池袋晶葉「世のため人のため雪美のためペロのため」


1 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:43:02.11 ID:VLZY80S10

前作
池袋晶葉「世のため人のため雪美のため」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1461343381


ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461343381/


2 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:43:30.40 ID:VLZY80S10

—————プロダクション内・晶葉ラボ—————

池袋晶葉「もしもし、ああ、私だ。完成したぞ」

晶葉「ああ……、確かに。だが、もう一度確認するが……」

晶葉「棚を10個と机を10個でいいんだな? ホントに? 聞き間違いではなく?」

晶葉「まあ、それでいいならいいんだが……。いったいどういう意味が……?」

晶葉「ああ、ちひろに……。またプレゼント……ということか? ……なるほど、祭壇を作るのか」

晶葉「……」

晶葉「祭壇!?」

晶葉「い、いや、まあいいさ、時間が空いたら取りに来てくれ」

晶葉「では切るぞ……ああ、気にするな……お疲れ様」
ガチャ

晶葉「???」


3 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:44:09.25 ID:VLZY80S10

晶葉「まあいいか……」

晶葉「さて、少し休憩でも……」

ガチャ

晶葉「? 誰だ? 入るならノックくらい……」チラッ

晶葉「って、誰もいない……?」

晶葉「……オカルトの類は専門外なんだが」

ニャー

晶葉「え?」

ペロ「にゃー」

晶葉「おおう!?」ビクゥ

ペロ「にゃー……」

晶葉「な、なんだ、ペロだったのか、驚かせないでくれ……」

ペロ「……」フッ

晶葉「鼻で笑わなかったか!?」


4 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:45:00.78 ID:VLZY80S10

晶葉「今日は雪美は一緒じゃないのか?」

晶葉「……なんて、猫に聞いても仕方が」

「ここに……いるよ……?」

晶葉「!?!?」

「気づいて……ないの……?」

晶葉「え!? まさか、もう室内に!?」キョロキョロ

佐城雪美「こんにちは……」ガチャ トコトコ

晶葉「普通にドアの前にいただけか!!! なんでちょっと意味深なセリフを言ったんだ!!!」


5 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:45:55.01 ID:VLZY80S10

雪美「晶葉に……相談したい……」

晶葉「私に? どうかしたのか」

雪美「この子の……ことで……」

ペロ「にゃー」

晶葉「ほう ……動物はあまり詳しくはないが」

雪美「晶葉は……ペロの言葉、わかる……?」

晶葉「いや……、すまないが、よくわからないな。雪美はわかるんだったか」

雪美「愚問」

晶葉「どうした」


6 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:46:22.07 ID:VLZY80S10

雪美「みんな……ペロの言葉……わからないって……」

晶葉「それは、まあ、仕方ないんじゃないか?」

雪美「でも……わかれば……もっとみんな……ペロと仲良くできる……」

晶葉「なるほど……」

雪美「だから……翻訳機、作ってほしい……」

晶葉「ええ……!?」


7 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:47:15.17 ID:VLZY80S10

晶葉「いや、作るも何も、そもそも私が理解できてないんだから……」

雪美「大丈夫……、名前は決まってる……!」

晶葉「は?」

雪美「“ペロリンガル”……!」

晶葉「見切り発車もいいとこじゃないか」


8 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:48:18.38 ID:VLZY80S10

雪美「どうしても……無理……?」シュン

晶葉「う……」

雪美「むーりぃー……?」

晶葉「他人の台詞を取るのはよくない」

雪美「ボンバー……!」

晶葉「よりによって!?」


9 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:49:45.10 ID:VLZY80S10

晶葉「それじゃあ、こういうのはどうだ?」

雪美「?」

晶葉「ペロの首に、小型のマイクとスピーカーを着けておく。それで、別室で雪美は待機をして、スピーカーから副音声のように通訳を流すんだ」

雪美「おお……! 作れる……?」

晶葉「もちろん! マイクとスピーカーくらいなら、明日にでもできるぞ」

晶葉「ただ、カメラをつける余裕はないから、ペロが誰と話しているかは、声を聴いて判断するしかないな」

雪美「大丈夫……!」

晶葉「そうか。 あ、せっかくだから、声色を変えるか? 雪美の声がそのままペロから出るのもよくないだろう」

雪美「それなら……あの人みたいな声が……いい……」

晶葉「お? 誰だ?」

雪美「子安」

晶葉「子安」


10 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:50:19.87 ID:VLZY80S10

雪美「ふふっ、サジョーク……ね」

晶葉「ジョークで心臓が止まりかけたのは初めてだ」

雪美「本当は……」

晶葉「本当は?」

雪美「銀河万丈」

晶葉「銀河万丈」


11 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:51:11.85 ID:VLZY80S10

雪美「ふふっ、サジ」
晶葉「もういい!!!」

雪美「じゃあ……また明日……ね」

晶葉「ああ、気をつけてな」

ペロ「にゃー」

晶葉「お? 今のは“頑張って”とでも言ってくれたのかな?」フフッ

雪美「ペロ……! そんなこと……言っちゃダメ……!!!」

晶葉「なんて言ったんだ!?」

雪美「じゃあね……」トコトコ

晶葉「モヤモヤする!!!」


12 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:52:07.32 ID:VLZY80S10

—————翌日・ラボ—————

晶葉「というわけで完成したぞ!」

雪美「わー……」パチパチ

ペロ「にゃー」

晶葉「これを首輪に……つけて……っと」

晶葉「雪美、そこのマイクで、何か喋ってみてくれないか?」

雪美「……」コクン

雪美「%〇★▽&#Χ◇」

晶葉「日本語で頼む」


13 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:53:25.52 ID:VLZY80S10

雪美「……ボディーブロー」

ペロ『ボディーブロー』

晶葉「成功したけどワードチョイス」

雪美「……すごい……!」

晶葉「声は、当たり障りのない感じにしておいた。あと、“……”みたいな空白はなるべく消すように設定してあるぞ」

晶葉「次は、ペロの声に合わせて、ペロがなんと言ってるのかをマイクに言ってくれ」

雪美「……」コクン

晶葉「ペロ、調子はどうだ? 首輪は重くないか?」

ペロ「にゃー『造作もない』」

晶葉「成功したけどホントに言ってるのか!?」


14 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:54:22.69 ID:VLZY80S10

雪美「完璧……!!!」

晶葉「……まあ、雪美がいいならいいんだが」

雪美「じゃあペロ……いってらっしゃい……」

ペロ「にゃー」トコトコ

晶葉(不安しかないな……)


15 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/23(土) 01:56:03.58 ID:H2s6NUUfO
57 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/23(土) 00:08:58.72 ID:2vN2clFz0
みなさまお疲れ様でした。

よろしかったらこちらも書いてますのでぜひ参加してください

陽炎「ダークソウル3?」提督「陽炎型は強制参加な」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1460706468/

html出してきます


16 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:56:09.38 ID:VLZY80S10

晶葉「さて、じゃあ、ペロのマイクが誰かの声を拾うまで待つか」

雪美「うん……」

~数分後~

「わあ!ペロちゃんですっ」

「本当だ!かわいいね~!」

「珍しいね、一緒に雪美がいないなんて」

雪美「!」

晶葉「この声は……、キャンディーアイランドの3人か」


17 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:57:16.51 ID:VLZY80S10

双葉杏「はぐれたのかな」

三村かな子「そうなのかな~?」ヨシヨシ

ペロ「にゃー『自分の意志だから大丈夫』」

杏「!?」

緒方智絵里「わ!黒猫!不吉!」

杏「今さら!?」

かな子「いい毛並みだね~」ヨシヨシ

杏「なんで喋ったことにはノータッチなの!?」


18 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:58:43.52 ID:VLZY80S10

智絵里「ペロちゃんを馬鹿にしちゃダメだよっ!」

杏「智絵里ちゃん、5秒前くらいの自分の台詞も覚えてないの?」

かな子「ペロちゃんだって喋りたくなる気分の日もあるよね?」

杏「そんな感情論じゃ納得できないんだけど」

ペロ「にゃー『かな子ちゃん、最近、お腹回りが[ピーー]てきたんじゃない?』」

杏「おいペロ!!!」

晶葉「おい雪美!!!」


19 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 01:59:31.76 ID:VLZY80S10

かな子「……」

杏「か、かな子ちゃん? 猫の言うことだし……」

かな子「……大丈夫だよ~。ところで2人共、今夜は猫鍋とかどうかな……?」

杏「かな子ちゃん!!!」

智絵里「クックパッドで調べてみるねっ!」

杏「智絵里ちゃん!!!」


20 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 02:00:20.76 ID:VLZY80S10

晶葉「なんかピンチになってるじゃないか!」

雪美「大丈夫……杏なら……どうにかしてくれる……」

晶葉「杏の負担を増やすのはやめてやれ!!!」


21 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 02:01:03.81 ID:VLZY80S10

杏「ほら、ペロ! 早く逃げて!」

ペロ「にゃー『ここから無事に逃げられたら、祝杯をあげよう』」

杏「フラグ立ててる場合じゃないだろ!? どっか行けよ!!!」

ペロ「にゃー『君の犠牲は忘れないよ』」タッタッタッ

杏「最後まで腹立つなあ!!!」


22 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 02:01:45.57 ID:VLZY80S10

晶葉「……何とか脱したか」

雪美「上々の……滑り出し……」

晶葉「アイドルにケンカを売るための発明ではないからな?」

雪美「次の……ぎせ……アイドルは……誰……?」

晶葉「犠牲者って言いかけたな?」


23 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 02:02:19.09 ID:VLZY80S10

~数分後~

「フンフンフフーン♪フレデリカ~♪」

雪美「? 誰?」

晶葉「名乗ってただろ!?」


24 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/23(土) 02:02:32.53 ID:EhdOgz5iO
陽炎「わらしべ長者してみる」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461319614/

56 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/23(土) 00:06:17.33 ID:2vN2clFz0
メモで書いてるから55までレスきてるとは思ってもみなかったwwwww
はえーよw

提督「ほら、間宮券だ」

陽炎「しーれーいーかーん?」

提督「何だよ、高価なもんだろ?」

陽炎「確かに高価だけどさぁ~……あーもういいや、今日は疲れちゃったから間宮さんのところで甘味食べて寝るよ」

提督「おうそうしろ……ところで陽炎?」

陽炎「なに?」

提督「来週にはたくさん間宮が手に入るかもしれんぞ?」

陽炎「……はぁ?それってどゆこと?」

提督「明日には説明するよ。ほら、今日はお疲れさんってことだ」

陽炎「全く意味わかんないけど……はーい」

提督「……あいつなら、あの3人を止められるかもしれないな」

提督「……人間性を捧げよ……か、あいつらは果たして救えるのか……」

提督「大丈夫だろうな、さてと、執務を終わらせるその前に磯風のところに見舞いに行くかな……」

みなさまお疲れ様でした。

よろしかったらこちらも書いてますのでぜひ参加してください

陽炎「ダークソウル3?」提督「陽炎型は強制参加な」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1460706468/

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25 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 02:03:08.51 ID:VLZY80S10

宮本フレデリカ「わお! ペロちゃん! こんにちは!」

ペロ「にゃー『元気?』」

フレデリカ「うん! 元気元気! 今ならフランスまで泳いで行けそー☆」

ペロ「にゃー『今日はお仕事?』」

フレデリカ「違うよー! 今日はレッスン! もう終わったけどねー」

ペロ「にゃー『お疲れ様』」

フレデリカ「そっちこそおつかれー♪」

ペロ「にゃー『じゃあね』」トコトコ

フレデリカ「まったねー!」フリフリ

晶葉「なんで!!!アイツは!!!疑問を持たずに!!!会話できるんだ!!!」


27 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 02:04:10.53 ID:VLZY80S10

雪美「フレデリカは……もともと……ペロとよくしゃべってる……」

晶葉「何者なんだ……」

雪美「でもこれ……楽しい……」キラキラ

晶葉「発明者冥利に尽きるが、ウソは言ってないだろうな?」

雪美「想像に……おまかせ……」

晶葉「もちろんと言い切ってほしかった……」


28 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 02:04:58.89 ID:VLZY80S10

~数分後~

晶葉「……さっきから誰とも会わないな」

雪美「そういうことも……ある……」

晶葉「まあ、そうだな」

~そのころのペロ~

ペロ「……」

美城常務「……」


29 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 02:05:39.95 ID:VLZY80S10

ペロ「……」

常務(……撫でたい)

常務(いや、早まるな、ここで猫にデレデレな姿を誰かに見られてみろ)

常務(築き上げてきたクールなイメージ(?)が台無しだ)

常務(いや、抱き上げて、誰かに見られたら「佐城の元へ返そうと思って持ち上げた」で通るのでは?)

常務(我ながら至高のプラン……。成功は私が保証しよう)

常務(いや待て、その場合、ニヤニヤすることも許されないのか……!)

常務(ぐぬぬ……)

常務「どうすればいいんだ!!!」

晶葉&雪美「!?」ビクゥ


30 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 02:06:23.16 ID:VLZY80S10

晶葉「い、今の声、常務か!?」

雪美「ペロは……無反応……」

晶葉「……ペロが常務を観察してるのか!?」


31 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 02:07:14.57 ID:VLZY80S10

ペロ「……」タッタッタッ

常務「あっ……」

晶葉「今の“あっ……”は、相当ショックを受けてる声だったな」

雪美「常務……面白い……」

晶葉「本人は大マジメなんだろう……」


33 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 02:07:55.13 ID:VLZY80S10

雪美「今日は……このくらいに……」

晶葉「そうだな、結局、ロクなこと言ってなかった気がするが」

雪美「でも……楽しかった……」

晶葉「そ、そうか」

雪美「晶葉……なんだかんだ……付き合ってくれる……」

晶葉「ほ、褒めてもなにも出ないぞ?」

雪美「ヒマなの……?」

晶葉「貶す流れだったのか!?」


34 : ◆i/Ay6sgovU 2016/04/23(土) 02:08:25.27 ID:VLZY80S10

雪美「明日は……朝の5時に……集合……」

晶葉「理不尽なスケジュールを捻じ込むな!!!」

おわり

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