ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456634238/
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2 : 2016/02/28(日) 13:38:28.90 -
マリンピア
平塚「比企谷 ……! どうしてここに……」八幡「そりゃあ買い物ですよ」
平塚「そ、それもそうだな! じゃあ、私はこれで……」
八幡「いいんですか?」
平塚「……なにがだ?」
八幡「服買わなくて、ですよ。長いこと物色してたみたいですから」
平塚「見てたのか!?」
八幡「ええ。にやにやしながら服を選んでるところから、試着して見たら似合わなくて泣きそうになるところまで、バッチリと」
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3 : 2016/02/28(日) 13:43:07.68 -
平塚「まさか見られていたなんて……」
八幡「服を買ってたところを見られたくらいで、そんなに落ち込むことないじゃないですか」
平塚「君に見られたことが問題なんだ!」
八幡「なんでですか? 誰かに話したりしませんよ」
平塚「……本当か?」
八幡「はい。先生がピンク色のフリフリしたワンピースを買おうとしてたなんて、誰にも言いません」
平塚「や、やめろー!!」ベシッ
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4 : 2016/02/28(日) 13:48:41.82 -
八幡「なにするんですか。誰にも口外しないって言ってるのに……」
平塚「だ、だって、私が選んでた服を言ったじゃないか!」
八幡「別に恥ずかしがる必要ないじゃないですか」
平塚「そ、そうだけど……。でも、私のイメージと合わないだろ……?」チロッ
八幡「……」
平塚「……比企谷?」
八幡「あ、ええっと……」
八幡(先生の上目遣いに不覚にもキュンとしてしまった……)
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5 : 2016/02/28(日) 13:50:02.34 -
八幡「ま、まぁ、イメージとは違うかもしれないですけど……。でも、別に変じゃないですよ」
平塚「そう、かな……?」
八幡「そうですよ」
平塚「なら、よかった」ニコッ
八幡(はにかむように笑うな! 可愛いと思っちゃうだろ!)
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6 : 2016/02/28(日) 13:53:00.04 -
八幡「……でも、なんで買おうと思ったんですか?」
平塚「聞きたいか?」
八幡「あ、いえ、そこまで聞きたくないですけど」
平塚「聞きたいか?」
八幡「いや、だから……」
平塚「聞きたいか?」
八幡(ローラ姫かよ! 囚われの姫気取ってんじゃねえぞ!)
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7 : 2016/02/28(日) 13:54:30.37 -
八幡「教えて下さい」
平塚「そうかそうか! 君がどうしてもって言うなら仕方ないな! 実はナンパされたのだよ!」
八幡「……は? 誰がですか?」
平塚「私に決まってるだろう。この間、ここで買い物してたら声を掛けられたのだ。『お姉さん、この後お暇ですか?』とな!」ドヤッ
八幡「宗教? それとも絵ですか? まさか、ビデオの撮影!?」
平塚「……比企谷」
八幡「じ、冗談ですから! 殴るのは……」
平塚「僻む気持ちはわかるが……」
八幡「……その憐れむような目やめてくれませんかね?」
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8 : 2016/02/28(日) 13:58:58.53 -
八幡「それで、ナンパされてどうしたんですか?」
平塚「食事して、そのあとはもちろん……」
八幡「帰宅したんですね?」
平塚「勝手に決めつけるなよ!」
八幡「違うんですか?」
平塚「……合ってるけど。誰のせいだと思ってるんだ」
八幡「誰って……。誰ですか?」
平塚「さ、さあな! そうだ、帰り際に今度の土曜日にデートの約束をしたぞ!」
八幡「あー。だから、似合わない可愛い服を買おうとしたんですね」
平塚「似合わないって言うなー!」ベシッ
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9 : 2016/02/28(日) 14:59:50.47 -
平塚「比企谷の馬鹿……。似合ってないのなんて、自分でもわかってるもん……」
八幡(なんだ、この人。キャラ変わりすぎだろ)
平塚「でも、少しでも可愛いって思われたいから……」
八幡(……なんか腹立ってきた)
平塚「比企谷! 聞いてるのか!?」
八幡「聞いてますよ」
平塚「なぁ、私はどうしたらいいんだ……。このチャンスを逃したくないんだよ……」
八幡「……別に逃せばいいんじゃないですか」ボソッ
平塚「えっ?」
八幡「なんでもないです」
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10 : 2016/02/28(日) 15:05:36.96 -
八幡「相手は何歳なんですか?」
平塚「20歳だ。いまはT大に通ってるらしい」
八幡「T大……。めっちゃ頭いいじゃないですか」
平塚「ああ。それだけでなく、気さくで優しい人だよ。比企谷とは大違いだな!」
八幡「……そうですね」
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11 : 2016/02/28(日) 15:07:53.17 -
八幡「……」
平塚「比企谷、どうしたんだ……?」
八幡「なんですか?」
平塚「お前、さっきから黙って……」
???「あれー? 静ちゃんじゃん!」
平塚「お、男くん!」
ナンパ男「静ちゃん、なにしてんのー?」
平塚「私はその……」
ナンパ男「つーか、この男、誰?」
平塚「彼は私の生徒だよ」
ナンパ男「ふーん」
八幡「……」
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12 : 2016/02/28(日) 16:11:06.34 -
八幡「あーあ。先生をナンパした相手がどんな奴かと思ったら、こんなチャラ男かよー!」
平塚「比企谷!?」
八幡「こんな、木の股を見て発情しそうな男のどこがいいんすか?」
ナンパ男「ああ!?」
八幡「先生、いい身体してるから、それ目的なんじゃないっすか」
平塚「……比企谷」
八幡「やりたいだけなら風俗にでもいけよな。金ねえのか?」
ナンパ男「このクソガキ……! 黙ってりゃ、いい気になり……」
平塚「比企谷、もういい。もういいから」ギュ
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13 : 2016/02/28(日) 16:15:25.41 -
八幡「な、なにすんすか!?」
平塚「相談した私が間違っていた。君はこういうやり方を選んでしまう男だったのに……」
八幡「……なんの話ですか」
平塚「本当にすまない……」ギュウ
八幡「……」
ナンパ男「……」ポカーン
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14 : 2016/02/28(日) 16:21:41.81 -
ナンパ男「なんなんだよ……」
平塚「うちの生徒が失礼なことをしてすまなかった。ほら、比企谷。ちゃんと謝罪するんだ」
八幡「……すみませんでした」
ナンパ男「お、おう……」
平塚「男くん、今度のデートなんだが、急用が入ってしまって行けなくなってしまったんだ。だから、日を変えくれるかな」
ナンパ男「まぁ、いいけど……」
平塚「ありがとう。また連絡するよ」
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15 : 2016/02/28(日) 16:25:13.11 -
オリンピア カフェ
八幡「……さっきはすみませんでした」平塚「彼には誠意をもって謝罪したんだ。それで充分じゃないか」
八幡「でも……」
平塚「いいんだよ。私と彼はどの道うまくいかなかっただろうから。それに比企谷の言ったこと、あながち間違ってないんだ」
八幡「えっ?」
平塚「彼は前のデートで、食事中も私の胸をチラチラ見てはニヤニヤしていたし、あわよくばホテルに連れ込もうとしていたからな。君の言うとおり、身体目的だったんだろうな」
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17 : 2016/02/28(日) 16:28:46.80 -
八幡「相手の思惑に気付いてたのに、どうして次のデートの約束なんてしたんですか……」
平塚「……私を必要としてくれるなら、どんな形でも受け入れてしまおうと思ってしまったんだ」
八幡「……」
平塚「だから、君に感謝しなきゃいけない。もし、次のデートを決行していたら、取り返しのつかないことになっていたかもしれないよ……」
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18 : 2016/02/28(日) 16:30:19.08 -
平塚「今回も君に助けられたよ」
八幡「……も? 俺、前にもなにかしましたか?」
平塚「あ、いや……。そうだ! ラーメン食べに行かないか!?」
八幡「なんですか急に……」
平塚「ダメか?」チロッ
八幡(だから、その上目遣いやめろって……)
八幡「まぁ、いいですけど……」
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19 : 2016/02/28(日) 16:34:41.20 -
移動中
八幡「ラーメン屋行く前に寄りたい店あるんですけど」平塚「どこかね?」
八幡「ここなんですけど」
平塚「お前、からかってるのか!? さっきの店じゃないか!」
八幡「そんなつもりはないですよ。ただ、さっき試着してた服、買ったほうがいいと思って」
平塚「……似合わない服なんていらないよ」
八幡「そんなことなかったですけどね」
平塚「えっ?」
八幡「似合ってましたよ。……正直、可愛かったです」
平塚「……か、買う! 私、何着でも買うぞ!」
八幡「いや、同じ服を何着も持ってても仕方ないでしょう」
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20 : 2016/02/28(日) 16:36:54.43 -
平塚「買ってきたぞ!」
八幡「遅かったすね。……えっ?」
平塚「早速、着てみたんだけど、どうかな……?」
八幡「……いいんじゃないですかね」プイッ
???「あれー? 比企谷くんだー!」
平塚「……陽乃?」
陽乃「静ちゃんも一緒なんだ? って、比企谷くん、どうしたのー? 顔真っ赤じゃん」
八幡「そ、そんなことないっすよ!」
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21 : 2016/02/28(日) 16:43:02.84 -
平塚「なにしてるんだこんなところで?」
陽乃「んーと、ここに来れば比企谷くんと会えそうな気がしたんだよねー」
八幡「あー、そうっすか」
陽乃「信じてないでしょ? 酷いなぁ。私の比企谷くんレーダーは高精度なのに!」
八幡「確かに。盗聴機とか発信器仕込まれてんじゃないかってくらい、遭遇しますね」
陽乃「やだなー。まだしてないよ」
八幡「まだってなんだ。まだって」
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22 : 2016/02/28(日) 16:44:21.76 -
陽乃「静ちゃんこそ、そんなおめかししてどうしたのー?」
平塚「こ、これはな……」
陽乃「ああ、ごめん。デートに決まってるよね」
平塚「ち、違う! 私達はただ出くわしただけだ!」
陽乃「違うんだ? 私はてっきり、この間の話があったから勘違いしちゃったよ」
平塚「この間?」
陽乃「ほら、二人で飲みに行った時に静ちゃん言ってたじゃん。酔っぱらってたから忘れちゃったかもだけど」
平塚「なんの話だ?」
陽乃「んとね。大学生にナンパされたときに、寂しさのあまり身体を許しそうになったけど、比企谷くんの顔が浮かんで、出来なかったって言ってたよ」
八幡「えっ」
平塚「う、うわ……!」カァァ
陽乃「それってつまり、静ちゃんは比企谷くんのことが……」
平塚「や、やめろー!!」
END
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