「ベルトルトとユミルの……」


1 : 2013/09/03(火) 10:43:29 ID:4ZyWcX8Y
描写を書きたくて突発的に書いただけ
本当に短い!

のにこう言った描写は好きなのでもしかしたら他キャラとのも書くかも?


ソース: http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1378172609/


2 : 2013/09/03(火) 10:45:41 ID:4ZyWcX8Y

ソレの

今行われている行為の前に交わした言葉なんて
大実はした意味は無いのだと思う

唇の前に、自分の物ではない弾力がある
それはほんのりとした体温を宿していて、ふにふにとした感触があった

顔の前にある圧迫感は、未だに離れようとしない
その圧迫感の所為で、目が開けづらいし呼吸も辛いと言うのに

数秒続いた圧迫感と、それによる呼吸の停止に私の心臓は大きく揺れだした
酸素が欲しい、と言う切実な要望に……つい薄く口を開けてしまう

鼻からの呼吸なんて、相手の顔に吹きかけてしまうのは憚られたのだ


3 : 2013/09/03(火) 10:48:14 ID:4ZyWcX8Y

でも、それは私の体は予想以上に空気を欲していたらしい

空気が唇の表層をかすり、ひゅっと音を立てて
その息を、反射的に止めようとしたら

いつの間にかユミルは、鼻から少し大きく息を吸っていた

——やばい、鼻息が

吸うならまだしも、吐きだして吹きかけたら恥ずかしい
ユミルは反射的に一息だけ吸いこんだ呼吸を体の内に留め……もう一度、息を止めた

でもたった一呼吸だけで、酸素が行き渡るはずはない

あまりの息苦しさに、ユミルは体を捻りつつ目の前にある大きな体を押す
だが相手は、こちらの背中に手をまわしていて……ついでにその手の一つが、私の後頭部へと回って

がっしりと、こちらの体を己の体に密着させてきた


4 : 2013/09/03(火) 10:53:11 ID:4ZyWcX8Y

——やめろよ、もう息が……

キスをしている、と言う事実よりも息苦しさが上回ってくる

その癖に私の体に巻きついている、腕や掌には力強いぬくもりがあって
何故だか、安心していた

彼の掌は、まるで撫でる様に
でも逃がさないと言う様に僅かに触れている場所を往復する

後頭部と背中を掌で摩られて、言い様も無い程に全てを委ねて仕舞いたくなった

他人と体温を交換するのは、こんなにも気持ちがいい物だと
不意に、思い知らされた気がした


5 : 2013/09/03(火) 10:55:47 ID:4ZyWcX8Y

——だったら、抱きしめられるだけでも私は満足なのに

出来る事なら、キスで息苦しさを与えられるのではなく
ただ、抱きしめるだけの方が……

そう思った瞬間、顔の前にあった圧迫感が消えた
ついでに唇に当たっていた感触も無くなったので、少しだけ顔を引きながら瞼を動かす

すぐにそいつを見れなかったのは、恥ずかしいと言う感情もあったからだが
何よりも荒い呼吸をしている姿なんて、見せたくないと思った故の行動だった

——お前は、こんな私をどう思ったんだよ?

私の触れた唇の弾力は、私が感じた物と変わらなかったのだろうか
それとも、やはり鼻息が当たっていた?

ゆるゆると、相手の表情を窺う様に瞳を開ける
私より少し上の目線からこちらを見ていた彼は、そんな私を見てからにこりと笑う


6 : 2013/09/03(火) 11:00:20 ID:4ZyWcX8Y

見るなよ、と言う感情から私は自身の手で顔を覆う
熱くなった頬を覆う様にしていた掌の上に、奴の掌が重なった

そして

「ユミル、…………かわいい」

普段の声とは違う、熱で蕩けた様な声
まるで口の中に放りこまれ、唾液にある熱によって溶かされたチョコレートみたいだ

悔しいのは、そんな声に反応して私の頬の熱は更に上昇した事
くそっ、普段の私なら……こんなセリフに反応なんてしないのに

——今の私の体は、私じゃないみたいだ

だってこんな乙女の様な反応、私には似合わないと分かっている
なのにそんな行動を治める方法を、私は知らない

だから、だろうか
私は無意識の内に、小さい子が首を振る様にイヤイヤと首を振った

ついでに少し体を揺らし……私の手に重ねられた掌や、回された腕に抵抗の意を示す

でもそんな私に届いたのは、面白そうに少しだけ笑う声だった


7 : 2013/09/03(火) 11:05:29 ID:4ZyWcX8Y

——こんなに必死なのに

体を強く押し返して、八つ当たりがしたい……と力を込める
私らしくない、照れと言う名の「焦燥感」を早く外に出してしまいたかった

そう思っているのに、緊張からだろうか
私の体は堅く、ぎこちなく少し揺れるだけだ

——どうしよう

私の心情を少しも分かっていないのか、彼の掌は私の頬に添えていた手をそっとどかした

上に向けても顔を余す事なく見られるだけだし、左右に振っても彼は余裕でこちらの方を覗きこんでこられる距離
だから逃げ場を失った私の顔は、唯一の逃げ場である下の方を向くしかなかったのだが

なのに、顔を逸らす事は阻止される
私の包みこまれた頬は、ヤツの温かい手で持ち上げられてしまったのだ

それは、抵抗しようとすら思えない程の自然な動作で
その行動に驚き、目を開けると

あいつの満面の笑顔が、視界一杯に飛び込んできた


8 : 2013/09/03(火) 11:07:50 ID:4ZyWcX8Y

改めて、こんなに密着していると思い知らされ
白黒とした、もしくはぱちくりとした目をしてしまったのだろう

彼は目元の下にあった親指を、そっと耳たぶの下に動かす様な形で動かす
そんな動作で、頬を撫でた

「ねぇ、もう一回してもいい?」

その返答を出す間もなく、青年は私の視界を彼で一杯にでもする様に
私の顔の目の前へ、己の顔を近づけてくる

二回目のキスには、私は不覚にも目を開けたままだった

彼は瞳を閉じたまま
今回は押しつけるだけでは無く、まるで私の下唇をアマガミする様に食んでいる

羞恥とくすぐったさで、両手を突っぱねる様に力を込める
だが密着しすぎていた体の間に、己の両腕は上手く力が入ってくれなかった


9 : 2013/09/03(火) 11:09:43 ID:4ZyWcX8Y

本日二回目の、密着が原因による息止めは上手くいかなかった

その際に微かに漏れた自分の声に、ユミルは思わず赤面する
かすれた様な、少し乙女がかった声

——どんな声だよ、と言う
己の中のツッコミでさえ、もう力が入っていない事を思い知らさせられた

これは、まだ舌も入れていない……軽めのキスだと言うのに


10 : 2013/09/03(火) 11:12:37 ID:4ZyWcX8Y

——くそっ

嫌だ、嫌いだ

——こんな奴、大嫌いだ

そう思う癖に、こいつの体温は酷く心地がいい

羞恥と、安心と、苦しさと、ぬくもりを感じた私が示した反応は
目尻に涙を溜める事だった

なんで泣いているのか、それすら分からずに唇をアマガミされ続けている
私は覚悟を決めて、瞳をギュッと閉じた

その反動で、僅かに溜まっていた水分が瞳の端からつっと零れる

いつの間にか掴んでいた彼のシャツが、掌の汗で僅かに湿気ているのを感じながら
ユミルは涙が流れていった事を認識したのだった


11 : 2013/09/03(火) 11:14:28 ID:4ZyWcX8Y

その唇が離れたのは、時間がある程度たってからだった

すっと顔を引き、私の表情をマジマジと見つめて来たそいつは
相も変わらず笑顔のまま、今度は両手を使って私の顔を撫でる

目尻にたまった涙が、彼の手によって顔面に塗り拡げられた
……私はもう、成すがままにされている

「ユミル、ちょっと長く唇を押し当てていただけなのに」

なんでそんな色っぽい表情をするの
なんて……そう、幸せそうに呟いてきた奴に

「そんな表情、するつもりも見せるつもりもねぇよ」

心からそう思っている事を、告げる

すると奴は
あぁ、もう……と言いながら、今一度私を腕の中に閉じ込めた

適度な圧迫感とそいつの体温に、一瞬眩暈を起こしそうになったのは秘密だ


12 : 2013/09/03(火) 11:15:31 ID:4ZyWcX8Y

「ユミルは可愛いなぁ」
「あぁそうかい」

否定する気も根こそぎ奪われてしまい
私の肩に顔を埋めて来たそいつの後頭部を、軽く叩く様に撫でた

「ねぇ、ユミル……お願いだからさ」

そんな顔を、僕以外に見せないでね
なんて言われた言葉に……思わず失笑する

「そんな予定はねぇよ」
「そっかぁ、良かった」

そう言ってきた長身で黒髪のそいつは、自分の額を肩に擦りつけてきた
整えられていた髪の毛の毛先が、私の首筋をくすぐる

くすぐったい癖に

——離したくない

なんて思った私は、もしかしたら重症なのかもしれない


13 : 2013/09/03(火) 11:17:33 ID:4ZyWcX8Y
【おわり】

ベルトルトとユミルのチューを長ったらしく描写したかっただけです
その癖にスレ立ててしまって申し訳ない

気が向いたら他のキャラとユミルをチューさせたいですが、ほんと突発的なので書けるかな?とちょい不安
でも書いて欲しい人がいたら、ちょっと教えてくれると嬉しいです


14 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/03(火) 11:22:16 ID:aH8qaBVo
乙!萌えまくった!

15 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/03(火) 11:25:23 ID:oCA98l2k
朝から萌えたw

16 : 2013/09/03(火) 11:39:52 ID:4ZyWcX8Y

>>14 萌えて下さりましたか!

>>15 朝から時間が無いのに何やってんだろ自分


17 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/03(火) 11:46:11 ID:zEokP6kg
乙!
いやもう色んなシチュエーションでベルユミ書いて欲しいわ

18 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/03(火) 11:50:56 ID:juxlOMkk
スレタイがベルユミだし>>17の言う通りチュー以外のベルユミを書いてほしいな。

19 : 2013/09/03(火) 12:05:12 ID:4ZyWcX8Y

>>17 色んなシチュですか、考えてなかった!

>>18 そう言えばスレタイそうだった!(迂闊!)

ちなみにチュー意外は手をつないだり、目を見て笑ったり程度なんです
私の中で一番進んでいるのはチュー、もしくは(精一杯頑張って)ベロチューなのですが
進まないのってがっかりされるんでしょうか?

あ、これから数日ネット落ちます!書き溜めておきますね


110 : 2013/10/04(金) 23:52:14 ID:0/..AKww

無理矢理とでも言うかなんと言うか、私を授業へと引きずってきた彼女だが
こちらの不調も、考慮してくれていたらしく

普段は人に嫌われない様にと、顔色を窺っていると言うのに
あまり話した事の無い同期に話し掛け、席を変わってくれないかと交渉し

そして今は
二人で、その席に座っている

ユミルはクリスタの成長を、心から喜びつつ

それが「私の為に」と言う理由で行われたなんて事実に
思わず照れてしまいそうになる

私は、よくクリスタに「愛している」と言うが
どうやら、私自身も「愛されている」らしい

幸せな気分に浸りなりながらも、片手間に授業の講義を頭に入れて行く


174 : 2013/10/14(月) 21:47:51 ID:dGMwsVdU

一旦ここまで

当方のユミルもベルトルさんは、書き手が「相手の方を見て」と言っても
クリスタとライナーの方向を見てばかりいる

あと、ほんと、ごめんなさい
こっちの方が短いと思ったのに、結局「以上、未満」と同じくらいの量になっちゃてる

本当にごめんなさい


183 : 2013/10/16(水) 13:08:02 ID:zEh2oFRE

「なんだよ」
「お前、気をつけろよな——マジで」

何がだ
その声は表に出さずとも伝わったらしい

コニーは「あー」とか「うー」とか、どう表現したらいいか悩んだ……その挙句に
ちょいちょいと指を動かし、顔を寄せろと言ってきた

なんだなんだと顔を寄せると
子供が内緒話をするかの様な姿勢で、小さな声で用件を切りだされる

「お前、今朝食堂で言っていただろ——発情期って」

こちらの口元は、相手の耳元には無いので小さく頷いて返す
相手も了承の意を汲みとったのか、言葉を続けた


184 : 2013/10/16(水) 13:13:21 ID:zEh2oFRE

「なんか居るんだよなぁ、触発されてるやつ」

この言葉には、少しだけ顔を引いて
眉を寄せる様な表情を、見せる事で返すと

コニーが、もう少し話したいと言う意思を示したので
もう一度顔を寄せた

「お前も一応は女だろ、女が発情期なんて言っちゃいけ無いっつー事だ」

それだけ言うと、さすがに「触発されている」の意味もわかる

コニーが元の体制に戻って、パンへと手を伸ばすのを確認してから
こちらも、元の体制へと戻した

どこからで、その話をしているのを聞いて
少なからず心配に思ったのだろう、この意外に義理堅い奴は

彼の心情まで汲みとり終わり、ユミルは軽く感想を漏らす

「男って単純だな、ブスでもいいだなんて」
「オレとはさ、家畜を飼う事で見ているからな……低脳で、発情した獣」

あれは見苦しい、と意外に辛辣な事を言いながら
コニーは噛み辛いと判断したのか、パンをスープに浸す


187 : 2013/10/16(水) 13:21:37 ID:zEh2oFRE

「あまり噛み応えが無くなってしまいましたね……コニー、漬けすぎです」
「あ、俺のパン!」

ここで、サシャに任せいていたクリスタも輪の中に入った
相も変わらずの、お優しい言葉でサシャを宥める

「サシャ、さすがに咥えている部分だけにしようね。コニーが可哀想」
「だろ!?そうだよな!さっさと離しやがれサシャ!」

すると
「ふひひいれているふんだけで、ひひんですね」と、訳の分からない音が聞こえた

全員がその音を耳にした
その瞬間

更にもう一口分、パンがサシャの口の中へと吸いこまれて行った

余談だが、サシャの口は大きい
酷く大きい

その行動を見るに
さっきのは訳の分からない音は「口に入れている分だけは、いいんですね?」とでも言っていたのだろう

ここまで来ると、さすがに意地汚らしさが過ぎる
席を立ち、サシャの後ろに向かうと——その後頭部に、本気のチョップを叩きこむ


196 : 2013/10/18(金) 22:28:16 ID:E3M8Wgrc

だから
その話は「悪い」物だと言う事は、咄嗟に理解できた

目の前に居る面子を、軽く見てみる
確か——内部に近い地域から、出て来た奴らだったと思う

成績は中の下
卒業は出来るだろうが、出世は見込めない

そんな絶妙なポジションの奴らで、その成績を自覚しているから真剣に授業に取り組もうとしていない奴

——だからあんまり、ペアや班を組まない方がいいよ

なんて事を、以前アルミンが教えてくれた


216 : 2013/10/18(金) 23:37:16 ID:E3M8Wgrc

男子同士の気安さとは、また違う
サシャやクリスタ、ユミルとの関わり

——お前だったら加わってもいいぜ、ベルトルト

そう言ったら、どんな反応を示すのだろう

サシャは「パンをくれたらいいですよ」
と言いつつ、至って普通に迎え入れ

クリスタは笑顔で「話そうよ」と輪の中に彼を導き
ユミルは「クリスタに近づくな」と言いながら、クリスタを抱きしめそうな気がする

——よし、今度やってみるか

そんな想像を繰り広げながら
コニーはなんとか、死守したパンにかぶりついた


222 : 2013/10/23(水) 11:29:10 ID:lpSiue8A

-Side Y-

きた、どうしようか
来てしまった

——この時間が、ついに

「じゃあユミル、頑張ってね!」

先程の食事の時間に
邪推をするな、と散々言ったにも関わらず

少女は、去り際にそう言い残して行ってしまった
俗に言う「言い逃げ」である

クリスタに言われた言葉に、どんな意味があったのかは……考えたくもない


235 : 2013/10/23(水) 12:04:47 ID:lpSiue8A

「そうか、助かる」
「僕にお礼はいらないよ……ライナーがクリスタを助けてあげたいって、そう思っただけ」

向けられたその顔と、声の真摯さで
訓練を始める前にこいつが言っていた事が、ようやく嘘ではない事をようやく知る

なるほど
確かに、ライナーは紳士で……なおかつ「お人好し」だ

そして

「言ったでしょ、紳士なんだよ彼は」

そんな親友に付き合い
こんなにも尽力してやれる、こいつも「お人好し」なんだろう


251 : 2013/10/23(水) 12:37:28 ID:lpSiue8A

「軽くでいいか?」

その言葉の前に「訓練は」と言う主語が隠れているのを感じ取ると
僕は少しだけ思案し、口を開いた

「それでも僕は構わないけれど」
「助かる」

それだけ言うと、彼女の行動は早かった

二、三歩程の距離を取るとすぐに構え
こちらも体制を整えた事を確認すると、その手を大きく振り上げる

僕はそれを、前もって予想をしていた動きで避けた

ユミルは全力では無く
武器の使い方を確かめつつ、腕を振るっている——そんな様子に見える

何度か、攻撃をかわすと

すぐに攻撃は来ないと判断したのか
ユミルはぐるりと、コリを解すように手首を回しながら声を漏らした


255 : 2013/10/23(水) 12:46:35 ID:lpSiue8A

「……ベルトルさん」

あ、ばれたかな
そう思っていると、彼女の視線がこちらの方に戻ってくる

「あれ、またおしゃべり?」
「そうじゃねぇ——お前の戦い方って」

あ、やっぱりばれた
思っていた以上に早く気付かれてしまい、思わず笑ってしまう

すると僕達の目的が、何なのかも悟ったのだろう

ユミルは「だよな」と言ったので
僕は「そうだよ」と呟く

そして今度はユミルと共に、ライナーたちの方へと視線を向けた

そこには
僕の動きを手本にして、ライナーの攻撃を避けようとしているクリスタの姿


293 : 2013/11/06(水) 21:02:52 ID:yMuMXfkA

「なぁ——今だったら、悪ふざけだったと言う事で許してやれるぞ」

挑戦的な態度に
三人は、可笑しそうに笑った

「もしかしてぇ、エッチな想像してるの?」
「あはは、ユミルちゃんはどんな状況を思っているのかなぁ」

警告として告げた、その言葉にも
倍以上の不愉快な声が、返ってくる

人数的に有利なだと、油断しているのか
これから自分達が得られると思いこんでいる、状況に笑っているのかは……わからない

「さっすが発情期!」
「でもどうしてもって言うならいいぞ、無理矢理系ってお好き?」

茶化し言葉には「馬鹿か」と言う返答を返しておいて
舌打ちをしながら、軽く構える

いくら温厚な私でも、もはや我慢の限界だった


324 : 2013/11/06(水) 23:03:15 ID:yMuMXfkA

-Side B-

それはまさに、経験が生んだ教訓だった
なんせこの展開の後、駆けだされると言う場面を

——僕は二回も、経験済みだったから

朝からの、合計三回目
盛大に赤面してくれた彼女の腕を、僕は握る

それは、この気を失うまで返り討ちにされた男達が
彼女の言う「おっぱい揉ませろ」だけの要求でこうなったとは——正直、思えなかったからだ

僕に対して照れる
と言う行動を起こしている、彼女には申し訳ないが

状況が整理できるまで、我慢していて貰う事にしよう


344 : 2013/11/07(木) 00:10:57 ID:FCetq0DY

えーと、ちょっと待ってねユミル
少し整理するから、うん

君は、僕に「照れ」ていたんだよね
話しかけたり、触れたりする事で真っ赤になっていたし

そして……まぁ
単語の選択は如何なものかと思うが

「発情期」と言う言葉を、使っていると言う事は
君も「異性が気になる状態」と言う事も理解している、と

うーん……やっぱり、最初の「発情期」の言葉のセレクトが悪かったのかな

そこで生物学的な分野で理解しようと、考えが固まってしまって
フェロモンとかそう言った所に思考が飛んでしまった……と

女の子って、よく恋バナしているイメージがあるのに

——ねぇ、ユミル

紆余曲折しなくても
答えは、身近な所にあるんじゃないの?


345 : 2013/11/07(木) 00:14:27 ID:FCetq0DY

しかも「僕限定の発情期」とまで言っているよね

なんで気が付かないの、と言うか
もしかして、気が付いて言っているの?

気が付いて言っているとしたら、なに
その告白方法、女の子の中で流行っているとか?

——もし、告白を……されているとしたら

僕は、どう言えばいいんだろう

改めて
ベルトルトはユミルを見つめる

男子と並べるくらいに、背の高い身体
言葉使いも態度も、女の子らしさが少ない

けれど
スタイルもいいし、赤くなった顔は可愛いと思う

そんな人に
まるで告白……のような、告白をされた


348 : 2013/11/07(木) 00:20:42 ID:FCetq0DY

「今……おかしな言葉が聞こえた様な」

それだけ口にすると、僕の思考能力はぷつりと途切れた
考えるのをしばし放棄し、返ってくる言葉を待つ

ユミルは、怪訝そうに少しだけ眉を寄せ
改めて言葉を放った

「私お前の事苦手なのに——いきなりそうなってもな……か?」

まさか、ユミル
君って本当に、本気で

「発情期」だから「照れ」て
「僕限定」だから「フェロモンの相性がいいだけ」だと、そう思っているの!?


349 : 2013/11/07(木) 00:23:45 ID:FCetq0DY

僕の中で、ユミルの「年頃の女の子らしさの評価」が急降下で下がっていく

うん、まぁそれもいいんだけれどね

「鈍感」や「鈍い」
あとは「天然」って言う評価が上昇したから、まだ救いはあるんだけど

「な、なんだよ!言いたい事があるなら、はっきり言え!」

心を逃避させて、少し落ち着こうとしているのに

ユミルはまた
煽るよう様な事を、僕に言う

——言いたい事?それはもう、たくさんあるよ

言いたい、滅茶苦茶言いたい
けれどもユミル、ちょっと考えてよ

——僕が君に、ソレを言うの?


350 : 2013/11/07(木) 00:29:19 ID:FCetq0DY

惚れられている側が、惚れている側の人に

貴女は私の事を、異性として見て
なおかつ好意を持っているからこその、行動なんです——と

あぁ、だめだ
少し遠まわしにしようとしたら、ものすごく硬い文章になっている

でも、どちらにしても
それって、言葉の一つを間違えたら「自惚れ野郎」の称号を得てしまうんですけど

そんな事を、僕に強要するの!?

——誰か、助けて

そうは思っても、ここには助けてくれる人は誰もいない

せいぜい伸びている男子が
少し離れた所に、転がっているだけだ


371 : 2013/11/07(木) 01:23:57 ID:FCetq0DY

「そして?」
「ありがとうなって、言って……それでお終い」

そう言うと、「そう」と少しだけ残念そうに返した
次いでベルトルトは、未だに意識を覚ましていない三人の方を視線で示す

「うん、じゃあ彼等は?」

その言葉に、少し息を詰まらせながらも従う
もしかしたら何処か、期待をしていたのかもしれない

「発情しているのかって、言われて」
「うん、発情しているの?」

言った傍から、尋ねられてしまった

「うん」とも「いいえ」言いづらかったので、かぶりを振る
そんな恥ずかしい事を、至近距離で言わないで欲しい


382 : 2013/11/07(木) 01:50:56 ID:FCetq0DY

-Side Y-

数日後

「どうしよう」

ユミルは、振ってきた声に顔を上げた

そこには192センチの、大柄な青年
先日私が——「彼限定の発情期」と言う物を催していると言う事が、発覚した男

まぁ所謂
恋のお相手だと、認識できた青年の姿だった

現在、私の症状は収まっている
彼が指摘してくれたお陰だ

事前の心構え
それが恋にこんなにも必要な物だとは、私は初めて知った


387 : 2013/11/07(木) 02:03:42 ID:FCetq0DY

信じられるか
今回の更新、本文だけで105レスなんだぜ

全五回の描写を載せて終了予定なので、残りは三つ

でも残りの三つは、文章的には最初の「ちゅー」くらいの長さなので
それぞれ一回づつの更新で終わります

皆様エネル源のコメントありがとうございました
もう少しお付き合いくださいませ


388 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/07(木) 02:08:02 ID:1QVrZBuc
羨ましいんだよっ!
て気分にさせられたわ
こんちくしょー

389 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/07(木) 02:40:35 ID:PjFn.QB2
乙!!
画面の前でゴロンゴロンのたうち回りながらリロードボタン押しまくってた。
なんなのこいつら。くっそかわええww

1の文章は、なんというか、読んでて安心出来る文章だと思う。
気づいたら全文読み終わっていたというか、物語の流れ、キャラの心情に集中出来るというか

何が言いたいかって言うと、1の書いたお話をもっと読みたいんだぞコノヤロー!!です。


390 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/07(木) 07:52:41 ID:0aO9tj2M
うわああああ私も転げまわりたいww何なのこの甘酸っぱさww
無自覚から自覚するまでの流れがすっごい丁寧に描かれてていいわーこれ。

391 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/07(木) 09:30:53 ID:qJpD0bY.
乙!!
ベルトルさんの「俺が」に悶え狂ったわ!!!!!イケメンすぎるだろ!!!!!!

392 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/07(木) 13:46:10 ID:PjFn.QB2
てか今更だし二回目になるんだけど、本当に乙です!!
超大量更新ありがたかったけど大変だったろうに……

本当にありがとうございやした!!!!!


393 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/07(木) 15:56:10 ID:RFbIByC2
大量更新ありがとう、待っててよかった!

きゅんきゅんして出来る事なら枕に顔うずめてジタバタしたいw


394 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/07(木) 17:54:20 ID:NPRJf9RA
大量更新歓喜!
105って、凄いな!読みごたえあって嬉しいよ!乙!

395 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/07(木) 21:23:35 ID:Q38dB2Zs

ほんとベルユミに外れは無いよなぁ。

396 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/07(木) 23:53:08 ID:/1w6Nojo
きゃっほぅ!
鏡と鶏用意して全裸で踊り狂った甲斐があったってもんだ!

なんだよ、普段空気のクセにこのイケトルトさんは!
なんだよ、「俺」って不意打ち過ぎるだろ!!
そして、ユミルさまベタ褒めですやんwww
やだもー、ニヤニヤが止まらない(*´Д`)


397 : 2013/11/09(土) 04:24:18 ID:rPeTSCIc

>>388 それきっと、書いた本人が一番思っているかも!

>>389 安心できる文章とか、気付いたら読み終わっていたとかありがとうございます!
駄文書きですが、コメを励みに頑張るぞこのやろー!

>>390 丁寧と言われて嬉しいです、ちょっとくどすぎるかもと思っていたので

>>391 そこは書いていて、当方も悶えてました

>>392 二回目のコメ、滅茶苦茶嬉しいです

>>393 ではユミルさんの膝枕でじたばたしてください

>>394 105と言う数字は、当方もビックリしました

>>395 当方の駄文を「外れの無いベルユミ」に入れて下さるとは

>>396 ま、まだ全裸で踊っていたのか!
普段の「僕」からの重要ポイントでの「俺」化は破壊力がありすぎてニヤニヤが止まんない

>>396さんへの他スレでの返信
なんか指摘されると恥ずかしいですね!穴があったらダイブしたい、と言うか超大型巨人のお口にダイブしくなっちゃいました

では描写行きます


402 : 2013/11/09(土) 04:37:32 ID:rPeTSCIc

きっぱりと、ライナーを警戒している事を口にすると
彼は「酷いなぁ」と苦笑しながら、少しだけ親友をフォローする

「ライナーは紳士だって、君も知っているだろ?」
「それでも——親鳥は、雛に外敵が近づいてきたらつつくもんさ」

すると、こちらの言葉を踏まえて

「じゃあ僕は、クリスタにつつかれちゃう?」

ベルトルトは、自分が同じく求愛して捕まえた者

つまり、ユミルを
雛と例えて疑問を口にした

それに対して、まるで呆れた様な口調で
でも内心、嬉しく思いながら

「まぁ私は雛なんて柄じゃない、が……クリスタの頭突きは痛いから、注意しろよ」

ユミルは返答と、小さな忠告を一つ伝える


432 : 2013/11/10(日) 12:55:19 ID:SACQsCKI

——なに、その理由

そんな感想が、僕の心を駆け抜けてゆき

次には
別の感情が、押し寄せてきた

可愛い可愛い
えぇっなにその表情、潤んだ目

口元に指を持って行って、恥ずかしそうな仕草してる
なにそれ、可愛い

前から思っていたのだが
ユミルの「発情期」は、すっごく幼い

でもそこがまた、魅力的だ

彼女の方が年上なのに
僕の方が、“そう”言った感情をたくさん知っていて

“それ”を教えていきたいと言う
僕が少しだけ立場が上の感覚が、また男心をくすぐる


435 : 2013/11/10(日) 13:00:02 ID:SACQsCKI

——本当は、僕も「気持ちいい」事をしたいけれど

もしかしたら
僕も、彼女の「幼い発情期」が伝染してしまったのかもしれない

とりあえずはこの

抱きしめると言う行動と
彼女に、頬を寄せられると言う仕草で

もう
いっぱいいっぱいになってしまった

つまり

ここから先の
僕が彼女に“教え込みたい”愛情表現は

また
次の機会へと、持ち越しになったのである

ベルトルトとユミルの【ハグと頬ずり】


461 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/10(日) 22:53:45 ID:EQzzmuXY
名前 こにーすぷりんがー16さい
住所 だうぱー村
でんわばんごうってなんだ?

…冗談です。蛇足希望します。ユミルの本当に性器ついてんのかわからないくらいな初心っぷりが可愛かった


462 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/10(日) 22:55:19 ID:Xtyfd6rU
おつ。泣いた。

蛇足閲覧希望。全力で希望。むしろ全裸で希望。
会話文だけのさっぱりしたラストも良かったけど、それまでの描写たっぷりりりーんな感じもすごい好きだよー!
ふたりの価値観の違いというか、大切にしてるものが最後の最後まで違うのが良かった
でも、それですれ違うような二人じゃなくて、それをよくわかってるからこそお互いを好きになったのかな、と思った。

あ、あと、最初のユミルがちゅーの夢を見るきっかけみたいなエピソードとかあったら……知りたいかも(小声


469 : 2013/11/12(火) 10:29:40 ID:R..1dAT2

ちなみにですが「別れ話とプロポーズ」の冒頭にある二人の会話は
分離させると一人づつの独白にしても読める様にしてます

機会があったら脳内で抜粋して読んでみて下さい

以下は

>>461さんの「ユミルの初心っぷり」
>>462さんの「ちゅーの夢を見るきっかけ」

に軽く答える山なし落ちなしの文です
先日言っていた蛇足ではありません


472 : 2013/11/12(火) 10:35:36 ID:R..1dAT2

お礼的な物だったら、何回かやった事もあるが
そう言った情の籠った物はしていないので、伏せてから伝える

舌を絡めた物でもなかったし

あと、一度だけ裏場の親父に「鞭で打ってくれ」と言われた事はあったが
それはまぁ、ぶって踏むだけだったので色々セーフだろう

全部服の上からだったし

……うん

うすら寒い事を思い出してしまった
この事は忘れて、目の前の少女に集中するとしよう

「クリスタ、ユミル。なんの話をしているんですかぁ?」
「サシャ」


495 : 2013/11/13(水) 01:13:47 ID:DtBb3uFg

私はと言うと
はじめてみたこいつの「涙」びっくらこいて

思わず、巨体を殴るのを止めてしまった
今思えば、それがいけなかった

殴るのが止まった途端、こいつはまた
持てる限りの力全てを使って、抱きしめてくる

死闘を繰り広げ、いろんな部分が欠損している体をだ

かなり、痛かったので
ベルトルトの顔を掴みあげ

その耳元で

「痛いっつってんだろ!!この童貞野郎っ!!!」

と、叫んだら
ライナーも目を覚ました

単語に身に覚えでもあったのか
心なしか、冷や汗をかいている様に見える


496 : 2013/11/13(水) 01:16:10 ID:DtBb3uFg

と、言った経緯で
私とライナーは、夢の内容を聞く事となった

ベルトルトは、定番の体育座りをしながら
時々リアルに思いだすのか、体をびくびく揺らしながら語る

要約すると

私が牢屋の中で、手足が欠けて目が見えなくて
鼓膜も片っぽ破れていて

しかし、ベルトルトはボロボロだが五体満足だった

まず
ここが不公平だと思う

体がボロボロの私が、ベルトルトに「結婚できない」言うが
ベルトルトが「健やかなる時も病める時も……」の下りを言うと、何故か速攻頷いたそうな

うん、ここもおかしいよな?

二人で「奥さん」「旦那さま」と言い合いながら
ついでに来世の約束までして「幸せだねぇ」と言い合った

なんだそれ、何処のチープな恋愛小説だ
第一、何故巨人なのに回復していない


503 : 2013/11/13(水) 01:36:38 ID:DtBb3uFg

終わりました

最初はキス描写で終わらせるつもりだった
馴れ初めも、時軸的には一日だからもっと短くなるはずだった

そして【別れ話とプロポーズ】で終わるはずだったのに!

と言う「思いの他、長くなった」が何度も起きた作品でしたが
これにて終了します

今まで読んで下さった皆様も
これから読むであろう皆様も、本当にありがとうございました

最後に長編が完結したので、最後に執筆した物リストを提示します


504 : 2013/11/13(水) 01:40:34 ID:DtBb3uFg

長編
○「ベルトルトとユミルの……」
○ユミル「は?人が二人に分裂する薬……?」

短編
○ベルトルト「君の願いが、叶ったよ……エレン」
○ライナー「俺はクリスタと結婚したい」
○ベルトルト「いっただっきまーす」
○エレン「俺はユミルが好き」
○ユミル「ミドルなライナー」
○エレン「短編を」ライナー「三編」ベルトルト「纏めて載せるよ」
○リヴァイ「大人しくしろ」ユミル「嫌だぁ!離せよ!!」

未完結
○エルヴィン「養女にならないか?」ユミル「……は?」

停滞、ごめんなさい
○ベルトルト「文通以上」ユミル「そして、恋愛未満」

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