-
1 : 2013/08/21(水) 11:14:52 -
【少年剣士シリーズ】
少年剣士「冒険学校に入学します!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1370948694/l50
少年剣士「冒険学校で頑張ります!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1371177620/l50
少年剣士「冒険学校の休暇です!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1371707458/l50【幼剣士シリーズ】
幼剣士「待っていて下さい・・僕が・・必ず・・!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1372216047/
幼剣士「僕には夢が出来ました」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1373284710/
青年剣士「運命ということ・・」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1374051127/l50【冒剣士シリーズ】
冒剣士「…冒険酒場で働くことになった」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1375843192/
ソース: http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1377051292/
-
2 : 2013/08/21(水) 11:15:24 -
——————【遺跡調査から3週間後・ジパング行の船の中】…ボォー……
孤高騎士「…お、出発か」
冒剣士「みたいですね~。船で3日ほどなので、のんびりするといいですよ」
女メイジ「ドキドキしてきた…、考えたら東方なんて初めてだ…」
冒剣士「正確にいえば東方は独立国だからジパングの名称が正しいんだけどね」
-
3 : 2013/08/21(水) 11:16:01 -
女メイジ「なんでジパングっていうの?東方は東方だと思ってたけど…」孤高騎士「北方の雪降町と猛雪山、南方のエルフの町及び太陽の祭壇、西方の星降町と魔力の塔…そういう感じのイメージなんだがな俺は?」
女メイジ「私もそれと一緒で、中央大陸の領土だと思ってたけど…」
冒剣士「あー…まあね。ジパングは世界に誇る技術の提供をしてるから、余計そういうイメージがついてるのかも」
女メイジ「冒剣士だって、出身国なのに"東方出身だ"っていってたし」
冒剣士「僕らも、そういう感じでずっと言われてたから…、それに慣れちゃってるってことなんだよね」
女メイジ「なるほどねー…」
-
4 : 2013/08/21(水) 11:16:38 -
孤高騎士「東方って具体的にどういう感じなんだ?この船が向かう先は?」冒剣士「この船は、"トウト"という主要都市に着きます。港から少し離れてますが、歩けばすぐです」
孤高騎士「へえ…、町並みはどんな感じなんだ?」
女メイジ「あ、それ興味ある!」
冒剣士「どうって…ガス灯が今は港周辺から主要都市に点いているので、夜も魔力を消費せず明るいですよ」
孤高騎士「ガ…ガス灯…?」
冒剣士「それと魔動車なんかも金持ちの人なら持ってるんじゃないですか?」
女メイジ「ま…魔動車…?」
-
5 : 2013/08/21(水) 11:17:26 -
冒剣士「はい。え、えーと…2人ともその顔は…?」孤高騎士「なんだそれ」
女メイジ 「何それ」冒剣士「が、ガス灯っていうのは…ガス燃料を使用した明かりのことです」
孤高騎士「…?」
冒剣士「魔動車っていうのは、魔石を燃料に変換して走ってくれる車です。魔動船の技術が確立する前からありましたよ」
女メイジ「…?」
孤高騎士「何がなにやらさっぱりだ」
女メイジ「私もです。実際見ないとわかりませんね…多分…」
冒剣士「うーん、女メイジや僕らの冒険酒場だって東方の技術は使ってるんだよ?」
女メイジ「え?」
-
6 : 2013/08/21(水) 11:18:46 -
冒剣士「冷蔵庫とかスイッチ式の明かりは、全部東方の錬金術師が編み出した技法なんだよ」女メイジ「あー…確かに…」
冒剣士「ガスやら何やら僕はさっぱりだけどね。とりあえず着けば分かると思う!」
女メイジ「そ、そうだね…?」
孤高騎士「料理とかも変わってるのが多いんだろ?」
冒剣士「うーん…僕はそう思いませんが。むしろ、美味しい料理が多いですよ…新鮮命!とかで」
孤高騎士「しん…せん?」
-
7 : 2013/08/21(水) 11:19:23 -
冒剣士「僕たちは、基本的に新鮮なものを多く食べるんですよ。たとえば、刺身とか…卵でも…」女メイジ「えっ」
孤高騎士「刺身…?」
冒剣士「はい。魚を捌いて、それを生のまま食べます。鶏卵なんかも生のまま…」
女メイジ「あ…ありえなーーーいっ!!」
孤高騎士「そ…それはさすがにスリリングじゃないか…?」
冒剣士「えっ…、そ、そうです…?」
-
8 : 2013/08/21(水) 11:20:08 -
女メイジ「お肉とかなら分かるけど、さすがに魚とか鶏卵って…おなか壊すでしょ…」冒剣士「えー!?あ…そういえば、西の漁港に行ったときも、刺身とか見なかったな…」
女メイジ「でしょ!?やっぱりありえないって…」
冒剣士「食べればハマるって!絶対!」
孤高騎士「そ、そうなのか…?」
女メイジ「食べたくないよう…、そんな料理ばっかとか…」
冒剣士「食わず嫌いほどダメなものはないでしょ!」
女メイジ「うー…」
孤高騎士「ま、そりゃそうか。本当にうまいかもしれねーしな、楽しみにはなってきた!」ハッハッハ
-
9 : 2013/08/21(水) 11:20:55 -
女メイジ「孤高さん、やっぱ怖いもの知らずだ…」孤高騎士「何事も挑戦よ!」
女メイジ「私もそのくらい…勇気を持たなくちゃ…」ハァ
冒剣士「祖国の料理とか調理法を勇気を持って…っていうのも複雑な気分ですが…」タハハ…
女メイジ「あ、ご…ごめんね!そういう意味じゃないんだけど…」
冒剣士「あはは…いいよいいよ。そんな女メイジたちには…"納豆"なんかも食べてもらうから」
女メイジ「な…」
孤高騎士「納豆…?」
-
10 : 2013/08/21(水) 11:21:45 -
冒剣士「簡単にいえば豆を発酵させたものです。美味しいですよ」孤高騎士「豆を発酵って…」
女メイジ「ふ~ん、聞くだけでは一番マシそうね。楽しみにしてる!」
冒剣士「…うん」ニタッ…
孤高騎士「っと、ここからはしゃいでたら体力もたねーしな。休みながらのんびり行こうぜ」
冒剣士「そうですね。ちょっとした長旅ですしね」
女メイジ「部屋でトランプでもしながら、東方の話をもっと聞かせてよ!」
冒剣士「うん、いいよ」ニコッ
-
11 : 2013/08/21(水) 11:22:21 -
That’s where the story begins!
————————————————
【冒剣士「僕は最高の冒険者になる」】
———————————————— -
13 : 2013/08/21(水) 11:23:31 -
本日はここまでです。
第三シリーズの第二幕が始まりました。よろしくお願いします。 -
17 : 2013/08/21(水) 19:44:45 ID:8VweCY1g -
いつも期待するたびに話が飛んでたから
いよいよ冒険らしくなってきてようやくwktk -
18 : 2013/08/22(木) 09:44:22 -
皆様ありがとうございます(A´ω`)
>>17
第一幕は話の準備スタートだったので、自分も飛ばし感がありすぎました。
今回は冒険パートが主力で進んでいくのでどうぞ、お付き合いください -
19 : 2013/08/22(木) 09:44:53 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・
・ -
20 : 2013/08/22(木) 09:45:32 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
————【3日後の夕方・トウトの港】…ボォォ……
アナウンス「中央大陸、ジパングのトウト線の船が着港致します」
…ザバァ……ボォォ………
孤高騎士「おおお、ここが東方かああ!」
冒剣士「へへ、そんなに離れていなかったけど…なんか凄い懐かしい気分だ」
女メイジ「ここが港…?凄い人…」
-
21 : 2013/08/22(木) 09:46:07 -
…ザワザワ…女メイジ「何あれ?あの明かりの点いてる塔」
冒剣士「あれは灯台だよ。嵐のときとか、夜に目印にするために明かりを常に放ってるんだ」
孤高騎士「ほほー…あの道に並んでるのは魔力灯じゃなくてガス灯ってやつなのか?」
冒剣士「そうですね。魔力を使わないで、ガス燃料を使って明かりを出してます」
孤高騎士「淡くていい光だな。嫌いじゃないぜ」
…ザワザワ……
孤高騎士「そして…人多すぎるだろ!ここまだトウトの中心じゃないんだろ?」
冒剣士「そうですねー…、トウトはもっと多いですよ。世界で最大の人口密度を誇ってるとか」
-
22 : 2013/08/22(木) 09:46:39 -
女メイジ「なんか…人に酔いそうな言葉ね…」冒剣士「あはは、確かにそうかもね」
孤高騎士「しっかし立派だな。中央国に近い建物と、独自な不思議な建物が入り乱れてるのに、景観が美しい」
冒剣士「建築技術も高いですからね!」
女メイジ「ね、ねね!あれ何!?」
冒剣士「あ~…あれは立ち飲み屋。あっちは食べ歩きの商店街だよ」
女メイジ「何それ!?」
-
23 : 2013/08/22(木) 09:47:15 -
冒剣士「ここにいる人はほとんど働いてる人で、帰るのが遅い人も多いから、歩いて食べられる料理を提供してるんだよ」女メイジ「へえ~!」
冒剣士「何か食べてみる?」
女メイジ「う…そ、それは…」
冒剣士「さすがに、まだ刺身とかはないから安心して…。コロッケとか、おにぎりだから…」
女メイジ「そ、そうよね…」
孤高騎士「何事も挑戦だっちゅーてるだろうが!刺身でもなんでもこい!」
冒剣士「ないですって…」
-
24 : 2013/08/22(木) 09:48:05 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・コロッケ店主「へいらっしゃい!ホクホクのコロッケはいかが!」
冒剣士「あ、それじゃ3つください」
コロッケ店主「3つで600ゴールドになります!」
冒剣士「あ、はい。それとソースも軽くかけてください、このまま食べていくので」
コロッケ店主「はいはい!…と、600ゴールド確かに。毎度ありー!」
冒剣士「はーい」
…カサカサ
-
25 : 2013/08/22(木) 09:48:48 -
…スッ冒剣士「はい…どうぞ。他の国にはあまりないから、ちょっとした珍味かもしれないよ」
女メイジ「コロッケ…?」
孤高騎士「なんか、クロケットに似てるな?」
冒剣士「元はそれが原型ですね。中身はポテト…ジャガイモなので、ホクホクしておいしいですよ」
女メイジ「う…勇気一発!」
…サクッ
-
26 : 2013/08/22(木) 09:49:19 -
冒剣士「…どう?」女メイジ「…~~っ!!」
冒剣士「?」
女メイジ「あっつうううい!舌が火傷する~!」
冒剣士「はは、そりゃね。ゆっくり少しずつ食べないと、火傷しちゃうよ」
女メイジ「そういうことは早く言ってよ!も~!」
孤高騎士「あぶね~…丸かじりでいくところだった…」
冒剣士「ってなわけで、気をとりなおしてゆっくり食べてみてください」
-
27 : 2013/08/22(木) 09:49:52 -
女メイジ「…」ソー…孤高騎士「…」ソー…
…サクッ……
サクサク…モグモグ……トロッ…
冒剣士「ど…どう?」
孤高騎士「こ…こりゃあ…」モグモグ
女メイジ「…」サクサク
孤高騎士「旨い…」
女メイジ「美味しい…」
-
28 : 2013/08/22(木) 09:51:04 -
冒剣士「でしょー!?」女メイジ「この黒いの?と、衣がすごい合ってて、サクサクしてて…中のジャガイモも…トロける…」
孤高騎士「ビールと一緒に食べたらスゲー合いそうだな…」
冒剣士「と、ついでにこれも買っておきました。はい、おにぎりです」
…スッ
冒剣士「中身は鮭と梅干しです。こっちが鮭で…梅干がこっち。どうぞ」
女メイジ「…私たちが食べてる米より、なんか丸みを帯びてる気がする?」
孤高騎士「それだけじゃなくて、米が立ってないか?それと、俺らの知ってるのよりスゲー白銀っぽいよな」
冒剣士「米は主食ですから、力を入れて農業をしているんですよ」
-
29 : 2013/08/22(木) 09:51:36 -
パクッ…モグモグ女メイジ「…!」
孤高騎士「う…うめえ…、なんだこれ…」
女メイジ「米自体にもうっすら味がついてる?なんていうか…甘い…」
冒剣士「それがジパング自慢の国産米です。おいしいでしょ?」
女メイジ「鮭も美味しい~!塩で締めてるの?ご飯に合う!」
孤高騎士「こっちの梅干は酸味が丁度いいクセに、梅自体に甘みもあって味わい深い…」
冒剣士「こういうものがある国の自慢の、生魚の刺身が"美味しくないもの"だと思います?」
-
30 : 2013/08/22(木) 09:52:17 -
女メイジ「い…言われてみれば…」孤高騎士「確かに偏見だったかもな…、そのサシミとやら楽しみにしていいのか?」ハハ
冒剣士「高級なものは難しいですが、美味しいものは用意しますよ」
孤高騎士「楽しみにしてるぜ」ポンポン
冒剣士「よし、それじゃあ…もうすぐ夜になりますし…その前に家に案内しますよ」
孤高騎士「近いんだっけか?…それと、急に押しかけて大丈夫か?」
冒剣士「大丈夫ですよ。割と近いので…あと、大丈夫だと思います」
女メイジ(冒剣士の家か~…どんな感じなんだろ…)ワクワク
-
31 : 2013/08/22(木) 09:52:48 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
————【20分後】冒剣士「見えた…あそこですよ!」
孤高騎士「ほー…って、ここから入り口か!?」
冒剣士「トウトの中心から離れてる場所は、土地代も安いのでこんな感じですよ」アハハ
女メイジ「庭があるー!」
冒剣士「土地の割りに家が小さいのは、この辺の地区では当たり前です」ハハ
-
32 : 2013/08/22(木) 09:53:25 -
…トコトコ冒剣士「さてさて…いらっしゃいませ!」
孤高騎士「家には親いるのか?」
冒剣士「お父さんは子供のころに亡くなってますけど…お母さんがいますよ」
女メイジ「…そうなんだ」
冒剣士「それでは…」
…ガチャッ……
冒剣士「母さん!ただいまー!」
-
33 : 2013/08/22(木) 09:53:55 -
…ドタドタ冒剣士「…」
冒母「…あら!聞きなれた声がしたと思ったら…冒剣士…、どうしたの!?」
冒剣士「あはは…ちょっとだけ帰省…。あと、仲間が出来たんだ…紹介するよ!」
孤高騎士「あ…初めまして」
女メイジ「ど、どうも!」ペコッ
冒母「あらあら…、素敵なお仲間さんたちですね…!」ニコッ
-
34 : 2013/08/22(木) 09:54:29 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…ボスッ
冒剣士「…っていうわけなんだよ」
冒母「ちょっとの間、泊めて…ねえ」
孤高騎士「あ、いや…無理にはいいんですよ。俺らは冒険者ですし、冒険酒場もありますし…」
冒母「部屋、狭いけど大丈夫かしら…?」
冒剣士「孤高さんたち…いい?」
孤高騎士「いや狭いとかは別にいいが…」
冒剣士「…決まりっ♪」
-
35 : 2013/08/22(木) 09:55:12 -
女メイジ「…」キョロキョロ冒剣士「…どうしたの?」
女メイジ「なんか、不思議な造りだなーって。あっちの部屋の黄色い床は何?」
冒剣士「あれは畳だよ」
女メイジ「畳…?」
冒剣士「あっちの部屋で寝ることになるから、荷物置くついでに案内するよ」
女メイジ「うん、わかった!」
…トコトコトコ……
-
36 : 2013/08/22(木) 09:55:50 -
冒母「はあー…少しだけ離れていただけなのに、凄い大人になった感じがするねぇ…」孤高騎士「会った最初のころは、文句言ったりもしてたみたいですがね、子供の成長って早いもんなんですね」
冒母「迷惑とかはかけていませんか…?」
孤高騎士「とんでもない。むしろ、助けられることも多いくらいですよ」
冒母「そうですか…」
孤高騎士(気の弱そうな母親だな…、死と隣り合わせの戦いばっかだって聞いたら、気失うかもしれん…)
冒母「お父さんが幼い頃に亡くなってから、大事に育ててきた一人息子なんです。どうぞ…よろしくお願いします」
孤高騎士「…はい、もちろんですよ」ニコッ
-
37 : 2013/08/22(木) 09:56:22 -
……トコトコ冒剣士「それで、母さん」
冒母「なあに?」
冒剣士「今夜の晩御飯、豪華なもので用意してほしいんだけど…」
冒母「もちろん、腕によりをかけて作るわよ」
冒剣士「それで…えーと…」ゴソゴソ
冒母「?」
…ドサッ
冒剣士「これ、僕が稼いでるお金なんだけど、これで買って欲しい…なんて…」
冒母「…!」
-
38 : 2013/08/22(木) 09:57:14 -
孤高騎士「…」フッ女メイジ「…冒剣士」
冒剣士「やっと、こうやって母さんにも親孝行できる…みたいな…恥ずかしいけど!」
冒母「…冒剣士……」
冒剣士「だから…受け取ってよ、母さん!」
孤高騎士「息子の気持ち、素直に受け取るのも大事ですよ」
冒母「そうです…ね。ありがとね、冒剣士」ナデナデ
冒剣士「か、母さん…!」
-
39 : 2013/08/22(木) 09:57:48 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…カチャカチャッ……
冒母「それじゃ…皆さん席についたわね…」
女メイジ「はいっ!」
孤高騎士「美味しそうですね」
冒剣士「うわー…母さんの料理久しぶりだよ…」ウキウキ
-
40 : 2013/08/22(木) 09:58:53 -
冒母「それじゃ…」冒剣士「いただきまーっす!」
女メイジ「いただきます」
孤高騎士「ご馳走になります」
…カチャカチャ…
女メイジ「これは何?スープ?」
冒剣士「味噌汁だよ。美味しいから飲んでみて」
女メイジ「…」ズズッ…
-
41 : 2013/08/22(木) 09:59:25 -
冒剣士「…」女メイジ「わっ…美味しい~…」
孤高騎士「えーと…どれが"サシミ"だ?」
冒剣士「これですね。醤油につけて食べてください…そう、その手前にある黒いのです」
冒母「ジパング住みなら慣れてるけど、他の国の方はどうかしらねえ…」
孤高騎士「…」モグッ…
女メイジ「ど、どうですか…?」
孤高騎士「うっ…!」ガタッ
-
42 : 2013/08/22(木) 10:00:53 -
冒剣士「えっ!?」女メイジ「ど、どうしたんですか!?」
孤高騎士「うまい!」
冒剣士「…で、ですよねー!?」
女メイジ「本当ですかー!?」
冒母「…」クスッ
孤高騎士「ちょっと生臭さが残るが、口の中でトロっとして…なんだこりゃ!イケるぞ!」
-
43 : 2013/08/22(木) 10:01:47 -
冒母「お酒、少しだけどありますから…飲みますか?」孤高騎士「ぜ…是非!こりゃあいいツマミだぜ…」
女メイジ「じゃ…じゃあ私だって挑戦する…」
…スッ……パクッ・・・
冒剣士「…」ドキドキ
女メイジ「あ…おいし…」
冒剣士「だからいったでしょー!美味しいんだってば!」
-
44 : 2013/08/22(木) 10:02:19 -
…パタパタ冒母「はい、こちらがお酒です…」コトッ
孤高騎士「…あ、いやこりゃありがとうございます!」
冒母「…」ジー
孤高騎士「…?」チラッ
冒剣士「えーと…そっちのが…」
女メイジ「これ…?あ、本当美味しい…」
冒剣士「…そうやって食べるんじゃないって!」
女メイジ「え?そうなの?」
-
45 : 2013/08/22(木) 10:02:55 -
…ギャーギャー!!孤高騎士「…久しぶりですか?こういう食卓は」グビッ
冒母「ええ…ごめんなさい。ちょっと懐かしくて…」
孤高騎士「…」
冒母「あの人が座っていた席でお酒を飲む人がいて…、息子がはしゃいでる。何年も見なかった光景だったから…」
孤高騎士「家族、いいもんですよね」
冒母「本当に…」
-
46 : 2013/08/22(木) 10:03:27 -
冒剣士「母さん!女メイジにあれだしてよ!納豆!」女メイジ「いいわよ…何でもきなさい!」
冒母「ふふ…はいはい。まっててね…」
孤高騎士(俺も……気持ち…凄い分かりますよ)
-
47 : 2013/08/22(木) 10:04:00 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
————【次の日・朝】
…コケコッコー!!!……チュンチュン冒剣士「みんな起きて~」
女メイジ「ふわあ…おはよう……」
孤高騎士「浮かれて…飲みすぎた……頭がいてぇ…」
冒母「あらあら、皆さんおはようございます。軽いものですが、朝食あるのでどうぞ」
孤高騎士「あ…わざわざ有難うございます」ペコッ
-
48 : 2013/08/22(木) 10:04:56 -
…ストン女メイジ「…目玉焼きに、お味噌汁…だっけ?それに納豆♪」
冒母「本当は夜食べるものじゃなくて、こうやって朝食べるものなのよ」ニコッ
女メイジ「わぁ…いただきます!」
冒剣士「しっかしまさか、女メイジが納豆食べれるなんて…」
孤高騎士「俺はダメだったのにな…」
女メイジ「美味しいと思うのに…」ムゥ
-
49 : 2013/08/22(木) 10:05:34 -
…モグモグ…ゴクゴク………カチャカチャ…
孤高騎士「それで、今日はどうする?」
冒剣士「ん~…近くの裏通りにある錬金術師のお店に顔出そうかなーって思ってます」
孤高騎士「ほう?」
冒母「ああ、おばちゃんのところ?」
冒剣士「うん。せっかく久々に戻ってきたし、顔出さないと怒られちゃう」ハハ
女メイジ「錬金術師か~…」
孤高騎士「俺らも何かあるかもしれないし、一応ついていくぜ」
冒剣士「はい、一緒にいきましょう!」
-
50 : 2013/08/22(木) 10:06:06 -
…モグモグ…ゴクンッ冒剣士「ふう…ご馳走様でした!」
孤高騎士「美味しかったです、ありがとうございました」
女メイジ「納豆万歳ですね…」フッ
冒母「それじゃ、気をつけていってらっしゃいな」
冒剣士「うん…いってきます!」
…ガチャッ……バタン…
-
51 : 2013/08/22(木) 10:07:07 - 本日はここまでです。ありがとうございました。
-
54 : 2013/08/22(木) 10:29:17 ID:znBdpW6I -
乙。相変わらず更新スピードが素晴らしい。
女性の錬金術師!!ということは!
それにしても・・・おばさん、か・・・orz -
59 : 2013/08/23(金) 09:28:34 ID:HNhn36TI -
更新楽しみ
>>57
といってもあの人だったら41歳のオーナーよりも少々年上だから、まぁしょうがないかな。 -
60 : 2013/08/23(金) 09:48:18 -
皆さまありがとうございます。
なんか料理教室が始まっているw納豆おいしいですよね(A´ω`)>>54 >>59
前回から13年後の経過と考えてもらってOKです。
オーナーらが41歳、聖剣は28歳程、吟遊詩人が30歳程になります。では投下開始します。
-
61 : 2013/08/23(金) 09:48:49 -
…トコトコ孤高騎士「すぐ近くなのか?裏通りは」
冒剣士「すぐそこですよ」
女メイジ「納豆…美味しかった……」ホフゥ
冒剣士「そんなに気に入ったの…?」
女メイジ「ネバネバだけど、ショーユを軽く垂らして、まぜまぜ…ジパングの白銀のご飯と良く合って…」
孤高騎士「俺は…勘弁だな…匂いも食感もアウトだ…」
-
62 : 2013/08/23(金) 09:49:19 -
冒剣士「ネギなんか入れると、更に味の幅広がるよ。あ…鶏卵出すの忘れてたね」女メイジ「け…鶏卵…。生の…卵よね…」
冒剣士「それも納豆なんかに入れると美味しいよ」
女メイジ「そ…そーなの…?」ググッ
冒剣士「う、うん。白身は少なめにしてさ…、黄身の部分だけ混ぜて、まろやかになって…」
女メイジ「…っ!」
冒剣士「それをたっぷり、ご飯の上にトローリ…」
-
63 : 2013/08/23(金) 09:49:56 -
女メイジ「…冒剣士」冒剣士「何?」
女メイジ「今日は錬金術師さんのところじゃなくて、買い物しましょう。鶏卵とネギと卵。あと美味しいショーユも用意して」
冒剣士「…え」
孤高騎士「…どんだけ好きになったんだよ」ハハ
女メイジ「…じ、冗談!冗談よ!」
冒剣士「そ、そうだよねー…後で帰りに、物販所よって買い物しよ…っか…?」
女メイジ「うん!する!」
冒剣士「そ…そう」
-
64 : 2013/08/23(金) 09:50:39 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
—————【トウト裏通り】
冒剣士「納豆で話し込んじゃいましたが…えーと…あった!あそこです」孤高騎士「おー…ずいぶんボロっちくないか…」
冒剣士「そんなこというと…おばちゃんにぶっ飛ばされますよ…」
女メイジ「へー…雰囲気もいいし、私ここ好きだな」
冒剣士「そういうこと言うと、嬉しいよ」
…コンコン
-
65 : 2013/08/23(金) 09:51:10 -
???「はーい、どうぞー。やってるよー」…ガチャッ
冒剣士「久しぶり…です!女錬金師さん!」
女錬金師「…おや!冒剣士っ!」
冒剣士「相変わらずですね、お客さん」アハハ
女錬金師「そーいうことは言わないの!」ゴンッ
冒剣士「痛いっ!…でも、久しぶり…この感じ…」ズキズキ
-
66 : 2013/08/23(金) 09:51:41 -
女錬金師「…それで、こっちの2人は?」孤高騎士「あ、どうも。パーティ…仲間の孤高騎士です。孤高って呼んでくれ」
女メイジ「同じく、女メイジです」ペコッ
女錬金師「へえ!いい仲間だねえ…、冒剣士のこと、よろしく頼むよ!」
孤高騎士「もちろん!それにしても…おばちゃんおばちゃんって冒剣士が言ってた割には、俺と同じ…か先輩くらいじゃねーか」
冒剣士「っ!」
女メイジ「…ですよねー!?おばちゃんってしつこかった割りに、全然、お姉さんじゃん!」
冒剣士「っっ!!」
女錬金師「あっはっは…ありがとう!……冒剣士はあとで一緒に話をしような」ニコッ
-
67 : 2013/08/23(金) 09:52:14 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・冒剣士「ふ、2つも…たんこぶが出来た…」ズキズキ
女メイジ「珍しいものが沢山ありますね…♪」
孤高騎士「うおお、旧式の属性着火ライター!なんつー懐かしいレトロ品を…」
女錬金師「アタシの店じゃ、新しい物だけじゃなくて古いものも沢山扱ってるからねえ…」
孤高騎士「すげえー…」
女メイジ「…これは何ですか?」
女錬金師「ああ…これは"写真たて"だね」
-
68 : 2013/08/23(金) 09:52:45 -
女メイジ「これが?ただの小さな額縁みたいな…」女錬金師「ここがスイッチなんだよ。…えーと、ほら」
…カチッ……ポウッ…
女メイジ「わっ!光った…」
女錬金師「…懐かしい写真だよ。もう25年くらい前に撮った、アタシの友達らさ」
女メイジ「へえ~……、……ん?」
女錬金師「…どうしたんだい?」
-
69 : 2013/08/23(金) 09:53:25 -
女メイジ「ぼ、冒剣士…孤高さん…これ、見てください」孤高騎士「なんだ?俺はレトロ品の発掘に…って…」
冒剣士「…へっ?」
3人「お…オーナー!?」
女錬金師「!?」ビクッ
冒剣士「こ、これオーナーじゃないですか!?髪色もそのまんまだし…ってか、今と全然変わってない!」
女メイジ「ど、どういうこと?」
-
70 : 2013/08/23(金) 09:54:17 -
女錬金師「…オーナー?」冒剣士「い、いや…僕が専属やってる冒険酒場のオーナーですよこれ!」
女錬金師「……あ~、そういやアイツ、冒険酒場やってたっけ…」
女メイジ「じ…じゃあ…」
冒剣士「間違いない…」
孤高騎士「…なんていうか、世間は狭いな~」ハハハ
-
71 : 2013/08/23(金) 09:54:58 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・女錬金師「アタシ達は、特待学校の生徒でね…、そこで会って、数年間を共に過ごしたんだ」
冒剣士「そうだったんですか…」
女錬金師「こっちが武道家。こっちが僧侶戦士で、こっちがオーナーの嫁の魔法使いちゃん…」
女メイジ「みんな仲良さそうですね~」
女錬金師「で、こっちが乙女僧侶で、赤髪少女、戦士先生、剣士教官……しゃべると余計懐かしいねぇ」
冒剣士「特待学校…やっぱり色々大変だったんですか?」
女錬金師「死にかけたことも沢山あったけど、その分凄い楽しかったよ。冒剣士も良い旅をおくれるといいね」ニカッ
冒剣士「…うん」
-
72 : 2013/08/23(金) 09:55:40 -
女メイジ「ってことは、オーナーも冒険者なんだ…よね?」孤高騎士「仲間が銀プレートだし、同じ銀プレートくらいじゃないのか?」
女錬金師「…え?」
孤高騎士「え?」
女錬金師「あっはっは、嫌だなぁ。アイツは"プラチナ"に決まってるじゃないか」
孤高騎士「プ……」
女メイジ「プラチナー!?」
冒剣士「な、何ですかそれ!?」
-
73 : 2013/08/23(金) 09:56:18 -
孤高騎士「…で、伝説のカラーだ。ゴールドの上で、世界に影響を与えるほどの権力を持つ人が持てるって聞いたことがある…が…」冒剣士「ええっ!?」
女メイジ「噂だけだと思ってましたよ!?ってか…オーナーがプラチナ!?本当に!?」
女錬金師「あら…これしゃべっちゃダメだったのかね…?」
冒剣士「…あ、あはは……」
女錬金師「まあいっか。そりゃプラチナ貰うでしょうよ…、英雄剣士さんだよ?彼は」
孤高騎士「は…ハァ~~!?」
女メイジ「英雄剣士!?」
冒剣士「英雄剣士ぃぃ!?!?」
-
74 : 2013/08/23(金) 09:56:52 -
女錬金師「2代目だけどね。初代は行方不明だっていうけど…まあそんな感じだよ」冒剣士「待ってください…頭がついていかない…」
女メイジ「わ、私…そんな凄い所で働いていたの…?」グルグル
孤高騎士「あのオーナーが英雄剣士…?はあー…ウソだろー…」
女メイジ「え、じゃあ…聖剣士さんは…英雄剣士の弟さん…?」
女錬金師「あー…まぁそうなるね」
女メイジ「英雄剣士がオーナーで、聖剣士の称号を受けた弟が……酒場の料理人って…」クラクラ
-
75 : 2013/08/23(金) 09:57:23 -
女錬金師「はっはっは、聖剣士…も立派になったもんだねえ」冒剣士「はー……それじゃ、戻ったら色々聞かないと…」
女錬金師「それがいいさ」
冒剣士「はー…びっくりしすぎた…あ、そういや女錬金師さん…」
女錬金師「なんだい?」
冒剣士「これ、見てほしいんです」
女錬金師「?」
…ゴソゴソ……コロンッ
-
76 : 2013/08/23(金) 09:57:55 -
女錬金師「…これは?」冒剣士「宝玉です」
女錬金師「…本当は?」
冒剣士「宝玉ですよ。フィルボルグさんに頂いたもので、ヒュドラも吹き飛ばしましたし」
女錬金師「……、本当かい?」
冒剣士「…はい」
女錬金師「…」チラッ
-
77 : 2013/08/23(金) 09:58:35 -
女メイジ「!……本当です」孤高騎士「少なくともウソではないかな」
女錬金師「はー…宝玉って…、そんなもの存在するはずないと思ってたけどね…」
冒剣士「それで…ちょっと調べてほしいことがあって」
女錬金師「…なんだい?」
冒剣士「ヒュドラを吹き飛ばした時のことなのですが…」
-
78 : 2013/08/23(金) 09:59:32 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・女錬金師「…なるほど。強力な呪い、ね」
冒剣士「錬金術や魔法技術が長けてるなら、それに関しても分かるかなーって」
女錬金師「…」
冒剣士「…」
女錬金師「…それが分かったらどうするつもりだい?」
冒剣士「え?」
女錬金師「宝玉の秘密が分かって、もし解けたら……、宝玉がどういう存在になるか分かってるのかい?」
冒剣士「…」
-
79 : 2013/08/23(金) 10:00:07 -
女錬金師「…確かにちょっとした事で、秘密が分かるかもしれない。呪いも解けるかもしれない」女メイジ「…」
女錬金師「だけどね、それは本当に良い事なのか…どう思う?」
冒剣士「…」
女錬金師「…ま、私もこういうのは嫌いじゃないけどね」アハハ
冒剣士「…オーナーが、この宝玉は僕に預けてくれたと言ってました。それは僕を信頼してくれたのかなーとか…」
女錬金師「…」
冒剣士「お願いします。秘密だけは知っておきたいです」
-
80 : 2013/08/23(金) 10:00:41 -
女錬金師「……そんな真剣な眼差しじゃ、応えない訳にはいかないね」フゥ冒剣士「…お願いします!」
孤高騎士「…」
女錬金師「それじゃ、コレは預かっておくよ。明日にでもまた来ておくれ」
冒剣士「お願いします」
女錬金師「…ああ、そういや。近くのトウト冒険酒場があるだろ?」
冒剣士「はい?」
女錬金師「あそこで、何でも冒険者を今集ってるって話だよ。行ってみたらどうだろう?」
-
81 : 2013/08/23(金) 10:01:14 -
冒剣士「う~ん…どうします?」孤高騎士「東方の地での冒険者たちか…、何かあるかもしれないし行ってみようぜ!」
女メイジ「せっかくですしね…行きましょう!」
冒剣士「わかりました。それじゃ女錬金師さん、また明日きますね!」
女錬金師「はいはい、気をつけなさいよ」
-
82 : 2013/08/23(金) 10:01:54 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
————【トウト・冒険酒場】…ガヤガヤ……
女メイジ「うっわ!広い!」
孤高騎士「人の数もすげえな。何人くらいいるんだこれ…」
冒剣士「相変わらず凄い人だなあ…」
女メイジ「…でもさ、なんで冒剣士はわざわざ中央国に?」
冒剣士「え?」
-
83 : 2013/08/23(金) 10:02:35 -
女メイジ「近くにこんなに大きな冒険酒場があるのに…」冒剣士「冒険っていう気持ちで、外に出たかっただけだよ…」ハハ
女メイジ「なるほどね…」
孤高騎士「それで、クエスト受付は……あそこか」
…トコトコ……
受付「はいー、いらっしゃいませ~…どうぞー」
孤高騎士「おい、嬢ちゃん」
受付「はいー?」
孤高騎士「冒険者を集ってるって聞いたんだが、何かあったのか?」
-
84 : 2013/08/23(金) 10:03:15 -
受付「ああ~…国家の討伐クエストが出されたんですよ~」孤高騎士「国家級の…?」
受付「豪火山あるじゃないですか~?」
孤高騎士「…?」
冒剣士「豪火山は、ここから更に東に向かった場所にある山岳地帯ですね」
受付「そうですね~。そこで、大量の魔獣が現れたんです~」
-
85 : 2013/08/23(金) 10:05:02 -
冒剣士「豪火山で、ですか?」受付「はい~。カルデラ湖も異変があって…地震も相次いでいるそうですよ~」
孤高騎士「それって爆発するんじゃねーだろうな…」
受付「だから、調査兼討伐のクエストが出たんです~」
孤高騎士「それだけじゃせいぜい軍事レベルだと思うのだが?」
受付「魔獣は全部、炎属性持ちのものですし、上位魔獣だけじゃなく、火山の爆発の危険もありますし~…」
冒剣士「…」
受付「そもそも軍の支部がジパングには少ないので、こうやって国を挙げないといけないってのもありますけどね~…」
-
86 : 2013/08/23(金) 10:05:54 -
孤高騎士「なるほどな。出発はいつだ?今の確定してる冒険者の数は?」受付「冒険酒場全体に出されてますが~…、今はまだ100人にも満たっていませんねえ~…」
孤高騎士「ふむ…」
受付「少ない軍からの発行クエストで報酬は少なめですし、難易度の高い国家クエストという名目なので人が集まらないんですよ~」
冒剣士「どうします?」
孤高騎士「豪火山の頂上までは難しいか?」
冒剣士「いえ、観光地としても有名ですし…近くに町もあるので、余裕だと思います」
孤高騎士「分かった。それじゃ、行こう。出発はいつだ?」
女メイジ「今度は熱い山か…」
-
87 : 2013/08/23(金) 10:07:29 -
受付「早くて4日後です~。軍の許可が下りなければ今は閉鎖区なので~…」孤高騎士「分かった。それじゃ、孤高騎士…冒剣士、女メイジのパーティで登録しといてくれ」
受付「わかりましたあ~、それじゃ4日後の朝、また来てくださいね~。プレートの確認もありますので、持ってきて下さいね~」
孤高騎士「了解。って…勝手に決めちまったけど良かったか…?」
冒剣士「いいですよ、地元で助けに参加できるなら冒険者として本望ですしね」
女メイジ「観光気分…ってのは悪すぎるけど、こうやって行くのも当たり前になりつつありますしね」
孤高騎士「はっは、それじゃ…今日はこれから観光地でも冒剣士に案内してもらおうかな」
冒剣士「任せてください!」
-
88 : 2013/08/23(金) 10:08:27 -
女メイジ「それじゃ…納豆の物販所…行くわよ…!」冒剣士「納豆の物販所があるわけじゃないんだけどね…」
-
89 : 2013/08/23(金) 10:08:59 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・
・ -
90 : 2013/08/23(金) 10:09:34 - 本日はここで終了です、ありがとうございました。
-
93 : 2013/08/23(金) 10:47:17 ID:HNhn36TI -
乙です
女錬金術師とのシーンでは(特にオーナー達の件については)ニヤニヤしっぱなしでした。 -
95 : 2013/08/23(金) 11:58:31 ID:1GX1zTK2 - 13歳から見て40代はおば…乙!
-
98 : 2013/08/24(土) 09:31:41 -
ふおお、たくさんの乙コメントありがとうございます(A´ω`)
>>93 第一からお付き合い頂けてるようで、懐かしさもありますよねw
>>95 …さnry -
99 : 2013/08/24(土) 09:32:20 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
————【次の日・錬金ショップ】…コンコン…ガチャッ
冒剣士「こんにちわー」
女メイジ「こんにちわですー!」
孤高騎士「どうも」
女錬金師「おや、来たか」
冒剣士「はい、えーと…どうでしたか?」
-
100 : 2013/08/24(土) 09:33:00 -
女錬金師「…簡単にいえば、これには2つの封印…呪いみたいなもんが施されてるね」冒剣士「…2つ?」
女錬金師「1つは魔力の暴走を抑えるもの。増大すぎる魔力を抑え込んでるんだ」
冒剣士「なるほど」
孤高騎士「ってことは、もう1つはその…冒剣士だけにしか使えないもの…とかか?」
女錬金師「…違う」
女メイジ「え?」
女錬金師「もう1つは…、何かが"封印"されてはいるんだ。だけど、分からないんだよ…」
-
101 : 2013/08/24(土) 09:34:53 -
冒剣士「オーナーは使用制限みたいなのが掛かってるとか言ってたけど…」女錬金師「違うね。色々な道具で調べたけど…そんな事はないし、その"封印"だけは分からなかった…」
孤高騎士「どういうことだ?」
女錬金師「…分からないよ」
冒剣士「その…封印は解けるものなんですか?」
女錬金師「どうだろうね…魔力の封印は解けるよ。だけど、2つ目の方は分からないね」
冒剣士「そうですか…」
-
102 : 2013/08/24(土) 09:36:07 -
孤高騎士「…ちょっとその宝玉見せてくれるか?」女メイジ「あ、でも電撃が…」
孤高騎士「今は皆が持てるんだから、大丈夫だろ?」
女メイジ「あ、そうか…」
女錬金師「…はいよ」
…スッ……バチバチッ!!!
孤高騎士「うおっ!?」
冒剣士「うわっ!」
女メイジ「きゃあっ!」
-
103 : 2013/08/24(土) 09:36:56 -
女錬金師(…!)孤高騎士「いってえ…なんで俺は持てないんだよ…」
冒剣士「うーん…」
女メイジ「私も持てるのに…はいっ」スッ
冒剣士「あ…うん、ありがとう」
孤高騎士「なんでかなぁー…」ブツブツ
女錬金師「そ、そうだ。冒剣士、ちょっと荷物運んでほしいものがあるから来てくれる?」
冒剣士「え?ああ、いいですけど」
-
104 : 2013/08/24(土) 09:37:26 -
女錬金師「2人は適当に商品見てておくれ。安くするよ!」孤高騎士「じゃあ、俺はレトロな品でも~」ンフフ
女メイジ「いいんですか!?…欲しいのあるし、安くなるなら買えるかな…♪」
女錬金師「あっはっは、サービスは大事だよ。それじゃ、冒剣士はこっちに来ておくれ」
冒剣士「あ、はい」
…トコトコ………バタン…
-
105 : 2013/08/24(土) 09:38:12 -
…ガチャガチャ……バタン…冒剣士(…なんかこの感じ、覚えが……)
女錬金師「…えーと冒剣士……話があるんだけども」
冒剣士(ああ、オーナーとの宝玉のときの…)
女錬金師「さっきの宝玉の…反応を見たかい?」
冒剣士「…見ました」
女錬金師「あれは…何だか分かるかい…?」
冒剣士「宝玉が、孤高騎士さんを拒んだ…んですよね?」
-
106 : 2013/08/24(土) 09:38:44 -
女錬金師「ハズレ。逆だよ」冒剣士「…え?」
女錬金師「…逆。あれは過剰反応だ。宝玉との相性が良すぎて、魔力の急激放出がされたんだ」
冒剣士「…相性が、良い?」
女錬金師「どうやら、2つ目の封印は本当に"制限"じゃないね。全く別のモノ…確証した」
冒剣士「相性がいいって…、それはつまり、孤高さんが使えるようになっている…ってことですか?」
女錬金師「さあね…あの放出量じゃあ…魔力が暴走して、使えるようには、とてもじゃないけど見えないよ」
冒剣士「…」
女錬金師「魔力の封印がされてる状態で、あの魔力量。封印を解けばどうなるか…」
-
107 : 2013/08/24(土) 09:40:16 -
冒剣士「解かれたら、相性の問題じゃなくても使えるようにはなったりします?」女錬金師「多分なるだろうね…、そんなに封印を解きたいのかい?」
…スッ…キラッ
冒剣士「いえ…もしかしたら、"これ"が必要になる事がまだあるかもしれないって思っただけです」
女錬金師「フィルボルグの事だね。確かに、まだ手元にあるのは理由があるんだろう…」
冒剣士「…はい。だから、もしもの時はこの封印…解けますか?」
女錬金師「…ここだけの話、解けないことはないよ。単純…とも言えないけど、かなり昔の封印術だからね」
冒剣士「わかりました。何かあったら…お願いするかもしれません」
女錬金師「…わかった」
-
108 : 2013/08/24(土) 09:40:46 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…ガチャッ
冒剣士「ふうー、荷物重かったです」
女錬金師「ご苦労様。で、アンタ達は何か欲しいのがあったかい?」
女メイジ「えーっと…、これとか…」
女錬金師「小型電灯?」
女メイジ「これ魔力の注入で光るんですよね。中央だと結構値段するので、安いなら欲しいなって」
女錬金師「あーあー、そんなの幾らでも作れるからね。あげるよ」アッハッハ
女メイジ「本当ですか!?」
-
109 : 2013/08/24(土) 09:41:26 -
孤高騎士「俺は…これ。どうだ?」女錬金師「この間言ってた旧式の属性着火装置だね。それは値段が張るよ」
孤高騎士「う…いくらだ?」
女錬金師「ずばり1980ゴールド!」
孤高騎士「買った!」
冒剣士「それってそんなイイものなんですか?」
孤高騎士「中央国では旧式でも万単位だからな…、持ってて損はねえぞ」
冒剣士「へえ~…」
-
110 : 2013/08/24(土) 09:42:00 -
孤高騎士「それじゃ…これが金だ」チャリンッ女錬金師「はいよ、毎度!」
女メイジ「それじゃ、これからどうするの?」
冒剣士「どうせ明後日まで暇だしなあー…」
孤高騎士「この辺だと案内するところはもうないのか?」
冒剣士「近くはもうないですねえ…」
孤高騎士「トウト中央とか行ってみたいんだが」
冒剣士「あー…そうですね。案内しますよ」
-
111 : 2013/08/24(土) 09:42:30 -
孤高騎士「そうこなくっちゃ!」女メイジ「どんな感じなんだろ~」
女錬金師「一番技術力がある街だからねえ、鉄骨の塔なんてのも最近出来たらしいよ」
冒剣士「あー、あれ完成したんですか?」
女錬金師「昨日から試験放送始まってるはずだよ?今日の夜からもやるはずだしねえ」
冒剣士「本当ですか…あとで家に帰って聴かないと…」
-
112 : 2013/08/24(土) 09:43:15 -
女メイジ「…試験放送?何それ?」冒剣士「仕組みは分からないんだけど、電気を遠くに発信して、錬金の道具でそれを受け取って、情報が伝達されるとか…」
孤高騎士「さっぱりわからん」
冒剣士「僕もです。試験放送用の配られて道具が家にあるはずなので、帰ったらやってみましょう」
孤高騎士「そうだな」
冒剣士「よし、それじゃありがとうございました!」ペコッ
女メイジ「ありがとうでした!」
女錬金師「はいよ、また来なよ~」
-
113 : 2013/08/24(土) 09:43:50 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
————【夜・冒剣士の自宅】…ガチャッ
冒剣士「ただいま!」
冒母「お帰りなさい」
女メイジ「ふー…疲れたあ。でも、凄い人だったねー」
孤高騎士「酒もうまそうなの売ってたし、万々歳だな」
女メイジ「ちっちっち、孤高さん…納豆もあったから、万々歳なんですよ」ムフー
孤高騎士「そ…そうか…」
冒剣士「母さん、あの鉄骨の塔が出来たらしいんだけど、配られたあの道具はある?」
-
114 : 2013/08/24(土) 09:44:24 -
冒母「ああ、あれねえ…、あそこにあるよ」冒剣士「あったあった…えーと…」
…カチャカチャ……カチッ…
女メイジ「…何か起こるの?」
孤高騎士「しかし見たことないモノだな。変わったカタチしてやがる」
…ザザ……
ザザザ………ザザ…
孤高騎士「…なんかザーザーいってるぞ」
-
115 : 2013/08/24(土) 09:45:03 -
冒剣士「おっかしーなー…何も聞こえないや」女メイジ「そこのところを回すんじゃない?」
冒剣士「回してみよっか」
…クルクル……ザザ…
ジツ……リ…
孤高騎士「お!?」
女メイジ「な、何か聞こえる!」
冒母「おやおや」
-
116 : 2013/08/24(土) 09:45:55 -
…クルクル………ホンジツ、トウトチホウヘ…タ…
孤高騎士「…お!?おぉ!?なんだこりゃ!?」
女メイジ「何これ!!」
…ザザ…
アナウンサー「本日未明、トウト地方へ向かっていた船の1隻が事故により沈没したとの情報が入りました」
冒剣士「…きた!」
孤高騎士「な、なんだこれ!?」
女メイジ「道具がしゃべってるの!?」
-
117 : 2013/08/24(土) 09:46:27 -
冒母「何だったかねえ、鉄骨の塔でしゃべった言葉が、その道具から出るんだって。最新の情報を提供するとかなんとか…」孤高騎士「そりゃすげえ!」
女メイジ「神秘の国…東方ね…」
アナウンサー「…では次の情報です。問題となっていた豪火山の閉鎖でしたが、予定より早く開放されることになりました」
冒剣士「!」
女メイジ「!」
孤高騎士「!」
-
118 : 2013/08/24(土) 09:47:02 -
アナウンサー「現在も冒険者、軍関係者の人数は不足しており、各冒険酒場での協力を求めているとのことです」冒剣士「豪火山…」
孤高騎士「いつ開放されるんだ?」
アナウンサー「開放は早くて明日の朝、登録している冒険者たちは最寄の冒険酒場で情報を受けて下さい、との事です」
女メイジ「明日…!」
冒剣士「明日、いってみましょう」
孤高騎士「そうだな」
冒母「…あまり危ない事はしないでおくれよ…?」
-
119 : 2013/08/24(土) 09:47:36 -
冒剣士「大丈夫!孤高さんもいるし、この位もう慣れてるよ」ニカッ冒母「それならいいんだけどねぇ…」
孤高騎士「…ん?」
…ザザ…ザザザ……ザーーーー…
冒剣士「ああ…、やっぱりまだ試験だから安定しないんですね」
孤高騎士「ま、丁度いい時に情報を受けれてよかったぜ。明日だ…みんな、しっかり心を準備しとけよ」
女メイジ「はい、もちろんです」
冒母「それじゃ…みんなが頑張れるように…腕によりをかけて料理を作るわね」ニコッ
-
120 : 2013/08/24(土) 09:48:17 -
冒剣士「大丈夫!孤高さんもいるし、この位もう慣れてるよ」ニカッ冒母「それならいいんだけどねぇ…」
孤高騎士「…ん?」
…ザザ…ザザザ……ザーーーー…
冒剣士「ああ…、やっぱりまだ試験だから安定しないんですね」
孤高騎士「ま、丁度いい時に情報を受けれてよかったぜ。明日だ…みんな、しっかり心を準備しとけよ」
女メイジ「はい、もちろんです」
冒母「それじゃ…みんなが頑張れるように…腕によりをかけて料理を作るわね」ニコッ
-
121 : 2013/08/24(土) 09:48:54 -
女メイジ「鶏卵入り納豆…最高な和え方でお願いします」ボソッ -
122 : 2013/08/24(土) 09:49:28 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・ -
123 : 2013/08/24(土) 09:50:08 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
————【次の日・冒険酒場】…ガヤガヤ…
孤高騎士「えーと…あ、いたいた」
受付「あ~、この前の方ですねえ~」
孤高騎士「そうそう。えーと、これがプレートな」
…チラッ
受付「銀色…確かに受付ました~」
-
124 : 2013/08/24(土) 09:51:01 -
…ザワッ…オイ、アイツシルバープレートダゼ…
ウシロノコドモガパーティカ…?
冒剣士「な、なんかざわついてますね…」
女メイジ「そりゃ銀プレートっていったらトップクラス…って、孤高さん、いつの間に銀プレートに!?」
孤高騎士「この間のヒュドラのポイントが予想以上に高くてな…」
女メイジ「え…それじゃもしかして…」
孤高騎士「あ、そうだ。これオーナーから預かってたんだよ…お前らのプレート」
…ゴソゴソ…スッ
-
125 : 2013/08/24(土) 09:52:18 -
…キラッ冒剣士「ど、銅色!?」
女メイジ「私も…」
孤高騎士「まあ…幸運だったってことだな。何にせよ、神獣と遭遇して討伐までしちまったんだ、そりゃそうなるわな…」ポリポリ
女メイジ「はあ~…なんか微妙な気分…」
冒剣士「白から一気に銅か…複雑な気分…」
孤高騎士「一生掛かっても銅になれるかは、チャンスと実力次第だぜ?もっと喜べよ」
女メイジ「そ、それはそうなんですが…」
冒剣士「…ん?」
-
126 : 2013/08/24(土) 09:52:54 -
…ザワザワ…冒険者A「見ろよ…あのパーティ…あの子供で銅色だぜ…?」
冒険者B「おいおい俺は4年かかってまだ赤だぞ…」
冒険者C「すげえ実力なんだろうな…、俺もジパング古武術の2段持ちなのによ…」
冒剣士「な、なんか…恥ずかしいですよ…」
孤高騎士「居心地いいじゃねえか。お前らのこと見て、驚かれてるんだぜ?」
女メイジ「う、うーん…」
-
127 : 2013/08/24(土) 09:53:42 -
孤高騎士「…あ、それで。受付サン、出発とか今後の予定は?」受付「予定では~…、今日の朝9時…あと10分後から開放される予定なのでえ~…」
孤高騎士「じゃあ、もう出発してもいいのか?」
受付「そうですねえ~…豪火山まではそれなりの遠いのでぇ…、出発したほうがいいですよ~」
冒剣士「…!」
女メイジ「それじゃ…」
孤高騎士「ああ。準備はいいな…?」
冒剣士「はい!」
女メイジ「もちろん!」
孤高騎士「よし…出発だ!」
-
128 : 2013/08/24(土) 09:55:48 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
————【豪火山付近の山岳地帯】冒剣士「はぁ…はぁ…あ、暑い…」
女メイジ「本当…汗でぐっちょぐちょ…」ベトベト
孤高騎士「上着1枚くらい脱いだらどうだ?体力奪われるだけだぞ?」
冒剣士「じゃあ…いっそのこと…」
…バッ!!
-
129 : 2013/08/24(土) 09:56:55 -
冒剣士「上全部脱いだほうが、かえってスッキリしそうな気がしますよ」アハハ女メイジ(意外といい体してるのよね~…)チラッ
孤高騎士「ん~?なんだあ、女メイジ…冒剣士の体に見とれてるのかあ~?」グフフ
女メイジ「なっ、ち、違いますって!」
孤高騎士「くくく…、恥ずかしがるなって」
女メイジ「もー!孤高さんってば!」
冒剣士「はは…」
-
130 : 2013/08/24(土) 09:57:27 -
冒剣士「でも、洒落にならないですね…」孤高騎士「普段からこの辺、こんなに暑いのか?」
冒剣士「まさか…異常ですよ。やっぱり火の魔獣とかが暴れているのかもしれませんね…」
女メイジ「…暑い……」
冒剣士「女メイジも脱ぐ?」
女メイジ「セクハラー!」ゲシッ
冒剣士「いたいっ!」
-
131 : 2013/08/24(土) 09:58:20 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…トコトコ
冒剣士「もうすぐ、豪火山のふもとの町ですよ」
孤高騎士「遠くに見えるな、あそこか」
女メイジ「冒険者たちも向かってるみたいだし、賑わってそうだね」
冒剣士「結構有名な観光地だし、元々多めだとは思うけど…」
孤高騎士「さすがに、この暑さだし、山は閉鎖されてたし観光客はいないだろ…」
-
132 : 2013/08/24(土) 09:59:10 -
冒剣士「そう思いますけどね…」女メイジ「今何時くらい?」
冒剣士「えーと…時計だと15時くらいだね…酒場から近くまで馬車が出てたし、早く着けたし」
女メイジ「あそこの町にも宿屋はあるかな…お風呂入りたいよ…」
孤高騎士「あるといいんだが…」
冒剣士「観光地はどこでもありますよ、大丈夫だと思います」
女メイジ「そっか…じゃあ、急ぎましょう…」
冒剣士「ってことは、あそこで一度休憩ととってから山登りですね」
-
133 : 2013/08/24(土) 09:59:50 -
孤高騎士「そりゃそうだな。情報も欲しいし、あそこから豪火山の調査までどの位なのか…も分からん」冒剣士「そうですね…」
女メイジ「汗を流したい…、体中がベトベトするーー!」
冒剣士「まあ落ち着いて…もうすぐだからさ…」
女メイジ「うん…」
冒剣士「僕も宿に着いたら休もう…。氷の魔石も売ってるだろうし、部屋涼しくして寝たいな…」
女メイジ「賛成…」
孤高騎士「俺はそこに冷たいビールを1本、だな…」
-
134 : 2013/08/24(土) 10:01:21 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・
・ -
135 : 2013/08/24(土) 10:02:08 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
————【豪火山・ふもとの町】…オォォォォ……
ゴォォォ………パリンッ!!……
女メイジ「な…にこれ…」
孤高騎士「こ…これは……」
冒剣士「…っ!」
…ヒュゥゥゥ……
-
136 : 2013/08/24(土) 10:02:39 -
女メイジ「町が…燃えている……」冒剣士「酷い…」
孤高騎士「なんだこりゃ…うっ…この臭い…」
女メイジ「何か…焦げてる…?」
孤高騎士「人の燃えている臭いだ…」
冒剣士「じゃ、じゃあ転がってる黒いのって…」
孤高騎士「人だ…」
女メイジ「…ひっ……!?」
-
137 : 2013/08/24(土) 10:04:56 -
本日はここまでです。ありがとうございました。
>>120 多重書き込みミスです。
他にも書き込む場所があったのですが(段落分け)書き込み忘れなどありました。
後日、最後に修正致します(A´ω`) -
139 : 2013/08/24(土) 12:01:17 ID:oKr2GJDU -
mixiで第1・第2シリーズまとめて読んでいて、新作がみれるということで拝見させていただきました。
とても面白いです。女錬金術師さんの再登場が嬉しすぎてたまらないです。
続きも楽しみにしています。 -
142 : 2013/08/25(日) 09:40:22 -
皆さんありがとうございます。
>>139 有難うございます。楽しんでいってくれれば幸いです(A´ω`)
-
143 : 2013/08/25(日) 09:41:11 -
……トコ…トコ…孤高騎士「ん?」
町人「ごほっ……」
…フラフラ…ドサッ
孤高騎士「お、おい…アンタ」
女メイジ「だ、大丈夫ですか!?」
町人「…」
孤高騎士「…おい!」
-
144 : 2013/08/25(日) 09:42:25 -
町人「…」孤高騎士「…だめだ」
冒剣士「…亡くなったんですか」
孤高騎士「あぁ…」
女メイジ「…っ」
孤高騎士「…おい、見ろ、この横の傷……ひどい火傷だ…」
女メイジ「うっ…」
-
145 : 2013/08/25(日) 09:43:05 -
冒剣士「一体何があったんでしょうか…」孤高騎士「こいつが来たのは向こう側だったな…、とりあえず行ってみるぞ」
冒剣士「…はい」
女メイジ「…」
…ゴォォォッ………
冒剣士「あちこちで火の手が上がってる…」
孤高騎士「どうやら、俺らが考えてたより…よっぽどな状況みたいだな」
女メイジ「汗とか言ってる場合じゃないね…」
-
146 : 2013/08/25(日) 09:44:20 -
タッタッタッタッタ…冒剣士「…」キョロキョロ
孤高騎士「どこもかしこも死体だらけ、中には冒険者…戦士もいるみたいだな…」
冒剣士「プレートも付けてますね…、どうやら先発隊の方々みたいですよ…」
女メイジ「それにこの建物の傷…まるで…炎に削り取られたような…」
孤高騎士「…」
冒剣士「と、とにかく生きてる人を探しましょう!」
孤高騎士「そうだな」
-
147 : 2013/08/25(日) 09:44:54 -
…ゴォォ…冒剣士「あれから…聞こえてくるのは火の音ばかり…人の気配が全くないですね…」
孤高騎士「…っち、やべえな……、町1つが堕ちてるぞこれは」
女メイジ「そ、そんなことあるんですか…?」
孤高騎士「…珍しいこと…じゃ、ないけどな…」
冒剣士「…」
孤高騎士「とりあえず日も暮れてきている。町外れはまだ焼けていない場所…そこへ行こう」
冒剣士「…そうですね」
-
148 : 2013/08/25(日) 09:45:27 -
…マ…マ……冒剣士「…!」
孤高騎士「ん?」
冒剣士「今、聞こえましたか?」
女メイジ「何が?」
冒剣士「…気のせいじゃない」ダッ
孤高騎士「あ、おい!」
-
149 : 2013/08/25(日) 09:46:27 -
……ダダダダッ……!!冒剣士「はぁ…はぁ……、この辺で確かに…」キョロキョロ
孤高騎士「おいおい、どうしたんだ?」
冒剣士「今、この辺から子供が"ママ"って呼ぶ声が聞こえたんですよ…」
女メイジ「えっ!」
冒剣士「…くそ、どこだ……」
孤高騎士「…」
女メイジ「…」
…ママ……
孤高騎士「…声?…あ、あれか!?建物のそばの…」
-
150 : 2013/08/25(日) 09:47:19 -
冒剣士「…あの子…ですね!助けに行きましょう!」……タッタッタッタ
冒剣士「き、君…大丈夫!?」
女メイジ「はぁ…はぁ……」
子供「うぅ……ママァ……」
冒剣士「…なんて……ことだ…。こんな子まで…」
女メイジ「…っ」
孤高騎士「ダメだ…」
-
151 : 2013/08/25(日) 09:47:57 -
子供「ママ…どこに…いるの…?」冒剣士「…」
女メイジ「…酷いキズ…」
孤高騎士「もう、長くはないだろう…」
冒剣士「…」
子供「ごほっ…痛い…熱いよ…」
-
152 : 2013/08/25(日) 09:49:00 -
冒剣士「…っ!」ダッ女メイジ「冒剣士!?」
…ギュッ
冒剣士「ママじゃないけど…僕が…君を…そばにいるよ…」
子供「ママ…なの…?」
冒剣士「…っ」
孤高騎士「…眼が焼かれ、耳も聞こえないんだ」
冒剣士「…」
-
153 : 2013/08/25(日) 09:49:56 -
子供「ママ……」冒剣士「…」
女メイジ「…」
…スッ……ナデナデ冒剣士「女メイジ…」
女メイジ「…大丈夫よ」ニコッ
子供「……マ…マ…」
-
154 : 2013/08/25(日) 09:50:30 -
冒剣士「…」孤高騎士「…」
女メイジ「…」
子供「…」
冒剣士「…名前も知らない子だったけど…、最後は…少しだけ…幸せにできたのかな…」
孤高騎士「あぁ…きっと、幸せだったと思うぜ」
女メイジ「少しだけ…笑ってるもん…そう…信じたいよ…」
-
155 : 2013/08/25(日) 09:51:08 -
冒剣士「…」孤高騎士「…」
女メイジ「…」
孤高騎士「何があったか分からないが、このままじゃ俺らも体力を奪われるだけだ。まずは休む場所を探そう」
冒剣士「それじゃ、宿に…行きますか」
孤高騎士「ああ…」
女メイジ「うん…」
-
156 : 2013/08/25(日) 09:51:46 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…ガチャッ……バタン…
冒剣士「…ここも人がいませんね」
孤高騎士「…先発隊、町人は全滅したか逃げているんだろう。後続隊がこないのも、人数不足からだろうな」
女メイジ「…ここは火事に巻き込まれませんかね」
孤高騎士「向こう側からはだいぶ離れている。家事自体は大丈夫だろう」
女メイジ「…それなら安心して眠れそうです」
-
157 : 2013/08/25(日) 09:52:17 -
冒剣士「…」孤高騎士「幸い売店に氷の魔石も残ってる。無断で悪いが、部屋を借りて今日は休ませてもらおうぜ」
女メイジ「そうですね…」
孤高騎士「さて…」
…ガサッ!!
冒剣士「…物音?」チャキッ
孤高騎士「…誰だ!」スチャッ
女メイジ「…待って!」
-
158 : 2013/08/25(日) 09:53:06 -
女の子「…」女メイジ「女の子…ですよ…」
孤高騎士「…町人か?」
女の子「…あの…」
冒剣士「…君は?」
女の子「…その…ここに泊まってて…起きたら…誰もいなくて…」
孤高騎士「…」
冒剣士「…」
-
159 : 2013/08/25(日) 09:53:38 -
女の子「…その、武器……」冒剣士「…」
孤高騎士「ああ…大丈夫。ごめんごめん、ちょっと外が荒れててな…この武器はその為のもんだ…」
女メイジ「びっくりさせちゃってゴメンね」
女の子「…ううん」
冒剣士「君の…名前は…?」
紅少女「…私は紅(くれない)少女って言います……」
-
160 : 2013/08/25(日) 09:54:31 -
冒剣士「…そっか、紅少女は家族で来てたの?」紅少女「家族…う、ううん」
冒剣士「一人で!?」
女メイジ「私たちより子供なのに…」
孤高騎士「…珍しいことじゃないとは思うが……」
紅少女「…えと……」
孤高騎士「ずっと寝ていたってことは、外で何が起きたか分かってないんだよな?」紅少女「あ…うん」
-
161 : 2013/08/25(日) 09:55:27 -
孤高騎士「…外は火の魔物が暴れたせいで全滅状態だ。人の生存すらも分かっていない」紅少女「…」
孤高騎士「それで、お前はいつからココにいた?」
紅少女「…いつからって?」
孤高騎士「何日前から泊まっていたってことだ」
紅少女「え、えっと……み、3日前かな…」
孤高騎士「ってことは、閉鎖された区間の話は聞いてるな?」
-
162 : 2013/08/25(日) 09:56:02 -
冒剣士「…」紅少女「えーと…豪火山の様子がおかしいとか言われて…山が閉鎖された…時のこと…?」
孤高騎士「ああ、そうだ」
紅少女「閉鎖されたっていうか…町が封鎖されたんだよ…」
孤高騎士「…あ?」ピクッ
冒剣士「町が…封鎖?」
女メイジ「どういうことなの?」
-
163 : 2013/08/25(日) 09:56:39 -
紅少女「豪火山の雰囲気がおかしくて…軍がこの町を封鎖したの…」孤高騎士「軍が封鎖だ?」
紅少女「うん…」
孤高騎士「どういうことか…説明してもらえるか?」ググッ
紅少女「え…えっと…」
女メイジ「ま、まあ孤高さん。私たちも歩きっぱなしだったし、一旦部屋でお互い腰を下ろしてから…とかどう?」
冒剣士「うん…紅少女も混乱してるし…」
孤高騎士「む…そ、そうか。すまんな…」
-
164 : 2013/08/25(日) 09:57:15 -
紅少女「う…ううん…いいの」孤高騎士「それじゃ…、俺らは無断だけど部屋を借りようと思うんだが…一緒の部屋に来るか?」
紅少女「うん」
冒剣士「じゃ、氷の魔石とってから行きますか」
女メイジ「暑くて休めそうにないしね…なんか外よりココ暑い気がするし…」ムシムシ
孤高騎士「それじゃ…部屋探しに行くか…」
-
165 : 2013/08/25(日) 09:58:05 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・女メイジ「はー…やっと座れた…」
冒剣士「氷魔石のおかげで部屋も少し涼しくなったかな?」
孤高騎士「あとで風呂入って、汗流したいな」
冒剣士「そうだね、とりあえず休もう」
紅少女「…」
冒剣士「そっか」
孤高騎士「ま…とりあえず…話聞かせてくれるか?」
-
166 : 2013/08/25(日) 09:59:10 -
女メイジ「お茶入れますね」孤高騎士「おう」
紅少女「…この間、豪火山近辺で大地震が起きました」
冒剣士「大地震?」
紅少女「原因は不明だったそうです…それで、調査隊が入ったのですが…分からなかったようです」
孤高騎士「ま、軍のまぬけ共だからな…それで?」
紅少女「それから小さな地震が頻発して、豪火山の頂上付近の温度が…急激に上昇したと聞いてます」
孤高騎士「ほう」
-
167 : 2013/08/25(日) 09:59:50 -
女メイジ「はい…お茶」コトッ紅少女「ありがとう…それで、急にその山に火の精霊や…魔物たちが暴れ始めました」
孤高騎士「…」
紅少女「それが5日前…、危険だと判断した軍が…冒険者を集ったらしいですね」
冒剣士「なるほど、それに丁度きたのが僕らだったのか…」
紅少女「ここら辺は安全だと何度も言われてましたが、3日前、急に町が閉鎖されて…」
孤高騎士「避難勧告は出なかったのか?」
紅少女「一時的なものだから大丈夫…ってだけで。軍の人たちも閉鎖したまま一度離れてしまいました」
孤高騎士「…」
-
168 : 2013/08/25(日) 10:00:18 -
紅少女「それから…今日、私は寝ていて…起きたらこんなことに…」孤高騎士「…そうか」
冒剣士「ひどい…」
孤高騎士「どこもかしこも、こんなもんさ。軍は何も変わっちゃいない…バカのままってことだな」
女メイジ「…」
孤高騎士「ま、紅少女も早くここを離れたほうがいい」
紅少女「…あなた達はどうするつもりですか?」
孤高騎士「俺たちは冒険者だ。豪火山へと足を運んで、謎を突き止める。同胞の死は…許せない」
-
169 : 2013/08/25(日) 10:00:57 -
紅少女「…そう、ですか」孤高騎士「それに、その話を聞くと…軍の被害を抑える為に町の保護を怠ったんだ」
冒剣士「…」
孤高騎士「くそ…」
女メイジ「もし、きちんと避難や指示がされていたら…あの子は死ななくて…良かったんだよね…」
紅少女「…」
孤高騎士「胸くそ悪いぜ…」
-
170 : 2013/08/25(日) 10:01:39 -
紅少女「でも…正直、冒険者さんたちじゃ…まだ力量不足…だと思う」孤高騎士「…何?」
冒剣士「今、なんて?」
紅少女「私…一応冒険者なの。豪火山も上ってきた…、湧き上がるような魔力…あそこには何かいる」
孤高騎士「何か…?」
紅少女「うん…、きっとあなたたちじゃ無理…」
孤高騎士「…」
-
171 : 2013/08/25(日) 10:02:26 -
女メイジ「そ、そんなのやってみないと…」紅少女「…、それで死んだら…意味もない…、だから、今は戻ったほうが…」
孤高騎士「…」
…ビチャビチャッ!!
孤高騎士「なんだっ!?」
冒剣士「わっ、もう氷の魔石が溶けたんだ…」
紅少女「きっと、その湧き上がる火の魔力のせい…。その何かのせい」
冒剣士「…」
-
172 : 2013/08/25(日) 10:03:18 -
孤高騎士「それでも、俺には見届ける義務がある。それが冒険者として、戦士としての義務だ」冒剣士「孤高さん、俺…じゃないです。俺ら、です」
女メイジ「うん、そうね」
孤高騎士「…そうだったな。俺らには、その義務があるんだ」
紅少女「…そう」
孤高騎士「…」
紅少女「じゃあ…私は部屋に戻ります。冒険者さんたち…よく考えて…」
孤高騎士「俺らは俺らの考えがある。大丈夫だ、心配するな」
-
173 : 2013/08/25(日) 10:04:03 -
紅少女「…」孤高騎士「それと、明日の朝早く君も町を出るんだ。何が起こるか…わからないからな」
紅少女「…」
…トコトコ……バタン…
冒剣士「なんか、不思議な子でしたね」
孤高騎士「分からない雰囲気があったな。それにしても、有益な情報はなかったか…」
女メイジ「ここの軍がバカだってことは…充分わかりましたけどね」
冒剣士「そうだね…」
孤高騎士「…あ、風呂、入るか?」
-
174 : 2013/08/25(日) 10:04:37 -
女メイジ「そうだった!」孤高騎士「じゃあ、俺は風呂入れておくか。大浴場もあるみたいだが、不安だろ?」
女メイジ「そうですね…皆がいる場所がいいです…」
冒剣士「それじゃ僕は、氷の魔石を入れ替え…あれ?」
孤高騎士「どうした」
冒剣士「いや…なんでもないです。冷蔵庫に入れておいた魔石もちょっと溶けてまして…」
孤高騎士「…しゃあないな、後でまた売店から取ってこよう」
女メイジ「暑いと眠れないしね…」
-
175 : 2013/08/25(日) 10:05:15 -
孤高騎士「それじゃ、俺は売店に何か食い物がないか、氷魔石のついでに適当に探してくるぜ」冒剣士「じゃ、僕は女メイジとココにいますよ。何かあったら守れませんしね」
女メイジ「守ってよね…」ボソボソ
冒剣士「ふふ、任せて」
孤高騎士「おーおー、この辺の熱風よりアツいぞ何か。おじさんはサっさと退散しとこう」ククク
女メイジ「もーっ!だからそういうのはイイですってば!!」
冒剣士「…相変わらずだなあ」ハハ…
-
176 : 2013/08/25(日) 10:05:49 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・・
・・
・ -
177 : 2013/08/25(日) 10:07:52 - 本日はここまでです。ありがとうございました。
-
182 : 2013/08/25(日) 22:19:05 ID:K/G6CkWI -
更新乙
今までは偶然無理に等しい状況に追い込まれたけど今回は
冒剣士と女メイジはともかく孤高は無茶や無謀な事はしないと思ってたが
軍関連の話聞いたせいで無意識に頭に血が上ってるのかね -
183 : 2013/08/26(月) 07:16:18 -
皆様ありがとうございます、
>>182 一幕と比べていただけると、心理的にも答えが見えてきますね -
184 : 2013/08/26(月) 07:17:05 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
—————【次の日】…ゴォォ……
冒剣士「…火の手、収まってませんね」
孤高騎士「…こっち側まで燃え移らなかったのは幸いしたな。相変わらず人の気配はないが…」
女メイジ「それにしても、紅少女ちゃんはどこに行ったんだろうね」
冒剣士「どこにもいなかったし、さっさと朝に町出ちゃったのかも」
女メイジ「一言くらいは挨拶したかったんだけどなー」
-
185 : 2013/08/26(月) 07:18:11 -
孤高騎士「ま、こんな場所すぐ出るのが正しいさ。それじゃ、頂上に向かって出発するか」冒剣士「…そうですね」
…トコトコ……
女メイジ「暑い…」
孤高騎士「本当に後続隊は来ないわ、どうなってるんだ…」
冒剣士「今は僕たちだけか…」
孤高騎士「先発隊の冒険者が全滅、町が壊滅するほどの攻撃…か」
-
186 : 2013/08/26(月) 07:18:45 -
…トコトコ…孤高騎士「…あの建物の崩れ方」
女メイジ「ひどいですよね…」孤高騎士「どこかで見たことあると思っていた。一晩寝たら思い出した」
冒剣士「えっ…な、なんなんですか?」
孤高騎士「…火災旋風だ」
冒剣士「…なんですかそれ」
孤高騎士「冒剣士、火は何で燃え続けられるか知ってるか?」
冒剣士「…酸素を取り込んで、ですよね」
孤高騎士「その通り、火は酸素を吸収し、それを燃やす」
-
187 : 2013/08/26(月) 07:19:18 -
冒剣士「…ですね」孤高騎士「火は、酸素を取り込もうと、周囲から空気を集める。それによって強力な気流が発生する」
冒剣士「…そう、ですね……?」
孤高騎士「その酸素の道を辿り、火はやがて上へ上へと上って行く」
女メイジ「火が上へと…」
孤高騎士「それは塊となり、気流を交えて…竜巻のようになる」
冒剣士「火の旋風…」
孤高騎士「そう。それが火災旋風だ」
-
188 : 2013/08/26(月) 07:20:10 -
女メイジ「あ…聞いたことあります。どこか忘れましたが、地震で大火災が起きて、火の竜巻が現れたって」孤高騎士「そうだな。そのことだ。つまり、ここでも同じ事が起きた、ということだ」
冒剣士「…」ゴクッ
孤高騎士「大きな地震が起きたわけじゃないってことは、多大な炎で町を燃やしたか…それか…」
冒剣士「それか…?」
孤高騎士「火と風の魔法を操る魔獣…ないし魔物が現れた…、それも町を燃やすほどのな…」
冒剣士「…っ!」
孤高騎士「考えたくないけどな」
-
189 : 2013/08/26(月) 07:20:53 -
女メイジ「そんなことを出来るのって…存在するんですか?」孤高騎士「サラマンダー…、火の精霊だ。強力な魔法を持つ、上級精霊だ」
冒剣士「サラマンダー……」
女メイジ「万が一、出会った時に勝てる見込みはありますか…?」
孤高騎士「…ちょっとそこの遺体…いや、戦士の着けてるプレートを見てみろ…」チラッ
冒剣士「焦げてますが…赤…ですね」
孤高騎士「それだけじゃない、確認したプレートは青、赤が多かった。元々ここには熟練者は少なかったらしい」
冒剣士「…なるほど」
-
190 : 2013/08/26(月) 07:21:43 -
孤高騎士「俺は昔、上級精霊とも戦ったことがあるが…かなり手ごわい相手だった」冒剣士「僕らで勝てますか?」
孤高騎士「分からん。豪火山は火の聖地…、少なからず相手もパワーアップしてるのも間違いないからな」
冒剣士「…」
女メイジ「…そうですか」
孤高騎士「ま、何かあってもお前らの事は全力で守ってやるさ」
冒剣士「僕も、頑張ります」
…トコトコ
-
191 : 2013/08/26(月) 07:22:40 -
女メイジ「あっ…あそこが入り口のゲートですね」孤高騎士「さ…待つのは天国か地獄か…地獄だろうな…」ハッハッハ
冒剣士「頑張ろう」
女メイジ「…うん」
…ギィィィィ………ガチャン…
-
192 : 2013/08/26(月) 07:23:38 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
————【山の中腹】……ゴォォォ!!!
冒剣士「…っ!」
女メイジ「頂上から熱風が…!」
孤高騎士「何だこれは…」
冒剣士「頂上に近づくにつれて…どんどん熱くなる…女メイジ、大丈夫?」ハァハァ
女メイジ「だい…じょうぶ…!」
-
193 : 2013/08/26(月) 07:24:18 -
孤高騎士「これもサラマンダーの力か…?」冒剣士「そうなんでしょうか…ん?何かいます!」
ウィスプ『…』フヨフヨ
孤高騎士「お出ましってわけか…ウィスプ。下等精霊だが…火の力を受けて強くなってるぞ、気をつけろ」
女メイジ「それなら私に…!」
…スッ
女メイジ「中水流魔法っ!」
-
194 : 2013/08/26(月) 07:24:56 -
ブシュゥゥ……バシャァッ!!…ジュウウッ……
ウィスプ『!』
女メイジ「うそお!蒸発した!?」
孤高騎士「空を飛び、炎の強い敵には…これだ!見ているんだ!…小氷結魔法!」
…カキン!!……キィンキィン…!!
ウィスプ『…!』
…ドサッ
ウィスプ『ッ…』
-
195 : 2013/08/26(月) 07:25:32 -
冒剣士「そうか、空を飛べなくすれば…あとは…」孤高騎士「そう。あとは…」スチャッ
…バキィン!!
孤高騎士「これで終わりだ。女メイジ、俺らは前衛だ、氷の魔石まだまだあるよな?」
女メイジ「ええ、一応たくさん持ってきてますから…」
孤高騎士「それも使っていい。少しずつだが、それを応用して氷の魔法を出すんだ。まだ、氷魔法は使えないだろう?」
女メイジ「上級魔法ですからね…すいません」
孤高騎士「謝ることじゃないさ。さ、敵さんはドンドン出てくるみたいだぜ…?」
-
196 : 2013/08/26(月) 07:29:47 -
ランタン『…』フヨフヨウィスプ『…』フヨッ…
スルト『…ニンゲンカ…カクゴシロ…』スッ
冒剣士「うっわ…、なんか巨人な方もいますが…」
孤高騎士「どう見ても友好的じゃねえな。お前らも武器をとるんだ」
冒剣士「…」スチャッ
女メイジ「…」スッ
孤高騎士「突破するぞ。遅れずに…ついて来い!」
-
197 : 2013/08/26(月) 07:30:49 -
孤高騎士「属性ライター…槍に水属性を付与!」ボワッ冒剣士「そ、そんな使い方なんですか!?」
孤高騎士「お前も使っておけ。使い方は、感覚でなんとかなる」スッ
冒剣士「…付与!」カチャッ…ボワッ
孤高騎士「あ…つーかさ、お前そのまま鞘にしまって大丈夫なの?抜刀術だろ…?」
冒剣士「一応鞘自体も頑丈ですし、大丈夫だと思います。うっわ、刀身が蒼く燃え上がってる…」
孤高騎士「うっしゃ、いくぞ!」
-
198 : 2013/08/26(月) 07:31:36 -
……ダダダダッ!!孤高騎士「大突…連弾!!」ビュビュビュッ!!
冒剣士「居合いっ!」シュバッ!!
女メイジ「…小氷結魔法っ!」
…キィン!!
……ズバッ……ドシュドシュッ!!!
ウィスプ『』パァッ
ランタン『』ドサッ
-
199 : 2013/08/26(月) 07:32:08 -
スルト『ソノテイドデハ…キカヌゾ?』孤高騎士「っち、面倒なやつめ…」
スルト『シネイ!』
…ブンッ!!……ドゴォン!!!
冒剣士「おっと!」ヒュッ
孤高騎士「ただのパンチだ?ばかが、鈍すぎて地面に手ぶつけ……」
…ビキビキ……ドオオオッ!!
冒剣士「は、波動を地面を滑りながら突っ込んでくる!」
-
200 : 2013/08/26(月) 07:33:07 -
孤高騎士「…横に避けろ!」…シュババッ!!…ドゴォン!!!
冒剣士「なんていう威力だ…岩の壁が吹き飛んだ」
女メイジ「危なかった…」ハァッ
スルト『…ハズシタカ……モウイッカイ!レンダン!』クワッ
…ドゴォンドゴォンドゴォン!!!
孤高騎士「う、うぜええー!」
-
201 : 2013/08/26(月) 07:34:07 -
…ドォォォォォォォ!!!…ヒュッ…ヒュッヒュッヒュッ!!
女メイジ「中途半端に遅いから避けられますけど…」
孤高騎士「近づけないし、近づいても火力不足でダメージ与えにくいし…」
冒剣士「この熱気じゃ体力も奪われます…くっ!」
スルト『ドウシタァ!!』
…ドゴォン!!!ドゴンドゴン!!
-
202 : 2013/08/26(月) 07:34:46 -
孤高騎士「くっそ…どうするか…」冒剣士「鎧みたいな分厚い皮してますからね…」
孤高騎士「鎧…そ、そうか!女メイジ、間接部分を狙って氷結できるか?」
女メイジ「一応できると思います!」
冒剣士「…?」
孤高騎士「俺は右足の関節、女メイジは左足の関節を狙うんだ」
女メイジ「は、はい!」
冒剣士「僕はどうすれば?」
孤高騎士「多分、俺らの攻撃が当たればそのまま相手は地面に転がる。そこに両腕の間接めがけて切り込め!」
-
203 : 2013/08/26(月) 07:35:33 -
冒剣士「…わかりました」コクン孤高騎士「行くぞ…せーの!」
女メイジ「小氷結魔法!」
孤高騎士「小氷結魔法っ!!」
スルト『ウハハドウシタドウシ…ムッ!?』
…カキィン…キィン!!
スルト『ソノテイドノヒョウケツ、キクワケガ…ム、ムオ…!?』
…カキンッ…
-
204 : 2013/08/26(月) 07:37:45 -
スルト『ナ、ナゼワガニクタイヲ…コオラセ…』…ズゥン……
孤高騎士「冒剣士、今だ!」
冒剣士「はいっ!」
…ダダダダッ……タァンッ…
孤高騎士「うひょー!壁蹴り上げて高く飛び上がりすぎだろ!」
女メイジ「いっけー!」
スルト『ワガリョウウデハ…ノコッテイルゾ!』ブゥン
冒剣士「遅い!兜割り!」
-
205 : 2013/08/26(月) 07:39:37 -
…スパァンッ……!!ブシャァッ!!スルト『ワ、ワガミギウデガキリオトサレタ!?…マダ、ヒダリウデガ!』
冒剣士「こ…虎切っ!!」
…グリッ…ビュッ!!
……スパァン!!!……ドサッ
スルト『グ…グアアアアッ!!』
女メイジ「や、やった!」
孤高騎士「両手両足、塞がれればさすがに…な」
-
206 : 2013/08/26(月) 07:40:08 -
冒剣士「で、でもなんで…?攻撃が効いたんですか?」孤高騎士「鎧っつーのはな…こう、どんな硬くても、緩い部分がある」
冒剣士「…?」
孤高騎士「関節部分だ。そこは、動かすからな、どうしても隙間になる。中には完全防備のやつもいるけどな」
冒剣士「な、なるほど…」
孤高騎士「つか、東方にも"鎧通し"っていう武器がなかったか…?」
冒剣士「…ありましたね」
孤高騎士「…」ゴツッ
冒剣士「あいたっ!」
孤高騎士「とりあえず、スルトにトドメさすぞ!」
冒剣士「はい…」イタイ…
-
207 : 2013/08/26(月) 07:40:43 -
……トコトコ…スルト『グウウ…』
孤高騎士「バカみてーに暴れたせいで、俺らの体力が大分削られたじゃねーか…」
スルト『…フン』
孤高騎士「ん~…首は頑丈そうで落とせねえし、このまま放置でもいいんじゃないか…」
女メイジ「氷結が溶けたらまた暴れますよ…」
孤高騎士「そうなんだよなー…」
冒剣士「…っつ…」
女メイジ「冒剣士…どうしたの?」
-
208 : 2013/08/26(月) 07:41:50 -
冒剣士「縦居合いから、真上の切り替えしなんてやったことなかったからさ…腰痛めちゃって…」女メイジ「ちょ、ちょっと大丈夫!?」
冒剣士「一時的なものだから大丈夫…、ただ上手くいってよかった。即興だったからさ…」
女メイジ「もー…無理しちゃだめだよ?」
冒剣士「あはは…うん…」
孤高騎士「ふむ……氷結魔法」
…カキィン!!
冒剣士「つめたあーーー!」
女メイジ「孤高さんなんでっ!」
-
209 : 2013/08/26(月) 07:42:25 -
孤高騎士「小さい氷だ。冷やしとけ」冒剣士「は、はひ…」
女メイジ「なるほど…」
冒剣士「そういや、孤高さん魔法苦手っていってた気がするのに、意外と使えるんですね」ツメタイ…
孤高騎士「最低限のは使えないとな…ヒーラーもいないし、覚えていて損はない」
女メイジ「そういやパーティにヒーラーいないんですよね…」
孤高騎士「よく考えたら、それで良くやってきたな…」
スルト『…グガッ!』
孤高騎士「…なんだ!?」
-
210 : 2013/08/26(月) 07:43:04 -
スルト『オオオオ、オユルシヲ…!』冒剣士「…?」
スルト『ヤメ…オネガイシマス…』
女メイジ「何!?どうしたの!?」
スルト『グ…グガアアアアッ!』
…ボワッ!!
孤高騎士「火がついた!?離れろ!」
女メイジ「な、何事…」
-
211 : 2013/08/26(月) 07:43:54 -
…ドォン!!ビチャビチャッ……女メイジ「う…」
冒剣士「燃え上がった…いや、爆発した……?」
孤高騎士「な、なんだぁ…?」
…ガサガサ…
孤高騎士「…む」
ウィスプ『…』
ランタン『…』
-
212 : 2013/08/26(月) 07:44:29 -
孤高騎士「おーおー…後続隊がご到着だぜ?…敵のな」冒剣士「…」チャキッ
女メイジ「連戦、結構きついですね」
孤高騎士「この山にも、山小屋はあるはずだよな」
冒剣士「もう少しいった場所にあると思います」
孤高騎士「わかった。そこまでは切り抜けるぞ」
冒剣士「…わかりました」
…スチャッ
孤高騎士「…人に害を与える魔獣どもが…覚悟しろ!」
-
213 : 2013/08/26(月) 07:45:27 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…ダダダダッ!!
……カキィン!!ブシャッ……キィン!
冒剣士「て、敵が多すぎる!」
孤高騎士「あそこが山小屋か!?」
女メイジ「で、でも…この数じゃ、山小屋を襲撃されるんじゃ…」
…キィン!!
孤高騎士「っち…くしょお…、戻る体力もねえ、かといって処理する力もねえ…完全に見誤った!」
冒剣士「…はぁはぁ……、くそ…!」
ウィスプ『…』ピカッ
-
214 : 2013/08/26(月) 07:46:03 -
女メイジ「ウィスプが光って…?」孤高騎士「いかん!女メイジ、そこから離れるんだ!」
女メイジ「え?」
…ズドォォン!!!
女メイジ「きゃあああっ!」
…ズザザッ
冒剣士「お、女メイジぃ!」
孤高騎士「くっ…、冒剣士、女メイジを頼む!俺は山小屋周辺の敵を倒してくる!」冒剣士「わ、わかりました!」
女メイジ「ぅっ…」ハァハァ
-
215 : 2013/08/26(月) 07:46:34 -
冒剣士「…意識はある!?声は聞こえる!?」女メイジ「…ぶ…、それ…より…左……んくが…」
冒剣士「…左……?」チラッ
…ドロッ……
冒剣士(…左腕が……!)
女メイジ「はぁ…はぁ…」
冒剣士「ちょっと、痛いかもしれないけど、背負って走るよ…」グイッ
女メイジ「っっ……!!」ズキズキ
-
216 : 2013/08/26(月) 07:47:07 -
冒剣士「…我慢してね…」ランタン『…』フヨフヨ
冒剣士「っ邪魔だぁぁ!」ビュッ
…ズバァ!!…ドサッ
…タタタタタッ!!
孤高騎士「こっち側は処理したぞ!これるか!?」
冒剣士「大丈夫です!いきます!」
……タッタッタッタッタ…
-
217 : 2013/08/26(月) 07:47:59 -
…ガチャガチャッ…冒剣士「あ、あれ…ドアが開かない…、押す!?引く…!?ど…どうすれば!」
孤高騎士「落ち着け…ゆっくり回して、開けるんだ」
冒剣士「…」
ガチャガチャッ…ガチャッ…
冒剣士「開いた!」
孤高騎士「よし、入れ…閉めるぞ!」
…バタン!!
-
218 : 2013/08/26(月) 07:48:35 - 本日はここまでです。ありがとうございました。
-
221 : 2013/08/27(火) 07:25:38 - 皆様、ありがとうございます。
-
222 : 2013/08/27(火) 07:26:45 -
冒剣士「…横にさせるところ……あった!」…スッ
女メイジ「っ…!」
孤高騎士「キズ、見せてみろ」
女メイジ「…」ハァハァ
…ビリビリッ…
冒剣士「…」
孤高騎士「こりゃひでえ…、腕全体が熱傷してやがる…」
冒剣士「…」
-
223 : 2013/08/27(火) 07:27:32 -
孤高騎士「くそっ!冒剣士、バッグだ!」冒剣士「はい!」
孤高騎士「薬草擦り付けて、ヒーリングポーションを飲ませろ!」
冒剣士「…」
…ガサガサ……
孤高騎士「俺は外を見てみる。一応敵は蹴散らしてから中に入ったから、大丈夫だとは思うが…」
冒剣士「わ、わかりました!」
-
224 : 2013/08/27(火) 07:28:06 -
女メイジ「…ごほっ……」ハァハァ冒剣士「女メイジ…薬草塗るよ…少し痛いかも…ごめん!」
…ゴシッ…
女メイジ「っっっ~~~!!」ブルブル
冒剣士「痛いよね…くっ…」
孤高騎士「構うな!痛くても塗れ!腕が使い物にならなくなる前に、押さえつけてでもやるんだ!」
冒剣士「…はい!」
…ゴシゴシ……
女メイジ「…っっ……」ズキズキ
-
225 : 2013/08/27(火) 07:28:43 -
冒剣士「…よし…」孤高騎士「塗り終わったら、上から包帯を巻くんだ。魔法耐性のある包帯だから、上から軽く冷やす」
冒剣士「わかりました!」
…グルグル……ギュッ…
女メイジ「…っ!」ズキン!
冒剣士「女メイジ…これ、飲めるかな。ヒーリングポーション…口、開けて…」
…キュポンッ
女メイジ「…」
……ビチャビチャッ
-
226 : 2013/08/27(火) 07:29:17 -
冒剣士「孤高さん…ポーション飲んでくれません…どうすれば…」孤高騎士「女メイジの意識が飛び掛ってるんだ…」
冒剣士「…!」
孤高騎士「口移しでもいい…とにかく飲ませろ!ちっ…敵がまた集まってきやがった…」
冒剣士「女メイジ…助けるからね…絶対に…」
…ガバッ………
女メイジ「っ…」
冒剣士「っ…」
女メイジ「…」ゴクン
-
227 : 2013/08/27(火) 07:29:49 -
冒剣士「…」プハッ女メイジ「…」ハァハァ
孤高騎士「飲んだか!?」
冒剣士「飲ませました…次にどうすれば!」
孤高騎士「氷の魔石を小さくして、包帯に着けておくんだ」
冒剣士「わかりました…!」
…ガサガサ…キラッ…
…スッ…
女メイジ「…」スゥッ
冒剣士「少しだけ、落ち着いた…かな…」
-
228 : 2013/08/27(火) 07:30:38 -
孤高騎士「よし…、それじゃ冒剣士、ちょっとだけこっち来て窓見てみろ」冒剣士「は、はい…」
…トコトコ
冒剣士「…うわっ……」
ウィスプ『…』
ランタン『…』
スライム『…』
孤高騎士「ウィスプやランタンだけならマシだったが、スライムまで出てきたか…」
-
229 : 2013/08/27(火) 07:31:27 -
冒剣士「スライムならなんとか…なるんじゃないですか?」孤高騎士「そりゃ一般的な知られてるスライムならな」
冒剣士「…?」
孤高騎士「今でこそ弱くなってるが、魔界の魔力が満ちたスライムは、最前線の歩兵だったんだ」
冒剣士「そうなんですか…?」
孤高騎士「火の魔力が満ちている今、生半可じゃ倒せない相手だぞ…」
冒剣士「…」
孤高騎士「打撃じゃキズつかない、魔法以外で倒す手立てはない」
冒剣士「魔法ですか…」
-
230 : 2013/08/27(火) 07:32:43 -
孤高騎士「本来なら火の魔法がよく効くんだが…まさかファイアスライムとはな…」冒剣士「倒す手立てがない…んですか」
孤高騎士「…」
…ガチャッ
孤高騎士「!?」バッ
冒剣士「誰だ!」
紅少女「…あなたたち……なぜ、ここに…」
-
231 : 2013/08/27(火) 07:33:44 -
冒剣士「く…紅少女?」孤高騎士「お前、帰ったんじゃなかったのか」
紅少女「…まさか……」
冒剣士「なんでここにいるの…?」
紅少女「…ちょっと用事」
孤高騎士「ちょっとした用事で来れる場所じゃないんだがな。聞かせてもらえないか」
紅少女「…」
孤高騎士「それに、あの魔獣や魔物は簡単に捌けるような相手じゃなかった。どうやってココまで来た?」
-
232 : 2013/08/27(火) 07:34:31 -
冒剣士「…」紅少女「それは…」
孤高騎士「…」
女メイジ「…はぁっ……はぁはぁ…」ガタンッ
冒剣士「女メイジ、気づいたの!?…動いちゃだめだ!」
女メイジ「…あ、ありがとう…ちょっとだけ…楽にな…った…」
紅少女「女メイジさん…どうしたの…?」
-
233 : 2013/08/27(火) 07:35:12 -
冒剣士「ウィスプの爆発にやられたんだ。僕らも体力が限界で、ようやくここまで辿り着いた」紅少女「…」
孤高騎士「…」
紅少女「…キズ、見せて」
冒剣士「…?」
…スッ
女メイジ「ああっ…!」ズキズキ
冒剣士「女メイジが痛がってる!やめてくれ!」
-
234 : 2013/08/27(火) 07:36:08 -
紅少女「…ダメ」冒剣士「え?」
紅少女「ひどい…火傷で腕が…壊死してる。このままだと…」
冒剣士「や、薬草も塗ったし、ポーションだって…。目が覚めたし…治るよ!」
紅少女「ポーションで一時的に気づいただけ…。壊死はこの薬草じゃ治せない…」
冒剣士「…」
紅少女「壊死した場所から…感染症になったら…すぐに終わるよ…?」
女メイジ「はぁ…はぁ…」
-
235 : 2013/08/27(火) 07:37:00 -
孤高騎士「じゃあ、どうすればいいんだ。お前なら、それがわかるのか」紅少女「…」
冒剣士「…わかるの?」
紅少女「私だったら…治せる」
孤高騎士「…なんだって?」
冒剣士「ほ、本当に!?」
紅少女「…本当」
-
236 : 2013/08/27(火) 07:37:36 -
冒剣士「じゃあ、お願い…治してよ…。この通り…女メイジを助けたいんだ…」孤高騎士「…」
紅少女「別に良いよ…だけど、条件があるの…」
冒剣士「な、何!?」
紅少女「"山"を下りて」
孤高騎士「…」
冒剣士「山を…下りて…?」
-
237 : 2013/08/27(火) 07:38:53 -
紅少女「私なら…この子のキズを…すぐに治せる。変わりに、山を下りてほしい…」冒剣士「な、なんで…?」
紅少女「…」
孤高騎士「…なんでだ」
紅少女「…言えない」
孤高騎士「言えないんじゃ、俺らもお前の事を信用できない」
冒剣士「…」
紅少女「じゃあ…勝手にして…」
…スッ……トコトコ…
-
238 : 2013/08/27(火) 07:40:17 -
孤高騎士「…どこに行く」紅少女「…」
…ガチャッ…バタン…
冒剣士「どこかの部屋に…入っちゃいましたね…」
孤高騎士「…あいつ、一体なんなんだ?会った時から不思議な感じはしてたが…」
冒剣士「…」チラッ
女メイジ「…」ハァハァ
-
239 : 2013/08/27(火) 07:41:58 -
冒剣士「本当に…女メイジを治せるんでしょうか…」孤高騎士「どうだかな…、そもそも山を降りる手段なんか存在しねえよ」
冒剣士「スライム…と、敵の多さですよね」
孤高騎士「…」
女メイジ「…っ」ズキズキ
孤高騎士「…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
女娘「…私、将来…パパと結婚するの!」騎士嫁「そればっかり、ダーメ。私の素敵な旦那さんなんだから!」
男息子「へーん、パパと僕は一緒に旅に出るんだもん!」
女娘「だめー!パパを連れてっちゃいやー!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ -
240 : 2013/08/27(火) 07:42:58 -
孤高騎士「…」チラッ冒剣士「…」
女メイジ「…」
孤高騎士(…今回ので軍を世間に知らしめるいい機会になると思ったんだが……くそっ!)
…トコトコ…
冒剣士「…孤高さん?」
孤高騎士「…おい、紅少女。いるんだろ」
-
241 : 2013/08/27(火) 07:43:37 -
…ガチャッ紅少女「…なに」
孤高騎士「本当に、山を下りるなら、女メイジを助けてくれるのか」
紅少女「約束する」
孤高騎士「…ちっ……頼む」
紅少女「…」
冒剣士「孤高さん…」
孤高騎士「大事な家族だと思って接してるお前らを、ここで死なせる訳には…いかねえだろうが…!!」
-
242 : 2013/08/27(火) 07:44:41 -
紅少女「…」孤高騎士「ただし、それがウソだったらお前を拘束する。何故ここにいるのか…教えてもらう」
紅少女「それはない。なぜなら…私は治せるから…」
…トコトコ……
女メイジ「…?」ハァハァ
紅少女「…」ボソボソ
…パァァッ!!
-
243 : 2013/08/27(火) 07:45:32 -
冒剣士「うわっ!眩しい!」孤高騎士「こ…こいつは……!」
…パアアアッ……シュンッ…
紅少女「…終わり」
冒剣士「え?こ、これだけ…?」
孤高騎士「今の光は…、ヒールの…最上位魔法だ。信じられん…」
冒剣士「お、女メイジは…」
女メイジ「…!」ハッ
-
244 : 2013/08/27(火) 07:46:23 -
冒剣士「お、女メイジ…?」女メイジ「腕…痛くない…、体、熱くない…」
冒剣士「…!」
…ガバッ
女メイジ「ち、ちょっと!」
冒剣士「良かった、良かった…女メイジ…!」
女メイジ「恥ずかしいから離れ…」
…ギュウウウッ
-
245 : 2013/08/27(火) 07:47:11 -
女メイジ「…」冒剣士「…」
女メイジ「…うん。ありがとう、冒剣士…」
…ギュッ
孤高騎士「…本当に治すとは…ありがとうよ。また、大事なものを失うところだった…」
紅少女「別に…。それじゃ、約束…」
孤高騎士「あ、あぁ…下りるよ。だけどな、俺らも登ってきたばっかで体力が…」
-
246 : 2013/08/27(火) 07:48:03 -
紅少女「…大丈夫のはず」孤高騎士「ん?」
冒剣士「…あ、そういや、僕も腰の痛みが…」
孤高騎士「…言われれば、俺も魔力が戻って…」
女メイジ「私も…」
紅少女「…下りられるでしょ」
-
247 : 2013/08/27(火) 07:48:36 -
孤高騎士「…本当に何者なんだ…お前…」紅少女「それは…ナシって言ったはず」
孤高騎士「…そうだったな」
冒剣士「…紅少女、ありがとう」
紅少女「いい、早く山から下りて」
冒剣士「あ、う…うん…」
孤高騎士「それじゃ…戻るか…」
-
248 : 2013/08/27(火) 07:49:24 -
冒剣士「…あ、そうだ…紅少女、お礼にコレでも…うわっ!」…ドサドサッ
孤高騎士「あーあー、バッグぶちまけやがって…」
冒剣士「開けたまんまなの忘れてた…」
…コロコロ……キラッ
孤高騎士「あーあ、おいおい、ほうぎょ…いや、この玉…これは大事に持っとけよ」
冒剣士「す、すいません」
紅少女「…!」
-
249 : 2013/08/27(火) 07:50:09 -
女メイジ「手伝うから、ちゃんとしまって…そう…」…カチャカチャッ…
冒剣士「…ふう、ありがと。…お礼の氷の魔石をあげる。余ってるからさ…」
紅少女「…」
冒剣士「…どうしたの?」
紅少女「…」
冒剣士「おーい…」
-
250 : 2013/08/27(火) 07:51:01 -
紅少女「…った」冒剣士「えっ?」
紅少女「…気が変わった。私が支援する。あなた達と一緒に…頂上へ行く」
冒剣士「…え!?」
孤高騎士「…気が変わった?」
-
251 : 2013/08/27(火) 07:52:16 -
紅少女「うん」孤高騎士「…いやまあ、それは俺らとしたら…ありがたい事なんだが…」
紅少女「…決まり。あなた達、体力はもう…大丈夫?」
孤高騎士「問題…ないが…」
冒剣士「僕も」
女メイジ「一応…私も…」
紅少女「そう。それじゃ…、私が案内する。道はわかってるから…」
孤高騎士「…?」
冒剣士「…う、うん、じゃあスグに…いく?」
-
252 : 2013/08/27(火) 07:53:05 -
紅少女「…行こう、早く」冒剣士「わかった…よいしょっと…」
孤高騎士「…」
女メイジ「よろしくね、紅少女ちゃん!」
紅少女「…うん、よろしく…」
冒剣士「それじゃ武器を準備して…」チャキッ
孤高騎士「…」スチャッ
女メイジ「…」スッ
-
253 : 2013/08/27(火) 07:53:53 -
…ギィィィ……ガチャッ…冒剣士「行きましょう!」
孤高騎士「…一人走りしすぎるなよ、爆発をもう1度受けたら洒落にならん」
冒剣士「もちろんです」
女メイジ「気をつけます…」
紅少女「後ろ。回復は…は任せて…」
冒剣士「…よし…行きましょう」
…タッタッタッタッタ……
…………………………
-
254 : 2013/08/27(火) 07:54:31 - 本日はここまでです。ありがとうございました。
-
259 : 2013/08/27(火) 23:38:12 ID:7GxBDxa2 -
東方は自立国なのに大陸側の軍がいるの?
東方が技術提供するかわりに、軍が守る的な感じなのかな -
262 : 2013/08/28(水) 01:02:51 ID:v8qgChsA - あれだ、日本とアメリカの関係だろ
-
263 : 2013/08/28(水) 09:15:42 -
皆様、ありがとうございます。
>>259 イメージ的な部分は>>262ですね。
ただ、それほどの殺伐感はないですがw -
264 : 2013/08/28(水) 09:16:20 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・冒剣士「…だああっ!」
…ズバッ!!!
孤高騎士「やるじゃねーか…うおっ!」
ウィスプ『…』ピカッ
…ドゴォォン…!!
孤高騎士「っぶねえ、カスった!」
紅少女「…」ボソボソ
…パァァッ
-
265 : 2013/08/28(水) 09:17:12 -
孤高騎士「すぐにキズが癒えていく…ありがてぇ!」紅少女「支援…任せて…」
冒剣士「って、こっちにも来たぁ!」
ウィスプ『…』ピカッ
女メイジ「…小氷結魔法!」
…キキキィン!!…カキン!!
ウィスプ『』
冒剣士「女メイジ、ナイス!」
女メイジ「任せてよ!」
-
266 : 2013/08/28(水) 09:17:45 -
孤高騎士「山頂までどれくらいだ!?」紅少女「あとほんの少し…」
女メイジ「…何が待ってるんでしょうか」
孤高騎士「さあな。今までの流れからして、まともなもんじゃないのは確かだろうな…」
紅少女「…」
孤高騎士「ま、紅少女がいれば何とかなるだろう」
冒剣士「そうですね…、もう午後を回ってます。急ぎましょう」
孤高騎士「そうだな」
-
267 : 2013/08/28(水) 09:18:31 -
紅少女「…」冒剣士「…あ!」
ランタン『…』ボワッ!!
冒剣士「…紅少女、危ない!」
…ドォン!!
女メイジ「冒剣士!」
冒剣士「いっつ…大丈夫、紅少女は!?」
紅少女「…大丈夫」
-
268 : 2013/08/28(水) 09:19:17 -
孤高騎士「…うおおおっ!」ビュッ…ズバァン!!…ドサッ
紅少女「…ありがと」
冒剣士「無事ならいいんだよ、よし…進もう」
紅少女「…なんで、助けたの?私一人でも大丈夫だっ…」
冒剣士「え…なんでって…そりゃ、仲間…でしょ?」キョトン
女メイジ「…」クスッ
-
269 : 2013/08/28(水) 09:19:48 -
紅少女「…仲間」冒剣士「うん。だから、気にしなくていいよ。助け合いだよ」ニコッ
紅少女「…」
冒剣士「…紅少女?」
紅少女「…何でもない。ただ、ちょっとだけ…うん…」
冒剣士「…?」
-
270 : 2013/08/28(水) 09:20:37 -
…タッタッタッタ孤高騎士「お!?…あれか、あそこが山頂か!?」
紅少女「…そう」孤高騎士「ゴールが見えたぞ!」
冒剣士「もう少しですね…頑張りましょう」
女メイジ「はぁ…はぁ…!」
冒剣士「女メイジ、大丈夫?」
女メイジ「…うん…大丈夫……、行くわよ!」
冒剣士「…」ニコッ
-
271 : 2013/08/28(水) 09:21:25 -
…ズゥゥン!!…グラグラ…孤高騎士「うおっ!?」
冒剣士「なんですか!?」
紅少女「…」
女メイジ「……あれは…?」
紅少女「…スライム」
女メイジ「す、スライム…でかすぎでしょ!!ただの巨大な炎の塊に見えるんだけど!?」
-
272 : 2013/08/28(水) 09:22:12 -
メラメラ…ゴォォォォッ……!!孤高騎士「…あっつ!こんなに離れてても熱いって…」
紅少女「溶岩の塊みたいなの…だからね」
孤高騎士「こっちは氷属性の魔道士なんざいねーぞ…、どうやったら倒せるってんだ…」
紅少女「…」
冒剣士「ってか、そもそも近づけないですよあんなの…」
孤高騎士「打撃は効かねえ、氷魔法はねぇ、近づけねぇ…詰んでるじゃねーか」
-
273 : 2013/08/28(水) 09:22:50 -
冒剣士「…」…ノソッ…ノソッ…
孤高騎士「足が遅いのが助かってるな…さて、どうするか」
女メイジ「…小氷結魔法!」
…キィン!!……ジュワッ…
女メイジ「うっそー…氷、一瞬で蒸発しちゃった…」
孤高騎士「あと一歩だってのに…くそ!」
-
274 : 2013/08/28(水) 09:23:42 -
紅少女「…」冒剣士「うーん…、孤高さん」
孤高騎士「なんだ?」
冒剣士「さっきの属性ライターって、重ね掛けできますか?」
孤高騎士「二重属性、ってことか?」
冒剣士「はい」
孤高騎士「わからんが…」
-
275 : 2013/08/28(水) 09:24:17 -
冒剣士「ちょっと試したいことがあるので、お願いできますか?」孤高騎士「分かった。もう、お前のカタナには水属性が入ってるが…」
冒剣士「風属性お願いします」
紅少女「…?」
カチッ……ビュウッ!!
孤高騎士「うおっ!風属性ってこんな感じになるのか」
冒剣士「…よし、刀身の上に纏わりついてるから、水属性と反発しませんね」
-
276 : 2013/08/28(水) 09:25:05 -
女メイジ「それで、どうするつもり?」冒剣士「魔法って、イメージと技術を上手く合致させて発動するんだよね」
女メイジ「そう、だけど…」
冒剣士「出来るか分からないんだけど、ちょっと危ないかもしれないから離れてて…」
全員「?」
…スッ
-
277 : 2013/08/28(水) 09:25:35 -
スライム『…』ゴォォォ冒剣士「…」
…チャキッ
孤高騎士「そんな所で構えても、届かないぞ?」
冒剣士「…」
女メイジ「…?」
冒剣士「…おりゃあああっ!」
ビュンッ!!
…ギュンッ…!!!ゴォォォォッ!!
-
278 : 2013/08/28(水) 09:26:13 -
女メイジ「氷の刃が飛んだ!?」冒剣士「…!上手くいった!…けど」
孤高騎士「擬似的に氷結刃を作ったのか…、良い考えだな…だが…」
紅少女「ライター程度の魔力じゃ…」
…キキィン!!…ジュワッ…
冒剣士「くっそ…ダメか…」
紅少女「…」
-
279 : 2013/08/28(水) 09:26:55 -
孤高騎士「…考えは良かったんだが」冒剣士「水属性って、炎みたく燃える水、みたくなりませんかね…」
孤高騎士「…ん?」
冒剣士「いやー…本当は、風と水をあわせれば、氷結旋風が出来るかなとか思ったんですけど…」
孤高騎士「氷結旋風…」
冒剣士「ここは岩壁もありますし、気流の変化でなるかなーとか思ったんですが…」
紅少女「…魔法の状態変化は、かなり難しい」
-
280 : 2013/08/28(水) 09:27:30 -
スライム『…』ゴォォォッ…ピョンッ
孤高騎士「…!?」
冒剣士「と、飛んだー!?」
女メイジ「ちょっ…」
紅少女「…」
…ダァン!!!…グラグラグラッ!!
孤高騎士「うおお、揺れる!」
-
281 : 2013/08/28(水) 09:28:53 -
…パラッ冒剣士「…ん?」チラッ
…ゴロゴロゴロ!!
冒剣士「落石…!?紅少女、女メイジ、危ない!」
ドンッ…ゴツンッ!
紅少女「…っ!」
女メイジ「冒剣士!何するの…って、大丈夫!?」
冒剣士「…だ、大丈夫、それより落石が!」フラフラ
孤高騎士「防御しながら下がれ!こっちは女メイジを守る!」
冒剣士「く…分かりました、紅少女はこっちに!」
紅少女「…わかった」
-
282 : 2013/08/28(水) 09:29:52 -
…キィン!!…ゴロゴロ……キィン!!……パラパラ…
冒剣士「…ふう」
孤高騎士「…なんとかなったな」
紅少女「…ヒール」
…パァッ!!
冒剣士「…ありがとう!」
紅少女「…別に」
-
283 : 2013/08/28(水) 09:30:35 -
女メイジ「で、どうしますか…スライム」紅少女「…」
冒剣士「…あと一歩だってのに…」
紅少女「…何とかならないことも…ない」冒剣士「…え?」
紅少女「…」
孤高騎士「…何か案があるのか?」
紅少女「…」
女メイジ「な、何!?紅少女ちゃん、教えて!」
-
284 : 2013/08/28(水) 09:31:23 -
…グラグラッ…孤高騎士「んお…また揺れが…」
冒剣士「…あ」
孤高騎士「どうした?」
冒剣士「…あれ」
孤高騎士「?」チラッ
-
285 : 2013/08/28(水) 09:31:56 -
スライム『…』ゴォォォスライム『…』ゴォォォ
女メイジ「で、出口側にもスライムが…」
孤高騎士「あつっ…、おい、洒落にならんぞ…」
冒剣士「挟まれましたね…近づかれたら…」
孤高騎士「…、紅少女、頼む、この場を切り抜ける手立てがあるなら教えてくれ」
紅少女「…予定と違ったけど、これならあっちしかない…」
-
286 : 2013/08/28(水) 09:32:37 -
紅少女「…く」ボソボソ冒剣士「…聞こえなかった、もう1度お願い」
紅少女「…宝玉」
孤高騎士「!」
冒剣士「!」
女メイジ!」
-
287 : 2013/08/28(水) 09:33:49 -
孤高騎士「お前…さっきの玉が宝玉だって…知ってたのか?」紅少女「…知ってた」
孤高騎士「…なんで知ってるんだ」
紅少女「…」
冒剣士「…」
紅少女「…」
孤高騎士「また、だんまりか…」
-
288 : 2013/08/28(水) 09:34:20 -
冒剣士「…そんなことより、このままじゃ本当に死んじゃいますよ!」孤高騎士「…っ!わかった、もう何も聞かん…、だから、どうにかしてくれ!」
紅少女「…宝玉、出して」
冒剣士「わ、わかった!」
…ガサガサッ……コロン
紅少女「…」
冒剣士「はい、これ…どうするの?」スッ
紅少女「…」
-
289 : 2013/08/28(水) 09:34:56 -
孤高騎士「…」スライム『…』ジリッ
スライム『…』ジリジリ…
ゴォォォ…
女メイジ「…」ブルッ
紅少女「…」
冒剣士「…」
-
290 : 2013/08/28(水) 09:35:43 -
紅少女「封印を…解く」冒剣士「…!」
紅少女「それしか、ない。良い?」
冒剣士「なんでそれに封印がされてるって…」
紅少女「私は魔法が得意…、だから分かる。封印も解ける」
冒剣士「で、でもそれは…」
紅少女「…ここで全員、蒸し焼きになって死にたいなら、別にいい」
-
291 : 2013/08/28(水) 09:36:23 -
冒剣士「…」チラッ孤高騎士「…任せるぜ、冒剣士」ニカッ
女メイジ「私たちも、覚悟は出来てる。人類の遺産なんでしょ…?アナタに任せる」グッ
冒剣士「…っ」
紅少女「…どうするの」
冒剣士「…」
紅少女「もう、時間がない」
-
292 : 2013/08/28(水) 09:37:07 -
冒剣士(仲間…皆…、人類の遺産…、謎の封印…)紅少女「…」
冒剣士(本当に解いてもいいんだろうか…いいのか…?)
女メイジ「冒剣士…」
冒剣士(何もしなければ死ぬ……これを巡って何か…くっそ……)
孤高騎士「…冒剣士」
冒剣士「…」スゥッ…
紅少女「…」
-
293 : 2013/08/28(水) 09:38:09 -
冒剣士「…決めました」紅少女「…」
孤高騎士「…」
女メイジ「…」
冒剣士「封印を、解いて」
-
294 : 2013/08/28(水) 09:38:51 - 本日はここまでです。ありがとございました。
-
297 : 2013/08/28(水) 21:30:13 ID:YA68kkS2 -
続編が出てると聞いて
|д゜)支援 -
299 : 2013/08/29(木) 09:35:23 -
皆さんありがとうございます。
>>297 愉しんでもらえれば幸いです(A´ω`) -
300 : 2013/08/29(木) 09:36:01 -
紅少女「…わかった」孤高騎士「決めたんだな」
冒剣士「はい。確かに何が起こるかは分かりません…ですが…」
女メイジ「…」
冒剣士「…」
孤高騎士「大丈夫だ。分かってる」
女メイジ「…うん」
-
301 : 2013/08/29(木) 09:36:36 -
紅少女「…」ボソボソ…バシュウ!!
紅少女「…!」
冒剣士「うわっ!」
孤高騎士「な、なんていう魔力…!」
女メイジ「目に見える魔力なんて…!」
-
302 : 2013/08/29(木) 09:37:16 -
…ギュゥゥゥゥ…!!紅少女「…っ!」
冒剣士「…」
孤高騎士「…」
女メイジ「…」
…スゥッ……
女メイジ「光が消えた…」
-
303 : 2013/08/29(木) 09:38:17 -
紅少女「…これで封印は解けた」冒剣士「こ、こんなアッサリ?」
紅少女「古い術式だから…ね。それより、持ってみて…」
…コロッ
冒剣士「…っ!!」
…ゴォォォォォッ……
冒剣士「…」
女メイジ「…冒剣士?」
-
304 : 2013/08/29(木) 09:38:47 -
紅少女「暁の記憶…、古き魂」孤高騎士「…?」
紅少女「今、冒剣士の心に、技術が授けられている。失われた技術、古代の魔力…」
女メイジ「ちょっ…それって大丈夫なの…!?」
紅少女「…」
冒剣士「…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
魔法…
古代…秘術……
歴史………記憶…
暁………力……魔力……世界…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ -
305 : 2013/08/29(木) 09:39:24 -
冒剣士「…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
力が欲しいのか…
お前の思い…しかと受け取った…授けよう…そして、もう1つの鍵を…解くがいい
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・冒剣士「…」ハッ
女メイジ「…冒剣士、大丈夫!?」
冒剣士「…こ、これは…」
紅少女「今なら、倒せる?」
冒剣士「…紅少女、コレ、持ってて」コロッ
紅少女「…」
-
306 : 2013/08/29(木) 09:40:35 -
女メイジ「…」孤高騎士「…」
…チャキッ
冒剣士「…」ググッ
スッ…ズバァッ!!!
……ギュン…ギュンギュン!!!
-
307 : 2013/08/29(木) 09:42:08 -
孤高騎士「!」女メイジ「さっきのと威力も全然違う!?」
孤高騎士「これは…氷結…旋風!?」
グングングン……ゴォォォォッ!!
冒剣士「…っ」
孤高騎士「…本当に燃え上がる氷だな…これが宝玉の力なのか…?」
-
308 : 2013/08/29(木) 09:42:40 -
女メイジ「熱さより冷たさが体を覆う…」ブルッスライム『!!』
…ドォォォンッ!!ベシャァッ!!
孤高騎士「スライムが一撃で潰れた!」
女メイジ「これが…宝玉の力なんだ…」
紅少女「正確にいえば…宝玉は魔力の糧。技術の種。使えるかどうかは…冒剣士次第だった」
-
309 : 2013/08/29(木) 09:43:28 -
冒剣士「…」女メイジ「…もう、冒剣士はその"力"を手に入れたの?」
紅少女「いや…魔力は一時的なものだと…思う。ただ…技術の種のほうは…記憶に植え付けられた…」
冒剣士「…」
女メイジ「…冒剣士…」
冒剣士「…大丈夫。僕は僕のまま。それより、もう1匹のスライムを…」キッ
-
310 : 2013/08/29(木) 09:44:26 -
孤高騎士「…」冒剣士「…」
スチャッ…
…ズバァ…!!!ゴォォォォ!!!
スライム『』ベシャアッ!!
…ドシャッ
冒剣士「…ふぅ」チャキン
-
311 : 2013/08/29(木) 09:45:00 -
孤高騎士「…よし」女メイジ「…やった」ヘナヘナ
紅少女「…ご苦労様」
冒剣士「…うん」
孤高騎士「体、なんともないか?」冒剣士「大丈夫…ただ、一気に記憶を入れられて…クラクラします」
孤高騎士「知識…?」
冒剣士「歴史っていうんですかね…なんか、不思議な感じです。今ならどんな技術でも使える気がします」
-
312 : 2013/08/29(木) 09:45:35 -
孤高騎士「はははっ、そりゃ結構だ!」ポンポン冒剣士「それと…気になることが」
女メイジ「どうしたの?」
冒剣士「…知識の渦の中で、確かに人の声がしました」
孤高騎士「俺らの声じゃなくてか?」
冒剣士「いいえ…、鍵…とか…、なんとか…」
孤高騎士「…鍵?」
紅少女「…」
-
313 : 2013/08/29(木) 09:46:39 -
冒剣士「いえ、気のせいだと思います」孤高騎士「それなら良いんだがな…」
紅少女「…」
女メイジ「それじゃ…頂上、あと一歩…行きますか?」
孤高騎士「そうだな…」
紅少女「…行こう」
冒剣士「うん」
紅少女「…」
-
314 : 2013/08/29(木) 09:47:24 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
・・・
・・
・ -
315 : 2013/08/29(木) 09:48:06 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
————【豪火山・頂上】…パチパチ……ゴォォォ…
孤高騎士「うっぷ…!」
女メイジ「今までの非じゃない…何この熱さ…焼ける…」
冒剣士「…抵抗魔法!」ピカッ
孤高騎士「…お?」
女メイジ「…!」
-
316 : 2013/08/29(木) 09:48:47 -
冒剣士「これで少しはマシになったかな…」女メイジ「な、なーんか…私より魔道士っぽい魔道士なんだけど…」ジロジロ
冒剣士「あ、あはは…」
女メイジ「あーあ、私も宝玉を使って強くなるかなー!」
孤高騎士「はっは…って、お前宝玉はどうした?」
冒剣士「あ…、そうだ、紅少女に預けました。紅少女ー…?」
…シーン
-
317 : 2013/08/29(木) 09:49:43 -
冒剣士「く、紅少女は!?」女メイジ「え…あ、あそこに!」
紅少女「…」
孤高騎士「何してるんだ…?」
紅少女「皆さん…まだ、山は下りませんか…?」
孤高騎士「…?」
女メイジ「また…?どうして、そんなに下りてほしいの!?」
-
318 : 2013/08/29(木) 09:50:19 -
紅少女「出来れば…やさしい皆さんを…、そして…あの方を…守ってあげたかったんです」冒剣士「ど、どういうこと!?」
紅少女「ですが…宝玉があった事で、考えが変わりました」
冒剣士「…」
孤高騎士「口調が変わった…」
-
319 : 2013/08/29(木) 09:51:11 -
紅少女「すいませんでした。遅すぎた」冒剣士「…?」
紅少女「…プロメテウス様」
…ドゴォン!!!!
…グラッ…グラグラグラ!!!
冒剣士「なんだ!?」
孤高騎士「あの巨岩が割れるぞ!」
女メイジ「今度は何!?」
-
320 : 2013/08/29(木) 09:51:49 -
…バキバキッ……ドォォン…紅少女「…お目覚めになりましたか」
プロメテウス『…』
冒剣士「な、何だあれ!?」
孤高騎士「頭いてぇぜ…。二度あることは三度あるってよく言ったもんだ」
女メイジ「あれは…なんですか?」
-
321 : 2013/08/29(木) 09:58:41 -
孤高騎士「プロメテウス…火族の精霊の最高位…」女メイジ「…なんで、そんなやつが紅少女ちゃんと…?」
孤高騎士「…わからん」
紅少女「…」スッ
プロメテウス『…オマエは…』
紅少女「プロメテウス様の魔力で、私たちは再びこの地へ蘇ることが出来ました」
-
322 : 2013/08/29(木) 09:59:24 -
プロメテウス『…』紅少女「あなたが眠りになっていた間の事、お覚えになってますか?」
プロメテウス『…』
紅少女「…」
プロメテウス『…なぜ人間のスガタをシテイル?』
紅少女「…こ、これは……」チラッ
冒剣士「…?」
-
323 : 2013/08/29(木) 10:01:40 -
紅少女「…分かりました」…パァァッ……
サラマンダー『…これで、宜しいでしょうか』
冒剣士「!」
孤高騎士「あいつ…サラマンダー…だったのか…」
女メイジ「…そんな…」
-
324 : 2013/08/29(木) 10:02:24 -
プロメテウス『ワガ復活の前、何がアッタ。なぜ、ワレの中にヒトの魔力が宿っている?』サラマンダー『…』
プロメテウス『…』
サラマンダー『…お覚えになっていませんか。軍の調査部隊が訪れ、我らがその調査隊を拘束しました』
孤高騎士「…」
サラマンダー『その軍人らが命乞いし、プロメテウス様は代わりに地元の町の人間を捧げるように…』
孤高騎士「…な」
-
325 : 2013/08/29(木) 10:02:55 -
サラマンダー『軍はそれを快諾し、調査隊が戻った後、軍は町を閉鎖。そこにプロメテウス様の部下が向かいました』プロメテウス『成るホド。その時のマリョクを我がカラダに宿し、目覚めた…という訳か』
サラマンダー『…そうです』
孤高騎士「軍が……裏切りやがったのか…また!」ドクン
冒剣士「信じられない…」
女メイジ「そんな…」
孤高騎士「そのクソ共が裏切らなければ…、あの町人は…あの子供は…死ななくて…済んだ…ということか…!」ドクン
-
326 : 2013/08/29(木) 10:03:33 -
サラマンダー『…』プロメテウス『……所デ、あそこにイル、人間ドモは何だ。我の食事か?』
サラマンダー『!』
冒剣士「…!」チャキッ
孤高騎士「…」スチャッ
女メイジ「!」スッ
サラマンダー『い、いえ…違います!プロメテウス様の復活を…お手伝い下さった人間です!』
-
327 : 2013/08/29(木) 10:04:07 -
プロメテウス『我が目をミロ』サラマンダー『…』
プロメテウス『キサマ、イツから我に嘘をツクようになった?』
サラマンダー『そ、そんなことは…!』
プロメテウス『ならば、コロセ』
サラマンダー『…はっ?』
プロメテウス『コロセ。それでキサマの真実を、証明してミセロ』
-
328 : 2013/08/29(木) 10:04:55 -
サラマンダー『…』チラッ冒剣士「…」
プロメテウス『…』
孤高騎士「…来るか?」スチャッ
冒剣士「紅少女…」
サラマンダー『わ…私は…』
-
329 : 2013/08/29(木) 10:05:49 -
プロメテウス『…』サラマンダー『貴方と…、一緒に無事に魔界へと帰りたかっただけです…』
プロメテウス『…』
サラマンダー『ただでさえ今は人間の天下。暴れれば、今度は貴方は封印ではなく、殺されてしまう…!』
プロメテウス『…』
サラマンダー『お願いします…帰る手立ては見つかりました…だから、事を荒立てず…一緒に、帰りましょう…』
-
330 : 2013/08/29(木) 10:06:42 -
プロメテウス『…オマエの気持ちはワカッタ』サラマンダー『そ、それじゃ…!』ホッ
プロメテウス『その様な魔族、部下にすらいらん』
サラマンダー『!』
…ズバァッ……ドシャッ…
サラマンダー『…プ…プロメテウス…様…』
冒剣士「く、紅少女!!」
女メイジ「紅少女ちゃん…!!」
-
331 : 2013/08/29(木) 10:08:02 -
…ボトッ…ドサッ………コロコロ………キラッ
冒剣士「…っ!」ダッ
女メイジ「あっ、待って!」
冒剣士「紅少女、なんで……!」
サラマンダー「…ごほっ」
冒剣士「…」
サラマンダー「…」
-
332 : 2013/08/29(木) 10:09:22 -
女メイジ「なんで…一体あなたは…何であそこにいたの?町を襲ったのはあなただったの?」サラマンダー「違う…」
女メイジ「…」
サラマンダー「私の予想では…静かに事を運ぶつもりだった…」ゴホッ
孤高騎士「ふん、結局お前らは人を殺してるだろうが!」
サラマンダー「そんなつもり…なかった。軍人を拘束したのも…、すぐに帰すつもりだった…」
孤高騎士「…」
-
333 : 2013/08/29(木) 10:11:44 -
サラマンダー「軍人が勝手にしゃべりだして…、それを聞いた他の魔族は勝手に暴れて…止める事ができなかった…」孤高騎士「あ?さっきはプロメテウスが脅したと…」
サラマンダー「貴方の心は軍を恨んでた……だから、できる…だけ、傷を負わせたくなかった…」
孤高騎士「…」
-
334 : 2013/08/29(木) 10:12:23 -
冒剣士「紅少女は…なぜあそこに…?」サラマンダー「他の魔族を止めに…そして、出来るだけ…助けようとした…だけど…遅かった…」
女メイジ「紅少女ちゃん、ヒールして!自分を治すのよ!!」
サラマンダー「…それは出来ない……」
女メイジ「なんで!!」
プロメテウス『ふっ…私には逆らえる訳がないからな。そのまま死ぬがいい、愚族が」
サラマンダー「…プロメテウス…様…」
-
335 : 2013/08/29(木) 10:13:03 -
冒剣士「だめだ!死んだら何にもならないよ…生きて!」サラマンダー「…あなたのせい…」
冒剣士「えっ…僕の…?」
サラマンダー「あなたの言った…助け合いって…いうの…かな…?長い間、眠ってて……優しさと会えて…嬉しかった…」
女メイジ「それはプロメテウスに対しての裏切りじゃないの!?だったら、ヒール使ってよ!!」
-
336 : 2013/08/29(木) 10:14:57 -
サラマンダー「…ありがとう…」ニコッ冒剣士「…紅少女!!」
サラマンダー「…」
女メイジ「…あ……」
冒剣士「紅…少女……」
孤高騎士「…」
-
337 : 2013/08/29(木) 10:16:05 -
冒剣士「…」ブルブルプロメテウス『さて…私は腹が減っている。そこの人間共、私の胃袋に納まるがいい』
冒剣士「…なぜ、殺した」
プロメテウス『む?…部下には必要ないと思ったからな。あのような愚族、いらぬ』
冒剣士「…お前…」
プロメテウス『ふはははは!』
-
338 : 2013/08/29(木) 10:16:55 -
冒剣士「…」ギリップロメテウス『なんだその眼は?人間は我の力の前に、ただただ悲鳴をあげればいいのよ!』
冒剣士「…」
プロメテウス『人間の悲鳴は、いつ聞いても気持ちいいものだ…。サラマンダーのは笑えただけだったがな?』
冒剣士「…」
プロメテウス『…さあ、お前らはどんな声で鳴いてくれるのか…聞かせてもらおうか?』
-
339 : 2013/08/29(木) 10:17:27 -
…コロコロ…冒剣士「…宝玉……!」
スッ…
……ドクン…ドクン……ドクンッ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
勝ちたいか?教えてやろう…もう1つの鍵を…力を…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゴォォォッ…!!!
冒剣士「…」
女メイジ「な、なんて魔力…!」
孤高騎士「…冒剣士」
冒剣士「お前を…倒す!」
-
340 : 2013/08/29(木) 10:18:24 - 本日は終了です。ありがとうございました。
-
347 : 2013/08/30(金) 08:35:10 - 皆様ありがとうございます、´。(´ω`)`、。+
-
348 : 2013/08/30(金) 08:35:47 -
プロメテウス『う、うははは!貴様のような人間のガキに、私を倒す事など出来るものか!』冒剣士「どうかな…やってみなければ…分からない!」
…ダダダダッ!!
プロメテウス『ほう、中々の早さだな…だが…極火炎魔法…!』
ピカッ…ゴォォォォッ!!!!ドゴォォォォォン!!!
プロメテウス「我が紅蓮の炎に焼かれるがよい!』
-
349 : 2013/08/30(金) 08:36:18 -
…ゴォォォ…女メイジ「ぼ…冒剣士…」
孤高騎士「いや…まだだ…」
冒剣士「こんな程度…じゃ、僕は倒せない…」プロメテウス『な、何!?』
冒剣士「極氷結魔法!』
…カキン…カキン!!カキン…キキキキキィン!!!
冒剣士「あああああっ!」
プロメテウス『なんという魔力…、くっ…極抵抗魔法!』
-
350 : 2013/08/30(金) 08:37:15 -
……カキィィン………ボトッ…冒剣士「…」
プロメテウス『ぐ…』
冒剣士「…やっぱりね。全体で効くとは思わなかったから、腕だけ狙わせてもらったよ」
プロメテウス『き、貴様ぁ…』
冒剣士「…やっぱりその程度じゃ…"俺"は倒せないよ?」
プロメテウス『…』
-
351 : 2013/08/30(金) 08:37:51 -
女メイジ「こ、孤高さん、冒剣士…大丈夫なんでしょうか。様子が…」孤高騎士「…宝玉に飲み込まれているのかもしれないな…」
冒剣士「さあ、次だ。立ち上がって、彼らの痛みは"こんなもの"じゃないよ」
プロメテウス『人間風情が…しねえぇ!』
冒剣士「遅いよ…」
…ズバァッ……ドサドサッ
プロメテウス『がああああっ!』
冒剣士「へえ…、魔族も体は人間に近いんだね。これ…何?」グイッ
-
352 : 2013/08/30(金) 08:38:24 -
ドリュッ…プロメテウス『ぬああ…!』
冒剣士「…切ってみようよ」
…ズバッ…ドシュッ……ポタポタ…
プロメテウス『…ぐ……あ…』
女メイジ「…も、もう…やめて…」
冒剣士「じゃ、次はこうしよう」
プロメテウス『や…め…』
…ドスッ…
-
353 : 2013/08/30(金) 08:39:07 -
女メイジ「お願い!もうダメ…、冒剣士、そこまでにして!」ガシッ冒剣士「…女メイジ、ダメだよ。こいつはたくさんの人を殺した。だから、その報いは受けてもらわないと…」
女メイジ「…だめ!そんな事ばっかりしたら…あなたが…堕ちてしまう…」
冒剣士「…だから?僕は、死んだ人たちの気持ちを表して…」
…ギュッ…
女メイジ「だめ…なの。だめなの…冒剣士、お願い。正気に戻って」グスッ
冒剣士「…」
女メイジ「…冒剣士…」
-
354 : 2013/08/30(金) 08:39:58 -
パッ……コロン…コロンコロン…冒剣士「…女メイジ?」ハッ
女メイジ「…冒剣士!」
冒剣士「ど、どうしたの…泣いて…」
女メイジ「う、ううん……いいの、いいから…気にしないで…」
冒剣士「…ってプロメテウス!?な、何これ!?」
女メイジ「…」グスッ
孤高騎士「やれやれ…一件落着なのか…?」ハァ
-
355 : 2013/08/30(金) 08:40:29 -
…オイ孤高騎士「…ん?」
…ダヨ…オマエダヨ…
孤高騎士「どこだ…?誰だ?」
…ココダヨ
孤高騎士「ここって…」チラッ
…コロコロ…キラッ
-
356 : 2013/08/30(金) 08:41:03 -
孤高騎士「宝玉…?」…オレヲ、ヒロイアゲルンダ
孤高騎士「何でだ」
…アノショウネンデハ、ワタシヲ、ツカウコトハ…デキナカッタヨウダ
孤高騎士「…」
ニクシミガ…タリヌ…
孤高騎士「…」
サア…ヒロイアゲロ…チカラヲヤロウ…!!
……スッ
-
357 : 2013/08/30(金) 08:42:09 -
冒剣士「…女メイジ…ありがとう」女メイジ「ううん…いっつも助けてくれてばっかで…少しは役に立てた…のかな?」
冒剣士「もちろん…うん」
女メイジ「よかった…」エヘヘ
冒剣士「…あれ?宝玉は?」
女メイジ「さっきそっちに転がって…あ、孤高さんが持ってる」
冒剣士「孤高さーん!」
-
358 : 2013/08/30(金) 08:42:39 -
孤高騎士「…」冒剣士「…孤高さん?」
女メイジ「な…何、この感じ…」ゾクッ
孤高騎士「…」
冒剣士「…孤高さん……?」
-
359 : 2013/08/30(金) 08:44:07 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
孤高騎士「お前、何者だ」宝玉「私はただの魔力の塊、宝玉さ」
孤高騎士「宝玉がしゃべるかよ」
宝玉「まあ確かにね。君は、力が欲しいんだろう?」
孤高騎士「力…?」
心の奥底から聞こえるぞ…
君の望む声が…、怨念が…、恨みが…、闇が…!!
そして、愛する者を失った…"復讐心"!!孤高騎士「やめろ…俺の頭の中を覗くな!」
大丈夫、遅すぎることはない。
私が全て受け入れ、君の代わりとなり復讐を果たしてやろう…
力を与えよう…、さあ…、こっちを見て…孤高騎士「…っ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ -
360 : 2013/08/30(金) 08:45:39 -
孤高騎士「…成るほど」
冒剣士「孤高…さん…?」孤高騎士「成るほど成るほど成るほど…成るほど……成るほど!!」
女メイジ「…!」ビクッ
孤高騎士「これは…面白い…、これは…良い…」
冒剣士「孤高さん!どうしたんですか!」
孤高騎士「…」クルッ
女メイジ「えっ!」
冒剣士「孤高さん…なんですよね…?」
-
361 : 2013/08/30(金) 08:46:24 -
孤高騎士「…そうだが?」女メイジ「な、なんか…違う…」
冒剣士「…」ゴクッ
孤高騎士「ふむ?ああ、そうか…成るほど」
女メイジ「どうしたん…ですか…」
冒剣士「孤高さん…なんですよね!?!?孤高さん!!」
-
362 : 2013/08/30(金) 08:46:58 -
孤高騎士「…」スッ女メイジ「!」
冒剣士「な、何を…」
孤高騎士「…波動……」ブワッ!!!
……ドゴォォォ…
女メイジ「きゃああっ!」
冒剣士「うわああっ!」
-
363 : 2013/08/30(金) 08:47:56 -
…ゴロゴロ……ドン!!冒剣士「いっつつ…、女メイジ、大丈夫!?」
女メイジ「何とか…かすり傷…」
孤高騎士「素晴らしい…くく…ハハハハハ!!」
冒剣士「何で…なんでだよ…今度は何だよ…全部終わったと思ったのに…」
女メイジ「…孤高さんまで宝玉に飲み込まれるなんて……」
冒剣士「こうなることも…フィルボルグさんはわかっていたの…?」
孤高騎士「この力なら…できるか…?軍を潰せるか…?」
-
364 : 2013/08/30(金) 08:48:27 -
冒剣士「…こんな運命だったら…僕は…受け入れたくない!」女メイジ「…」
孤高騎士「…ふむ。冒剣士、女メイジ……」
冒剣士「…」
女メイジ「…」
孤高騎士「今回の事で、軍がどれほど腐ってるか…分かっただろう?」
冒剣士「…」
-
366 : 2013/08/30(金) 08:50:12 -
孤高騎士「俺の家族を失わせ、民を捨て、自らだけを救う…そういう連中だ…。お前らも…俺と一緒に来い…!」女メイジ「…え?」
冒剣士「…」
孤高騎士「一緒にこの世界に復讐しよう…、この世界を握ろう…そうだ…それがいい…世界を掌握…するんだ…」
冒剣士「…っ」
孤高騎士「…これでは人類の敵か…?まるで魔王…そうか…俺が…再び…災厄の王、魔王となる…悪くない…」
冒剣士「…そ、そんな…」
女メイジ「嫌ぁ!」
-
367 : 2013/08/30(金) 08:51:06 -
孤高騎士「東方には、こういう言葉があったな…そうだ、俺は…"第六天魔王"となる…いいんじゃないか…?」ハハッ冒剣士「…」
女メイジ「…もう、何もかも嫌…」
孤高騎士「世界を変えよう…、言ってくれただろ…?俺じゃない、"俺ら"だってな…」
冒剣士「…」
女メイジ「…」
孤高騎士「手を握れ…俺と一緒に…来い!」スッ
-
368 : 2013/08/30(金) 08:53:03 -
冒剣士「…」女メイジ「…」
…スッ……
孤高騎士「そうか…一緒に来るか…!?」
…バシッ!!
孤高騎士「…」
冒剣士「僕は…あなたとは行かない」キッ
女メイジ「私も…行きません」
-
369 : 2013/08/30(金) 08:53:52 -
孤高騎士「…」ドクン冒剣士「…」
女メイジ「…」
孤高騎士「…」ドクン…ドクン…
冒剣士「…」
孤高騎士「…そうか。残念だ…ならば…」スッ
…ブワッ!!!
-
370 : 2013/08/30(金) 08:54:41 -
冒剣士「…女メイジ、ごめんね…守ってあげられなかった」ギュッ女メイジ「…冒剣士…ううん。そんなことない…」ギュッ
…ゴォォォォォォッ!!!
冒剣士「…」
女メイジ「…」
-
371 : 2013/08/30(金) 08:55:37 -
…
………
…………
……………キキキィン!!!!孤高騎士「…む?」
???「良く、言ったぞ。冒剣士」
冒剣士「…え?」
……スタッ…
…スタッ……タン!!…タン!!…
???「すまない、君たちの後の船に乗ったんだが、事故があって遅れてしまったんだ」
???「ちょっとケガしてるけど、大丈夫!?後で治してあげるから、我慢しなさいよ!」
冒剣士「…っ!」
女メイジ「み…皆さん…!!」 -
372 : 2013/08/30(金) 08:56:07 -
オーナー「…待たせたね」聖剣士「…よく、頑張ったよ」
僧侶戦士「…やはりこうなったか」
武道家「…よっ、初めましてだな」
吟遊詩人「…ケガ、大丈夫?」
魔法使い「…後は、私たちに任せなさい」
オーナー「…孤高騎士……こんなことになって…残念だ…」
-
373 : 2013/08/30(金) 08:57:01 -
本日は短めながらここまでです。
ありがとうございました(A´ω`) -
377 : 2013/08/30(金) 13:37:22 ID:o4maPnks - 冒剣士覚醒でイリヤが思い浮かんだの俺だけ?
-
379 : 2013/08/31(土) 09:49:44 -
皆様ありがとうございます。
>>377 Fate…かな?自分作品見てないんで知らないんですが、こんな感じなんですね(A;´ω`) -
380 : 2013/08/31(土) 09:50:26 -
孤高騎士「これはこれは…英雄剣士とそのご一行様!」オーナー「…」チャキッ
孤高騎士「おぉ怖い怖い…、怖い怖い…、それで俺の体を切り刻むつもりか…?」
聖剣士「兄さん、もう彼は…」
オーナー「分かってる」
魔法使い「…支援するわよ。勝負は一瞬で決める」
吟遊詩人「はい!」
-
381 : 2013/08/31(土) 09:50:56 -
魔法使い「…極攻撃増大魔法!極抵抗魔法!」ピカッ吟遊詩人「衝撃軽減波動!」ギュゥゥゥン
聖剣士「…あああっ!聖斬っっ!」
オーナー「竜波動!」
武道家「特掌底波ァ!!」
僧侶戦士「…特斬っ!」
…ズバァ!!!ドゴォン!!!ブワッッ!!!
-
382 : 2013/08/31(土) 09:51:34 -
孤高騎士「…っっ!」冒剣士「孤高さん…」
女メイジ「…」
孤高騎士「…」ニタッ
オーナー「な…に…!」
孤高騎士「…はぁっ!!」ブワッ
-
383 : 2013/08/31(土) 09:52:08 -
…ドォォォォッ!!!聖剣士「くううっ!」
吟遊詩人「くっ…」
魔法使い「なんて力…!」
武道家「おいおい、あんなヤベーヤツだって聞いてねーぜ」ググッ
僧侶戦士「なんつう…」
孤高騎士「…なんだ?今の世界のエースは、こんなものなのか…?」
-
384 : 2013/08/31(土) 09:52:43 -
オーナー「…君は、孤高騎士…なのか?」孤高騎士「ふ…肉体はな」
オーナー「君の"中身"は一体誰なんだ…」
孤高騎士「冥土の土産に教えてやろう。私は"堕落魔道"。聞いたことくらいは…あるんじゃないか…?」
女メイジ「堕落魔道!?」
魔法使い「堕落…魔道!?」
オーナー「…」
-
385 : 2013/08/31(土) 09:53:33 -
魔法使い「そんなハズはない!魔法の始祖…彼は大昔に闇に堕ちて、処刑されたはず!」孤高騎士「…ああ、されたね。いや…されたんだろう」
魔法使い「どういうこと…」
孤高騎士「正確に言えば、私は堕落魔道の人格だ。本体が処刑される前に、宝玉に魔力と人格を封印したのだ」
魔法使い「そんな事できるわけが!」
孤高騎士「出来たんだよ…、私はな…」
-
386 : 2013/08/31(土) 09:54:04 -
オーナー「そうか…その魔力も、しゃべってるお前自身も…その堕落魔道ってわけか…」孤高騎士「いかにも…」
オーナー「孤高騎士の人格、意識はどうした」
孤高騎士「私と入れ替わり、その宝玉の中へと閉じ込めた。もう、助け出す手段はないぞ…?」ククク
冒剣士「孤高さん…」
女メイジ「そん…な…」
冒剣士「お前の目的は…何なんだ…」
-
387 : 2013/08/31(土) 09:55:10 -
孤高騎士「人類への復讐。それだけだ。私は堕落魔道の意思そのもの」オーナー「…」
孤高騎士「…丁度、恨みを持った人間のお陰で、2つ目の鍵を解くことができたのだ…」ギロッ
冒剣士「僕の…せい…」
孤高騎士「だが、それは思ったほどではなかったようだ。元々目をつけていたのが…この男よ…」
冒剣士「…」
孤高騎士「家族を失い、人を失い、そして最後は仲間に手を切られた!」
冒剣士「…さっき、僕が…手を…弾いた…から…?」
-
388 : 2013/08/31(土) 09:55:41 -
孤高騎士「その瞬間、残っていたわずかばかりの男の人格は失われ、完全に宝玉へと封じられた!それによって完全なる肉体を手に入れた!」オーナー「…」ギリッ
孤高騎士「…ふ、どうする?」
冒剣士「…ください……」
オーナー「…冒剣士?」
冒剣士「…返して下さい…孤高さんの魂を…孤高さんの心を…孤高さんの……全てを!!」
孤高騎士「…ああ、うーん」ニタニタ
…スッ
-
389 : 2013/08/31(土) 09:56:13 -
孤高騎士「これが、欲しいんだろ…?」冒剣士「宝玉…孤高さんの心…」
孤高騎士「…」ニタッ
ググッ…ビキ……ビキビキ…
オーナー「ま、まさか!」
冒剣士「待っ…」
…パリンッ!!……パラパラ……パラッ…
-
390 : 2013/08/31(土) 09:56:52 -
冒剣士「…あ……あ…、あぁ…ああああっ!」オーナー「…っ」
孤高騎士「魔力は体に宿した。意識も交換された。最早、このような玉は無用!…くく、蘇り、とでもいうか…?」
冒剣士「あああああっ!!!」
孤高騎士「…ふふ、ふははは!その叫び…いいねえ…嫌いじゃないぞ…!」
冒剣士「うわああああっ…ああぁぁ…」
聖剣士「冒剣士の心も壊れてしまう!落ち着かせないと!」
-
391 : 2013/08/31(土) 09:58:15 -
オーナー「冒剣士…落ち着くんだ!しっかりしろ!」冒剣士「あああっ…なんで…なんで……」
オーナー「冒剣士…!」バシッ
冒剣士「…っ」ドサッ
オーナー「…落ち着いてくれ、頼む。冒剣士、俺の目を見てくれ」
冒剣士「…うう」ハァハァ…
-
392 : 2013/08/31(土) 09:58:50 -
オーナー「…幸い、でもないが…、冒剣士、君の体には今…あいつの魔力が充填されているようだ」冒剣士「…」
オーナー「あの宝玉を使った時の名残だ。それと、さっきの戦いで分かったことがある」
冒剣士「…」
オーナー「あいつは独自の魔力を保持しているせいで、俺らの攻撃は効きにくいんだ」
冒剣士「…」
オーナー「だから、あいつの魔力をまだ持っている…"冒剣士"、君がトドメを刺すことになる…」
-
393 : 2013/08/31(土) 10:00:02 -
冒剣士「僕…が…?」オーナー「これは君と旅をしてきた孤高騎士への思いやりだ。君が最期を見届ける…出来るか?」
冒剣士「僕が…孤高さんを…殺すって…ことですよね…」
オーナー「違う!あれはもう孤高騎士じゃない!」
聖剣士「冒剣士、辛い思いをさせてすまない。だけど、君がやらなければ…世界は再び"魔王"と会う事になるだろう」
吟遊詩人「…気を落ち着かせる演奏。コレくらいしか…私は出来ないけど…」
…~♪……♪♪…
冒剣士「…」
-
394 : 2013/08/31(土) 10:00:32 -
孤高騎士「何をぶつぶつといっている…何を弾いている…何をしているんだ…!あーーー!?」オーナー「やって…くれるか…?」
冒剣士「…魔王…孤高さんが…それだけは…だめです…。わかりました…」コクン
オーナー「ありがとう…皆、再び攻撃の準備だ!」
武道家「…」スッ
僧侶戦士「…頼むぞ、冒剣士」スチャッ
聖剣士「今一度…人類の刃を受けてみろ!」チャキッ
-
395 : 2013/08/31(土) 10:01:03 -
孤高騎士「ほう…まだ刃向かうか…」オーナー「…うおおおっ!火炎刃っ!」
…ブゥン!!…ドォン!!
孤高騎士「ふん、小ざかしい!」ブンッ
聖剣士「…見えた、聖斬っ!!」
武道家「続くぜ、掌底波ァ!!」
…キキィン!!
孤高騎士「そんなもの…効かぬわ!」
-
396 : 2013/08/31(土) 10:02:16 -
僧侶戦士「十字斬っ!!」…ズバッ…ズバァッッ!!!
孤高騎士「くっ…光の攻撃か…小賢しい…」
オーナー「…攻撃がわずかに効いた…!魔法使い!吟遊詩人!」
魔法使い「言われなくっても!光矢魔法!!」ビュンッ!!
吟遊詩人「…波動音っ!」
ギュィィィィン……!!!
-
397 : 2013/08/31(土) 10:02:57 -
…ズバン!!ズバンズバンズバン!!孤高騎士「ぬっ…ぐっ………がぁぁ!」
…スタッ
……スタスタッ…
武道家「…よっし!」
僧侶戦士「…」
孤高騎士「動けぬ…!?くっ…離せ!!」
吟遊詩人「音の攻撃なんて、昔にはなかったでしょう…?」
-
398 : 2013/08/31(土) 10:03:34 -
孤高騎士「…ぬあああ!」ビキビキッ吟遊詩人「な、なんて力…私の波動を弾こうとするなんて…」
魔法使い「私の光矢が抜けそう!」
オーナー「その格好で、死ぬのは本望じゃないか?墜落魔道…」
僧侶戦士「本体のお前が処刑されたのも、今のような十字架に張付けられて…だったな」
オーナー「あとは冒剣士…頼めるか…」ポンッ
冒剣士「…はい」チャキッ
-
399 : 2013/08/31(土) 10:04:21 -
孤高騎士「離せ…やめろおおお!」冒剣士「…」スッ
オーナー「あいつの魔力を底から搾り出すんだ。枯渇状態になったら、俺らが回復させてやる…だから、全力で…だ」
冒剣士「…分かりました」
孤高騎士「な、なあやめろよ…俺だよ…孤高騎士だ…」
冒剣士「…」ググッ
孤高騎士「本当はもう意識が戻ってて、ちょっと、お遊びでよ…だから、やめろって…!」
-
400 : 2013/08/31(土) 10:04:51 -
冒剣士「この刃に全てを乗せます。孤高さん…ありがとうございました…」ブルブル……ダダダッ!!!
孤高騎士「くそおおおおおおっ!!」
-
401 : 2013/08/31(土) 10:05:49 -
オーナー「…」聖剣士「…」
魔法使い「…」
吟遊詩人…」
武道家「…」
僧侶戦士「…」
女メイジ「…」
…ズバァンッ!!……………………………ドサッ…
-
402 : 2013/08/31(土) 10:06:53 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…
…ケンシ…
ボウケンシ…ボウケンシ………!!
女メイジ「冒剣士っ!」
冒剣士「!」ガバッ
女メイジ「わっ!良かった…気がついた…」
-
403 : 2013/08/31(土) 10:07:31 -
僧侶戦士「ただの魔力枯渇だ。俺らのも分けてやったし、大丈夫だろう」冒剣士「…」ボケーッ
僧侶戦士「冒剣士、大丈夫か?意識はハッキリしてるか?」
冒剣士「…!」ハッ
女メイジ「…」
冒剣士「そうだ…孤高さん…いえ、墜落魔道は…どうなりましたか?」
僧侶戦士「ご苦労だったな…といえば良いか…言葉が見つからない」
冒剣士「いえ…」
-
404 : 2013/08/31(土) 10:08:07 -
…トコトコ大魔道「…ご苦労様でした。冒剣士くん」
冒剣士「あ、アナタは…?」
大魔道「…私は大魔道と呼んで下さい。…実は、墜落魔道は私の祖先にあたる人なのです」
冒剣士「…」
大魔道「本当は処理は私がせねばならなかった。ですが、偶然という偶然が重なりすぎました」
オーナー「大魔道を恨まないでくれ。次々と過去の魔物たちの封印が解け、その処理をしていたんだ」
-
405 : 2013/08/31(土) 10:08:43 -
冒剣士「誰も…恨みませんよ」オーナー「そして、こうなるまで放っておいたのは俺が原因でもある」
冒剣士「オーナーが…?」
オーナー「本当は、あの時見た赤い紙、あれは俺宛の国家反逆をした孤高騎士の調査と監視のクエストだった」
冒剣士「…」
オーナー「だが、心を入れ替えていく孤高騎士を見て、これからも何とかなるんじゃないかと思っていた」
冒剣士「…はい」
-
406 : 2013/08/31(土) 10:09:31 -
オーナー「しかし、宝玉の反応を聞いて緊急的に同志を集った。その前から、孤高騎士の動きは見張っていたんだけどな」冒剣士「見張って…あ、雪山の山小屋とか、フィルボルグの洞窟…の気配…まさか…」
僧侶戦士「…」
冒剣士「海の遺跡が沈んだとき、連絡をしたのも…?」
武道家「…」
オーナー「結果的には、最悪なものを迎えてしまったな…俺の責任でもあるんだ。すまん」
冒剣士「…誰のせいでもないんです。宝玉の存在が、宝玉さえなければ…」
-
407 : 2013/08/31(土) 10:11:20 -
オーナー「あぁ。孤高騎士も悪くなんかない。腐っていたのは彼の周りの軍人たちと、宝玉だったということだな」冒剣士「…」
オーナー「そして俺も、お前たちを結果的に不幸に導いてしまった…ってわけだ…」
冒剣士「…」
オーナー「…」
冒剣士「…でも、孤高さんを信じてくれていたんですよね」
オーナー「…言い訳には、なりそうだから言いたくないのだが…そうだな」
-
408 : 2013/08/31(土) 10:11:55 -
冒剣士「…本当は、孤高さんはどんな人だったんですか?何をしたから反逆罪になったんでしょうか?」オーナー「…彼の家族に何があったかは聞いたか?」
冒剣士「はい」
オーナー「その恨みの為、支部を一人で壊滅させ、支部長を拷問し、殺害した」
冒剣士「…」
オーナー「確かに裁かれるべき事をした支部長だが…結果的に孤高騎士は、殺人と軍への反逆罪、拷問による罪などで拘束された」
冒剣士「…」
オーナー「だが、支部長のやった事は許されない。孤高騎士は、それを考慮され短い期間で解放されたんだ」
-
409 : 2013/08/31(土) 10:12:38 -
冒剣士「当たり前です…」オーナー「だが、軍は一人で実力のある孤高騎士を危険分子と定め、秘密裏に国家クエストを出回した。それが今回のことに繋がった」
冒剣士「宝玉がなければ、今回のことにはならなかったってことですよね」
オーナー「…ああ」
冒剣士「あの時、やはり封印を解除するべきじゃなか…」
女メイジ「…」
冒剣士「いや…女メイジを守るためにも…、いや…でも…!それで結果的に孤高さんは…!」
オーナー「本当に、すまなかったな…」
-
410 : 2013/08/31(土) 10:13:13 -
冒剣士「…いえ、そんなに謝らないでください…」オーナー「…」
冒剣士「…」
大魔道「ちょっと、シリアスな場面で悪いのですが…冒剣士くんに聞きたい事があります」
冒剣士「…なんですか?」
大魔道「気を悪くするかもしれませんが、孤高さんの体を斬った時、妙に軽くはなかったですか?」
冒剣士「…そ、そういえば…思ったより…は…」ブルッ
大魔道「…それだけ聞ければ十分です、ありがとう」
スタスタ…
-
411 : 2013/08/31(土) 10:13:50 -
冒剣士「…?」オーナー「…さて、と。帰ろうか…俺らの家、にさ」
女メイジ「はい…」
冒剣士「…そうです…ね」
僧侶戦士「…なあ」
オーナー「…ん?」
僧侶戦士「いやお前じゃなくて…、冒剣士」
冒剣士「僕?は、はい…?」
-
412 : 2013/08/31(土) 10:14:21 -
僧侶戦士「今回の事、前の冒険から思っていたが…お前の運命ってのは、どうやら厳しいものらしい」冒剣士「…」
僧侶戦士「お前が冒険を続ける事で、お前自身が幸せになるか…正直俺も分からん」
冒剣士「…何が、言いたいんですか」
僧侶戦士「冒険者を辞めて、一般人へと戻るのも…悪くないんじゃないか」
冒剣士「…」
僧侶戦士「…いや辞めろと言ってる訳じゃない。だが、冒険酒場へ戻って、お前自身が耐えられるかということだ」
冒剣士「…」
僧侶戦士「何にせよ、お前が見てきたもので、いつショック状態に戻るかも分からない…そういう事をいっているんだ」
-
413 : 2013/08/31(土) 10:14:51 -
冒剣士「ぼ…僕は…」僧侶戦士「…」
冒剣士「…負けません」
僧侶戦士「…」
冒剣士「負けませんよ。大丈夫です。僕は、周りがどう言おうと孤高さんを最高の冒険者だと思ってます。そして、あの人のように…」
僧侶戦士「…」
冒剣士「僕は最高の冒険者になる」
僧侶戦士「…そうか。その思い、忘れるなよ」ニカッ冒剣士「…はい」
-
414 : 2013/08/31(土) 10:15:56 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・
・ -
415 : 2013/08/31(土) 10:16:26 -
————あれから数日たち、母親と別れを告げると…再び冒剣士は冒険酒場へと戻った…あっという間の出来事だったが、冒剣士と女メイジのショックはしばらくの間続いていた
冒剣士は孤高騎士の座っていた…いつもの"席"を見るたび
小さく、小さく、「はぁ」とため息をつく
女メイジも、それを見て同じようにため息をついた
そして…更に…幾日がたち…
-
416 : 2013/08/31(土) 10:16:57 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…ガランガラン!
冒剣士「いらっしゃいませ!」
オーナー「いらっしゃいませー」
女メイジ「お泊りのお客様でしょうか?」
お客「そうそう。はい、これ連泊証」
女メイジ「ありがとうございます、少々お待ちください」
-
417 : 2013/08/31(土) 10:18:08 -
女メイジ「では、また夕食の時間になったらお呼び致します」ペコッお客「はいよ」
…ギシッ……トコトコトコ…
女メイジ「…」
冒剣士「あそこの席、誰が座ってても…まるで空席のようにしか見えません」
オーナー「…」
女メイジ「私も…」
-
418 : 2013/08/31(土) 10:18:39 -
オーナー「人が人と別れる事は、出会った時からの始まりでもある」冒剣士「…」
オーナー「終わりの始まりっていうのかな、必ず始まりには終わりがある」
女メイジ「哀しい…言葉ですね」
オーナー「だけどな、人は人の中で生き続ける事が出来る。それは終わり…だと思うか?」
冒剣士「人が人の中で…」
オーナー「俺も昔、沢山の人の死と向き合ってきた」
-
419 : 2013/08/31(土) 10:19:10 -
冒剣士「オーナー、英雄剣士…だったんですよね。本、読みました」オーナー「ああ、俺が書いた自伝だね。色々あったよ。本当は…書いてない事、書けない事がいっぱいある」
冒剣士「…」
オーナー「だけど、出会ってきた人の心は俺の中でもしっかり生きてる。明日の希望に繋がってる」
冒剣士「…」
女メイジ「…」
オーナー「何より、別れた人々が、今の自分を見て"どう思うか"が大事でもあると思うんだ」
-
420 : 2013/08/31(土) 10:19:52 -
冒剣士「…」オーナー「今すぐにでもとは言わない。毎日が辛いのも分かる。だけど、もう1度会った時、"自分は立派になった"と言える人間でありたいと思わないか?」
冒剣士「…確かに、そうですね」
女メイジ「…」
オーナー「今は目の前の事に真剣に。1日の積み重ねが、より良い明日の自分を作るんだ」
女メイジ「…はい!」
冒剣士「…はい!」
-
421 : 2013/08/31(土) 10:20:45 -
…コンコンオーナー「お…ほら、お客さんだ。精一杯の笑顔で、お客さんも幸せにしてあげよう、ね」
冒剣士「そうですね、幸せを与える立場が、いつまでも元気がなかったら…ダメですよね」
女メイジ「うん、冒剣士…一緒に、頑張ろう…!」
冒剣士「うん…!」
オーナー「その意気だよ。さ、元気良く…!お客様…どうぞ!」
…ガチャッ
冒剣士「…いらっしゃいませ!」
女メイジ「いらっしゃいませ!」
-
422 : 2013/08/31(土) 10:21:16 -
【Still, does not end】
PLUS STORY………"SPECIAL STORY"…
-
423 : 2013/08/31(土) 10:22:06 -
本日はここまでです。
明日、朝7時程に最終回を投稿しておきます。ありがとうございました。 -
424 : 2013/08/31(土) 10:35:28 ID:SX.CjxXs -
おつー
大魔道って中級魔導?
中級魔導と英雄騎士が2強ってかんじ? -
426 : 2013/08/31(土) 13:27:59 ID:Zo/UVHcU -
いよいよ明日か、乙!
>>424
そうだね。確か前シリーズの、青年剣士「運命ということ・・」
の時点で大魔道になってたと思う。彼も魔族の血があるから見た目若いだろうし、かなり強いかも。
-
428 : 2013/09/01(日) 07:13:12 -
皆様、ありがとうございます。
>>424 "人"としてはそうなります
>>426 主人公と類似している点が非常に多いですね(A´ω`)それでは最終回です
-
429 : 2013/09/01(日) 07:13:50 -
【SPECIAL STORY】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
…チチチッ……
孤高騎士「…ここは、どこだ」
…キョロキョロ
孤高騎士「花畑に暖かい日差し…天国…ってやつなのか…?」
…ポンポン
孤高騎士「…ん?誰だ?冒剣士か…?」
-
430 : 2013/09/01(日) 07:14:21 -
…クルッ女娘「…パパ!!」
男息子「パパァ!」
騎士嫁「あなた…久しぶり」ニコッ
孤高騎士「お…お、おおお…お前ら…」ドクン
-
431 : 2013/09/01(日) 07:14:52 -
女娘「…パパ、どうしたの?」男息子「パパ、僕らと会えて嬉しくないの…?」
孤高騎士「嬉しくないなんて…そんな訳…ないだろう…」
騎士嫁「…」ニコッ
孤高騎士「…ここは、天国なのか?」
騎士嫁「いいえ…、ここは現世とあの世の狭間です」
-
432 : 2013/09/01(日) 07:15:45 -
女娘「…」男息子「…」
孤高騎士「お前たち、俺を…迎えに来たのか?」
騎士嫁「…」
孤高騎士「…?」
騎士嫁「はい……と言えれば、本音は嬉しい限りです…が」
孤高騎士「…?」
-
433 : 2013/09/01(日) 07:16:27 -
騎士嫁「ですが、やっぱり貴方はまだ…こっちの世界は似合わないようです」クスッ孤高騎士「何言ってんだ?俺はお前らと一緒にいることが幸せで…」
騎士嫁「…うそ」
孤高騎士「…」
騎士嫁「昔っから、あなたはウソをつくのが下手。分かってますよ」
孤高騎士「…そうか」
騎士嫁「残してきた、あの2人の事が気になるんですよね」ニコッ
-
434 : 2013/09/01(日) 07:16:59 -
女娘「パパ…行ってあげて」男息子「…僕たちは大丈夫。また、いつか会えるよね?」
孤高騎士「…お前たち……」
騎士嫁「行ってあげてください。出口は…この道を…まっすぐ…」
…パァァァッ…
-
435 : 2013/09/01(日) 07:17:29 -
女娘「…」男息子「…」
孤高騎士「…行く前に、お前たちのこと、抱きしめても…いいか…?」
騎士嫁「…」フルフル
孤高騎士「…」
騎士嫁「抱きしめてしまったら、貴方はここから出られなくなってしまう。私たちは…待ってます。いつまでも」
孤高騎士「…わかった。長く待たせるかもしれない…それでもいいか…?」
騎士嫁「私はあなたの妻ですよ。そして、あの子たちは私たちの子供…それくらい分かっているはずです」
-
436 : 2013/09/01(日) 07:17:59 -
孤高騎士「そうか…わかった。それじゃ…俺は…」女娘「パパ…頑張れ!」
男息子「頑張れぇぇ!!」
騎士嫁「頑張ってください…」
孤高騎士「あぁ…行ってくるぜ!」
…タッタッタッタッタ……
…………………………
-
437 : 2013/09/01(日) 07:18:32 -
男息子「パパ、行っちゃったね」女娘「パパ…大丈夫かな…」
騎士嫁「ふふ…きっと、大丈夫。私たちは、私たちの還るべき場所で、待ってましょう…」
……パァァァッ…
-
438 : 2013/09/01(日) 07:19:07 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
・・・
・・
・ -
439 : 2013/09/01(日) 07:19:38 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…チュンチュン……サァァッ…
大魔道「…気がつきましたか?」
孤高騎士「……」
大魔道「やれやれ…砕け散った魔力のピースを探すのは骨が折れましたよ」
孤高騎士「…」
大魔道「…孤高さん?」
孤高騎士「俺ぇ……生きてるのか?死んだんじゃないのか?」
大魔道「…正確にいえば、死んではいませんでした」
-
440 : 2013/09/01(日) 07:20:09 -
孤高騎士「…どういうことだ?」ムクッ大魔道「心が宝玉に封印され、体は古代の魔力同士の打ち合いで削り取られました。ですが、それが幸いでした」
孤高騎士「…」
大魔道「削り取られたのは古代の魔力として空中へと分散しました。古代の魔力は感覚が違うので…感覚を探り、集めました」
孤高騎士「…」
大魔道「砕け散った心も、割れた宝玉から漏れ、魔力として空中へと分散され、それを集めたんです」
孤高騎士「…ふん、どうせならそのままでも…」
-
441 : 2013/09/01(日) 07:20:54 -
大魔道「…勘違いしないでください。貴方の為じゃない。冒剣士くん、女メイジさんの為です」孤高騎士「…」
大魔道「…気分はどうですか」
孤高騎士「…正直、悪くはねえよ。集めるの、大変だったんだろ」
大魔道「そうですか。それは何よりです」
孤高騎士「俺がこうなってることは、他のやつは知ってるのか?」
-
442 : 2013/09/01(日) 07:21:25 -
大魔道「いえ。他の方はやさしい人たちですから…言ったらまた酒場がまた休業しちゃいますので」ハハハ孤高騎士「…そうか」
大魔道「それと…謝らなければならないことがあります」
孤高騎士「なんだ?」
大魔道「恐らく、あなたは宝玉との繋がりで…冒剣士と同じように古代の記憶を持ってまったはずです」
孤高騎士「ああ…妙に頭がスッキリしてるのはそのせいか…」
大魔道「はい…申し訳ない」
-
443 : 2013/09/01(日) 07:21:58 -
孤高騎士「何で謝る必要がある?良いことじゃないのか?」大魔道「力を持った人間の末路、辿る道は…厳しく、険しくなります。冒剣士くんも…まだ未来がある少年だと言うのに…」
孤高騎士「人って生きてる限り、何かと戦うだろ?それは誰にとっても、厳しいもんなんじゃないか?」
大魔道「…」
孤高騎士「冒険者としての道を選んだ時点で、どんな道を辿ろうが…覚悟は出来ていた。大丈夫だ、心配すんな」
大魔道「そう、それなら…いいんです」
-
444 : 2013/09/01(日) 07:22:29 -
孤高騎士「んで、あの時からどれくらいたつんだ?それと…ここはどこだ」大魔道「もう数ヶ月です。ここは中央大陸の反対側…人類にとっては未踏とも呼ぶべき場所でしょうかね」
孤高騎士「お前…なんでそんな場所に…」
大魔道「仕方ないでしょう。分散した貴方の心、身体がココへと辿りついたのですから。私はそれを追ったまで…です」
孤高騎士「一体何者…、いや…いいか。今は感謝だけしておくぜ」
大魔道「ふふ、それがいいです。貴方が私を知るには、まだ少し…早すぎますから…」
孤高騎士「…言ってくれるぜ全く。さて、帰れるのか…?」
大魔道「帰れますよ。案内します」
-
445 : 2013/09/01(日) 07:22:59 -
孤高騎士「ああ。早く帰ろうぜ…」「俺…いや、俺らの冒険酒場によ!」
-
446 : 2013/09/01(日) 07:23:37 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
————【数週間後・酒場前】孤高騎士「…久々に戻ってくると、なんだか緊張するな。どんな顔すっかな…」ククク
大魔道「はは…ん?」
孤高騎士「どうした?」
大魔道「…ドア越しに聞こえますが、冒剣士とオーナーが貴方の話題をしているようですよ」
孤高騎士「まじか…」
大魔道「少しだけ、待ちましょうか」
-
447 : 2013/09/01(日) 07:24:08 -
孤高騎士「喜んでくれるか…呆れ顔か…どっちかだろうな…」大魔道「…大丈夫ですよ」
孤高騎士「俺も記憶がないわけじゃない。あいつらに…ひどい事してるもんな…」
大魔道「仕方ないことです。みんな、分かってますから」
孤高騎士「…俺のこと、迎えてくれるか…」
大魔道「きっと大丈夫ですよ。あなたのせいではなく、宝玉のせいだと分かってるはずです」
孤高騎士「その言葉…信じさせてもらうぜ?」
-
448 : 2013/09/01(日) 07:25:11 -
大魔道(それにしても今回の騒動…、全ては軍の下位のしつけがなってなかった事から始まった…)チラッ孤高騎士「?」
大魔道(町を見捨てた支部長を殺した孤高騎士…本来なら普通に許されるべきであるはずなのですが…)
孤高騎士「なんだよ人の顔をじろじろと…」
大魔道(…私が知っている未来……と、段々と近くなってきている気がします)
孤高騎士「聞いてるのか、おい」
大魔道(英雄剣士が孤高騎士を軍に従い行動を抑えていれば、冒剣士、孤高騎士の未来はこうはならなかった。彼自身でこの世を荒廃へと向けているということか…?)
-
449 : 2013/09/01(日) 07:25:55 -
孤高騎士「あのよ、無言でこう見られると恥かしいんだが」大魔道「…あ、自分にはそういう趣味はないので大丈夫ですよ」
孤高騎士「俺だってねえよ!」
大魔道(運命には抗えないってことなのですかね。軍は既に腐り始めている。世界の均衡が崩れてきた…いやしかし)
孤高騎士「…」
大魔道(未来というのは無数に広がっている。必ず同じ線にはならない…とは思うんですが…はてさて、これからどうなることやら)
孤高騎士「もう、勝手に見てろ…」プイッ
-
450 : 2013/09/01(日) 07:26:25 -
大魔道「はは…すみません。…さ、オーナー達の話が、ひと段落つきそうですね…では」…コンコン
オーナー「その意気だよ。さ、元気良く…!お客様…どうぞ!」
…ガチャッ
冒剣士「…いらっしゃいませ!」
女メイジ「いらっしゃいませ!」
-
451 : 2013/09/01(日) 07:27:03 -
【The end really】…FIN…
-
452 : 2013/09/01(日) 07:27:34 -
■後書き
お付き合い頂きまして、有難うございました。冒剣士編は従来の3幕構成ではなく、2幕で終了となります。
本編という名目で書きましたが、実際は"一人の冒険少年のお話"としての外伝的な位置づけのイメージなってしまいました。今回は元々2幕で完結を目指していまして、従来より1幕・2幕ともに多少長めにしました(少年剣士の3幕構成なみに長かったですねw)。
予定していた東方編を終えて、新主人公を含め、従来シリーズのような展開とは異なった世界を描けて満足です。
読者の皆さまは、つまらなかった方などもいるとは思いますが、お付き合い頂けたこと、ありがたく思います。辞典,修正分などで今回は終了です。
-
453 : 2013/09/01(日) 07:31:08 -
【ファンタジー辞典】■サラマンダー
火のトカゲの意です。作品によって、精霊、または美しい人間に化ける事があるなど、作品によって扱いは様々です。
精霊として固定されたのは、中世の錬金術師「パララケルスス」が著書「妖精の書」に書いたことが始まりです。■プロメテウス
ギリシアの神話に登場する神の1つです。
ゼウスの命令に背き、人類の幸せのために信じて"火"を与えたとされ、それが元で戦争が起きてしまったという話があります。■スライム
某有名なゲームにも登場し、本シリーズでも度々出るスライム。
実際はかなり強く、物理攻撃は効かず、魔法(しかも火の攻撃しか効かない場合がある)という厄介な相手なのです。
体内に飲み込まれた相手は、内部の溶解液で溶かされたりと、かなり凶悪なモンスターです。★火災旋風
実際にある災害です。日本でも大震災の時、目撃または巻き込まれ、多数の人が亡くなりました。
都市部など、狭い場所で火があがると、酸素を求め上に上に気流が発生し、それが竜巻となったのが火災旋風です。 -
454 : 2013/09/01(日) 07:31:39 -
>>286
紅少女「…く」ボソボソ
冒剣士「…聞こえなかった、もう1度お願い」
紅少女「…宝玉」
孤高騎士「!」
冒剣士「!」
女メイジ「!」
-
455 : 2013/09/01(日) 07:32:10 -
>>292
冒剣士(仲間…皆…、人類の遺産…、謎の封印…)紅少女「…」
冒剣士(本当に解いてもいいのか…?だけど…これ以外の手段は…ない…)
女メイジ「冒剣士…」
冒剣士(一体どうすれば…どうすれば…どうすれば…)
孤高騎士「…冒剣士」
冒剣士(…)
…スゥッ…
紅少女「…」
-
456 : 2013/09/01(日) 07:32:40 -
短めながら、これで終了になります。ないとは思いますが、何かご質問(設定でも)があればお答えしますので(A´ω`)
それでは、ありがとうございました! -
457 : 2013/09/01(日) 07:40:37 ID:FPCSaFWE -
乙でした!
少年剣士と幼剣士をまとめで見て、今回初めてリアルタイムで見れたー
毎朝の楽しみでした!
孤高さん、復活してよかったよ
次回作も楽しみにしてます! -
458 : 2013/09/01(日) 07:50:38 -
>>457
ありがとうございます(A*´ω`*)
そう言っていただけると、とても嬉しいです、ありがとうございました!v -
460 : 2013/09/01(日) 08:01:06 ID:Vxs3rOlI -
お疲れ!
他のはまとめサイトで見て今回初めてリアルタイムで見ることができました
次回作も楽しみにして待っています -
463 : 2013/09/01(日) 23:50:04 ID:eVoJuTA6 - 次回作もあるの?(おめめきらきら)
-
464 : 2013/09/02(月) 09:31:06 -
皆様乙有り難うございます。
>>460 ぜひまた来てください(A´ω`)v
>>463
現在考案中のがありますが、ちょっと次のは壮大すぎて悩んでる状況ですw -
466 : 2013/09/02(月) 13:42:29 ID:EWVfNQh6 -
完結しましたか。盛大に乙です。ひそかにお気に入りの女錬金師と大魔道が出てきてよかったです。
これ質問していいいかわからないのですが、前シリーズに出てたオーナーの息子さんはどうなったのかな?
現在の年齢は16~7くらい?
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