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1 : 2015/11/07(土) 23:13:38.94 -
智絵里「いつになったら週休8日になるんだー」
杏「そ、それは物理的に無理じゃないかな……」
P「なんだこの違和感半端ない状況は」
P「まるで2人の中身が入れ替わったような……まさか!」
志希「あたしだ」
P「お前だったのか」
志希「暇を持て余した」
P「神々の……って、こんなことしてる場合じゃないだろう」
志希「もう、つれないなあ~」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1446905618
ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446905618/
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2 : 2015/11/07(土) 23:15:12.17 -
志希「——というわけですヨ」
P「なるほど。つまり、志希が気まぐれで作った入れ替わり薬の入った飴を、たまたま智絵里と杏が食べてしまったと」
志希「イチゴ味の飴とリンゴ味の飴を食べた人間の中身がチェーンジ♪ どーよ、すごいでしょ!」
P「君と晶葉の発明にはいつも驚かされてばかりだよ」
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3 : 2015/11/07(土) 23:16:42.17 -
P「で、この二人をどうするかだが」
P「杏の中にいるのが智絵里」
杏「はい。困りました……今日もお仕事あるのに」
P「智絵里の中にいるのが杏」
智絵里「他の人にばれるとまずいから今日は自宅待機ということに」
P「ならん」
智絵里「えー、なんでさ」
P「安易な仕事のドタキャンは信用を落とすからな。二人とも仕事がだんだん増えてきたこの時期にそれは避けたい」
智絵里「ちぇー。うまい感じにサボる口実ができたと思ったのに」
杏「あ、あの……皆さんに事情を説明するというのは」
志希「あー、それはできるだけやめといてほしーな」
志希「身体を入れ替える薬なんて、存在がばれるといろいろメンドーなことになりそうだし」
P「まあ、こっちから言わなきゃ、二人の中身が入れ替わってるなんて疑う人はいないだろう」
志希「そそ♪というわけで、事務所のみんなにも秘密の方向でひとつよろしく♪」
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4 : 2015/11/07(土) 23:19:38.48 -
P「だ、そうだ。二人とも、それで大丈夫か」
杏「な、なんとかやってみます……杏ちゃんの真似、できるかな」
P「困ったら寝てればそれらしくなるぞ」
智絵里「ちょっと、なんなのその言い方。まあ違わないけど」
P「杏もいけそうか?」
智絵里「ま、やれるだけはやってみるよ。勝手に飴食べたこっちにも責任はあるし」
智絵里「プロデューサーも、ちゃんと呼び方気をつけないと」
P「ん? あ、そうだな……わかったよ、智絵里」
智絵里「はーい」
志希「にゃふふー、なんか面白いことになる予感♪」
P「楽しむな。君の薬のせいでこんなことになったんだぞ」チョップ
志希「ごめんごめーん」
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5 : 2015/11/07(土) 23:23:42.12 -
卯月「杏ちゃん、今日はなんだか元気ですね!」
杏「え、そ、そうかな……」
卯月「いつもなら、この時間はお昼寝しているので」
杏「きょ、今日はちょっとやる気モード、みたいな?」
幸子「逆に智絵里さんはいつもよりぐでーっとしてますね」
智絵里「今日は省エネモードなんだ」
幸子「はあ……でも、省エネもほどほどに、ですよ」
幸子「だらだらしていると、カワイイボクが置いていっちゃいますからね!」フフーン
智絵里「あーうん、どぞどぞ」
幸子「……なんだか、本当にいつもと違いますね」
幸子「体調が悪いなら、早めにプロデューサーさんに言った方がいいですよ?」
智絵里「わかったー……はー、だるい」
P「………」
P「よし、大丈夫そうだな!」
志希「いやいや、今の見てそう言えるの? 本気で?」
P「そう思わないとやってられないからな」
P「仕事中にボロ出しそうになったら俺や君がなんとかする。それでなんとかなる」
志希「キミのそーいうひた向きでギャンブル精神旺盛なところは、あたし好きだったりしてー」
P「どういたしまして」
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6 : 2015/11/07(土) 23:27:10.36 -
P「というわけで、中身が智絵里の杏のフォローは任せたぞ」
志希「これから一緒に仕事だからってことだね。オッケー、まかされよ♪」
志希「とゆーわけで杏ちゃん。あたしとともに希望の未来へレッツゴー!」
杏「ひゃっ! い、いきなり手をつかまないでくだ——」
志希「びゅーん♪」
杏「あ、あ~れ~~~」
卯月「あはは……志希ちゃんはエネルギッシュですね」
幸子「相変わらずスイッチの切り替えが激しいというか」
P「……志希が目立つぶん、一緒にいれば杏の違和感は薄れるだろう」
P「あっちは任せて大丈夫……だよな?」
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7 : 2015/11/07(土) 23:28:40.98 -
幸子「それじゃ、ボク達も行ってきますね」
卯月「頑張ります!」
P「ああ、しっかり頼む」
ガチャ、バタン
P「卯月と幸子も現場に向かった、と……残るは」
智絵里「ぐで~~」
P「あそこで干物になってる杏か……見た目が智絵里なせいで違和感がすさまじい」
智絵里「プロデューサー、やっぱ今日は休みにしようよ。きっとよくないことが起こるよ」
P「大丈夫だ心配するな」
智絵里「根拠は?」
P「大丈夫だ心配するな」
智絵里「いやそんなこと言ってもさ」
P「大丈夫だ心配するな」
智絵里「対応が雑!」
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8 : 2015/11/07(土) 23:31:35.53 -
智絵里「抗議しまーす、プロデューサーが杏の意思をないがしろにしまーす」
P「はあ、まったく……というか、今日だけはもう少ししっかりしてくれ」
智絵里「えー? いーじゃん、今は杏とプロデューサーの二人だけなんだし」
P「そういうわけにもいかないんだよ」
P「ワンピース姿で地べたを這ってると……ズレて、下着が見える」
智絵里「………」
智絵里「!!?」シュババッ
P「ものすごい速度で姿勢を正したな……」
智絵里「い、いつもならともかく、これ智絵里ちゃんの身体だから。はしたない姿見せてたら、戻った後に怒られそうだし」
P「そうだぞ。だから今日はしっかり者でいこうな。仕事にも文句言わずに」
智絵里「それとこれとは別」
P「やっぱりか。手ごわい奴め」
智絵里「だがそれがわたしだ」ドヤ
P「………」
智絵里「……プロデューサー? どうかした?」
P「いや、なんでもない」
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9 : 2015/11/07(土) 23:34:29.04 -
P「ほら、飴あげるから仕事頑張れ」
智絵里「いくつくれる?」
P「3つ。終わったらもう3つあげよう」
智絵里「むう……しょうがないなあ」
P「ようやくやる気になったか。偉いぞ」ナデナデ
智絵里「ひゃっ! ちょ、いきなり触られるとびっくりするって」
P「あ、ああ。ごめん」
P「(いつもは頭触ったくらいじゃ何も言わないのに……智絵里の身体は敏感なのか?)」
P「(あるいは、常時省エネの杏の身体が外部の刺激に鈍感なだけか)」
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10 : 2015/11/07(土) 23:37:32.09 -
智絵里「それより、早く飴ちょーだい」
P「わかったわかった。ほら」
智絵里「ありがとー」
P「ほい、あーん」
智絵里「……あ、食べさせてくれるんだ」
P「いつもそうしてるだろ」
智絵里「そうなんだけどさ。今日は身体が違うから、ほら」
智絵里「あーん……」
P「………」
P「(智絵里の身体が口を開けて飴を待っている姿、妙にエロいぞ……)」
P「(い、いや! 落ち着け、俺はプロデューサーだ。アイドルに邪な感情を抱くわけにはいかん)」
P「あーん」
智絵里「はむっ」パク
P「おいしいか?」
智絵里「うん……おいしい」ニコ
P「そうか。なら仕事に行ってくれるな」
智絵里「しょうがないなー。でも杏歩きたくないから、プロデューサーが連れてってよ」
P「はいはい。わかったよ」
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11 : 2015/11/07(土) 23:39:51.58 -
智絵里「で、おぶっていくんだ」
P「なんだ。お姫様だっこのほうがよかったか?」
智絵里「おひっ……さすがにそれは嫌かなー」
P「ははは」
P「(おんぶしている時の感触も、いつもと全然違うな)」
P「(杏はちんちくりんだからあまり意識しなかったが……智絵里の身体を背負うと、さすがに胸とかいろいろ気になってしまう)」
智絵里「………」
智絵里「プロデューサー、背中大きいね」
P「ん? どうした今さら」
智絵里「……ううん、なんでもない」
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12 : 2015/11/07(土) 23:42:43.43 -
その後 仕事終わりの帰りの車の中
P「お仕事お疲れ様。見事に本物の智絵里らしかったぞ」
智絵里「はっはっは、これがわたしの本気だー……あー、疲れた」グッタリ
P「頑張ったな。ほら、約束の飴だ」
智絵里「あーん」
P「ほい」
智絵里「もぐもぐ……おいしい」
P「………」
P「杏。この後の食事だけど、このまま店に直行でいいか?」
智絵里「食事?」
P「この前約束しただろう。今日の仕事終わった後、おいしいものが食べられるところに連れて行ってやるって」
智絵里「あー、そういえばそんなこと言ってたっけ。うん、細かいことはプロデューサーに任せるよ」
P「わかった。じゃあ、食べに行こうか」
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13 : 2015/11/07(土) 23:45:36.13 -
P「うまかったな」
智絵里「この辺にこんなラーメン屋さんがあったなんてねー。プロデューサー、実はこういう穴場見つけるの趣味だったりする?」
P「いや。この店は765プロのプロデューサーに教えてもらったんだ。あちらさんのアイドルと一緒に来たんだとさ」
智絵里「へー」
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14 : 2015/11/07(土) 23:49:25.48 -
P「………」
智絵里「……どしたの? 車のエンジンかけないの」
P「家に送り届ける前に、聞いておきたいことがある」
智絵里「聞いておきたいこと? それ、別に運転しながらでも」
P「どうしてこんな面倒な嘘をついたんだ? 智絵里」
智絵里「……え? 嘘って、いったいなんの」
P「1日一緒にいれば、さすがに気づくぞ」
P「本当は、入れ替わってなんかないんだろ」
智絵里「!」
P「最初から、杏は杏だし、智絵里は智絵里だった。お互いがお互いのふりをしていただけ」
P「志希の薬はなんでもありだから、人の中身が入れ替わるのもあり得る……と思わせて、俺を騙す作戦だった。違うか?」
智絵里「………」
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15 : 2015/11/07(土) 23:52:54.95 -
智絵里「いつから、気づいていたんですか?」
P「はじめは普通に騙されてたんだけど、智絵里と話しているうちにだんだん違和感が出てきてさ。いつも杏にしているはずのことをしたら、妙に恥ずかしがったり。反応がおかしかった」
P「それで、カマをかけてみたんだ」
智絵里「カマ?」
P「今日の食事の約束だけど、あれはさっきでっちあげた嘘だ」
智絵里「え、ええっ!? そうだったんですか……」
P「なんにも疑わずに信じたから、『あ、やっぱこいつ杏じゃないな』って確信できたよ」ハハハ
智絵里「う、嘘つくなんてひどいです……」
P「先に嘘をついたのは君達だからな」
智絵里「あ……そうでした」
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16 : 2015/11/07(土) 23:54:34.02 -
P「それで? どうしてこんなことを」
智絵里「……元をたどれば、わたしの子供っぽい気持ちから始まったんです」
智絵里「その。杏ちゃんが、羨ましかったんです」
P「杏が?」
智絵里「えっと……いつもPさんに飴をもらったり、背負ってもらったり……わたしも、一度でいいから、そういうことしてもらいたいなって」
智絵里「……Pさんに、甘えてみたくて」
智絵里「それを志希さんに話したら、この作戦を教えてもらって……面白そうだからやってみてよと言われて」
P「面白そう、ね。志希らしいな」
P「杏はどう説得したんだ?」
智絵里「飴をあげるからって言ったら、『しょうがないなあ』と」
P「俺はたまに杏がチョロいんじゃないかと錯覚することがある」
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17 : 2015/11/07(土) 23:56:46.71 -
智絵里「あの、Pさん……ごめんなさいっ」
P「うお、いきなり大声出してどうした」
智絵里「だって、嘘をついてしまって……迷惑になることだって、わかっていたのに」
P「………」
P「(智絵里の家庭環境がよくないということは、本人の口から聞いている)」
P「(今回の一件は、そんな智絵里の……それこそ、何年か振りのわがままだったのかもしれないな)」
P「……参ったな。怒るに怒れない」
智絵里「え?」
P「わかった。じゃあ、俺からひとつだけ、罰として命令だ」
智絵里「命令……は、はいっ」カチコチ
P「よし、では智絵里に命令だ」
P「今後、甘えたい時はまどろっこしいことせずに素直に甘えること。以上!」
智絵里「……はい?」
P「返事はしっかり!」
智絵里「は、はい!」
P「よろしい。約束だぞ」
智絵里「……ありがとうございます、Pさん」
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18 : 2015/11/08(日) 00:00:10.81 -
智絵里「早速ですみません。でも……頭を、撫でてくれませんか?」
P「いいぞ」ナデナデ
智絵里「ふふっ」
P「ちなみに、今日1日俺に甘えてみた感想は?」
智絵里「感想、ですか?」
智絵里「………」
智絵里「えへへ……」ニヘラ
P「(智絵里のこんなだらしない顔、初めて見たかもしれん)」
P「(考えてみれば、この子は今日1日頑張って杏の真似してたんだよな。俺にタメ口聞いたりして)」
P「(……思い返すと、かわいかったな)」
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19 : 2015/11/08(日) 00:01:00.05 -
一方その頃
志希「智絵里ちゃん、うまくやってるかナー」
杏「どうだろうねえ。杏の予想だと、プロデューサーにはあっさりばれると思うけど」
志希「ま、そうなってもなんとかなるでしょ♪プロデューサーだし!」
杏「かねー」
志希「ところで杏ちゃん。今回あたし達はまさしく舞台装置だったわけだけども」
杏「ん? まあ、そうだね」
志希「あたしは思うわけ。このまま終わるのは少し癪だなーと」
杏「はあ」
志希「あとさー……杏ちゃんって、すっごいイイ匂いしそうだよね」
杏「………」
杏「さて、杏はそろそろ家に帰って」
志希「嗅がせろー! にゃっはー!」
杏「うわああああ」
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20 : 2015/11/08(日) 00:03:50.91 -
翌日
幸子「……なんだか、距離近くないですか?」
P「ん? ああ、ちょっといろいろあってな」
智絵里「えへへ」ベッタリ
卯月「杏ちゃん……どうしたんですか?」
杏「アンズ、シキチャンノオモチャデハナイ」
杏「ノットオモチャ、アイアムフリー! アイハブフューチャー!」
卯月「は、はあ……」
志希「ちょっと興奮しすぎちゃった♪」テヘペロ
幸子「この事務所大丈夫なんですかね……」
智絵里「♪」
おしまい
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