男「ほーら、犬だぞー」幼「わーい!」


1 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/19(土) 23:25:06.16 ID:e6wxvlgw0
幼は幼女でも幼馴染でも好きな方をどうぞ
息抜きです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1397917506


ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397917506/


2 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/19(土) 23:28:40.88 ID:e6wxvlgw0
男「おーい」

幼「なに?」

男「わんわん買って来たぞ」

幼「わんわん…?」

犬「わんわん」

幼「わんわんだー!」

男「誕生日のプレゼントってことで」

幼「いいの!?いいの!?」

男「いいよ、でもちゃんと世話しろよ?」

幼「分かってるよ!」

男「とりあえずハウスとか色々買ってきてあるし」

幼「うんうん」

男「ご飯、散歩、しつけ、ちゃんと全部やれよ」

幼「分かってるよー!」


3 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/19(土) 23:31:41.43 ID:e6wxvlgw0
ーー2ヶ月後ーー

男「どうだ、犬の調子は」

幼「すっごい元気だよ!」

犬「ヘッヘッヘ」

男「おお、懐いてるな」

幼「毎日可愛がってるからね!」

男「なんか芸とかできるのか?」

幼「できるよ!ほら、お手!」

犬「わん」スッ

男「おおー」

幼「おかわり!」

犬「わんわん」スッ

男「凄いじゃん」

幼「あっち向いて…」

男「おいおい、そんなのできるわけ」

幼「ほい!」

犬「わおん」フイッ

男「おおお!」


4 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/19(土) 23:34:50.34 ID:e6wxvlgw0
幼「これを覚えさせるのは苦労したよ」

男「どうやって覚えさせたんだ?」

幼「おやつを見せるとさ、手の動き追うんだよ」

男「うん」

幼「で、おやつあげる前にあっち向いてほいとか言ってたら覚えてた」

男「おお…」

幼「すごいよね!」

男「動物の珍芸とかで投稿できそうだな」

幼「次はアクセルとブレーキ覚えさせよ」

男「それはさすがに無理なんじゃ」

幼「あっち向いてほい覚えるくらいだから大丈夫だよ、ね!」

犬「わん」コクッ

男「う、うなずいた…」


5 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/19(土) 23:38:11.15 ID:e6wxvlgw0
ーー数週間後ーー

男「久しぶりー。犬元気か?」

男「あれ、いないのか?」

幼「いるよー」

男「どこにいるんだよ、見えないぞ」

幼「ここ、ここ」

男「何でハウスの中に…」

幼「いやー、私も犬になりたくなってきちゃって」

男「馬鹿かお前」

幼「犬見てるとさ、何か洗脳された気分になるんだよね」

犬「わん」

男「ファンタジックな奴だな」

幼「生まれ変わったら犬になりたい」

男「その時は俺が飼ってやるよ」

幼「それは嫌かな」

男「なんでやねん」


6 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/19(土) 23:41:08.88 ID:e6wxvlgw0
ーー3日後ーー

男「ん、電話だ」

男「もしもーし」

幼『ちょっと、今すぐ来て!』

男「どうしたんだ一体」

幼『大変なことになったの!』

男「なんだ、何があったんだ」

幼『とにかく早く来て!』

男「とりあえず何が起きたのか言えよ」

幼『待ってるからね!』

男「ちょっ、おい」

ーー幼家ーー

男「


7 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/19(土) 23:41:41.92 ID:e6wxvlgw0
途中送信しちゃった

8 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/19(土) 23:45:04.59 ID:e6wxvlgw0
男「おーい」

幼「やばいよ…」

男「…」

幼「これどうしよう!」

男「お前誰だよ」

幼「私だよ!」

男「いやそれは分かるんだけどさ」

幼「どうしよう!」

男「何で耳生えてんの」

幼「尻尾も生えてるよ!」フリフリ

男「合体しちゃった感じか」

幼「多分…」

男「犬いないもんな」

幼「どうしてこんなことに…」


9 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/19(土) 23:48:54.84 ID:e6wxvlgw0
男「何か心当たり無いのか?」

幼「昨日寝る時に犬ちゃん抱いて寝た」

男「それだな、間違いない」

幼「そうなの!?」

男「動物を抱いて寝たら合体するのは常識だろ」

幼「知らなかった…」

男(嘘だけども)

幼「どうしよう」

男「犬になりたかったんだろ、良かったじゃないか」

幼「こんな中途半端な犬を求めてたんじゃないよ!」

男「しかし鼻も犬になってるな」

幼「男からシャンプーの臭いするよ」

男「おお、嗅覚もしっかり犬みたいになってるのか」

幼「クンクン」

男「おい、やめろ」

幼「男、うどん食った?」


10 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/19(土) 23:51:35.02 ID:e6wxvlgw0
男「え、そうめんは食ったけど…」

幼「めんつゆの臭いするよ」

男「めんつゆの臭いって残るもんなのか」

幼「あと生姜」

男「わーお」

幼「意外と便利かも!」

男「…」

幼「なに?」

男「…散歩行くか」

幼「え、何唐突に」

男「ほら、お前が犬になったら俺が飼うって約束してたろ」

幼「約束はしてないよね」


11 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/19(土) 23:54:09.23 ID:e6wxvlgw0
男「えー、リードは…」

幼「え、本気?」

男「当たり前じゃん」

幼「せめてリードはやめようよ」

男「勝手にどっか行かれちゃ困るからな」

幼「そんなの付けて散歩してたら変態じゃん」

男「でも犬なんだしさ」

幼「犬というより獣人じゃないの?」

男「まあそうだけど」

幼「リードはやめようよ」

男「仕方ないな」

幼「この姿で外出するの恥ずかしいんだけどね…」

男「元から引きこもりだったお前にはちょうどいい機会だな」

幼「散歩してたから!」

男「関係ない関係ない」

幼「がるるるる」


12 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/19(土) 23:56:10.79 ID:e6wxvlgw0
男「おお、唸ってる」

幼「わん!」

男「…可愛い」

幼「わおん」

男「おー、よしよし」

幼「ヘッヘッヘ」

男「ほら、お手」

幼「わん」スッ

男「おお、おかわり」

幼「わおん」スッ

男「なんか楽しい」

幼「何遊んでんの!」

男「お前もノリノリだったじゃん」

幼「私の意思じゃないからね!」

男「?」

幼「たまに犬ちゃんに体乗っ取られるんだよね」


13 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/19(土) 23:59:04.91 ID:e6wxvlgw0
男「こえーよ」

幼「私もよく分かんない」

男「…」スッ

幼「わん!」

男「あっち向いて」

幼「わぅう…」

男「ほい」

幼「わん!」

男「おおお」

幼「遊ばないでって!」

男「面白いんだよな」

幼「もう」

男「しかし意外とアリかもな」

幼「何が?」


14 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:01:28.87 ID:HVwxBudx0
男「犬になった時可愛いぞ」

幼「ほんとに?」

男「素直だし」

幼「わん」

男「今のはお前だろ」

幼「何で分かるの」

男「タイミングが不自然過ぎるわ」

幼「ちぇー」

男「そんなことしなくても可愛いぞ」

幼「なに急に、照れるじゃん」

男「ほら、そろそろ散歩行くぞ」

幼「ほんとに行くの?」

男「当たり前だろうが」

幼「恥ずかしいなぁ…」


15 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:04:04.52 ID:HVwxBudx0
ーー公園ーー

男「皆見てるな」

幼「そりゃそうでしょ」

男「コスプレに見えんのかな?」

幼「コスプレにしか見えないでしょ」

男「ちょっと尻尾振ってみ」

幼「ん」フリフリ

男「おお、周りが驚いてるぞ」

幼「何か楽しい」

男「耳動かせるのか?」

幼「ちょっとだけね」ピクピク

男「おおー」

幼「楽しい」

男「ちょっとゲームしようぜ」

幼「ゲーム?」


17 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:06:36.57 ID:HVwxBudx0
男「俺がこのボール隠すから、それをお前が制限時間内に探すだけ」

幼「この鼻で探せないものは無いよ!」

男「じゃ、まずは臭い覚えろよ」

幼「くんくん」

男「じゃ、隠してくるし3分待ってろよ」

幼「あい!」

ーー3分後ーー

男「いいぞー」

幼「よし、探すよ!」

男「制限時間は1分な」

幼「短くない?」

男「ハードモードってことで」

幼「わけわかんないです」


18 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:09:04.73 ID:HVwxBudx0
男「ほら、もうカウント始まってるぞ」

幼「わん!」

男「お、犬スイッチ入った」

幼「クンクン」

男「四つん這いになってる…」

幼「スンスン」

男「パンツ丸見えですが」

幼「スンスン」

男「皆見てるよ」

幼「わん!」ガリガリ

男「早え…」

幼「ヘッヘッヘ」

男「おー、よしよし」

幼「わおん」

男「ほら、ご褒美だぞー」

幼「わん!」


20 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:12:17.66 ID:HVwxBudx0
男「楽しい」

幼「うわあああああ!」

男「うるさい」

幼「んー!んー!」

男「どうしたんだ」

幼「何やらせてんの!」

男「何やらせてんのって…お前が勝手にやったんじゃなん」

幼「犬ちゃんだよ!」

男「もう結論出てんじゃん」

幼「いやそうだけどさ」

男「あと、お前パンツ丸見えだったぞ」

幼「知ってるよ」

男「何だ、何も思わないのか」

幼「パンツ見られたくらい何とも無いよ」

男「じゃあパンツ見せろよ」

幼「そういうのは無理!」


22 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:15:14.21 ID:HVwxBudx0
男「お手」

幼「わん!」スッ

男「可愛すぎる」ナデナデ

幼「わふ…」

男「幼のくせにこんな可愛いとは」

幼「失礼な!」

男「おおう、いつ戻ったんだ」

幼「私はいつでも可愛いよ!」

男「自意識過剰じゃなければな」

幼「だってほんとのことだし」

男「まあ確かに可愛いけど」

おっさん「あの」


23 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:17:43.59 ID:HVwxBudx0
幼「わん!」

男「こら、静かにしろ」

おっさん「それ、コスプレ…なんですか?」

男「いえ、違いますよ」

幼「がるるるるる」

男「静かにしろって」

おっさん「…ちょっと、耳見てみてもいいですか?」

男「どうぞどうぞ」

おっさん「…付け耳じゃない…」

幼「わん!」

男「噛み付くなよ」

おっさん「犬と合体しちゃったんですか?」

男「そうなんですよ」

おっさん「実は、私の娘も同じなんですよ」


24 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:20:55.12 ID:HVwxBudx0
男「え」

おっさん「猫を飼ってたんですけど…」

幼「私と一緒なの!?」

おっさん「しゃ、喋った…」

男「犬の状態と人間の状態を行ったり来たりしてるっぽいです」

おっさん「娘と全く同じですね…」

男「娘さん、猫と合体しちゃったんですか」

おっさん「そうなんですよ…困ったもんです」

男「そうですか?可愛いと思いますけどね」

幼「照れるじゃん」

おっさん「確かに可愛いんですが、日常生活に支障が出るんですよ」

男「例えば?」

おっさん「学校で猫になっちゃったら大変なことになるみたいです」

男「猫にならなくても、耳と尻尾ある時点で大変なことになりそうですけどね」


25 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:24:19.71 ID:HVwxBudx0
おっさん「お願いします、元に戻る方法を一緒に探して下さい!」

男「え、まあいいですけど…」

幼「面白そうだね」

男「てかお前、犬にならないってことはもう慣れたのかよ」

幼「敵対心が無くなったみたい」

男「単純だな」

おっさん「とりあえず、私の家に行きましょう」

男「あ、はい」

幼「猫と合体しちゃった子かぁ…」

男「さぞかし可愛いんだろうな」

おっさん「ほんとに苦労しますよ」

男「そこは慣れなんじゃないですか?」

おっさん「私が慣れても、普通に生活できないのでは…」

男「あー、確かに…」

おっさん「行きましょう、私の車がありますし」

男「失礼します」

幼「わん!」


26 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:26:24.86 ID:HVwxBudx0
ーーおっさん家ーー

おっさん「ただいま」

男「お邪魔します」

幼「お邪魔します!」

おっさん「おーい、娘ー」

娘「はーい」

男「…猫耳だな」

幼「がるるるる!」

娘「ふしゃーーーー!」

おっさん「こんな感じなんですよ」

男「なるほど、これは大変だ」

幼「ぐるるるる…」

娘「うーーーー…」

男「おい、とりあえず落ち着け」

おっさん「娘も、静かにしなさい」

幼「ぷはぁ!」

娘「はい!」


28 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:29:45.33 ID:HVwxBudx0
男「シュールですね…」

幼「なかなか戻れなくて苦しかったよ!」

娘「あ、えと、こんにちは」

男「あ、こんにちは」

幼「こんにちは!」

おっさん「とりあえず、リビングに行きましょう」

ーーリビングーー

男「日常生活で困ることって、さっきの威嚇みたいな?」

おっさん「それもあるんですが、それ以外にも…」

娘「にゃ」ポフッ

おっさん「これですよ」サワサワ

娘「ごろろ…」

男「…急に懐いてくると」

おっさん「はい」

幼「私はそんなこと無いのにね」

男「おいで」

幼「わん!」


29 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:33:27.95 ID:HVwxBudx0
おっさん「可愛いんですけどねぇ…」サワサワ

娘「にゃー…」

男「困ったもんですねぇ」ナデナデ

幼「わぅー…」

おっさん「もう○学生なので、このままじゃダメなんですよね」サワサワ

娘「にぅ…」

男「じゃあ喉くりくりしない方がいいんじゃ」ナデナデ

幼「くぅーん…」

おっさん「あなたもナデナデしない方がいいのでは」サワサワ

娘「うにゃー…」

男「だってねえ」ナデナデ

幼「…わん」

おっさん「可愛いからやめられないですよね」

男「仕方ないですよね」


30 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:36:35.94 ID:HVwxBudx0
幼「いつまでやってんの!」ガバッ

男「おおう、急に起きんなよ」

おっさん「今はすぐ人間に戻れるんですが…」

男「?」

おっさん「慣れてくると、なかなか人間に戻れないみたいです」

娘「にゃー」

男「…個人的には、それもアリだと思います」

幼「ダメに決まってんじゃん!」

おっさん「ほら、娘もそろそろ戻りなさい」

娘「にゃ」

男「戻りませんね」

おっさん「ちょっと時間かかるんですよ」


31 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:40:19.50 ID:HVwxBudx0
幼「大変ですね…」

おっさん「どうにかして治さないと」

娘「はっ」

おっさん「お、戻ったかな?」

娘「あれ、私またやってた?」

おっさん「思いっきりね」

娘「うぁー…」

男「猫になってる間、人間の意識が無いんですか?」

おっさん「どうもそうみたいです。最初はそんなこと無かったんですが」

幼「私はまだ犬になってる時色々考えてるよ」

男「いつ頃から人間の意識が無くなった状態に?」

おっさん「大体、1週間くらいしてからですね」

男「結構早いんですね」

おっさん「学校でも仲のいい友達に可愛がられるしまつでして」


32 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:44:54.93 ID:HVwxBudx0
男「学校行かせたんですか」

おっさん「一回だけ、行かせました。症状が悪化したので行かせてませんが…」

男「猫と合体した原因は分かりますか?」

娘「えっとね、猫ちゃんと一緒に寝てたの?」

幼「私と一緒だね!」

おっさん「原因は一緒みたいですね」

男「確かに、これは戻さないと大変ですね」

おっさん「何か方法は無いですかね」

男「んー…」

幼「病院とか行けば治るんじゃないの?」

男「こんな症状見たことも無いだろうし、門前払いがオチだろ」

おっさん「色々な病院を回ってみたんですが、どこも治療法が分からないと言われました」

男「まあ、そうですよね」

おっさん「私が心配なのは、このまま過ごすと完全に猫になってしまうんじゃないかと言うことなんですよ」

男「え、身体にも変化があるんですか?」


33 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:47:39.15 ID:HVwxBudx0
おっさん「少しずつですが、あるみたいです」

男「どんな風に?」

おっさん「娘の手を見て下さい」

男「に、肉球…」

幼「私はまだ無いね」

おっさん「手の形も、ちょっと猫に近いものになってますし」

男「これはまずいですね」

おっさん「何とかしないと」

男「色々試してみましょう!」

おっさん「と言いますと?」

男「例えばこんな感じにしたりとか」グイッ

幼「いたたた!」

男「失敗」

幼「何尻尾引っ張ってんの!」


35 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:50:48.82 ID:HVwxBudx0
男「いや、戻るかと思って」

幼「戻る訳ないじゃん!」

おっさん「んー…」

男「あの」

おっさん「はい?」

男「娘さん、もしかして猫になりたいとか言ってませんでした?」

おっさん「ああ、猫と合体する前はよく言ってましたね」

男「その逆をしてみるってのはどうでしょう」

おっさん「人間になりたい、と?」

男「そうですそうです」

おっさん「なるほど、可能性はありそうですね」

男「とりあえずこれを試してみて、ダメだったらもう一度話し合いましょう」

おっさん「わかりました」


36 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:53:58.98 ID:HVwxBudx0
ーー男家ーー

男「いいか、人間になりたいって念じながら寝るんだぞ」

幼「うん」

男「ちょっとでも邪念が混じればもう戻れないと思え」

幼「私は犬になってもいいんだけどね…」

男「犬になるというより、犬に身体が支配されてくと思った方がいいぞ」

幼「え?」

男「完全に犬になった時、お前はもう考えることもできなくなるかもな」

幼「こ、怖いこと言わないでよ」

男「じゃあ、人間に戻ることだな」

幼「この方法で大丈夫なの?」

男「分からんけど、試してみるしかないだろ」

幼「えー…」

男「文句言うなよ、自業自得だろ」

幼「そうだけどさ」

男「ほら、寝るぞ」

幼「あーい…」


37 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 00:55:02.06 ID:HVwxBudx0
眠いので今日はここまでにします
そんな長くならないので1、2日中に終わらせます


41 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 23:20:40.42 ID:HVwxBudx0
23:40~から0:00くらいに更新します

42 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 23:42:54.27 ID:HVwxBudx0
投下していきます

43 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 23:45:32.14 ID:HVwxBudx0
ーー朝ーー

男「…」

男「…ん…」

男「…朝か」

男「そういやあいつどうなったかな」

男「おーい」

男「…」

男「…返事無い」

男「…」

男「おいで」

幼「わん!」

男「起きとんのかい」ビシッ

幼「痛い!」

男「わんじゃねーよ」

幼「気づいたらここにいたのに」

男「犬の方が勝手に起きたってことか」

幼「多分…」


44 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 23:48:57.57 ID:HVwxBudx0
男「お前もう迂闊に寝られないな」

幼「なんで?」

男「犬って寝てても物音に反応してすぐ起きるだろ」

幼「あ、確かに」

男「今だって呼んだらすぐ来たし」

幼「うあー…」

男「ていうか元に戻ってないな」

幼「ちゃんと念じたよ!」

男「んー、どうするかな」

幼「助けてー」

男「棒読みで言われてもな」

幼「なんだかんだ楽しい」

男「変な奴だな」

幼「お互い様じゃん」

男「どういう意味だコラ」


45 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 23:51:17.96 ID:HVwxBudx0
幼「ね、ご飯食おうよ。お腹空いた」

男「お前、人間と同じ食っても大丈夫なのか?」

幼「?」

男「犬って確かパンとか食ったらダメなんだろ?」

幼「そうなの?」

男「そうだよ。てか犬飼ってたんだから知っとけよ」

幼「でも、ご飯とかは大丈夫だよ」

男「じゃあ、和食にするか…めんどくせえ」

幼「なに、作ってくれるの?」

男「お前が作ると毛が入りそうだし」

幼「ひど!」

男「いや、事実じゃん」


46 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 23:53:57.96 ID:HVwxBudx0
幼「がるるるるる」

男「はー、ちゃっちゃと作るか」

幼「反応してよ」

男「どうせ演技するんならもっとやる気出せよ」

幼「ばれてたか」

男「今犬が出る場面じゃなかっただろ」

幼「お腹空いた」

男「マイペースすぎるわ」

ーーーーーーーーーーーーーー

幼「美味かった!」

男「何か、めっちゃ食いにくそうだったな」

幼「犬食いした方が良かったかな」

男「行儀悪いからやめなさい」

幼「でも、途中から箸無い方がいいんじゃないかと思ってた」

男「抑えろよ」


47 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/20(日) 23:59:52.79 ID:HVwxBudx0
幼「だって犬食いの方が楽だし」

男「分からんこともないけど、女としてそれはダメだろ」

幼「今は獣人だよ」

男「人間としてのプライドも捨てる気か」

幼「そういうわけじゃないけどさ」

男「とりあえずおっさんの家行こうぜ。さっさと戻らないと」

幼「そだね」

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーおっさん家ーー

男「おっさーん」ピンポーン

おっさん「あ、おはようございます」

男「どうでした?」

おっさん「それが…大変なことに」

男「何があったんですか?」

おっさん「とりあえず、中に入って下さい…」


48 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/21(月) 00:03:57.76 ID:RAsVw2rz0
ーーリビングーー

男「えっと、娘さんはどこに?」

おっさん「あれです」

猫「にゃ」

男「わーお」

幼「猫ちゃんだ!」

男「お、今日は犬にならなかったな」

幼「なんでだろ」

おっさん「どうしましょう」

男「犬の方も昨日見た子だって認識してるんだろ」

幼「なるー」

おっさん「あの」

男「そういやお前、昨日より毛深くなった?」

幼「犬に近づいてるのかな」


49 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/21(月) 00:07:12.48 ID:RAsVw2rz0
おっさん「どうしましょう!」

男「うわっ、急に大声出さないで下さいよ」

幼「びっくしたー」

おっさん「あまりにも無視されてたもので」

男「すいません」

おっさん「いえ、いいんですよ」

幼「ごめんね」

おっさん「いえいえ」

男「で、何で猫に?」

おっさん「分からないんですよ」

男「昨日までちゃんとした獣人だったのに、立派な子猫になっちゃって」

おっさん「困ったものですよ」

男「大変ですね」

おっさん「でも、完全に猫ってわけじゃないみたいです」


50 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/21(月) 00:11:38.94 ID:RAsVw2rz0
男「というと?」

おっさん「一応、人間としての意識はあるみたいです」

男「?」

おっさん「娘ー」

猫「にゃっ!」スタタタ

男「おお」

おっさん「頷いて」

猫「にゃ」コクッ

男「おおお!」

幼「凄い!」

おっさん「姿は猫ですが、中身は人間みたいなんですよ」

男「不思議ですね…」

幼「可愛いー!」

猫「にゃおん」

幼「はいターッチ!」

猫「にゃ!」パシン


51 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/21(月) 00:18:58.46 ID:RAsVw2rz0
男「凄いですね、人間の言葉を理解する猫として動物びっくりショーに出せるんじゃないですか?」

おっさん「出せますけど、戻すことが先決ですよ」

男「まあ、そうですよね…」

おっさん「何か他に方法は無いでしょうか」

男「んー…難しいですね」

幼「このままほっといてみるとか」

おっさん「このまま?」

男「悪化するだけじゃないのか?」

幼「いや、一周して人間に戻るのかなーと」

男「一周て」

おっさん「あり得なくもないですね」

男「リスキーですけどね」

おっさん「とりあえず、少し様子を見てみますか」

男「そうしますか」

おっさん「娘も辛いだろうけど、頑張ろうな」

猫「にゃ」


52 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/21(月) 00:19:44.80 ID:RAsVw2rz0
すいません、眠すぎるので寝ます(´・ω・` )
明後日18:00頃に投下して終わらせます

54 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/22(火) 17:45:22.81 ID:451/7U1T0
18時頃投下します

55 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/22(火) 19:21:35.84 ID:8y9v3UdJO
ちょっと用事ができたので21時か22時に更新します

59 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/22(火) 23:04:58.24 ID:8y9v3UdJO
すいません、ちょっと長引きました
今から投下します

60 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/22(火) 23:09:02.99 ID:451/7U1T0
ーー次の日ーー

男「幼ーどうだー」

幼「見てこれ!」

男「おお、肉球が」

幼「気持ちいー!」

男「不便じゃないか?」

幼「今のところ不自由はしてないよ」

男「猫の方はどうなってんだろうな」

幼「さあ?」

男「様子見に行くか?」

幼「何かあったら連絡来るよ!」

男「お前行くのめんどくさいだけだろ」


61 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/22(火) 23:13:21.53 ID:451/7U1T0
幼「なぜそれを」

男「わかるわ」

幼「だって遠いしー」

男「まあ遠いけどさ」

幼「めんどくさいしー」

男「散歩行くか」

幼「わん!」フリフリ

男「ほーら、リードリード」

幼「わんわん!」クルクル

男「はい、おすわり」

幼「わんっ」シュタ

男「よーし、そのままだぞー」

幼「わん!」フリフリ

男「動くなよー」カチャカチャ

幼「わん」

男「はい、おっけー」


62 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/22(火) 23:16:42.96 ID:451/7U1T0
幼「わおんわおん!」クルクル

男「分かった、分かったから走り回るな」

幼「何やってんのさ!」

男「おおう、急に戻るなよ」

幼「動きたくなーいー」

男「[ピザ]かお前は」

幼「だってめんどくさいしー」

男「太るぞ」

幼「構わんよー」フリフリ

男「はぁ…ずっと家の中もアレだしとりあえず外行くぞ」

幼「えー」

男「おっさんの家までは行かないからさ」

幼「しょうがないな」

男「何様だコラ」

幼「こんな可愛い子連れて歩けるなんて滅多に無いからね」

男「ケモノに言われてもな」

幼「ケモノじゃないよ!」

男「じゃあ獣人か。どっちでもいいけど」


63 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/22(火) 23:19:14.82 ID:451/7U1T0
幼「公園までね!」

男「デブかて」

幼「疲れるし」

男「デブかてお前」

幼「何ツッコミしてんの?」

男「ツッコミてえんだよ」

幼「エッチ」

男「…」ワキワキ

幼「その手つき犯罪だよ」

男「まじかよ、ハードル高えな」

幼「行くんなら早く行こうよ!」

男「自分から行くなんて珍しい」

幼「早く終わらせて帰りたいの!」

男「デブかて」


64 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/22(火) 23:23:14.31 ID:451/7U1T0
ーー公園ーー

幼「さあやってまいりました」

男「なんだかんだテンション高いんじゃねーか」

幼「無理やり上げてるんだよ!」

男「今日も皆見てるな」

幼「そりゃ美女だしね」

男「まあこんな珍獣いたら皆見るか」

幼「さすがに珍獣はひどい」

男「事実だろ」

幼「獣人だから!」

男「そうだ、面白いもの持ってきたぞ」

幼「なに!?」

男「じゃじゃーん」←フリスビー

幼「わん!」

男「よし、とって来いよー」


65 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/22(火) 23:26:38.82 ID:451/7U1T0
幼「わおん!」

男「うらっ!」シュッ

幼「わん!」ダダダダ

男「おお…獣人の四足歩行は気味悪いな…」

幼「わん!」

男「おー、偉いぞー」ナデナデ

幼「わう」

男「ほーらもう一回」

幼「だからー!」

男「急に戻るなって」

幼「遊ぶなって!」

男「楽しいし」

幼「私は男のオモチャだったの…?」

男「オモチャかー、アリだな」

幼「ツッコんでよ!」

男「おい、公衆の面前だぞ」


66 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/22(火) 23:31:15.27 ID:451/7U1T0
すいません、20分時間を下さい

67 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/22(火) 23:45:53.69 ID:451/7U1T0
誠に申し訳ない、また用事入りました
今日(明日)に投下しきります(´・ω・` )

68 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/23(水) 02:54:00.70 ID:/2J7ghC10
さくさくっと投下します

69 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/23(水) 02:57:41.99 ID:/2J7ghC10
幼「いいじゃん、カップルに見られてるかもしんないよ」

男「そっちの趣味はないんだよ」

幼「え、ホモなの」

男「ちゃうわ」

幼「ね、ちょっと聞きたいんだけど」

男「ん?」

幼「私って可愛い?」

男「今はある意味可愛い」

幼「今じゃなくて、人間の時!」

男「あー、可愛いっちゃ可愛い」

幼「なにそれ!」

男「なんというか、残念系美女というか」

幼「残念?」

男「まず引きこもりだし」

幼「学校なんて行く意味無いし」


70 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/23(水) 03:02:34.62 ID:/2J7ghC10
男「めんどくさがりだし」

幼「性格だし仕方ないね」

男「外出する時は寝巻きだし」

幼「周りの目は気にしてないし」

男「髪型はナチュラルだし」

幼「一周回って可愛いじゃん」

男「あと、何かと自分のダメなところを正当化するし」

幼「事実だし!」

男「見た目はいいけど、中身は残念」

幼「失礼な」

男「お前が聞いてきたんだろ」

幼「そんなこと言ったら男だって似たようなもんじゃん」

男「?」

幼「顔は普通だし」

男「フツメン万歳」

幼「趣味はゲームでオタクっぽいし」

男「ゲーム好き全員がオタクじゃないからな。あとお前もゲーム好きだろうが」


71 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/23(水) 03:05:47.73 ID:/2J7ghC10
幼「何かと先読みするし」

男「お前だけに限るけどな」

幼「何かと気遣ってくれるし」

男「心配だし」

幼「たまに見せる優しさもあるし」

男「そりゃ風邪とかだったら優しくしなきゃダメだろ」

幼「見た目残念なのに中身はいいみたいなね!」

男「人間中身だしな」

幼「私も中身つければモテるかな」

男「なんだお前、モテたいのか」

幼「ううん?」

男「どっちなんだよ」

幼「彼氏が欲しいなんて思ったことないよ」


72 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/23(水) 03:09:47.56 ID:/2J7ghC10
男「女なら誰だって彼氏作りたいもんだと思うけどな」

幼「なんていうか、興味無い」

男「お前…アッチの人だったのか」

幼「違うよ!」

男「男に興味無いって珍しすぎるだろ」

幼「そうなの?」

男(外に出ないから、自分独自の思考なんだろうな)

男「多分、お前がほんとに好きな男が出てくれば考えも変わるぞ」

幼「あー、それは永久に無いかなー」

男「何でだ?」

幼「さあね」

男「言えよ、気になるじゃん」

幼「うへへ」

男「気になる…」

幼「じゃ、人間に戻してくれたら教えてあげる」

男「いや、人間に戻す方法なんて分かんねーよ」


73 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/23(水) 03:10:55.84 ID:/2J7ghC10
今日はここまでです
18時頃投下するかもです

75 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/23(水) 19:14:49.82 ID:/2J7ghC10
投下します

76 : トイレ行ってました ◆seqx0BMfUc 2014/04/23(水) 19:56:24.40 ID:/2J7ghC10
幼「そこを色々考えてくれないと」

男「って言われてもな」

幼「なんかあるでしょ!」

男「そもそも合体した原因も分かってないんだし」

幼「私が犬になりたかったからだよ!」

男「それも原因だろうけどさ」

幼「原因が分かったら解決するの?」

男「単純だけど、逆のことをしてみる」

幼「この前やったような?」

男「そうそう」

幼「でも失敗したじゃん」

男「他にも方法あるだろ」

幼「ほんとに?」

男「断言はできないけどな。戻れない可能性もあるけど」

幼「犬になれるんならいいけどね」

男「犬も楽じゃないんだぞ」

幼「なるようになるよ」


77 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/23(水) 20:00:35.78 ID:/2J7ghC10
男「ほんとお気楽だな。羨ましいわ」

幼「ひひひ」

男「おっさんとこの娘さんも、そのうち完全な猫になるんだろうな」

幼「?」

男「今はまだ人間の意識があるみたいだけど」

幼「頭の中まで猫になっちゃうの?」

男「多分」

幼「やだなぁ…」

男「いいじゃん、お前のなりたかった完全な犬になれるんだし」

幼「生まれ変わって完全な犬ならいいけど、今犬になれって言われてもなりたくないよ」

男「おすわり」

幼「わん!」シュタ

男「よしよーし」ナデナデ

幼「わぅー」フリフリ

男「はっはっは、可愛いな」

幼「だからぁ!」


78 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/23(水) 20:04:19.17 ID:/2J7ghC10
男「なんだよ、騒々しいな」

幼「遊ばないでって!」

男「お前だけの体じゃないんだし、文句言うなよ」

幼「そうだけど、遊ばないで!」

男「可愛いんだけどな」

幼「私は嬉しくないの!」

男「犬の方は大喜びだぞ」

幼「だーかーらー」

男「あ、もう1時間も経ってたのか。そろそろ帰るか」

幼「ぐるるるるる」

男「おーおー、可愛い可愛い」ナデナデ

幼「わん!」

男「え、犬かよ」

幼「わんわんわん!」

男「うるさい、さっさと帰るぞー」

幼「わん!わんわん!」


79 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/23(水) 20:07:33.22 ID:/2J7ghC10
ーー次の日ーー

男「おーい、起きろー」

幼「ん~…」

男「どうだ、変化あるか?」

幼「んー…?」ムクッ

男「おーい」

幼「…」

男「朝だぞ」

幼「…ん」ポフッ

男「おい、寝んな馬鹿」バッ

幼「うあ!寒い!」

男「朝だっつの」

幼「寝てたいー」

男「こっちだって学校休んで来てやってんだぞ。感謝しろよ」

幼「頼んでないよー」

男「ほら、いいから起きろ」グイッ

幼「うあー」ズルズル


80 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/23(水) 20:12:27.92 ID:/2J7ghC10
男「お前そんな寝起き悪かったっけ」

幼「夜更かししちゃって…」

男「とりあえず水飲んどけ」

幼「あーい」ペチャペチャ

男「おい、行儀悪いぞ」

幼「だってこの方が飲みやすいし」

男「すっかり慣れたな…」

幼「あ」

男「ん?」

幼「手が!」

男「おー、完全に犬の手だな」

幼「どーしよう…」

男「どうしようもないだろ」

幼「ゲームできない」

男「そっちかい!」


81 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/23(水) 20:26:24.15 ID:/2J7ghC10
幼「で、今日どうするの?」

男「お、お前から言うなんて珍しい」

幼「早く元に戻りたいからね!」

男「昨日も言ったけど、なりたかった犬になれるんだしいいじゃん」

幼「まだ人間でやりたいことあるの!」

男「やりたいこと?」

幼「秘密だけどね」

男「言えよ」

幼「えへへー」

男「最近になってなんか隠し事増えたな」

幼「乙女だからね」

男「ケモノが何言ってんだ」

幼「あ、男、いらない服無い?」

男「いらない服?」

幼「うん」


82 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/23(水) 20:29:20.53 ID:/2J7ghC10
男「あるけど、何で?」

幼「あー…最近着る服無くなってきてさ」

男「いや、十分あるだろ。俺の3倍以上服持ってるくせに」

幼「子供の頃の服とかは違うから!」

男「いや、それ除いてもまだまだあるだろ」

幼「とにかく、あったら持って来て!」

男「え、あっ、はい」

幼「約束ね」

男「なんなんだよ」

幼「それで、今日どうするの」

男「とりあえずおっさんに連絡して、経過を聞いてみよう」

幼「それから?」

男「それからはおっさんの話次第だな」

幼「ふーん…」


83 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/23(水) 20:32:20.94 ID:/2J7ghC10
男「何か今日のお前変だな」

幼「変じゃないし!」

男「そういうところがもう変なんだけどな」

幼「男の知らない一面もあるんだよ」

男「週に2、3回は必ず会いにきて夜まで話してる俺がまだ知らない一面か」

幼「そ、そうだよ!」

男「まじかよ、なんか悔しい」

幼「まだまだ知らないところもあるからね!」

男「女は深いな…」

幼「なに感動してんの」

男「いやしてねーよ」

幼「ほら、早くおじさんに電話する!」

男「分かったって、急かすなよ」

幼「早く早くー!」

男「まじでどうしたんだこいつ」


84 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/23(水) 20:33:13.79 ID:/2J7ghC10
今回はここまでです

87 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/27(日) 21:07:43.84 ID:kmNZJ8GuO
22時頃投下します

88 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/27(日) 22:04:42.27 ID:BYglgG0g0
投下します

89 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/27(日) 22:08:39.10 ID:BYglgG0g0
男「…」

幼「出ないの?」

男「もう少しコールしてみる」

幼「早く早くー」

おっさん『もしもし!?』

男「あ、お久しぶりです」

おっさん『ちょうどよかった、大変なんですよ!』

男「どうしたんですか?慌てて」

おっさん『いや、それが…』

男「?」

おっさん『喋ったんですよ!』

男「えっと…何がですか?」

おっさん『私の娘ですよ!』

男「え、今猫になんじゃ?」

おっさん『そうなんですけど…とりあえず来て下さい!』

男「だってさ」

幼「なになに?」


90 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/27(日) 22:15:34.15 ID:BYglgG0g0
ーーおっさん宅ーー

男「うら」ピンポーン

幼「ほんとに喋ったのかな?」

男「あれだけ慌ててたってことは本当だろ。嘘つくような人にも見えないし」

幼「人面猫だね」

男「やな響きだな」

ガチャ

おっさん「お待ちしてましたよ!」

男「どうも」

幼「お久しぶりですー!」

おっさん「ささ、入って入って!」

男「ずいぶん慌ててますね」

おっさん「そりゃそうですよ、喋ったんですから!」


91 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/27(日) 22:20:02.24 ID:BYglgG0g0
ーーリビングーー

男「で、娘さんは…」

おっさん「今部屋にいますよ」

幼「ほんとに喋るの?」

おっさん「ほんとですよ!」

男「興奮してますねえ…」

おっさん「まさか彼女さんの言ったとおりになるとは思ってませんでしたから!」

男「彼女?」

おっさん「え、そちらの方は彼女では…」

幼「えっ」

男「違いますよ」

おっさん「そ、そうなんですか」

男「こいつと俺の身長差見て下さいよ。あり得ます?こんなカップル」

幼(ありじゃないかなぁ…)

男「まだガキですし」

幼「どーいう意味!」

男「そもそもこいつを彼女にしたら、世間からは変態として見られますよ」

おっさん「あ、いや、まあ…」

幼「そこまで言わなくてもいいじゃん」

男「怒った?」

幼「さあね!」


92 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/27(日) 22:24:38.91 ID:BYglgG0g0
娘「ねー」

男「うぉう!」

娘「どうしたの?」

幼「しゃ、喋ってる…」

おっさん「ね、言ったとおりでしょう?」

男「えっと…君は、娘ちゃんなの?」

娘「そうだよ!」

男「わーお」

幼「アンビリーバブルだね」

おっさん「私もびっくりですよ」

男「このままほっといたら人間に戻るんですかね?」

おっさん「分かりませんが…その可能性が高いと思います」

幼「じゃあ、私も」

男「人間に戻れるかもな」

幼「やったー!」


93 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/27(日) 22:30:13.30 ID:BYglgG0g0
男「もう少し様子を見た方がよさそうですね」

おっさん「そうですね…まだなんとも言えないですし」

娘「楽しいー!」トタタタ

男「そういえば、猫の意識はあるんですか?」

おっさん「一応あるみたいです」

男「このまま人間に近づいていったら、猫の存在はどうなるんでしょうか…」

おっさん「あ」

幼「???」

男「それとも人間の姿になって猫の意識と混じる、って感じになるんですかね?」

おっさん「それだと、どっちにしろ解決しないですね…猫も、かけがえのない家族でしたし」

男「やっぱり、分離させるのが一番いいんじゃ?」

おっさん「しかし、方法がですね…」


94 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/27(日) 22:34:53.61 ID:BYglgG0g0
幼「引きちぎるとか」

男「こえーよ」

幼「振り回すとか」

男「バケツかて」

幼「シェイクしてみたり」

男「酔う酔う酔う」

幼「ドラム式洗濯機で回したら戻るかな?」

男「いつまでくだらんボケしとんねん」

幼「なんで関西弁なの」

男「下手な関西弁使うと関西人にやられるらしい」

幼「何を?」

男「リンチ」

幼「こわ…」

おっさん「仲いいですねえ」

男「いや、ツッコんでただけですよ」

幼「また人前でそういうこと言うー」

おっさん「ほんとは付き合ってるんじゃないですか?」

男「いえいえ」

おっさん「お似合いなんですけどねえ…」


95 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/27(日) 22:38:41.37 ID:BYglgG0g0
男「いやいや、俺は変態じゃないですから」

幼「変態に変態みたいな扱いされた」

おっさん「はっはっは」

男「あ、すいません、そろそろ行きますね」

おっさん「はい、お疲れ様でした」

幼「また来ますね!」

娘「にゃー」

男「これ、猫じゃないですよね?」

おっさん「娘ですよ。棒読みですから」

娘「パパ!バラしたら面白くないじゃん!」

男「エンジョイしてますねえ…」

おっさん「実際楽しそうですよ」

幼「私ももうちょっとであれになるのかあぁ…」

男「良かったじゃん」

幼「うーん…」

男(何か最近こいつ変なんだよな…)


96 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/27(日) 22:43:01.55 ID:BYglgG0g0
ーー帰り道ーー

幼「あ、男!」

男「なんだなんだ」

幼「服ちょーだい!」

男「あー…そんなこと言ってたな」

幼「欲しい欲しい」

男「いいけど…じゃあ俺んちまで来いよ」

幼「わーい!」

男(ほんとよくわからんな…)

幼「えっへへー」

男(何か企んでるはずなんだよな、絶対)

幼「~♪」

男(…まあいっか)

幼「ちょっと、遅いよー!」

男「あー分かった分かった」

幼「うひひ」

男(やっぱなんかあるわ)


97 : ◆seqx0BMfUc 2014/04/27(日) 22:43:37.78 ID:BYglgG0g0
今回はここまでです

98 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/10(土) 19:48:54.37 ID:Ikmj6Ob3O
11時頃更新します

100 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/10(土) 23:13:22.39 ID:Qm71O2xv0
ちょっと遅れましたが投下します

101 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/10(土) 23:18:16.19 ID:Qm71O2xv0
ーー男宅ーー

男「ふぅ」

幼「なんか久々に来たなぁ…」

男「2年ぶりぐらいじゃないか」

幼「そんな経ってたっけ?」

男「お前が引きこもってたからな…」

幼「あれ、そうだっけ」

男「自覚無しかよ!」

幼「都合の悪いことはシャットアウトだよ!」

男「自覚してんじゃねーか」

幼「そんなことどうでもいいから、早く服!」

男「え、あーそうだった」

幼「なんで忘れてんのー」

男「どこしまったっけな…」

幼「早くぅー」


102 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/10(土) 23:24:04.26 ID:Qm71O2xv0
男「てかお前犬なんだし、それくらい探せるんじゃないのか」

幼「この部屋男の匂い充満してるし無理だよ」

男「ああ、そうなのか…」

幼「早くぅー」ボフッ

男「おい、寝んなよ」

幼「んー」フリフリ

男「ここだったっけな…」

幼「…」

男「押し入れか」

幼「…」

男「あれ、どこだったっけ…」

幼「…」

男「どっかにまとめたはずなんだけど…」

幼「遅い!」


103 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/10(土) 23:28:00.66 ID:Qm71O2xv0
男「急に叫ぶなよ」

幼「もうめんどくさいし、これでいいよ!」

男「あ、それお気に入りの服…」

幼「じゃあこっち!」

男「それはお袋の形見」

幼「なんで服に形見とかあんの!マザコンか!」

男「子供の頃に転んで破いたところ、お袋が徹夜で縫ってくれたんだよ」

幼「あ、ごめん…」

男「いいんだヨ」

幼「じゃあこれ」

男「それスーツだろ」

幼「これ」

男「袴はやめろ」

幼「これは?」

男「それはお気に入りのパーカーなんだ」

幼「…これ!」

男「それは」

幼「あああもういい!」


104 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/10(土) 23:31:46.35 ID:Qm71O2xv0
男「ちょ、なにすんだ」

幼「いただきー!」バッ

男「あ、ちょ…」

幼「じゃあ、またね!」バタン

男「…」

男「…剥がれた…」

ーー幼宅ーー

幼「やったあああ!」バフッ

幼「うひひ…」

幼「…」スンスン

幼「うあー!男の匂いだぁあー!」

幼「あー…幸せぇ…」

幼「わん」

幼「…」

幼「…ん?」

幼「わんわんわん!」

幼「わおおおおおおん!」

隣人『うるせーぞ!』ドンッ


105 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/10(土) 23:36:16.28 ID:Qm71O2xv0
ーー後日ーー

男「くそ…結構お気に入りだったのに…」

男「これは断固抗議すべきだな」

男「…とか言って結局昨日行けなかったんだよなぁ…」

男「服剥ぎ取る時の顔が尋常じゃなかったしなぁ…」

男「怖え…」

男「…ここは勇気を振り絞ろう!」

男「…」ピンポーン

男「…」

男「あれ」ピンポーン

男「…」

男「いないのか?」

男「でもドア開いてるし」

男「勝手に入ればいいか」

男「おじゃましまーす」

男「いないな…まあどうせベッドだろ」

男「おー…い……」


106 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/10(土) 23:42:16.97 ID:Qm71O2xv0
幼「…」

男「犬になってる」

幼「…」

男「俺の服咥えて寝てるし…」

幼「…」

男「おい、起きろ」ユサユサ

幼「…」ムクッ

男「喋れるか?」

幼「!」ガバッ

男「おおう」

幼「わんわん!」フリフリ

男「おうおう、可愛いな」

幼「わん!」ペロペロ

男「こら、舐めんな舐めんな」

幼「わう!」

男「幼…じゃないよな」

幼「わん!」


108 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/10(土) 23:45:25.76 ID:Qm71O2xv0
男「おっさんの娘さんみたく、見た目は猫だけど意識は幼なのか」

幼「わう」

男「今の返事なのか…?」

幼「わん!」

男「…首振って」

幼「わん」フリフリ

男「娘さんと同じっぽいな…」

幼「わうわう」

男「様子見るしかないか?」

幼「わん」

男「…せっかくだし、散歩行くか」

幼「ぐるるるるる…」

男「おい、牙見せんな」

幼「わん!」

男「おおう、こえーな」

幼「わん!わんわんわん!」

隣人『うるせえ!』ドンッ

男「ほら、とりあえず静かにしろ」

幼「…」


109 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/10(土) 23:48:54.05 ID:Qm71O2xv0
男「隣のおっさんは怖いのか…」

幼「わん」コクッ

男「ちゃんと理解してるし…幼で間違いないか」

幼「わん」

男「散歩に拒否反応示したのも幼っぽいしな」

幼「…」

男「…どうすっかな」

幼「…」パクッ

男「あ、それ俺の服」

幼「わふっ」

男「『わふっ』じゃねーよ」

幼「わぉん」

男「あー、よだれだらけじゃん」スッ

幼「わん!」バッ

男「いや、それ俺の服…」

幼「がるるるるるる…」

男「どんだけ死守したいんだよ」


110 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/10(土) 23:54:23.70 ID:Qm71O2xv0
今回はここまでです

113 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/11(日) 15:32:49.98 ID:RcrpKmv20
そういえばニーナは見た目はアレキサンダーで中身はニーナになってましたね

114 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/17(土) 21:38:39.30 ID:bMwGo3YQ0
22時頃更新します

115 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/17(土) 21:58:30.43 ID:bMwGo3YQ0
投下していきます

116 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/17(土) 22:01:04.22 ID:bMwGo3YQ0
幼「わんわん!」

男「あー、吠えんなって。また壁ドンされるぞ」

幼「…」

男「素直だな…」

幼「わん」

男「ていうか、とりあえず服返せよ」

幼「わうっ」フルフル

男「いやいや、首振られましても」

幼「わふっ」

男「その『わふっ』ってなんなんだよ、かわいいけど」

幼「わうわう」

男「参ったな、ほんとに喋れないのか」

幼「わん」コクッ

男「んー…」

幼「…」


117 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/17(土) 22:05:39.18 ID:bMwGo3YQ0
男「そうだ、こうしよう」

幼「?」

男「ちょっと待ってろ」

幼「わんっ」

ーーーーーーーーーーーーーー

男「できたぞー」

幼「わん!」テテテ

男「ほら、これで会話できるだろ」

幼「…」

男「いわゆるあれだ、こっくりさんだ。コインを動かすくらいできるだろ?」

幼「わう」ペタッ

男「お」

幼「…」スッスッスッ

男「け…つ…こ…う…し…ん…ど…い…」

幼「わん」

男「文句言うなよ。現状これでしか会話できないんだし」

幼「わん」スッスッスッ

男「だ…る…い…お前ほんとニートだな…」


118 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/17(土) 22:09:10.14 ID:bMwGo3YQ0
幼「わん!」

男「嬉しそうな顔すんなよ」

幼「わぅわぅ」

男「で、今どんな感じだ?」

幼「わん」スッスッスッ

男「い…が…い…に…か…い…て…き…」

幼「わん」スッスッスッ

男「で…も…も…ど…り…た…い…」

幼「わうー」

男「もう少しの辛抱だろ。おっさんの娘も少しずつ戻ってきてるだろ」

幼「わん」

男「ていうか、起きたらそんな感じだったのか」

幼「わう」コクッ

男「んー…寝る前に何か異変とかあったか?」

幼「わん」コクッ

男「なんかあったのか」


119 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/17(土) 22:12:52.53 ID:bMwGo3YQ0
幼「わう」スッスッスッ

男「ね…る…ま…え…に…い…ぬ…ち…や…ん…に…」

幼「わうわう」スッスッスッ

男「な…ん…か…か…ら…だ…の…つ…と…ら…れ…た…」

幼「わん!」

男「寝る前に犬ちゃんに体乗っ取られた?」

幼「わんわん」コクコク

男「これは重大だな…」

幼「…」

男「今、犬の意識は?」

幼「わん」スッスッスッ

男「な…い…無い?」


120 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/17(土) 22:22:41.64 ID:bMwGo3YQ0
幼「わん!」

男「んー…これはまずいんじゃなかろうか」

幼「?」

男「おっさんに相談するか」ピッ

幼「わん」フリフリ

男「おい、膝乗るな。邪魔だから」

幼「わおん」コロン

男「転がるなって…あ、もしもし」

おっさん『どうしました?』

男「こっちもついに犬になっちゃいました」

おっさん『あー…私の時と一緒ですね』

男「でも、犬の意識が無いみたいですよ」

おっさん『え、それってヤバいんじゃ…』


121 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/17(土) 22:26:52.22 ID:bMwGo3YQ0
すいません、用事が入ったので明日になります

123 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/18(日) 23:20:36.20 ID:7f9oXofj0
昨日の続きを投下します

124 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/18(日) 23:25:28.49 ID:7f9oXofj0
男「娘さんとは若干違う状態なんですよね…」

おっさん『うーん…』

男「といっても、このまま様子を見る以外にどうしようもないと思うんですが…」

おっさん『まあ、そうなんですよね…』

男「不安は残りますけどね」

おっさん『どうなるか分かりませんからね…』

男「今のところ手だてが無いので、とにかく様子を見ます」

おっさん『分かりました。何かあったらすぐ電話してくださいね』

男「はい。ありがとうございました」ピッ

幼「わう」

男「いつまで乗ってんだよ」

幼「わふ」フリフリ

男「…まあ、いっか」

幼「…」

男「…幼も早く戻りたいだろ」

幼「わう」スッ


125 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/18(日) 23:28:32.59 ID:7f9oXofj0
男「ああ、いいよ。そんなんやらなくてもお前の言いたいこと分かる気がするし」

幼「わうー」

男「…このまま時間経ったらさ、お前は元に戻れるかもしんない」

幼「…」

男「でも、今犬の意識が無いってことはお前が人間に戻っても犬はいないかもしれない」

幼「わうっ!」

男「分かってるよ。でも、方法が思いつかない」

幼「…」

男「…俺も、あの犬好きだったしな」

幼「わう…」

男「どうすればいいのかわかんないんだよ」

幼「…クーン…」

男「…そんな声出すなよ、悲しいだろ」

幼「…」

男「…」


126 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/18(日) 23:31:39.03 ID:7f9oXofj0
幼「わうっ!」トテテテ

男「おい、どうした急に」

幼「わふっ」

男「俺の服じゃん」

幼「わうわう!」

男「ああ、もうやるよ。気に入ってるっぽいし」

幼「わう!」

男「何だ、何かあるのか?」

幼「…」スッスッスッ

男「い…ぬ…ち…や…ん…は…」

幼「わん」スッスッスッ

男「こ…の…ふ…く…の…に…お…い…に…」

幼「わうわう」スッスッスッ

男「は…ん…の…う…し…て…た…」

幼「わん!」

男「犬ちゃんはこの服の匂いに反応してた…?」


127 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/18(日) 23:34:47.15 ID:7f9oXofj0
幼「わん」コクッ

男「んー…何か手がかりな感じもするけど」

幼「わん」

男「…」

幼「…」

男「…正直に話せよ。お前、何で俺の服持って行った?」

幼「…わぅ~」

男「解決する糸口になるかもしんないからさ。怒んないし言えって」

幼「…わん」スッスッスッ

男「に…お…い…を…か…い…で…い…た…か…つ…た…」

幼「…わん!」

男「匂いを嗅いでいたかった…変態かお前は」

幼「わんわんわん!」

男「あー分かった、分かったから怒るな」

幼「わうっ」


128 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/18(日) 23:39:12.57 ID:7f9oXofj0
男「つまり、お前は俺の匂いが大好きだったわけだ」

幼「…わん」コクッ

男(ほんとなら赤面してうつむいて『うん』とか言ってるところか)

男「多分、今お前の体は完全にお前が支配してるんだ」

幼「?」

男「俺の匂いを堪能しようというお前の意識が犬と半々で持ってたところを、犬の分まで侵食しちゃった感じだな」

幼「???」

男「…例えばだな、俺の服を目の前にした時のお前の体の意識を分析するとな」

幼「わん」

男「『幼70%、犬30%』だとする」

幼「わんわん」

男「そこにお前が大好きな俺の匂いを嗅ぐ」

幼「わうわう!」バシバシ

男「叩くなって。俺も恥ずかしいわ」


129 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/18(日) 23:42:23.97 ID:7f9oXofj0
幼「わん…」

男「で、お前の体の意識は『幼100%、犬0%』に近づいて行く」

幼「わん」

男「だんだん圧迫されていく犬は、最終的に…」

幼「わ、わん…」

男「お前の意識に追い出されて、消えてなくなってしまった!」

幼「わおーん!」

男「これが真実だ」

幼「…クーン…」

男「あ、消えてなくなってしまったかどうかはわからないけどな」

幼「…がるるるる」

男「…まあ、だからまだ犬が復活する可能性も…」

幼「わん!」ガブッ

男「あいででででででで!」

幼「わんわんわん!」

男「やめろ馬鹿!いてーから!」

幼「わううううう!」


130 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/18(日) 23:42:55.79 ID:7f9oXofj0
今回はここまでです

132 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/21(水) 19:22:33.40 ID:gO4alz3gO
23時頃更新します

133 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/21(水) 23:15:25.63 ID:156EnnWK0
投下します

134 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/21(水) 23:18:37.89 ID:156EnnWK0
ーーーーーーーーーーーーー

男「痛え…」

幼「わん」フイッ

男「分かったからそんな怒んなって…冗談だって」

幼「わん」

男「隣の人にも怒られるし…」

幼「…」

男「お前ほんと隣の人怖いのな」

幼「わん」コク

男「んで、さっきの話の続きだけど」

幼「わうっ」

男「お前の大好きな物のせいで犬が引っ込んだんならさ」

幼「?」

男「犬の大好きなもので犬を引っ張り出せばいいんだよ!」

幼「わおんわおん!」

男「だろ?いい案だろ?」


135 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/21(水) 23:21:57.18 ID:156EnnWK0
幼「わうわう」

男「というわけで、犬の大好きなもん教えろ」

幼「わぅ~…」

男「…」

幼「わう!」ビシッ

男「ああ、おやつか…ありそうだな」

幼「わん」

男「ほーれ、ジャーキーだぞー」プラプラ

幼「…」

男「犬が戻って来てなかったらお手してくれ」

幼「わん」ポフッ

男「んー…幼か」

幼「わぅ…」

男「何か他に無いのか」

幼「わん!」ビシッ

男「おお、ボールか。あいつよくボールで遊んでたな」


136 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/21(水) 23:24:32.93 ID:156EnnWK0
幼「わん!」

男「ほーら、とってこーい!」ポイッ

幼「…」

男「…」

幼「わん」

男「いや、とってこいよ」

幼「わう」フリフリ

男「はぁ…これもダメか」

幼「わぅ~」

男「はい、他には?」

幼「わん!」ビシッ

男「ん、お前の服か…まあ犬って飼い主の匂い付いた物好きだしな」

幼「わおん!」

男「ほーら、お前の大好きな幼の服だぞー」

幼「…」

男「…」

幼「わん」フリフリ

男「はずれかぁー」


137 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/21(水) 23:27:52.15 ID:156EnnWK0
幼「わん…」

男「んー…他には?」

幼「わぅー」フリフリ

男「え、もう無いのか」

幼「わん」スッスッスッ

男「お…も…い…つ…か…な…い…」

幼「わん!」

男「いや、飼い主としてそれはあかんだろ」

幼「わぅ」

男「うーん…犬の好きなものか…」

幼「…」

男「…あ!」

幼「わぅ?」

男「散歩だ、散歩」

幼「わぅううぅうっ!」ズザザザ

男「こらこら、拒否んな拒否んな」

幼「わうわうわう!」

男「ほら、また隣の人怒るぞ」

幼「わふっ」


138 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/21(水) 23:30:34.20 ID:156EnnWK0
男「犬のためなんだしさ。我慢しろよ」

幼「わう…」

男「リードもつけとくか」カチャカチャ

幼「わん!」

男「はいはい、暴れんな暴れんな」

幼「わんわん!」

男「よーし、行くぞー」

幼「わぅ…」

男「ほら、シャキシャキ歩け」

幼「…」トボトボ

男「ほんとお前散歩嫌いだよな」

ーーーーーーーーーーーーー

ーー公園ーー

男「よーし、着いたぞー」

幼「わん」

男「今のところ異変は?」

幼「わおん」フリフリ

男「無しか…よし」


139 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/21(水) 23:32:45.36 ID:156EnnWK0
幼「?」

男「ほーら、フリスビーだぞー」

幼「わゔっ」ビクン

男「お、何かそれっぽい反応が…」

幼「わぅううぅ」ビクビク

男「取ってこれたらご褒美あげるぞー」

幼「わゔうう」ビクンビクン

男「よーし、とってこーい!」ヒューン

幼「わおーーーーーーん!!!」

男「おおう、変な鳴き声出すなよ」

幼「…」

男「…あれ?」

幼「…」

男「おーい」

幼「…」

男「これヤバいやつじゃ…」


140 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/21(水) 23:38:28.93 ID:156EnnWK0
幼「…わふっ」ビクン

男「うおっ」

幼「…わん!」フリフリ

男「…幼か?」

幼「わんわん!」

男「幼だったらお座りしてお手してくれ」

幼「わん!」

男「犬か、犬だよな?」

幼「わんわん!」

男「よーし、とってこーい!」ヒューン

幼「わおーん!」ダッ

男「おお…犬だ…」

幼「わんわん!」ダダダダ

男「おおー、偉いぞー」ナデナデ

幼「へっへっへっ」

男「…で、幼はどうなったんだろうか」

幼「わんわん!」

男「もしかして、犬の意識が強過ぎて今度は幼が引っ込んだのか?」

幼「わん!」


141 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/21(水) 23:42:36.02 ID:156EnnWK0
男「…幼だったらうなずいてくれ」

幼「わん!」

男「違うか…うーん…」

幼「へっへっへっ」

男「そうだ、この服をやろう」

幼「…っわん!」

男「ん、幼か?」

幼「わうわう!」コクコク

男「犬の意識は?」

幼「わぅ」

男「分かんねーよ。犬の意識あったらお手しろ」

幼「わふっ」ポフッ

男「おお、大成功だな!」

幼「わぅ!」

男「とりあえず、一件落着か…あとは様子見るか」

幼「わん!」グイグイ

男「なんだよ、もう帰るのか?」

幼「わん!」

男「ほんと外嫌いだなお前…」


142 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/21(水) 23:43:25.28 ID:156EnnWK0
今回はここまでです

144 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/29(木) 17:26:44.10 ID:5A2z2YgdO
22時頃更新します

145 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/29(木) 22:19:41.15 ID:5A2z2YgdO
すいません用事が入ったので明日更新します

147 : ◆seqx0BMfUc 2014/05/31(土) 22:52:31.23 ID:0KdtuxDw0
いつものパターンで投下できませんでした
なので0時頃投下します!

148 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/01(日) 00:31:22.48 ID:JhDxWigZ0
遅れましたが投下します

149 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/01(日) 00:45:32.68 ID:JhDxWigZ0
ーー男宅ーー

男「…というわけです」

おっさん『まさかそんな方法があるなんて…思いもしなかったですね』

男「俺もびっくりですよ。何にせよ余計なことはしない方が良さそうですね」

おっさん『そうですね…私も様子を見ます』

男「はい。じゃあ、何かあったら連絡してください」

おっさん『分かりました。では』ピッ

男「あー、良かった良かった」

幼「わふわふ」

男「しかしこれからどうなるんだろうな?」

幼「?」

男「いや、おっさんとこの娘さんは猫の姿のまんまで喋ってるけど…」


150 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/01(日) 00:49:16.02 ID:JhDxWigZ0
幼「わん」

男「人間に近づいてるだけで、人間に戻るなんて保証は無いし」

幼「わぅー」

男「そもそも、何で合体したのかってのが分かれば解決しそうな気がしないでもないんだけど」

幼「わん!」

男「なんだよ、うるせーな」

幼「わうわう」

男「…ほら、こっくりさん」スッ

幼「わふっ」スッスッスッ

男「い…い…こ…と…お…も…い…つ…い…た…」

幼「わう」スッスッスッ

男「お…と…こ…が…だ…き…し…め…て…ね…る…はぁ?」

幼「わん!」

男「俺が何でお前を抱き締めて寝なきゃなんないんだよ」

幼「わうわう」


151 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/01(日) 00:52:38.68 ID:JhDxWigZ0
男「わかんねーよ。ほらこっくりさんこっくりさん」

幼「わうー」スッスッスッ

男「い…ぬ…に…な…つ…た…と…き…と…犬になった時と」

幼「わん」スッスッスッ

男「ぎ…や…く…の…こ…と…を…す…れ…ば…い…い…逆の事をすればいい」

幼「わん!」

男「そんな安直な…てか逆になってるのか?それ」

幼「わふっ」

男「だから『わふっ』ってなんなんだよ」

幼「わうわうわうわう!」

男「だからなんだって…ほらこっくりさん」

幼「わうー…」スッスッスッ

男「い…い…か…ら…や…れ…」

幼「わん!」フリフリ


152 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/01(日) 01:15:05.00 ID:JhDxWigZ0
男「何か妙に必死だな」

幼「わぅっ」

男「…ていうか、下手したら俺もそこに合体する形になるんじゃ」

幼「わぅー」

男「…んなわけないか」

幼「わふっ」

男「色々試してみて成功すれば儲けもんだしな…」

幼「わう」

男「じゃあ今日だけな」

幼「わん!」

男「そのまえに風呂な」

幼「わゔっ」

男「お前風呂も嫌いなのかよ…」

幼「がるるるるるる」

男「はいはい、行くぞー」ズルズル

幼「わううう!」


153 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/01(日) 01:35:39.28 ID:JhDxWigZ0
ーーーーーーーーーーーーーー

男「ふぃー、さっぱりした」

幼「わーう~」

男「お前もスッキリしたろ」

幼「…わふっ」

男「んじゃ、寝るか」

幼「わん!」

男「おおう、元気だなお前」

幼「わう」

男「とりあえずこっちこいよ」

幼「わうー」

男「ほい」ギュッ

幼「…」

男「暑苦しいんだけど」

幼「わん」コクッ

男「何でこの暑い中毛むくじゃらのお前を抱きかかえて寝なきゃいけないんだよ」

幼「わん!」


154 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/01(日) 01:38:20.98 ID:JhDxWigZ0
男「あー分かった分かった。目の前で吠えんな」

幼「わん」

男「ふぁ…まあ、寝れないことないか…」

幼「…」

男「これで戻ったら笑えるけどな」

幼「…」

男「てか、明日どうするかな…」

幼「…スー」

男「ってあれ、もう寝てんのかい」

幼「…スー…」

男「俺も寝るか…おやすみ」

男「…」

幼「…スー…」

男「…」


155 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/01(日) 01:56:00.39 ID:JhDxWigZ0
ーー翌日ーー

男「…ん…」

男「…ん~…ふぁ…」

男「…」ガリガリ

男「…あ、幼いねえ」

男「どこ行った…?」

男「おーい…」

男「…ダメだ、喉渇いた…」

男「水ー…」ヨタヨタ

幼「…」

男「うおぉう!」

幼「あ、おはよ」

男「え、喋った…」


156 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/01(日) 02:12:55.04 ID:JhDxWigZ0
幼「何か喋れるようになってた」

男「なんか娘さんより症状進むの早いような…」

幼「昨日のあれが効いたんじゃない?」

男「謎だな」

幼「これ毎日続ければ早く戻れるんじゃない?」

男「えー、暑いし嫌」

幼「早く戻りたいー」

男「時間経てば戻るんだし、我慢しろよ」

幼「うえー」

男「そういや、犬は?」

幼「ちゃんといるっぽいよ、よく分かんないけど」

男「…」スッ

幼「わん!」

男「おやつには反応するんだな、はい」

幼「わん!」パクパク

男「んー、いい傾向なのかな」


157 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/01(日) 02:17:01.83 ID:JhDxWigZ0
今回はここまでです

158 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/01(日) 05:40:43.26 ID:/3qvJI00O
おまいら「発情期はまだか!」バンバン

161 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/05(木) 21:48:53.77 ID:CgKbgGAH0
明日のいつかは分かりませんがとりあえず午後更新します

162 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/06(金) 23:02:00.36 ID:5qPvlsVG0
今日中とは言いましたが、0時頃になりそうです

163 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/06(金) 23:31:10.92 ID:5qPvlsVG0
投下していきます

164 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/06(金) 23:38:01.59 ID:5qPvlsVG0
幼「遊ばないでって!」

男「遊んでねえって、犬の意識あるか確かめただけだろ」

幼「あるって言ったじゃん!」

男「ほら、確認だって」

幼「うぁー…」

男「で、お前こんな所で何してんの?」

幼「いや、んっとね」

男「?」

幼「あー、その…ほら、起きてすぐって動きたいじゃん」

男「お前には一番似合わない言葉だな」

幼「うっさい!」

男「まあまあ、怒んなって」

幼「ったく」

幼(ばれてないよね…匂いとかしてないよね?)

男「そういや水飲みに来たんだった」

幼(気づいてないかな…大丈夫だよね)

男「ん…ぷはっ」

幼「ね、今日どうするの?」

男「んー…どうする?」


165 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/06(金) 23:50:07.28 ID:5qPvlsVG0
幼「ね、今日も色んな方法考えてみようよ!」

男「昨日みたいなのは却下な」

幼「えー、でも現に成功してるじゃん」

男「まあそうだけどさ」

幼「なに、嫌なの?」

男「嫌じゃないけど…」

幼「じゃあいいよね!」

男「あ、はい」

幼「じゃあ今日男のお腹の上で寝るね!」

男「それ、俺が苦しいんじゃ」

幼「大丈夫大丈夫、あんま重くないから!」

男「ほんとか?」ヒョイッ

幼「ひゃっ」

男「おー、ほんとだ結構軽い」

幼「一応小型化だからね?」

男「これならまあ大丈夫か、ほい」


166 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/06/06(金) 23:51:20.57 ID:PlyLzP380
人面犬みたいに顔は犬じゃないよな?
妖怪ウォッチを見るとな……

167 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/06(金) 23:57:01.64 ID:5qPvlsVG0
幼「じゃあ今日の夜、約束ね!」

男「おう」

幼(やったやった)

男「あ、おっさんに報告しないと」

幼「え、あぁ」

男「娘さんがどうなったかも気になるしな」

幼「…なに、あの娘気になるの?」

男「そりゃあ気になるだろ」

幼「ふーん…」

男「えーっと、電話電話」

幼「…」

男「あったあった」ピッ

幼(うあー、イライラする)

おっさん『はい、もしもし』

男「あ、ども」

おっさん『どうかされたんですか?』

男「いや、ちょっと実験してみたら症状が進んだので報告しておこうかなと」


168 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/07(土) 00:01:12.27 ID:jXxhSnGL0
おっさん『実験、ですか?』

男「なんか幼が『私を抱いて寝ろ』とか言い出したんですよ」

おっさん『あ、はあ…』

男「で、起きたら喋ってました」

おっさん『まあ、なんというかそれは…幸せなことで』

男「?まあ、そうですかね」

おっさん『えっと…よく分かりませんが、病気とかには気をつけてくださいね』

男「病気?普段から健康には気を遣ってますけど…」

おっさん『あー、まあ…そういうことです。はい』

男「えっと、よく分かりませんが、ありがとうございます」

おっさん『あ、はい』

男「あ、娘さん今どんな感じですか?」

おっさん『ああ、娘は少しずつ人間に戻ってますよ』

男「ほんとですか!」


169 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/07(土) 00:06:28.58 ID:jXxhSnGL0
幼(なんか凄い喜んでるし…)

おっさん『髪が生えてきたんですよ』

男「髪が…」

おっさん『急にですよ、ほんとに。今後が楽しみです』

男「ですね…」

おっさん『じゃあ、また何かあったら連絡しますね』

男「はい、よろしくお願いします」

おっさん『では』

男「はい」ピッ

幼「…」

男「さて、今日夜までどうする?」

幼「…」

男「なんだよ、急に不機嫌になったな」

幼「ねえ」


170 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/07(土) 00:09:03.50 ID:jXxhSnGL0
男「ん?」

幼「座って」

男「ん」

幼「…」テケテケ

男「?」

幼「…ん」ポフッ

男「何だ、どうした?」

幼「…ここ、落ち着くの」

男「俺動けないじゃん」

幼「いいじゃん、ここでまったりしてようよ」

男「…まあ、たまにはいいかもな」

幼「…」

男「…」

幼「ね」

男「ん?」


171 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/07(土) 00:14:12.97 ID:jXxhSnGL0
幼「男、学校どうしてるの?」

男「…休んでる」

幼「単位とか大丈夫なの?」

男「いや、かなりヤバいだろうな」

幼「じゃあ、学校行かなきゃ」

男「でも、お前心配だしな」

幼「いつ元に戻るかわかんないんだよ?留年しちゃうかもしれないんだよ」

男「そん時はそん時だろ。親に頭下げるさ」

幼「私のためにそこまでしなくてもいいよ。学校終わった後でも会いに来れるじゃん」

男「いいんだって、俺が好きでやってるんだし」

幼「…うん」

男「元に戻ったらさ、お前も外に出る努力してみようぜ」

幼「今更治んないよ」


172 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/07(土) 00:20:10.81 ID:jXxhSnGL0
男「俺も付き合ってやるからさ」

幼「…」

男「ショッピングとか、色んな景色見たりだとか、やりたいこと一杯あるだろ」

幼「…男はさ、何で私のことそんな気にかけてくれるの?」

男「やっぱ、心配だしさ」

幼「…ね、私のことどう思う?」

男「どう思うってなんだよ」

幼「そのまんまだよ」

男「…俺は家族だと思ってるよ。昔から遊んでたし、お前と会わない1週間なんてこれまで無かったしな」

幼「…家族、かぁ」

男「なんだよ、結構言うの恥ずかしかったんだぞ」

幼「んーん、なんでもないよ」

男「…?気になるな」


173 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/07(土) 00:25:09.76 ID:jXxhSnGL0
幼「…男、そこのDVDとって」

男「ほい」

幼「一緒に観ようよ。それ好きなんだ」

男「『モテキ』って…お前に似合わないな」

幼「男も、いつかモテ期くるのかな」

男「一生来ないだろうな。俺、女とあんまし話せないんだよ」

幼「いっつも私と話してるじゃん」

男「ほら、お前は昔から友達みたいな感覚だしさ」

幼「…ふーん」

男「で、どうするんだ」

幼「何が?」

男「元に戻った外に出るって話」

幼「…男も来るんだよね?」

男「必要ならな」

幼「…じゃ、いいかな」

男「楽しみだな。今思うとお前と出かけるのなんて何年ぶりだろうな」

幼「さぁ…わかんない」


174 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/07(土) 00:25:57.49 ID:jXxhSnGL0
今回はここまでです

>>166
大丈夫、ただの喋る犬です

>>158
エロはありません、あしからず(´・ω・` )


176 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/13(金) 00:18:37.46 ID:BvG6HzYs0
月曜日に更新します

177 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/16(月) 23:27:03.91 ID:cHX/rrEB0
どうも、お久しぶりです
ゆっくり投下していきます

178 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/16(月) 23:37:39.73 ID:cHX/rrEB0
男「モテキか。俺は漫画の方が好きだな」

女「漫画だと皆可愛く見えるもんね」

男「いつかちゃんが一番好みだった」

女「…」

男「あんま恋愛経験なくてさ。主人公にアタックされるけど結局発展しなくて」

女「何急に語ってんの」

男「好きなキャラとか作品の話になると語りたくなっちゃうんだよ」

女「オタクじゃん」

男「別にオタクって訳じゃないだろ。お前だって少女マンガ語らせたら長いだろ」

女「ん…まあ、うん。…そだね」

男「なんだ、反応薄いな」


179 : 別スレの影響で「女」って打っちゃいました ◆seqx0BMfUc 2014/06/16(月) 23:54:07.33 ID:cHX/rrEB0
幼「んー…眠い」

男「眠い?1時間程前に起きたばっかじゃん」

幼「犬ってよく寝るじゃん」

男「ああ、まあな」

幼「そういうこと」

男「安直な…」

幼「…おやすみー…」

男「ほんとに寝るのかよ…」

幼「…」

男「おいおい、映画見ようって言ってそれはないだろ」

幼「…スー…」

男「…」

男「…まあ、いっか…」

男「…久々に、モテキ見るか」

男「…」

男「…あー、やっぱ漫画の方がいいわ」


180 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/17(火) 00:04:43.12 ID:sal8OyFv0
男「…」

幼「…スー…」

男「…俺も寝るか」

男「ん」ポフッ

男「…」

男(…こいつも、早く戻りたいんだろうな)

男(犬になってから急に意味深なこと言い出すし)

男(…)

男(…まあ、ちょっと分かってるけどな)

男(…)ナデナデ

男(頑張ろうな)

男(…)

男(……)

男(………)

ーーーーーーーーーーーーーーーー


181 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/17(火) 00:13:26.08 ID:sal8OyFv0
男「…」

男「…はっ」

男「今何時だ」

男「…7時間も寝てしまった」

男「おい、よ…」

幼「ん…おはよ」

男「よよよよよよよよよよよよ」

幼「え、なに怖い」

男「お前…」

幼「あ、元に戻ったー!」

男「何だこれ…すげえな」

幼「やったー!」ダキッ

男「うおっちょ、苦しい苦しい」

幼「…あれ、犬ちゃんは…?」

男「そういや、見当たらないな」

幼「…」ウルッ

男「あ、分かった!」

幼「え!?」

男「お手」

幼「わんっ!」シュタッ

男「あちゃー、これはまずいぞー」


182 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/17(火) 00:20:32.69 ID:sal8OyFv0
幼「なにやらせんの!」

男「いや、お前が勝手にやったんじゃん」

幼「やらせたのは男でしょ!」

男「いいじゃん、可愛かったぞ」

幼「え、そ…そう?」

男「うん、犬」

幼「あ…そう」

男「何にせよ犬が消えたわけじゃないしいいじゃん」

幼「うんまあそうだけど…」

男「俺はお前が元に戻ったことに納得いってないけどな」

幼「なに、嫌なの?」

男「いやそういうことじゃなくて、戻った理由というかな」

幼「さあ…?」

男「少しは考えろよ…手がかりがあるかもしんないんだし」

幼「って言われても、わかんないもん」

男「お前な…」


183 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/17(火) 00:32:39.54 ID:sal8OyFv0
幼「今はこの体に戻った喜びをかみしためたいの!」

男「はあ…」

幼「ああ…久しぶりだなーこの感覚」

男「とりあえず、おっさんに電話しよう」ピッ

幼「ああ、懐かしいいいい!」

男「ええいうっさいわ!」

幼「仕方ないじゃん」

男「そうかもしんないけど、もう少し抑えろよ」

幼「楽しいいぃいー!」

隣人『っせーぞゴルァ!!!』バンッ

幼「ひぃっ!」

男「ほら言わんこっちゃない」

幼「うぇええ…」

男「分かった、分かったから離れろって…あ、もしもし」

おっさん『進展、ありましたか?』

男「ええそりゃもう、いきなりゴールですよ」

おっさん『もしかして!?』

男「人間に戻りました!」

おっさん『おおおおお!』


184 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/17(火) 00:43:46.89 ID:sal8OyFv0
男「でも…」

おっさん『でも…?』

男「犬は、意識となって幼の体の中に残ったまんまです」

おっさん『…それじゃ、完全に解決したとは言えませんね』

男「そうなんですよ。で、とりあえずこれからのことを話し合いたいと…」

おっさん『その方が良さそうですね…』

男「じゃあ、これから向かいますね」

おっさん『はい、お待ちしてます』

男「では」ピッ

幼「あ、行くの?」

男「いや、お前も来いよ。一番重要だろうが」

幼「ちょっと待って、シャワーしてくる」

男「しゃ、シャワー…?」

幼「なに」


185 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/17(火) 00:48:49.10 ID:sal8OyFv0
男「お前からシャワーしたいなんて言葉が出るなんて…」

幼「犬になってから1回しかシャワーしてないんだよ?いくら私でも入りたくなるよ」

男「そ、そうか…」

幼「…覗かないでね!」

男「それは覗けってことか」

幼「違う!」

男「分かってるって、俺とお前の仲だろ」

幼「え、うん…」

男「待っててやるし、ゆっくり入って来いよ」

幼「うん!」タタタッ

男「単純な奴だな…」

ーーーーーーーーーーーーーーー


186 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/17(火) 00:56:25.28 ID:sal8OyFv0
ーー風呂場ーー

幼「んあー…」

幼「久々のシャワー…」

幼「今まで入るのもめんどくさかったけど、これからは定期的に入れそう…」

幼「…」

幼「…」プニュ

幼「食っちゃ寝ばっかしてたせいかな…」

幼「肉ついてきた…」

幼「…」

『ぽっちゃりな女は嫌だ』

幼「とか言われたらどうしよう…」

幼「…」

幼「痩せよう。ダイエットしよう」

幼「髪も伸びてきたなあ…」

幼「一回勇気出して美容室行ってショートにしてもらったのに…今じゃセミロングだ」

幼「また男についてきてもらおう…」

幼「…そういや私、男に頼ってばっかだな…」


187 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/17(火) 00:58:08.20 ID:sal8OyFv0
今回はここまでです
最初女になっちゃってるのは気にしない(´・ω・` )

189 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/26(木) 17:38:45.96 ID:lwnmjbFg0
明日の夜更新します

190 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/29(日) 09:49:29.48 ID:eoNfJwCjO
明日の夜(明日とは言ってない)

191 : ◆seqx0BMfUc 2014/06/29(日) 23:44:17.94 ID:TV+tjmrb0
すいません、連日忙しくて更新する暇がありませんでした(´・ω・` )
明日こそ、明日こそ更新します

>>190
すいませんでした…


193 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/01(火) 00:40:17.88 ID:6E1DK76Q0
どうも
期日には間に合いませんでしたが、差し支えないと思います(多分)
というわけで投下します

195 : 実は幼馴染でした! ◆seqx0BMfUc 2014/07/01(火) 00:56:49.32 ID:6E1DK76Q0
幼「たまには自分で行動しないとなー…」

幼「私ももう19だし…」

幼「…」

幼「よし」

幼「この問題解決したら、まず髪切ろう!」

幼「そんでバイトして、可愛い服買って」

幼「…うひひ」

幼「夢が広がるなぁ…」

ドンドン

幼「ん、んえっ?」

男『まだかー』

幼「あ、もうすぐ出るよ!」

男『早めにな。おっさん待ちわびてるだろうし』

幼「うん!」

幼「早く上がらないと」

幼「…」

幼「…そういや、男って私のことどう思ってるんだろ」


196 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/01(火) 01:05:09.18 ID:6E1DK76Q0
幼「なんか、私のこと女じゃなくてほんとにただの幼馴染としてしか見てないような気がするんだよね」

幼「私にこと可愛いって言ってくれてたけど…」

幼「…私のこと意識してる風じゃなかったんだよね」

幼「…あー」

幼「なんか辛いなー、こういうの」

幼「…」

幼「…そうだ」

幼「意識させればいいじゃん」

幼「なんだ、簡単なことだよ」

ドンドン

幼「あっ、あと10分待って!」

男『うーい…』

幼「やば、早く出ないと」


197 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/01(火) 01:10:24.81 ID:6E1DK76Q0
ーー15分後ーー

幼「ごめんごめん」

男「10分って言って15分経ってるぞ」

幼「久々のシャワーだしさ、ゆっくり入りたかったの」

男「んー、分からんこともないけど…」

幼「ほら、行こ!」

男「おおう、引っ張るなよ」

幼「時間かけちゃった分急がないと」

男「大丈夫だって、おっさんなら許してくれるし」

幼「でもー」

男「いいっていいって、ゆっくり行こうぜ」

幼「…うん」

男「で、気になってたんだけど」

幼「なに?」

男「なんでそんな気合入った服なんだ?」

幼「え」

男「あ、まあ深い意味が無いなら別にいいけど」


198 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/01(火) 01:22:10.63 ID:6E1DK76Q0
幼「あー…ほら、たまには着てあげないと、服がかわいそうじゃん」

男「また急にメルヘンティックなことを…」

幼「えぅ」

男「お前がそういう訳の分からんこと言う時は、決まって何か隠してるんだよな」

幼「え、何も隠してないよ?」

男「んー…ならいいけど」

幼「んじゃ、いこいこー」

男「よく分からん奴だな」

幼「昔からの付き合いでしょ」

男「いやまあそうだけど…」

幼「?」

男「なんかお前変わったよな」

幼「え、そう?」

男「なんというか、行動的になった」

幼「そうかな?」


199 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/01(火) 01:28:57.01 ID:ZtuRDuYGO
男「俺が見てる限りではそうなったぞ」

幼「そっか、男が言うんならそうだよね」

男「…いや、ほんと変わったな」

幼「あ、ちょっとジュース買ってこうよ」

男「そういや喉渇いたな」

幼「私はコーラ」

男「俺は桃の天然水にしとくかな…」

幼「あ、一口ちょうだい!」

男「ん、ほい」

幼「ありがと」ゴクゴク

男「あっちょ、どんだけ飲むんだよ」

幼「ぷは、はい」

男「1/5は減ったぞ」

幼「1/5なんて全然じゃん!」

男「まあいいけどさ…」

幼(ふふふ…まずは『間接キス作戦』!)

幼(いくら幼馴染でも、間接キスとなるとちょっと躊躇するはず!)

男「はあ、今日なんか暑いな」ゴクゴク

幼(…普通に飲んだ…)


200 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/01(火) 01:33:19.99 ID:ZtuRDuYGO
男「ふう…暑いな…」

幼「あ、そうだね…」

男(なんか知らんけどちょっと元気無くなったな)

幼(まさか普通に飲むとは…)

男(今日のこいつ、若干情緒不安定だな)

幼(なんの!女には女の武器がある!)

男「あー…暑い…」

幼「あ、髪にゴミ付いてるよ」

男「まじかよ、取ってくれ」

幼「ちょっと待って…んしょ」ムニッ

幼(ゴミを取るフリをして胸を当てる!『胸当て作戦』!)

男「おい、少ない胸が当たってるぞ」

幼「うぇ…」

男(あ、ヤバい)

幼「ばかぁ!」ビターン

男「痛え痛え」

幼「あほ!しね!」

男「冗談だって…落ち着けよ」


201 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/01(火) 01:37:36.78 ID:ZtuRDuYGO
幼「うー…」

男「悪かったから、そんな犬みたいな唸り声出さないでくれ」

幼「…」

男「…そういやさ」

幼「なに」

男「怒んなって…謝るからさ」

幼「いいよ、もう」

男「はあ…話戻すけど、お前の中にはまだ犬の意識があるわけだろ?」

幼「そうだね」

男「もし人の多い道端で、犬になっちゃったらどうするんだ?」

幼「どうするもこうも…そんなこと滅多に無いでしょ」

男「分からんぞ、俺が気まぐれで『お手』って言うかもしれん」

幼「言わなきゃいいじゃん!」

男「ほら、可愛いからさ、仕方ないだろ」

幼「…」

男「…」

幼(ここは踏み込むべき…?)

男(え、なんで沈黙なんだよ)


202 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/01(火) 01:43:06.22 ID:ZtuRDuYGO
幼(もしかしたら、今のがさっきの失言含めての男のアピールなのかも?)

男(なんか考え込んでる…わけないか)

幼(そう考えると、ここは是非聞く所!)

男(それほどこいつが不機嫌だってことか?)

幼(あんまり長く考えてたら怪しまれるし…)

男(んー…やっぱこいつ変わったな…)

幼「ね、ねえ!」

男「ん?」

幼「今の『可愛い』って、どういう意味なの?」

男「え、えーと?」

幼「…」

男「…あー、どっちもかな」

幼「…」

男「…」

幼「…はぁ」

幼(どっちもかぁ…)

男「いや、うん、えーと…」


203 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/01(火) 01:57:30.15 ID:ZtuRDuYGO
幼「あ、ごめんね変なこと聞いて」

男「いや、いいけどさ…」

幼「…」

男「…」

幼(…ていうか、今の質問で気づいてくれてもいいと思うんだけどなー)

男(なんか今日は変な感じだな…)

幼「…」

男「…」

幼「あ、もうそろそろだね」

男「え、あーそうだな」

幼(男もちょっとボーッとしてたけど…もしかして?)

男(とりあえずおっさんと話し終わってから、帰る時色々聞いてみるか)

幼「今日でちょっとは進展あるかな?」

男「お前が人間に戻っただけでもずいぶんな進展だけどな…」

幼「でも、まだ解決してないじゃん」

男「そうなんだよな…今日で解決すればいいけど」

幼「犬ちゃんは大事な家族だし、ちゃんとした形で会いたいからね」

男「俺も久々に見たいな」

幼(それに…)

男(…そういや解決したら、あいつに好きな人が永遠にできない理由聞けるんだったな…)

幼(男からのプレゼントだしね)


204 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/01(火) 01:58:22.30 ID:ZtuRDuYGO
今回はここまでです

208 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/24(木) 23:42:34.59 ID:A13QUC/30
おはようございます、投下していきます
酉つけるの素で忘れてました…

209 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/24(木) 23:47:38.15 ID:A13QUC/30
男「…」

幼「…」

男「やっと着いたな」

幼「…」

男「…おーい」

幼「え、あ、そうだね!」

男「…なんかお前今日変だぞ」

幼「…ん」

男「なんかあったのか?」

幼「ん、何も無いよ」

男「何も無かったらそんなボーッとしてないだろ」

幼「ほんとに何も無いって、大丈夫だよ」

男「…ならいいけどさ」

幼「ほら、早くチャイム押して」

男「おう」ピンポーン

幼(男、やっぱり私のこと女として見てくれてないのかな)

男「…出ないな」


210 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/25(金) 00:21:08.97 ID:1ZIf5Zru0
幼(必死になってた私が馬鹿みたいじゃん)

男「もっかい押してみるか」ピンポーン

幼(…男が私のこと意識してないからって頑張ってたけど…)

男「…いないのか」

幼(…私のこと興味無いんなら意味ないかな)

男「んー、どうする?」

幼「…今日はもう帰らない?」

男「…そうだな、そうするか」

幼「うん、ごめんね」

男「…何でお前が謝るんだ?」

幼「え、…なんでだろ」

男「…なあ、やっぱお前今日変だぞ。どうしたんだ」

幼「何でもないよ、ほんとに」

男「んなわけねえだろ。お前の変化くらいすぐ分かる」

幼(…でも、原因までは分からないんだよね…)

男「なあ、どうしたんだよ、ほんとに」


211 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/25(金) 00:33:51.80 ID:1ZIf5Zru0
幼「ちょっと元気ないだけだよ」

男「嘘つけ。家出た時はあんなに元気だっただろ」

幼「…」

男「なあ、俺なんかしたか?」

幼「…さあ」

男「やっぱ俺が原因か」

幼「えっ」

男「なんでかは分からんけど、とりあえず俺がなんかしたんだろ?」

幼「え、いや…」

男「怒ってる訳じゃねえって。お前を責めてる訳でもないし」

幼「…」

男「俺が悪かったんなら謝るよ」

幼「…男は悪くないよ」

男「…」


212 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/25(金) 00:38:30.47 ID:1ZIf5Zru0
幼「ほら、犬ちゃんにしばらく会ってないから、ね?」

男「…なら、いいけどさ…」

幼「ほら、帰ろ」

男「…なんか悩みあるんだったらちゃんと相談してくれよ」

幼「…」

男「お前とは幼馴染だし、お前がなんか隠してることくらいすぐ分かるんだよ」

幼「…私は、男が何か隠してても分かんないけどね」

男「俺はお前のことで四六時中悩んでるけどな」

幼「…ふーん…」

男「まあそういうことだ。なんかあったら言ってくれよ」

幼「…うん」

男「んじゃ、パパッと帰るか」


213 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/25(金) 00:45:40.33 ID:1ZIf5Zru0
ーー幼宅前ーー

男「…んで、どうする?」

幼「どうするって…何が?」

男「いや、今からどうするかなって」

幼「…分かんない」

男「…お前、今から何か予定あるか?」

幼「え、無いけど…」

男「そうか。んじゃ、後からもっかい来るわ」

幼「あ、うん…」

男「1時間くらいしたら行くと思う」

幼「…分かったよ」

男「あ、寝んなよ?」

幼「多分大丈夫」

男「ん、じゃあまたな」

幼「う、うん…」

幼(…何考えてんだろ、男)


214 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/25(金) 00:53:30.53 ID:1ZIf5Zru0
ーーリビングーー

幼(はぁ…)

幼(なんか、男に心配かけちゃったかな)

幼(相変わらず鈍感なんだよね)

幼(…ハッキリ言わない私が悪いんだろうけどさ…)

幼(なんというか、うーん…)

幼(どうしたらいいんだろ)

幼(…告白するにしても、断られたらどうしよう)

幼(もう今みたいな関係にすら戻れない気がする)

幼(男は優しいから、断らないかもしれないけど)

幼(そんなのは付き合ってるって言わないよね)

幼「んあー、どうしたらいいんだろ」

幼(…)


215 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/25(金) 01:16:32.35 ID:1ZIf5Zru0
ーー1時間後ーー

男「おーい」

幼「…」

男「…」

幼「…」

男「…犬」

幼「わん!」

男「おー、なんか久しぶりだな」

幼「へっへっへ」

男「なんかエロいな」

幼「何してんの!」

男「おっ、おはよう」

幼「…おはよ」

男「なかなか起きないから裏技使った」

幼「寝覚め悪いからもうやめて」


216 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/25(金) 01:23:27.32 ID:1ZIf5Zru0
男「まさか寝てるとは思わんかった」

幼「いつの間にか寝てた」

男「お前な…」

幼「…なんか用あるんじゃないの?」

男「あーそうだった、忘れてた」

幼「…」

男「ほらこれ、やるよ」

幼「何これ、服?」

男「お前、この前古着欲しがってたろ?家の中整理して持ってきてやったぞ」

幼「…ん、ありがと」

男「そんでな、ちょっと考えたんだよ」

幼「え」

男「いくら着る服無いからってさ、男が着るような服なんて普通欲しがらないだろ?」


217 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/25(金) 01:32:35.45 ID:1ZIf5Zru0
幼「いや、そこは人によるんじゃ」

男「いくら幼馴染でもさ、なんていうか境界線みたいなのあるだろ」

幼「…」

男「つまり」

幼「…」ドキドキ

男「…はい、ここまで」

幼「えっ」

男「続きはまたいつかな」

幼「ちょっと、え、意味分かんないし」

男「お前の問題が解決してからな」

幼「えっ、そこまで言ってそれはないよ!」

男「何言うかはまだ分からんだろ」

幼「いやそうだけど」

男「んじゃ、俺はちょっとやりたいことあるし」

幼「ええ」

男「今日はお開きな。また明日来るよ」

幼「…」

男「んじゃな」

幼「…んー」


218 : ◆seqx0BMfUc 2014/07/25(金) 01:33:35.41 ID:1ZIf5Zru0
今回はここまでです

220 : ◆seqx0BMfUc 2014/08/14(木) 21:16:58.87 ID:KRdMUMJf0
もう1つの方のSSにも投稿した文をコピペしときます

お久しぶりです
恐ろしいほど日数が経ってしまいました、本当に申し訳ないと思ってます
忙しい日が続いて、「更新します」と言っておいてもう1つのSSは更新して眠くなって力尽きて、結局更新しないままズルズルと引っ張っていくことが多すぎてどうしようかと思ってます
これからもしかしたら月1更新並の遅さの更新になるかもしれません
そもそも需要があるのか自分で分からないので、ほとんど需要が無いようでしたらhtml化してしまいたいと思ってます

今日も更新は難しそうです…


221 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/08/14(木) 21:18:30.92 ID:XITtFsM90
この際一度落として1から溜めたやつをすべて放出するとか?

222 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/14(木) 22:59:29.75 ID:3SEEjV76O
続き気になるから落とすならオチだけでも簡単に頼む

223 : ◆seqx0BMfUc 2014/08/15(金) 03:23:01.47 ID:cS1CZS4h0
>>221
今まで投下した分をもう一度スレを建てて投下する、もしくは書き溜めてある分を全て投下するということでしょうか?
後者だと書き溜めしてる分は一切無いので不可能なんですが…

>>222
それでもいいかもしれませんね
まさかこんな忙しくなるとは思ってもなかったので…


225 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/15(金) 13:58:16.72 ID:FlI1bj/KO
需要がないってのはあれか?すげえ楽しみに待ってるのが俺一人だったりしたら、
それだけのためになんか書きたくないから辞めるってことか?

ゆっくりゆっくりでも今まで楽しみに読んでたんだから頼むよ。もうそんなに長いストーリーじゃないでしょ?


227 : ◆seqx0BMfUc 2014/08/16(土) 04:01:19.56 ID:8VfvcUgAO
>>225
いや、そういうことはないです
コメントはありますが需要あるかないかだけ確認したかったので…(´-ω-`)

ゆっくりでいいのなら、少しずつになると思いますが必ず完結させようと思います!

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