」
加蓮「気持ちがあればデートだよ。Pさんならそれくらいわかってるでしょ」
P「……ま、まあな。俺も恋愛経験は豊富だからな!」
-
364 : 2015/08/18(火) 04:04:59.24 -
みく「あれ? Pチャン、彼女居たことなかったんじゃなかったっけ?」
P「……そんなこと話したことないはずだが?」
みく「ちひろさんから聞いたにゃ」
P「何言ってくれてんだちひろさん!」
みく「その時のちひろさんは酔っていたから仕方ないと思うよ」
P「酔って……って、お前、なんでちひろさんが酔ってる現場に居るんだよ」
みく「それは割りと色々あったから思い出したくないにゃ……」
P「……その時に居た面子は?」
みく「のあにゃんと楓さんと」
P「わかったもういい喋るな。辛かったな、みく……というか、食べる食べるって言っていつまで話してるんだ、俺らは。もうこれ以上は話は終わりだ。食べるぞ」
加蓮「はーい」
みく「うん」
未央「う、うん」
-
365 : 2015/08/18(火) 04:05:33.54 -
——未央(……なんだろ、なんか、変な気持ちかも。もやもや、ってわけでもないんだけど……プロデューサーと二人きりで食べているのがバレて嫌だった? でも、べつにバレても……)
未央(二人で同じ秘密を共有してるみたいで、それが心地よかったのかな。……プロデューサーはあっさりバラしてたから、そういう思いはなかったみたいだけど)
未央(まあ、私もこうやって意識するまではそんなこと思ってなかったし、当然かも。でも……あー、もう! 今はそんなことどうでもいいや! 後で考えよう! うん!)
-
366 : 2015/08/18(火) 04:08:41.66 -
未央(さてさて。私が頼んだのはとろ玉うどんとかしわ天、それと半熟玉子天においなりさんが一つ……我ながら思ったんだけど、とろ玉うどんだったら半熟玉子天はなくてよかったんじゃ……)
未央(まあこの組み合わせで食べるのは初めてだから……ものは試し、だよね)
未央(えーっと、まずは混ぜよう。とろろと温泉卵、ねぎと天かす、それとうどん。ぜんぶをざっくりと混ぜる)マゼマゼ
未央(温泉卵は……もう割っちゃおう。誰だったか忘れたけど、最後までこの温泉卵を残しておいて、最後の最後に一口で、って食べ方をする子も居たなー……誰だったっけ? あの食べ方も気になるといえば気になるけど……今日は割っちゃう。また次の機会に、ね)
未央(うーん……とろろが入っているからか、結構ずっしりとしてるなぁ。重い。でも、これは混ぜるべきだよねー……うん、これくらいでいいかな)
未央(さて、それじゃあ……いただきまーす)ズル……
-
367 : 2015/08/18(火) 04:16:43.09 -
未央「……ん!」
未央(おいしい! 実はとろ玉うどんって初めて食べたんだよね。なんというか……まろやか? ふんわり? とろとろ? なんて言ったらいいのかわからないけど、おいしいや)
未央(キュッとなってるうどんととろろが絡んで、とってもおいしい。そこに温泉卵も絡んでるから、さらにまろやかになってる? あと、ねぎと天かすもやっぱり良いアクセントになってるなぁ……)
未央(それじゃあ、次は天ぷらを。かしわ天を、まずはおつゆなんかに付けずに、そのままで)カリッ
未央「……んっ」
未央(うん! やっぱりこれだよね! 本当にクリスピーと似てるし、おいしい。まあちょっと違うけど、かなり似てる。フライドチキン愛好家の未央ちゃんは満足ですよ。それに)パクッ
未央「んんー……!」
未央(この、おつゆに付けるとまたおいし……おいしい! いつもと違う……って、そりゃそうか。とろ玉だもんね。うーむ……これは他の天ぷらでも試したくなってくるかも……あ)
-
368 : 2015/08/18(火) 04:18:24.44 -
未央「ねぇねぇ、プロデューサー!」
P「ん?」
未央「かしわ天、一口あげるから、ちくわ天、一口くれない?」
P「ん、べつにいいぞ」ヒョイ
未央「ありがと、プロデューサー♪ じゃ、一口もらうね……」パクッ
未央(……んー! やっぱりおいしい! そもそもちくわ天がおいしいんだけど、とろ玉うどんの……つゆ? というか、とろろ? なんて呼べばいいのかわからないけど、とにかく、それに付けるとまた違う味になる。さらにおいしくなるとかじゃなくて、違う味。これはこれでおいしいなぁ……)
P「もういいか?」
未央「うん。……そういえば、プロデューサー、ねぎはどんな感じ?」
-
369 : 2015/08/18(火) 04:19:04.76 -
加蓮「あ、ねぎと言えば、結局、そんなにねぎを入れたのはどうしてだったの?」
P「ん? それは……まあ、一言で言えば『うどん探訪』の影響だが」
みく「やっぱりそうだったんだ。でも、静香チャンはそういうのしなさそうだけど」
P「どうやら箱崎さんがやっているらしい。ねぎをどんぶりいっぱいに、うどんが見えなくなるくらいに、っていうのをな。それで、一回やってみようと思って、やってみた」
みく「どうしてそこで『やる』って発想になるの……?」
P「いや、だって箱崎さんだぞ? 舌は相当肥えてるはずだろう? なら……な?」
みく「な? って言われても……そうなのかな?」
P「俺はそう思ったんだよ」
未央「で、肝心のお味は?」
P「うまい! ……でも、次からはしないな」
未央「あっ……」
-
370 : 2015/08/18(火) 04:22:24.31 -
P「そもそも箱崎さんがこれをやってるのは他のうどん屋さんかもしれないからな……そこらへんを忘れていた。まあ、うまいからべつに後悔とかはないんだがな。一度は食べてもいいが、何度も食べる感じではないみたいな味だな」
みく「まあ、何度も食べるような感じでは確かになさそうだけどね」
加蓮「好きなものは人それぞれ、ってことかなー……ねぇ、Pさん」
P「ん?」
加蓮「あーん」
P「……何してる」
加蓮「ん? ちょっと一口食べたくなって」
P「自分で取って食え」
加蓮「えー……病気で倒れた時とかはやってくれるのに」
P「そういう時でもないのにやるわけないだろ。我がまま言うな」
加蓮「はーい。じゃ、いただきまーす。……ん。ん? ……あ、おいしい」
P「うん、だろ?」
みく「それじゃあ、みくはかき揚げをちょっともらってもいい? いか天、一口あげるからにゃあ」
P「ん、わかった。じゃあ交換、っと」
みく「ありがと、Pチャン♪ ……んっ! やっぱりおいしいにゃあ……おいしいんだけど、ちょっと量が多いから、頼むんは気が引けるんだよねー」
P「俺としてはむしろ量がある方が嬉しいんだが……そういう意見もあるか」
みく「みくはアイドルだし、その前に女の子でもあるんだよ? そういうのも気にするよ」
-
371 : 2015/08/18(火) 04:24:48.55 -
P「そうか……あ、そういえば、未央」
未央「ん?」
P「調子、戻ったんだな」
未央「調子?」
P「さっき、恥ずかしいって言ってただろ? いつもの調子に戻ってたみたいで安心した、って思ってな」
未央「恥ずかしい……あ」
未央(思い出した。……いや、なんでもないことのはずなんだけど……思い出すと、その)
未央「……じゃ、じゃあ、私、おいなりさん、もらうね?」
P「ん? ……そうだな。食ってみろ。あ、いなりを食べる前にうどんを食べておくのをオススメしとく」
未央「うん、ありがと」
未央(……うー。なんか逃げるみたいになっちゃった。とにかく、食べよう。えっと、まずはうどんを食べて……それから、いなり)パクッ
-
372 : 2015/08/18(火) 04:25:59.70 -
未央「……あ、おいしい」
P「だろ!?」
未央「うん……なんか、思った以上に相性いいね。なんというか……なんて言えばいいんだろう。とにかく、おいしいよ。うどんのこの味とおいなりさん。この相性、本当に良いね。どっちかを食べるとどっちかを食べたくなる感じというか……プロデューサー、ちょっと、うどん、食べるね?」
P「うん、食べろ食べろ。……やっぱり、うまいよな。そもそもうどんからしておいしいわけだが、これに色んなものを組み合わせることによってさらにおいしくなる。ツルッと喉越しがよく、コシのあるうどん。それだけでも最高なんだが、天ぷらやこういったものを合わせるとさらにおいしくなるよな……その中でも俺は」
みく「Pチャン」
P「ん?」
みく「そろそろ黙って食べない?」
P「……はい」
-
374 : 2015/08/18(火) 04:37:02.98 -
——店の外未央(んー……おいしかったなー。おいなりさんもそうだけど、半熟玉子天も良かった。温泉卵とはやっぱり違うなー……)
P「さて、それじゃあ帰るか」
加蓮「うん。まあ、そこまで時間はかかってないけどねー」
みく「このお店で食べるとそうなるよね。さすがに牛丼屋さんなんかには敵わないと思うけど、さっと食べたいって時はこのお店、かも?」
加蓮「私だったらポテトとか食べたり、なんなら抜いちゃうかもしれないけど……って、Pさん、心配そうな顔しないで。できるだけ抜かないようにしてるから」
P「それならいいが」
未央「でも、おいしかったよ。ごちそうさまでした、ありがとね、プロデューサー」
加蓮「ホントホント。おいなりさんがあんなにおいしいとは思ってなかったしねー。私、今度から頼んじゃうかも」
みく「みくも久しぶりに食べたらおいしかったよ。まあ、個人的には事務所でするっていうたこ焼きの話が気になるけど……」
P「それに関してはまた詳細が決まってから、な」
みく「はーい」
P「……それじゃ、車に乗れ。帰るぞ——あー、そうだな、ちょっと先に行っててくれ」
-
375 : 2015/08/18(火) 04:40:29.69 -
加蓮「? どうかした?」
P「ちょっと、な。……これ、車のキーだ。先に乗っててくれ」
加蓮「よくわからないけど……うん、わかった。先に乗っておくね」
みく「……うん、そうだね。先に乗っておくにゃ」
P「ああ、助かる。……未央」
未央「え?」
P「ちょっとだけ、話がある。いいか?」
未央「……いいけど、何?」
P「それは……」
未央「?」
未央(……あ、二人とも車に乗るのを、確認してるんだ——って、え? ちょ、今から何を話されるの? ちょっとこわいんだけど……)
-
376 : 2015/08/18(火) 04:45:35.30 -
P「……あのさ、未央」
未央「え?」
P「……さっきは、ごめんな」
未央「……? ごめん、って?」
P「さっきのことだよ。……加蓮にバレただろ?」
未央「あ……」
未央(あのこと……でも、プロデューサーは、そんなに考えてなかったんじゃ)
-
377 : 2015/08/18(火) 04:49:05.30 -
P「弁解するとしたら、未央、お前、わかりやすすぎる。『何かある』ってまるわかりの顔しやがって……あれでもフォローしたつもりなんだぞ? って、伝わってなかったら世話ないんだが……」
未央「……え? ちょ、ちょっと待って? どういうこと? 私、よく意味が……」
P「……まあ、わからないでいてもいい。俺が言いたいことは二つだ。すまん、また埋め合わせはする。それと……」
未央「……それと?」
P「……俺は、未央と一緒に食事をするのを、とても楽しいと思ってる」
未央「……え」
P「それだけだ。……加蓮とみくが待ってる。車に行くぞ」
未央「……プロデューサー!」
P「なん——うおっ」ギュッ
未央「えへへ……プロデューサー、ありがと!」
P「未央、お前……どういたしまして」
未央「車まで、ずっとこうしていていい?」
P「……まあ、車までなら、な」
未央「……ありがと、プロデューサー☆」
-
378 : 2015/08/18(火) 04:51:59.69 -
——車内加蓮「……すっごくいちゃいちゃしてるね、Pさんと未央」
みく「……これは何があったのか、詳しく聞かなくちゃいけないにゃ」
加蓮「はぁ……確かに、未央、調子悪そうだったけど……嫉妬しちゃうな」
みく「まあ、今日くらいはいいかもしれないけど、ね」
加蓮「……うん。まあね。でも、問い詰めることには変わりないけど♪」
みく「それは同感にゃ」
終
最近のコメント