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1 : 2015/04/12(日) 22:28:38.79 -
この物語は南家3姉妹の非凡だった日常から6年後の世界をたんたんと描くものです。
過度な期待はしないでください。SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428845318
ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428845318/
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2 : 2015/04/12(日) 22:29:17.07 -
千秋 「・・・春だな」千秋 「・・・・おいカナ、私はもう学校に行く。起きないでいいのか?」
夏奈 「んー・・・・」
千秋 「おい、バカ野郎」
夏奈 「チアキ・・・お前は知らないかもしれないが大学というものはいつも朝9時に始まるという訳ではないんだ」
千秋 「そんな事を言ってこの前は1限から授業あったとか言って走って行っただろう」
夏奈 「今日は本当に11時からなんだよぉ・・だからその布団にかけた手を引いてくれよぉ」
千秋 「・・まあいいけど、ちゃんと時間になったら起きろよ」
夏奈 「うん・・・あ、朝ご飯は用意しておいてほしい」
千秋 「自分でやれバカ野郎」
千秋 「全く・・・春はバカがさらにバカになる・・・私も学校に行こう」
高校生になって二回目の桜を見ながら私は思うのだ。
私は、あの時のハルカ姉さまと同じようにちゃんとやれているんだろうか。
それとも小学生のころから何も変わっていないんだろうか。
春は別れの季節という。
これは私が大切な人に“さよなら”を言えるようになるまでの短い物語だ。
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3 : 2015/04/12(日) 22:30:08.46 -
吉野 「チアキ、おはよう」千秋 「ああ、吉野か。おはよう」
吉野 「どうしたの?なんだか浮かない顔だよ?」
千秋 「いや・・・カナのバカ野郎がまた家でゴロゴロしていてな」
吉野 「春だからねー」
千秋 「この前みたいに藤岡に迷惑かけるのはやめてほしい」
吉野 「授業来ないから休み時間に迎えに来たんだったよね」
千秋 「まったく・・バカな姉を持つと苦労する」
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4 : 2015/04/12(日) 22:30:42.92 -
吉野 「でも藤岡さんはそんなに迷惑だって思って居ないと思うよ。心配はしてると思うけど」千秋 「・・そうか?」
吉野 「うん」
千秋 「・・・・そういうものか」
吉野 「・・・」
千秋 「・・・そうだ、そういえば今年はどうする?」
吉野 「何が?」
千秋 「花見だ。カナのバカ野郎が今週末行きたいって騒いでたからな」
吉野 「うーん・・今週末は彼と出かける約束してるからパスかなぁ」
千秋 「・・・そうか」
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5 : 2015/04/12(日) 22:31:12.22 -
内田 「だからぁ!そうじゃないんだって!!」マコト「でも今更どうするんだよ」
内田 「そこはちゃんと誠意を見せてさー」
千秋 「・・・」
千秋 (あのうるさいバカップルは誘うのよそう。これ以上バカが増えても困るしな)
内田 「あ・・ちょっとチアキ!」
千秋 「・・・ッチ」
内田 「今明らかに舌打ちしたよね?!ヒドイ!!」
千秋 「いや・・・お前たちを見ていると春だなぁって思ってな」
マコト「待て待て!それは俺たちがバカって事じゃないよな?!」
千秋 「・・・・」
マコト「やっぱりそう思ってた!!?」
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6 : 2015/04/12(日) 22:31:40.21 -
内田 「あマコト君、朝練じゃないの?」マコト「ホントだ、じゃあ俺先に行くから!」
・・・
千秋 「・・・なあ内田」
内田 「なに?」
千秋 「・・マコトはなんであんなにバカなんだ?」
内田 「え?・・・でも最近はそんなに成績も悪くないよ?」
千秋 「そうなのか?バカのことは感知していなかった」
内田 「新学期なのにチアキもヒドイね。マコト君部活でも結構活躍してるんだよ」
千秋 「バカは走るのが早いからな・・・やっぱり内田はマコトの肩を持つんだな」
内田 「え?!別にそういう訳じゃないんだけど・・・」
千秋 「・・・マコトのことよりも順調に下降気味の内田の成績を何とかした方がいいと思うけどな」
内田 「うわぁああ・・言わないでぇぇぇ」
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7 : 2015/04/12(日) 22:32:12.14 -
***冬馬 「おーいチアキ、一緒に飯食おうぜ」
千秋 「あ、うん」
冬馬 「どうした?なんかぼーっとしてるな?春だからか?」
千秋 「私をあんな馬鹿どもと一緒にするな」
冬馬 「??」
冬馬 「そういやさ、チアキはもう決めた?」
千秋 「何が?」
冬馬 「文理選択」
千秋 「・・・ああ・・いや決めてない」
冬馬 「ふーん・・・オレ、理系にしようと思うんだ」
千秋 「・・・」
冬馬 「あ、今お前“こいつが数学とか出来るのか”って顔で見ただろ」
千秋 「驚いたな・・トウマはいつから人の心が読めるようになったんだ」
冬馬 「失礼な奴だなー・・文系は覚えることいっぱいでオレには無理そうだなって思ったんだよ」
千秋 「なんだその消去法は。理系だって覚えることは山ほどあるぞ・・たぶん」
冬馬 「まぁでも化学とかに興味あるのは事実だし。でもお前はどっちもできるからそんなに悩まなくていいよなー」
千秋 「・・・」
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8 : 2015/04/12(日) 22:32:44.24 -
週末。夏奈 「なんだなんだ!なんだって今日はこんなに人が少ないんだ!!」
藤岡 「まぁまぁカナ。みんな忙しいんだよ。俺達だって高校生の頃はそうだったでしょ?」
夏奈 「しかしせっかくのお花見なのに藤岡とチアキの三人だけなんて!」
千秋 「みんなお前と違って忙しいんだバカヤロー」
夏奈 「じゃあつまりお前の友達はみんな青春を謳歌してるって事か?!」
千秋 「お前のわけのわからない妄想を押し付けるんじゃない」
夏奈 「チアキは謳歌する青春が無いって事か」
千秋 「なんだと」
タケル「僕が居ることも、忘れないでね」
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9 : 2015/04/12(日) 22:33:12.73 -
夏奈 「おい藤岡」藤岡 「ん?どうしたの?」
夏奈 「この前は起こしに来てくれてありがとう」
藤岡 「え・・あ、うん//」
夏奈 「うーん・・・」
ばたんタケル「カナちゃん?」
千秋 「タケルの飲み物を飲んでしまったのか」
藤岡 「か・・カナ・・大丈夫?」
カナ 「うん・・・私はいつでも大丈夫だ・・・今だって私の周りで星が輝いている」
タケル「ちょっと水買ってくるね。カナちゃんの様子見ててあげてくれるかな」
藤岡 「あ、ハイ」
**
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10 : 2015/04/12(日) 22:33:44.56 -
千秋 「・・・藤岡さん」藤岡 「何、チアキちゃん」
千秋 「・・いつも姉がお世話になってます」
藤岡 「そんな事無いよ・・どちらかと言えば俺の方がお世話になってるかな」
千秋 「・・・」
藤岡 「?」
千秋 「・・・藤岡・・さんは、カナのどこが良かったんですか?」
藤岡 「え・・?//」
藤岡 「・・・えっと・・いつも素直で元気な所かな//」
千秋 「・・・」
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11 : 2015/04/12(日) 22:34:16.82 -
藤岡 「・・何かあったの?」千秋 「いえ・・・ただ・・最近友達が急に大人になった気がして・・・私は昔とたいして変わってないのに」
藤岡 「チアキちゃんは、チアキちゃんの良さがあるから、無理して変わろうとしなくても良いんじゃないかな?」
千秋 「・・・」
藤岡 「・・・俺はチアキちゃんとは年も違うし、男だからチアキちゃんの相談をに全部答えてあげるの難しいと思うからさ、同年代の友達とかに相談してみたらどう?・・・なにか悩みがあるなら」
チアキ「・・・そうですね」
タケル「おーい水買ってきたよ。カナちゃん飲める?」
夏奈 「うーん・・」
藤岡 「少し休んだら、今日はもう帰った方がいいかもしれないですね」
タケル「うん。そうだね」
千秋 「このバカ野郎は一人で騒いで一人で潰れやがって」
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12 : 2015/04/12(日) 22:34:50.91 -
千秋 (・・・同年代の友達か・・相談して一番まともな答えが返ってきそうなのは吉野だが・・・恋人もいるし部活もあるから忙しいだろうな)千秋 (・・・トウマは・・・アイツはどちらかというとバカサイドだからな・・)
千秋 (・・・内田は論外だ)
千秋 (ん・・・そういえば・・・最近会ってないな)
内田 「っつくしゅん!!」
内田 「あれー?花粉症かなー?」
千秋 「おい、カナ」
夏奈 「ん、どうした?」
千秋 「久々にマコちゃんに会いたいんだが、連絡先教えてくれないか」
夏奈 「・・・えっと・・マコちゃんは転校したって言ったでしょ?」
千秋 「ああ、聞いた。だが久々に会いたいんだ。連絡先を教えてくれればこちらから連絡するから」
夏奈 「ん・・んー・・いきなり迷惑なんじゃないか?久しぶりだし、チアキの事忘れてるかもよ?」
千秋 「いや・・私とマコちゃんの友情は少々の時間では引き裂けない。何度も一緒に遊んだり一緒に服を買いに行ったりしたからな」
夏奈 (そういえばマコトの奴チアキと一緒に下着とか買いに行ってたもんなぁ・・)
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13 : 2015/04/12(日) 22:36:39.71 - とりあえずここまでで中断します
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23 : 2015/04/13(月) 18:17:40.07 -
千秋 「なあトウマ」冬馬 「ん?どうした?」
千秋 「お前、確か兄が居たよな?」
冬馬 「おお、3人もいるぞ。どれか欲しいか?」
千秋 「要らないし、人にあげるもんじゃないだろ、それ」
冬馬 「そうか?で、兄貴たちがどうかしたのか?」
千秋 「一番下の兄って確か中学の時、カナの後輩だったよな?」
冬馬 「ああ、確かそうだったと思うけど」
千秋 「ちょっと聞きたいことがあるから今度会わせてもらえないか?」
冬馬 「?別にいいけど?じゃあ今日大学から帰ってきたら会うか?」
**
アキラ「あ、こんにちは。確かカナさんの妹の」
千秋 「チアキです」
アキラ「えっと・・トウマから聞いたんだけどオレに聞きたいことあるって」
千秋 「はい・・えっと、結構前のことだと思うので、覚えてればでいいんですが、アキラさんが中学の時同級生だったマコちゃんって子の連絡先知りませんか?」
アキラ「ん?・・ああ!マコちゃんかぁ懐かしいな!」
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24 : 2015/04/13(月) 18:18:11.26 -
アキラ「南さん家にお邪魔した時、何度か会ったんだけど、学校では不思議と一度も会わなかったんだよなー」千秋 「・・そうですか」
アキラ「可愛かったから学校でも話したいと思って探したんだけどさー」
千秋 「・・・」
***
千秋 「おいカナ」
夏奈 「ん?どうした?」
千秋 「今日、トウマの兄のアキラに会った」
夏奈 「え?」
千秋 「学年が同じだったはずだと思ってな・・マコちゃんについて聞いたんだが、アキラも学校では会ったことが無かったそうだ」
夏奈 「そ・・そうなんだー」
千秋 「カナ、連絡先を知らないのはしょうがないが、せめてマコちゃんが引っ越す前にどこに住んでたかとか知らないか?」
夏奈 「え・・えーと・・・私もその辺のことはよく知らないんだよー・・ハハハ」
千秋 「そうか・・・」
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28 : 2015/04/13(月) 18:20:21.99 -
千秋 「・・え?」吉野 「だって、最初からだったらチアキがチアキじゃなくても私には関係ないでしょ?」
千秋 「・・・」
吉野 「友達であることには変わりないよ・・それに何か隠してるんならきっとそうしなきゃいけない事情があるってことだと思うし」
千秋 「・・・そうか」
吉野 「で、チアキはチアキじゃないの?」
千秋 「いや、私はチアキだ」
吉野 「うん、私は吉野だよ」
千秋 「知ってる」
吉野 「じゃあ私自分の教室行くね」
千秋 「あ、ああ」
マコト「あ、チアキ、お早う!」
千秋 「・・・」
マコト「?・・・チアキ?」
千秋 「私の視界から早急に消えろ」
マコト「ええ?!」
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29 : 2015/04/13(月) 18:20:57.21 -
放課後マコト「なあ内田・・今日オレ、チアキに無視されてるんだけど・・何かしたっけ?」
内田 「あ・・・えっと・・さっきカナちゃんからメールがあったんだけど・・」
マコト「?」
内田 「その・・・チアキにバレたみたい」
マコト「何が??」
内田 「・・マコちゃんの正体」
マコト「・・・・うそ?」
***
マコト「・・・内田・・オレ、旅に出ようと思うんだ」
内田 「何の解決にもならないよ、それ!」
マコト「じゃあどうすればいいんだ・・オレ・・もうだめだ・・!!」
内田 「だからもっと早く打ち明けて謝ったほうがいいって言ったのに!」
マコト「打ち明けたらその時点で終わりだろ!!」
プルルルルルル!!
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30 : 2015/04/13(月) 18:21:25.51 -
マコト「・・・」内田 「・・電話・・じゃない?」
マコト「・・・チアキからだ」
内田 「え?!」
マコト「ハハハ・・なんだろ?オレ、どんな方法で殺されるのかな?」
内田 「気持ちは分かるけど、電話出た方がいいよ!!」
マコト「内田、今まで色々ありがとな。オレが死んでも元気でな」
内田 「いいから、早くでなよ!!」
ピッ
マコト「・・もしもし」千秋 『ああ、久しぶり。マコちゃんか?私だ。チアキだ』
マコト「え・・えっと」
千秋 『マコちゃん風邪ひいてるのか?声が変だぞ』
マコト「・・・・ゴメンチアキ・・オレ・・っ!!」
千秋 『変なマコちゃんだな?突然電話したから驚いてるのか?』
マコト「うう・・・」
千秋 『あ、そうだ電話したのはな、久しぶりに会いたいと思って』
マコト「・・・え?」
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31 : 2015/04/13(月) 18:21:57.15 -
千秋 『久しぶりに会って、マコちゃんと話したいことがあるんだ』マコト「え・・でも・・オレ・・」
千秋 『なんだ?私には会いたくないか?』
マコト「そ・・そういう訳じゃ!」
千秋 『じゃあ今週の土曜、駅前で待ち合わせしよう』
マコト「あ・・えっと」
千秋 『いいか?』
マコト「は・・はい」
千秋 『じゃあ時間は朝10時な』
マコト「チアキ・・お・・オレ!」
千秋 『ああそうだ、マコちゃんて結構おしゃれだったな』
マコト「へ?」
千秋 『マコちゃんのファッションとても参考になるから、お気に入りのファッションで来てくれないか?』
マコト「はい?」
千秋 『そうだな・・スカートがいいな』
マコト「ええ?!」
千秋 『じゃあ遅れないでくれよ』
ガチャ -
32 : 2015/04/13(月) 18:22:45.32 -
ツー・・・ツー・・・
マコト「・・・・」内田 「えっと・・・チアキ何だって?」
マコト「・・・“久しぶりに会いたいって”」
内田 「・・え?」
マコト「土曜日、駅で待ち合わせ・・オシャレして来いって・・・スカートで」
内田 「・・・そういうことか」
マコト「・・どういう事?」
内田 「これは・・敢えてマコト君をマコちゃんとして扱って、思う存分いたぶろうって事だよ」
マコト「・・・」
内田 「スカート・・・履くの?」
マコト「さすがに・・今の体格でスカート履いたら変態だよ」
内田 「・・かといって履かないとチアキの怒りを逆なですると思うよ」
マコト「ふ・・・そうか・・まず社会的に殺すって事か・・分かったよ・・」
内田 「・・・マコト君?」
マコト「内田・・・オレ・・スカート履くよ。そして盛大に死んでくる。それがオレに出来る精一杯の謝罪だよ」
内田 「マコト君・・なんかカッコイイこと言ってるようだけど、たぶん変態だよ?!」
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55 : 2015/04/19(日) 13:18:26.85 -
内田 「マコト君・・その・・最近なんかキレイになったね」マコト「そうか?」
内田 「うん・・なんていうか手足少し細くなった気がするし、髪の長さも少し長くなったから・・なんていうか中性的だね」
マコト「・・・チアキはさ・・オレのこと嫌いかもしれないけど、“マコちゃん”の時は普通に接してくれるから・・」
内田 「マコト君・・・いや・・マコちゃん」
マコト「許してくれることは無いかもしれないけど、チアキが望むならオレは全力でマコちゃんになりきるよ」
内田 「・・・男の子に狙われないように気を付けてね」
マコト「今週末もチアキと遊びに行く約束してるんだ」
内田 「そうなんだ」
マコト「チアキが見つけたデザートバイキングのお店に行くんだ」
内田 「え?私も行きたい!」
マコト「そうか?じゃあ今度行こうか?」
内田 「うん!トウマも誘おうよ。甘いモノ好きだし」
マコト「そうだなー。ちょっとした女子会だな」
内田 (マコト君・・自分が男子なの忘れかけてる・・)
千秋 「・・・」
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92 : 2015/04/28(火) 00:27:17.57 -
それから何週間かして。内田 「マコト君、最近マコちゃんにはなってないの?」
マコト「ああ…チアキから電話がかかってこないからな」
内田 「えっと…なんかあったの?“マコちゃん”の時に」
マコト「…うん」
内田 「え?!それって…!」
チアキ「おい、マコト」
マコト「!!」
内田 「!!」チアキ「今日の放課後空いてるか?」
マコト「え?…あの…空いてます」
チアキ「じゃあ家に来い。話がある」
マコト「へ?」
チアキ「ウチに来るのは嫌か?」
マコト「え?!…あの…嫌でないです」
チアキ「…じゃあ5時に来い」
マコト「は…ハイ!」
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97 : 2015/05/06(水) 00:52:06.76 -
ピンポーン
マコト「…」チアキ『はい』
マコト「えっと…マコトです」
チアキ『今、開ける』
マコト「…」
・・・
チアキ「今、お茶を入れる」
マコト「あ…えっと…はい」
マコト「チアキ…その…話って?」
チアキ「…」
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98 : 2015/05/06(水) 00:52:56.51 -
チアキ「マコちゃん」マコト「!!」
チアキ「“マコちゃん”は、私にとって大切な友達だった」
マコト「…はい」
チアキ「いろいろと相談に乗ってくれたし、同級生ではなかったが、ハルカ姉さまの次くらいに大好きだった」
マコト「…」
チアキ「だから、お前が私を騙してるって分かった時、私はお前のことが大っ嫌いになった」
マコト「…」
チアキ「…」
マコト「チアキ」
チアキ「なんだ?」
マコト「…オレ、自分が悪い事したって分かってる。オレのこと一生許さないでいい。ゴメン。本当にごめん…」
チアキ「…」
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99 : 2015/05/06(水) 00:53:49.73 -
チアキ「…ここ何か月かで分かったことがある」マコト「?」
チアキ「私はマコちゃんに甘えていた」
マコト「へ?」
チアキ「学校のみんなや、ハルカ姉さまとかに言えない悩みを相談したり、ストレスがたまった時に一緒に遊んでもらったりしていた」
マコト「……オレが言えることじゃないけど、友達なら普通だと思う」
チアキ「そう私も思ってた。だが、この間“マコちゃん”に話を聞いてそうじゃないってことが分かった」
マコト「え?」
チアキ「お前は……半分は私のために“マコちゃん”になっていてくれたんだろ?」
マコト「…でも」
チアキ「だから私はそんなお前に甘えていた。お前は私よりずっと大人だった」
マコト「そんな事…ないよ」
チアキ「マコト」
マコト「?」
チアキ「ありがとう」
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100 : 2015/05/06(水) 00:54:43.86 -
チアキ「…マコト、ちょっとこっちに来い」マコト「…え?」
チアキ「はやく」
マコト「…ハイ」
マコト(・・・近い)
チアキ「これからは、私はマコちゃんに頼らずに生きていく」
マコト「…ハイ」
チアキ「だが今までお前をマコちゃんと信じて様々なプライベートを喋ってしまった」
マコト「…う」
チアキ「その部分は怒りを覚えている」
マコト「ご…ゴメンナサイ」
チアキ「マコト、歯を食いしばれ」
マコト「へっ?!」
バッシーーーーン!!!
マコト「」チアキ「…これで許す」
マコト「は・・ひ」
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101 : 2015/05/06(水) 00:55:21.47 -
・・・チアキ「…カナのことも許すことにしたんだ」
マコト「…そうなんだ」
チアキ「むろんヤツが謝ってきたらのハナシだが」
マコト「…ああ」
チアキ「ところでマコト、これからはマコちゃんにしていた相談はお前にするからな」
マコト「え?」
チアキ「もうお前には色々とばれてることが分かったし」
マコト「確かにチアキは普段強がってるけど実は寂しがり屋で」
バシーーン!!
マコト「えぶしッ!!」チアキ「これからはお前に素の私を隠す必要もないし容赦なく殴るからな」
マコト「…そのチアキは…前から知ってる…」
チアキ「何か言ったか?」
マコト「…イッテマセン」
チアキ「…まず相談なんだが、もうすぐ文理選択じゃないか」
マコト「うん」
・・・
・・・
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102 : 2015/05/06(水) 00:56:16.00 -
約1年後。千秋 「おい、そろそろ出るぞ。線香は持ったか?」
夏奈 「うん。花はいつものところで買うんだよな?」
千秋 「ああ」
街から少し外れた郊外の墓地に夏奈と千秋の姿があった。
夏奈 「じゃあ線香に火つけるぞ」
千秋 「ん」
・・・
少し長い沈黙。
千秋 「…」
千秋は墓に眠る人に去年一年の報告をした。
春香 「…チアキ、カナ」
千秋・夏奈「「!!!」」
千秋 「ハルカ姉さま!いつ帰ってきたんですか?!」
春香 「ついさっきよ。今年はチケット取れたから少し早くに年休とって帰ってきちゃったの」
夏奈 「連絡くれれば家で待ってたのに!」
春香 「うん。でも今日は命日だからお父さんとお母さんのところに居ると思って」
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106 : 2015/05/06(水) 01:00:02.73 -
春香 「ふふふ…でもチアキもついに大学生か」千秋 「…」
春香 「カナが藤岡君を彼氏としてウチに連れてきたのはいつだったっけ?」
夏奈 「なっ・・///それは今関係ないだろー!!」
春香 「ふふっ…そうね、でもチアキもそのうち彼氏を家に連れてくるのかなーってね」
夏奈 「チアキはガキだからまだそんな事ないだろ」
千秋 「…」
夏奈 「…?」
春香 「…チアキ?」
千秋 「いえ…その…ハイ。なんでもないです」
夏奈 「おい…お前まさか」
千秋 「黙れ」
タケル「チアキちゃん?!」
千秋 「タケルは最後まで黙っていろ」
春香 (…ついに私だけになっちゃったか……はぁ…)
みなみけは、いままでも、これからも、ずっと平和です。
おわり
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