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1 : 2014/01/05(日) 19:12:50.19 -
奇妙な夢を見た。
そこは現実とよく似た世界で、俺はそれを俯瞰的に眺めていた。
現実と同じように765プロがあって、プロデューサーがいて、アイドル達がいて……
だがしかし、そこはある一点で現実と真逆だった。
『性別』だ。
夢の中ではプロデューサーは女性だった。そしてアイドル達は皆、男だった。
どうやら世間的にも男性アイドルの方がメジャーな世界らしい。
そんな中でも変わらずに、皆と女性プロデューサーはトップアイドルを目指していた。
まるで別の世界だ。そう思った辺りで、目が覚めた……
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1388916770
ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388916770/
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2 : 2014/01/05(日) 19:13:38.35 -
女P「ん……朝か……ふわぁ」女P(変な夢だったなあ……俺が女で、皆が男で……)
女P(……あれ)
女P(俺、まだ夢見ているのかな)
女P(体が女だ。部屋も殺風景ではあるが女の部屋だし)
女P(ああ、あれか。明晰夢という奴か)
女P(こんなにリアリティのあるもんだな、夢って。
でも現実味はない、と……うん、これは夢だな)女P(面白そうだし、このまま夢を探検してみるか)
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3 : 2014/01/05(日) 19:16:50.03 -
女P「まず顔洗って……お、わりと美人かな? アイドル達ほどじゃないが。
身長は貴音よりちょい小さいくらいで、髪は黒のセミロング……胸は……
うん、重いなーとは思っていたが、美希くらいある。すごい違和感だ……」むにゅっ女P「うう、くすぐったいような……変な感触だ……
いつもなら反応する下半身のプロデューサーもないし……
わかってはいたけど女体なんだな……なんていうか、恥ずかしい」かぁっ女P「次に着替えだが……夢でさらに自分の体とはいえ、裸には抵抗あるな……ええいままよ!」バサッ
女P「わっ……ショーツってこんなにピッチリしてんのか」
女P「ブラの着け方なんてわかんないぞ。だが着けないとダメだよな……えーと、こんな感じか?」
女P「スカートって足が見えるのがすごく不安なんだな……」
女P「あとは化粧だが……これは本当に手探りだな。
一応前に見たメイクさんの作業を真似て、っと……」女P「では、出勤!」
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4 : 2014/01/05(日) 19:27:13.71 -
§765プロ
女P「おはようございまーす」ガチャ
鳳「あ、おはようございます、プロデューサーさん」
女P(音無鳳。読みは『おおとり』。なんだかすごい名前になってるけど音無さんです。
体格は男としては小柄な方で、性格はあまり変わらず。ルックスもイケメンだ)鳳「今日はちょっと遅かったですね、どうかしましたか?」
女P「いや、ちょっと朝の準備に手間取っちゃって……」
鳳「ああ、女性は何かと大変らしいですね」
女P「え、ええまあ……あはは」
-
5 : 2014/01/05(日) 19:28:30.84 -
春馬「あ、プロデューサーさん」女P「ああ春馬、おはよう」
春馬「はい、おはようございます!」
女P(天海春馬。顔がよくて背が高い、普通にイケメンだな。
リボンを着けてないからか元が春香だってわかり辛いが)春馬「ねえねえ聞いてくださいプロデューサーさん!
僕、今日は一回も転ばずにここまで来れたんですよ!」女P「お、そうか……もとい、そうなんだ。よかったね」
春馬「はいっ! 信号も青続きだったし、今日は
なんだかいいことが起きそう……って、うわぁ!?」女P「は、春馬!?」
どんがらがっしゃーん
女P「い、いたた……」
春馬「うぅ……す、すいませんプロデュー……あっ!?」
女P(……!? ちょ、この体勢……春馬が俺に馬乗りに……! ご丁寧に手は胸に添えられてるし……)
春馬「す、すいません! すぐにどきますっ!」
女P(まさか自分がラッキースケベされる側になるとは。複雑この上ない)
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6 : 2014/01/05(日) 19:29:31.56 -
千隼「春馬、プロデューサー、大丈夫ですか?」女P「あ、ああ。まあ……ね」
千隼「調子に乗るからだ、春馬」
春馬「ご、ごめんね千隼君……あはは」
女P(如月千隼。読みは『ちはや』のままだ。クール系で高身長、
妹のことを除けばコンプレックスも特にない……胸板薄いけど)千隼「……どうしました? 俺の胸が何か?」
女P「いや、なんでもないよ」
千隼「?」
-
7 : 2014/01/05(日) 19:31:51.95 -
真「おはようございまーっす!」雪之丞「おはようございます」
春馬「お、真、雪之丞、おはよう」
P(菊地真と萩原雪之丞。真は案の定というべきか見た目も中身もほとんど変わりない。
雪之丞も名前こそずいぶん男らしいが本質的にはあまり変化なし。
ただ2人とも性への向き合い方が逆なんだよな。かたや王子様に憧れ、かたや女性恐怖症)真「……あーあ」
女P「ん? 真、どうかした?」
真「いや、春馬や千隼は背が高くてかっこよくて、いいなーって。
僕、男の子なのに女の子みたいな扱いされるの、なんとかなりませんか?」雪之丞「僕は今の真君も、かわいくていいかな……えへへ」
女P「うーん、真はかっこいい系よりもかわいい系の方が売れるからね」
真「実際そうなのが悔しいんですよね……ハァ」
女P(この世界のアイドルファンは求める性別が逆らしいからな。
でもファンはちゃんと女性ファンだからまだましだろう、男子の真よ。
これが男性ファンばかりだったらと思うと……小鳥さんしか喜ばんぞ)
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8 : 2014/01/05(日) 19:33:55.81 -
弥生「うっうー! おはようございまーす!」
伊織「おはようみんな! スーパーアイドル水瀬伊織様のお通りだぜ」
鳳「おはよう弥生君、伊織君。今日も仲がいいねー」
女P(高槻弥生に水瀬伊織。この2人も名前に変化なしといっていいかな。
2人とも背は少し高くなっているくらいで小柄、と)伊織「むっ、おいプロデューサー! この伊織様に挨拶もないのか?」
女P「ああごめんね、おはよう2人とも」
伊織「まったく。まあ特別に許してやらないこともないぜ」
女P(悪いが伊織、男だと可愛げがなくてウザいだけだぞ)
弥生「もー伊織君! プロデューサーにそんなこと言っちゃダメだよー!」
女P(弥生はかわいいなあ)
-
9 : 2014/01/05(日) 19:35:38.89 -
亜実斗「へいへ→い!」バーン
真実斗「アイドル諸君、おっはよ→!」バーン
真「あ、おはよう2人共」
女P(双海真実斗・亜実斗。最近ずいぶん背が高くなってきて、
かわいい系からかっこいい系になりつつある2人だ。まあまだ御手洗翔太くらいだが)亜実斗「おやおや姉ちゃん? なーに亜実斗達をジロジロ見てるのかな→?」
真実斗「カッコイ→真実斗達に惚れちゃった? んっふっふ~」
女P「それは絶対にないから安心して」
真実斗「えっ……」
女P(だって俺男だし)
真実斗「…………」ぐすっ
亜実斗(ま、真実斗……)
-
10 : 2014/01/05(日) 19:36:52.01 -
響「はいさーい!」ガチャ貴史「皆、おはようございます」
女P「おはよう。響に貴……史」
鳳(なぜ『史』のところで詰まったのかしら)
女P(我那覇響に四条貴史。765プロ屈指のイケメン系コンビだ。
色黒長身細マッチョとワイルドな響と色白長身銀髪スレンダーな貴史。
この2人は口調にもあまり変化はないから少しはやりやすいな)響「ほら、ハム美もおはようって!」
ハム美「ジュイ」
貴史「雪之丞、今日はいぬ蔵殿も一緒です。ご注意を」
雪之丞「ひっ」
響「どうぶつワールドの収録があるからな。
事務所の外で待ってもらってるからなんくるないさー」女P(ペットの生物も逆なのな、この世界)
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11 : 2014/01/05(日) 19:38:08.71 -
梓「おはようございますー」がちゃ
律雄「梓さんを早めに発見できてよかった……」
真実斗「りっちゃん、梓お兄ちゃん、おはよ→」
女P(三浦梓、秋月律雄。梓ってのは少し女っぽい名前かな?
梓さんは長身でかっこいいがやっぱり天然。そう思うとかわいくも見えるから不思議だ。
律雄は比較的小柄だな。バリバリ仕事ができそうだがそれでいてかわいげのある容姿をしている。
ちなみにいとこの秋月涼は876プロで男性アイドルをやっているそうだ)梓「すみません、また迷ってしまって」
律雄「まあこうして来れたからいいですよ。
おーい、伊織、亜実斗、打ち合わせするぞー」亜実斗「はいはーい」
伊織「わかってるっての」
女P(そういやこの世界の竜宮小町にあたるユニットの名前はなんていうんだろう。後で確認しておこうかな)
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13 : 2014/01/05(日) 19:39:41.57 -
春馬「あれ? 今日、光希遅いな」
女P(光希……美希のことか)
梓「おや、そういえば……」
真「言われてみればそうだね」
律雄「鳳さん、何か連絡来てますか?」
鳳「いえ……どうしたんだろ」
千隼「またサボりなのか。でも最近はちゃんとやってたはずだけど……」
貴史「寝過ごしたということはないのでしょうか」
伊織「かけてみたけど、電話にも出ないぞ」
律雄「まったく、あいつと来たら……プロデューサー、お願いできます?」
女P「ん、ああ。しょうがない、星井家に行ってみますか」
雪之丞「家に……」
伊織(……プロデューサーを呼び寄せるための狂言じゃないだろうな)
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14 : 2014/01/05(日) 19:41:51.47 -
§星井家
奈緒也「すみません、プロデューサーさんにわざわざご足労いただいて」
女P「いえ、気にしないでください。アイドルのモチベーション管理も仕事の内ですから」
奈緒也「光希なんですけど、なんだか今朝から調子がおかしかったんですよ」
女P「ふむ」
奈緒也「起き抜けに騒いでいたかと思えば、部屋に閉じこもったっきりで……」
女P「なるほど。とりあえず本人に会ってみますね」
奈緒也「はい」
女p(男から女アイドルだと問題あるが、女から男アイドルだと
それほど抵抗ないからやり易いな……いやしかし男版美希だ。
まさか襲われたりはしないだろうな? まあ『まさか』だが)
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15 : 2014/01/05(日) 19:43:59.44 -
§光希の部屋の前
女P「光希?」コンコン
ドア『…………』
女P「俺……私だよ、プロデューサー。開けて」
ドア『……や!』
女P「今日も仕事あるんだよ? わがまま言わないで、ほら」
ドア『知らないの。もうどうでもいいの』
女P(あれ? 光希は『だよ』が口癖だった気がするが……まあいいか。
えーと、この世界での出来事は知らんが多分同じことが起きてるはずだから、と)ドア『…………』
女P「光希、がんばってキラキラ輝くんでしょ? 私と約束したじゃないか」
ドア『あなたと約束なんてしてないの』
女P(おっと……失敗したか。ひょっとして光希は美希とは少し違うのか?)
ドア『……何もかもどーでもいいの』
-
16 : 2014/01/05(日) 19:45:17.70 -
女P「そんなこと言わない。私も事務所のみんなもファンも、光希を待って……」ドア『黙って! あなたには何もわからないの!』
女P「何もって……私は、光希のプロデューサーだよ?」
ドア『違うの。あなたなんてプロデューサーじゃないの。
ミキにとってのプロデューサーは、ハニーだけなの!』女P「……え?」
ドア『ハニーがいない世界なんて……』
女P「ちょ、ちょっと待って、いや待て!
お前今、『ミキ』って言わなかったか?」ドア『……そうだよ。ミキはミキなの』
女P「光希じゃなくて……美希なのか!? 本当に?
なあ美希、俺だ! プロデューサーだよ!」ドア『え?』
女P「体は女だけど俺だよ、美希! 朝起きたらこうなってて……」
ドア『ハニー……? 本当に、ハニーなの?』
女P「とりあえず部屋に入れてくれ。色々と2人だけで話したい」
ドア『わかったの!』
がちゃっ
女P「美希……わぷっ」
光希「ハニーッ!」だきっ
女P「み、美希……苦しい、苦しいって」
光希「ううっ、会えて嬉しいの! もう会えないかと思ってたの!」
女P「わ、わかったから離れてくれ。男のパワーで抱きつかれるのはキツい」
光希「なの!」
-
17 : 2014/01/05(日) 19:46:42.07 -
§光希の部屋
女P(星井光希。響・貴史とユニットを組んでいたこともあってイケメン系だ。
金髪は変わらずで男にしてはやや長め。ぶっちゃけ少しチャライが、
15歳に似つかわしくない長身と筋肉というのはやはり美希らしいな)光希「……という訳なの」
女P「なるほど。変な夢を見て、起きたらこうなってた……と」
光希「はいなの」
女P「俺と同じだな。ってことはこれは夢じゃないのか……
まあ夢にしては違和感あったけど、夢であって欲しかったなぁ」光希「ミキ的には、ハニーがいるならなんでもオッケーっ思うな!」
女P「いやいやよくないって……ハァ。さて、これからどうするかなあ」
光希「ミキ的には、かわいいハニーを愛でたいってカンジ。ハニーすっごくかわいいの」
女P「か、かわいいとか言わないでくれ……俺は、男だぞ」
光希「あはっ☆ ハニー、顔真っ赤だよ?」
女P「恥ずかしいの! お前らと違ってかわいいとか言われ慣れてないから!」
光希「怒ったハニーもかわいいの」
女P「かわいい言うな! かわいい禁止!」
光希「ぶぅ」
女P「ていうか男がその仕草はどうかと思うぞ」
-
18 : 2014/01/05(日) 19:50:00.00 -
§光希の部屋
女P(星井光希。響・貴史とユニットを組んでいたこともあってイケメン系だ。
金髪は変わらずで男にしてはやや長め。ぶっちゃけ少しチャライが、
15歳に似つかわしくない長身と筋肉というのはやはり美希らしいな)光希「……という訳なの」
女P「なるほど。変な夢を見て、起きたらこうなってた……と」
光希「はいなの」
女P「俺と同じだな。ってことはこれは夢じゃないのか……
まあ夢にしては違和感あったけど、夢であって欲しかったなぁ」光希「ミキ的には、ハニーがいるならなんでもオッケーっ思うな!」
女P「いやいやよくないって……ハァ。さて、これからどうするかなあ」
光希「ミキ的には、かわいいハニーを愛でたいってカンジ。ハニーすっごくかわいいの」
女P「か、かわいいとか言わないでくれ……俺は、男だぞ」
光希「あはっ☆ ハニー、顔真っ赤だよ?」
女P「恥ずかしいの! お前らと違ってかわいいとか言われ慣れてないから!」
光希「怒ったハニーもかわいいの」
女P「かわいい言うな! かわいい禁止!」
光希「ぶぅ」
女P「ていうか男がその仕草はどうかと思うぞ」
-
19 : 2014/01/05(日) 19:53:43.59 -
女P「ハァ……とりあえず美希、仕事できるか? 光希としてだが」
光希「うーん、ミキ的には男の子のアイドルも面白そうだし、大丈夫だと思うよ?」
女P「問題は口調だよなあ。光希の一人称は『俺』だし、語尾は『だよ』だ」
光希「えーっと……俺は光希、だよ。アイドルやってる、よ」
女P「そんな感じだろうな。うん、幸い今日はレッスンと雑誌の取材。
さしたる問題はないし、明日までに慣れればいいか」光希「そうだ、ハニーも練習しないとね!」
女P「へ、俺?」
光希「うん。ハニー、今は女の子なんだから、そんな俺とか言ってちゃダメなの」
女P「いや、そりゃあ人前では変えるよ。お前とだって最初は女言葉だったろ?」
光希「言葉っていうか、ハニーは色々とダメなの。ダメダメなの。リボンのない春香くらいにダメなの」
女P「失礼だなお前。説得力あるけど」
-
20 : 2014/01/05(日) 19:59:46.60 -
女P「で、どこがダメなんだ? 個人的にはうまくやれてると思ってたが……」
光希「化粧が雑なの」
女P「うっ」
光希「女の子はあぐらで座ったりしないの」
女P「あっ……つい」
光希「スカートの中丸見えだったよ? あはっ☆」
女P「えっ!?」さっ
光希「眼福眼福なの」
女P「な、なぜ言わない!」
光希「恥ずかしがってるハニーが見たかったからだよ?」
女P「~~~~っ!!」
光希「はい、怒らない怒らない。とにかくハニーも要練習なの」
女P「はぁっ……わかったよ。これ以上恥をさらさないためにもな」
光希「ッ!! やっぱりやめるの! ハニーはハニーのままが一番って思うな!」
女P「ああ、俺もあまり女らしくはしたくないな。だが断る」
光希「ぶぅっ! ハニーったらやっぱりつれないの!」
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21 : 2014/01/05(日) 20:01:32.17 -
光希「はぁっ……でも、ハニーに会えて本当によかったの」
女P「そうだな。俺も美希に会えてよかったよ。1人だったらもっと不安だったろうな」
光希「ミキなんて、死んじゃおうかなって思ってたの」
女P「えっ!?」
光希「朝起きて、自分が男の子になってることに気付いて……それも驚いたけど、
お姉ちゃんがお兄ちゃんになってて、だけどお兄ちゃん自信は普通だったから気付いたの。
ミキ、違う世界に来ちゃったんだ、って」女P「…………」
光希「それですぐ、ハニーもお兄ちゃんみたいになってるんだって思って……
すっごくショックだったの。ハニーのいない世界なんて考えられなかったの……」女P「美希……」
光希「だけど、ハニーはハニーだったの。ちゃんとミキを迎えに来てくれたの!」
女P「……うん。俺はお前のプロデューサーで、お前は俺の大事なアイドルだからな」
光希「うんっ!」
-
22 : 2014/01/05(日) 20:03:46.99 -
光希「ミキ、やっぱりハニーが大好きなのー!」だきっ
女P「わっ、ちょっと美希……まあ少しくらいはいいか」
光希「おっきくてかっこいいハニーもいいけど、ちっちゃくてかわいいハニーもいいの~♪」なでなで
女P「こ、こら! 頭を撫でるな! かわいい禁止!」
光希「でもハニー、女の子のミキに負けないくらいかわいいよ? おっぱいも大きいし」むにゅっ
女P「ひゃあっ!?」
光希「あはっ☆ かわいい声な……あれっ?」
女P「ど、どうした? ていうか胸を揉むなぁ!」
光希「なんだろ……なんかミキ、むずむずするの。落ち着かないってカンジ?」
女P「……ん? なんだ、まさか病気か?」
光希「うーん、なんていうか、これは……」
女P「これは?」
光希「……すっごく、ハニーを愛したいの」
女P「はっ?」
光希「……うん……ねえ、ハニー……」
-
23 : 2014/01/05(日) 20:05:09.42 -
光希「ハニー。ミキ、前に……女の子の時に、言ったよね」
女P「前に……? 何を」
光希「ミキが結婚できるまで待てないから、きせーじじつを作っちゃおう、って」
女P「ん、ああ。そういえば言っていたような……」
光希「女の子だったミキは、ハニーを押し倒してムリヤリ……ってのはできなかったの」
女P「お、おい、美希? さっきから……何を?」
光希「でも今は違うの。こんなちっちゃくてかわいいハニーなら……」
がばっ
女P「わっ!?」
光希「ほら。こんな簡単に、押し倒せる」
女P「み、美希……? 冗談、だよな?」
光希「ミキ、もう我慢できないの……ズボンが破けちゃいそうなの……
男の子って、こんなに『好き』って気持ちが強いんだね……」女P(……! 男の性衝動に慣れてなくて、抑えられないのか!?)
-
24 : 2014/01/05(日) 20:06:45.92 -
女P「や、やめろ美希! こんなことっ……!」ぐっぐっ
光希「無理だよハニー。男の子のミキはけっこう力が強いの。今のハニーじゃ勝てないよ?」
女P「くっ……!」
光希「大丈夫。ミキ、優しくしてあげるから……」
女P「ひっ……」
光希「いや……俺が、幸せにしてあげるよ。ハニー」
女P「み、美希……やめろ、やめてくれ!」
光希「本当にかわいいよハニー。愛してる」
女P「ううっ……美希ぃ……」うるっ
光希「っ!」
-
25 : 2014/01/05(日) 20:08:08.46 -
女P「やめて……怖いよ、美希……ぽろっ
光希「……!」
女P「お願い、やめて美希……俺、俺ぇ……」ぽろっぽろっ
光希「…………」
女P「助けて……こんなのやだよぉ……怖いよぉ……」
光希「ハニー……」
女P「ひぐっ、えぐ……う、うわああああああああん!」
光希「ハ……ハニー……」
-
26 : 2014/01/05(日) 20:10:25.59 -
§数分後
女P「うええん……うぐっ、えぐっ……」
光希「ごめんね、ごめんねハニー。本当に、ごめんね……」
女P「はぁー、はぁーっ……ぐすっ」
光希「ハニーに酷いことしたの……ごめんなさい……」
女P「い、いや……いいんだ、美希。こらえられなくなっただけなんだろ?
俺も男だからわかるよ。ちゃんと、ギリギリでやめてくれたし、さ……」ぐすっ光希「それでも、ごめんなさいなの……」
女P「なんていうか俺も……本当に女子みたいに泣いちゃったな。
大丈夫だよ美希。もう平気だ。ほら、美希は笑ってないと……な?」光希「はいなの……本当にごめん、ハニー」
女P「ま、もうしないようにな。無理にこんなことしたら、俺も美希も困るんだからさ」
光希「うん」
-
27 : 2014/01/05(日) 20:13:18.52 -
女P「さて美希、これから……」プルルルルルル プルルルルルル
女P「あ、電話……律雄からだ」
光希「律雄?」
女P「男版律子だよ。もしもし律雄?」
律雄『プロデューサー。けっこう時間経ちましたけど……光希はどうですか?』
女P「うん、問題ないよ。ちょっと気持ちが沈んじゃってただけ。すぐに仕事に連れてく」
律雄『そうですか、ありがとうございます』
光希「律……雄さん! 俺は大丈夫だよ!」
律雄『光希? 口ごもる場所がおかしいような……まあいいか、光希は後で説教だな。
とりあえずプロデューサー、そのまま直接雑誌の取材の方に向かってください』女P「ああ、了解」
律雄『それじゃ……って、ちょっと待ってくださいプロデューサー。
ずいぶん光希が近いようですけど、どこで話しているんですか?』女P「光希の部屋だけど……」
律雄『ちょっ、何やってるんですか!? 仮にも年頃の女性が、
未成年とはいえ男の部屋にのこのこ上がらないでくださいよ!』女P「は、はは……まあそうだな」
光希(前科アリの美希には何もいえないけど、これきっと男版律子の嫉妬なの。
やっぱり、こっちの世界でもハニーは罪な人なの……)
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28 : 2014/01/05(日) 20:13:59.73 -
女P「ふぅっ……さて美希、切り替えて仕事行くぞ」
光希「はいなの!」
女P「外では『なの』を出すなよ?」
光希「はいだよ!」
女P「それもなんか変だよなあ。まあ、おいおい整えていくかな」
光希「そうだね。でもミキ天才だからなんとかなるって思うな」
女P「自分で言うな自分で」
光希「てへっ」
女P「悪いが男にてへぺろされても気持ち悪いだけだ」
光希「ガーンなの」
-
29 : 2014/01/05(日) 20:15:32.29 -
こうして、俺達の異世界生活は幕を開けた。
まだまだ不安だらけだが……とにかく、俺は俺がやるべきことをやる。
世界が変わっても俺はプロデューサー。アイドルをプロデュースするのが仕事だ。
男アイドルの売り出し方も、女の生活もわからないが……
できれば元の世界に戻ることを期待しつつ、がんばるとしますか。
ただ……正直言って、少しだけ男性恐怖症になってしまった。
女の視線で見ると男って怖い。雪歩の気持ちがよくわかる。
男の力なら、その気になればいつでも自分を犯せると思うと……
幸いそこまで酷くはないのでアイドル達とは普通に接せられるが……
まあ、悩んでもちかたない。やるしかないよな。目指せ、トップアイドル!
-
30 : 2014/01/05(日) 20:17:54.52 -
一応、ひとまずこれで一区切りです。
初SSだったので何かと拙い点はあったと思いますが悪しからず。
時間が出来たら続きを書くかもしれません。余談ですが、TS系は女体化男子が涙目になるシチュが大好きです。
「俺、男なのに」とか「女の力じゃ抵抗できない!」とかすっごくゾクゾクします。 -
40 : 2014/01/31(金) 22:54:16.92 -
只今続き製作中、しばしお待ちを。
ところで腐向け展開というか男体化アイドル達の絡みって需要あるのかな。
個人的には「男なのに女になってあわわ」ってのが好みなんだけど。 -
44 : 2014/02/08(土) 14:56:51.04 -
§3日後
女P(……もう3日目か)
雪之丞「鳳さん、お茶です」
鳳「ん、ありがとう雪之丞君」
女P(寝て起きれば元通り、って密かに期待してたんだけどなあ)
春馬「雪之丞ー、こっちもおねがーい」
千隼「この歌詞は……こうだな……」
女P「まさか、起きてそのまま出社することになるとは」
雪之丞「!?」
鳳「!?」
春馬「!?」
千隼「!?」
女P「……あ、あれ? みんなどうかした? というか声に出てた?」
鳳「ぷ、プロデューサーさん!? 今のどういう意味ですか!?」
春馬(お、起きてそのままって……!?)
千隼(それってつまり……)かあっ
雪之丞(プ、プロデューサー……!?)
女P「いや別になんでもないですよ。えーとほら、私今日
髪とか適当でしょう? 寝坊しちゃって……そういう意味ですよ」鳳「な、なんだ……私はてっきり、男の家に……」
女P「は?」
鳳「な、なんでもありません!」
女P「?」
春馬&千隼&雪之丞(ほっ……)
-
45 : 2014/02/08(土) 14:58:11.13 -
女P「……うーん」律雄「プロデューサー? どうしたんですか、スケジュール表見て渋い顔をして」
女P「いや、なんでもないよ。うん」
律雄「そうですか? 何かあったら相談してくださいね」
女P(相談っていっても……信じてもらえないだろなあ。
あなたの目の前にいるのは異世界の住人です、なんて)光希「ハニー? どうかした?」
女P「あ、光希。いやな……光希のテレビ収録があるな、と思って」
光希「あったっけ?」
女P「自分のスケジュールくらい把握しておきなさい。ほらこれ」
光希「ああ、やよいと真くんとのヤツだね」
女P「おい、弥生と真だ……ってこの2人の名前はほぼ同じか」
-
46 : 2014/02/08(土) 15:00:27.59 -
女P「とにかく光希、いよいよ男性アイドルとして本格的な活動だよ。気をつけてね」
光希「大丈夫だよハニー。心配することないよ、俺に任せてよ」
女P「お、おう」
光希「こらハニー、『ええ』だろ?」
女P「え、ええ。わかってるよ」
光希「ハニーこそ気をつけるんだよ? けっこう間違ってるよ」
女P「う……うん。気をつける」
光希「さっきからなんだか変だよハニー? どうしたの?」ずいっ
女P「ひっ!?」びくっ
光希「あっ……ご、ごめんハニー。やっぱり、まだ……?」
女P「う、うん……美希だってわかってても、男の口調で急に近づかれると……ちょっとだけ、ね」
光希「ごめんなさいハニー……」
女P「まあくよくよしたってしょうがない。美希はもう気にしないで。別にそこまで怖いわけじゃ……」
光希「ホントか?」ずいっ
女P「ふぇぅっ!?」びくぅ
光希「あはっ☆ 正直に言うとね、泣きべそ顔のハニーもいいって思うの」
女P「前言撤回。深く反省しなさい。そして金輪際俺に近づくな」
光希「大変申し訳ございませんでしたなの」
-
47 : 2014/02/08(土) 15:01:24.22 -
§テレビ局
真「プロデューサー、今日はどんな番組なんですか?」すたすた
女P「新幹少年TVよ。スポーツ系の競技がメインで、合間に一応歌も入る。
今回は特番で何人かアイドル達が集まって競い合うらしい。少しハードかもね」すたすた弥生「じゃあ私達以外にも色んな人が来ているんですね? うっうー、少し緊張します……」とことこ
女P「なに、お前らだってもう高ランクアイドルなんだから臆することないさ」
光希「それでハニー、どんな人が来てる……んだ?」
女P「それまだわからない。今からスタッフに確認しようと思って……」
真「あっ! プロデューサー、あの子!」
???「あっ、765プロ!」
女P「ん?」
-
48 : 2014/02/08(土) 15:02:26.79 -
女P(おや美少女)
???「久しぶりね765プロ。相変わらずよく目に付く奴らだよ」
女P「んー? えーと……ごめん、君と会ったことあったっけ?」
???「ちょ、ちょっと! 名前間違えるのはともかく、忘れるってのは何!?」
真「プロデューサー、流石にそれは失礼ですよ」
女P「え、えっと? ごめん、改めて自己紹介してもらえるかな?」
???「あーもう、なんなの……私は天ヶ瀬冬香! ジュピターのリーダー!」
女P「天ヶ瀬……ああ、なるほどな。思い出した思い出した」
冬香「あんた私をおちょくってんの? まったく……」
-
49 : 2014/02/08(土) 15:03:56.76 -
南「チャオ☆ ナイト君達」
翔子「今日はよろしくねー」
弥生「うっうー! 冬香さん、南さん、翔子ちゃん、よろしくお願いしまーす!」ガルーン
翔子「あは、弥生君はかわいいねー」
南「だけど私にとってはやっぱりあなたが一番のナイトよ、真君☆」
真「は、はは……どうも」
冬香「南、まだ諦めてなかったの……」
女P(女版ジュピターって訳か。冬香は春香と同じくらいの背のキュート系。
南は金髪長身巨乳美女。翔子は緑髪小柄ロリ……流石はジュピター、全員申し分のない美少女だ)光希(むぅ……ハニー、女の子を見る目してるの)
-
50 : 2014/02/08(土) 15:04:30.10 -
冬香「ひょっとしてあんたらも新幹少年TVに?」
女P「ああ、うん。ジュピターも?」
冬香「ええ。といってもメインゲストはそっちらしいね」
女P「そうなのか?」
冬香「今回はスポーツ大会、女アイドルの私達はお飾りで呼ばれたんでしょうよ。
悔しいけど、まだまだジュピターはあんたらに追いつけちゃいないね……」南「そうね。これでもけっこうがんばってはいるんだけど」
翔子「やっぱり難しいよ。961プロを辞めちゃったからねー」
女P(こっちのジュピターもそうなんだな……どっちの世界でも性別以外はほぼ変わりなし、か)
冬香「けどまあ、黒井の姉さんなんか関係ない。私らは私らの実力で……」
黒井「おやおや? 私が、どうかしたかしら」
女P「あっ……!」
-
51 : 2014/02/08(土) 15:07:15.60 -
冬香「……!」
南「黒井社長」
黒井「テレビ局の廊下でたむろしてこの黒井崇子の通行を妨げる下賤な輩がいると思ったら……
765プロの下劣低俗弱小アイドル共と、ジュピターじゃない。底辺同士仲良くお話のようねぇ?」真「むっ! そんな言い方はないじゃないですか!」
女P(そういやこの人もいたなあ……相変わらず黒くてよくわからないが、
とりあえずスーツ姿の長身の女性だな。髪もそれなりに長い、と)黒井「あーあー騒ぐんじゃない! 765プロの貧乏臭さが移ってしまうわ!」
真「なにを!?」
光希「おばさん、いきなり出てきて何か用?」
黒井「おばっ!?」
女P「お、おいおいみ……つき」
南「光希君、いくらなんでもそれはちょっと……」
黒井「み、光希君……女性に対していきなりそれはどうかと思うわよ……?」ぴくぴく
翔子「どうどうクロちゃん」
光希「?」
真(これで悪意がないのが恐ろしいよなあ)
-
52 : 2014/02/08(土) 15:08:25.18 -
女P「それで黒井社長、俺らに何か用ですか?」
冬香「俺?」
女P「あ、いや、私達に何か用ですか?」
黒井「あぁん? それが人にものを尋ねる態度なのかしら? 貴様ら貧乏事務所の輩が
セレブであるこの私に何かを聞く時は、姿勢を正し気を引き締めてこう言う!
『大変失礼ですが黒井崇子様、この先のご予定はどうなされるんですか?』と!」女P「……はぁ。『大変失礼ですが黒井崇子様、この先のご予定はどうなされるんですか?』」
黒井「ウィ。無論、セレブな私はあくせく働いたりせずこの後も優雅に観光よ」
女P「つまり営業ですね」
黒井「ち、違うわ! ま、今は通行の邪魔を取り除くついでに765プロの間抜け面を拝んで楽しむ……
セレブに例えるならばフレンチのフルコースの前菜ね。貧乏アイドルには無縁の長物でしょうけど!」光希「それだけでミ……俺達に話しかけてきたの? 迷惑なおばさんだよ」
黒井「ええいおばさんと言うんじゃないわ! これでも髪お肌その他諸々気を使ってるのよ!」
女P(そういえば黒井社長は男でも肌が云々言ってたな。
だけどそんなに黒くちゃあまり関係ないと思うんだが)冬香(……俺、ねえ)
-
53 : 2014/02/08(土) 15:09:32.44 -
冬香「ところで黒井の姉さん、私らが抜けて961プロは大丈夫なの?
最近あまり名前を聞かないけど」黒井「フン! 貴様らに心配されるまでもないわ。我が961プロは総資産9億6100万の大企業!
765プロや今貴様らが所属する貧弱プロダクションなどとは足の指の爪の先にも及ばないのよ?
せいぜい束の間の夢を見ているがいいわ。今に! この芸能界は、再びノワールに染まる!」弥生「黒井社長、ノワールってなんですか?」
黒井「んん~? 765プロは教育もろくにやってないみたいねぇ? ノワールとはフランス語で黒の意味よ。
ち・な・み・に! 私は優しいから教えてあげるけど、ドイツ語ではシュヴァルツ、イタリア語ではネーロ、
スペイン語では……」光希「別に聞いてないよ。俺的には、1人で喋りまくってるのはどうかなってカンジ」
黒井「ぐっ! え、ええい765プロ! 自分のとこのアイドルの教育くらいきちんとやりなさい!」
女P「あ、はい、まあ、すみません」
弥生「黒井社長、勉強になりました! ありがとうございます!」ガルーン
黒井「ふふん、弥生君は少しは礼儀がわかってるようね」
女P(そう思うなら食費援助してやってください……ってのはダメか、流石に)
-
54 : 2014/02/08(土) 15:10:51.09 -
黒井「おっとついつい口の減らない765プロの貧弱アイドル共に乗せられて
余計な時間を使ってしまったわ。私は貴様らと違って忙しい上に、
スケジュール通り行動するオ・ト・ナだから、これで失礼させてもらうわ。アデュー!」スタスタ冬香「……結局なんだったんだ、あの人は」
翔子「クロちゃんはいつでもクロちゃんだよねー」
真「うーん、相変わらずちょっとイラっとくるなあ」
光希「あ、怒っている真君もかっこいいの!」
真「えっ? かっこいい?」
光希「……あっ」
女P(バ、バカ! 光希からこっちの真には『かわいい』だろ!)
真「へへっ、ねえ光希、それ本当? ようやく僕も……」
南「そうね、真君はすごくかっこいいわ。流石は私のナイトね。
ところで今度デートしない? いいお店知ってるのよ」真「み、南ちゃん……ごめん、遠慮しとく」
南「そう? それは残念ね」
翔子「あ、765プロのみんな、そろそろ時間だよ」
女P「え、ああ、そう……ね。それじゃ一緒に行きましょうか」
弥生「はいっ!」
冬香「フン、相変わらず甘いね765プロ。私達は敵同士、一緒に仲良くなんて……」
翔子「あはは、冬香ちゃんツンデレー♪」
冬香「ツン……!? そ、そんなんじゃないって!」
女P(……南のおかげでなんとか誤魔化せたか)ひそひそ
光希(ラッキーだったね……でも真君をかわいいなんて、光希君はセンスないって思うな)ひそひそ
女P(お前はもう少し反省しなさい)ひそひそ
-
55 : 2014/02/08(土) 15:11:43.03 -
§打ち合わせ終了
女P「ふむ。ジュピターの他の参加者はあまり接点がなかったな」
真「プロデューサー、僕、南ちゃんとのぞむ君に挟まれてツライんですけど……」
女P「我慢しなさい。本番中は彼らも自重するだろうし」
光希「真くん、モテモテだな」
真「光希に言われたくないかなあ。光希の方がかっこいいし、モテるでしょ?」
光希(真くんの方がかっこいいに決まってるの……って言いたいけど、ここはガマンなの)ぐぐっ
女P「しかし改めて企画を見ると中々本格的な競技が揃ってるね。
全部スタジオ内で出来るものとはいえ、こりゃ気を抜いてるとケガするよ」真「でもその分やりがいもあるってものですよ! うーん、燃えてきた~!」
女P「まあ、ほどほどにね。あまり無茶して今後の活動に支障をきたしても困る」
真「はいっ!」
弥生「あ、控え室ここですね」
女P「ん、ここか。他の参加者と合同らしいから、失礼のないようにしてねー」
光希「あれ? ハニー、中から変な声が聞こえてくるよ?」
女P「え? どれどれ……?」
???『んっ……やぁ、や、やめっ……!』
???『何言ってるんだ? しっかりほぐしておかないと痛いぞっ、と』
???『っ!? んああ!』
???『ほら、もうこんなに柔らかい。ふふ、もっと奥までやってみるか?』
???『こ、これ以上は……ほんとに、無理』
???『問答無用♪』
???『きゃっ……!?』
真「ッ!?」
女P「な、何をしてるんだ!?」バッ
-
56 : 2014/02/08(土) 15:12:15.38 -
§控え室
冬香「痛い! 痛いってばマネージャー!」
三条馬「まったく体が固いなあ冬香は。もっとちゃんと柔軟しないとケガするぞ!」ぐっ
冬香「あううっ!」
翔子「ジョバちゃん、翔子も手伝うよ♪」ぐぐっ
冬香「しょ、翔子あんたねぇ! 後で覚えてっ……ひぐぅ!」
女P「……えーと」
南「あら、765プロのみんな。チャオ☆」
翔子「みんなもしっかり柔軟しといた方がいいよー。それっ!」
冬香「や、やめろぉ!」
女P「じゅ、柔軟体操か……驚いて損した」
真「……プロデューサー、どんなのを想像してたんですか?」
女P「う、うるさいっ」
弥生「うー? どういうことですか?」
真「弥生はわからなくていいんだよ、うん」
光希「あふぅ」
-
57 : 2014/02/08(土) 15:14:32.27 -
冬香「あー、ひどい目に遭った……」
三条馬「お疲れ冬香。765プロのみなさん、今日はよろしくお願いします」
女P「あ、はい、よろしくお願いします」
南「静(せい)さんみたいなナイト君とスキンシップなんて、羨ましいわね冬香☆」
冬香「冗談じゃないっての。南はカニみたいな手足の癖に無駄に柔軟なんだから……」
南「あらあら、カニとは失礼ね。冬香だってかわいいんだからひがまないの」
冬香「ひ、ひがんでなんかいないって!」
女P「実際、南はモデル体型だよね。アイドルよりは女優って感じのプロポーション」
南「ありがとうございます、プロデューサーさん」
冬香「ふん、どうせ今の私はちっちゃいよ……ていうか765プロ!
こうして馴れ合ってられるのも今の内だからね! 競技が始まれば容赦はしないよ」真「冬香ちゃん、無理はダメだよ? 女の子なんだし」
冬香「う、うるさいっ! 確かにハンデ貰った上での対決だけお、やるからには私達が勝つ!
あんたらみたいな甘い連中には絶ッ対に負けやしないんだからね!」三条馬「こら冬香! あまり失礼なこと言うんじゃない!」
冬香「ふん」
女P(やっぱり、冬馬……冬香は負けず嫌いだな。しかしながら
女となると途端に可愛らしく思えてしまうのは悲しき男の性よ) -
58 : 2014/02/08(土) 15:15:17.70 -
女P(……その後、収録が始まった)
女P(趣向を凝らした競技の数々が行われていく)
女P(新幹少年は冠番組の意地を見せ、765プロもがんばった。
ジュピターも宣言通りの熱意と実力を発揮する)女P(走る冬香や南の胸に視線がいってしまったのは美希には内緒だ)
女P(まあなにはともあれ怪我も事故もなく、収録は順調だった)
女P(……そしていよいよ最後の競技。これまでの競技の結果から上位2チームが決勝戦を行う)
女P(勝ち抜いたのは新幹少年と、我らが765プロ)
女P(やはり男と女の身体能力の差は大きく、ジュピターは惜しくも決勝進出はならなかった)
女P(肝心の競技の内容はサッカー。3対3ではあるが、ルールもよくある奴だ)
女P(……その時だ)
-
59 : 2014/02/08(土) 15:16:05.26 -
§特設サッカーコート
翔子「試合もだいぶ進んだねー」
南「一進一退。いい勝負ね。だけど765プロの方がチームワークがいいかな?」
冬香「…………」むすっ
翔子「冬香ちゃん、負けちゃったのを引き摺ってても仕方ないよ?」
冬香「わかってる。でもやっぱり悔しいの」
南「感情は理屈じゃない、か。カメラが来たらちゃんとするのよ。」
ま、冬香なら大丈夫よね」冬香「……やっぱり、女って身体能力低いよね」
翔子「んー、そうだね。翔子達は運動神経いい方だけど、やっぱり男の子に比べるとね」
冬香「だよね……ハァ……」
南「急にどうしたの冬香?」
冬香「なんでもないよ」
翔子「変なのー。あ、見て! 新幹少年がチャンス!」
冬香「ん?」
-
60 : 2014/02/08(土) 15:16:43.02 -
つばめ「ひかる、頼んだ!」
ひかる「よし! 決めてやる!」
弥生「ピ、ピンチですー!」
光希「真くん!」
真(キーパー)「来るか!」
ひかる「俺らにも意地ってもんがある! お前らにやられてばっかじゃ……」ぐぐっ
真「……!」
ひかる「いられないんだよ!」ガスッ
真「ッ!」
-
61 : 2014/02/08(土) 15:17:43.04 -
女P「あっ……!?」ガツッ!
冬香「ッ!? ゴールのフレームに当たって……!?」
真「跳ね返って……?」
ドカァ!
南(……! 上から撮ってたクレーン型カメラの根元に!)
グラァ
翔子(マズい、倒れる! あの方向は……)
光希「……えっ?」
弥生「光希さんっ! 危ない!」
女P「美希ッ!」だだっ
冬香「ッ!?」
光希「ハニー!?」
女P「くそっ!」ドンッ
光希「あっ……!」
ドスウウウン
-
62 : 2014/02/08(土) 15:19:02.66 -
女P「……な、なんとか間に合ったか……怪我はないか? み……つき」
光希「ミ、俺は大丈夫だよ。それよりハニーは!?」
女P「運よく下敷きにはならなかったみたいだし、怪我はないよ。
ただちょっと……いてて、焦ったせいで、足挫いたかな」真「プロデューサー! 大丈夫ですか!?」
弥生「プロデューサーっ!」
ひかる「す、すみません! ケガは!?」
女P「あ、ああ。平気平気。あと少し遅かったらヤバかったな……」
冬香「……どうやら無事みたいだね」
翔子「びっくりしたね……」
南「やっぱり、屋内でサッカーは少し無茶だったのかしら」
冬香「だけど……あいつ……」
南「どうかした?」
冬香「……別に」
-
63 : 2014/02/08(土) 15:19:30.77 -
スタッフ「765プロのみなさん、大丈夫ですか!?」
女P「ええ、なんとか。問題ないですよ」
スタッフ「そうですか……救急車を呼びますか?」
女P「いえいえそんな。軽く捻っただけですし、
イスでも借りて休んでいれば……つぅっ!」光希「ハニー! 立てないの?」
女P「う、うん……そうみたい。別に捻挫とかじゃないんだけど、今はちょっと無理……かな」
光希「……だったら」
ひょいっ
真「ッ!?」
女P「えっ!? み、光希!? ここここれって……!」
弥生(お、お姫様だっこ……!)
光希「俺が運んであげるよ、ハニー」
女P「い、いいって! 大丈夫、自力で歩け……いたたっ!」
光希「無理はダメだよ。おとなしくしてるんだよ」
女P(といわれても……! 恥ずかしいんだよ! 男として!
お姫様だっこで抱きかかえられて運ばれるなんて……!
美希の、というよりは光希の顔も近いし! は、恥ずかしい……)かああっ光希(あはっ☆ ハニー顔まっかっかで、すっごくかわいいの!)
-
64 : 2014/02/08(土) 15:20:08.07 -
§なんやかやあって収録終了
女P「何はともあれ、みんなお疲れ様」
真「プロデューサー、足はもう大丈夫なんですか?」
女P「うん、平気平気。よくマッサージしたし、問題ないよ」
弥生「よかったぁ……」
光希「助けてくれてありがとうハニー。でも、すっごくかっこよかったよ!」
女P「光希が無事なら私はそれでいいよ。大切なアイドルだからね」
光希「さっすがハニー!」
真(……今日のプロデューサー、いつもよりかっこいいような気がする)
弥生(なんだか男の人みたいだなー)
-
65 : 2014/02/08(土) 15:21:26.01 -
南「チャオ☆ 765プロのみんな」
翔子「今日はお疲れ様ー」
冬香「…………」
女P「あ、ジュピター。お疲れ」
南「優勝おめでとう。光希君、プロデューサーさん、ケガはないかしら?」
光希「ハニーが守ってくれたから平気だよ」
女P「なんとかね」
冬香「……次は負けないよ。フェスで当たったら絶対にぶっ潰してやるから」
女P「ああ、わかってる。だけどこっちもみすみす負けたりはしないよ」
冬香「ふん、そうでなくっちゃあね。弱い奴と戦ったってつまらない。
正々堂々、真正面から叩き潰してやる。覚悟してなよ!」真「あれ? それってつまり、僕達のことを強敵だと思ってくれてるってこと?」
冬香「そ……そうよ。何、何か文句あるの?」
南「もう冬香、素直になりなさいよ?」
翔子「この前、『765プロみたいなライバルがいると燃えるね』なーんて言ってた癖に」
冬香「~~ッ!? い、言ったの!? そんなこと!」かあっ
翔子「言ったって。自分の言ったこと、覚えてないわけじゃないでしょ?」
冬香「い、いや、その……」
真「へー、そういう風に思っててくれたんだ」
南「誤魔化すにしてももう少しうまくやりなよ、冬香」
冬香「う、うるさい! 南、翔子、マネージャー待たせてんだからとっとと行くよ!」たっ
翔子「あはは、冬香ちゃん照れてるー♪」とことこ
南「それじゃあみんな、チャオ☆」すたすた
-
66 : 2014/02/08(土) 15:22:05.38 -
弥生「翔子ちゃん達も、元気そうで何よりです」
真「悪い子じゃないもんね、みんな」
光希「だよ」
女P「さて、私らも帰るとしますか。悪いけど真、弥生、先に車に行っててくれる?」
真「あれ、僕達だけ?」
弥生「プロデューサーと光希さんは?」
女P「ちょっと話したいことがあってね。例の事故もあったし……」
光希「なあハニー、それってデート?」
女P「違う。それじゃあ2人ともそういうわけだから」
真「わかりました。それじゃあ弥生、行こうか」
弥生「はいっ!」
-
67 : 2014/02/08(土) 15:56:29.73 -
§空いている打ち合わせ室
女P「ここなら人も来ないな……さて美希、今日はお疲れ様」
光希「はいなの」
女P「収録は無事に終わったけど、やっぱりちょくちょく口調に素が出ちゃったな」
光希「うーん、急に慣れるのは無理って思うな」
女P「俺もそう思う。今日の美希はけっこううまく出来てた方だよ」
光希「えへへ、ミキ偉い?」
女P「ああ、偉い偉い」
光希「……むぅ」
女P「ん? どうかしたか?」
光希(本当ならここで頭を撫でてもらえるの。だけど今はミキの方が背が高いし、
ハニーはミキに近づくと怖がっちゃうの。残念なの。残念極まるなのなの)女P「?」
-
68 : 2014/02/08(土) 15:57:34.22 -
光希「あそうそう、それなんだけどねハニー、ミキ、すごくいいアイデアを思いついちゃったの!」
女P「お? というと」
光希「今度のオフ、ミキとハニーで一緒にお出かけするの!
そしたらミキの話し方の練習もデートもできて、一石二鳥ってカンジ!」女P「いや別に、話し方の練習なら出かけなくたって……」
光希「じゃあハニー、女の子の服の買い方ってわかるの?」
女P「え?」
光希「ブラのサイズとか着こなしとか、女の子には色々あるんだよ?
化粧品もどう買えばいいかわかる?」女P「そ、それは……」
光希「わからないよね。だからデートしながら、ミキが色々教えてあげるの!」
女P「……うーん。一理あるな」
光希「でしょ?」
女P「仕方ないな……美希の言う通りにしよう」
光希「やったのー! ハニー大好き!」
女P「まあ男アイドルなら異性交遊のスキャンダルも女アイドルほど酷くないし。
ただ美希、あくまでもこれは互いの特訓のためであってな。あまり派手には……」光希「どこ行こっかなー? あのお店のもかわいいけど、ハニーにはオトナだからセクシー系も……ふんふん♪」
女P「お、おい美希? あのな? 俺はあくまでも男だからな? 女物の服はちょっと抵抗が……」
光希「それならミキだって女の子なの! 男の子になってオシャレできなくてけっこうストレスたまってるの!
だからハニーをオシャレにして発散するの~!」女P「いやいや美希、だからといってな」
ガチャッ
冬香「今言ったの、本当か!?」
女P「えっ?」
-
69 : 2014/02/08(土) 15:58:23.17 -
光希「あっ」
女P「お前は……! 鬼ヶ島刹那!」
冬香「天ヶ瀬冬馬だ! 『ヶ』しかあってないじゃなねーか!」
女P「あ、ごめん……って、ちょっと待て! お前今、『冬馬』って言わなかったか?」
冬香「あんたらこそ。『俺はあくまでも男だ』とか『男になって』とか、マジなのか!?」
光希「うん、本当だよ? ミキはミキなの」
女P「お、おい美希……いやそれより、君は、本当に冬馬なのか?」
冬香「……ああ。そうだ」
女P「驚いたな……俺ら以外にも、『いた』のか」
冬香「…………」
-
70 : 2014/02/08(土) 15:59:09.58 -
§互いに事情説明
女P「……ふむ。3日前の朝、起きたらこうなってた……と」
冬香「あんたらも俺と同じ日だったみたいだな……
すげえ驚いたぜ。変な夢を見て、起きたらコレだ」光希「夢を見たのも一緒なんだね。うーん、できればミキとハニーだけの方が
愛の力が起こしたキセキみたいだったのになあ」冬香「悪かったな! 俺だって好きでこんな世界に来たわけじゃねえ!」
女P「まあまあ冬馬。そんな顔しちゃせっかくの美少女が台無しだぞ?」
冬香「ふん? そりゃあね。私はビジュアルだって、並のアイドルには負けないさ」
光希「あれ、冬馬君はかわいいって言われることに抵抗ないんだ」
冬香「あっ……バ、バカ! かわいいとか言うな! 俺は男だっ!」
女P「んん? なんか挙動が変だぞ?」
冬香「…………」
-
71 : 2014/02/08(土) 16:00:50.77 -
冬香「……あんたさ、精神は完全に男なんだよな」
女P「ん、ああ。ちょっと男性恐怖症ぎみだが」
冬香「男性恐怖症? なんだそりゃ」
女P「いや、ちょっとな……はは……」
光希「…………」
冬香「まあいい……あんた今日も、ちょくちょくミスってたもんな。
自分のこと『俺』って言ったり、星井のこと『美希』って言ったり」女P「うっ」
冬香「となると、どうも俺あんたじゃあちょっと状況が違うらしいな」
女P「え? というと」
冬香「俺はさ……この体になったとき、中身の方もかなり女になっちまってるみたいなんだ。
女が混ざってるっていうか……口調も、意識しないと女口調になる」光希「だから冬馬君、女の子のフリすごくうまかったんだね」
女P「そういえばそうだな。羨ましい」
冬香「冗談じゃねえよ! あんたも男ならわかんだろ、
男なのに自然に女っぽく振舞っちまうのがどんだけ恥ずかしいか!」女P「あー……」
冬香「気がついたら女言葉を使ってるし、着替え中に人が入って来たとき
咄嗟に胸を隠すとかまんま女な挙動しちまったり!
今の俺ってけっこうかわいい見た目してんのに、裸とか見ても何も感じなかったり!
むしろ、かっこいい男に、こう……ときめいちまったりとかさ」光希「女の子なら普通だよ?」
冬香「だから、俺は男だっつってんだろ!」
女P「苦労してるなあ、竜香……」
冬香「私は冬香よ! じゃない、冬馬だ!」
-
72 : 2014/02/08(土) 16:02:14.56 -
光希「やっぱり女の子なの」
冬香「うっ……うるせえっ! 俺は男だ! 男なんだよォ!」
女P「と、冬馬、落ち着けって。誰かに聞かれるぞ」
冬香「俺は、男なんだよ……! なのに女の体にされて!
それだけじゃなくて、心まで女になって……っ!」うるっ女P「……!」
冬香「恥ずかしいだけじゃない。怖いんだよ。俺が俺でなくなってく、
『俺』が『私』に塗り潰される! 自分の、心がっ……変わってく……!」ぐすっ女P「冬馬……」
冬香「私の、男としての尊厳がなくなってるの! その気持ちわかる?
あんたらにわかるの? 私の、辛さがぁ……っ!」光希「…………」
冬香「私はアイドルで! この見知らぬ世界でひとりぼっちで!
誰にも相談できなくて! 男として振舞うことも許されなくてっ!
どんどんどんどん、自分が消えていくのに、私は、何もっ……」女P「……!」
-
73 : 2014/02/08(土) 16:02:59.83 -
女P「冬馬!」がしっ
冬香「ふぇっ……?」びくっ
女P「……安心しろ。お前は、お前だ」ぎゅっ
冬香「あ、あんた……」
女P「女になったって……冬馬でも冬香でも、お前はお前だよ。
プライドが高くて自信満々で、良くも悪くもいつも真っ直ぐで……だから、怖がることはない」冬香「で、でも……」
女P「不安になるのはわかるよ。自分が自分じゃないってすごく怖いもんな。
だけど、お前が消えてなくなるわけじゃないさ」冬香「わ……私は……」
女P「お前はいつもそうだったよな。ジュピターのリーダーで、みんなに期待されて……
がんばらなきゃ、結果を出さなきゃって気を張って」冬香「……!」
女P「そして、弱いところを見せようとしない。誰かに甘えたり頼ったりもしない」
冬香「う、うう……」
女P「だからこそ、たった1人でこんな見知らぬ世界に来て、怖かったんだろ?
安心しろ、安心しろよ。お前には俺らがいるんだ。もっと頼ってくれ……な?」にこっ冬香「……ぷ、ぷろでゅーさぁ……」ぐすっ
光希「…………」
-
74 : 2014/02/08(土) 16:03:42.41 -
§数分後
冬香「え、えっと、その、なんだ。見苦しいとこ見せちまったな」
女P「気にするな。アイドルとしては敵かもしれないけど、
今は同じ状況の仲間だろ?」冬香「……相変わらず甘いな、765プロ」
女P「それがうちらのやり方だから。お前らのやり方を否定はしないけど、
辛くなったらいつでも相談しろよ」冬香「……ありがとよ」
女P「お」
冬香「ん? どうかした?」
女P「あ、いや……つい、かわいいなって思っちゃってさ」
冬香「お、おいっ! あんた俺をまた落ち込ませたいのか!?」
女P「す、すまん! ただいつもツンツンしてるお前が素直に礼なんて言ったから、つい」
冬香「~~~~っ! 私がツンデレだっての!? あんたね、
かわいいとか言われて一瞬嬉しいとか思っちゃった私の身にもなって……!」女P「わ、悪い! 本当悪かった! あと口調女になってるぞ?」
冬香「う、うるさぁい!」
光希(……むぅ。冬香ちゃん、ハニーとイチャイチャしてるようにしか見えないの。
しかもハニーの胸の中で泣くなんて、あまとうの癖に羨ましいことこの上ないの。
まあそれがハニーのかっこいいところなんだけど……今回だけだからね、ハニー)
-
75 : 2014/02/08(土) 16:05:29.66 -
冬香「……私はもういくよ。翔太と北斗、じゃない、翔子と南を待たせてるからね。あとマネージャーも」
女P「あ、俺も弥生と真を待たせたままだったな。行かないと……
じゃあ冬馬、連絡先交換したんだからちゃんと連絡しろよ」冬香「……ああ」
女P「じゃあ美希、行くか」
光希「はいなの」
ガチャッ スタスタ
光希『それでハニー、デートはいつにするの?』
女P『げっ、そういやそれがあったな。まあスケジュールが開いたらな』
冬香「……あいつらは相変わらずね。調子狂うわ」
-
76 : 2014/02/08(土) 16:07:20.13 -
冬香(だけど……正直かなり楽になったな)
冬香(あいつ、765プロをあれだけ成長させたからにはプロデュース能力はあるとは思ってたけど)
冬香(どうもそれだけじゃないみたいね)
冬香(……なんというか、女の心を捕らえる能力があるというか)
冬香(って、私は……じゃない俺は男だっての!)
冬香(いやでもあいつに抱きしめられたとき、胸とか当たってたけど何も感じなかったな)
冬香(我ながら情けないが、いつもの俺なら女の胸に密着なんてパニックもんのはず……)
冬香(やっぱり、感覚が女になってんのか?)
冬香(……今日の、スポーツしてる星井、かっこよかったな。服から筋肉が見えて、汗で光って……)
冬香「あああっ! 何考えてんの私はっ!?」
-
77 : 2014/02/08(土) 16:08:08.57 -
???「冬香?」がちゃっ冬香「ひゃっ!?」びくっ
三条馬「こんなところにいたのか」
冬香「マ、マネージャーか……」
三条馬「まったく、765プロさんに話があるとか言って急にいなくなって。
それで話はできたのか? 失礼なことは言ってないだろうな」冬香「別に。もう用事は済んだよ。待たせて悪かったね、行こうか」
三条馬「変な奴だな。何かあったらちゃんと俺らにも相談してくれよ。
冬香は気を張って、一人で抱え込みがちなんだから」冬香「……うん、わかってるよ」
三条馬「それじゃ行こう。南と翔子も待ってる」
冬香(……私の心はまだわからない。男でいられるのか、それとも女になってしまうのか……
でも私達がジュピターで、アイドルだってことは確か。だったら、
俺は、私は、頂点を目指す。今はとにかく突き進む。それが私の、やり方だから!)三条馬「次の仕事はグラビア撮影だな。雑誌の水着特集に掲載されるから、
思いっきりかわいいとこを見せつけてやれ!」冬香(……でもできれば戻りたい。男としてのプライドが悲鳴上げてる、ぜ……)
-
78 : 2014/02/08(土) 16:16:02.47 -
というわけでジュピターでした。前回のからだいぶ時間が空いてしまいました。すみません。
これで終わりではなく、できればまだ続けたいと思っています。
一応876やモバマスも一通りはやろうかな、と。グリマスはわからないので悪しからず。『P「朝起きたら女の子になってた」凛「新しい子・・・?」』とか『モバP「まゆと身体が入れ替わった……」』とか好きです。
ああいうダークなTS系は最高にゾクゾクします。同じ趣味の人っていないのかな -
82 : 2014/03/14(金) 09:58:03.26 -
もう少し、もう少しお待ちください。
遅筆ですが書いてはいるので……よしなに。 -
86 : 2014/03/23(日) 15:54:19.93 -
多忙につき、もう少しかかりそうです……
予告しておくと次は876組です。ちなみに絵理の男verの名前が未定だったり -
87 : 2014/04/03(木) 16:36:26.03 -
§某広場
女P「ハァ……」
女P(ついにこの日が来てしまったか……俺と美希のオフが被る日、つまりはデートの日)
女P(いやいやデートってのは美希がそう言ってるだけで、
実際はそれぞれに話し方の練習と俺の買い物であってな)女P(深い意味はない、うん)
女P(……しかし、『今は俺が男の子なんだから、俺に任せてよ』と言われるままに美希に全て任せてしまったな)
女P(この待ち合わせ場所もそうだが、今日の行程も全部美希のチョイス。嫌な予感しかしない)
女P(どうもあの一件以来、男の顔男の声で迫られると弱いんだよなぁ……男として、プロデューサーとしてどうかと
思うが)
女P(やっぱり怖いものは怖い。仮に全力で抗っても勝ち目がないとなるとな……男に迫られるのに慣れてないの
もあるし……)
女P(いやいや! このままじゃダメだ! 今日は光希とずっと一緒にいるんだし、それを通して克服を……)
-
88 : 2014/04/03(木) 16:37:00.28 -
光希「ハーニーィー♪」ぽん
女P「ひゃぅっ!?」びくぅ
光希「ん? そんなにびっくりしてどうしたの?」
女P「み、美希……じゃなくて光希。後ろからいきなり話しかけるのはやめて。
前からでも、変装しててパッと見だと誰だかわからなくて怖いんだよ」光希「ごめんごめん。ハニー、待った?」
女P「いや。というか待ち合わせ時間の10分前だぞ? お前にしちゃ珍しいな」
光希「せっかくのハニーとのデート、一秒も無駄にはしないの!
ハニーのことだから、絶対ミキより先に来て待ってると思ってたしね」女P「普段の仕事もそれくらいキッチリこなしてくれりゃなあ」
光希「ミキ、最近はけっこうちゃんとやってるよ?」
女P「数日前、遅刻したあげく心配して家に来た担当プロデューサーを
押し倒したのはどこの誰だっけ?」光希「のワの」
女P「春香の真似しない」
-
89 : 2014/04/03(木) 16:37:32.25 -
女P「しっかし……」きょろきょろ
光希「どうしたの? ハニー」
女P「いや、カップルばっかしだなー、と。あと『どうしたんだ』だろ」
光希「そうだったの。じゃなくて、そうだったよ。
でもハニー、ミキ達も……俺達も、カップルだろ?」女P「違います、プロデューサーと担当アイドルです。
あと男とカップルってのもちょっと抵抗がな……」光希「俺的にはハニーなら男の子でも女の子でもいいってカンジなんだけど、
ハニー的にはやっぱり女の子じゃないと、や?」女P「……男を恋愛対象として見始めたら、流石にやばいと思うんだ。男として」
光希「あっ……(察し)」
-
90 : 2014/04/03(木) 16:38:11.04 -
光希「ところでハニー?」
女P「なんだ?」
光希「ハニーも女の子口調じゃないとダメだろ?」
女P「あー……それもそうだな。いや、それもそうだね。気をつけるよ」
光希「うんうん。それじゃハニー、行こうか」すっ
女P「……この腕は?」
光希「カップルっぽく、腕組も?」
女P「嫌だよ。恥ずかしい」
光希「女の子の練習……」ぼそっ
女P「うっ」
光希「俺ががんばって男の子の練習してるんだから、いいよね? ハニー」
女P「い、いや……でも……」
光希「い・い・よ・ね?」ずいっ
女P「ひぃうっ!?」びくぅ
光希「ほら、俺の腕に捕まってよ」
女P「……光希、あなたちょっと卑怯だよ」ひしっ
光希「かわいいハニーが見れれば俺はそれでいいんだよ」
女P「確信犯め……」ぎゅっ
-
91 : 2014/04/03(木) 16:38:45.48 -
女P「それで、まずはどこに行くの?」
光希「もちろんショッピングだよ! ハニーったら、せっかくのデートなのにそんなスーツで来るんだもんな」
女P「し、仕方ないでしょ。何を着ればいいかなんてわかんなかったんだから」
光希「じゃあ今日は、俺がハニーをプロデュースしてあげるよ。かわいくしてあげるからね、ハニー♪」
女P「嫌だと言っても聞かないんでしょ? はあ……」
光希「あ、ここだよ。俺がリサーチしておいたかわいいブティック!」
女P「お、おおぅ……私のような独身男には縁のなさすぎるきゃぴきゃぴ空間……」
光希「今はハニーだって女の子だよ!」
女P「子って歳でもないって……」
光希「それ、あずさの前で言ってみてよ」
女P「ごめんなさい」
-
92 : 2014/04/03(木) 16:40:02.73 -
§ブティック
光希「ほらほらハニー、見て見て!」
女P「お、おう」
光希「これなんてどうかな? あ、こっちもカワイイ! ハニーだったらこっちも……」きゃっきゃっ
女P「み、光希? どうかお手柔らかに……」
光希「ハニーはせっかくかわいいんだから、おしゃれしないと損だよ?」
女P「お前が私を着せ替え人形にして遊びたいだけじゃないだろーね」
光希「のワの」
女P「春香の真似しない」
光希「今のは春馬の真似だよ?」
女P「わかるか」
-
93 : 2014/04/03(木) 16:40:30.07 -
店員「お連れ様のお洋服をお探しですか?」
光希「あ、はいだよ。うんとかわいい奴、何かない?」
女P「ちょ、ちょっと光希? お手柔らかに……」
光希「大丈夫ハニー、俺に任せて? かわいいの選んであげるから!」
女P「いやだからな」
店員「ふふ、お仲がよろしいんですね。ご安心を、当店が誇る商品を誠意をもってお勧めします」
光希「それじゃ、張り切っていくよ!」
女P「……もぉ」
-
94 : 2014/04/03(木) 16:41:02.80 -
§20分経過
店員「こちらはいかがでしょう」わいわい
光希「あ、これいいカンジ!」わいわい
女P(……長い……)
店員「お連れ様でしたら、こういうのも」わいわい
光希「うんうん。だったらこっちも」わいわい
女P(暇だな……)きょろきょろ
店員「こちらの新作などもいかがでしょうか」わいわい
光希「すっごくかわいいよ!」わいわい
女P(ん……あれなんか、いいかも)
店員「組み合わせを考えるとこれとこれが」
光希「俺的にはこれとこれがいいってカンジ」
女P(あっちもかわいいな……)
-
95 : 2014/04/03(木) 16:41:28.63 -
女P(こうして女の服を自分が着るって目線で見ると、中々違って見えるもんだな……かわいい服は見てるだけで
楽しい……
って、待て待て! 俺は男だ! いや体は確かに女だけど、心はきちんと男のはず!)光希「ふんふん、だいたい絞れてきたかな。ねえハニー」
女P(まさか冬馬みたいに心まで女になってきているのか? 冗談じゃないぞ)
光希「ハニー?」
女P(あ、あの服もかわいい……って違う違う!)
光希「ハニー!」ぽん
女P「ひゃいっ!?」びくっ
光希「何ボーッとしてるの?」
女P「い、いや別に。色々あるなー、って」
店員「お連れ様はあちらの商品をご覧になってたようです」
女P「ちょっ!?」
光希「へーえ? そうなの? ハニー」にやにや
女P「のワの」
-
96 : 2014/04/03(木) 16:42:09.17 -
女P(こうして女の服を自分が着るって目線で見ると、中々違って見えるもんだな……かわいい服は見てるだけで楽しい……
って、待て待て! 俺は男だ! いや体は確かに女だけど、心はきちんと男のはず!)光希「ふんふん、だいたい絞れてきたかな。ねえハニー」
女P(まさか冬馬みたいに心まで女になってきているのか? 冗談じゃないぞ)
光希「ハニー?」
女P(あ、あの服もかわいい……って違う違う!)
光希「ハニー!」ぽん
女P「ひゃいっ!?」びくっ
光希「何ボーッとしてるの?」
女P「い、いや別に。色々あるなー、って」
店員「お連れ様はあちらの商品をご覧になってたようです」
女P「ちょっ!?」
光希「へーえ? そうなの? ハニー」にやにや
女P「のワの」
-
97 : 2014/04/03(木) 16:42:39.51 -
光希「なーんだ、ハニーもやっぱりおしゃれしたかったんだね?
そーならそーと早く言ってくれればよかったよ」女P「ち、違うって! 誤解だ誤解! 俺は別に……」
店員「失礼、お客様がご覧になってたのはこちらの商品でよろしいでしょうか?」すっ
女P「あ、はい」
光希「やっぱり見てたんじゃないか」
女P「い、いや! これはだな、その……! 事務所のみんなに着せたいとかそういうので!
けっして俺が着るとかそういうのでは!」光希「はいはい。それじゃ、俺達が選んだのとハニーが見てたのも合わせて……」どさっ
女P「げっ、これ全部買うの?」
光希「ううん。買う前に、やることがあるだろ?」
女P「やること……?」
光希「試着だよ!」
女P「!?」
-
98 : 2014/04/03(木) 16:43:12.13 -
女P「ま、待って光希! し、試着は、流石にその……!」
光希「往生際が悪いよハニー。試着しないと服は買えないよ?」ぐいぐい
女P「お、押すな! お前は私を着せ替え人形にしたいだけでしょーが!」
光希「ハニーのかわいいところを見れればそれでよかろうなんだよー!」ぐいぐい
女P「確信犯めええ!」
光希「さあ! おとなしく俺にかわいいところを見せるんだよ、ハニーッ!」ぐいいっ
女P「力じゃ敵わないの知ってる癖に! 私のトラウマ知ってる癖にぃ!」
光希「もう遅い! 脱出不可能だよッ!」
女P「らめぇ!」
店員「あ、お客様、その試着室は……」
光希「開け、夢の扉! だよッ!」
カーテン『シャーッ』
涼「えっ?」←着替え中
光希「えっ?」
女P「えっ?」
涼「……えっ?」
光希「…………」
女P「…………」
涼「…………」
女P「……ど、どうも」
涼「きゃおおおおおん!?」
-
99 : 2014/04/03(木) 16:43:53.85 -
涼「し、閉めて! 閉めてくださいぃっ!」
女P「あっ、ご、ごめん! ほら光希!」
光希「はいだよ」
カーテン『シャーッ』
女P「びっくりしたぁ……今の876の涼君だよね?」
光希「律子のいとこなんだっけ?」
女P「こっちでは律雄ね。あとさんをつけなさい。
というかよく見ればちゃんと靴あるし……気づけたよね、光希?」光希「かわいいハニーのことで頭いっぱいだったんだ」キリッ
女P「少しは反省しなさい」
夢男「涼? 今の悲鳴は何……ってあれ、765プロの……?」
女P「あ。えーと、フリーアイドルの桜井夢……男君だっけ」
夢男「はい。お久しぶりです、光希さん、プロデューサーさん」にこっ
女P(さわやかスマイル……ぶりっ子キャラはこうなるのな)
光希「久しぶりだね」
女P「何度か仕事で共演した程度で、直接話したことはなかったね。
ところで、涼君とは友達なの?」夢男「え、ああ、まあ、友達といいますか……
それよりさっき涼の悲鳴が聞こえたんですけど、何か知りませんか?」女P「……事故です」
夢男「?」
-
100 : 2014/04/03(木) 16:44:47.81 -
§ややあって
涼「びっくりしましたよ、本当に……」
光希「ごめんごめんだよ」
女P(秋月涼君と桜井夢男君。涼君はほぼ変わりなしだけど、流石に男だから雰囲気とかがなんとなくかっこいい。
夢男君はけっこうな長身で髪も長め。いつものアームウォーマーの代わりにグローブをつけてる。この2人、友人だったのな)夢男「あっはは! 災難だったな涼」
涼「笑い事じゃないよ、もう」
光希「2人は今日オフなんだね」
女P「最近2人とも調子いいよね。ちょっと前までは涼君は低迷してたみたいだけど、見事に持ち直したし」
涼「あ、はい。ありがとうございます」
光希「ところで、どうしてこのお店にいるの?」
涼「えっ?」どきっ
夢男「…………」どきっ
光希「女の子向けのブティックだよ、ここ」
女P「そういえば涼君、女物の服を試着してたよね。
変装してたからそんなに違和感なかったけど……」涼「いや、あの、それは……」
夢男「いつだかのフェスで涼が俺に負けた罰ゲームで、女装するって約束だったんですよ。
で、今日オフが重なったのでいっしょに出掛けがてら罰ゲーム執行、ってことで……」涼「そ、そうなんですよ」
夢男「俺がちょっとトイレに行ってる間に、765さん達が……というわけです」
光希「なるほどだよ」
女P(……ふむ)
-
101 : 2014/04/03(木) 16:45:14.18 -
夢男「ところで光希さん達はどうして?」
光希「俺達はデートだよ!」
夢男「えっ?」
女P「ちーがーう。私のショッピングに光希が付き合ってくれてるだけ。でしょ? 光希」
光希「むう……」
女P(まさか『それぞれ男と女になりきる練習です』なんて言えないでしょーが)ぼそっ
光希「……まあ、そうだよ」
涼「?」
-
102 : 2014/04/03(木) 16:46:19.46 -
夢男「その大量の服はプロデューサーさんの?」
女P「い、いや……これは光希が勝手に」
光希「そうだハニー、せっかくだから2人にも見てもらお? ハニーのおしゃれ姿!」
女P「どんな羞恥プレイだ! 嫌だよ、恥ずかしい」
涼「……恥ずかしいんですか?」
女P「え?」
涼「僕は、女性がおしゃれするのは、別に恥ずかしいことじゃないと思います。
女として生まれたんだったら、綺麗になりたいって思うものですし……」夢男「……涼」
女P「……なんだか、自分が女の子みたいな言い回しだね」
涼「えっ!?」ぎくっ
夢男「お、おやおやぁ? 罰ゲームとかするまでもなく、涼ってそっちの気があったのかなぁ?」
光希「実際似合いそうだよ。真君と同じくらい」
夢男「それじゃ、プロデューサーさんと一緒にファッションショーといこうか?」
涼「きゃおおおん!?」
女P「今の内に……」そろ~っ
光希「ハニー、逃げようったってそうはいかないよ?」
女P「ですよねー(゜¬゜*)」
夢男(なんとかごまかせたか……)
涼(ほっ……)
-
103 : 2014/04/03(木) 16:46:48.04 -
§試着室
女P(……ついに来てしまったよこの空間)
女P(左右に千早、もとい壁。目の前に姿見。後方にカーテン……)
女P(そして我が手にあるは……明らかに若い女の子向けの服……!)
女P(結局、涼君はやらないことになったから俺だけの公開処刑)
女P(そりゃあな? こうして鏡を見てると思うよ?
女の俺はけっこうかわいい見た目してるって)女P(涼君が言ったことももっともだし……でもね、俺は『女として生まれた』んじゃないわけで)
光希『ハニー、まだ? 着方わからないの? 手伝おうか?』
女P「い、いや! 大丈夫だから!」
光希『そう?』
女P(こんな狭い場所で男と2人なんて、耐え切れるか!)
-
104 : 2014/04/03(木) 16:47:33.78 -
女P(くっ……ええい、男は度胸! なんでもやってみるものさ!)
しゅるっ ぱさっ ふぁさっ
女P(これで、いいのかな……?)
光希『ハニー、まだ? ねえねえまだなの? ハニー?』
女P「そう急かすな。今、開けるよ……」
カーテン『シャーッ』
女P「……うー」かあっ
光希「うん、ハニーかわいいよ!」
夢男「これはなかなか」
涼「お似合いですよ、プロデューサーさん」
女P「こ、これ、スカート短すぎないか……?」ぐいぐい
光希「これくらいフツーだよ」
女P「そ、そういうもんなのか。落ち着かない……」もじもじ
光希(ハニーかわいいの)
涼(なんであんなに恥ずかしがってるんだろう)
光希「ほらほらハニー! 次はこっち!」
女P「う、うん……」
光希「これも! これもこれもこれもこれも! みんなハニーの服だよッ!」
女P「ちょっ!?」
夢男「……そろそろ行くか涼。2人でお楽しみのようだし」
涼「そうだね」
女P「あっ、待って! 光希を止めてぇ!」
涼「えっと……がんばってください」
女P「薄情者ぉ!」
光希「ハニーのマリオネットの心をふるふるフューチャー☆だよハニー!」
女P「私のrelaitonsが涙のハリケーンだっての!」
-
105 : 2014/04/03(木) 16:48:04.48 -
§小一時間後
女P「…………」よれっ
光希「うんうん、やっぱりハニーは何を着ても似合うよ!」つやつや
女P「……さいですか」
光希「ハニー、元気ないね? どうしたの?」
女P「疲れたんだよ……何度も何度も着替えさせられて、肉体的にも精神的にも」
光希「うーん、ハニー的には、かわいい服を着るのって楽しくないってカンジ?」
女P「恥ずかしいだけだって。私はあくまでも男なんだから」
光希「そっか……」しゅん
女P「……光希?」
光希「俺、ハニーのかわいいところみたいのもそうだけど、ハニーのためを思ってやってたんだよ。
俺的には、かわいい服を着るのって楽しいから……でもハニーには迷惑なだけだったんだね」女P「…………」
光希「ごめん、ハニー」
女P「……あー、えっとだな……まあ、恥ずかしいのは恥ずかしいよ?
だけど、実は楽しかったのも事実だよ。かわいい服着て、ほめられて……
そう思ってしまうこと自体が恥ずかしかったから言ってなかったけど」光希「……ホント?」
女P「ああ、ホントホント」
-
106 : 2014/04/03(木) 16:48:49.38 -
光希「それじゃあ、もっとやるよ!」
女P「えっ?」
光希「とりあえずハニーが今着てるそれ、ハニーが選んだやつだしそのまま着てこ? で、こっちの服はお買い上げだよ」どさっ
女P「ちょ、ちょっと待って光希。私そんなに買うほど金は……」
光希「俺が出すよ。俺は売れっ子だからけっこうお金あるし。
それに、彼女にプレゼントするのは男の子なら当然だろ?」女P「うーん、彼女扱いとか美希の性別観とか気になるが……実際に収入の差はあるしなあ」
光希「というわけで店員さん、これお願いしますだよー」
店員「かしこまりました」
光希「あっ、安心してねハニー。俺がちゃんと荷物持ちもやるから」
女P「それはいいけど光希……『もっとやる』ってどういうこと?」
光希「それは行けばわかるんだよ」
-
107 : 2014/04/03(木) 16:49:20.01 -
§ランジェリーショップ
女P「おい待てこら」
光希「ハニー、女の子女の子」
女P「いやいやいや! 何ここ!?」
光希「ランジェリーショップだよ?」
女P「男が入っていい場所じゃあないでしょーが!」
光希「彼女持ちならオッケーって思うな」
女P「あなたじゃなくて私! I am a male! OK?」
光希「ハニーは女の子だよ。あ、店員さーん! 採寸お願いしますだよー!」
店員「はいはーい。では、こちらの試着室にお入りくださーい」
女P「ちょっ……!?」
-
108 : 2014/04/03(木) 16:49:55.04 -
§試着室
店員「では採寸しまーす。上脱いでくださーい」
女P「は、はい……」ぱさっ
店員「あー、いい感じのおっぱいですねー。形もサイズも」
女P「そ、そうです、か?」
店員「はいー。それじゃ、腕あげてくださーい」
女P「……はい」すっ
店員「では失礼しまーす。ちょっと冷たいですよー」ピーッ
女P「ひうっ」ぴくっ
店員「ふむふむ……」まきまき
女P「…………」かあっ
-
109 : 2014/04/03(木) 16:50:25.35 -
店員「はい、終わりましたー」
女P「は、はい……」
光希『終わったー?』
店員「終りましたよー。85のEです」
女P(改めて聞くとでかいな)
光希(ミキより少し小さいだけなの)
店員「それじゃあ私はこれで失礼」すっ
女P「あ、私も……」
光希『ハニーは試着室に残ってねー』
女P「……はい」
-
110 : 2014/04/03(木) 16:51:39.91 -
§数分後
光希「はいハニー、選んできたから着てみて!」
女P「……お前さあ、よくできるよね? こんな店で男1人で下着選ぶなんて」
光希「ハニーのためなら苦労なんてなんのその! いも。だよ。
さあハニー、着て着て!」ぱささっ女P「うぅ……普通に着るだけで恥ずかしいってのに……
試着室とはいえ衆人環境で、しかもこんなフリフリの下着を着ろと?」光希「かわいいだろ?」
女P「お前のかわいい=俺の恥ずかしい なんだっての……」
光希(そして恥ずかしがってるハニー=かわいい なの)
-
111 : 2014/04/03(木) 16:52:06.49 -
女P『んっ……よっ……』ごそごそ
光希「ハニー? 大丈夫? 付け方わかる? 俺がつけようか?」
女P『やめろ! 今ほとんど裸なんだから! こんな状態でお前に試着室入ってこられたら、
流石に貞操の危機を感じる!』光希「ハニーって処女なの?」
女P『アイドルが処女とか言うんじゃありません』
光希「で、どうなの?」
女P『……処女なの?』
光希「俺に聞かないでよ」
-
112 : 2014/04/03(木) 16:52:50.87 -
女P「……光希?」ひょこっ
光希「ハニーどうしたの? カーテンの端から顔だけ出して」
女P「いや……その……」
光希「やっぱり付けられなかった? 俺が手伝うよ!」わきわき
女P「やめい。ちゃんと付けられたよ。付けられたんだけど……その……」もじもじ
光希「?」
女P「……やっぱり、見せるのは恥ずかしいよ……」かああっ
光希「あはっ☆ ハニー、顔真っ赤だね」
女P「確信犯めぇぇ……」
店員(バカップル爆発しろ)
-
113 : 2014/04/03(木) 16:53:36.08 -
§ややあって昼 某喫茶店
女P「…………」ぐでー
光希「ハニーだらしないよ。そんなに疲れた?」
女P「そりゃあな……お前は疲れないのか? 服選んで着せて荷物持ちまでして」
光希「ランジェリーショップでも言ったでしょ?
ハニーのためなら苦労なんてなんのその! いも。だよ」女P「それ、例のCGプロの子の真似?」
光希「はいだよ。この前、健康番組の安眠特集でいっしょになって仲良くなったんだよ」
女P「あー……なるほど。そうだ、今度CGプロに改めて挨拶に行こうかな。
ひょっとしたら私らや冬香みたいに『あっちの世界』の住人がいるかもしれないし」光希「いるんじゃないかな? あそこ、たくさんアイドルいるもんね」
女P「100人以上の男、ただ1人の女のモバPか……大変そうだな。
まゆちゃんとかきらりちゃんとかに体壊されてないかな。性的に物理的に」 -
114 : 2014/04/03(木) 16:54:02.41 -
女P「そういえばさ……実は私、涼君も私たちの仲間なんじゃあないかと思ってるんだ」
光希「え? なんで?」
女P「試着室での一件があったでしょ? あの時涼君、胸を真っ先に隠してたんだよ。
他にも言葉の端々が女の子っぽいっていうか……」光希「あー、それは俺も思ってたよ」
女P「だからさ、私らのいた世界の涼ちゃんなんじゃないかなーって。
今度会ったらそれとなく聞いてみようと思ってるんだ」光希「そうだね……あっ、来たの!」
店員「お待たせしました、こちらおにぎりセットとパンセットになります」
女P「あ、パンセットはこっちで」
光希「おにぎりは俺だよ!」
店員「ではごゆっくりどうぞ」
女P「……おにぎりセットがある喫茶店なんてよく見つけたね」
光希「おにぎりのためなら苦労なんて……だよ」
女P「私とおにぎりは等価か」
-
115 : 2014/04/03(木) 16:54:39.64 -
女P「それじゃ、いただきます」
光希「おにぎり♪ おにぎり♪」もぐもぐ
女P「はむっ」ばくっ
光希「あ、ハニー、パンはちゃんと一口ずつちぎって食べなよ。女の子なんだから」
女P「あ……つい。光希、意外とそういうとこちゃんとしてるんだね」
光希「おね、お兄ちゃんけっこう厳しいからな」
女P「パンを食べてるとこをほとんど見ないから気づかなかった」
光希「俺の中ではおにぎり>>>パンだよ」
女P「らぁめんは?」
光希「迂闊に答えると貴音が出てきそうだからやめとくよ」
女P「貴史ね、こっちでは」
光希「でも貴音だったらラーメンのためなら次元も越えそうだよ」
女P「確かに」
-
116 : 2014/04/03(木) 16:55:09.68 -
女P「それで光希、午後の予定は?」
光希「特に決めてないよ。適当に歩いて、よさそうなお店見つけたら入ってみようってカンジ」
女P「さすが光希、アバウト」
光希「あまりあーするこーするって決めちゃうと楽しめないって思うな」
女P「それじゃあひとまずは食べてからってことだね」
光希「だよ」
携帯『♪~~ ♪~ ♪~』
女P「あ、電話……はいもしもし」ちゃっ
鳳『プロデューサーさんですか? 鳳です』
女P「あ、音無さん」
光希「男版小鳥だね」むしゃむしゃ
鳳『オフのところすみません。実は急用がありまして……まだ光希君といっしょにいますか?』
女P「っ!?」
-
117 : 2014/04/03(木) 16:56:15.47 -
女P「な、なぜそれを?」
鳳『涼君から聞いたんです』
女P「涼君から……?」
鳳『実は急用というのは876プロからの依頼なんです。なんでも、これから収録がある番組に
出演予定だった愛人(あいと)君と絵斗(かいと)君が地方ロケ帰りに渋滞に捕まってしまったと……』女P「間に合わないんですか?」
鳳『急いでるようですけど収録には到底間に合いそうにありません。
既に涼君が穴埋めに向かったそうですが、番組の進行上どうしても2人いるみたいなんです』女P「それで765プロに助けを求めた、ということですか……」
鳳『はい。困ったことに他のみんなはスケジュールがいっぱいで、光希君しか開いてないんです』
女P「そういえば夢男君は? 涼君といっしょにいたはずですが」
鳳『……以前にこのテレビ局のオーディションで妨害工作をしたとかで、しばらく出禁くらってるそうです』
女P「あー……」
光希「…………」もぐもぐ
-
118 : 2014/04/03(木) 16:56:44.56 -
女P「わかりました。すぐに光希とそのテレビ局に向かいます」
鳳『お願いします。詳しくはそちらにいるスタッフさんに確認してください。では』ぶつっ
光希「……どういうこと? テレビ局?」
女P「876プロでスケジュールが合わなくなって穴埋めが必要になったんだ。
私ら765プロは876プロと業務提携してるから行かないと。
あいにくスケジュールが光希しか開いてないみたいだし……行くぞ、光希!」光希「…………」
女P「お、おい光希? どうした? 早く会計済ませてテレビ局に向かわないと」
光希「……や!」
女P「や、って……デートを潰すことになるのは悪い。でも、仕事なんだから仕方ないだろ?」
光希「やなものは、や!」
女P「み、光希ぃ……」
光希「…………」
-
119 : 2014/04/03(木) 16:57:15.61 -
光希「……ハニーが俺のお願い聞いてくれたら、いいよ」
女P「えっ?」
光希「ひとつだけ。いい?」
女P「あ、ああ……あまり無茶なことじゃないなら……」
光希「じゃあねー」ごそごそ
女P「?」
光希「これ! 着てくれるよね?」ばーん
女P「げっ!? な、何その羞恥心を煽る以外に使用目的のなさそうなえっちぃ下着は!」
光希「さっきのお店でこっそり買ったんだよ! あわよくばハニーに着せちゃおうって思って!」
女P「着ない! 着ないよ私は!」
光希「じゃあ俺も行かないよ!」ぷいっ
女P「ぐぬぬ」
光希「あーあー! ハニーがこれ着てくれれば、俺もやる気出るのになー!」
女P「こ、このやろ……!」
光希「別に、今着てってわけじゃないよ? ただ約束してくれればいいよー」
女P「……っ!!」ぷるぷる
-
120 : 2014/04/03(木) 16:57:45.16 -
女P「……ああもう! わかったよ! いいよ! 着るよ!」
光希「やーりぃ、だよ!」
女P「謀ったな光希……! よく見れば電話してる間におにぎり完食してるし!
最初っから仕事には行くつもりで、俺にそれ着せたかっただけなんだろ!」光希「さあて、そこんところだけど俺にもよくわからないよ。それよりハニー早く行こ? ふんふ~ん♪」
女P「ぐぬぬ……!」
-
121 : 2014/04/03(木) 16:58:18.91 -
§その頃の尾崎カー
尾崎「ああもう! ちっとも動かないじゃねーかこら!」パパー
まなと「お、尾崎さん、クラクションはやめた方が……」
愛人「他の人に迷惑ですよー!!」
絵斗「愛人君も……クラクション並?」
尾崎「絵斗、鈴木さんには連絡つかないの?」
絵斗「……サイノリアの携帯、切れてるみたい。無理?」
尾崎「ちっ、あのサイバーボッツ! 肝心なときに役に立たねーんだから!」
絵斗「流石に……無茶ぶり?」
-
122 : 2014/04/03(木) 16:58:47.20 -
§テレビ局 打ち合わせ室
女P「ふむふむ。基本的に内容は普通のバラエティですね」
スタッフ「はい。しかし876プロの代わりに、まさか765プロの星井光希が来てくださるとは……」
光希「あふぅ」
女P「代理になってしまい申し訳ありません。番組を成立させよう、精一杯努めますので……」
スタッフ「いえいえそんな! 星井光希なら大丈夫ですよ! 876プロなんかよりずっと!」
女P「……というと?」ぴくっ
スタッフ「だって、765プロはここ最近でめきめきと実力を上げ、今や所属アイドル12人は
その名を知らぬ者はいないという勢いですよ? 対し876プロなんてとてもとても……」光希「…………」
スタッフ「そりゃあ876だって高ランクといえば高ランクですよ? でもそれは、
日高二世だとかネットアイドル出だとかの話題性で人気が出たようなもんでしょ。
しかも秋月涼なんて、他2人のおかげで高ランクになったみたいなもんなんですから」女P「……そうですか」
スタッフ「いつだかのオーディションではアイドルですらない子達に負ける始末で……
あ、もう時間ですね。スタジオに移動しましょう!」女P「はい」
-
123 : 2014/04/03(木) 16:59:35.32 -
§スタジオ
涼「すみませんお2人とも、オフのところをわざわざ来ていただいて……」
女P「涼君が謝ることじゃないさ、こればっかりは仕方ないよ。オフだったのは涼君だって同じだし」
光希「とりあえずさっさと終わらせちゃうよ。夜のデートもいいって思うな」
女P「お前はぶれないなあ光希……」
光希「ミキは自分を曲げないよ!」
ディレクター「おいあんたら! 何やってんだ、さっさと入れ!」
涼「あ、はい! す、すみません!」
女P「すぐに入ります!」
ディレクター「ったく……」
光希「……なんかこの番組のスタッフ、やなカンジ」
女P「そう言うな、それだけ番組に一生懸命なんだよ。それじゃ2人共、がんばって!」
涼「はい!」
光希「はいだよ」
-
124 : 2014/04/03(木) 17:00:33.98 -
§収録開始
女P(番組側が愛人君と絵斗君に求めてたのは基本的には単に話題性らしい。
光希がいればそれは問題ないだろう。トークの方も、愛人君が天然で
絵斗君が常識人と考えれば、光希と涼君の2人でなら補完できるだろうし……)司会「いやー、最近765プロの活躍はすごいよね! 光希君もかなり忙しいんじゃない?」
光希「はいだよ。おかげでゆっくり昼寝もできないよ……あふぅ」
涼「ちょ、ちょっと光希さん……」
司会「あはは。涼君も最近いいよねー。業界でも話題だよ? このまま765プロをくっちゃうんじゃないかって!」
涼「いえ、そんな……」
女優「私実は涼君のファンなんですよー! 後でサイン貰っていい?」
涼「あ、はい、喜んで!」
司会「ちょっとちょっと! そういうのは楽屋で済ませてよー!」
女優「ごめんなさーい」
女P(番組の雰囲気も、そんなに876に厳しいってわけじゃないみたいだな……よしよし)
???「……ほう」
-
125 : 2014/04/03(木) 17:02:33.10 -
§その頃の尾崎カー
尾崎「どっせーい!」ぎゅるんっ
まなと「わあっ!?」
尾崎「オラァーッ!」ききーっ
絵斗「ひっ……」
尾崎「ドララーッ!」どーん
愛人「尾崎さんの運転、ジェットコースターみたいでーす!!」
絵斗「お、尾崎さん……もう収録始まってる、今さら急いでも、無駄無駄?」
尾崎「だからってのんびり帰ってもいられないだろ! 一刻も早く帰って765プロさんに謝らないと……!」
絵斗「ぼ、僕は……一刻も早く……エチケット袋が、欲しい? うぷっ……」
尾崎「ちょっ!? ちょ、ちょっと待て絵斗! ここ高速! 高速だから!」
まなと「え、えーと、何か受けるもの受けるもの……」
絵斗「……もう、ゴールしても……いいよね?」
尾崎「ダメー!」
-
126 : 2014/04/03(木) 17:03:11.43 -
§スタジオ
司会「いやー、僕最近太ってきてさあ」
芸人「司会さんは元からでしょー」
司会「はいそこうるさい! で、2人はやっぱり筋トレとかしてるの?」
涼「んー、ダンスレッスンはしてますけど、あからさまな筋トレはしてませんね」
光希「あんまりムキムキになってもかっこよくないよ」
女優「でも光希君ってけっこう筋肉ありますよね」
女芸人「ねえ、ちょっと脱いでくれない? 上だけでいいから! ねっ?」
女P(ちょっ、おいおい、流石に……!)
光希「別にいいよ?」
女芸人「やたっ!」
観客『キャーッ!』
女P(美希ィ!?)
涼「…………!」たらっ
-
127 : 2014/04/03(木) 17:03:48.46 -
光希「よいしょ……っと」ぱさっ
観客『キャーッ!』
女P(いやいや、あいつ女の子の癖して抵抗なさすぎだろ……男への順応早いなおい)
司会「おー、流石に筋肉あるねぇ」
芸人「ねえねえ、この際だから涼君も脱いじゃってよ!」
涼「えっ……!?」
女P(!)
女芸人「涼君はなんかすらっとしてるけど、脱いだら意外とすごいとか?」
司会「あー興味あるなー。いいねいいね、涼君も脱いじゃってよ!」
涼「あ、いや、その、僕は……」
司会「ほらほら、恥ずかしがらずにさー!」
涼「む、無理です。脱ぐのは……その……」
スタッフ(何してんの! 脱いで!)
涼「う……む、無理、です……」
ディレクター「……オイ! ちょっとカメラ止めろ!」
-
128 : 2014/04/03(木) 17:04:31.03 -
ディレクター「お前何考えてんだ!? 流れってもんがわからねえのか! あァ?」
涼「す、すみません……」
ディレクター「いいか、これはバラエティなんだよ。座ァ白けさせてんじゃねえよ!」
涼「はい……」
司会「やれやれ。バラエティ慣れしてないアイドルは面倒だねぇ」
女優「収録長引かせてんじゃないっての、まったく」
光希(……やっぱり、やなカンジなの。涼がかわいそうなの)
女P(あのディレクター、自分の思い通りにいかないとすぐ怒る人だからなあ……
でも涼君……上を脱ぐのを嫌がるってことは……やっぱり……)ディレクター「ったくよ……ただでさえカスみたいなプロダクションのアイドル使ってやってるってのに、
予定してた2人は来ないで話題性もクソもないド底辺が来て? で、これか! はっ!」涼「…………」
ディレクター「てめえ、なんとか言ったらどうなんだよおい! ボーッとしてねえで、さっさと脱いで謝罪しろ!」
涼「そ、それは……」
ディレクター「できねえってのか!? 何も全裸になれってわけじゃねえんだよ。とっとと脱げ!」
涼「で、できません! 脱ぐのは……」
ディレクター「ふざけてんじゃねえよコラおいゴミアイドル! 脱げったら脱げ!
うじうじもじもじしやがって、女かてめえ!」涼「……!」びくっ
女P(流石に言いすぎだ……! それにもし涼君が女の子だったら……)たっ
-
129 : 2014/04/03(木) 17:05:20.35 -
女P「ディレクターさん! 脱ぐのは勘弁していただけませんか?」
涼「プロデューサーさん……?」
ディレクター「あァ!?」
女P「番組の流れを壊してしまったのは申し訳ありません。でもどうか、涼が脱ぐのだけは……」
ディレクター「どいつもこいつもふざけやがって! 俺が脱げっつったら脱ぐんだよ!」
司会「ちょっとあんたら、いつまでごねんだよ。女じゃねーんだから、別に脱いだっていいだろーが」
女P「そ、それは……その……」
ディレクター「それはそのじゃねえんだよ! 脱ぐんだよ、早くしろよコラ!」がしっ
涼「あ、や、やめっ……!」
???「……それくらいにしておいてくれないか」
ディレクター「あぁ!?」くるっ
-
130 : 2014/04/03(木) 17:06:15.59 -
涼「あっ……!」
司会「あなたは……!?」
ディレクター「なっ……なんであんたが、ここに!」
???「少し用事があってこの局を訪れたら、秋月涼が出てるって聞いたから少し見学させてもらってたの」
女P(大人の女性……? 明るい茶髪で、長身で……この人、ひょっとして……?)
芸人「えっ、もしかして!? あの、オールド・ホイッスルの……?」
???「そう」
武田「私だ」
.
-
131 : 2014/04/03(木) 17:07:19.70 -
涼「武田さん! わざわざ、わ、僕のために……?」
武田「用事のついでさ。ふと君のことが気になってね」
女P(やっぱりだ。音楽プロデューサーの武田蒼一……こっちでは蒼子さん。
765プロとは千早を通じて懇意にしてもらっていたが……涼君と関わりが?)ディレクター「だ、だが、あんたには関係ないはずだ。これは俺の番組だ!」
武田「確かに。私はバラエティ番組の価値観に踏み込むつもりはない。
だからこれはお願いだ。この場は、私の顔を立ててくれないだろうか」ディレクター「ぐ……なぜあんたが秋月涼の肩を持つ!」
武田「私は彼に目をつけていてね。私の夢を彼に託す代わりに、彼の後ろ盾をしている。
彼にも事情があるんだ、許してやって欲しい」スタッフ「ディ、ディレクター! まずいですよ、武田氏を敵に回すのは……」
ディレクター「わかってる!」
武田「…………」
ディレクター「……仕方ない、あんたに免じて今回は許してやる」
武田「感謝する」
涼「あ、ありがとうございます!」
ディレクター「おら、とっとと撮影再開すんぞ! あんたらは下がった下がった!」
女P「あ、はい!」
武田「ああ」
-
132 : 2014/04/03(木) 17:08:05.12 -
女P「……ありがとうございます、武田さん」
武田「いいんだ。私が勝手にやったことだよ」
女P「その説は千隼がお世話になりました」
武田「なに。彼に実力があった、それだけのことさ」
女P「……涼君にも、感じますか? 実力があると」
武田「そうだな……私はね、老若男女誰からも愛される歌手を求めているんだ。彼にはその資質がある」
女P「老若男女、誰からも……ですか」
武田「ああ。っと、すまない。悪いけどもう時間のようだ。それじゃ、彼のこと……頼んだよ」
女P「あ、はい。お疲れ様でした」
スタッフ「あ、武田さん! お疲れ様です!」てこてこ
武田「ああ」すたすた
スタッフ「すみません、今日はちょっとディレクターの虫の居所が悪いようでして……いつもはこうでは……」へこへこ
武田「そうか」すたすた
女P「……ひょっとしたら、武田さんも?」
-
133 : 2014/04/03(木) 17:08:31.76 -
§そんなこんなで収録終了
女P「お疲れ2人とも」
光希「はいだよー」
涼「なんとかなってよかったです……」
女P「武田さんには感謝しないとね」
涼「そうですね……プロデューサーさんにも、僕のわがままのせいで迷惑かけてしまって……すみません」ぺこっ
女P「いいんだよ。あそうだ、ちょっと2人だけで話したいことがあるんだけど……いいかな?」
涼「え? いいですけど……」
光希「むっ! ハ……プロデューサー、浮気はダメだよ?」
女P「大丈夫だって。ちょっと確認するだけだから」
涼「確認……?」
-
134 : 2014/04/03(木) 17:09:07.84 -
§空いている打ち合わせ室
女P「と、またここか」
涼「また?」
女P「いやいやこっちの話だよ」
涼「はあ……それでプロデューサーさん、確認したいことって?」
女P「んーと、ね……その、もし間違ってたらごめん。でも少し聞きたいんだけど」
涼「なんでしょう」
女P「……単刀直入に聞くよ。涼君ってひょっとして、女の子じゃない?」
涼「ッ!?」
-
135 : 2014/04/03(木) 17:10:52.89 -
涼「えっ……え!? そ、それは! えっ……?」
女P「どうなの?」
涼「……はい。その通りです」
女P「やっぱり、そうだったんだね。行動の節々からそうじゃないかと思ってたんだけど……武田さんはそれを?」
涼「知ってます。夢男君も……」
女P「3人も? そんなに異世界に来てたのか……」
涼「え? 異世界?」
女P「それで涼君、いや涼ちゃん、君達も私達みたいに……もう俺でいいか。俺らみたいに夢を見たの? 数日前にさ」
涼「へ、夢?」
女P「え?」
涼「それに俺って……? 異世界ってなんですか?」
女P「え? いやだって……女の子なんでしょ? 涼ちゃん」
涼「は、はい。男装してアイドルやってました」
女P「え、男装……? え? ちょ、ちょっと待って。男装? 男装してるの?」
涼「え、ええ。ですから、実は女です、と……」
女P「…………」
-
136 : 2014/04/03(木) 17:11:27.24 -
女P「……ごめん、俺の勘違いでした。じゃあそういうことで」くるっ
涼「ちょちょちょ、ちょっと待ってくださいよ! ちゃんと説明してください!」がしっ
女P「あー、やっぱそうなるよねー」
涼「当然ですよ! なんですか異世界って! それにプロデューサーさん、男の人だったんですか!?」
女P「仕方ないな……信じてもらえるかはわからないけど、全部話すよ。美希も呼んだ方がいいかな」
涼「……!?」
-
137 : 2014/04/03(木) 17:12:28.65 -
§説明終了
女P「と、いうわけなんだ」
涼「……にわかには信じ難いですね……お2人は性別が逆の異世界から来た人達、ですか」
光希「はいなの」
女P「てっきり涼ちゃんは俺らの世界の涼ちゃんかと思ったんだが、まさか男装アイドルとはな……
待てよ、ってことは俺らのいた世界の涼ちゃんは女装アイドルだったのか。衝撃の真実だな」涼「ちょ、男の子の私も本来の性別とは逆の性別でアイドルやってるんですか!? うう、とことん恵まれない……」
女P「まあまあ。ていうか、信じてくれるの?」
涼「うーん、まだちょっと混乱してますね。でも嘘にしては突飛すぎますし、嘘をつくメリットもないでしょうし……
やっぱり、本当なんじゃないかって私は思ってます」光希「あはっ☆ 涼は話がわかるの!」
女P「なんだか妙なことで仲間が増えたなあ……まあ結果オーライか?」
涼「仲間……そういえば、お2人以外に、その異世界から来たって人はいるんですか?」
女P「ジュピターの天ヶ瀬冬香って知ってるか? 彼女がそうだよ。中身は冬馬ね」
涼「へー」
女P「またの名を鬼ヶ島刹那、あるいは鬼ヶ島羅刹、と」
涼「え?」
光希「ハニーのそれ、故意犯だったんだね」
女P「うんにゃ、たまに素で間違える」
涼「……?」
-
138 : 2014/04/03(木) 17:13:43.27 -
女P「涼ちゃんの男装を知ってるのは、夢男君と武田さんと……あとは誰かいるの?」
涼「石川社長とまなとさんと、律雄兄さんですね」
光希「律、雄、さんもなんだね」
女P「区切りすぎだろ光希。しかしなんでまた男装なんか」
涼「……男アイドルでなきゃデビューさせてもらえない、って。一応、トップアイドルになれば
ちゃんと女アイドルとして再デビューさせてもらえる約束にはなっているんですけど……それもどうなることやら」女P「でも、最近は876プロもどんどんランクを上げて来たじゃないか。このままいけば再デビューも近いんじゃない?」
涼「……どう、でしょうね」
女P「……?」
光希「なんだか涼、すごく暗いの」
涼「いえ、気にしないでください。ちょっと、ありまして」
女P「…………」
-
139 : 2014/04/03(木) 17:14:12.18 -
涼「……お2人は、大変だと思いませんか? 異性になるのって。自分の体が、心と違う性別なのって」
女P「そりゃあ大変だよ。わからないことだらけで、不安だし恥ずかしいし、美希には散々遊ばれるし」
光希「ミキもたくさん困ることはあるけど、ミキ的にはハニーさえいればオールオッケーってカンジ!」
女P「美希はたくましいよなあ。女が男になるのも、色々苦労は多いはずなのに」
光希「とりあえずトイレとお風呂の時が一番困るの。だってこか……」
女P「アイドルがそれ以上言っちゃいけません」
涼「ははは……やっぱり、演技とかじゃなくて体ごと変わっちゃうと、苦労もまた違うんですね」
女P「んー、そうだね。涼ちゃんは涼ちゃんなりの苦労があるんだろ?」
涼「はい。たとえば、テレビ局でどっちのトイレに入るか……とか」
女P「あー……」
涼「今日みたいに脱がないといけない時とか……大変です」
女P「なるほどねー」
-
140 : 2014/04/03(木) 17:14:55.05 -
涼「そういえばプロデューサーさん。765プロの人達には教えてないんですか? お2人の現状を」
女P「ああ。どうせ信じてもらえないだろうしね」
光希「でもハニー、涼は信じたんだよ? みんなにも信じてもらえるんじゃないかなって思うな」
涼「私も、そう思います。なんでしたら律雄兄さんには私から言っても……」
女P「確かに信じてもらえるかもしれないけど……あまり、みんなを混乱させたくないんだ。
俺らのことを教えたら、信じるにしても信じないにしても確実にみんなは動揺する。
心配事を抱えた状態でアイドル活動するのは、できる限り避けたいことだからな」涼「なるほど」
女P「涼ちゃんも、あまり俺らのことは気にしないでくれ。これは俺らの問題だからね。
時々事情を知ってる人が必要になったら助けを求めることがあるかもしれないけど……」涼「ええ。その時は精一杯サポートさせてもらいます。これも何かの縁ですからね」にこっ
女P「ありがとう」
光希(なんだか涼、こっちの世界の方が頼りがいがある気がするの)ひそひそ
女P(言ってやるな。だからこそ男アイドルやらされてるんだろ)ひそひそ
涼「?」
-
141 : 2014/04/03(木) 17:15:22.41 -
携帯『~~♪ ~~~♪』
涼「あ、メール……夢男君からだ」
女P「なんて?」
涼「この俺が待ってやってるんだから早く来い、だそうです。
買い物中断しちゃったおわびに夢男君とご飯食べに行く約束してるんで」光希「そういえば、今日は涼と夢男はデート中だったんじゃないの?」
涼「そ、そういうわけじゃないですよ! ただ、夢男君が買い物に付き合ってくれただけですって」
光希「ふぅん?」
涼「夢男君なら、私なんかよりもっとかわいい人と付き合えるだろうし……」
女P「そうかなあ。わざわざ収録が終わるまで待ってるなんて、ほとんど恋人じゃない」
涼「い、いやいや! そんなわけないですよ! 夢男君は、その、友達でして……」
光希「この鈍感ヤローが、なの」
涼「!?」
女P「2人きりでショッピングとなると、これはもうデートだね、うん。ま、俺らみたいに特別な事情があるんなら別だけどな」
光希「てめーもなの」
女P「!?」
-
142 : 2014/04/03(木) 17:16:03.36 -
涼「じゃあそろそろ、私は失礼します。これ以上夢男君を怒らせたくないので」
女P「ん、じゃあ俺らも行くかな」
光希「ハニー、ミキ達もご飯食べに行こうよ! 今日買った服にいい感じのナイトドレスがあってねー」
女P「ちょ、記憶にないぞ!? お前俺の見てないとこでどんだけ買ってんの?」
光希「貴音の食費一日分くらいはハニーの服のために使ったの!」
女P「そのたとえはやめてくれ、高いのかどうか全貌が見えなくて怖い」
光希「さあさあハニー、お着替えタイムなのー! そのために買ったお洋服もここに持ってきたんだから!」
女P「やめて、やめて美希! 俺が男だと知ってる人の前だと羞恥心でSAN値がマッハ!」
光希「いいや! 限界なの! 着せるね!」
涼「はは……がんばってくださいね、プロデューサーさん」
女P「ぎゃおおおおん!」
-
143 : 2014/04/03(木) 17:16:31.30 -
光希『ほらほらハニー、早く着ないと人が来ちゃうかもしれないよ?』
女P『ううっ……今日は厄日だな……』
光希『ミキ的にはハニー分をたっぷり補充できてよかったって思うな』
女P『俺から何か吸い取ってんじゃなかろうな、お前……』
光希『パッと舞って、ガッとやってチュッっと吸ってWRYなの』
涼「……異世界から精神だけが来て入れ替わる、か……」
涼「…………」
涼「……急がなきゃ」
-
144 : 2014/04/03(木) 17:17:11.42 -
§その頃の尾崎カー
まなと「尾崎さん、もう少しスピード出してもいいんじゃ?」
尾崎「ダメです。まだ絵斗の具合が悪い」
絵斗「ああ、尾崎さん……時が見える……?」ふらふら
愛人「絵斗さん、大丈夫ですかー!?」
絵斗「愛人君……大声、出さないで?」
愛人「わかりましたー!!」
絵斗「あっ、三半規管に響く……?」
尾崎「まなとさん、中央エリアまであとどれくらい?」
まなと「だいたい3時間ってとこですかね」
絵斗「…………!?」がくっ
愛人「ああっ!? 絵斗さんが死んじゃいましたー!」
尾崎「帰ったら社長に言おう。今度から地方営業は新幹線か飛行機使うって」
まなと「そうですね……」
絵斗「国語の……ゴリ松……」がくーん
愛人「絵斗さあああん!!」
-
145 : 2014/04/03(木) 17:23:06.40 -
というわけで876編、というよりは涼ちん編でした。
舞さんが出せなかったのが少々気がかり。ちなみに尾崎さんの下の名前は玲、サイノリアは本名を鈴木彩之助といいます。次回はモバマス編。さすがに全部のキャラを出すのはキツいので、ある程度削ることになりそうです。あしからず。
-
150 : 2014/05/04(日) 19:13:57.16 -
書いてます。遅筆で申し訳ない。
名前考えるだけでけっこう時間とってしまって……わりとかかりそうです。 -
151 : 2014/05/17(土) 15:47:58.01 -
なんとか八割方完成しました。もう少しで投下します。
どうでもいいけれど異世界でCG(シンデレラガールズ)プロはありえないだろと今頃になって気付いたり。 -
153 : 2014/05/19(月) 23:06:16.52 - 完成しました。明日に投下します。
-
156 : 2014/05/20(火) 18:02:11.82 -
§765プロ
P「ただいまー」がちゃっ
小鳥「あ、お帰りなさいプロデューサーさん」
真美「兄ちゃんおかえりんこ→」
やよい「おかえりなさいですー!」ガルーン
貴音「お帰りなさいませ、あなた様」
P「ああ、ただいま」
やよい「あれ、プロデューサーだけですか? 春香さんと千早さんと収録に行ってたんじゃ……」
P「2人ならちゃんといるよ。すぐに来るはず……」
???『わあーっ!?』
どんがらがっしゃーん
真美「うん、はるるんだねぃ」
P「やれやれ……」
-
157 : 2014/05/20(火) 18:02:51.15 -
春香「っつうー、またやっちゃったぁ……」
千早「もう、走ったりするからよ。階段を登った直後だったからよかったけど、途中だったら大惨事よ?」
春香「えへへ、ごめんね千早ちゃん」
P「おーい春香、大丈夫か?」
春香「あ、はい、大丈夫です! これくらい日常茶飯事ですよ日常茶飯事!」
千早「胸を張ることじゃないと思うけど……」
真美(千早お姉ちゃんには張る胸がない……ってのは流石にアウトだよNE)
貴音(真美、そのようなことを言うものではありませんよ)
真美(こいつ、脳内に直接……!)
貴音(いえ、小声で喋ってるだけです)
真美(それを言っちゃあししまいっしょ→)
P「そっちは何をこそこそ話してんだ?」
-
158 : 2014/05/20(火) 18:03:41.92 -
美希「ん……あふぅ、ハニーおかえりだよ……なの」むくり
真美「あ、ミキミキ起きた」
P「ずいぶん平然と寝てたね……」
美希「あふぅ。律、子がいないときくらい、いいって思うな」
小鳥「区切るとこおかしくない?」
P「……律子がいないときくらい、ねえ」
美希「鬼の居ぬ間の休息なの」
律子「だぁれが鬼ですって?」
美希「ナノ!?」
伊織「こりないわねえ、あんたも」
やよい「あ、伊織ちゃん」
亜美「ドーモやよいっち、アミ=デス」
あずさ「あらあら~」
美希「り、律子? なんだかとっても怖いの」
律子「美希ぃ? さんをつけなさいっていつも言ってるでしょ……?」ゴゴゴ
小鳥「律子さん達もいたんですね」
P「入口でいっしょになったんですよ」
美希「そ、それを先に言ってなのー!」だっ
律子「逃がすかぁ!」がんっ
美希「ナ゛ノ゛ッ」
亜美「りっちゃんニンジャのテッケンセイサイ=ジツが炸裂!」
真美「哀れミキミキは爆発四散!」
-
159 : 2014/05/20(火) 18:04:24.54 -
美希「うう、痛いの……律、子、さんは女の子なのに力が強すぎるの!」
律子「私は非力な方よ。私に殴られるだけありがたいと思いなさい」
伊織「にひひっ、真の馬鹿力だったら頭が変形しそうだものね」
春香「だねー」
千早「いくら真でもそこまではないんじゃない?」
亜美「甘い! 甘いよ千早お姉ちゃん!」
真美「バケツいっぱいのゴージャスセレブプリンより甘いNE!」
やよい「わー、そんなにプリンがあれば、ウニのお寿司何人分作れるんだろ……」
亜美「あ、すんませんなんでもないです」
真美「うあうあ~……」
伊織「やよい……」
千早「高槻さん……」
やよい「?」
-
160 : 2014/05/20(火) 18:05:36.63 -
律子「ほらほらみんな、のんびりしないの! あんたらこれからそれぞれ仕事でしょ?」
亜美「あ、そ→そ→」
真美「我ら双子はこれより極秘ミッションが!」
P「バラエティの兄弟姉妹特集の収録ね」
伊織「私はやよいといっしょに撮影で……」
春香「私と千早ちゃんはボーカルレッスン」
あずさ「私と貴音ちゃんがダンスレッスンね~」
貴音「はい」
P「ダンスレッスンか……」
真美「おやおや~? 兄ちゃんは何を想像したのかなあ?」
亜美「兄ちゃんはあずさお姉ちゃんとお姫ちんの揺れるおムネに興味津々かな? んっふっふ~」
P「いや、それはない」キリッ
亜美「ありゃっ?」ずてっ
あずさ「あらあら~?」
真美(……兄ちゃんは、小さい方が好みなのかな……?)
貴音(むう、あまり気にされないというのも……)
あずさ(ちょっと傷つくわ~)
伊織(…………)
律子(プロデューサー、近頃なんか異性関係にクールなのよね……ただでさえ鈍感だってのに)
美希「あふぅ」
-
161 : 2014/05/20(火) 18:07:08.19 -
P「俺はこれから美希と外出だな」
小鳥「CBプロさんに挨拶でしたっけ?」
P「ええ。ちょっと用事がありまして」
伊織「でもなんで美希となのよ? 挨拶なら百歩譲って律子か、
このスーパーアイドル水瀬伊織ちゃんを連れていくべきでしょ!」P「美希はこの前テレビでCBプロの子と仲良くなったらしくて、その関係もあってな」
伊織「ふぅん? なんか怪しいわね」
やよい「伊織ちゃん、私とのお仕事……嫌なの?」
伊織「そんなわけないでしょ。ただこの馬鹿プロデューサーが最近妙に美希を贔屓してるから気になってるのよ」
P「そ、そうか? 別にそんなことはないと思うぞ?」
律子「確かにそれはあるわね。美希の収録に優先して同行するし、事務所でも2人だけで話してるし……
この前なんて、2人で街にショッピングに出掛けたそうじゃないですか」春香「えぇっ!?」
P「な、なぜそれを!」
律子「涼から聞いたんですよ。この前の一件で、なんで美希がオフだったのを知ってるのか問い詰めたら白状しました」
千早「それって……」
あずさ「デート……ですか?」
P「ち、違いますよ! ただの荷物持ちです! 美希の買い物に付き合わされただけで!」
美希「そーなのそーなの。ちょっとミキがハニーと仲良くしただけで騒がないでほしいって思うな。
律子ったら嫉妬深いの」律子「オラァ!」がんっ
美希「ア゛フゥ゛ッ」
律子「さんをつけなさい」
美希「うー……い、今のは明らかにそれについての拳じゃなかったの……」
亜美「りっちゃん、ヒスパニックはかっこ悪いYO」
伊織「ヒステリーね」
律子「うるさい!」
-
162 : 2014/05/20(火) 18:08:28.86 -
§P車内
美希「痛いよ。律子、さんに2回もぶたれたよ……」
P「光希がむやみに律子を挑発するからでしょ。反省しなさい」
美希「俺が男だったら律子、さんになんて負けないんだけどなあ」
P「はいはい」
美希「ところでハニー、さっきの話だけど、今のハニーって女の子に興味ないのか?」
P「んー? んー、ないかなあ。私は女だしね」
美希「今の俺、けっこうかわいくない? 俺でもダメ?」
P「そりゃ『星井美希』はかわいいよ。アイドルだものね。でも私にとっては同性だからなー」
美希「むう、浮気の心配がないのはいいけど、夫が愛してくれないよ。倦怠期だよ」
P「あなたは私の妻じゃないでしょーが。それより光希こそどうなの?」
美希「俺?」
P「男の私でもあなたはいけるのか、ってこと」
美希「あ、それなら問題ないよ。男だろーと女だろーとハニーはハニーってカンジ。
男の人のハニーけっこうかっこいいしね。ハニーもそう思うだろ?」P「んー、まあね。自分で言うのもなんだけど男の私はかっこいい部類だと思う。
もちろんあなた達アイドルほどじゃないけどね。男と女でどうしてこうも差があるのか……」美希「俺的には、女の子のハニーもすっごくかわいいって思うよ」
P「はは、ありがとう光希」
-
163 : 2014/05/20(火) 18:09:07.69 -
§女P車内
光希「痛いの。律雄、さんに2回もぶたれたの……」
女P「美希がむやみに律雄を挑発するからだろ。反省しなさい」
光希「今のミキなら律子、さんには負けないんだけどなあ」
女P「はいはい」
光希「ところでハニー、さっきの話だけど、今のハニーって男の子に興味ないの?」
女P「んー? んー、ないかなあ。俺は男だしね」
光希「今のミキ、けっこうかっこよくない? ミキでもダメ?」
女P「そりゃ『星井光希』はかっこいいよ。アイドルだものな。でも俺にとっては同性だからなー」
光希「むう、浮気の心配がないのはいいけど、妻が愛してくれないの。倦怠期なの」
女P「お前は俺の夫じゃないだろーが。それより美希こそどうなんだ?」
光希「ミキ?」
女P「女の俺でもお前はいけるのか、ってこと」
光希「あ、それなら問題ないの。男だろーと女だろーとハニーはハニーってカンジ。
女の人のハニーけっこうかわいいしね。ハニーもそう思うでしょ?」女P「んー、まあな。自分で言うのもなんだけど女の俺はかわいい部類だと思う。
もちろんお前らアイドルほどじゃないけどな。男と女でどうしてこうも差があるのか……」光希「ミキ的には、男の人のハニーもすっごくかっこいいって思うの」
女P「はは、ありがとう美希」
-
164 : 2014/05/20(火) 18:09:47.06 -
§ややあって
光希「あ、ここだね。CBプロ」
女P「ああ。できれば俺らみたいに異世界から来た人間を見つけられればいいんだが」
光希「人数が多いからねー」
女P「軽く765プロのの10倍近く、しかもこっちでは全員男……めまいがするな」
光希「ちょっとしたハッテン場だね」
女P「おい待てその言葉どこで覚えた」
光希「この前鳳が言ってたの」
女P「音無さん、あんたって人は……!」
光希「ねえハニー、ハッテン場ってどういう意味?」
女P「一生知らなくていいことです。言っとくがCBプロ内でその言葉、絶対に口走るなよ?
棟方愛海ちゃんとか喜多日菜子ちゃんの男バージョンが反応しそうだ」光希「あっ……(察し)」
女P「その『あっ……(察し)』も鳳さんか」
光希「これは小鳥なの」
女P「ちくしょう、異世界にいるから文句も言えない」
-
165 : 2014/05/20(火) 18:10:35.17 -
§CBプロ
女モバP「スタ」
千尋「100」
女モバP「はい」カキン
千尋「どぞ」すっ
女モバP「…………」ごくごく
千尋「エナ?」
女モバP「いや」ふるふる
千尋「特価80」
女モバP「……はい」カキン
千尋「どぞ」すっ
女モバP「…………」ごくごく
-
166 : 2014/05/20(火) 18:11:06.58 -
憐「……なんですか、今の」
千尋「一種の高速言語だよ、憐(れん)君」
公央「まあ内容はだいたい予測できるけどな」
卯月「プロデューサー、体大丈夫?」
女モバP「うん、これくらいどうってことないわよ。体重と財布は軽くなる一方だけど」
憐「それけっこうマズいんじゃ?」
公央「プロデューサーをかな男に襲撃させて太らせちまうか」
卯月「単にかな男が食べまくるだけの気がする……」
-
167 : 2014/05/20(火) 18:11:41.27 -
女P「こんにちはー」ガチャ
光希「こんにちはだよー」
憐「あ……765プロのプロデューサーさん」
公央「と、光希くん」
卯月「こんにちはー」
女モバP「お久しぶりです」
光希「あれ、杏(きょう)さんはいないのか?」
千尋「杏君ならレッスンだよ」
憐「杏と知り合いなんだ」
光希「同じ正義……『寝・戯・怠』を信じる同志だよ」
卯月「嫌な正義だね」
-
168 : 2014/05/20(火) 18:13:12.67 -
女P(渋谷憐、島村卯月、本田公央。それぞれクール系キュート系パッション系美少年……ってこれじゃまんますぎるか。
憐君は小柄ながらもクール系イケメン。シュッとした感じは千隼以上か?
卯月君は……うん、春香以上にどこにでもいそうなかわいい男の子。
公央君は意外とあまり変化ないな。髪が短くなったくらいかな? 背丈も真くらいだしな)千尋「こんにちは、プロデューサーさん」
女モバP「千尋さんは765プロのプロデューサーさんにお会いするのは初めてでしたよね」
千尋「いえ、一応イベントで軽く挨拶だけはしたことがあります」
女P(この人達も……千川千尋さんとCBプロのプロデューサーさん。
千尋さんは事務員のわりにけっこうかわいい系。身長も小さめです。
プロデューサーさんもなかなかの美人。でも身長は俺と同じくらいか)女モバP「えーと、お2人はうちのアイドルを見に来たんでしたっけ?」
女P「ええ。最近765とCBプロとの共演も多くなってきたし、
CBプロにどんなアイドル達がいるのか把握しておきたいと思いまして」憐「ああ、うちは100人以上いるからね」
卯月「同じ事務所の僕達でも覚えるのは苦労したくらいだからな」
公央「俺なんかまだ覚えきれてないくらいだしな」
憐「えっ」
卯月「えっ」
女モバP「えっ」
公央「えっ?」
-
169 : 2014/05/20(火) 18:13:39.60 -
女モバP「今日はしばらくの間は事務所にいるんですよね」
女P「はい。なるべく多くのアイドルと会っておきたいので。ご迷惑にならないようでしたら、ですけど」
千尋「どうぞどうぞ。忙しくてあまりお構い出来ませんが、それでよろしいのでしたら」
燐「そうだ、俺達もこれから収録があるんだった」
女P「最近ニュージェネレーションズは絶好調だもんね」
公央「へへ、おかげさまで……でも、もっともっとがんばらないと!」
卯月「常に前進、目指せトップアイドル! ですっ!」
女モバP「あまり気張りすぎて失敗しないようにね。3人ともいってらっしゃい」
憐「はい、プロデューサー」
光希「いってらっしゃいだよー」
-
170 : 2014/05/20(火) 18:15:26.24 -
女P(さて、ここで待ってればアイドルが次々来るはずだ。
女の子の方ならともかく、男の子の方のCBプロは全然知らないからな……
まあでも見た目や雰囲気とかでだいたい誰の男の子バージョンなのかはわかるはず……)???「お疲れ様でーす」ガチャッ
千尋「あ、お疲れ様です」
女P(早速わかんない人が来ただと!? なんだあれは、ステージ衣装か?
何かを模しているようだが、どうやら狼か……? 本人は15歳くらいの童顔少年だな)???「あれ、こちらは?」
女モバP「765プロのプロデューサーさんと星井光希君。
ウチのアイドルの顔を確認したいって、わざわざ来てくれたのよ」???「へえ、それはそれは。初めましてー」
女P「初めまして……えっと、君は?」
???「よくぞ聞いてくれました! 僕はウルフン星からやってきた、ウルフン星人安部菜々男です! アオーン!」
女P「あ、なるほど」
菜々男「え?」
女P「いやなんでもないよ」
-
171 : 2014/05/20(火) 18:15:57.41 -
女モバP「意外と動じませんね765プロさん。菜々男はウチの中でも
かなりの変人……もとい変わり者なんですけど」菜々男「言い直せてないですよプロデューサーさん」
女P「聞いた程度には知ってますから(女の方を)。菜々男さんみたいな
色物……もとい変わり者ならなおさら」菜々男「わざとやってません? あと『君』付けでいいですよ、年下なんですから! アオーン♪」
女P「えーと、菜々男さんは一応17歳なんだっけ」
菜々男「一応ってなんですか! 僕は立派なヤングボーイですよ!」
光希「俺的には今時ヤングとか使わないって思うな」
菜々男「う、ウルフン星はちょっと地球文化の伝達が遅くって……」
女P(見た目だけならジュピターの御手洗翔太と同い年くらいなんだけどな、この人)
-
172 : 2014/05/20(火) 18:18:25.41 -
文哉「お疲れ様です……」ガチャ
女モバP「あ、お疲れー」
女P(あの喋り方と手に持った本は鷺沢文香ちゃんか。
身長高めのイケメン系……しかしどこか自信なさげな表情はそのままか)文哉「あれ……この人達は……?」
女P「765プロの者だよ。CBプロのアイドル達に会いに来たの」
光希「知らない人だよ」
女モバP「鷺沢文哉。読書系アイドルよ」
文哉「読書が……好きです……はい……」
女P「読書か。うちの事務所だとあまり本好きはいないかな?」
光希「小鳥がたまに読んでるよ」
女P「それは薄い本でしょ」
-
173 : 2014/05/20(火) 18:18:54.07 -
千尋「持ってるの、新しい本?」
文哉「はい……新刊の、ミステリーです……」
光希「あ、これ今度映画化される奴だよ」
女モバP「そうそう。CBプロからも何人か出演させてもらってるのよ。文哉もね」
文哉「嬉しくって、買っちゃいました……」
光希「765プロからも誰か出るんだっけ?」
女P「響が出るよ。開始早々に殺されるけど」
女モバP「あらら」
-
174 : 2014/05/20(火) 18:19:25.69 -
女P「で、どんな話なんでしたっけ?」
文哉「よくある探偵もので……主人公の探偵の、ミステリアスなキャラクターが人気なんです……」
女モバP「で、その探偵役がうちの楓なんですよ」
光希「ああ、あの素敵なステッキの人」
千尋「すごい形で認識してるね」
女モバP「あながち間違いじゃあないけど」
文哉「主人公のイメージには、ぴったりなんですけどね……」
女P「ちょっと貴史と似てるかな。クールで面妖で……」
光希「どっかズレてて」
女P「そうそう」
§765プロ
貴史「くちゅんっ」
-
175 : 2014/05/20(火) 18:21:16.51 -
楓「…………」がちゃっ
女モバP「あ、噂をすれば」
女P(高垣楓さん。元々高身長だったからか男版はかなりでかいな……
髪はやや長めでオッドアイは変わらず。765にはない大人のかっこよさだな)千尋「お疲れ様、楓さん」
女P「どうも、お邪魔してます」
光希「お久しぶりですだよー」
楓「あ、765プロの……久しぶりだね」
千尋「今ちょうど楓さんのことを話してたんですよ」
楓「僕のことを……? ああ、文哉君が持ってるそれか」
文哉「はい」
女P「主人公をやるんですってね」
楓「はい。ありがたいことに僕を指名してくれる人がいたらしくて……」
光希「楓にはコアなファンがいるって聞いたよ。千隼さんもそうだし」
女P「千隼も?」
楓「千隼君とは、どうも感性が合うみたいで……」
光希「ダジャレに爆笑してたよ」
女P「あーなるほど」
-
176 : 2014/05/20(火) 18:21:48.66 -
女P(……このクールなイケメンがダジャレを飛ばすのか……なんか女の方よりも違和感が)
楓「……光希君か」ぼそっ
女P(おや)
楓「…………」
女P(何か考えてる……すごく知的でミステリアスでかっこいい……が)
楓「光希に……病み付き……ふふっ」
女P(うん、やっぱ楓さんは楓さんだな)
-
177 : 2014/05/20(火) 18:22:47.31 -
幸男「お疲れ様です。ふふ、かわいい僕が来ましたよ」がちゃっ
女モバP「ん、幸男お疲れー」
女P(おや新手。あの口調と表情は輿水幸子ちゃんかな? ややくせっ毛気味の青紫色の髪に、
けっこう小柄で俺よりちょっと小さいか。確かに自称する通りかわいい系だな)幸男「あれ、こちらは……?」
女モバP「765プロのプロデューサーと光希君。うちの事務所のアイドル達を知っておきたいんだって」
幸男「へえ。もちろん、かわいい僕の名前は知ってますよね?」
女P「うん。輿水幸男君でしょ?」
幸男「ふふ、やっぱり僕のようにかわいいと他の事務所の人にも知られてしまうんですね!」ドヤァ
女P(さっきモバPが言ってたんだけどね)
光希(響の数倍のドヤ顔なの。なぜだか無性に腹パンしたくなる顔なの)
女P(美希、それはこっちのプロデューサーの特権だからな)
幸男「?」
-
178 : 2014/05/20(火) 18:24:01.15 -
女P「CBプロは765プロに比べるとかわいい系のイケメンが多い印象かな」
光希「765プロだとでこちゃんとやよいくらいだもんね」
幸男「765プロの人達はかっこいいですよね。あれは僕にはない魅力です」
女モバP「あら、幸男が自分を卑下して他人を褒めるとは珍しい」
幸男「ふふん、僕はただの自惚れ屋ではないですからね。客観的に自分を見れるんです。
もちろんプロデューサー、客観的に見ても僕は世界一かわいいですけどね!」ドヤァ女モバP「うんうん、幸男はかわいいよ」なでなで
幸男「なんだか感情がこもってないようですが……今日は特別にもっとなでなでしても許してあげますよ!
僕はかわいいだけでなく器も大きいので!」女モバP「はいはい」なでなで
幸男「♪」
女P(流石は100人以上を同時プロデュースするP、扱いがうまい)
光希(むう、ミキもハニーになでなでしてもらいたいのに……
ミキもかわいい系がよかったの。妬ましいの。ジェラシーなの。私マーメイなの) -
179 : 2014/05/20(火) 18:24:59.08 -
加蓮「お疲れ様ー」がちゃ
奈緒斗「お疲れー」
女モバP「あ、加蓮。それに奈緒斗」
女P(あれは……トライアドプリムスの憐君以外の2人か。両方かっこいい系だな。
加蓮君はやや髪の長い長身で、闘病経験もあるせいかかなりの痩せ型。
奈緒斗君は小柄な方だな。イケメンはイケメンだがかわいらしさもある。眉毛とか)光希「あ、りんなお……れんなおかれんの人だよ」
千尋「まだユニットが正式に結成されてなくて、とりあえず3人で活動してた時期の呼び方だね」
女モバP「ええ」
女P「今じゃあトライアドもかなり有名だよね」
加蓮「ニュージェネレーションズに追い抜かれちゃったけどなー」
奈緒斗「ま、あっちは今やうちの看板だからしゃあねえが……ただなあ」
女モバP「ただ?」
加蓮「ああ、奈緒斗は憐をとられて寂しいんだよ」
奈緒斗「そ、そんなんじゃねえよ!」
千尋「へー、人気者だねぇ憐君は」にやにや
奈緒斗「そのニヤけた顔をやめてください!」
女P(伊織……よりはあまとうのタイプだな、この子)
-
180 : 2014/05/20(火) 18:27:40.00 -
女モバP「2人はこれから……」
奈緒斗「ボーカルレッスン。2人だけで行くんだったね」
女モバP「ええ。憐はニュージェネの方に行ってるから。お願いね」
奈緒斗「……うん」
加蓮「4人で行きたかったんだろ? 本当は」
奈緒斗「ッ!?」
女モバP「4人? 3人じゃなくて?」
奈緒斗「バ、バカ! 俺は別に……」
加蓮「ああそうか、正確には2人きりが望みか」
奈緒斗「……ッ!!」ぷるぷる
光希(奈緒斗、顔真っ赤なの)
女モバP「2人きり……? 憐と?」
奈緒斗「し、知らねえよ! ほら加蓮とっとと行くぞ!」
加蓮「はいはい。それじゃプロデューサー、僕達はこれで」
女モバP「ええ、がんばってきてねー」
光希(こっちも大変そうなの)
-
181 : 2014/05/20(火) 18:33:24.31 -
周「はーいおはよー、シュウだよ」ガチャ
千尋「はーいお疲れー」
女P(シュウ……塩見周子ちゃんか。こっちでは周って名前なのかな?
スレンダーで長身、色白なイケメン。貴史にちょっと似てるかも)周「んー? こっちは?」
女モバP「765プロのプロデューサーさんと星井光希君」
女P「初めましてー」
光希「久しぶりだよ」
周「久しぶりー」
女P「あれ、会ったことあるの? 光希」
光希「うん。雑誌の和服特集で、響と貴……史といっしょに撮影したよ」
女P「あー、あったねそんなのも。周君は確かに和服が似合いそうだな」
周「そりゃどうも。でも貴史さんには負けるかなー」
光希「貴史は別格だよ」
§765プロ
貴史「くちゅんっ」
梓「どうしたんだい貴史君。風邪かな?」
貴史「はて……どうも、何者かわたくしの噂をしているようです」
梓「おやおや、貴史君は人気者だね~」
貴史「ふふ、そう思うことにいたしましょう」
-
182 : 2014/05/20(火) 18:34:11.54 -
女P「周君は京都出身なんだっけ?」
周「うん。実家が和菓子屋でさー、和菓子職人になれって言われたけど家出してアイドルになっちゃった」
光希「へー。そうだ、俺も家出しちゃおうかな?」
女P「却下」
光希「えー、なんでー」
女P「家出してどこで寝泊まりするつもりだお前」
光希「そりゃ! 当然! ハニーの家なの」
女P「だからダメだってんだよ」
周「……ねえプロデューサー、俺はプロデューサーの家に泊まっちゃダメ?」
女モバP「ッ!? な、何を言い出すのよ! ダメに決まってるでしょ!」
周「だよねー。言ってみただけ」
女モバP「もう……」
光希「♪教えてハーニィー ♪お部屋は何号ーぉー」
女P「教えるか!」
-
183 : 2014/05/20(火) 18:34:42.60 -
蘭人「闇に飲まれよ!」がちゃ
女モバP「ああ蘭人、お疲れー」
女P(あの特徴的な熊本弁と厨二服は……神崎蘭子ちゃんか。
けっこうな長身のクール系イケメン。実際ラノベかなんかでこんな魔王いそうだ)蘭人「む? 我が眷属よ、ここな者はいかなる門より出でし者か」
女モバP「765プロのプロデューサーさんと星井光希君。うちの事務所のアイドルと会いに来たのよ」
光希「こんにちはだよ」
蘭人「ほう、嘆きの壁を越えるとは。我が名は神崎蘭人、宵闇司りし魔王なり!
光の騎士よ、貴様の瞳に我が魂も高ぶっておるわ!」光希「ありがとうだよ」
蘭人「騎士を従えし賢者よ! 貴様とてヴァルハラに選ばれし存在。
エデンの園は罪と罰に染まり、その身は天をも衝かんとする!
生き血こそ力! 永遠こそ我が望み! 覚悟することだ……闇に飲まれよ!」女P「は、はあ」
光希「へー。けっこう有名なんだね」
蘭人「天の理よ」
女P(なんで光希はわかるんだ……やはり天才か)
-
184 : 2014/05/20(火) 18:35:21.70 -
実嘉「やっほー★」がちゃ
利嘉「やっほー☆」
女モバP「あら実嘉(さねよし)、利嘉(かずよし)。お疲れ」
蘭人「闇に飲まれよ!」
女P(なんかやたら名前が変わってるけど城ヶ崎兄弟か……
兄ヶ崎こと実嘉は赤髪の長身イケメン。雰囲気だけなら冬馬が近いな。
弟ヶ崎こと利嘉は金髪のキュートショタ。こっちも翔太みたいな感じだな)実嘉「あれ、光希じゃん。なんでここに?」
光希「久しぶりだよー。えーっと、ここのアイドルの顔を拝みに来たんだよ」
女P「喧嘩売ってるみたいだからその言い方はやめなさい」
-
185 : 2014/05/20(火) 18:35:49.75 -
女モバP「今日は兄弟で来たんだね」
実嘉「今日は久々に利嘉と撮影だからな」
千尋「テレビの兄弟姉妹特集だったっけ?」
利嘉「うん!」
女P「あ、それならうちの亜実真実も出てるよ。向こうで会ったらよろしくね」
実嘉「ああ、765プロの双子! あの2人面白いんだよなー★」
利嘉「同じ兄弟アイドルとして負けてらんないよ! がおー☆」
光希「……あはっ☆」
女P「お前は☆に対抗せんでいい」
蘭人「†闇に飲まれよ†」
女モバP「別に記号対決じゃないからね蘭人」
-
186 : 2014/05/20(火) 18:36:22.58 -
ゆうま「こんにちは……ふふ、プロデューサーさん、お疲れ様です」
女モバP「ゆうまね。お疲れ」
女P(ゆうま……名前だけだと判断し辛いが、あの光のない目は間違いない。
佐久間まゆちゃんだ。幸男君と同じタイプのかわいい系だが……相変わらず雰囲気がヤバイ)ゆうま「あれ……この人は誰ですかぁ……?」
光希「俺は光希だよ。765プロのアイドル。で、こっちは俺のハニーだよ!」ガシッ
女P「ひゃっ……!? こ、こら! いきなり抱き着くな! えーっと、私はこいつのプロデューサーね」
ゆうま「……ふふ、光希さん、ですかぁ」にこり
光希「だよ」
ゆうま「765のプロデューサーさんと仲がいいんですねぇ」
光希「もっちろんだよー! ね、ハニー?」
女P「とりあえず離れてくれ……恥ずかしい……」
千尋(ふむ、真っ先に自分が女Pさん一筋であることをアピールして
ゆうま君の警戒を解いた……光希君、けっこうなやり手だね。やはり天才か……) -
187 : 2014/05/20(火) 18:37:25.76 -
女モバP「ゆうまは今日仕事ないでしょ? どうしたの?」
ゆうま「プロデューサーさんに会いたくて……ふふ、いけませんか?」
女モバP「いけないってことはないけどね、休めるときに休んだ方がいいと思うけど」
ゆうま「僕はプロデューサーさんといるのが一番安心できるんですよ……」
女モバP「まあいいけど。仕事の邪魔にはならないようにね」
ゆうま「……プロデューサーさんは、僕より仕事の方が大事なんですか?」
女P(あ、これアカン奴や)
光希(一気に声のトーンが下がったの。ハイライトのない雪歩みたいなの)
ゆうま「どうなんですか?」
女モバP「んー、そりゃあゆうまも大事よ。なんといっても私のアイドルだものね。
だけど私はプロデューサーだから……アイドルを輝かせるのが私の仕事」ゆうま「……そうですかぁ」
女モバP「それに、私がプロデューサーでなければ、あなたとも出会えなかったんだしね」
ゆうま「ふふ……そう言われては仕方ないですね」
女P(パーコミュかな……? 流石は女モバP、俺にできないことを平然とやってのける)
光希(天然スケコマシっぷりはハニー以上かもしれないの……)
-
188 : 2014/05/20(火) 18:38:22.55 -
アナスタシウス「ドーヴラエ ウートラ……おはようございます」がちゃ
女モバP「やあアーニャ、お疲れ」
女P(アナスタシアちゃんだっけか? ロシア人の……アーニャってのは愛称かな。
クールな印象はそのままに長身銀髪のイケメン。流石に外国人は顔の作りが一味違うな)アナスタシウス「おや……? カーク ヴァス ザヴート……あなた達は?」
女P「765プロのプロデューサー。挨拶に来てるんだよ。こっちはうちのアイドルの星井光希」
光希「だよ」
アナスタシウス「ミニャ ザヴート アナスタシウス……僕の名前はアナスタシウスです。
その……ニックネームはアーニャ。オーチン ラート パズナコーミッツァ……」女P「え、えと?」
アナスタシウス「ふふ、初めまして、と言いました」
光希「外国の人なんだねー。どこから来たの?」
アナスタシウス「ロシアです。けど、半分は日本人だから……来たというのは、ちょっと違うかもしれません」
光希「ロシア……ってどんな国だっけ?」
アナスタシウス「えーと……とてもバリシォーイ……大きくて、寒くて……そんな国です」
光希「大きくて寒い……? 北海道?」
アナスタシウス「ふふ、間違いではありません。僕はヤポーニャ……日本に来てからは、北海道に住んでました」
女P「海外ロケは行ったことなかったっけ? ブラージルとか謎の仮面をつけた民族の国とか」
光希「それはまた別の世界の話なの」
アナスタシウス「?」
-
189 : 2014/05/20(火) 18:39:12.93 -
かな男「こんにちはー」がちゃ
女モバP「お疲れかな男」
女P(三村かな子ちゃんか。意外にも長身のイケメン系。ただ千隼や貴史に比べると
スレンダーではないかな? 背の高い春馬ってところ。手に持ったクッキーの袋も春馬っぽい)かな男「プロデューサーさん、最近やせ気味なんですって? クッキー持って来ました!
バターも砂糖もたっぷりのカロリー高いやつ! これ食べて太ってくださいね!」女モバP「あのねかな男。私も一応女だから、『太ってください』はないと思うの」
かな男「あっ……ご、ごめんなさい! そうですよね……すみません! これは僕が全部食べます!」むしゃむしゃ
女モバP「ちょ、それ太りやすいやつなんじゃ……」
千尋「あーあ」
-
190 : 2014/05/20(火) 18:39:48.18 -
かな男「ふぁれ? ふぉっひのひほはひは?」むしゃむしゃ
女モバP「食べながらしゃべらない。この人達は765プロのプロデューサーさんと星井光希さん」
かな男「んぐっ……ああ、765プロさんですか! 初めまして、三村かな男です!」
光希「初めましてだよー」
女P「お菓子作りが趣味なんだね。春馬と共演したこともあったっけ」
女モバP「スイーツ系男子の特集、ありましたね。うちの法夫(のりお)も出てましたよ」
女P「法夫?」
かな男「椎名法夫。知らないかな」
光希「ああ、あのドーナツ」
女P「せめて『ドーナツの人』にしなさい」
女モバP「あながち間違いでもないけどね」
-
191 : 2014/05/20(火) 18:40:22.53 -
杏「ただいまー」がちゃ
女P(お、今回の発端でもある杏君だな。読みは『キョウ』君。セキチクのジムリーダーにあらず。
女の子のよりは大きいけど相変わらずの小ささ。ぬいぐるみも健在だし、
ツインテールがなくなったくらいで意外と変化がないな……ちなみに今日の服は『働かざるけど飴舐めたい』)光希「杏さん、こんにちはー」
杏「おや誰かと思えば光希じゃん。なんでここに?」
女P「以前光希が仕事でお世話になったらしいから、改めて挨拶に来たんだよ。
ついでに他のアイドル達とも顔を合わせておこうと思って」杏「マメだねぇ……俺には到底真似できそうにないよ」
女モバP「というか杏、レッスンはどうしたの? まだ終了時刻じゃあないでしょ」
杏「さあて、そこんとこだが俺にもようわからん」
女モバP「……抜け出してきたね?」
杏「……ノーコメント」
女モバP「フフ、そう来るだろうと思ってねぇ杏。既に手配してあるのよ」
杏「え?」
女モバP「カモン!」パチン
光希「うっ……!?」
???「にょわ~……」ゴゴゴ
女P「こ、このプレッシャーは!」
杏「ま、まさか……」
-
192 : 2014/05/20(火) 18:41:00.08 -
女P(間違いない! あの子だ! だ、だが待てよ……まだ希望はある!
真が異世界では王子様になりたいと思っているように、特徴が反転していることがある!
だからこの子も、こっちの世界では逆に小さくなっている可能性が微レ存……)あきら「にょわー☆」どかーん
杏「げえっ! あきら!」
女P(ダメだったー! でっけー、190以上はあるぞ!
だかでかいことにはでかいが筋肉質ではない! むしろ童顔!
だからこの小学男子の如き服と言動はけして気持ち悪くはない!
ただまあ、なんというか、デカァァァァァァァァいッ説明不要ッ!)女モバP「どうしたあきら! それでも世界でもっともハピハピな一族の末裔か!」
あきら「きらりーん……」ドドドドド
杏「ちょっ、待て! 実は俺には女房子供飼い犬がいて……」
女モバP「薙ぎ払え(物理)!」
あきら「あたーっく☆」ボギャア
杏「ダニ"ィ"ッ"」
千尋「あーあ」
-
193 : 2014/05/20(火) 18:41:57.25 -
杏「あーこれ骨折したわー、もうレッスン行けないわー」
女モバP「当たり屋みたいなことを言うんじゃないの。最近はあきらも
力加減がわかってきてるからたいしたダメージもないでしょうが」杏「うぐ、見抜かれたか」
あきら「作戦シッパイ☆ だにぃ」
千尋「あきら君もグルだったんだね」
女モバP「あきらをコントロールするとは……」
女P「これがあんきらか」
あきら「杏ちゃんとあきらは仲良しだもんにぃ」ひょいっ
杏「慣れただけだってーの」←肩車されてる
あきら「じゃあこのまま杏ちゃんとレッスン行ってくるにぃ☆」
杏「え、ちょ、あきら、話が……」
女モバP「ええ、いってらっしゃい」
あきら「杏ちゃん、しぃっかり掴まっててにぃ。それじゃ、きらりーんロケット☆」だだっ
杏「ちょ、200cm弱の視点で全力疾走はぁぁぁぁぁ……」
光希「杏さんのご冥福をお祈りするよ」
女P「勝手に殺さない……と言いたいところだが、俺も祈っておこうかな」
女モバP「実際、いつだかあの状態でドアの上サッシにぶつかって杏が死にかけてましたよ」
女P「末恐ろしい……」
-
194 : 2014/05/20(火) 18:42:28.39 -
§ここからダイジェスト
相梨「ちょっと暑いですね」ぬぎぬぎ
女モバP「こらこら相梨」
女P(わーお、マッソォ)
光希「こっちもすごい筋肉だよ」
雫「酪農って体力使うんですよねー」
女P(……もしも、あのすごいサイズがそのまま下に行ってたら……ゴクリ)
千尋「?」
春雄「まぁまぁ眼鏡どうぞ」
女P「もうかけてます」
光希「あふぅ」
ナターリウス「ハーイ!」
フレデリック「プロデューサーちゃん♪」
馮馮「ニーハオー!」
女モバP「出たな外国人組」
女P(男になると印象変わるなあやっぱ)
女モバP「おーいルイスー、撮影行くぞー」
ルイス「人前で名前を呼ばないでください」
女P(ルイスって外国人組かと思ったら橘君か)
輝「フヒ……友達……」
乃「事務所に来たら知らない人とか……むーりぃー」
千尋「はいはい、輝(しょう)君も乃(おさむ)君も机の下から出て!」
-
195 : 2014/05/20(火) 18:44:37.30 -
§大体終わって
女P「それじゃあCGプロのみなさん、今日はありがとうございました」
千尋「いえいえ。またいつでもいらっしゃってくださいね」
光希「バイバイだよー」
女モバP「仕事で一緒になったときはよろしくお願いします」
女P「はい。ではこれで失礼します」
千尋「さようならー」
-
196 : 2014/05/20(火) 18:45:07.31 -
女P「……結局、異世界の人間は見つからなかったな」
光希「でも、ミキ的にはけっこう楽しかったってカンジ!」
女P「そうだな。個性豊かな面々に会えて、俺も楽しかったよ」
光希「あふぅ。でもちょっと疲れちゃったの。ハニー抱っこしてー」
女P「まだ諦めてなかったのか……無理だってば」
光希「ぶぅ。しょうがないから、これで我慢するの」がばっ
女P「ひゃっ……!?」
光希「あすなろ抱きっていうんだっけ? これなら丁度いいの♪」
女P「ま、まあ……これくらいなら、いいか……恥ずかしいけど……」
光希「それじゃあハニー、帰ろ? みんなのいる事務所に」
女P「ああ」
???「ていよく締めに入っているところ悪いが、ちょっといいかな?」
女P「え?」くるっ
-
197 : 2014/05/20(火) 18:45:38.34 -
女P(おや……事務所では会ってないアイドルの子か。小柄だがスマートで、
眼鏡と白衣のおかげかかなり知的な印象。足元にいるのは犬型のロボットかな? この子は確か……)晶原「私は池袋晶原(あきはら)。CBプロに所属するアイドルだ」
女P「そう、晶原君ね、知ってるよ。メカに詳しいんだっけ」
晶原「メカというよりロボットだな。だが私はオールマイティに様々な分野も研究している。
あくまでも好きで得意なのがロボットというだけだよ」光希「俺、ロボットなんて青い猫型ロボットくらいしか知らないよ」
晶原「あれも私が言うロボットとはずいぶん違うものだがな……
いやしかし、あれほどの自律性と利便性を併せ持つロボットというのは
むしろロボットの理想形ともいえるか。しかしアシモフの三原則が……」ぶつぶつ女P「……えーと、晶原君?」
晶原「ああすまない、つい考え込んでしまった。それで本題なのだが……」
光希「あと十万馬力の科学の子とか?」
晶原「あれも性能と自律性はすばらしいものがある。だがやはり
思考が人間くさすぎる、善悪の感知が可能だというがそもそも善悪の判断などは画一的な次元でできるものではないのであって……」ぶつぶつ女P「やめろ光希、話が進まない」
-
198 : 2014/05/20(火) 18:48:22.15 -
女P「それで、なぜわざわざ事務所の外で私たちを呼び止めたの?」
晶原「ふむ。君達にひとつ、とても奇妙な質問をさせていただきたい」
光希「?」
晶原「単刀直入に言うが……君達は、異世界の住人ではないかな?」
女P「えっ!?」
光希「そうだよ。よくわかったね」
晶原「やはりか! ふふ、私の発明に間違いはなかったということだな」
ロボ『アオーン』
女P(あ、これ犬じゃなくてオオカミ型ロボットだったのか)
-
199 : 2014/05/20(火) 18:51:17.25 -
女P「ひょっとして、機械で私達……もう俺達でいいか。
俺達が異世界から来たってことを調べたのか?」晶原「無論だ。私は伊達に天才科学者を名乗っているわけではないぞ!
この時空座標特定装置内蔵ロボ、通称『ウルフン91号』にかかれば一発だ!」光希「なんだかよくわからないけどすごそうなの」
晶原「もっとも私とて仲間の科学者の協力がなければ不可能だったが……
まあそれはおいおい話そう。今はとりあえず、君達に伝えねばならないことがある」女P「え?」
晶原「君達はこの現象を、単に『性別が変わって困ったな』程度の認識だろうが……」
光希「……?」
晶原「事態は君達が思っている以上に深刻だ。このままいけば、この世界は……
いやこの世界ごと君達がいた世界も、消滅する」女P「ッ!?」
-
200 : 2014/05/20(火) 18:53:43.42 -
今回はここまでです。次回から話を集約させにかかります。TSFというかSFになるかも。
ホモプロもとい315プロはちょっと厳しいかと。TS好きとしては面白そうではあるのですが。 -
201 : 2014/05/20(火) 18:54:19.10 -
オマケ 名前を作ったものの未登場のアイドル
緒方智里(ともさと)
姫川友紀
高森藍太
白坂梅太
前川実玖
五十嵐響生(ひびき)
小日向穂
速水奏
鷹富士茄吉
藤原肇
三船優
向井拓海
喜多日菜斗
喜多見柚仁
浜口あやし
新田三波
一之瀬志希
多田李衣也
早坂玲
高嶺ノア
市原仁
大槻唯人
櫻井桃弥
片桐早苗(はやみつ)
和久井留依
佐藤心(しん) シュガー・ソウル
-
205 : 2014/06/24(火) 23:33:17.51 -
またも遅れて申し訳ない。なんだか妙に長くなってしまい、未だ完成の目処を立てずにいます。
ひとまず途中まで投稿しようと思います。よしなに。 -
208 : 2014/06/25(水) 22:14:50.58 -
§喫茶店
店員「ご注文お決まりですかー?」
女P「あ、私コーヒーで」
冬香「クリームソーダ」
店員「かしこまりましたー」
女P「意外だな、クリームソーダとは。女になって味覚も変わったのか?」
冬香「ま、そんなところ」
女P「ふーん」
-
209 : 2014/06/25(水) 22:15:29.27 -
女P「さて冬馬。なんで俺がお前を呼び出したかはわかるか?」
冬香「……さあ」
女P「そうか。じゃあこれを見て貰おうか」すっ
冬香「それは……」
女P「今大ヒット中の、お前達ジュピターのニューシングルだな」
冬香「…………」
女P「なんでもこの曲の作詞作曲はお前らしいじゃあないか冬馬」
冬香「……おう」
女P「さて冬馬。この曲のタイトルを、お前の口で言ってもらおうか」
冬香「…………」
女P「ん? どうなんだ」
冬香「……『自分REST@RT』」
-
210 : 2014/06/25(水) 22:17:59.92 -
女P「どーゆーこったコラ」
冬香「し、新曲に困ってたんだよ。ジュピターは人気回復の途中で絶対に失敗したくなかったし」
女P「そういう問題じゃあないだろーが」
冬香「い、いいじゃない、どうせこっちの世界にはない曲なんだから!」
女P「じゃあ俺らもお前らの曲使わせてもらうぞ。とりあえず『恋をはじめよう』はもらう!」
冬香「だったら私らも『READY!!!』と『CHANGE!!!!』を歌わせてもらおうじゃない!」
女P「む、じゃあ『BANG×BANG』もこっちのものだ!」
冬香「それじゃあ私らは『THE IDOLM@STER』もいただいてやるわ」
女P「残念、それは男版に修正した歌がありますー」
冬香「だったら『乙女よ大志を抱け!!』と『ふるふるフューチャー☆』、
ついでに『Do−Dai』でも貰おうじゃない! 男版にできるもんならしてみなさいよ!」女P「な、卑怯だぞ!」
冬香「どっちが!」
女P「ぐぬぬ」
冬香「ぐぬぬ」
光希「他事務所のアイドルとプロデューサーが大声でケンカはどうかって思うな」
※ちなみに『オーバーマスター』は最初からジュピターの曲で、『Alice or Gulty』はプロジェクトドラゴン(フェアリー)の曲
-
211 : 2014/06/25(水) 22:18:38.98 -
女P「お、美希。おかえり。早かったな」
光希「ただいまなの。男の子はトイレが楽だからね」
冬香「よく平気でトイレとか行けるよなお前……」
光希「もう慣れたの。冬馬君はまだ慣れないの?」
冬香「私は半分女だからまあいいけど……むしろあんたの方が困ってるんじゃないの? プロデューサー」
女P「……聞かないでくれ」
光希「ハニーったら本当に女の子に耐性ないの。女の子の日になった時なんてね」
女P「だーっ! それ以上言うな!」
-
212 : 2014/06/25(水) 22:19:41.37 -
冬香「……まあ、勝手に使ったのは悪かったよ。だけど本当にジュピターは今
難しい局面なのよ……なんだよ。だから確実に人気が取れる曲が欲しかったんだ」女P「逆にいえば、俺らの曲を認めてくれたってことか」
冬香「ち、ちげぇよ。単にあっちの世界でのお前らのファンに人気があったから選んだだけで、
俺個人としては別にどうとも思ってねえ!」光希「ツンデレ乙なの。しかしいつもでこちゃんのツンデレをくらってるミキにはその程度のデレは効かないの」
冬香「違うって言ってんでしょうがぁ! 私はあくまでもCDを売りたかっただけで、あんたらの歌がどうだとかは……」
女P「そのわりには妙に詳しかったじゃんか」
冬香「い、いや、それは敵情視察とかそういうので知っただけで! 私は別にね!」
光希「どうどうなの」
女P「女の子が出てるぞ」
冬香「~~~~ッ! あんたら俺をおちょくるために呼び出したのか!?」
女P「とりあえずいったん落ち着けって。からかったのは悪かったよ。
実は歌の件はついででな、本当はお前に紹介したい人達がいるんだ」冬香「紹介……?」
カランカラーン
女P「お、噂をすればだ。おーい、こっちこっち」
冬香「?」
-
213 : 2014/06/25(水) 22:21:38.59 -
涼「こんにちは、みなさん」ぺこっ
冬香「あんたは確か……秋月だったか」
涼「はい! 初めまして、鬼ヶ島さん」
冬香「天ヶ瀬だ! いきなり失礼だなおい」
涼「あれ、でもプロデューサーさんがそう言って……」
女P「悪い、俺が間違えて教えちゃった」
冬香「あんたか! なんで間違えんだよ!」
女P「お前の名前覚えにくいんだよ!」
冬香「覚えやすいよ! アイマスで覚えやすい名前ベスト3に入ると自負してるよ!」
光希「いやそれはないの」
女P「鷹富士茄子さんには勝てんよ」
-
214 : 2014/06/25(水) 22:22:49.06 -
女P「まあ冗談はおいといて、こちら秋月涼君。俺らの事情を知ってる」
涼「えーと、刹那さんは男の人なんですよね。本名は羅刹さんで……」
冬香「冬香な。男の方の名前は冬馬。もうこのネタはいいよ」
女P「涼君は俺らの事情を知っているけど異世界の住人ってわけではないから気をつけてな」
冬香「そうなのか。つまりあんたは、見た目通り男ってわけだな?」
涼「見た目通りッ!?」グサッ
光希「涼!」
女P「大丈夫か!?」
涼「だ、大丈夫です……なんとか……ううっ」
冬香「え、なんだ、どうかしたのか?」
光希「今のは冬馬君が悪いって思うな」
冬香「はあ?」
-
215 : 2014/06/25(水) 22:23:43.57 -
店員「コーヒーとクリームソーダお持ちしましたー」
女P「あ、ありがとうございます」
冬香「ども」
光希「店員さん、俺キャラメルマキアートね。涼は何飲む?」
涼「じゃあレモンティーを」
店員「かしこまりましたー」
女P「これであとは晶原君を待つだけだな」
冬香「晶原?」
女P「CBプロのアイドル。彼もやっぱり俺らの事情を知ってるんだ」
冬香「へえ。そいつは中身は女なのか?」
女P「いや男だ。涼君と同じで事情を知ってるだけでこっちの世界の住人。
だけど正直、彼が一番の重要人物かもしれないな」涼「なんでですか?」
女P「……これは彼と初めて会った時に聞いた話なんだが」
-
216 : 2014/06/25(水) 22:24:23.00 -
§数日前
光希『世界が……』
女P『滅亡する……?』
晶原『ああ。けして誇張じゃないし妄想でもなければ
ノストラダムスの予言を誇大解釈したわけじゃあない』光希『どういうことなの?』
晶原『うむ……順を追って話そう』
-
217 : 2014/06/25(水) 22:26:07.30 -
晶原『まず念頭においてもらいたいのは、この世の科学技術は君達が知っているので全てではないということだ。
世間に公表されないだけで、世界にはとてつもない技術が存在する。
フィラデルフィアエクスペリメントという言葉を一度は聞いたことがあるだろう?』光希『知らないの』
女P『知らないな』
晶原『……まあいい。ともかくこの世には信じがたい科学と、
それを生み出した天才科学者がいるということを覚えてほしい』女P『了解』
晶原『そしてそんな天才科学者達は、愚かな政府や凡人に自分の頭脳を
悪用されるのを嫌う。故に天才科学者達は相応の頭脳を持つ仲間だけで
独自のネットワークを作り秘密裏に交流し、技術や情報を提供しあっているのだ』光希『天才科学者の仲良し会ってカンジなの?』
晶原『そうだ、察しがいいな。要は天才科学者達が世間に知られずに
連絡をとりあうネットワークがあるということだ。もちろん私もその加盟者の1人!』女P『天才ねえ……まあこのロボとかも作ってるしなぁ』
ロボ『アオーン』
晶原『で、だ。その科学者の中に、時空工学について研究している者がいる。
平行世界だの異次元空間だの四次元だの二次元だのという奴だな。
普通の科学界では荒唐無稽と一蹴されるこの研究も、我らの中ではなんら問題はない』光希『へー』
-
218 : 2014/06/25(水) 22:28:22.90 -
晶原『私もその研究に協力して互いに情報提供を行い、その時に得た技術で
この時空座標特定装置内蔵ロボ「ウルフン91号」を完成させたのだが……それが不幸中の幸いだった』女P『不幸……?』
晶原『私のこのロボが観測した結果、この世界とそれに隣接する異世界つまりは君達が来た世界が
現在、急速に接近しつつあるのだ!』光希『……? どうやって?』
晶原『私も専門分野ではないので詳しいところはわからないが、噛み砕いていうと
我々がいる世界はより高い次元から見るとひとつの箱庭のようなもので、
そのすぐ近くにあったよく似た別の箱庭がだんだんと近寄っているということだ。
その影響で、まずふたつの世界において近似する精神の入れ替わりが発生したのだろう』女P『な、なるほど。わかったようなわからないような』
晶原『どうも次元論理を語る際、人の精神というのは重要なキーとなるらしい。
いかなる異世界においても思考はある同一空間で行われていて……まあこれはいいんだ。
ともかくだ。君達に起こっている現象は、この異世界感の接近によるものであることは間違いない』光希『へー』
晶原『それで問題はここからだ。平行世界という言葉があるように、これまで我々の世界と
君達の世界は平行に並んで時間を過ごしてきた。しかし平行だった直線のどちらかが少しでも傾いてしまえば……どうなると思う?』女P『……まさか、ぶつかる?』
晶原『そうだ! このままではふたつの世界は衝突する! そうなった場合時空の統合が起こり、
同時刻の同座標にそれぞれの世界のものが存在することになり……』女P『ど、どうなるんだ?』
晶原『双方の世界に存在する全ての物質は、消滅する!』
光希『!』
-
219 : 2014/06/25(水) 22:30:11.03 -
晶原『ちなみにこの消滅の仕方はメンガーのスポンジに似ているだろうとの予測だ』
女P『いやそんなのはどうでもいいんだよ! 世界が滅びる!? 本当なのか、それは!』
晶原『残念ながら科学的に立証された事実だ。現在は我々一部の天才科学者のみが知ることだがな』
光希『でも、そんなに天才な人達がいるんだったら、きっとすっごい機械で世界を救ってくれるよね』
女P『そ、そうだな! 天才科学者達にかかれば、きっと……』
晶原『……さっき私は、私が時空工学の研究に協力していることを不幸中の幸いと表現したな』
女P『あ、そういえば……』
晶原『不幸とは……肝心の、先述した時空工学の専門研究者が音信不通になっていることだ』
女P『なッ!?』
晶原『さらに言うとだな、本来異世界の衝突なんて起こり得るはずがないんだ。
ふたつの世界は完全に平行に並び、互いの距離が変わるようなことはなかった!
だが観測した結果、ある日を境に世界の平行は崩れ、接近が始まっている……』光希『…………』
晶原『そして件の時空工学の専門家が失踪したのはそれと同じ日なんだ』
女P『ッ! まさか』
晶原『そうだ。我々は、その専門家こそがふたつの世界を接近させ始めた張本人だと推測する!』
-
220 : 2014/06/25(水) 22:31:34.65 -
光希『そんな! そんなことをすれば、その人だって死んじゃうんだよ?』
晶原『動機はわからない。だが天才科学者というのは往々にして
マッドな人間が多いからな……世界を滅ぼそうとしているというのも
十分に考えられるのが辛いところだ』女P『他の科学者達じゃあ防ぐことはできないのか?』
晶原『残念ながら異世界だ異次元だとかいった領域で彼女に敵う人間はいない。
我々には、どうやって異世界同士を近づけているのかすらもわからないんだ。
特にもし彼女自身が世界を崩壊へと導こうとしているのならばなおさら阻止は難しい』光希『そんな……』
女P『じゃあ、どうしようもないじゃないか』
晶原『いや、希望はある。君達だ』
女P『え?』
光希『ミキ達……?』
-
221 : 2014/06/25(水) 22:32:35.81 -
晶原『君達の身に起こっている入れ替わり現象だが、実はどうやら
世界中で君達だけに発生しているようなんだ』女P『なに?』
晶原『当然ながら明確なデータが存在するわけではないが、
各地のニュースや天才科学者達の調査そして私のロボによる検証の結論だ。
仮に他に入れ替わった者がいたとしてもそれは日本人……さらにいえば芸能界の人間のはずだ』女P『た……確かに。俺らの他に入れ替わった奴を知ってるけど、そいつはアイドルだ』
晶原『そうだろう。実は失踪した時空工学の科学者だが、彼女はどうもオタク気質でな。
アニメやマンガもそうだが、何よりアイドルファンだと聞いたことがある』光希『!』
晶原『もし……アイドルの中に世界の破滅を望む者がいたら? そして例の科学者がそのアイドルのファンだったら?
なんらかのきっかけで両者が出会うことがあったら? 芸能界という狭い世界だけで入れ替わり現象が起きているのは、
そもそもの元凶が近くにいるからだとしたら……?』女P『……!』
-
222 : 2014/06/25(水) 22:33:25.58 -
晶原「つまりは、この事件の黒幕はアイドルの内の誰かだ!
それを突き止め阻止しなければ、世界は滅亡する!」光希&涼&冬香「な、なんだってー!」
女P「ちょい待て。いつの間に回想シーンから現在に戻った」
晶原「私が到着した時からに決まっているだろう」
光希「ハニーは空気が読めないの」
冬香「まったくだな」
女P「お前にだけは言われたくないわ仏ヶ浦大間」
冬香「誰が青森県だ!」
涼「まあまあお2人とも」
光希(鈍感トリオがよく言うの)
-
223 : 2014/06/25(水) 22:34:02.31 -
晶原「まあ事の重大さはよくわかってもらえたと思う。
現在我々天才科学者達も努力はしているが、なにぶん
異世界云々という話だからな……苦戦しているよ」女P「まあ、そうだよな……」
晶原「しかし希望は私達にある。時空工学に協力もした天才科学者の私の下に
入れ替わり現象の体現者である君達が揃っているのだ。幸運という他あるまい。
だがそれは逆に、私達が為さねば、他の誰も世界を救えはしないということだ」冬香「……マジか」
晶原「重ねて言うがこれは世界全体の危機だ。それも2つの世界のな。
絶対に止めねばなるまいし、そのためには手段を選んではいられない。
仮に、真犯人であるアイドルが君達の仲間でも……だ」光希「!」
女P「だ、だが、765プロにそんなことを考える奴は!」
晶原「人の心は謎だよ。それこそ制御はできない」
涼「…………」
-
224 : 2014/06/25(水) 22:34:50.51 -
晶原「それはそうとだ諸君。こうして集まってもらったのは他でもない、
実は君達に頼みたいことがあるんだ」冬香「今日集まったのってあんたの発案だったのか」
女P「ああ。俺に連絡があってな、『関係者を全員集めてくれ』と名探偵のごとく」
冬香「真実はいつもひとつってか」
光希「そういえば晶原もメガネなの」
涼「僕もですけどね」
女P「ちなみに俺も」
晶原「メガネはどうでもいいんだ。上条君じゃあるまいに」
§CBプロ
春雄「くちゅんっ」
女モバP「どうしたの春雄、風邪?」
春雄「いえ……これはきっと花粉症ですね。こんなときはこの花粉症対策メガネを!」さっ
女モバP「もう花粉のシーズンは過ぎたでしょ。メガネステマしない」
-
225 : 2014/06/25(水) 22:35:29.75 -
冬香「で、頼みってのはなんなんだよ」
晶原「ああ。君らに、異世界に行ってもらいたいんだ」
女P「え?」
光希「もう来てるの」
晶原「そうじゃない。今の君達を、肉体ごと異世界に……つまり君達が元々いた世界に送るといってるんだ」
冬香「えっ!?」
涼「そ、そんなこと、できるんですか!?」
晶原「できるから言ってるんだ。我々天才科学者は異世界についての研究を進め、
まず電波を送る技術を確立した。そうして異世界の科学者とも力をあわせることで、
質量あるものを異世界へと送ることを可能にしたのだ」女P「すご……流石は天才」
光希「じゃあじゃあ、ミキ達元の世界に戻れるの?」
晶原「残念だが送るのは一時的なものだ。異世界間であまり干渉し過ぎると
何が起こるかわからない。最悪、世界同士の接近が急加速することもありえる」女P「異世界の自分と出会ったらぶつかって消えたりはしないのか? メンガーのスポンジ的に」
晶原「そんなえげつないことはないから安心したまえ」
-
226 : 2014/06/25(水) 22:37:53.12 -
涼「一時的にしかいられないなら……なんで、晶原君は異世界に僕達を送りたいの?」
晶原「無論、世界を救うため、つまりは黒幕となるアイドル探しのためだ。
計算した結果、異世界同士が衝突して消滅するまであと一ヶ月程度しかないことがわかった」女P「なっ!?」
冬香「……ッ!」
晶原「とにかく時間がないのだ、というわけでこれを」ぽい
女P「おっとっと」
冬香「なんだこりゃ」
光希「野球のボールみたいなの」
晶原「その機械こそ我々が死力を尽くして開発した異次元間座標接続装置だ。
起動すると設定した距離の生命体の座標を補足し異世界へ転送する。さあ行ってこい!」ぽちっ冬香「え?」
女P「ちょ、待っ……」しゅんっ
-
227 : 2014/06/25(水) 22:38:36.22 -
§元の世界
しゅんっ
女P「わっ」すとっ
冬香「きゃっ」ぽてっ
光希「なの」どてっ
涼「うっ」こてっ
女P「び、びっくりした……どこだ? ここ」
光希「なんだか寂しい場所なの。狭くて真っ白で、部屋というか箱ってカンジ」
涼「ここ、異世界なんでしょうか?」
冬香「さあな」
???『いかにもここが異世界だぞ、諸君』
女P「!」
???『そこは異世界からの物質を受け取る専用の部屋だ。そこにあるドアから出てきてくれ』
-
228 : 2014/06/25(水) 22:39:54.94 -
§CGプロ女子寮 晶葉の部屋
晶葉「ようこそ異世界へ。皆も待っていたぞ」
女P「あ!」
P「わっ……本当に来た」
美希「へー、晶葉ってやっぱすごいんだね」
光希「異世界の……ミキ達?」
涼(男)「えっと、お久しぶりです、美希さん」
涼(女)「光希さんも……お久しぶりです」
冬香「……よお」
冬馬「……ええ」
晶葉「流石に壮観だな、全員揃うと」
-
229 : 2014/06/25(水) 22:40:34.02 -
女P「初めまして……かな。そっちはどうだ?」
P「問題ないよ。そっちも大丈夫そうだね」
光希「光希君! ずっと言いたかったんだけど、真君をかわいいなんてセンスないって思うな」
美希「美希ちゃんこそ、真君をかっこいいなんてどうかなってカンジ」
涼(男)「……お互い、苦労してるね」
涼(女)「うん……」
冬香「無理に女口調にすんなよ。気持ち悪いぞ」
冬馬「あんたこそ。見てて気分悪いわよ」
晶葉「あー君達、それぞれ言いたいことは色々あるだろうが今は非常時だ、話はあとにしてくれ」
-
230 : 2014/06/25(水) 22:41:32.63 -
冬香「そういやなんであんたらは俺らをこっちの世界に連れてきたんだ?」
冬馬「長い時間はいられないんでしょ? 根本的な解決にはならないじゃない」
晶葉「うむ。では逆に聞くが、根本的に解決するにはどうすればいいと思う?」
女P「そりゃあ、元凶のアイドルとそれに協力してる科学者を見つけることだろ?」
晶葉「その通り。だがとにかく時間がない、必要なのは人手だ。
ここには765、876、315、CGと主要な事務所の関係者が揃ってはいるが
それでもこれだけでは広大な芸能界全てを洗うのは不可能に近い」光希「それでミキ達もこっちに来させて人数を増やしたってことなの?」
晶葉「それもあるが本質はそこじゃあない。君達にはこれから、少々厄介な仕事をしてもらうぞ」
涼(男)「え……?」
晶葉「それはだな……」
-
231 : 2014/06/25(水) 22:42:21.38 -
§765プロ
春香「どうしたんだろうねプロデューサーさん」
千早「急に全員を集めたりして……」
律子「まったく、スケジュール調整が大変だったのよ?」
真「ほんの一時間程度でいいって言ってたけど」
雪歩「何か、大事な発表でもあるのかな?」
伊織「さあね。これでくだらない用事だったら承知しないわよ」
あずさ「でも、本当になんなのかしらね~」
亜美「給料アップとか?」
真美「休日プラスとか? んっふっふ~」
やよい「うー、ちょっとドキドキです」
貴音「ところで美希の姿が見当たりませんが……」
響「またこの前みたいに寝坊か?」
小鳥「まあ今日はオフだったから。でもプロデューサーさんも今日はオフのはずだったのに」
-
232 : 2014/06/25(水) 22:43:25.58 -
P「みんな、集まってくれたか」がちゃ
美希「なの」
春香「あ、プロデューサーさん、美希」
律子「どうしたんですか? 全員集めたりして」
P「んー……実はみんなに教えたいことがあってな」
千早「教えたいこと……?」
真「なんですか?」
P「いいかみんな。これから言うことは信じてもらえないかもしれないけど、
俺達はふざけているわけでも頭がおかしいわけでもない。落ち着いて聞いてくれ」亜美「おお!? なんだかただ事じゃあなさそうですな」
真美「今明かされる衝撃の真実ぅ! って奴だNE」
小鳥「…………」
美希「あのね。俺達、別の世界の人間なんだよ」
伊織「……は?」
-
233 : 2014/06/25(水) 22:44:38.03 -
春香「美希……今、なんて言ったの? ごめん、もっかい言って」
美希「俺とハニーは別の世界の人間だって言ったよ」
律子「美希、ふざけるんじゃないの。今プロデューサー殿が大事な発表をしようと……」
P「いや、美希の言ったことが事実だ。俺と美希は、体はこの世界のものだが中身は異世界の人間なんだ」
小鳥「さっき美希ちゃん……『俺』って言いませんでした?」
あずさ「あらあら、美希ちゃんグレちゃったの?」
美希「違うよ。俺は光希だよ。男の子だから俺っていうのは当然って思うな」
伊織「男ぉ!?」
P「そうだ。俺らは……私らは性別が真逆の世界から来たの。私も、中身は女なんだよ」
亜美「兄ちゃん、そっち系に目覚めたの?」
真美「さすがの真美もそれは引くYO」
小鳥「…………」
-
234 : 2014/06/25(水) 22:45:17.72 -
P「やっぱり信じてもらえないよね……2人とも、入ってきて」
春香「え?」
ガチャ
女P「……よう」
光希「みんなとも久しぶりなの」
貴音「何やつ!」
雪歩「お、男の人ぉ!」
律子「プロデューサー殿? 誰ですか、この2人は」
やよい「えーっと、美希さんのお兄さんと、プロデューサーの妹さんですか?」
真「あ、なるほど。言われてみれば似てるね」
伊織「わざわざ兄弟姉妹連れて来て、なんのつもりよ」
女P「いや、俺がお前らのプロデューサーなんだよ。異世界に行ってたけど戻ってきたんだ」
千早「……ふざけてるんですか?」
女P「じゃあ俺達に何か質問してみてくれ。プロデューサーや美希にしかわからないようなのをさ」
光希「ミキ達、それにみーんな答えてみせるの」
伊織「ふん。そこまで言うならやったろーじゃない。馬鹿プロデューサーのホラを暴いてやるわ」
真美「尋問開始だぜぃ!」
亜美「さっさと吐いちまいなYO!」
-
235 : 2014/06/25(水) 22:46:57.03 -
§数分後
伊織「これならどう? 先月の収録で、律子の代わりにプロデューサーが付き添いだった理由は?」
女P「律子があずささんを探しにいって入れ違いになっちゃったんだよ。
あずささんは1人で戻ってくるし律子の携帯電話は電池切れだしで
結局俺が竜宮小町と収録にいったんだ」律子「う、そんなことまで知ってるんですか」
春香「じゃ、じゃあ光希、こないだロケついでに観光したとき朝食は何を食べた?」
光希「食べてないの。春香が朝ごはん食べないで昼ごはんを豪華なのにしようって言ったの。
なのに春香が寝坊して昼ごはん探す時間もなくなって、しかも春香は美希が起こさないからだよーってミキのせいにしたの」千早「春香、そんなことしてたの……」
春香「い、いやあ千早ちゃん、あれは事故でね」
響「うーん……どうも聞けば聞くほどプロデューサーと美希っぽいぞ」
律子「でも、異世界だなんだって話、まだまだ信用できないわよ」
真「単に2人がこの人達に色々教えているだけかもしれないし……やっぱり兄弟姉妹じゃないんですか?」
女P「違うってば。俺がプロデューサーなんだって」
光希「ミキはミキなの」
雪歩「じゃあこっちは……?」
P「私が異世界のプロデューサーで、そっちの体の持ち主」
美希「俺は光希だよ」
やよい「うー、頭がこんがらがってきました……」
小鳥「…………」
-
236 : 2014/06/25(水) 22:50:14.44 -
小鳥「……うーん、仕方ないか」
響「ん? どうかしたかピヨ子」
小鳥「みんなちょっと待ってね。見せたいものがあるんだけど……」ゴソゴソ
あずさ「あら~?」
伊織「これ以上ややこしくしないでよね」
小鳥「あったあった、はいこれ」バサッ
P「これは……」
女P「いつもの薄い本じゃないですか。それも自作の」
律子「小鳥さん、今それどころじゃあないんですけど……」
小鳥「まあまあ律子さん。とりあえず読んでみてくださいよ」
律子「ええ? 読むんですか? まあ、なんでも、いいですけど」
春香「律子さん、それ千早ちゃんのネタですよ」
千早「春香、持ちネタを意識してるのはあなただけよ」
春香「のワの」
律子「どれどれ……」ぴらっ
-
237 : 2014/06/25(水) 22:52:16.31 -
律子「え、これって……?」
伊織「なに? なんだってのよ」
雪歩「表紙から察するにP×美希本ですよね」
真「なんだろう、今雪歩にちょっと壁を感じた」
律子「……大筋はこうよ。私達の世界とは性別だけが違う異世界があって、
美希とプロデューサー殿が朝起きたらそっちの世界の自分と精神が入れ替わってたって話」女P「!」
春香「え?」
千早「それって……」
小鳥「そう、美希ちゃんとプロデューサーさんの境遇そのものなのよ」
響「!?」
女P「音無さん、あなたどうやってこの本を? 私達の話を聞いてから書く時間なんてなかったはず!」
小鳥「白状しますけど、実は私も……僕も音無小鳥じゃあないんです。
僕は音無鳳、その本の雪歩ちゃん達と同じように異世界から来たんですよ」P「ええ!?」
小鳥「で、美希ちゃんとプロデューサーさんの様子もおかしかったから、ひょっとしたらと思ってたんです。
でもそれを確かめてみる勇気もなく、せいぜいネタにして同人誌を書くくらいでして……」美希「鳳っぽいことだよ」
-
238 : 2014/06/25(水) 22:56:44.24 -
小鳥「どうですか律子さん。まだ信じてもらえませんか? 僕達が異世界から来たってこと」
律子「正直、まだ半信半疑ですけど……悪戯にしては手が込みすぎてますね。
わざわざここまでする意味もないでしょうし、仮にこの本の設定が現実だとしたら全てのつじつまが合いますし……」ぺらっ小鳥「あっ律子さん、21ページ以降は開いちゃ……!」
真美「おお? 何が書いてあるんですかねぇ」ひょいっ
律子「こ……これは!?」かーっ
真美「……!?」ぼんっ
亜美「う、うあうあ~!? 真美の顔が一瞬で真っ赤に!?」
雪歩「『知ってるハニー、女の子の快感って男の数倍なんだよ?』『や、やめろ美希……ううんっ』
『ふふっ、かわいいよハニー。優しくしてあげるからね』『ああっ、だ、ダメだ美希……』」真「雪歩!? なに音読してるの? ねえ?」
やよい「うー? 伊織ちゃん千早さん、なんで目と耳を塞ぐんですか?」
伊織「やよいは聞かなくていいことよ……」
千早「ええ……」
真美「うーん……」ばたっ
亜美「真美ーっ!」
律子「……小鳥さん、いや鳳さん。あなたなんてもの書いてるんですか!?」
小鳥「だ、だって薄い本ってこういうものだし、せっかく面白そうなネタを実体験できたんだし……
だからあまり見せたくなかったんですよぉ!」女P(ほぼノンフィクションってのがまた……)
光希(たいした妄想力なの)
美希「あふぅ」
-
243 : 2014/07/29(火) 20:39:29.12 -
律子「うーん、でもまだいまひとつ信じきれませんね……」
美希「えーっ!」
伊織「突飛すぎるもの。頭から否定はしないけど、確信はできないわね」
光希「ぶぅ、律子もでこちゃんもガンコすぎるの」
律子「さんをつけなさい!」
伊織「でこちゃん言うな!」
真「この流れを見ると美希っぽいんだけどね」
女P「やっぱりそう簡単にはいかないか……だがまあ十分だな」
P「うん。『そうかもしれない』と思わせただけで、これからやる荒療治の準備はOK」
小鳥「荒療治?」
女P「春香、この機械を持ってくれ」すっ
春香「あ、はい。なんですか? この丸いの」
P「まあすぐにわかるさ」
美希「もしもし晶葉ー? 準備オッケーだよ!」
晶葉『ああ、あっちも準備が完了したようだ。では転送する!』
律子「え、ちょ……」しゅんっ
-
244 : 2014/07/29(火) 20:40:12.40 -
§異世界
女P「よっ」すたっ
P「おっと」よろっ
光希「なの」たっ
美希「だよ」たっ
765プロ一同『わーっ』どてててっ
女P「ふっ、初心者には綺麗に着地はできぬよ」
P「単純に人数もあるけどね」
光希「ぎっちぎちなの」
@春香「プ、プロデューサーさん? どこですかここ」
律子「どうやって一瞬で……はっ、まさかみうらさん!」
光希「それはまた別の世界の話なの」
女P「とりあえずこの部屋を出てみればだいたいわかると思う」
P「みんなもう待ってるはずだからな」
千早「みんな?」
-
245 : 2014/07/29(火) 20:40:45.85 -
§CBプロ男子寮 晶原の部屋
春香「あっ!?」
春馬「あっ!?」
千早「えっ……!?」
千隼「君は……!?」
真(女)「僕がもう1人!?」
真(男)「だ、誰だ!」
雪歩「お、男の人がいっぱいぃ!」
雪之丞「女の人がいっぱいぃ!」
伊織(女)「どういう……ことよ」
伊織(男)「どういうことだおい……」
やよい「知らない人がいっぱいですー!」
弥生「うっうー!?」
あずさ「あらあら~」
梓「おやおや」
真美「真実達は双子だから」
真実斗「自分のそっくりさんは見慣れてるけど」
亜美「流石にこいつぁ」
亜実斗「驚きだZE」
貴音「まこと……」
貴史「面妖な……」
響(女)「うぎゃー!?」
響(男)「あがー!?」
ハム蔵「ジュイ!?」
ハム美「チュイ!?」
律子「……こ、これは」
律雄「驚きです……ね」
-
246 : 2014/07/29(火) 20:41:20.27 -
女P「ついに全員集合か……流石にすごい光景だな」
晶原「人口密度が大変なことになっているがな」
小鳥「ぶつかって消滅したりしない? メンガーのスポンジ的に」
光希「そんなえげつないことはないの」
鳳「男女一組ずつのアイドル達……なんかすっごく捗る気がしてきました」
P「何がですか」
小鳥「共同執筆しますか小鳥さん!」
鳳「いいですね鳳さん! 2人がかりならクオリティも二倍!」
女P「今はそれどころじゃあないでしょうが」
アイドル達『わーわー ぎゃーぎゃー』
律雄「はいはいみんな! とりあえず落ち着いて!」
律子「落ち着いてウォーリーを探すのよ」
光希「律子が落ち着くの」
美希「あふぅ」
-
247 : 2014/07/29(火) 20:42:15.49 -
§それでもって
晶原「……というわけでここは異世界なんだ」
春香「はーっ……すっごくびっくりしました」
春馬「プロデューサーさんに呼び出されて、晶原君に言われて待ってたら異世界の自分達とご対面なんて……」
千早「……私も男に生まれれば、こんなことで悩まずにすんだのかしら」
千隼「何か悩みでもあるのか?」
千早「いえ、なんでもない。なんでもないのよ……くっ」
真(女)「うう……男と女で見た目がほとんど変わらないなんて」
真(男)「かなりショック……」
雪歩(わ、私自身なら、男の人でも平気かも……?)
雪之丞(でも違う世界の真君も気になるなあ……)
P「改めて見るとやっぱりカオスね、これは」
鳳「はるはる、ちはちは、まこまこ、ダブルゆきぽ……いやあ捗りますね」
小鳥「そうですね」
女P「だから何がですか」
-
248 : 2014/07/29(火) 20:43:09.58 -
春香「じゃあやっぱり、女のプロデューサーさんはプロデューサーさんだったんですか!」
光希「だからハニーはハニーだって言ってるの。ミキのハニーはハニーだけだってミキ思うな」
美希「俺のハニーもハニーだけってカンジ。男でも女の子でもハニーはハニーだけど、
やっぱりココロはハニーじゃないと、や! だよ」春馬「そりゃあプロデューサーさんはプロデューサーさんですよ、プロデューサーさん」
P「ハニーハニープロデューサープロデューサーうるさい」
女P「ややこしいわ」
伊織(女)「あっ! じゃあ最近美希とプロデューサーが妙につるんでたのも……」
伊織(男)「なんか言動が男っぽかったり女っぽかったりしたのも、そのせいか!」
あずさ「あら~、そうだったのね~」ぽん
梓「納得がいきました~」
真美(……よかった)
真実斗(姉ちゃんが俺を好きになることが『絶対にない』って、中身が兄ちゃんだったからだったんだ……)
-
249 : 2014/07/29(火) 20:43:54.30 -
晶原「それでだ諸君。実は、かくかくしかじかなのだ」
アイドル達『えーっ!?』
女P「え、今何を伝えたんだ?」
春香「プロデューサーさん、世界滅亡ですよ滅亡!」
千隼「まさかそんなことになっているなんて……」
やよい「なんだかすっごく大変そうですー!」
伊織(男)「あと一ヶ月しかないなんて、本格的にまずいじゃんか!」
真(女)「しかも犯人はアイドルの内の誰かだって!?」
P「え、ええ」
美希「便利な世界だよ」
晶原「一応私が開発した情報圧縮機の効能ということにしておこう」
光希「ひどいテコ入れを見たの」
-
250 : 2014/07/29(火) 20:45:04.38 -
真(男)「こうしちゃいられない! すぐにそのアイドルを見つけて止めないと!」
晶原「まあまあ落ち着いてくれ。まずは君達を調べなければならない」
雪歩「調べる?」
晶原「先程も言ったようにこの事件の発端は1人のアイドル……諸君らもアイドルだろう?」
伊織(女)「なに? 私達が犯人だっていうわけ?」
亜美「亜美達そんなことしないよ!」
晶原「あくまでも可能性の話だよ。気を悪くするのはわかるが事が事だからな……全員をチェックさせてもらう」
貴史「そのちぇっくとはいかようにして行うのですか?」
晶原「私が開発したウソ発見機を使う。時間はかかるが1人1人見ていくことになるな。
それと念のため、765のプロデューサー君や星井君にもチェックは受けてもらうぞ」女P「ああ」
光希「晶原はいいの?」
P「晶原君や晶葉ちゃんがいなければそもそも私達も世界の危機に気づけなかった。
2人が犯人である可能性は限りなく低いから、大丈夫だよ」晶原「そういうことだ。ではまず一番怪しい音無君からいこうか」
小鳥「あ、怪しいってなんですか!」
晶原「いや、挙動がな」
鳳「ピヨォ……」
-
251 : 2014/07/29(火) 20:45:52.43 -
§少しして
晶原「では最後の質問だ。君は異世界の存在を知っていたかな?」
やよい「知りませんでしたー」
晶原「……うむ、OKだ。これで全員、犯人でないとわかったな」
春香「よかった……」
千早「後味が悪いものね。765プロの仲間が犯人だなんて」
真実斗「しっかしこのウソ発見機は面白いねー」
真美「んっふっふ~、色々と悪用法がありそうですなぁ」
亜美「ね→ね→お姫ちん、これ使いながら『出身は月です』って言ってみてYO」
貴音「トップシークレットです」
亜実斗「ちぇ→」
-
252 : 2014/07/29(火) 20:47:00.00 -
晶原「さて、大変なのはここからだ。これから私達は様々な事務所のアイドルを
しらみ潰しに調べていかなければならない。事を荒立ててはいけないから慎重に少しずつな」春香「私達みたいに、異世界のことを話してバーッとやっちゃダメなの?」
律雄「世界中の問題なんだから、いっそのこと国家に協力を要請した方がいいんじゃないか? 信じてもらえるかどうかは別として」
晶原「ダメだ。異世界のことを世間に知られるわけにはいかない」
千隼「なぜ?」
晶原「もし世間に異世界が存在し、しかもそれに干渉できると知れてみろ。
資源や領土、人民を奪い合って次元間戦争が勃発するぞ。そうなれば両方の世界は破滅だ」律子「な、なるほど」
晶原「君達に教えたことが最大限の譲歩だと考えてもらいたい。これ以上増やすことはできん」
貴音「では……ここにいる者達のみだけで、犯人を見つけるのですね」
女P「いやそれは違うんだ。他にも数人、関係者がいる」
P「ジュピターと876プロの皆だよ」
亜美「あまとう達と?」
春香「愛ちゃん達?」
伊織(女)「876プロはわかるけど、なんでまたジュピターなんかが」
女P「冬馬が俺らと同じで入れ替わってたんだよ。あっちでは冬香な」
光希「涼はなんかハニーがミスって仲間になったの」
晶原「その両者が今、それぞれの仲間に事態を説明しているはずだ。
ちなみに天ヶ瀬冬香・秋月涼も共にウソ発見機チェックも施行済みだから案ずるな」 -
253 : 2014/07/29(火) 20:47:52.73 -
千早「しかし、アイドル事務所を調査するといっても範囲が広すぎるわ」
千隼「ある程度予想を立てて、対象を絞らないといけないな」
伊織(男)「でも、具体的にいってどういう風に絞るんだよ」
伊織(女)「情報が少なすぎるわよ。世界を消滅させようとするなんて奴、見当もつかないわ」
貴音「やはり、しらみ潰しにやるしか手はないのでしょうか」
貴史「しかし千準達の言うことももっとも、事は急を要します」
小鳥「……みんな、ちょっといい?」
女P「どうしました? 音無さん」
小鳥「僕、実はちょっと心当たりがあるんだ。犯人の可能性がある人の」
真(男)「ええっ!?」
真(女)「小鳥さん、また物騒な知り合いがいるんですね……」
小鳥「いやいや可能性ってだけだよ。あと僕は鳳ね。
別に危険な人って訳じゃないんだけど、なんというかダイナミックで、
常人では考えられないようなことをする人で、退屈な世界を壊しちゃおう! とか思いかねない人というか……」P「十分物騒ですよ。それでどなたなんですか? その人って」
小鳥「それは……」
-
254 : 2014/07/29(火) 20:48:30.85 -
§日高家
舞人「ふーん? 鳳くんは俺のことをそんな認識で見てたんだぁ~?」ぐりぐり
鳳「痛い! 痛いです舞人さんっ! あと私は小鳥です~!」
女P(日高舞人さん。泣く子も黙る重戦車、芸能界の最終兵器。
イケメンだが長身で細マッチョで、中性的ではなくただただかっこいい。
現在では主夫をやっているが、その風格は未だ健在だ)P「春馬? 愛人君と仲がいいあなたに、うまく事情をぼかして
調査するよう頼んだはずなんだけどなんで全部バレてるわけ?」春馬「のワの」
舞人「俺相手に隠し事しようなんて10年早い!」ぐりぐり
鳳「お、鳳さーん! 助けてくださーい!」
小鳥「エー? ワタシハオトナシコトリデスヨー?」ピヨピヨ
鳳「薄情者ー!」
晶原「チェックも行ったが、日高氏もどうやらシロのようだ」
春香「振り出しかあ……」
-
255 : 2014/07/29(火) 20:49:23.68 -
女P「やっぱり、地道にやっていくしかなさそうだな」
P「時間も手間もかかるけど……仕方ないね」
晶原「急がば回れともいう。人手はあるんだ、ひとまずこれでやってみよう」
春香「765、876、ジュピターで総勢21、異世界を含めると×2で42……けっこういるね」
舞人「愛人達も事情を知っているのか?」
女P「ええ、涼君が関係者なので、教えているはずです」
春馬「でもプロデューサーさん、春香ちゃん達はすぐに元の世界に帰っちゃうんでしょ? それじゃ意味ないんじゃ」
女P「異世界間でも作業は分担できるよ。犯人は異世界の自分同士で協力しているだろうから、
たとえばこの世界でCBプロを調べたならあっちの世界のCGプロは調べる必要がない」舞人「40人がかりなら、まあなんとかなるんじゃない?」
P「そう祈りましょう。とりあえず765プロの皆は
スケジュールが押してるから早いとこ元の世界に戻らないと」春馬「そういえば……プロデューサーさんと光希は、どっちの世界に行くんですか?」
春香「異世界の間を行き来できるなら、元の世界にいた方が……」
晶原「生憎だが長期の滞在はできないんだ。プロデューサー君達はその体を基準とした世界に戻ってもらうよ」
春香「そう……ですか」
女P「なに、気にするな春香。女の俺も俺とほとんど変わりはないさ。
それに事件が解決すれば元の世界にも戻れる、少しだけ俺なしでがんばってくれ」春香「……はい!」
P「春馬も、いいね?」
春馬「はいっ!」
晶原(……戻れればいいが、な)
-
256 : 2014/07/29(火) 20:50:33.79 -
§一方その頃 異世界(本家アイマス世界)
冬香「しかし、お前らが信じてくれて助かったぜ」
冬馬「もうちょっと面倒になるかと思ってたわ」
翔太「だって、冬馬君の言うことだしね」
北斗「疑うわけないだろ? お前の言うことを」
三条馬「2人の言う通りよ。冬馬のことはよく知ってるもの」
冬香「お、お前ら……」
冬馬「私のことを、そんなに信頼して……」
翔太「だって冬馬君、嘘つくのすっごい下手だし」
冬香「え?」
北斗「そんな器用な人間じゃないからね、冬馬は」
冬馬「ちょ、ちょっと?」
三条馬「すーぐ感情が表に出るのよねー」
翔太「女の子の真似だって冗談でもしないよ。『お、俺は男だ! んなことやる訳ねえだろ!』って感じ?」
北斗「ふふっ、翔太、似てる似てる」
冬香「あ、あんたらねぇ!」
冬馬「お前らなぁ!」
北斗「ほらほら落ち着いて。エンジェルちゃんに怒り顔は似合わないよ☆」キラーン
冬香「あっ……って、わた俺は男だ! 気持ち悪いことすんじゃねえ! 一瞬ときめいちまったじゃねえか!」
冬馬「私は私で純粋な嫌悪感しかないわ……」
北斗「おっと、これは失敬☆」
翔太「あはは」
-
257 : 2014/07/29(火) 20:51:35.22 -
冬馬「……というか北斗。あんたは私もそのエンジェルちゃん扱いするの?」
北斗「もちろん。見た目や性格じゃない、エンジェルちゃんはエンジェルちゃんさ☆」
冬香「じゃあ俺はどうなんだよ」
北斗「冬馬だって体がエンジェルちゃんだからね、エンジェルちゃんさ。半分は冬馬をからかってるんだけどね」
冬香「だと思ったよ! ったく」
翔太「北斗君は2人が入れ替わってたこと気づいてたんだよね?」
三条馬「えっ、そうなの?」
北斗「なんとなくね、冬馬からエンジェルちゃんの気配がしてたから」
冬香「北斗……お前ちょっと怖いな」
北斗「おっと、エンジェルちゃんを怖がらせちゃったな。これは失敗だ☆」
冬香「からかうな」
-
258 : 2014/07/29(火) 20:52:20.34 -
携帯『♪輝いた ♪ステージに立てば』
翔太「あれ、電話だ」
三条馬「でもこの曲は……?」
冬香「あ、俺だ。池袋からだな……もしもし」
晶葉『もしもし、鬼ヶ島君か?』
冬香「天ヶ瀬だ!」
晶葉『そうか、すまない。それでお仲間に異世界のことは信じてもらえたか?』
冬香「ああ、それは大丈夫だ。みんなちゃんと信じてくれたぜ」
冬馬「悲しいことにね……」
晶葉『それは朗報だな。ではその調子で別の世界の方のジュピターも説得してほしい。
今から君達も異世界に送る、ウソ発見機によるチェックもその時行おう』冬香「ああ、了解」
翔太「僕達も異世界に行けるの?」
北斗「へえ、それは楽しみだね。異世界のエンジェルちゃん達に会えるわけだ」
晶葉『その後はそれぞれ元の世界に戻り、765プロ・876プロと協力して
犯人の調査にあたってくれ。君達には主に315プロの調査をお願いする』三条馬「異世界か……冬馬の言うことは信じたけど、やっぱり現実味は湧かないわね」
晶葉『当面は地道に犯人の調査を進めていく。遠回りだがそれしかないようだ
私もなんとかして失踪した科学者の捜索を進める。アイドルの方は君達に任せる……頼んだぞ』冬香「……ああ!」
-
259 : 2014/07/29(火) 20:53:24.99 -
§一方異世界(TS世界) CBプロ男子寮 晶原の部屋
玲子「異世界……か。にわかには信じがたかったけど」
玲「こうなっちゃあ、信じるしかないな」
まなみ「そうですね……」
まなと「不思議ですけど……」
愛「不思議ですっ!!」
愛人「びっくりですっ!!」
絵理「異世界の涼さん、そっくり?」
絵人「もうどっちがどっちかわからない?」
涼(男)「ちょっと背の低い方が私、絵理ちゃん達の世界の涼で」
涼(女)「背の高い方が僕、絵人君たちの世界の涼だよ」
涼(男&女)『悲しいことにね……』ぼそっ
玲「?」
-
260 : 2014/07/29(火) 20:54:08.57 -
晶原「それで皆、かくかくしかじかなのだ」
玲子「ええ、わかってるわ。765プロやジュピターはもう動き出してるそうね」
玲「俺達も負けてられないな。すぐにでも行動しないと!」
愛「ママはもう知ってるんですね!」
愛人「パパもです!」
まなみ「でも、うちは弱小事務所だし……」
まなと「あまり大きなことはできないと思いますけど」
絵理「弱いなら弱いなりに……同じくらいの事務所を調べればいい?」
絵人「765プロやジュピターがいくと、不審がられるとこ?」
晶原「うむ。時間はかかるだろうがやるしかない、皆、がんばろう!」
玲子「あ、晶原君、そういう掛け声をうちでやると……」
愛&愛人『が ん ば り ま ー す っ !!!』
玲「……こう、なるだろ」キーン
晶原「……すまない」キーン
-
261 : 2014/07/29(火) 20:55:07.59 -
§一週間後 765プロ
晶原「……よし、これで異世界と通信できるぞ。おい私、そっちはどうだ?」
晶葉『万事問題ない。他の者は集まってるか?』
女P「ああ、全員いるよ」
光希「流石に765プロにこれだけいるとキツいの」
冬香「765に876に私らに池袋で、計24人か……ちょっと双海、どさくさで何してんの!」
亜実斗「バレちった!」
真実斗「逃っげろーい!」
律雄「こら亜実斗、真実斗! 狭いんだからバタバタしないの!」
絵人「人がいっぱい……酔っちゃいそう?」
玲「大丈夫か絵人? 一旦休む?」
南「ナイト君たちに囲まれて、私は幸せよ☆」
愛人「あ、マンガ見つけましたー! えーっと、『THE AHEDOLM@S……」
鳳「ちょっと愛人君、それ読んじゃらめぇ!」
晶原「……これを問題ないと呼べるかどうかは疑問だが」
晶葉『確かに。こちらも似たような……』
春香『うわぁーっ!?』
どんがらがっしゃーん
晶葉『……状況だよ』
晶原「そのようだな」
-
262 : 2014/07/29(火) 20:55:58.57 -
晶原「さて諸君! そろそろ本題に入ろうか。それぞれの調査結果を報告してくれ」
春馬「はい! 765プロ男子班はCBプロの半分とこだまプロを調査しましたが収穫なしでした!」
春香『女子班はCGプロの半分と東豪寺プロを調査して同じく収穫なしですっ!』
涼(女)「876プロ男子班と女子班は小さめのプロダクションを色々と調べましたが……」
涼(男)『同じく、収穫はありませんでした』
冬香「私らは男女共に315プロを調査したけど、やっぱりダメだったわ」
冬馬『ついでにコスモプロと西園寺プロ、DNAプロにも行ったが犯人は見つけられなかったな』
女P「あれピピン、口調が体の性別になってるぞ?」
冬香「誰がピピンよ……この一週間でかなり精神の侵食が進んじゃったらしいのよ」
冬馬『このままじゃあまずいとは思うんだが……今は元々の性別の言葉を使う方が違和感があるんだ』
翔子「冬馬君……」
冬香「……私達のことはいいわ。本題の方を進めてちょうだい」
冬馬『世界が壊れちまったら、男も女も関係ねぇからな』
晶原「あ……ああ」
女P(冬馬は……自分が自分でなくなっていくことに怯えていた)
P(それなのに気丈に振る舞って……2人のためにも、早く事件を解決しないと)
-
263 : 2014/07/29(火) 20:57:03.23 -
千隼「えっと、これで765、876、315、CG、CB、こだま、東豪寺、西園寺、コスモ、DNAは調べた訳だな」
千早『主要なプロダクションのほとんどなのだけど……まだ犯人は見つかっていない』
まなと「他の小さなプロダクションも私達が調べたし……」
貴史「お待ちを。そういえば、961プロを調査していないのでは?」
響(男)「あっ、それもそうだぞ!」
冬香「そういやすっかり忘れてたわね」
冬馬『だがおっさんのとこは、俺らが抜けてからめぼしいアイドルはいないはずだぜ?』
美希『いやひょっとしたら、あのおじさんが犯人かもしれないよ』
雪之丞「黒井社長が……?」
雪歩『でも、犯人はアイドルなんじゃ……?』
晶原「犯人がアイドルというのも推測だからな。アイドルに接点があり、
例の天才科学者と連絡をとる機会がある者ならば犯人にはなり得る」北斗『黒井社長か……調べた方がよさそうだね』
???「黒井なら、私が調べたよ」ガチャッ
女P「え?」
-
264 : 2014/07/29(火) 20:58:14.69 -
春馬「あ!」
千隼「高木社長……?」
高木(女)「驚かせてしまったかな? いやあ諸君、いきなり声をかけて悪いね。仕事があって今まで来れなかったのよ」
女P(高木順子、我らが765プロの社長だ。やっぱり黒いのでよくわからないが
背の高いロングヘアの女性のようだ。876の石川社長にちょっと似てるかな?
ちなみに元社長で現社長のいとこは高木順さんというらしい)高木(男)『おや、どうやらそちらでも同じタイミングで入ったようだね』
高木(女)「別に打ち合わせしていた訳ではないのだけど。流石はもう1人の自分といったところね」
律子『しゃ、社長、事情を知ってたんですか?』
小鳥『僕がお教えしたんです。社長の協力もあった方がいいと思って』
高木(女)「そういうわけよ君達ィ。黒井は私がちゃんと調べた、彼女はシロよ。黒井だけどね」
千隼「黒井なのに、シロ……ぷっ、くくっ、ふふふっ」
千早『…………!』ぷるぷる
光希(笑いのツボが同じなの)
-
265 : 2014/07/29(火) 20:59:15.82 -
高木(女)「黒井の他にも芸能界のめぼしい人物にはあたりをつけてみたわ。少なくとも私の目には皆シロに見えたね」
律雄「その人達の潔白はまず確実でしょうね。社長の人を見る目は信頼できますから」
春馬(主にプロデューサーさんを連れて来たあたりで)
高木(男)『しかし……残念ながらこれで本当に手詰まりだな。これ以上調べるのは難しそうだね』
晶原「うむ……考えられるのは、犯人が我々の調査を受けつつもうまく隠し切ったことか」
晶葉『一応、皆に渡した簡易的なウソ発見機で調べてはいるが……皆、調査は完璧か?』
真(男)「完璧か、って言われるとちょっと厳しいね。人数が人数だから、
調べたうちの何人かは微妙なチェックだったかもしれないよ」真(女)『まさか面と向かって世界を壊そうとしているかなんて聞けないし、
アイドルは時間もないし。ウソ発見機があっても検査漏れはありそうだなぁ』晶原「やはりそうか。しかし、簡易的な調査だけでもこれだけ大変なのに
アイドル全員に本格的なチェックなど到底できるはずもない」女P「参ったな……」
-
266 : 2014/07/29(火) 21:00:09.93 -
高木(女)「ふうむ。そのウソ発見機自体にミスがある可能性はないのかな?」
晶原「なっ!? この私の発明品に欠陥があるというのか!」
高木(男)『あくまでも可能性だよキミィ。尋ねるが、皆のやってるチェックとはどのようなものなのかな?』
晶葉『極めて合理的だぞ。まずウソ発見機の調子を確かめるために、当たり前の質問をいくつかする』
晶原「性別、天気、フェラーリの色などだな」
冬香(フェラーリ?)
晶葉『そしてその後に核心に迫る質問……異世界の存在を知ってるかとか、天才科学者との繋がりがあるか聞く』
晶原「私が行う本格的なチェックはダイレクトに尋ねるが、皆はなんとか無理のないよう会話に混ぜているはずだな」
伊織(男)「それがけっこう難しいんだよ」
弥生「僕、伊織君がいないと無理でしたー」
伊織(女)『そこで調査ミスが生じた可能性もあるのよ。やっぱり調査は完璧とは言えないわ』
晶葉『むう……』
涼(男)『…………』
高木(女)「いやいや。ひょっとしたら、糸口は掴めたかもしれないわ」
女P「えっ?」
-
267 : 2014/07/29(火) 21:02:07.44 -
高木(女)「池袋君、君はさっき性別について聞くと言っていたね」
晶原「え? ああ、ウソ発見機の具合を試す当たり前の質問としてな」
高木(男)『では、秋月君……秋月涼君のチェックでもそれはやったのかな』
律子『!』
晶葉『ああやったとも、この私が直々に。それがどうした?』
高木(女)「……涼君の性別は、どうなったのかな?」
涼(女)「…………」
晶原「決まっているだろう。私の世界では男で」
晶葉『私の世界では女だった』
律雄「ッ!?」
-
268 : 2014/07/29(火) 21:03:04.57 -
高木(男)『もう一度聞く。ウソ発見機にミスはないね?』
晶葉『当然だ、この私の発明に欠陥などない!』
高木(女)「そうか……」
女P「しゃ、社長。社長は涼君の事情を……?」
高木(女)「飲みの席で石川社長がぽろっと零してしまったのよ」
律雄「涼……? お前、まさか……」
涼(女)「…………」
律子『どういうことなの? 答えなさい、涼!』
涼(男)『…………』
絵理『涼さん……?』
愛『どうしたんですか?』
涼(男)『…………』
涼(男)『りゅんりゅん♪』
女P「!?」
-
271 : 2014/08/13(水) 21:50:06.25 -
涼(男)『律子姉さんもプロデューサーさんも、何を驚いてるの? 私は女の子だよ? りゅんりゅん♪』
涼(女)「オレは男だぜ? それの何が不思議なんだよ」
絵斗「涼、さん……?」
愛『え、えっと……』
春馬「なんか涼君、いつもと雰囲気違うような……?」
千隼「でもチェックは正常だったんだろう? 律雄は何を慌ててるんだ?」
律雄「違う……違うんだよ……涼は男じゃない」
律子『私達の世界では女装、そっちの世界では男装して……アイドルをやってたのよ』
真(男)「ええっ!?」
北斗『なんだって?』
晶葉『男装、女装……なのにチェックでは性別が露見しなかっただと?』
晶原「バカな! 私達の装置に狂いがあったというのか?」
律雄「いや違う。狂いがあるのは涼の方」
涼(女)「んだよ、何か文句あるってのか? あぁ?」
涼(男)『るんたらったりゅんりゅん♪ らんたるったりゅん♪』
律子『…………』
-
272 : 2014/08/13(水) 21:51:13.24 -
涼(女)「なんだお前ら? そんな変な顔してオレを見て。オレに惚れちまったのかな?」
涼(男)『みんなも私も見てるね。私かわいい? りゅーん♪』
律雄「涼、答えるんだ。本当に、お前が犯人なのか? お前が世界を壊そうとしているのか!」
律子『答えなさい、涼!』
涼(男)『違うよー。私はね、本当の女の子になりたかっただけだもん』
涼(女)「こんな体なんてごめんだからな。世界をもっと、もっと近づけりゃ……オレ達の望みは叶う」
千隼「そんな理由のために、異世界を……?」
涼(女)「そんな理由だとッ!?」
千隼「ッ!」びくっ
涼(男)『分かんないよね、自分の心と体の性別が違うのが、どんなに辛いか……
私達がどれだけ悩んでいるか!』冬香「…………」
涼(女)「お前は男だお前は女だって決め付けられて! 枠から外れれば虐げられる!
自分の生きたいように生きることすら、許してくれない! もう嫌なんだ、そんなの!」涼(男)『もう……世界が壊れたっていい。このまま生きるくらいなら、その方がいい!』
光希「涼……」
伊織(女)『とりあえず、今の涼は正常じゃないわ……真! プロデューサー! 逃げないよう押さえて!』
真(女)『う、うん!』
P『わかった!』
伊織(男)「こっちは春馬、千隼、お前らで押さえるんだ!」
春馬「りょーかい!」
千隼「ああ」
涼(女)「けっ、2人がかりなんて男らしくねーね。やるならタイマン張りやがれ!」
涼(男)『私達は捕まらないよ? だってね……』
しゅんっ
P『あっ!?』
春馬「き、消えた!」
-
273 : 2014/08/13(水) 21:51:48.42 -
鳳「異世界に行ったの?」
晶原「そ、そうらしい。だがこれは私の装置によるものではないぞ!」
翔子「晶原くん達以外で異世界への移動とかできるのは、例の科学者さんくらいだよね」
玲子『ま、まさか……本当に、涼が……?』
響(男)「犯人だったのかー!?」
絵理『でもなんで……?』」
貴史「律雄殿……あなたは何か知っているのでは?」
律雄「…………」
真実斗「りっちゃん! 黙っててもしょうがないよ~!」
愛人「あの、さっき涼さん、僕達見たことあります!」
女P「えっ?」
愛『けっこう前なんですけど、涼さん、オーディションに負けて倒れちゃって、起きたらあんな風になってました!』
絵理『時間が経ったら元に戻った……だから、気にしてなかった?』
梓「律雄さん、どういうことなんですか?」
律雄「…………」
あずさ『律子さんも……話していただけませんか?』
律子『…………』
-
274 : 2014/08/13(水) 21:53:02.89 -
律雄「……わかった、話すよ」
律子『私達が悪かったんだわ……涼を追い詰めて……』
伊織(女)『……で? 何をやらかしたってのよ』
律雄「さっき言った通り、色々事情があって涼は性別を偽ってアイドル活動してたんだ。
でもそれは涼が望んだことじゃなかった。トップアイドルになったら本来の性別で
活動してもいっていう約束の元の、仮の姿だったんだ」律子『涼は本当の自分を隠したままアイドルを活動を続けたわ。だけど人気は伸びず、オーディションは負け続け……』
律雄「僕達……僕と石川社長は伸び悩んでいるのは涼が異性になり切れていないからだと思ったんだ。
だから涼にとにかく男らしく振る舞えるよう徹底的に教え込んだ」律子『私達の場合は女の子らしく、ね。だけど涼は、それでもダメだった。
アイドルじゃない素人の子が参加するオーディションにも落ちて……
異性になり切るための特訓が無駄になったことを知った涼は倒れた』律雄「そして目を覚ました時には、さっきのあの人格になっていたんだ。
自分のことを完全に異性と思い込んだ、あの人格に……」高木(男)『むうう……』
律子『時間が経ったら、涼は普段の涼に戻っていた。きっと治ったんだと思って、私達もそれで安心してた』
律雄「でも違ったんだ。涼は戻ってなんかいなかった。ただ、そう見えただけだったんだ……」
女P「…………」
-
275 : 2014/08/13(水) 21:54:48.66 -
晶葉『つまり、涼君は多大なショックによって精神に異常をきたし、別人格を生み出してしまった……ということか』
晶原「ウソ発見機に引っ掛からなかったのも人格がふたつあったからか……
本人格は自分が犯人であることを知らず、別人格は自分の性別を知らない。
当人がウソを言っているという自覚がなければウソ発見機も意味がないというわけだ」千早『なるほど……』
真(女)『でも、どうして涼が、世界を壊そうなんてするんだ……?』
高木(女)「それなのだけどね、たぶん涼君達はそんなことは考えていないと思うのよ」
弥生「ど、どういうことですか?」
高木(男)『犯人を推測するにあたって、私が考えたのは動機だった。しかし世界を破壊するなどというのは
あまりにも突飛過ぎる。だから私は、犯人には別の動機があるのではないかと思ったのだよ』高木(女)「そうなると思い付いたのは性別のこと。ひょっとしたら犯人の動機は性別にあるのではないか?
では犯人として浮き上がるのは性別についての悩みを持つ人物。アイドルで性別について悩みを持つ人物といったら?
そこまで考えた時、涼君が浮かんだのよ」高木(男)『まさかと思って晶葉君に質問してみたのだが……それが当たりだった』
雪之丞「性別についての、悩み……」
真(女)『違う性別になれれば、違う性別の世界にいければ……そう考えた末の行動ってことか……』
律子『…………』
-
276 : 2014/08/13(水) 21:55:54.21 -
晶原「だが、動機はどうあれ今の彼らはこのままでは世界が壊れてしまうことを知っているんだぞ」
晶葉『それなのにやめないということは、どうやら既に正常な精神状態ではないらしいな』
響(女)『そういえばどうすれば事件は解決するんだっけ?』
晶原「忘れたのか? いいか、改めて事態を説明するぞ。
まずこの事件、隣り合う異世界同士が接近するというものだ」晶葉『そしてこれは人為的に引き起こされたものだ。実行犯は私も知る1人の天才科学者、
時空工学に関しては右に出る者のいないほどの技術を持つ。
そしてその科学者に異変を起こさせた発案者が、我々の追っていた犯人……つまり涼君というわけだ』女P「発案者がアイドルであることはわかっていたから、それを捕まえて実行犯の科学者の居場所を突き止めて……」
P『ふたつの世界を元通りにする方法を聞き出す。それが一応の計画だったんだよ』
光希「でも、涼はあっさり逃げちゃったの」
美希『その科学者さんの場所、わからないんじゃない?』
晶原「ふふん。私を、いや私達を誰だと思っているんだ?
稀代の天才科学者である私達2人にかかれば、涼君の居場所を特定するくらいはたやすい!」晶葉『精神または肉体が元々いる世界と違う世界にある人間には時空座標というもののズレが生じる。
私達の開発した装置はそれをサーチ&デストロイできるのだ!』冬香「デストロイしちゃダメでしょ」
晶原「とにかく、涼の居場所は特定できる! というか既にした!」
晶葉『恐らくはこの調べた場所こそが例の科学者が潜伏している場所でもあるはずだ。
逃げられる可能性もある、すぐにそこへ向かおう! あまり大勢でいくとバレるだろうから少数精鋭でな』晶原「では私とプロデューサー君、あとは……いざという時に説得できるよう、律雄君に来てもらおう」
律雄「……わかった」
晶葉『こちらも同じメンバーで行こう。幸いにも場所は都内だ、1時間もかからない』
鳳「私達は待機ですね?」
女P「はい。何かあったらすぐ連絡します」
冬香「いよいよ事が進んできたわね……」
晶原「これで全て解決すればいいが……とにかく皆、行くぞ!」
-
277 : 2014/08/13(水) 21:56:32.30 -
§都内 某マンション
女P「鍵、簡単に借りられてよかったな」
律雄「幸いにも管理人さんが765プロのファンでしたからね、秋月律雄と涼の名前を出せば一発でした」
晶原「はっきり言って知名度の悪用だが今はやむをえまい。さあ、開いたぞ」
女P「よし……しかしこの中に例の天才科学者がいるんだよな。空間とかを弄るのが大得意だっていう」
晶原「ああ。この事件の実行犯だな」
女P「ドアを開けた瞬間に異次元に飛ばされて戻ってこれないとかいうトラップはないよな?」
晶原「不吉なフラグを立てるな」
-
278 : 2014/08/13(水) 21:57:05.91 -
§室内
女P「気づかれてたみたいだな。どこにも誰もいない、が……」
律雄「リビングの真ん中に、明らかに場違いな機械がひとつあるな」
晶原「異世界関連の機械のようだな。どれ……」かちゃかちゃ
女P「どうだ?」
晶原「ふむ……これはどうやら大当りかもしれんぞ。この感じだと、
異世界同士を接近させるシステムがこれに搭載されているようだ」女P「えっ!」
律雄「じゃあ、この機械を停止させれば!」
晶原「いや、機械自体は既に停止している。やはり私の予想通り、隣り合う異世界は
一度軌道をそらせばいずれぶつかるらしい。だがこのシステムを分析すれば
今度は異世界同士を遠ざけるシステムが作れるはずだ」女P「おお!」
晶原「少し待て、システムを分析する」かちゃかちゃ
-
279 : 2014/08/13(水) 21:57:42.35 -
§数分後
律雄「……どう? 分析できそう」
晶原「ああ。しかしこれはとんでもないシステムだな……この私の天才の頭脳でも理解するのがやっとだ」
女P「理解はできたんだろう? 異世界同士を遠ざけるシステムは作れそうか?」
晶原「無論だ。だが、これは……」
律雄「何か問題が?」
晶原「……ひとまず皆の元へ戻ろう。恐らくは異世界の私も、同じ結論に至っているはずだ」
女P「……?」
-
280 : 2014/08/13(水) 21:58:41.13 -
§765プロ
晶原「……というわけで異世界の衝突を回避するシステムは作れそうだ」
亜実斗「さっすがアッキー!」
弥生「じゃあこれで全部解決するんですね!」
愛『よかったですー!!』
晶原「そう、うまくはいかないのだ」
翔太『えー?』
響(男)「な、なんでだ?」
晶原「どんな機械を動かすにもエネルギーがいる。その機械の役目が大きければ大きいほど要するエネルギーも多い……」
伊織(女)『資金が足りないってこと? なら水瀬財閥から援助させるわよ』
晶葉『違う。異世界を遠ざける機械には特別なエネルギー……人間の精神エネルギーが必要なんだ』
雪之丞「精神エネルギー……?」
晶原「異次元だ異世界だといったことを語るにおいて、精神というのは重要な要素になる。
いかなる世界でも精神は存在し、精神はより高次の次空を満たすものだからだ」真(女)『え、えっと……?』
真美『うあうあ~、さっぱりわからないよ~!』
晶葉『精神というのは異世界と異世界を繋ぐものだと考えてくれればいい。
異世界の接近によってまず起こったのがプロデューサー君達のような精神の入れ替わりだったようにな』女P「…………」
晶原「異世界を動かすのに必要なのは人間の精神のエネルギー。その形は問わない、
正でも負でもとにかく爆発的に強い感情がいる。例の部屋にあった機械を分析すれば
それを蓄える装置も作れるだろう」晶葉『エネルギーの回収自体も人体に悪影響を与えるものではない。問題はその量なのだ』
冬香「量?」
晶葉『計算によると、たとえばここにいる全員が我を忘れて殺しあうほど激怒したとして……
異世界同士を遠ざけるのに十分なエネルギーを溜めるには、一年かかる』小鳥『一年!?』
晶原「しかもそれは一年間ずっと怒りっぱなしだった場合だ……実際にはもっと効率は落ちる」
千早『異世界同士が衝突するまで、あとどれくらいあるの?』
晶葉『……三週間だ』
あずさ「そ、そんな……」
律子『絶望的じゃない……』
春馬「…………」
-
281 : 2014/08/13(水) 21:59:27.97 -
春馬「みんな、ちょっと聞いて」
女P「え?」
P『春馬、どうしたの?』
春馬「ひとつ、考えがあるんだ」
春香『私も……たぶん、春馬君と同じ考え』
女P「春香まで……急になんなんだ?」
春馬「晶原君。どんなものでも、強い感情があればいいんだよね?」
晶原「あ、ああ」
春香『晶葉ちゃん。エネルギーの回収ってどんな風にやるの?』
晶葉『一応、エネルギーを回収するための部屋を作り、その中に人を入れて……というのを予定しているが』
春馬「一度にたくさんの人でもそれでできる?」
晶原「ああ。理論上、回収できるエネルギーの上限はない」
春馬「だったら……春香ちゃん」
春香『うん。きっと、これでいけるはず』
千早『春香? いったいなんなの?』
千隼「何を考えているんだ?」
春馬「うん……みんな!」
春香『ライブをやろうよ!』
女P「!?」
-
282 : 2014/08/13(水) 22:00:11.20 -
晶原「ら、ライブだと?」
春香『うん! 私達でお客さんを盛り上げて、いっぱいエネルギーを集めよう! 世界を救っちゃうくらいに!』
春馬「765プロ、876プロ、315プロ、CBプロが協力すれば、きっとすごいライブになる!」
晶葉『む、むう……しかし、少し突飛過ぎないか?』
晶原「いきなりライブなんて無理があるだろう。それで全部解決すると決まったわけでもなし……」
春香『ねえ晶葉ちゃん、みんな、私達はアイドルなんだよ? 歌って、踊って……みんなを笑顔にするのが私達の仕事!』
千早『!』
春馬「いくら世界の危機だって言っても、僕達は武器をとって戦ったりはできない。
僕達はアイドルなんだ。だったら、僕達にできることをしよう!」春香『私達が精一杯がんばれば、きっとファンのみんなも応えてくれる。
それだけじゃない、涼君だって……きっと』春馬「世界を救うために僕らができるのは……アイドルとして、みんなに希望を与えることだって思うんだ」
春香『無茶なのはわかってる。だけど、これしかないと思う。みんな、お願い!』
P『…………』
-
283 : 2014/08/13(水) 22:01:45.63 -
千早『私は……春香の意見に賛成よ』
千隼「やっぱり、僕達はアイドルだからな」
晶原「如月君……」
光希「ミキ的にもそれがいいって思うな」
美希『ライブだったら、俺がんばっちゃうよ!』
律雄「光希、美希……」
伊織(女)『ふん、まあ春香にしてはいい提案ね』
真実斗「んっふっふ~、腕が鳴りますなぁ」
響(女)『みんなでやれば、なんくるないさー!』
弥生「うっうー! なんだかわくわくしてきましたー!」
あずさ『そうね~、私達にできることなら、やってみましょうか』
亜美斗「いっちょやるっきゃないっしょ→!」
貴音『全力を尽くしましょう』
真(男)「へへっ、なんだみんな乗り気じゃんか!」
雪歩『私達、みんなでがんばろうっ!』
冬香「やれやれ、765プロは相変わらずね」
翔太『でもこういうノリも悪くないよね』
南「765プロのナイト君達となら、喜んで」
絵理『やってみたい。私も、アイドルだから……』
愛人「がんばりましょーっ!!」
春香『みんな……』
-
284 : 2014/08/13(水) 22:02:36.22 -
晶葉『……やれやれ。こうなっては反対できる余地はないな。それになんだか私もやれる気がしてきたよ』
晶原「天海君の案を採用しよう。だがあと三週間、時間はないぞ」
鳳「ええ、わかってるわ。すぐに会場の確保とプログラムの設定それと告知を!」
高木(男)『私も早速根回しをしよう! 各プロダクションへ協力を要請して、日程も調整せんとな』
高木(女)「芸能界へのコネを最大限使って最高の舞台を用意しよう。お客が多く入ればそれだけエネルギーを得れるものね」
女P「アイドル達はレッスンだ! 今まで以上にビシビシ行くぞ!」
春馬「はいっ!」
晶原「私達はエネルギー回収用の装置の開発と設置だな。さあ忙しくなるぞ!」
春香『あと三週間で、どれだけできるかはわからない。だけど絶対に成功させてみせる!』
春馬「よーしみんな! 765プロ、876プロ、315プロ、CGプロ、CBプロ! ファイトーッ!」
一同『おーっ!!』
-
285 : 2014/08/13(水) 22:03:39.44 -
それからの三週間は本当に忙しかった。
なにしろたった三週間で、これまでで最大級のライブをしようとするのだ。
しかし皆のやる気と団結力はそれをものともしなかった。765プロは皆、別の仕事もある中うまく合間を縫ってレッスンを重ねた。
何回か異世界間で合同レッスンもしたりして、今までにない出来になったと思う。876プロはメンバーが1人欠けたままの三週間でとても大変だったそうだ。
それでも愛ちゃんと絵理ちゃん、愛人君と絵斗君ががんばって、ライブに向けての三週間を乗り越えた。CG・CBプロからはニュージェネレーションが参加してくれることになった。
ライブには3人の力が必要だと判断した晶葉ちゃん達が改めて事情を説明し、協力を得てくれたのだそうだ。ジュピターも流石のプライドを見せてくれた。彼らと合同のライブが本当に楽しみになるくらいだ。
特に冬馬と冬香は慣れない異性の体のはずが、普段となんら変わりのないパフォーマンスを発揮していた。それは美希と光希も同じ……このライブでもっとも重要なのはこの彼らだ。涼君へのメッセージとして……
また晶葉ちゃんと晶原君、あと高木社長達もがんばった。可能な限り大きなドームを確保して、さらにエネルギーを回収する装置を開発しそこに取り付ける。僅かな時間で見事にこなしてくれた。
そして新たにもう3人……重要な人物が、加わってくれた。
こうして出来上がったライブは、異世界を含めれば出演総数50人の超ビッグ・イベントとなった。
-
286 : 2014/08/13(水) 22:04:55.14 -
§開演直前
春馬「いよいよだね……」
千早「世界の命運を決めるライブ、か……」
卯月(男)「なんだか大変なことになっちゃってるけど……」
憐「僕達は僕達のベストを尽くすだけだよ」
公央「がんばろう!」
南「ふふっ、みんなみたいなナイト君達とならきっと最高のライブになるわ」
冬香「961プロをやめてからは……こんな大きな舞台でやるのは、久しぶりね」
翔子「あれ、もしかして冬香ちゃんびびってるの? あ、冬馬君だっけか」
冬香「冬香でいい。びびってるわけないでしょ? 望むところよ」
女P(皆の調子も、客の入りも万全だな。きっと……涼君も、どこかで見ているはずだ)
-
287 : 2014/08/13(水) 22:05:55.37 -
亜実斗「しかし、まさかりっちゃんまで自分から参加してくれるとは意外だったYO」
律雄「涼を追い詰めた僕が、皆に任せてのうのうと見てるだけじゃ示しがつかないだろ?」
梓「まあまあ律雄さん、そう気負い過ぎないようにね」
伊織(男)「責任を感じるのは勝手だけど、それをステージには持ち込むなよ?」
律雄「ああ、わかってるよ。アイドルとしても、プロデューサーとしても……最高のライブにしてみせる」
梓「夢男君、そっちも準備いい?」
夢男「はいお兄様、バッチリです」
女P(桜井夢男君……今日の重要人物だ。きっとどこかでこれを見ているであろう涼君、
彼女の心を動かすには夢男君の力が必要だと思って梓さんに事情を説明してもらった。
プライドの高い孤高のアイドルである彼は多くは語らないが……きっと、心中は複雑なはずだ)玲「愛人君、絵斗、お前らもしっかりな」
愛人「はいっ!」
絵斗「ベストを、尽くす?」
鳳「みんな、そろそろ時間よ!」
女P「よし……行ってこい!」
一同『はいっ!』
-
288 : 2014/08/13(水) 22:06:34.56 -
§開演
春馬「みんなーっ!」
ファン『きゃあああああああああっ!』
千隼「今日は、僕達のライブに来てくれてありがとう!」
弥生「いっぱいいっぱい、楽しんでいってくださーい!」
ファン『わああああああああああ!』
真実斗「んっふっふ~、それじゃ早速いっちゃおうか!」
光希「まず最初は、俺達765プロオールスターだよ!」
春馬「曲は……」
一同『THE IDOLM@STER!』
ファン『きゃあああああああああああ!』
-
289 : 2014/08/13(水) 22:07:49.09 -
§舞台袖
女P「ついに始まったか……」
鳳「ええ……このライブに、世界の運命はかかってるんですね」
冬香「私達が、元の体に戻れるかどうかもね」
鳳「…………」
女P「きっと、みんなならやってくれるさ。お前だって失敗させる気はないだろう?」
冬香「当たり前よ。私達の力があれば……楽勝! よ」
女P「きっと今頃あっちの世界でも皆はがんばってる。ライブを成功させるために」
鳳「私達も精一杯サポートします。絶対に成功させましょう!」
女P「はい!」
-
290 : 2014/08/13(水) 22:08:45.72 -
————
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♪GO MY WAY春香「GO MY WAY♪ GO前へ♪」
千早「がんばっていきましょ♪」
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♪恋を始めよう貴史「『愛してる』『愛したい』過去も未来も♪」
響(男)「僕が君に誓うから♪」
光希「GET YOU!!」
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♪オーバーマスター翔子「GentleよりWildに♪」
南「WildよりDangerous♪」
冬香「試してみれば♪」
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291 : 2014/08/13(水) 22:09:23.46 -
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♪SMOKY THRILL亜美「知らぬが♪ 仏ほっとけない♪」
あずさ「くちびるポーカーフェイス♪」
伊織「Yo灯台♪ 元暮らしDo you know?♪」
律子「噂のFunky girl♪」
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♪”HELLO!!”絵斗「BRAND NEW 達♪」
愛人「始まりはそう”HELLO!!”♪」
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♪お願い! シンデレラ凛「まだまだ小さいけれど♪」
卯月「光り始めてる♪」
未央「輝く日のために♪」
-
292 : 2014/08/13(水) 22:10:12.08 -
女P(765、876、ジュピター、ニュージェネレーション……彼らのステージは流石の一言だ)
女P(名だたる有名アイドル達が合同で作るステージ。盛り上がらないわけはない)
女P(だけど……まだ足りない。もっともっと、客席のボルテージを上げるんだ)
女P(『たとえ何が起こってもそれを受け入れ楽しむ』。そんな空気を作るんだ)
女P(驚きを、混乱を、楽しさに塗り替える……そんな空気を)
女P(……次はあの2人か)
-
293 : 2014/08/13(水) 22:11:02.58 -
ファン『…………』ざわざわ
???(もうすぐステージが明転する……準備はいいね?)
???(もちろん! 心配なのはうまくいきすぎてファンの失神者が出ないかだけさ)
???(ふふ、頼もしいな。じゃあ始めようか)
???(ああ)
ファン『ッ!?』ざわっ
舞人「ようみんな! 久しぶりーっ!」
玲音(男)「ボク達のステージ、ぜひ楽しんでいってくれ」
ファン『きゃああああああああああーーーーっ!!』
-
294 : 2014/08/13(水) 22:11:47.99 -
§舞台袖
高木(女)「すごい熱狂っぷり……流石だね、彼らは」
女P「しかし、まさかあの2人が協力してくれるとは……」
鳳「舞人さんが玲音さんに事情を説明して協力を得てくれたそうです。やっぱり、天才は天才を知るんですね」
高木(女)「いやあ彼らがひとつのステージに立つなんてね。これは芸能界全体で見ても大ニュースよ」
女P「あの2人なら客席のボルテージを一気に上げてくれるでしょうね」
鳳「ええ!」
女P(でも……それだけじゃダメだ。エネルギーを集めるのもそうだけど、
このライブの目的はもうひとつある。舞人さんと玲音さんにはあくまで力を借りるだけ、
本当に大事なところは俺たちで決めないと……!)鳳「プロデューサーさん。そろそろスタンバイをお願いします」
女P「はい!」
-
295 : 2014/08/13(水) 22:12:44.47 -
§ライブは続き
春香「みんなーっ! 盛り上がってるーっ?」
ファン『うおおおおおおーーーーっ!』
美希「あはっ☆ なんだかすっごくいい感じなの!」
真「じゃあここでみんなに、今日のスペシャルゲストを紹介したいんだ!」
雪歩「私達にとって、とても大切な仲間……だからみなさんにも、応援して欲しいんです!」
ファン『おおーーーーーーーっ!』
春香「じゃあいくよ! スペシャルゲスト、カモーン!」
ファン『わああああああーーーーっ!』
女P「みなさん、こんにちはーっ!!」
.
-
296 : 2014/08/13(水) 22:13:36.18 -
春香「今日だけのスペシャルゲスト、女Pちゃんです!」
女P「初めまして! 今日はよろしくーっ!」
ファン『わああああああああああっ!』
千早「女Pは今日が初めてのステージ……緊張しているわ」
美希「でもでも、すっごくがんばってくれるの!」
女P「私、まだまだ実力が足りないかもしれませんけど、みなさんのため精一杯がんばります!」
ファン『おおおおおおおおおおおおっ!』
女P(……まさか俺が、アイドルとしてステージに立つなんてな)
§三週間前
女P「俺達に!?」
P『ステージに立てって!?』
春馬「はい! お願いしますっ!」
春香『一曲だけでもいいんです!』
女P「だ、だがなあ……」
P『なんでそんなことを?』
春香『プロデューサーさんは性別も変わっちゃった上にアイドルですらない……だから、
そんなプロデューサーさんでもがんばってるのを見たら、きっと涼君にも届くと思うんです!』光希「たぶん、女の子のハニーがあっちの世界で、男の人のハニーがこっちの世界でやれば問題ないと思うの」
千早『プロデューサーは私達のステージをずっと見てきました。経験も十分です』
高木(女)「ふむふむ、ティンときたわ! ぜひとも参加しなさい、あなたならいける」
P『社長まで……』
女P「うーん……」
春香『お願いします、プロデューサーさんっ!』
-
297 : 2014/08/13(水) 22:14:51.35 -
§現在
女P(三週間、春香達にみっちりとレッスンを受けて、俺も今日ここに立っている。異世界の俺も、あっちの世界で……
俺はアイドルじゃない、どこまでやれるかはわからない。だけど俺だって……全力を尽くしてみせる!)雪歩「さらに今日は、特別なメンバーでのスペシャルステージなんです!」
春香「もう1人、スペシャルゲストを紹介しますっ! なんとあのジュピターのリーダー、
天ヶ瀬冬馬君の妹さん! 天ヶ瀬冬香ちゃんです!」ファン『わああああーーーーーっ!』
冬香「みなさん、初めましてーっ!」
ファン『わああああーーーーーっ!』
女P(ちょっと強引だが流石にこのステージに冬馬を、男を混ぜるわけにはいかないからな)
真「さらに女Pのサポートをしてくれるのは、765プロからは星井美希!」
美希「がんばるのー!」
千早「さらに竜宮小町のプロデューサー兼アイドルの秋月律子!」
律子「いくわよ!」
春香「そして、フリーランス・アイドルの桜井夢子ちゃんですっ!」
夢子「はーい、よろしくっ♪」
ファン『わああああああああああああっ!』
女P(俺、光希、冬馬、夢子ちゃん、律子……涼君、君に送るスペシャルステージだ)
真「それじゃあみんな、いくよ! 曲は『自分REST@RT』!」
ファン『わああああああああああああっ!』
女P(……よしっ!)
-
298 : 2014/08/13(水) 22:15:43.89 -
♪自分REST@RT
ファン「いくぞおおおおおおおおおーーーっ!」
ファン『ハイ! ハイ! ハイ! ハイ!』
冬香(前奏が始まった……がんばりなさいよ、プロデューサー!)
律子(今回、私達はサポートに過ぎない。ステージを作るのはあなたです)
美希(男の人のハニー、がんばるんだよ!)
夢子(涼へのメッセージを込めたこのステージ、絶対に成功させる!)
女P「…………」
ファン『おーーーーっ! ハイハイハイハイ!』
女P「ッ!」
-
299 : 2014/08/13(水) 22:16:37.48 -
女P「昨日までの生き方を 否定するだけじゃなくて♪」
女P「これから進む道が見えてきた♪」
女P「弱いだけの女より 我慢とか背伸びしても♪」
女P「かっこつけた自分が好きだから♪」
ファン『おーーーーっ! ハイハイハイハイ!』
女P「今すぐ心の ドアちょっと開いて♪」
女P「旅に出てみたい気分♪」
女P「ぼやぼやしてると 大切なチャンス♪」
女P「逃してしまいそう♪」
-
300 : 2014/08/13(水) 22:17:31.46 -
女P「輝いたステージに立てば 最高の気分を味わえる♪」
女P(俺が育てたアイドル達と一緒に、ステージに立つ……俺は皆と同じ女としてステージに立ってる)
女P「全てが報われる瞬間 いつまでも続け♪」
女P(こんなスカート履いて、かわいい声だして、愛嬌振り撒いて……)
女P「夢なら覚めないでいて♪」
女P(恥ずかしいのは事実だ。だけどそれ以上に、精神が高揚している)
女P「大空を舞う鳥のように 翼を広げて羽ばたきたい♪」
女P(涼君、見ているか? アイドルの君から見れば、俺のステージなんてあまりにお粗末だろう)
女P「どんなに遠くても行こう 憧れの世界♪」
女P(だけど……俺だって精一杯がんばってステージに立ってる。君だって本当は、男としてステージに立ちたかったはずだ)
女P「夢だけでは 終わらせたくない♪」
女P(それをこんな形で終わらせるなんて……君はそれでいいのか?)
-
301 : 2014/08/13(水) 22:18:11.99 -
美希「可能性信じて挑まなきゃ♪」
冬香「そう何も始まらない♪」
律子「一度や二度の失敗♪」
夢子「軽く流して♪」
女P「リスタート♪」
-
302 : 2014/08/13(水) 22:19:07.22 -
美希(涼、俺だって好きで女の子としてステージに立ってるわけじゃないよ。
本当はちゃんと自分の体にいたい。でも、今は女の子だから、女の子としてがんばるよ!)冬香(あんたは性別についてずいぶん悩んでたみたいね。私もあんたと同じくらい悩んだ。
自分を偽って生きていると、まるで自分が消えていくようで……怖かった。
でも、男でも女でも自分は自分。それは変わらない! それを信じて、私は生きてる!)律子(ごめんね、涼。私のせいであなたをあんなに苦しめちゃって……
あなたにちゃんと謝りたい。もう男でも女でもいい、涼、戻ってきて!)夢子(涼……あんたがあんなに苦しんでるなんてちっとも知らなかった。
正気を失っちゃったあんたには、もう言葉は届かないんでしょ?
だったら言葉じゃなくて心で受け止めなさい。音楽、ダンス……私達のステージ!) -
303 : 2014/08/13(水) 22:20:03.25 -
§客席
涼(男)「…………」
夢子『誰からも知られ愛される♪』
律子『存在になる道を選んで♪』
涼(男)「…………」
冬香『苦労は絶えないけれども♪』
美希『後悔してない♪』
涼(男)「…………」
女P『毎日が楽しいから♪』
涼(男)(……僕は、私は……)
蒼一「迷っているのかい?」
涼(男)「!」
-
304 : 2014/08/13(水) 22:20:49.85 -
蒼一「奇遇だね、涼君」
涼(男)「武田さん……」
蒼一「このライブに来た時点で、君の心にはまだ迷いがある」
涼(男)「…………」
女P『新しい自分をいつでも♪』
蒼一「君の中にいる女の君だって、わかっているはずだ」
涼(男)「…………」
冬香『見せながら成長していくよ♪』
蒼一「改めて君に言おう。空気など読むな」
涼(男)「…………」
美希『まだまだ伸びると信じて♪』
蒼一「君の夢のために……周囲のことなど気にするな」
涼(男)「…………」
律子『今日もがんばれる♪』
蒼一「君の夢はこんなことで終われるほど、小さくはないだろう?」
涼(男)「…………」
夢子『エンドレスな向上心で♪』
蒼一「……僕に言えるのはこれだけ。あとは君が決めるんだ」
涼(男)「…………」
-
305 : 2014/08/13(水) 22:21:38.00 -
§ステージ
女P「ありがとうございましたーっ!」
ファン『わあああああああああああああっ!』
律子「私達のステージ、楽しんでくれたー!?」
ファン『おおーーーーーーーーーっ!』
美希「あはっ☆ ファンのみんな、すっごくすっごくいいカンジなの!」
冬香「だけど、私達のライブはまだまだこんなもんじゃないわ!」
夢子「もっと、もっと、もっと! みんなに夢を見せてあげる!」
ファン『おおおおおーーーーーーーーーっ!』
女P(いよいよだな……うまくやってくれよ、晶葉ちゃん、晶原君)
美希「それじゃあみんな! 今からみんなを、不思議な世界に連れていってあげるの!」
冬香「みんな、とにかく楽しんでいってね! 次の曲はきっと、今まで最高の曲になる!」
女P「じゃあみんな、いっくよー!」
晶葉(……今だ!)かちっ
-
306 : 2014/08/13(水) 22:22:58.11 -
§異世界
女P「おっ……と」すたっ
美希「よっと」すたっ
冬香「よし」すたっ
律子「ととっ」すたっ
夢子「わっと」すたっ
ファン『わあああああああああっ!?』どどどどどっ
P(よし! 開けておいた席にうまくファンが収まってくれた!
晶原くん達、転送装置の精度を上げたね? 1人も転んだりしてない、大成功っ!)女P(これでこのドームには2つの世界の人間が両方集まった……さあ! 異世界を巻き込んだステージの開幕だ!)
ファン『……!?』どよどよ
ファン『ッ!? ??』ざわざわ
律子「はいはいみんな! 色々と気になることはあるだろうけど!」
律雄「今は僕らのライブなんだ! ライブを楽しんで!」
女P「さあ、全員集合だ!」
ファン『お……おおおおおおおおおっ!』
-
307 : 2014/08/13(水) 22:23:46.53 -
§客席
涼(男)「ま、まさか……」
涼(女)「お客さんごと、異世界につれていくなんて……」
蒼子「この会場にいる5万を越える観客……その全員に異世界の存在が知れ渡ってしまったわけだ」
蒼一「大パニックになるだろうね、普通なら。だけど観客達の意識は今、完全にステージの彼らに向いている」
蒼子「異世界について考える余裕もなくすくらいに、心を引き付けられている」
涼(女)「…………」
蒼一「羨ましくはないか? それほどのパワーを持ったステージを彼女らは作っているんだ」
涼(男)「…………」
-
308 : 2014/08/13(水) 22:24:39.04 -
§ステージ
真実斗「さあ、会場の兄ちゃん姉ちゃん達~っ!」
真美「ぼやぼやしてちゃダメっしょ→!」
千早「私達全員、力を合わせて!」
千隼「最高のステージを作ります!」
愛「だからみなさんもっ!!」
愛人「全力で楽しんでくださーいっ!!」
凜「男も女も、一緒になって!」
憐「ひとつの世界に!」
冬馬「準備はいいな?」
冬香「もたもたしてると置いてくよ!」
舞「こんな経験、滅多にできるもんじゃないわ」
舞人「楽しまないと損だぜ?」
春香「それじゃあいくよ! 総勢50人、オールスターステージ!」
春馬「曲は……!」
一同『The world is all one!!』
ファン『わあああああああああーーーーーーーーッ!!』
女P(2つ世界の間でも、歌詞がほとんど変わらなかったこの曲)
P(涼君。君に送る、最後のメッセージだ!)
-
309 : 2014/08/13(水) 22:25:11.99 -
♪The world is all one
春香「空見上げ手を繋ごう♪」
千隼「この空は輝いてる♪」
冬馬「世界中の手をとり♪」
愛「The world is all one!!」
舞人「Unity mind♪」
-
310 : 2014/08/13(水) 22:25:55.28 -
凜「ねえ、この世界で♪」
やよい「ねえ、いくつの出会い♪」
伊織(女)「どれだけの人が笑ってるの?♪」
絵斗「ねえ、泣くも一生♪」
玲音(男)「ねえ、笑うも一生♪」
翔子「ならば笑って生きようよ 一緒に♪」
あずさ「顔を上げて みんな笑顔♪」
律雄「力あわせて 光目指し♪」
卯月(女)「世界には友達 一緒に進む友達♪」
北斗「いることを忘れないで♪」
公央「ひとりでは出来ないこと♪」
雪歩「仲間となら出来ること♪」
南「乗り越えられるのは♪」
貴音「Unity is strength♪」
千早「空見上げ手を繋ごう♪」
響(男)「この空は繋がってる♪」
P「世界中の手をとり♪」
亜美「The world is all one!!」
真美「The world is all one!!」
玲音(女)「Unity mind♪」
-
311 : 2014/08/13(水) 22:26:50.71 -
律子「ねえ、この未来は♪」
真(男)「ねえ、何が待ってる?♪」
翔太「どれだけの 夢溢れてるの?♪」
響(女)「ねえ、空の向こうに♪」
夢男「ねえ、夢があるなら♪」
梓「それはみんなの輝きのしるしさ♪」
伊織(男)「そうひとりで想わないで♪」
愛人「仲間と勝負に立ち向かおう♪」
絵理「前向いて全速力♪」
卯月(男)「気持ち一つあれば♪」
真(女)「出来ることを忘れないで♪」
亜実斗「ひとりずつ違うパワー♪」
真実斗「ひとつに重ね合えれば♪」
貴史「この地球の未来は♪」
美希「The dream or our hope♪」
雪之丞「晴れ渡るこの気持ち♪」
未央「まっすぐに輝いてる♪」
春馬「世界中の手をとり♪」
憐「The world is all one!!」
弥生「The world is all one!!」
舞「Unity mind♪」
-
312 : 2014/08/13(水) 22:27:30.67 -
冬香「前を向いて 前を向いて♪」
夢子「ほら、空を見上げよう♪」
光希「前に進もう 前に進もう♪」
女P「人生は楽しめる♪」
『Sympathy&Teamwork♪』
-
313 : 2014/08/13(水) 22:28:09.35 -
『ひとりでは出来ないこと♪ 仲間となら出来ること♪』
『乗り越えられるのは♪』
『Unity is strength♪』
『空見上げ手を繋ごう♪ この空は繋がってる♪』
『世界中の手をとり♪』
『The world is all one!!』
『The world is all one!!』
『Unity mind♪』
-
314 : 2014/08/13(水) 22:29:02.58 -
§客席
ファン『わあああああああああああーーーーーーーーーっ!』
蒼子「いいライブだ。掛け値なしに」
蒼一「老いも若きも男も女も関係なしに、音楽の世界に引き込んでいる」
蒼子「これこそが音楽の力」
蒼一「……このステージを今日しか見れないことが唯一の心残りだね」
蒼子「最初で最後だろう、異世界間の合同ライブなんて」
蒼一「だが……このステージが最高ではない」
蒼子「私達は、それぞれの世界でこれを越える音楽を探していく」
蒼一「僕は彼と」
蒼子「私は彼女と」
蒼一「……彼らは、間に合うかな?」
蒼子「間に合うさ。皆も待っているはずだ」
-
315 : 2014/08/13(水) 22:29:39.01 -
§控室
バンッ
小鳥「!」
涼(男)「ハァッ、ハァッ……」
涼(女)「あ、あの、私達……!」
鳳「来たわね涼君、待ってたわ」
涼(男)「え?」
小鳥「これが君達の衣装だ、すぐに着替えて!」
鳳「次の曲はあなたがセンターよ、がんばって」
涼(女)「こ、これ……最初から、用意して……?」
小鳥「もちろん。みんな、君がここに来てくれるって信じてたよ」
鳳「今はまだ何も言わなくていい。ステージを楽しむのよ。いってらっしゃい!」
涼(男)「……! はいっ!」
-
316 : 2014/08/13(水) 22:30:50.80 -
§ステージ
愛「あーっ! 涼さーん!!」
絵斗「やっぱり、来てくれた?」
真実斗「んっふっふ~、待ちかねたZE!」
涼(男)「す、すみません!」
涼(女)「私、私……!」
伊織(女)「はいはい、話はあとあと!」
あずさ「今はいっしょに歌いましょう?」
亜美「ファンの兄ちゃん姉ちゃんもお待ちかねだYO!」
律子「あなたが私を許してくれるかはわからないけど……私達はあなたを歓迎するわ!」
律雄「このライブが、仲直りの握手の代わりだよ!」
冬香「男も女も引っくるめて……」
冬馬「全力で盛り上げてやろうぜ!」
夢子「涼! いつまでもボケッとしてないで、さっさとセンターに来なさい!」ぐいっ
涼(男)「わっ」
夢男「お前も!」ぐっ
涼(女)「ととっ」
春香「よーし! みんないっくよー!」
春馬「曲は!」
一同『Dazzling World!』
ファン『わああああああーーーーーーーっ!!』
——————
————
——
-
317 : 2014/08/13(水) 22:32:02.18 -
§ライブ終了後 控室
涼(男)「みなさん、本当にごめんなさいっ!」
涼(女)「私達のせいで、こんな大変なことになっちゃって……」
女P「いいさ。涼君達だってつらかったんだろう?」
春香「責めるつもりはないよ」
律子「涼……私こそごめんなさい。あんたがこんなに悩んでいるなんて、少しも気づけなかった」
律雄「面白半分でお前を追い詰めて……本当に、ごめん!」
涼(男)「律子姉ちゃんのせいじゃないよ……僕が、僕が……!」
涼(女)「私達が、弱かったから……!」
絵理(本当に謝らなければいけないのは石川社長だと思うけど……)
玲(ここは黙っておくのが正解みたいだな)
愛「涼さんが戻って来てくれてよかったですっ!!」
夢子「涼……こっち向いて」
夢男「そっちの涼も」
涼(男)「夢子ちゃ……」すっ
涼(女)「夢男く……」すっ
パ ア ン ッ
.
-
318 : 2014/08/13(水) 22:32:56.82 -
涼(男)「痛っ!?」
涼(女)「っつー……」
夢子「…………」
夢男「…………」
真(女)「ちょ、ちょっと夢子ちゃん! いきなりビンタしなくても……」
鳳「いいのよ真君」
玲音(女)「見守ろう。これは彼らの問題だ」
あずさ「それに……ああやって叱れるのは、夢子ちゃん達だけだと思うわ」
夢子「このバカ! いろんな人にさんざん迷惑掛けて、何考えてんのよ!」
夢男「頭の中バカになって、その上世界を壊そうなんて……本当にバカとしか言えないよ!」
涼(男)「ご、ごめん……」
涼(女)「…………」
夢子「ほんっとうに……もう! なんで私に相談してくれなかったの? そんなに悩んでいるなら!」
涼(男)「え?」
夢男「俺じゃダメだったのかよ。俺がいてもこの世界を壊すほど……俺は、どうでもいい存在だったのかよ!」
涼(女)「あ……う……」
夢子「お願いだから……こんな悲しいこと、もう二度としないで……もっと、私を頼って……」ぐすっ
夢男「悲しいことも、辛いことも、わけてくれよ。なあ……」ぐすっ
涼(男)「夢子ちゃん……」
涼(女)「夢男君……」
-
319 : 2014/08/13(水) 22:33:53.57 -
がしっ涼(男)「約束する。もう二度と、君を泣かせたりしない。女の子を泣かせるようじゃ男失格だ」
涼(女)「私も……女として、あなたを笑顔にしてみせる。約束するよ」
夢子「涼……」
夢男「涼……」
舞「ふふっ、いいわね、初々しくて」
玲音(女)「いいものだな、若いとは」
P「言い草が高木社長みたいですよ」
高木(男)「それはどういう意味かねキミィ」
ガチャ
晶葉「皆、揃っているな」
女P「お、晶葉ちゃん……それに晶原君も」
晶原「今日は本当にお疲れ様。すばらしいライブだった」
晶葉「観客達は無事、元の世界に戻った。異世界のことは一時期話題になるかもしれんが
記録は残らないようにしてある、たいした騒ぎにもならずやがて忘れられるだろう」凜「晶葉、エネルギーっていうのは溜まったの?」
晶葉「ああ、バッチリだ。これでいつでも異世界同士を離し、元通りにできる」
公央「おー!」
愛「やったーっ!!」
涼(男)「よかった……」
涼(女)「私も、例の科学者さんに言って……世界を戻すの、協力してもらいます」
晶原「うむ、そうしてくれ。やはり専門の者がいたほうがよかろうからな」
舞「やれやれ、ようやく安心ね」
冬香「世界が滅亡するなんて聞かされたときはどうなるかと思ったけど」
冬馬「これで俺らも元の体に戻って、万事解決だな」
晶原「うむ……本当に、これで……」
晶葉「全て……かいけ……つ……」ふらっ
卯月(女)「晶葉!?」がしっ
晶葉「…………」
未央「眠ってる、のかな……?」
晶原「疲労だ……無理もない、この三週間、今日の準備でずっと働き詰めだったからな。
それだけじゃない、異世界の接近を知ってからずっと……悩んだり恐れたりで、精神も消耗している。
元よりそう体力がある方でもないしな……休ませてやってくれ」凜「晶葉……」
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320 : 2014/08/13(水) 22:34:34.84 -
憐「晶原も同じくらい疲れているんだろ? 大丈夫か?」
晶原「私は男だ、彼女よりは体力がある。まだ平気だよ。それより、皆を元の世界に戻さなければな……」
真美「えー、もう戻っちゃうの?」
亜美「もう少し遊びたかったよ~」
晶原「無茶を言うな。こうして異世界間を行ったり来たりできたのも、
異世界の接近があったからだ……全てが元に戻る今、君らはもうここにはいられない」春馬「それじゃあ……女の子の僕達とは、もうお別れなんだね」
春香「そうだね……」
千隼「性別が違うだけの自分自身とはいえ、やっぱり少し寂しいな」
千早「ええ……」
女P「悲しむことはないさ。プロデュースしていて思った、お前らはみんないっしょだ」
P「男でも女でも、同じ気持ちで、同じように生きている。離れてたって心はひとつだよ」
光希「ミキ的にもそう思うな。男の子のみんな、女の子のみんなとそっくりだったの」
美希「やっぱり違う世界の同じ人なんだなってカンジ」
真(男)「会いたくなれば、自分の胸に聞いてみればいい……か」
鳳「まあ、この三週間で共同執筆の同人誌も書き終えれたしね」
小鳥「男体化女体化のアイデアもいっぱい出ました!」
女P「黙っててください小鳥さん」
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321 : 2014/08/13(水) 22:35:28.01 -
晶原「女の私が目覚めて、準備が整い次第君達を元の世界に戻そう」
P「うん、了解。しかし長かった異世界生活も終わりなんだね……色んなことがあったなー」
女P「恥ずかしかったこと、怖かったこと……主に美希が加害者だけど」
光希「それなんだけどね、ハニー」
女P「ん?」
光希「ミキ、女の子のハニーといっぱい思い出作ったけど、まだ全然足りないの」
P「思い出って……ちょっと男の私、何したの?」
女P「まあ色々と恥ずかしい目に……それより美希、足りないってなんだよ」
光希「だからね……亜美! 真美!」
亜美「イエッサー!」
真美「んっふっふ~、兄ちゃん! 覚悟するっしょ→!」
女P「え? ちょっと、何を……」
亜美&真美『とうっ!』
バサッ
女P「ッ!?」
P「あ……」
小鳥「こ、これは……」
冬香「薄い……青……?」
女P「……っ!?」かあああっ
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322 : 2014/08/13(水) 22:36:22.01 -
亜美「んっふっふ~、これが亜美真美ちゃんのスペシャルスカートめくり!」
真美「ミキミキに言われてスタンバってたんだYO!」
光希「あはっ☆ ハニーの顔真っ赤ですっごくかわいいの! これこれ、これが見たかったの!」
女P「~~~~!!」ぐぐっ
美希「俺も久しぶりにハニーが恥ずかしがってるとこ見れたよ。やっぱりハニーはかわいいよ!」
女P「お・ま・え・ら~!」
P「私の体に何してるの~ッ!」
光希「それじゃあやるだけやったら後は逃げるの!」だっ
亜美&真美『イエッサー!』だだっ
女P「こらーッ!」だっ
P「待ちなさーい!」だっ
伊織(女)「やれやれ、何やってんだか」
律子「ま、結局これが765プロよね」
雪之丞「平和だね……」
貴史「ええ」
涼(男)「…………」
女P『待てこら……おわあ!』
亜美『兄ちゃんが慣れないヒールですっ転んだ!』
真美『パンモロだよミキミキ!』
光希『パンモロ!? 絶っ対に見逃さないの!』
P『だからそれ私も恥ずかしいんだってばぁ!』
涼(男)「……ふふっ」
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323 : 2014/08/13(水) 22:37:26.65 -
こうして、俺の……いや俺らの事件は幕を閉じた。晶葉ちゃん達の予想通り、異世界の存在が騒ぎになることもなかった。
兄弟姉妹だとか役者だとかあるいは夢だとか、そんな形で片付けられているようだ。俺や美希、音無さんや冬馬も無事元の体に戻った。
戻ってから少しの間は男の生活の勘を戻せなかったものの、それももう慣れつつある。涼君は結局、まだ女装してアイドル活動を続けるらしい。『僕にはまだ男の資格がない』とは彼の談だ。
彼はいつか男性アイドルとしてデビューするために日々努力を続けている。案外、そう遠い未来ではないのかもしれない。そんなこんなで、またいつもと同じトップアイドルへの道を進み始めていた——そんな時。
それは、ある朝のことだった。
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324 : 2014/08/13(水) 22:37:59.95 -
「ふあああ……もう朝か……」
「ん、なんだか懐かしい感覚がするな……なんだろ……」
「まあいいや、とっとと顔洗って、朝飯食べて出社しないと……」
「…………」
「……ん?」
女P「……あれ?」
.
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325 : 2014/08/13(水) 22:38:56.98 -
§765プロ
女P「いったいこれはどーゆーことだぁーッ!?」
鳳「お、落ち着いてくださいプロデューサーさん」
春馬「えっと、男のプロデューサーさん……なんですね?」
女P「ああ、その通りだ。また体が入れ替わってる!」
千隼「まさか……また、異世界が……?」
光希「でも俺は俺だよ? 鳳も鳳のままだし」
律雄「涼にも連絡しましたけど、いつも通りでしたよ」
女P「どうしてなんだ……うう、もう二度とこんな恰好はするまいと思ったのに……」
雪之丞「あの、と、とりあえず晶原君に連絡してみたらどうですか……?」
女P「あ、そ、それもそうか。動転してて気づかなかった……えーと、携帯携帯」ごそごそ
光希(今、ハニーは男の人の方のハニー……それなら遠慮はしないよ。亜実斗、真実斗)ひそひそ
亜実斗(了解ですぜダンナ……異世界の俺達に負けてられないしね)ひそひそ
真実斗(姉ちゃん改め兄ちゃんの隙だらけのお尻、拝ませてもらうっしょ→!)ひそひそ
女P「言っとくけど聞こえてるからなお前ら」
光希&亜実斗&真実斗『のワの』
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326 : 2014/08/13(水) 22:40:13.37 -
§数分後
晶原『ふーむ、やはりそうなったか……』
女P「やはり、だって?」
晶原『うむ。実はな、一度別の体に移動してしまった君達の精神は安定してないんだ』
真(男)「安定してない……?」
晶原『専門的な話をすると精神的異世界座標が云々という話になるのだが、
要は、一度でも力を加えた精神は、振り子のようにしばらく動きつづけるということだ』律雄「じゃ、じゃあプロデューサー嬢はどうなるんだ?」
晶原『今後もしばらくの間、不規則に精神が異世界間を行ったり来たりするだろうな。
プロデューサー君だけでなく異世界と精神が入れ替わった者達全ては。まあさっき言ったように
これは振り子のようなもの、しばらく待てば安定するだろう。ただな……』千隼「ただ?」
晶原『……あのライブの準備の時、プロデューサー君は異世界のアイドルをプロデュースしに行ったり
君のステージの練習に行ったりで、かなり頻繁に異世界間を往復していた。
つまり振り子に加わった力も人一倍大きいわけで……その……』雪之丞「揺れが収まるのにも……時間がかかる?」
女P「ど、どれくらいで収まるんだ?」
晶原『……10年くらいかな。あるいはもっとかも……』
女P「はぁーっ!?」
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327 : 2014/08/13(水) 22:41:15.93 -
晶原『あいにくその入れ替わり現象については私達でも理解できんとこが多くてな、
自然に収まるのを待つしかないだろうな。なに、入れ替わっても一晩で
元に戻っているだろうから……まあなんだ、がんばってくれ! ではな!』ぷつっ女P「あ、ちょっと晶原君!」
鳳「切れちゃいましたね」
光希「ふむふむ。つまりこれから女の子だけど男の子のハニーと何度も会えるわけだね」
鳳「僕達もしばらくの間は異世界に行くことがある……と」
女P「そんなぁ……」がくっ
律雄「ま、まあまあプロデューサー嬢、いいじゃないですか。男でも女でも関係ないんでしょ?」
女P「それはそうだけどさあ……やっぱり辛いものは辛い……」
真(男)「大丈夫ですよプロデューサー! 僕達が一生懸命サポートしますっ!」
女P「真……そうだな。これしきでくじけてちゃダメだな! よーし!」すくっ
雪之丞「僕が言うのもなんですけど、がんばってくださいっ!」
春馬「ファイトですよ、ファイト!」
女P「ああ! ありがとう、みん……」
バサッ
女P「な……?」
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328 : 2014/08/13(水) 22:42:25.92 -
春馬「ッ!!」さっ
千隼「み、見てない……僕は何も見ていないぞ」
律雄「ぼ、僕だって!」
真(男)「あ、あわわ……」
雪之丞「あうう……」かああっ
亜実斗「へっ……隙だらけだったぜ兄ちゃんよ」
真実斗「気い抜くな……この世界じゃあ命を落とすぜ?」
光希「眼福眼福だよ」
女P「~~~~ッ!? こ、こらあ! お前らーッ!!」
亜実斗「兄ちゃん激おこだYO!」だっ
真実斗「逃っげろーい!」だだっ
光希「脱兎の如しだよー!」だだだっ
女P「うぐぐ……! やっぱり、女の体はもうたくさんだぁ!」
P「TS異世界」 完
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329 : 2014/08/13(水) 22:44:09.66 -
これにて完結です。今後、番外編的なのも投稿するかもしれませんが。
ともあれ、これまでお付き合いくださりありがとうございました。
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