千早「最後の日」


1 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:38:21.84 ID:zaVFdcLk0

P「……」

千早「プロデューサー、コーヒーです」

P「お、ありがとう」

千早「どうしたんですか?」

P「ああ、いや……」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1453059501


ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1453059501/


2 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:39:29.72 ID:zaVFdcLk0

P「もう、今日で終わりなんだなって」

千早「……そうですね。それで、今日は営業に行かないんですか?」

P「この雪だからなあ。下手に帰ってこれなくなると困るし」

千早「そうですか。ちょっと意外です」


3 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:40:05.05 ID:zaVFdcLk0

P「意外?」

千早「ええ、今まで散々出かけてきたプロデューサーが今日出かけないなんて」

P「そうだな……」

千早「……」

P「……」


4 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:40:48.80 ID:zaVFdcLk0

千早「……」

P「……ふふふ」

千早「プロデューサー?」

P「はははははは!」

千早「ど、どうしたんですか!? 私コーヒーに何も入れてないですよ?」


5 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:41:21.39 ID:zaVFdcLk0

P「……なあ、千早」

千早「は、はい?」

P「ちょっと散歩しないか?」

千早「この雪の中、ですか?」

P「ああ、たまには悪くないだろ。どうせここにいても食事もないし」

千早「わかりました」


6 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:44:29.55 ID:zaVFdcLk0

P「とりあえず駅まで来たが、いやあ寒いな」

千早「そう言ってる割には何だか楽しそうですね」

P「俺が千早くらいの歳なら遊んでただろうな」


7 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:45:03.58 ID:zaVFdcLk0

千早「仕事はしっかりしてください」

P「はい、気をつけます」

千早「……」

P「……」


8 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:45:34.79 ID:zaVFdcLk0

千早「……それで、どうするんですか?」

P「うーん ……なあ、千早」

千早「何ですか?」

P「なんか、食べたくないか?」

千早「え?」


9 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:46:24.27 ID:zaVFdcLk0

P「そうだな、どうせなら…… ——の○○でもどうだ?」

千早「……ふふ。食べたいかもしれませんね」

P「そうだろう? よしきた」

P「すみません、——まで大人2枚」

千早「何だか久々ですね。このやり取り」


10 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:47:34.54 ID:zaVFdcLk0

P「おー、寒かった」ガチャッ

千早「帰ってこれましたね」

P「ああ。いやあ、今日の営業も上手くいったな。雪の中出て正解だった」

千早「そうですね。食事とどっちがメインかわかりませんでしたが」


11 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:48:03.19 ID:zaVFdcLk0

P「それはもちろん営業だよ。ははっ」

千早「プロデューサー、目が泳いでます」

P「……」

千早「……」


12 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:48:57.85 ID:zaVFdcLk0

P「……ははは」

千早「どうかしました?」

P「今日まで色々あったなって思ってさ」

千早「そうですね。振り回された思い出ばかりですが」

P「それは認めるよ」


13 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:49:36.55 ID:zaVFdcLk0

千早「でも、おかげで日本の色々な場所を見ることが出来ました」

P「本当は全部見せてやりたかったけどな」

千早「それは…… 思うように行かないこともあると思います」

千早「でも、ここまで来れたのはプロデューサーのおかげです」

千早「ありがとうございました」


14 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:50:35.60 ID:zaVFdcLk0

P「いやいや、こちらこそありがとう。千早がいなかったらここまで日本中を回ることもなかったよ」

千早「あんなに旅行へ行きたがってたのにですか?」

P「目的がないと、意外と行かないもんだよ」

千早「そうですか……」

P「……」


15 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:51:10.29 ID:zaVFdcLk0

千早「……」

P「……なんか、違和感があるな」

千早「違和感、ですか?」

P「ああ、明日からはもうこの事務所に来ることもないし、営業しに遠出することもないんだなって思ってさ。それに……」

千早「それに?」


16 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:51:49.21 ID:zaVFdcLk0

P「明日から千早に会うことも、こうして話すこともないんだなって」

千早「……そうですね」

P「……」

千早「……」


17 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:52:16.20 ID:zaVFdcLk0

P「結局、千早の浴衣姿は見れなかったな」

千早「そ、そういえばそんな話しましたね」

P「割と期待していたんだがな……」


18 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:53:05.35 ID:zaVFdcLk0

千早「ごめんなさい」

P「いいよ、いつかどこかで機会があったら見せてくれ」

千早「はい……」

P「……」


19 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:54:22.68 ID:zaVFdcLk0

千早「……あのっ」

P「どうした?」

千早「プロデューサーは、これで遠出をやめますか?」

P「まさか。この先も気が向いた時にどこか行くさ。ずっとね」


20 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:55:06.21 ID:zaVFdcLk0

千早「……ふふ、プロデューサーならそう言うと思いました。安心しました」

P「なんでそこで安心するんだよ」

千早「いつも通りだなって思って……」

P「そうか、まあ千早を安心させられたなら良かった。……そろそろ時間だから帰るよ」


21 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:59:07.27 ID:zaVFdcLk0

千早「あ、はい。あのっ」

P「ん?」

千早「……」

P「……」

千早「……この先も、気をつけてください」

P「ああ、ありがとう」


22 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 04:59:49.48 ID:zaVFdcLk0

千早「……」

P「千早」

千早「はい」

P「今日までのこと、俺は忘れないからな」


23 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 05:01:31.60 ID:zaVFdcLk0

千早「……私も、忘れません」

P「そうか。……今日まで本当にありがとう」

千早「こちらこそありがとうございました」


24 : 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 05:01:59.67 ID:zaVFdcLk0

P「また、機会があったら会おう」

千早「はい、必ず!」

P「だから、今はこう言っておくよ」

 
P「またね」

     おわり

Comments are closed.

Post Navigation