ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430149516/
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2 : 2015/04/28(火) 00:47:02.83 -
武内P「本日は、ニュージェネレーションズの皆さんはお休みとお伝えしたと思うのですが」
凛「知ってるよ。なんとなく寄ってみただけだから」
武内P「そうですか」
凛「プロデューサーは、今日も仕事?」
武内P「はい。今日中に仕上げなければならないことがいくつかありますので」
凛「そうなんだ。なら、私にかまわず仕事に戻ってよ」
武内P「しかし、他の皆さんはレッスンや撮影などで全員部屋にいませんし……」
凛「別にひとりでも平気だよ。話し相手を探しに来たわけじゃないし」
武内P「そうですか……では、私は隣の部屋に戻ります。何かあったら知らせてください」
凛「わかった」
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3 : 2015/04/28(火) 00:48:00.46 -
凛「………」
凛「(この部屋、さすがにひとりだと広く感じるな)」
凛「(初めのころは、小物とかほとんどなかったけど……未央の提案でみんなが私物を持ってきて、今はいろんな物が置いてある)」
凛「(私達の部屋って感じがする)」
凛「……なんだかいいかも。こういうの」
凛「………」
凛「(プロデューサー、どんな仕事してるんだろう)」
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4 : 2015/04/28(火) 00:49:18.19 -
凛「プロデューサー」ガチャ
武内P「渋谷さん。どうかしましたか」
凛「特に何かあったわけじゃないんだけど……私もこの部屋にいていい?」
武内P「この部屋、ですか? 何も面白いものはありませんが……」
凛「確かにパソコンくらいしかないけど、プロデューサーが仕事している様子、なんとなく見たいと思ったから」
武内P「はあ……」
凛「私がいると気が散るっていうなら、諦めるけど」
武内P「いえ……心配いりません。渋谷さんが望むのであれば、ここにいていただいて大丈夫です」
凛「ありがとう」
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5 : 2015/04/28(火) 00:51:25.89 -
武内P「………」カタカタ
凛「(パソコン見てる時、目つきの悪さが2割増しだ。一生懸命頑張ってる証拠なんだろうけど)」
凛「(というか、タイピング速い……社会人ならあのくらいできないと駄目なのかな)」
武内P「……ふう」
凛「(あ、一段落ついたのかな)」
武内P「………」カタカタ
凛「(と思ったらほんの一息入れただけだった)」
凛「(仕事、たくさんあるんだ……考えてみれば当然だよね。人気が出てくるにつれて私達の仕事はどんどん増えてるし、そもそも14人同時に担当するなんて素人考えでも相当大変だ)」
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6 : 2015/04/28(火) 00:52:31.27 -
凛「プロデューサー」
武内P「はい」
凛「プロデューサーって、すごいんだね」
武内P「……はい?」
凛「事務処理とか、仕事をとってくるのとか、すごく優秀だって聞いたよ。部長さんに」
武内P「いえ、私はまだまだで……」
凛「謙遜しなくてもいいんじゃない? 私達だって感謝してるんだから」
武内P「……それは、ありがたいお話ですね。ですが、私にはそれくらいしか満足にできることがないので……他の部分は、なかなかうまくいきません」
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7 : 2015/04/28(火) 00:53:35.85 -
凛「それって、みんなとのコミュニケーションとか?」
武内P「はい。未熟なままで、申し訳ありません」
凛「……そんなに困った顔しなくていいと思うよ。確かに口下手だなって思う時は今でもあるけど、プロデューサーは私達ひとりひとりとちゃんと向き合ってくれているから」
武内P「逃げるのは、よくないですから」
凛「……あの時は、ちょっと強く言いすぎたと思う。プロデューサーにもいろいろあったのに……ごめん」
武内P「いえ。渋谷さんの言葉で、私も大切なことに気づけました」
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8 : 2015/04/28(火) 00:55:04.69 -
凛「私ね。卯月や未央、みんなと一緒にアイドル頑張ってるけど、まだはっきりとした何かをつかみきれていない気がするんだ」
武内P「はっきりとした何か、ですか」
凛「たとえば卯月やみくは、ずっと前からトップアイドルを目指して努力している。杏は印税目当てだって言ってるけど、それも形を持った目標でしょ?」
凛「でも私は、そのあたりがまだふわふわしてる」
凛「今はただ、仲間と一緒にアイドル活動を楽しく続けたい……そう思っているだけなんだ」
武内P「………」
凛「これって、いいのかな」
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9 : 2015/04/28(火) 00:56:52.93 -
武内P「……私が見た限りの話ですが、渋谷さんはよく笑うようになったと思います」
凛「え、そうかな」
武内P「意識していないということは、自然に笑顔になっている証拠です。そして、それは今が充実しているということ」
武内P「今はまだ、確固たる目標や意志が見つかっていないのかもしれません。ですが、いつかそれを見つけられると私は思います」
凛「本当に?」
武内P「……おそらくは」
凛「そこは男らしく、絶対って言ってほしかったかも」
武内P「あ……すみません。渋谷さん自身の問題ですので、私が断定するのはおこがましいかと思いまして……」
凛「(そう言ってプロデューサーは、首の後ろに手をやるいつものポーズを見せる)」
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10 : 2015/04/28(火) 00:57:44.80 -
武内P「申し訳ありません。気が利かなくて」
凛「いいよ。プロデューサーのそういう真面目なところ、私は好きだから」
武内P「……好き、ですか」
凛「あっ……好きって言っても、別に変な意味じゃないから」
武内P「変な意味とは、どのような意味でしょうか」
凛「んぐ……な、なんでもないから! 今のやり取り丸々なし!」
武内P「はあ……?」キョトン
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11 : 2015/04/28(火) 00:58:38.76 -
凛「そろそろ帰るね」
武内P「もう少し待っていただければ、新田さんとアナスタシアさんがレッスンから戻ってきますが」
凛「お昼からお店の手伝いしなくちゃいけないし、残念だけど今日はいいよ」
武内P「そうですか」
凛「それじゃあね」
武内P「はい……あの、渋谷さん」
凛「なに?」
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12 : 2015/04/28(火) 00:59:44.85 -
武内P「私も、お手伝いさせていただきます。渋谷さんが『はっきりとした何か』をつかめるよう、精一杯プロデュースしていきます」
武内P「それから……今後も、休日に来たいと思えばいつでも来てください。待っています」
凛「……うん、ありがとう」
武内P「明日は朝からレッスンの予定ですので、遅れないように気をつけてください」
凛「わかってる。プロデューサー」
武内P「はい」
凛「また、明日」ニコッ
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13 : 2015/04/28(火) 01:00:30.68 -
凛「……今の私、笑ってた?」武内P「はい。いい、笑顔です」
おしまい
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