-
1 : 2012/10/14(日) 20:29:50 -
男「まったく、幼は…」
幼「ご、ごめん」
男「今回は俺が見つけられたから良かったけど…」
男「こんな所で迷ったら、幼一人じゃどうにもなんないだろ」
幼「見つけてもらえてラッキー…だったね?」
男「まったく…電車から降りて5秒ではぐれるとは」
幼「えへへ。申し訳ないです」
男「…俺の手、しっかり握ってろよ」
幼「う、うん」
※このssは
幼馴染「ラッキー!」男「また?」
http://jbbs.livedoor.jp/internet/14562/storage/1344254304.html<
の、続きの話しです
ソース: http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1350214190/
-
2 : 2012/10/14(日) 20:30:12 -
男(とっさに握っちゃったけど、なんかちょっと照れるな…)
幼(男に手、握られてる…)
幼(手を繋ぐのなんて、別に何ともないはずなのに…何か照れちゃうな)
幼「ま、まぁ日本語通じるんだからさー」
幼「迷っても、その辺歩いてる人に聞けばわかるよ、多分」
男「それでもだよ、俺が心配なんだよ」
幼「ありがとね、男」
-
3 : 2012/10/14(日) 20:31:03 -
男「しっかし、さすが大都会。人が多いなぁ」
幼「そうだねぇ。沖縄じゃ考えられないねー」
幼「男、道はわかるの?」
男「あぁ、一応ガイドブックは買ってきた」
幼「あとはスマホで何とかなるだろう」
幼「スマホ使いこなして、何か都会人みたいだよ、男」
男「ま、普段はあまり使わないんだけどなー」
男「こんな時くらいは役に立ってもらわんとなー」
男「ちょっと待っててな」
ピッピピッ -
4 : 2012/10/14(日) 20:31:37 -
幼「あ、あんな所に…」
グイッ男「ん?、幼どうした?」
幼「あ、ごめん、手握ってたんだった」
幼「あそこに、財布っぽい物が落ちてるから、拾おうかなーと思って」
男「ん、拾って、駅員さんに届けるべきだな」
幼「うん、ちょっと行ってくる。ね?」
-
5 : 2012/10/14(日) 20:32:15 -
男「俺、ちょっと道調べてるからさ」
幼「大丈夫だよ、ほんの数メートルだよ」
男「ん、人ごみに流されないようにしろよ?」
幼「大丈夫だよ。行ってくるね」
タタッ幼「よっと…わぁ、可愛い財布だなぁ」
幼「革の財布かぁ…何か暖かい感じだなぁ」
幼「これって…手作りかな?」
幼「あっと駅員さん、駅員さん…」
-
6 : 2012/10/14(日) 20:32:37 -
幼「あのー、すみません。これ、落とし物です」
駅員「あぁ、どうもありがとう」
幼「いえいえ。それでは…」
息を切らした女「あ、あの、すんませんっ!」
ハアッハアッ駅員「はい、なんでしょうか?」
息を切らした女「あ、あの…お、落とし物で…財布、届いてませんか?」
ハァハァ -
7 : 2012/10/14(日) 20:33:02 -
駅員「どんな財布でしょうか?」
息を切らした女「えっと…現金は…そんなに…入ってなくて」
ハァハァ息を切らした女「ディズニーリゾートの年間パスポートが入ってて…」
駅員「外見は?」
息を切らした女「あ、えっと、革で出来てて、茶色いです!」
ハァハァ駅員「ひょっとして、これかな?」
息を切らした女「あ!それ!それです!」
ハァフゥ -
8 : 2012/10/14(日) 20:33:34 -
駅員「一応中身を確認させてもらってもいいですか?」
息を切らした女「はい!どうぞどうぞ!」
ハァフゥ幼「あの、大丈夫ですか?」
息を切らした女「あ、うん。大丈夫大丈夫」
ハァ息を切らした女「久々にちょーっと走って、息が切れてるだけだから」
フゥ -
9 : 2012/10/14(日) 20:34:13 -
駅員「…間違いなさそうですね。はい、どうぞ」
財布が見つかった女「良かったぁ…」
駅員「この子がたった今届けてくれたんですよ」
財布が見つかった女「あ、ありがとうございます!」
財布が見つかった女「お礼、しなきゃね!」
幼「あ、いえいえ。良かったですね見つかって」
財布が見つかった女「お礼するよ!遠慮しないで!」
-
10 : 2012/10/14(日) 20:34:48 -
財布が見つかった女「この財布、すっごく大切な物なんだー」
幼(すっごく嬉しそう…)
幼(ん?この人…どこかで会ったっけ?)
見覚えのある女「ん?何?私の顔に何か付いてる?」
幼「あ、じっと見ちゃってごめんなさい」
幼「あの、私とどこかで会った事ありませんか?」
見覚えのある女「んん?言われて見れば…どこかで会ったような?」
見覚えのある女「うーん?どこで会ったっけ?」
-
11 : 2012/10/14(日) 20:35:29 -
幼・見覚えのある女「…」
幼「あ!思い出した!」
幼「あの、てだこ祭りの浴衣コンテストで優勝した方ですよね?」
見覚えのある女「うん?ううん?そうだけど…」
幼「あ、私、あの時、2位だった者です!」
祭りで会った女「あ!あぁ!あぁ!思い出した!」
祭りで会った女「私にリゾートホテル宿泊券をくれた人!」
-
12 : 2012/10/14(日) 20:36:05 -
祭りで会った女「ごめんごめん!髪下ろしてるから、わかんなかった!」
祭りで会った女「あの時はありがとね!」
幼「あ、いえいえ、こちらこそ!」
幼「あの時はありがとうございました」
ペコッ幼「おかげさまで今日、ココにに来られました!」
祭りで会った女「あ、そうなんだ?あの時の賞品で来てるんだ?」
幼「はい、友達と二人で…」
-
13 : 2012/10/14(日) 20:37:06 -
祭りで会った女「あ、今からランドに行く感じ?」
幼「はい、あそこで携帯いじってるのが、その…友達です」
祭りで会った女「へー。ね、あれって彼氏?彼氏?」
幼「あ、は、はい、そうですね。えへへ」
祭りで会った女「へー?へー!あ、私もね、彼氏と来てるんだ!」
祭りで会った女「あ!しまった!あいつの事、待たせてるんだった!」
祭りで会った女「行かなきゃ!それじゃ!」
祭りで会った女「拾ってくれてありがとね!」
幼「あ、はい!さようなら」
祭りで会った女「ばいばーい!」
タッタッタ -
14 : 2012/10/14(日) 20:37:40 -
・
・
男「遅かったな、幼」幼「ごめんね。財布の持ち主がすぐに見つかってね」
男「ほう。そりゃあ良かったな」
幼「それがねー、なんとてだこ祭りの時、旅行券をくれた人だったんだー」
男「はー?なんつー偶然!」
幼「ねー?結構凄い偶然だよねー?」
-
15 : 2012/10/14(日) 20:38:20 -
男「で、その人は?」
幼「彼氏さんを待たせてるからって、走って行っちゃった」
男「そっか。幼、また一つ良い事したな~」
幼「えへへ。財布見つけたのは偶然だけど良かったよ」
男「それじゃ、そろそろ行くかー」
幼「うんっ!」
-
16 : 2012/10/14(日) 20:38:50 -
男「まずはホテルに荷物預けてこよう」
男「時間が早いからチェックインはまだ無理だけど」
男「荷物は預かってもらえるはずだからさ」
幼「はーい」
幼「それにしても、リュックにして大正解だったね」
男「おう。姉ちゃんが言ってたんだ」
男「トランクより、リュックに入る分だけの荷物にしろって」
男「身軽に動けるし、両手自由だし」
ギュッ
男「こうやって手も繋げるし、な?」
幼「…うん!」
-
17 : 2012/10/14(日) 20:39:28 -
・
・
『ランド入口』男「おぉ…」
幼「凄いね…」
男「おう、想像以上に夢の国だな…」
幼「私たち、場違いじゃない?」
男「そんな事ないだろうよ…多分」
男「さぁ、行くぞ!」
幼「う、うん!」
-
18 : 2012/10/14(日) 20:39:50 -
幼「何から行く?」
男「幼の好きな奴から行こう」
幼「うーん。私、どれが良いのかわからないよ?」
男「そんじゃ、適当に行くか!」
男「きっと行列出来てる奴が面白い!」
幼「うんっ!」
-
19 : 2012/10/14(日) 20:40:23 -
『120分待ち』
男「うぇー…2時間って…」
男「これがディズニーランドの洗礼か…」
幼「どうしよう、違うのにする?」
男「いやー、どっちにしろ並ばないとだろ?」
男「このまま並ぼうぜ」
幼「そうしようかー」
-
20 : 2012/10/14(日) 20:41:12 -
さっきの女「おーい!あなた達…」
幼「あ、さっきの!」
知らない男「誰?知り合い?」
さっきの女「この子だよ、さっき話してた子」
さっきの女「財布拾ってくれたの、この子なの」
しらない男「あー、それはそれは」
知らない男「あの時はありがとうざいました」
知らない男「あなたがくれたリゾートホテル宿泊券のおかげで」
知らない男「沖縄の旅が100倍楽しめました」
-
21 : 2012/10/14(日) 20:41:55 -
幼「えっと…いえいえ、こちらこそですよ」
さっきの女「あ、自己紹介まだだったよね!」
さっきの女「私は千葉女、こっちは千葉男」
千葉男「よろしくー」
幼「私の名前は幼って言います」
男「男です、どうも」
千葉女「よろしくね!幼さん!」
幼「こちらこそ、千葉女さん」
-
22 : 2012/10/14(日) 20:42:19 -
千葉男「で、今からこれに並ぶの?」
男「はい、人が並んでる奴なら面白いかと思って」
千葉女「ははーん、二人とも、初心者だね?」
幼「はい、初めて来ましたから」
千葉女「それじゃあ、私たちが案内してあげよう!」
千葉女「いいよね?千葉男!」
千葉男「いやだっつっても行くんだろ?良いよ」
千葉男「それに財布拾ってくれた恩も、きちっとかえさないとな」
-
23 : 2012/10/14(日) 20:43:08 -
幼「そ、そんな、悪いですよ」
千葉女「まぁまぁ、あの賞品券、確か3泊4日だったでしょ?」
千葉女「今日で回り方覚えて、明日と明後日、二人で楽しめばいいじゃん!」
千葉男「お礼がしたいんだよ、こいつ」
千葉女「こいつ言うな!」
幼「わかりました、それじゃ道案内お願いします!」
幼「良いよね、男?」
男「もちろん。よろしくお願いします!」
-
24 : 2012/10/14(日) 20:43:50 -
千葉女「うんうん!ダブルデートだね!」
幼「は、はいっ」
千葉女「それじゃまずねー」
千葉女「この列に並ぶの止めてー」
・
・
千葉女「わかった?」男「こんな順番の取り方があるんですね」
千葉女「フフフ基本だよ、基本」
千葉女「さて!それじゃあ、待ってる間、一カ所行ってみようか!」
千葉男「えー、最初に観るのがアレって駄目じゃないか?」
千葉女「いいじゃん!すぐそこだよ、すぐ見れるし!」
-
25 : 2012/10/14(日) 20:44:26 -
・
・
千葉女「ね?どうだった?どうだった?」男「あ、あの、正直に言っていいっすか?」
千葉女「うんうん!」
男「イマイチでした…」
千葉女「でしょでしょ?」
幼「え?」
-
26 : 2012/10/14(日) 20:44:54 -
千葉女「私、来る度にコレ見るんだけどさぁ」
千葉女「何回見ても、良さがわからないんだよねぇ」
千葉女「マイケルはカッコ良いんだけどさー」
男・幼「…」
千葉男「ほら、二人が引いてるだろ」
千葉男「ごめんな、二人とも」
男・幼「い、いえ」
-
27 : 2012/10/14(日) 20:45:34 -
千葉女「さぁ、最初に微妙な気分になったなら…」
千葉女「あとは上がるだけだよ!テンション上げて行こう!」
男・幼「は、はいー」
千葉女「私としては、マウンテンは全部制覇して欲しい!」
千葉女「レッツゴー!」
幼「はいー」
男「千葉女さん、テンション高いですね」
千葉男「いっつもこんな感じなんだよ、あいつ」
-
28 : 2012/10/14(日) 20:46:04 -
・
・
男「す、凄かったなー」幼「そ、そうだね…凄かったね…」
千葉女「どう?初めてのディズニーランドは?」
幼「はい!凄いですねー」
千葉女「最初に軽いがっかり感を味わった事が」
千葉女「他のアトラクションをより一層輝かせてるんだよ!」
千葉男「それはどうかと思うがな…」
-
29 : 2012/10/14(日) 20:47:09 -
千葉女「さぁ、次はこっちだよ、こっち!」
グイッ男「ちょ、千葉女さん?」
千葉女「いいじゃん!早く行かないと!」
幼(あ…腕、組んでる…)
幼(千葉女さん、楽しそうだなぁ)
千葉男「ごめんね、幼さん」
千葉男「あいつ、今、ちょっとおかしいんだ」
幼「え?い、いえいえ、別に私は何も…」
-
30 : 2012/10/14(日) 20:47:57 -
幼(あれ?…)
幼(何だろう、胸がモヤモヤする…)
幼(こんな気持ち、なった事ない…)
幼(いつもなら男に相談するけど…)
幼(…どうしてだろう、何か…怖い…怖い?)
千葉女「おーい!二人とも早く早く!」
千葉女「次のマウンテンに行くぞー!」
幼「は、はーい」
-
31 : 2012/10/14(日) 20:48:23 -
幼(…何だろう、やっぱりモヤモヤする)
幼(気持ちがざわついて…やっぱり怖い…)
千葉男「…」
千葉男「おい!ちょっとこっち来い!」
千葉女「な、何よ!」
千葉男「いいから、ちょっと来い!」
グイッ -
32 : 2012/10/14(日) 20:48:55 -
男「ふぅ…やっと解放され…ん?どうした幼?」
幼「え?な、何が?」
男「何か、顔色悪いぞ?大丈夫か?」
幼「あ、うん。大丈夫だよ、男」
幼「ちょっと人ごみに酔っただけだよ、うん」
男「そうか…?きつくなったら言えよ?」
幼「ありがと、男」
-
33 : 2012/10/14(日) 20:49:31 -
幼(…ホッとした)
幼(でも何だったんだろう、さっきのモヤモヤ…)
男「しっかし凄いよなぁ」
幼「えっ?」
男「いや、沖縄にはこんなアトラクションとかないじゃんか?」
男「生まれて初めて乗ったけど、凄いもんだよなぁ」
幼「そ、そうだねー。ビューンってなったり、ガタンってなったりねー」
幼「どれも未知の感覚だよねー」
-
34 : 2012/10/14(日) 20:49:53 -
幼「…」ハァ
男「…幼、やっぱり調子悪い?」
幼「え?だ、大丈夫だよ?」
幼「全然平気だから、心配しないで?」
男「幼は無理するタイプだからなぁ」
幼「ホントに大丈夫だから!ね?」
男「…」
-
35 : 2012/10/14(日) 20:50:24 -
・
・
千葉男「待たせてごめんな、二人とも」千葉女「…」
千葉男「ほら、言う事あるだろ?」
千葉女「う、その…はしゃいじゃって、ごめんなさい」
千葉男「まったく…はしゃぎすぎだ、お前は」
千葉女「ごめんね?」
-
36 : 2012/10/14(日) 20:50:45 -
幼「あ、こちらこそ、すみませんっ」
幼「逆に気を遣わせてしまって…」
千葉男「いやいや、謝るのはこっちだよ」
千葉男「振り回しちゃってごめんなー」
男「や、もうここはお互い、謝るのナシにしましょうよ」
男「せっかくの夢の国なんだから」
男「楽しまないと損ですよ!」
-
37 : 2012/10/14(日) 20:51:28 -
千葉女「そ、そうだよね!だよねー!」
千葉男「確かにそうだけど、お前が言うな」
ポカッ千葉女「すいませんっ!調子のってホントすんませんっ!」
幼「ふふっ。お二人お似合いですねー」
千葉女「そう?そう?そう見える?」
幼「見えますよー。凄くお似合いです」
-
38 : 2012/10/14(日) 20:52:03 -
千葉女「えっへっへー。だってよ?千葉男?」
千葉男「…ありがとね、幼さん」
千葉女「照れてる照れてる!にへへー」
千葉男「ゴホン!まぁそんな訳でさ」
千葉女「どんな訳だー!」
千葉男「茶化すなよ!」
千葉女「サーセン!サーセン!」
-
39 : 2012/10/14(日) 20:52:25 -
千葉男「ここからはちょっとゆっくり見て回ろうぜ?」
千葉女「アトラクション以外にも、見て回るもの、いっぱいあるからね!」
千葉男「道案内するからさ」
男「そうしましょうか」
幼「宜しくお願いしますー」
-
40 : 2012/10/14(日) 20:53:19 -
・
・
男「いや、本当にまったく…想像以上です」千葉男「初めてだもんな。色々ビックリだろ?」
男「ビックリだらけですよ」
幼「まさか、ミッキーとミニーにも会えるなんてー」
千葉女「たまーに歩いてるんだよ」
幼「はー…本当に、色々あるんですねー」
-
41 : 2012/10/14(日) 20:53:46 -
千葉女「ふふふー凄いでしょ?一日じゃ、絶対回りきれないよ!」
千葉男「なんでお前がドヤ顔なんだよ」
千葉女「いいじゃん別に!」
幼「ふふっ」
千葉女「えへへー楽しいね、幼さんっ」
幼「はい!とっても楽しいです!」
幼「本当に来て良かったです」
-
42 : 2012/10/14(日) 20:54:42 -
千葉女「そう言ってもらえると、旅行券あげた私も心晴れ晴れだよ!」
千葉男「その代わりに俺たちはリゾートホテルに泊まれたんだから」
千葉男「おあいこだろ」
千葉女「それはそうだけどさー」グゥ
全員「…」
幼「そ、そういえば、お昼食べてませんでしたね」
千葉女「お恥ずかしい…でもさすがにお腹空いたー」
男「楽しすぎて、時間経つの忘れてました…もう夕方なんですね」
千葉男「それじゃ、何か食べようか」
千葉女「賛成!賛成ー!」
-
43 : 2012/10/14(日) 20:55:28 -
千葉女「行きたいレストランは…って聞かれても解んないよね?」
幼「はい、全然わかりませんー」
千葉男「じゃ、カレー食べに行こう!」
千葉女「えー?またカレ−?違うやつにしようよー」
千葉男「いいじゃん、カレー。な?二人はどうよ?」
幼「えーっと…」
男「俺ら、全然わかんないんでお任せします!」
千葉女「いやいや!せっかくの旅行なのに!カレーとか!一番無い選択でしょ!」
千葉男「…じゃあ、ブルーバイユーとか?」
千葉女「いいねー!今日は奮発して、そうしちゃおうよ!」
-
44 : 2012/10/14(日) 20:56:01 -
千葉女「ちょこーっとお高いけど、カレーよりは良いよね?」
男「俺らは大丈夫です!」
男「観光地のご飯が少々お高いのはわかってますから!」
千葉女「なら、レッツゴー!」
千葉男「俺ら普段は軽いやつしか食べないんだよ」
千葉男「食費削る感じだからさ」
千葉女「でもでも!今日くらいは良いよね?」
千葉男「まぁ、そうだな。今日は特別だな」
幼「じゃあ、行きましょう!私もお腹空きましたー」
-
45 : 2012/10/14(日) 20:56:37 -
・
・
『レストラン』千葉男「席、空いてて良かったなー」
男「なにせウチには、幸運の女神様がいますからね」
男「あ、そういえば、ちょっと質問が」
千葉男「ん?何?」
男「お二人、何歳ですか?」
千葉男「二人とも17歳、高2だよ」
男「おっと、同い年だったとは!?」
-
46 : 2012/10/14(日) 20:57:54 -
千葉男「え?」
千葉女「え?マジで?タメなの?」
幼「えー。お二人、年上だと思ってました」
千葉男「完全に年下だと思ってた…」
千葉女「同じ17歳…どうしてこんなに差が…」
幼「え?」
千葉女「ちょっと幼さん…こっち来て」
幼「はい?」
千葉男「おい、また変な事言ったりすんなよ?」
千葉女「うっさい!」
-
47 : 2012/10/14(日) 20:58:32 -
・
・
千葉女「ちょっと質問なんだけどさ」幼「はい?」
千葉女「ね、男君とその…お付き合いして長いの?」
幼「いいえ。その、私と男は幼馴染なんですけど」
千葉女「マジで?私と千葉男も幼馴染なんだよ!」
幼「そうなんですか?」
-
49 : 2012/10/14(日) 20:59:39 -
千葉女「家もすぐ隣りなんだよっ」
幼「あ、私たちもそうなんですよー」
千葉女「へー!へー!私たちって、何か似てない?」
幼「そうですねー。なんだか、昔から知ってるような…そんな感じしますねー」
千葉女「ね、突然だけど、アドレス交換しない?」
幼「はい?」
千葉女「私たち、何か縁があるなぁと思って!」
-
50 : 2012/10/14(日) 21:00:16 -
千葉女「それで、友達になれるんじゃないかなと思って!」
幼「あ、は、はいっ」
千葉女「それじゃ、早速っ!」
ピッ幼「はい!」
ピッ千葉女「…これで良しっと」
千葉女「ねぇねぇ、それでさぁ?」
幼「はい?」
-
51 : 2012/10/14(日) 21:01:07 -
千葉女「さっきの質問に戻るんだけど」
千葉女「男君とお付き合いしだして長いの?」
幼「えっと、男女としての付き合いは、全然ですよ」
幼「あの…告白して、付き合い始めたのが、実は先週なんですよ」
千葉女「えー?そうなの?」
千葉女「あー、でも小さい頃からずっと一緒に居たんだよね?」
幼「はい。保育園からずっと一緒です」
-
52 : 2012/10/14(日) 21:01:56 -
千葉女「…来年受験でしょ?大学も一緒の大学に行く?」
幼「うーん、どうでしょう。まだ受験の事とか、考えてないです」
千葉女「将来の事とか、考えたりする?」
幼「えーと、まぁ、はい。それは考えたりします」
千葉女「男君のお嫁さん?」
幼「一応、はい。お嫁さん希望ですね、はい。えへへ」
千葉女「だよねだよね。やっぱりそうだよね」
-
53 : 2012/10/14(日) 21:03:31 -
千葉女「私もそうなんだけどさぁ」
幼「ん?」
千葉女「ちょっとね、将来について意見の相違があって」
千葉女「最近、実は喧嘩気味なんだよね」
幼「でも、お二人、もうすでに夫婦みたいな感じに見えますよ?」
千葉女「そうかな?へへへー。ありがと幼さん」
幼「ホントですからー」
-
54 : 2012/10/14(日) 21:04:11 -
千葉女「それと…さっきはごめんね?」
幼「え?」
千葉女「男君と腕なんか組んじゃって」
千葉女「私、ちょっとやり過ぎだったよね」
千葉女「ごめんっ」
幼「あ、あの…いいですから。大丈夫ですから」
千葉女「いーや!私にはわかるよ、幼さん!」
千葉女「あなた、優しいから、無理してるでしょ?」
-
55 : 2012/10/14(日) 21:06:05 -
幼「う…無理、してる様に見えますかね?私…」
千葉女「私と男君が、腕を組んでいるのを見て、何か思ったでしょ?」
幼「それは…ちょっと、モヤモヤした気分になって…」
幼「不安で、怖い気分に…なりました」
千葉女「それを人は嫉妬って言うんだよ!」
幼「嫉妬…」
千葉女「私たちもそうだったから、ちょーっと言わせてもらうけどさ」
-
56 : 2012/10/14(日) 21:07:08 -
千葉女「小さい頃からずーっと一緒に居て、もう周囲から見たらさ」
千葉女「恋人同士に見えてたと思うんだ」
幼「…」
千葉女「だからそんな二人の間にさ」
千葉女「割って入ってくる人なんて居なかったんじゃないかな?」
幼「…そうかもしれません」
千葉女「二人がお互いの事、大事に思ってるの、すっごく良くわかる」
千葉女「だから、本当に好きな人の事、疑っちゃダメだよ?」
-
57 : 2012/10/14(日) 21:08:49 -
千葉女「幼さんだけじゃなくて、男君も優しいからさ」
千葉女「私みたいなタイプの女の子が、男君の側に現れたらさ」
千葉女「グイグイ来られたら、あまり強く拒否出来ないと思うんだ」
千葉女「実際さっきもそうだったでしょ?」
千葉女「でも絶対、男君は、幼さんの事が好きだから」
幼「そうでしょうか…」
千葉女「絶対だから!見てれば解る!」
幼「は、はい…」
-
58 : 2012/10/14(日) 21:09:20 -
千葉女「それと、これを」
ゴソゴソ
ギュッ幼「え?こ、これって…」
千葉女「あげる!今夜、同じ部屋で寝るんでしょ?」
幼「は、はい」
千葉女「…頑張って!」
-
59 : 2012/10/14(日) 21:09:42 -
千葉女「幼さんが今思ってる事、ちゃんと男君に話して!」
千葉女「後は成り行きに身を任せてれば良いと思うよ!」
幼「はい…」
千葉女「絶対!大丈夫だから!」
千葉女「それじゃ、そろそろ席に戻ろうか!」
幼「はいっ!」
-
60 : 2012/10/14(日) 21:10:39 -
・
・
・
千葉女「さぁ、お腹も膨れた所で!時間も丁度いい感じ!」千葉女「最後はいよいよお待ちかねの!」
千葉男「パレードね。早めに行って場所取ろう」
千葉女「いい場所知ってるからね!付いて来て!」
幼「はいっ!」
-
61 : 2012/10/14(日) 21:11:17 -
・
・
千葉女「ここ!ここで待ってればよく見えるよ!」幼「わぁ…凄い人の数…」
千葉男「びっくりするよ、きっと」
男「楽しみです」
ギュッ
男「ん?」
幼「はぐれない様に…ね?」
男「おぅ」
-
62 : 2012/10/14(日) 21:11:53 -
・
・
『パレード』男「すっげー…」
幼「本当に、凄い…」
千葉男「何度見ても綺麗だな、千葉女」
千葉女「そ、そうだね…」
千葉女「本当に…綺麗だね…」
-
63 : 2012/10/14(日) 21:12:37 -
千葉女「…あと、何回、一緒にこのパレードを見られるのかな」
千葉男「はぁ?何だそれ。何回だって見られるだろ?」
千葉女「…うぐっ」
千葉男「ん?どうした?…おい、泣いてるのか?」
幼「千葉女さん?どうかしたの?」
千葉女「な、何でもない!何でもないからっ!」
千葉男「何でもない奴が泣くかよ!」
-
64 : 2012/10/14(日) 21:13:12 -
千葉女「今日のパレードはひときわ綺麗だなーって!」
千葉女「感動してたんだよっ!」
千葉男「おい…嘘つくなよ、千葉女」
千葉女「わ、私は…私はっ!」
ダッ千葉男「おいっ!」
千葉男「あー、二人とも、ごめん!俺も行くわ!」
-
65 : 2012/10/14(日) 21:14:37 -
千葉男「パレード、楽しんでな!」
千葉男「縁が有ったらまた会おう!じゃな!」
幼「は、はい!千葉女さんによろしくって!」
男「また!」
幼「…行っちゃったね」
男「嵐の様な人たちだったな」
幼「うん、そうだねー」
-
66 : 2012/10/14(日) 21:15:39 -
男「浴衣コンテストの時も、漫才みたいな感じだったよ」
幼「ふふっ。夫婦漫才?」
男「そうだな。夫婦漫才だったな、あれは」
幼「…大丈夫かな?」
男「大丈夫だろう」
幼「だよね」
男「だよ」
-
67 : 2012/10/14(日) 21:16:26 -
幼「パレード、綺麗だね…」
男「手、離すなよ?」
幼「うん。絶対、離さないから」
男「…ずっと、傍に居ろよ」
幼「え?何?今何て言ったー?」
男「何でもない!しっかりパレード見ようぜ?」
幼「う、うん!」
-
68 : 2012/10/14(日) 21:17:19 -
・
・
『ホテルの部屋』幼「はぁ…パレードも花火も綺麗だったねー」
男「あぁ、凄かったなー」
幼「楽しかったけど、ちょっと疲れちゃったね?」
男「そうだなー。今日は色々あったもんなー」
幼「へ、部屋の中もディズニー満載だね?」
男「そうだなー。何か楽しい部屋だな?」
幼「あ、汗かいちゃったし、私、先にシャワー浴びてくるね?」
-
69 : 2012/10/14(日) 21:17:44 -
男「あいよ、どうぞー」
幼「そ、それじゃ、ね?」
男「おー。俺は明日どこ行くか、ガイドブック見ながら考えるー」
幼「う、うん…」
幼(シャワー浴びたら、言うんだ…)
-
70 : 2012/10/14(日) 21:18:36 -
・
・
幼「シャワー空いたよー?」男「お、おう。それじゃ俺もさっと浴びてくるかなー」
幼「う、うん。部屋の中だけじゃなくて、お風呂もこだわってるよ」
男(風呂上りの幼…別に見慣れてるはずなのに、何か…)
男(よ、よく考えたら、今日、同じ部屋で寝るんだぜ?)
男(…)
男(…ドキドキするな、オイ)
-
71 : 2012/10/14(日) 21:19:01 -
・
・
男「あー、さっぱりしたー」幼「ね、ここから見る景色も凄いよー」
男「おー。確かに凄い綺麗だなー」
男「こんなところに無料で来られて、本当にラッキーだなー」
幼「ラッキーだよねー」
男「幼がな?」
-
72 : 2012/10/14(日) 21:20:14 -
幼「えへへ。そうかな?」
男「今日だって、財布拾ってからの、千葉女さんと再会とかさー」
男「奇跡的なラッキーだと思うぜ?」
幼「えへへ。言われて見ればそうかもねー」
男「あぁ、ラッキーでハッピーさー」
男・幼「…」
-
73 : 2012/10/14(日) 21:20:58 -
男「そ、それじゃ、明日も早いし、そろそろ寝るか!」
幼「それじゃ、私、こっちのベッドで寝るね?」
男「おう、俺こっちなー」
幼「それじゃ、おやすみ、男」
男「お休み、幼」
男・幼「…」
-
74 : 2012/10/14(日) 21:21:48 -
幼(い、言えない…一緒に寝ようって…)
幼(やっぱりちょっと怖い…)
男(な、何も…ないよな…)
男(ガッカリしたような、ホッとしたような…)
男(複雑な気分だぜ…)
男(俺から行くべき…か?)
男(でもなぁ…)
-
75 : 2012/10/14(日) 21:23:18 -
・
・
30分後幼(…眠れない)
男(あぁ、悶々として、眠れねー)
モゾモゾ幼「…ね、男、起きてる?」
男「んー?幼、眠れないの?」
幼「う、うん」
-
76 : 2012/10/14(日) 21:23:53 -
幼(今!今、言うんだ!)
幼「あの、ね?い、一緒に寝てもいい?」
男「ん?いいぞ。じゃあ、ベッド寄せるか」
幼「あ、あのちがくて…男のベッドで、一緒に寝ても、いい?」
男「え?」
幼「ダメ…かな?」
男「い、いや、良いけど…」
-
77 : 2012/10/14(日) 21:24:18 -
幼「…じゃ、じゃあそっちに移るね」
男「お、おぅ」
ゴソゴソ
幼「お邪魔しまーす…」
男「狭いところですけど、どうぞどうぞ」
男・幼「…」
-
78 : 2012/10/14(日) 21:25:14 -
男(ほわーーーーっ!)
男(…背中合わせだけど)
男(幼と同じ布団で、寝るなんて、何年ぶりだ?)
男(超ドキドキする!!)
男「…ぅ」
幼「……」
-
79 : 2012/10/14(日) 21:25:39 -
男「…幼、何かあった?」
幼「えっ?な、何かって?」
男「急に幼がこんな事言い出すなんてさー」
男「俺は未だかつて経験した事のない事態に」
男「…結構、うろたえてるんだぜ?」
幼「ご、ごめんね、急に」
男「謝らないでくれよ」
-
80 : 2012/10/14(日) 21:26:32 -
男「あー…ひょっとして千葉女さんに何か言われたとか?」
幼「え、あ、うん。確かに千葉女さんにちょっと言われたけど…」
幼「こ、これは…私の問題だから」
男「そ、そうか…」
幼「…」
男「…」
-
81 : 2012/10/14(日) 21:27:43 -
幼「あ、あのね、男!」
男「う、うん?」
幼「男は、将来の事とか、考えてる?」
男「将来?」
幼「来年、3年生になるじゃない?」
男「あぁ、進学の事かー」
幼「あの、それよりもう少し先の事とか、さ?」
-
82 : 2012/10/14(日) 21:28:09 -
男「先?就職の事?」
幼「…もうちょっとだけ、先」
男「…」
幼「…」
男「あ…その、え?そう言う話し?」
幼「あの、昔の約束の事だけど、どうなのかなー?って」
男「…幼、言っておくけどな」
幼「何?」
-
83 : 2012/10/14(日) 21:29:03 -
男「先週、商店の店先でも話したけどさ」
男「あれは、俺の方から、お願いしたんだぜ?」
男「幼に、俺のお嫁さんになって欲しいってさ」
男「それに俺の心は昔から変わらないよ」
男「俺、何の取り柄もないけどさ」
男「幼の事、好きだ」
男「幼の事を一番に想い続ける事だけは、世界一だって自信がある!」
幼「…」
-
84 : 2012/10/14(日) 21:30:34 -
男「進学や就職の事はまだ全然考えてないけどさ」
男「俺が進む隣りには、幼が居てほしいって思ってる」
男「でも、それは俺のワガママだから」
男「もし、幼の方が俺に付き合うつもりが無くなったら…」
男「そう思うと、怖くもなる」
ゴソゴソ
ギュウッ -
85 : 2012/10/14(日) 21:31:10 -
男「お、幼?」
幼「わ、私が男以外の人を好きになるなんて、考えられないよ…」
男「そ、そうか?」
男(首筋に、幼の息が当たって、くすぐったい…)
幼「男、こっち向いて?」
男「ん」
クルッ男「…幼、泣いてるのか?」
-
86 : 2012/10/14(日) 21:32:04 -
幼「わ、私、今日ね」
幼「千葉女さんと、男が腕組んでるの見て」
幼「モヤモヤして、不安になって、怖かった」
幼「こんな気持ち、今までなった事なかったから」
幼「すっごく怖かったんだ…」
男「…」
幼「千葉女さんに、これが嫉妬なんだよって言われたよ」
-
87 : 2012/10/14(日) 21:33:01 -
幼「私、こんな感情知らなくて」
幼「今まで、周囲にそんな人居なかったからだって」
幼「言われて気付いたよ」
幼「確かに、今まで男の隣りは私が独占してたけど」
幼「これから先も同じとは限らない…」
幼「男が誰か他の人と一緒に、遠くに行っちゃったらどうしようとか」
幼「…夕方、パレードが始まるまで、ずーっとそんな事考えてたんだー」
-
89 : 2012/10/14(日) 21:35:02 -
幼「えへへ…私ちょっと妄想が激しいよね?」
幼「…1週間前までは、ただ一緒に居られるだけで、幸せだったのにね」
幼「もっともっと、傍に居たくなっちゃったんだー」
男「…不安にさせてごめんな、幼」
男「でも、大丈夫だから。俺には幼しか居ないから」
男「昔からずっと好きだから」
男「これからもずっと好きだから」
-
90 : 2012/10/14(日) 21:35:38 -
幼「…うん、ありがとう男」
男「大丈夫、俺たち二人は大丈夫だ!」
男「この先、どんな事があっても!絶対っ!」
ギュッ
男「この手を、離さないぞ」
幼「うん!うんっ!」
-
91 : 2012/10/14(日) 21:37:13 -
男「それじゃ、そろそろ寝るか」
ゴソゴソ幼「えへへ…男の腕枕、小六の時以来だね」
男「そうだったかな?」
幼「そうだよ。私は覚えてるよ?」
男「夏休み、台風の時だよな。俺も覚えてるさ」
幼「だよね。えへへ」
男「…」
ギュッ -
92 : 2012/10/14(日) 21:37:56 -
幼「…ほっとする…凄く落ち着くよ、男の腕の中」
男「俺も、幼の体温が感じられて、落ち着くよ」
幼「…今、何考えてる?」
男「好きな人と抱き合うのって、気持ちいいんだなぁって」
幼「ふふふー。私も大体同じ事考えてたよー」
男「大体?…他にも何か考えてる?」
幼「もっと、安心させて欲しいなって、思ってる」
-
93 : 2012/10/14(日) 21:39:15 -
男「うん?」
幼「…好きだけじゃ、足りない、よ…」
男「…幼、愛してるぞ」
幼「私も、愛してるよ、男…」
男「…幼」
幼「男…いいよ?」
幼「わ、私は覚悟、出来てるよ?」
男「幼…」
幼「だ、大丈夫だから…ね?」
-
94 : 2012/10/14(日) 21:40:08 -
男「本当に、良いのか?」
幼「…うん」
男「じゃ、じゃあ…キス、するぞ?」
幼「うん…」
チュッ…チュッ…チュッ
幼「…んぅ」
チュ
幼(んっ…唇、離れない…?)
レロッ
幼(あっ…男の、舌が…)
幼(…)
-
95 : 2012/10/14(日) 21:40:52 -
男・幼「ぷはっ…」
ハァハァ幼「大人の、キス…だね?」
男「おぅ…」
幼「キスって、気持ちいいね…」
男「そうだな…凄いな…」
幼「…今、何考えてる?」
男「幸せだなって」
幼「私もだよ、男」
チュッ
-
96 : 2012/10/14(日) 21:41:45 -
男「…幼」
幼「…うん」
ピロリロリ
幼「ん?私の携帯…」
男「メール?」
幼「そうみたい…でも、今は…ね?」
男「あぁ」
ピロリロリ
-
97 : 2012/10/14(日) 21:42:14 -
幼「またメールだ…」
男「こんな時間に…緊急の連絡かな?見た方がいいかも」
幼「うん…ちょっと見てみる」
ピッ
幼「あ…千葉女さんからだ」
男「アドレス交換したんだ?」
幼「うん。お昼にね…ふふっ」
-
98 : 2012/10/14(日) 21:42:56 -
男「どうした?なんだって?」
幼「千葉男さんと上手くいったんだって」
男「そっか、良かったな」
幼「二通目のメール『真っ最中だったらゴメンねー』だって。ふふっ」
男「ぶはっ…何て事書いてんだ、あの人」
男「…まぁ、当たってたんだけどな」
-
99 : 2012/10/14(日) 21:43:32 -
幼「実はね、お昼にこれ…渡されたの」
男「そ、それって…コンドーぉぅ…」
男「マジで、何考えてんだ、あの人は…」
幼「ねー?」
男・幼「…」
男「ふふっ…何だか、なぁ?」
幼「えへへ、そうだねー」
-
100 : 2012/10/14(日) 21:44:04 -
男「そんな空気じゃなくなっちゃったな?」
幼「ふふっそうだねー」
幼「何か、緊張感がなくなっちゃったよー」
男「やっぱり、ちょっと無理してたんだな?」
幼「えへへ…そりゃあねー」
幼「一大決心だったんだよー」
男「無理させてごめんな」
-
101 : 2012/10/14(日) 21:45:13 -
幼「謝らないでよ、男」
男「…まぁ、俺たちには俺たちのペースがあるよ、幼」
男「焦る事とか無いよ」
男「俺はいつでも、幼の傍に居るからさ」
幼「うんっ」
男「…本当に、もう寝るかー」
幼「うん、そうだねー」
-
102 : 2012/10/14(日) 21:46:02 -
男「取り敢えず、今日はこれで、な」
ゴソゴソ幼「腕枕、再びー…えへへ」
男「明日も朝から一杯楽しもうな?」
幼「うんっ!」
男「それじゃ…」
幼「あ、最後に…」
男「ん?」
幼「お、お休みの、キス…ね?」
男「う、うん」
チュッ幼「おやすみ、男…」
男「おやすみ、幼…」
-
103 : 2012/10/14(日) 21:48:27 -
・
・
・
『空港』男「いやぁ、楽しかったなぁ」
幼「そうだねー。楽しかったねー」
男「3泊4日なんて、あっという間だなー」
幼「本当にそうだねー。時の経つのを忘れちゃうよね」
-
104 : 2012/10/14(日) 21:48:59 -
男「さすがは夢の国だったなー」
男「金も結構使っちゃったけど、これは仕方ないよなー」
幼「やっぱり凄かったよね。その分、サービスも凄かったけど」
男「まぁ、沖縄も観光地じゃ、観光フィーが付いてたりするもんな」
幼「それもそうだね」
男「さてと…荷物は全部宅急便で送ったから、身軽だし」
男「お互いの両親にお土産でも買って行くか?」
-
105 : 2012/10/14(日) 21:49:28 -
幼「あ、そう言えば頼まれてる物があったんだ」
男「え、大丈夫か?空港で買えるものか?」
幼「何かねー、空港限定のバウムクーヘンをお願いされたの」
男「はは、おじさんらしいな」
幼「お父さん、甘いもの大好きだからねー」
男「…そのバウムクーヘンの代金、俺が出すよ」
幼「え?何で?」
-
106 : 2012/10/14(日) 21:50:03 -
男「いやぁ…その…おじさんとおばさんに、挨拶に行こうと思って、さ」
幼「挨拶?」
男「む、娘さんを下さいーとか、そんな感じの?」
幼「…」
男「駄目かな?」
幼「駄目じゃない。駄目じゃないよ、男」
幼「お父さん、きっと喜ぶと思うよ」
-
107 : 2012/10/14(日) 21:50:50 -
男「そうかな?」
幼「内緒だったけどねー」
幼「ずっと息子が欲しいって言ってたんだよー」
幼「男みたいな息子が居たらなーって」
男「そ、そうか」
幼「だから、きっと喜んでくれると思うよ」
男「おう…そうだと良いな」
-
108 : 2012/10/14(日) 21:51:34 -
幼「私も嬉しいよ、男」
男「…おう。喜んでくれてなによりだ」
幼「えへへー。まったく私って、本当に幸運だなーと思う」
幼「その幸運は男からもらってるんだと思う」
幼「これからもずっと傍に居てね?」
男「おう!それだけは他の誰にも譲れないな」
-
109 : 2012/10/14(日) 21:52:02 -
幼「…手、繋いでいい?」
男「もちろん」
ギュッ男「それじゃ、そろそろ行こうか」
幼「まず、バウムクーヘン売ってるお店を探さなきゃー」
幼「一応メモ持ってるんだけどね」
男「どんなバウムクーヘンなんだろうな?」
幼「なんかねー…」
ピロリロリ
-
110 : 2012/10/14(日) 21:54:53 -
幼「ん?メールだ」
ピッ
幼「あ、千葉女さんからだ」
男「なんだって?」
幼「『またね!』って」
男「何か、またいつか会えそうな気がするなぁ」
幼「ふふふ。私もそう思うよー」
男「取り敢えず、バウムクーヘン買いに行くか!」
幼「うん」
ギュッ!
男「この手、離さないぞ!」
幼「うんっ!」
ひとまずおわり
-
111 : 2012/10/14(日) 21:58:12 -
読んでくれた人、ありがとうございます
そのままこのスレで続きと言うか、別視線編、投下します
明日か明後日投下予定です
では。
-
116 : 2012/10/15(月) 19:58:06 -
読んでくれた人、本当にありがとうございます
続き、投下します -
117 : 2012/10/15(月) 19:58:37 - 男「この手、離さねーぞ?」 幼馴染「う、うん?」
-
118 : 2012/10/15(月) 19:59:04 -
幼「どうしたの?急に私の手をつかんだりして」
男「お前、どう言うつもりだ?」
幼「な、何?男ってば。ひょっとして告白?」
幼「いやぁ、こんな往来で、照れてしまいますなぁ!」
幼「でももっとさ、風情って物を考えてよ、男ってば!」
幼「粋じゃないよ!無粋だよ!」
幼「江戸っ子の名折れだよ!」
※ここからの話しは
男「騙された!」幼馴染「騙してない!」
http://jbbs.livedoor.jp/internet/14562/storage/1343564764.html<
の、続きの話しです -
119 : 2012/10/15(月) 19:59:28 -
男「俺は船橋生まれの、船橋育ちだ!江戸っ子じゃねぇ!」
幼「え、マジで?」
男「おい!ごまかそうとしても無駄だぞ?」
幼「なーんのーことーだーかー?」
男「おもいだしてごーらんー?」
男「って、思い出のアルバムみたいに歌うな!」
男「幼稚園の卒園式か!」
-
120 : 2012/10/15(月) 19:59:49 -
幼「ノってくる所は、さすが男!」
男「とぼけるつもりか?そうなんだな?」
幼「もう!そんなに怒る事ないじゃんかー」
男「怒ってる訳じゃないぞ、幼」
男「俺は説明を求めてるだけだ!」
幼「だってー。ディズニーランドに行きたくなっちゃったんだもん」
男「問題はそこじゃない!」
-
121 : 2012/10/15(月) 20:00:38 -
男「行きたいからって、年間パスを買うなよ!」
男「しかも、金はあの貯金箱から出したんだろ?」
男「バイトも何もしてない、月五千円の小遣いしかもらってない幼が!」
男「八万もする、2パーク年間パスなんて、買える訳がないよな?」
幼「そんな怒んないでよー」
男「お前、最近様子が変だぞ?」
幼「別に!変じゃないですけど!」
-
122 : 2012/10/15(月) 20:01:34 -
幼「年頃の女の子なんだから、ディズニーランドくらい行きたくなるよ!」
男「…沖縄旅行から帰ってきた辺りから、おかしいぞ?」
幼「…」
男「何だ?言いたい事あるなら言ってくれよ!」
幼「…鈍感!」
幼「手、離して!」
男「走って逃げずに、説明してくれるならな?」
-
123 : 2012/10/15(月) 20:02:22 -
幼「…」
男「黙ってちゃ、わかんないよ、幼」
幼「じゃあさ…一つお願いがあるんだけど」
男「何だ?」
幼「男も、年間パス、買って!」
男「は?」
幼「いいでしょ?」
男「何でそうなるんだ?」
-
124 : 2012/10/15(月) 20:02:51 -
幼「男と一緒に、ディズニーランドとシーに行きたいの!」
幼「言わせないでよっ、恥ずかしいっ!」
男「照れ隠しのつもりか?」
幼「本心よっ!」
男「あの貯金箱の中、何の為に貯めてたのか、覚えてるか?」
幼「さーぁ?どうだったかなぁー」
男「…」
-
125 : 2012/10/15(月) 20:03:21 -
幼「それじゃ、今度の金曜日、一緒にディズニーランドに行こうね!」
男「…」
幼「ね!?」
男「…解った。また、説明するつもりがないんだな?」
幼「それは男の答え次第だよっ!」
男「今度の金曜日、ディズニーな。解った」
幼「え?本当?」
-
126 : 2012/10/15(月) 20:04:11 -
男「もう幼の分は年間パス買っちゃってる訳だし」
男「使わなきゃもったいないもんな」
幼「う、うん!そうだよ!そうだよ!」
男「はぁ…まったく、最近の俺は、お前に振り回されてばかりだな…」
幼「あんたがあんな事言わなければ、私だって…」ボソッ
男「ん?今何か言ったな?何だ?」
幼「鈍感君には絶対解らない暗号をつぶやきましたー!」
男「何だよ、それ」
幼「良いから、取り敢えず今日はもう帰ろう!」
男「…」
-
127 : 2012/10/15(月) 20:05:01 -
・
・
男(最近、幼の様子がおかしい…)男(沖縄に旅行に行った時、確かにお互いの気持ちを伝えあったし)
男(流れに身を任せて、あんな事にもなっちゃったし…)
男(ひょっとしてアレが原因なのか?)
男(いや、でも、帰りの飛行機の中では大はしゃぎだったし)
男(数日はいつもの騒がしい幼だった…)
-
128 : 2012/10/15(月) 20:05:39 -
男(となると…原因は)
男(幼の誕生日…か?)
男(でもプレゼントは喜んでくれたよなー)
男(手作りだからって嫌な顔はしてなかったもんなー)
男(ん。そういえば、誕生日の次の日に変な事言ってたか…)
-
129 : 2012/10/15(月) 20:06:16 -
・
・
幼「私はギャングスターになるッ!」男「…」
幼「なるッ!」
男「あぁ、なれなれ。ギャングスターにでも、脱獄囚にでも」
男「ヤンキー高校生にでも、海洋学者にでもなんにでもなれ?」
幼「ギャングになって、男の事なんか、ちょちょいっと消しちゃうんだからっ!」
男「はぁ…消されるのか、俺は」
-
130 : 2012/10/15(月) 20:07:14 -
幼「だ、だから、イタリアには近付かない方が良いね!」
男「イタリア?」
幼「私、イタリアンマフィアのボスになるから!」
男「ボス」
幼「パッショーネのボスの正体を知っている男の事を」
幼「暗殺チームに命令して、消すよ!」
男「暗殺」
幼「だからイタリアには近付くなッ!」
幼「ボスの命令は絶対だから!」
男「…ボスね」
-
131 : 2012/10/15(月) 20:08:01 -
・
・
男(あれが誕生日の次の日…)男(それから言動が怪しくなったような気がする)
男(jojo好きなのは知ってたけど)
男(何で急にイタリアンマフィアになるんだ…)
男(取り敢えず、金曜日、ディズニーランドだな)
男(結婚資金としての貯金、年間パス買ったら、ほとんど無くなっちまうな)
男(バイト、本格的にお願いするかなぁ)
-
132 : 2012/10/15(月) 20:09:00 -
・
・
男「…おい、自分から時間指定しといて、遅刻ってどう言う事だよ!」幼「えー?昨日の夜ー、デートに何着ていこうか、迷ってたらー」
幼「寝る時間が遅くなっちゃってー」
幼「ついつい遅刻しちゃいまいた!てへぺろっ!」
男「まぁ、良いけどさ…その服、すげー似合ってるぞ」
幼「えへへ、ありがとっ。気合入れてきましたからねっ!」
男「んじゃ、行くか!」
幼「おー!」
-
133 : 2012/10/15(月) 20:09:28 -
・
・
『ランド入口付近・チケット売り場』男「はい、2パーク年間パスで」
男「はい、原付の免許証があります」
男「それじゃ、これ代金です」
男「どうもです」
男「ふぅ…八万か…」
男(高い買い物だな…)
-
134 : 2012/10/15(月) 20:10:08 -
男「おーい、幼。買ったぞ、年間パス」
幼「…」
男「どうした?早く入ろうぜ?」
幼「男、ちょっとここで待ってて」
男「は?どうした?」
幼「さ、財布、お、落としちゃった、みたい…」
男「は?マジで?」
-
135 : 2012/10/15(月) 20:11:03 -
幼「で、電車に乗った時は持ってたし」
幼「改札から出た時も手に持ってた」
幼「だから多分、その直後に落としたんだと思う…」
幼「ちょっと、駅まで行ってくるから!」
男「おい!俺も行くよ!」
幼「良いから、待ってて!」
幼「私の方が、走るの早いし!」
-
136 : 2012/10/15(月) 20:12:15 -
男「わかった。俺はこの周辺を探してみるから」
幼「うん!ちょっと行ってくる!」
タッタッタ男「あのウォレット、落としちまったか…」
男「…また、作るかなぁ」
-
137 : 2012/10/15(月) 20:14:23 -
・
・
幼「見つからなかったらどうしよう…どうしようっ」幼「男からのプレゼントなのに!」
幼「と、とにかくまずは駅員さんに、聞かなきゃ!」
タッタッタッ
・
・
幼「あ、あの、すんませんっ!」
ハアッハアッ駅員「はい、なんでしょうか?」
-
138 : 2012/10/15(月) 20:15:11 -
幼「あ、あの…お、落とし物で…財布、届いてませんか?」
ハァハァ駅員「どんな財布でしょうか?」
幼「えっと…現金は…そんなに…入ってなくて」
ハァハァ幼「ディズニーリゾートの年間パスポートが入ってて…」
ハァハァ駅員「外見は?」
幼「あ、えっと、革で出来てて、茶色いです!」
-
139 : 2012/10/15(月) 20:15:50 -
駅員「ひょっとして、これかな?」
幼「あ!それ!それです!」
ハァフゥ駅員「一応中身を確認させてもらってもいいですか?」
幼「はい!どうぞどうぞ!」
ハァフゥ知らない女「あの、大丈夫ですか?」
幼「あ、うん。大丈夫大丈夫」
ハァ幼「久々にちょーっと走って、息が切れてるだけだから」
フゥ -
140 : 2012/10/15(月) 20:16:28 -
駅員「…間違いなさそうですね。はい、どうぞ」
幼「良かったぁ…」
駅員「この子がたった今届けてくれたんですよ」
幼「あ、ありがとうございます!」
幼「お礼、しなきゃね!」
財布を拾ってくれた女「あ、いえいえ。良かったですね見つかって」
幼「お礼するよ!遠慮しないで!」
幼「この財布、すっごく大切な物なんだー」
幼(あぁ…本当に、良かった!ラッキー!)
-
141 : 2012/10/15(月) 20:16:57 -
財布を拾ってくれた女「…」
ジー幼「ん?何?私の顔に何か付いてる?」
財布を拾ってくれた女「あ、じっと見ちゃってごめんなさい」
財布を拾ってくれた女「あの、私とどこかで会った事ありませんか?」
幼「んん?言われて見れば…どこかで会ったような?」
幼「うーん?どこで会ったっけ?」
幼・財布を拾ってくれた女「…」
-
142 : 2012/10/15(月) 20:17:29 -
財布を拾ってくれた女「あ!思い出した!」
財布を拾ってくれた女「あの、てだこ祭りの浴衣コンテストで優勝した方ですよね?」
幼「うん?ううん?そうだけど…」
財布を拾ってくれた女「あ、私、あの時、2位だった者です!」
幼「あ!あぁ!あぁ!思い出した!」
幼「私にリゾートホテル宿泊券をくれた人!」
-
143 : 2012/10/15(月) 20:18:03 -
幼「ごめんごめん!髪下ろしてるから、わかんなかった!」
幼「あの時はありがとね!」
祭りで会った女「あ、いえいえ、こちらこそ!」
祭りで会った女「あの時はありがとうございました」
ペコッ祭りで会った女「おかげさまで今日、ココにに来られました!」
幼「あ、そうなんだ?あの時の賞品で来てるんだ?」
祭りで会った女「はい、友達と二人で…」
-
144 : 2012/10/15(月) 20:18:42 -
幼「あ、今からランドに行く感じ?」
祭りで会った女「はい、あそこで携帯いじってるのが、その…友達です」
幼「へー。ね、あれって彼氏?彼氏?」
祭りで会った女「あ、は、はい、そうですね。えへへ」
幼「へー?へー!あ、私もね、彼氏と来てるんだ!」
幼「あ!しまった!あいつの事、待たせてるんだった!」
幼「行かなきゃ!それじゃ!」
幼「拾ってくれてありがとね!」
祭りで合った女「あ、はい!さようなら」
幼「ばいばーい!」
タッタッタ -
145 : 2012/10/15(月) 20:19:41 -
・
・
男「…で?見つかったのか?」幼「ほら、この通り!」
男「良かったな」
幼「うん!」
男「落とさないようにしろよ?」
幼「わかってるって!」
-
146 : 2012/10/15(月) 20:20:40 -
男「年間パス、無駄にしたくないもんな」
幼「…年間パスなんてどうでもいいよ、マジで」
男「どうでもよくはねーだろ」
幼「男が作ってくれた、この財布が、大事なんだよ!」
男「おぅ。そう思ってくれてるなら、落とさないように、な」
幼「もう一生、落とさないから!」
男「おぅ…一生…な」
-
147 : 2012/10/15(月) 20:21:13 -
幼「フフフ、ちょっと照れてる?」
男「照れてる訳じゃねーよ」
男「それにしても、よく見つかったな」
幼「丁度、親切な人が届けてくれた所でさ…」
幼「あ!しまった!」
男「どうした?」
幼「お礼するの忘れてた!」
男「おいおい…」
-
148 : 2012/10/15(月) 20:21:51 -
幼「もう一回駅まで戻ろう!」
男「もう居ないだろ」
幼「実はさ、なんとその子がねー」
幼「沖縄でリゾートホテル宿泊券をくれた子だったんだー」
男「は?マジで?なんつー偶然!」
幼「今からランドに行くって言ってたらか、そこで会えるかも!」
男「いやいや、それは無理だろう…」
-
149 : 2012/10/15(月) 20:22:14 -
幼「まぁ、過ぎた事を悔やんでも仕方ない!取り敢えず、行こう!」
男「おう!俺も年間パス買ったしな」
幼「今日は楽しもうね!男!」
男「お、おう!」
男(なーんか、無理してるような気がするんだよなぁ)
-
150 : 2012/10/15(月) 20:22:53 -
・
・
男「さて…取り敢えずファストパスも取ったし」幼「なら、次行く場所は、わかってるよね?」
男「…あれはもう良いんじゃないか?」
幼「ノンノン!アレを見ないと、話しが始まらないよ!」
幼「さ!行こう!行こう!」
男「おー…」
-
151 : 2012/10/15(月) 20:24:26 -
幼「ふんふーん♪」
男「ご機嫌だな…」
幼「まっねー。財布が無事に見つかったから…」
幼「…あれ?」
男「どうした?」
幼「あの、列の最後に並んでる二人…」
男「ん?」
幼「ちょっと、行こっ!」
タッタッタ -
152 : 2012/10/15(月) 20:24:52 -
幼「おーい!あなた達…」
さっきの女「あ、さっきの!」
男「誰?知り合い?」
幼「この子だよ、さっき話してた子」
幼「財布拾ってくれたの、この子なの」
男「あー、それはそれは」
男「あの時はありがとうざいました」
男「あなたがくれたリゾートホテル宿泊券のおかげで」
男「沖縄の旅が100倍楽しめました」
-
153 : 2012/10/15(月) 20:25:15 -
さっきの女「えっと…いえいえ、こちらこそですよ」
幼「あ、自己紹介まだだったよね!」
幼「私は幼、こっちは男」
男「よろしくー」
さっきの女「私の名前は沖縄女って言います」
そばに居た男「沖縄男です、どうも」
幼「よろしくね!沖縄女さん!」
沖縄女「こちらこそ、幼さん」
-
154 : 2012/10/15(月) 20:26:25 -
男「で、今からこれに並ぶの?」
沖縄男「はい、人が並んでる奴なら面白いかと思って」
幼「ははーん、二人とも、初心者だね?」
沖縄女「はい、初めて来ましたから」
幼「それじゃあ、私たちが案内してあげよう!」
幼「いいよね?男!」
男「いやだっつっても行くんだろ?良いよ」
-
155 : 2012/10/15(月) 20:27:14 -
男「それに財布拾ってくれた恩も、きちっとかえさないとな」
沖縄女「そ、そんな、悪いですよ」
幼「まぁまぁ、あの賞品券、確か3泊4日だったでしょ?」
幼「今日で回り方覚えて、明日と明後日、二人で楽しめばいいじゃん!」
男「お礼がしたいんだよ、こいつ」
幼「こいつ言うな!」
-
156 : 2012/10/15(月) 20:28:07 -
沖縄女「わかりました、それじゃ道案内お願いします!」
沖縄女「良いよね、沖縄男?」
沖縄男「もちろん。よろしくお願いします!」
幼「うんうん!ダブルデートだね!」
沖縄女「は、はいっ」
幼「それじゃまずねー」
幼「この列に並ぶの止めてー」
-
157 : 2012/10/15(月) 20:28:37 -
・
・
・
沖縄男「す、凄かったなー」沖縄女「そ、そうだね…凄かったね…」
幼「どう?初めてのディズニーランドは?」
沖縄女「はい!凄いですねー」
幼「最初に軽いがっかり感を味わった事が」
幼「他のアトラクションをより一層輝かせてるんだよ!」
男「それはどうかと思うがな…」
-
158 : 2012/10/15(月) 20:30:11 -
幼「さぁ、次はこっちだよ、こっち!」
グイッ沖縄男「ちょ、幼さん?」
幼「いいじゃん!早く行かないと!」
沖縄女「…」
男(沖縄女さん、複雑な顔してるなぁ…)
男「ごめんね、沖縄女さん」
男「あいつ、今、ちょっとおかしいんだ」
-
159 : 2012/10/15(月) 20:30:34 -
沖縄女「え?い、いえいえ、別に私は何も…」
幼「おーい!二人とも早く早く!」
幼「次のマウンテンに行くぞー!」
沖縄女「は、はーい」
沖縄女「…」
男「…」
男「おい!ちょっとこっち来い!」
幼「な、何よ!」
男「いいから、ちょっと来い!」
グイッ -
160 : 2012/10/15(月) 20:31:16 -
・
・
幼「何よ、もう!」男「あのなぁ、沖縄男君と、腕組むの止めろ!」
幼「あら、嫉妬ですかにゃ?くふふ」
男「まぁ、ある意味合ってるけどな」
男「沖縄女さんが可哀想だろ?」
男「せっかく沖縄から二人で旅行に来てるのに」
男「俺たちみたいな邪魔者が居るだけでも、アレなのに」
-
161 : 2012/10/15(月) 20:34:11 -
男「これみよがしに、腕なんて組むなよ」
幼「う…沖縄女さん、気にしてた?」
男「俺の目にはそう見えたな」
幼「うぅ…謝らなきゃ…」
男「はしゃぎすぎなんだ、幼は」
幼「…ごめん」
男「んじゃ、ちゃんと二人に謝るんだぞ?」
幼「はいー」
-
162 : 2012/10/15(月) 20:35:16 -
・
・
幼「ホントにごめんね?」沖縄女「いえいえ!気にしないで下さいー」
沖縄女「楽しく行きましょうー」
幼「それじゃ、お詫びとして、色んなキャラを見せてあげよう!」
男「おい、気軽に言うなよ、そんな事」
幼「大丈夫!大丈夫!まずはキャプテンを見つけよう!」
-
163 : 2012/10/15(月) 20:36:10 -
沖縄男「え?キャプテンって…さっきのキャプテンeoですか?」
幼「あはは、違う違うー。ジャック・スパロウだよ」
沖縄男「え?キャプテン・ジャック・スパロウ?」
幼「そう!カリブの海賊辺りに居るんだよ!」
幼「この時間なら…おそらく!」
沖縄男「は、早く行きましょう!」
男「え?ひょっとしてファンなの?」
沖縄女「は、はい…沖縄男は、あの映画の大ファンなんですよ」
幼「じゃあ、焦らず急いで行こう!」
-
164 : 2012/10/15(月) 20:36:57 -
・
・
沖縄男「ジャック…めちゃカッコ良かった…」沖縄女「会えて良かったね?」
沖縄男「写真も撮れたし、満足…」
幼「そんなに感動して貰えたら、こっちも嬉しいよ!」
幼「でもまだまだ!他のキャラにも会いに行くよっ!」
沖縄女「は、はいっ!」
-
165 : 2012/10/15(月) 20:37:42 -
・
・
沖縄女「ふふっ」幼「えへへー楽しいね、沖縄女さんっ」
沖縄女「はい!とっても楽しいです!」
沖縄女「本当に来て良かったです」
幼「そう言ってもらえると、旅行券あげた私も心晴れ晴れだよ!」
男「その代わりに俺たちはリゾートホテルに泊まれたんだから」
男「おあいこだろ」
幼「それはそうだけどさー」グゥ
-
166 : 2012/10/15(月) 20:38:07 -
全員「…」
沖縄女「そ、そういえば、お昼食べてませんでしたね」
幼「お恥ずかしい…でもさすがにお腹空いたー」
沖縄男「楽しすぎて、時間経つの忘れてました…もう夕方なんですね」
男「それじゃ、何か食べようか」
幼「賛成!賛成ー!」
-
167 : 2012/10/15(月) 20:39:01 -
幼「行きたいレストランは…って聞かれても解んないよね?」
沖縄女「はい、全然わかりませんー」
男「じゃ、カレー食べに行こう!」
幼「えー?またカレ−?違うやつにしようよー」
男「いいじゃん、カレー。な?二人はどうよ?」
沖縄女「えーっと…」
沖縄男「俺ら、全然わかんないんでお任せします!」
幼「いやいや!せっかくの旅行なのに!カレーとか!一番無い選択でしょ!」
男「…じゃあ、ブルーバイユーとか?」
幼「いいねー!今日は奮発して、そうしちゃおうよ!」
-
168 : 2012/10/15(月) 20:39:49 -
幼「ちょこーっとお高いけど、カレーよりは良いよね?」
沖縄男「俺らは大丈夫です!」
沖縄男「観光地のご飯が少々お高いのはわかってますから!」
幼「なら、レッツゴー!」
男「俺ら普段は軽いやつしか食べないんだよ」
男「食費削る感じだからさ」
幼「でもでも!今日くらいは良いよね?」
男「まぁ、そうだな。今日は特別だな」
沖縄女「じゃあ、行きましょう!私もお腹空きましたー」
-
169 : 2012/10/15(月) 20:40:53 -
・
・
『レストラン』男「席、空いてて良かったなー」
沖縄男「なにせウチには、幸運の女神様がいますからね」
沖縄男「そういえば、ちょっと質問が」
男「ん?何?」
沖縄男「お二人、何歳ですか?」
男「二人とも17歳、高2だよ」
沖縄男「おっと、同い年だったとは!?」
-
170 : 2012/10/15(月) 20:41:27 -
男「え?」
幼「え?マジで?タメなの?」
沖縄女「えー。お二人、年上だと思ってました」
男「完全に年下だと思ってた…」
幼「同じ17歳…どうしてこんなに差が…」
沖縄女「え?」
幼「ちょっと沖縄女さん…こっち来て」
沖縄女「はい?」
男「おい、また変な事言ったりすんなよ?」
幼「うっさい!」
-
171 : 2012/10/15(月) 20:41:59 -
・
・
男「行っちまったな…」沖縄男「ですね」
男「ごめんなー。本当は二人で回りたかったよなー?」
沖縄男「全然!気にしないで下さい!」
沖縄男「回り方教えてくれたの、ホント感謝してます」
沖縄男「それに、お二人と居ると、楽しいですよ」
-
172 : 2012/10/15(月) 20:43:32 -
男「そう言ってくれると、救われるよ」
男「…あいつ、最近おかしくてさ」
男「ちょっと原因が解らなくて、困ってるんだ…」
男「あ、ごめんな、愚痴っちまって」
沖縄男「構わないですよ」
沖縄男「お二人は付き合い長いんですか?」
男「いやー、正式に付き合い始めたのは1ヶ月くらい前だよ」
-
173 : 2012/10/15(月) 20:45:00 -
男「あの、てだこ祭りの時に色々あってさ」
男「確かにお互い好き同士なはずだったんだけどさー」
男「最近、変な言動が…あ、あいつの言動が変なのはいつもなんだけど」
男「意味不明な事つぶやいたり、イライラしたりさー」
男「なんか、正直よくわかんなくなってきてさー」
沖縄男「でも、傍で見てて思いますけど」
沖縄男「お二人、とっても息が合ってますよね」
男「そう?本当にそう見える?」
-
174 : 2012/10/15(月) 20:45:47 -
沖縄男「そう言えば、浴衣コンテストの時も、漫才みたいでしたよね」
男「ハハハ。あいつと話してると、自然とあんな感じになっちゃうんだ」
沖縄男「それって心から信用しきってるからじゃないですか?」
男「そう…かな?」
沖縄男「俺はそう思いますよ」
沖縄男「だから男さんが思ってる事、正直に聞けばいいんじゃないですかね?」
男「聞こうとしても、はぐらかされるんだよなぁ」
沖縄男「心当たりはないんですか?」
-
175 : 2012/10/15(月) 20:46:35 -
男「んー。沖縄から帰って来た直後はご機嫌だったんだけど」
男「あいつの誕生日に、革の財布をプレゼントしたんだ。手作りでね」
沖縄男「革の財布を手作りですか?凄いですね!」
男「へへ。時間かかったんだけどさ」
沖縄男「それが気に入らなかった…とか、ですか?」
男「いや、大層喜んでくれたんだよ」
男「でも、その直後から、様子が変なんだよ」
沖縄男「どうやら、その辺りが鍵じゃないですか?」
-
176 : 2012/10/15(月) 20:49:22 -
男「やっぱそうかなー」
男「財布自体は大切にしてくれてるんだけどさ」
男「…まあ、今日は落としちまってたけど」
沖縄男「フフッ。でも必死に駅まで走って来たらしいじゃないですか」
男「あいつ足速いから。普段から元気の塊みたいなやつだからなー」
沖縄男「元気の塊!まさにそんな感じですねー」
男「でもそれが切っ掛けで、二人と知り合いになれたんだから」
男「それはラッキーって事かな?」
沖縄男「ウチの幼馴染のラッキーパワーを侮ってもらっては困りますよ?」
-
177 : 2012/10/15(月) 20:50:24 -
男「へぇ?二人、幼馴染なんだ?」
沖縄男「そうですよ。家が隣り同士なんです」
男「へー!ウチらもそうなんだよ!」
沖縄男「何か、俺ら、似てますね?」
男「だなー。お互い、漫画みたいな幼馴染関係だな」
沖縄男「それ、俺も常々思ってますよ、漫画みたいだなぁって」
男「ハハハ。そうだよなぁ」
沖縄男「フフフ。ですよねー」
-
178 : 2012/10/15(月) 20:51:32 -
幼「おまたせ、お二人さん!」
男「おう。話しは終わった?」
幼「有益な話しが出来ましたー」
男「そりゃあ重畳」
沖縄男「沖縄女?何か顔赤いぞ?大丈夫か?」
沖縄女「だ、大丈夫。何ともないから!」
沖縄男「そうか?無理はするなよ?」
沖縄女「う、うん…」
-
179 : 2012/10/15(月) 20:52:24 -
・
・
幼「お腹いっぱいー」男「だなー」
沖縄男「美味しかったですね」
男「ちょーっと高いけどね」
幼「あ、いつかさ、予約が取れたらさ」
幼「今度はランチショーとディナーショーを見ると良いよ!」
幼「あれは凄いから!」
-
180 : 2012/10/15(月) 20:53:19 -
幼「まぁ、予約にはクレジットカードが必要だから」
幼「社会人になってから、だけどね」
沖縄男「頑張ります!」
幼「それでも予約取るの、大変だけどね」
沖縄男「でも何とかなると思うんですけどね」
男「幸運の女神様が、居るんだもんな?」
沖縄男「です!」
幼「それって私の事?」
男「違う。沖縄女さんの事だ」
男「お前はどっちかって言うと、トラブルメーカーだな」
-
181 : 2012/10/15(月) 20:54:18 -
幼「トラブル上等!人生は苦難があってこそ、楽しめるってもんよ!」
男「お前が起こすトラブルは大抵意味のないトラブルだけどな?」
幼「むー!何だと、間抜け面!」
男「何だ、しみったれた小娘が!」
沖縄女「あの、喧嘩しないで下さい!」
沖縄男「これ、喧嘩じゃないよ、沖縄女」
沖縄男「ね?男さん?幼さん?」
男「まぁ、じゃれ合ってるって感じ?」
幼「日常会話だから、気にしないで、沖縄女さん!」
沖縄女「は、はぁ…」
-
182 : 2012/10/15(月) 20:54:50 -
・
・
幼「さぁ、お腹も膨れた所で!時間も丁度いい感じ!」幼「最後はいよいよお待ちかねの!」
男「パレードね。早めに行って場所取ろう」
幼「いい場所知ってるからね!付いて来て!」
沖縄女「はいっ!」
-
183 : 2012/10/15(月) 20:55:15 -
・
・
『パレード』沖縄男「すっげー…」
沖縄女「本当に、凄い…」
男「何度見ても綺麗だな、幼」
幼「そ、そうだね…」
幼「本当に…綺麗だね…」
-
184 : 2012/10/15(月) 20:55:54 -
幼「あと、何回、一緒にこのパレードを見られるのかな…」
男「はぁ?何だそれ。何回だって見られるだろ?」
幼「…うぐっ」
男「ん?どうした?…おい、泣いてるのか?」
沖縄女「千葉女さん?どうかしたの?」
幼「な、何でもない!何でもないからっ!」
男「何でもない奴が泣くかよ!」
-
185 : 2012/10/15(月) 20:56:32 -
幼「今日のパレードはひときわ綺麗だなーって!」
幼「感動してたんだよっ!」
男「おい…嘘つくなよ、幼」
幼「わ、私は…私はっ!」
ダッ男「おいっ!」
男「あー、二人とも、ごめん!俺も行くわ!」
男「パレード、楽しんでな!」
男「縁が有ったらまた会おう!じゃな!」
沖縄女「は、はい!千葉女さんによろしくって!」
沖縄男「また!」
-
186 : 2012/10/15(月) 20:57:26 -
・
・
男「おい!待て!幼っ!」
ガシッ男「やっと捕まえた!」
幼「…」
男「この手、離さないぞ?」
幼「痛いよ!手を離してよっ!」
男「断る!もう追いかけっこは嫌だからな!」
-
187 : 2012/10/15(月) 20:57:59 -
幼「…」
男「パレードはもういいのか?」
幼「いい…」
男「花火は見なくていいのか?」
幼「もう帰る…」
男「まぁ、また見に来れば良いしな」
幼「帰り、タクシーで帰りたい…」
男「贅沢だな、おい」
幼「タクシーが駄目なら、ハイヤーでも良い…」
男「贅沢のランクが上がってるじゃねーか!」
幼「駄目なら、歩いて帰る…」
-
188 : 2012/10/15(月) 20:58:30 -
男「ったく。んじゃ、タクシー拾える所まで行くか」
幼「うん…」
幼「あの2人には悪い事しちゃった…」
男「そうだな」
幼「最後にケチつけちゃった…」
男「まぁ、そうだな」
-
189 : 2012/10/15(月) 20:59:18 -
幼「後でメールしとく…」
男「アドレス交換してたのか?」
幼「レストランでね」
男「そっか」
男「お、タクシー丁度来たな」
男「ほら、先に乗れよ、幼」
幼「…うん」
-
190 : 2012/10/15(月) 21:02:01 -
・
・
男「ほら、着いたぞ、幼」幼「…うん」
男(結局タクシーの中でも一言も会話出来なかったな…)
幼「じゃあね、男。バイバイ!」
男「おい!ちょっと待て、幼!」
幼「覚悟は出来てるか?私は出来てるッ!」
男「はぁ?覚悟?」
幼「今日はもう、寝るから!」
男「なぁ、一体どうしたんだよ、幼」
幼「と、とにかく!寝る前に、机の上を見てから、寝てよね!」
幼「じゃ!おやすみっ!」
男「…机の上?」
-
191 : 2012/10/15(月) 21:02:30 -
・
・
男「机の上にカセットテープが置いてある…」男「今朝の遅刻の原因はコレを仕込んでたからと見た!」
男「しっかし、今どきカセットテープって…」
男「再生する機器が俺の部屋にはねーよ!」
男「…ん?一緒に手紙が入ってるな」
ガサガサ -
192 : 2012/10/15(月) 21:03:27 -
男「なになに…『心配ご無用!ベッドの下を見てみなさい!』?」
ゴソゴソ男「あ、小さいラジカセ…これ確かおじさんの部屋にあった…」
男「わざわざこんな小細工を…」
男「まぁ取り敢えず、聞いてみるか」
ガチャガチャ
カチッ -
193 : 2012/10/15(月) 21:04:32 -
テンテーテケテーテケテーテケテン…
男「え?これって落語の出囃子?しかも…ロッキーのテーマ?」
男「どんなセンスだ」
幼『ゴホン。えー』
男「始まったか」
幼『男へ。あなたがこれを聞いていると言う事は私はもう…』
幼『…』
-
194 : 2012/10/15(月) 21:05:09 -
幼『なんて事もなく、きっと隣りの家の私の部屋に居る事でしょう』
幼『カセットテープで言葉を贈るなんて、良いアイディアだと思わない?』
幼『こんな事、思いつくなんて』
幼「私ってばcool!! cool!! cool!!!」
男「何言ってんだ、あいつは…」
幼『直接でも、電話でも、どうしても話しが逸れちゃうから』
男「まぁ、主にお前のせいで逸れるんだけどな?」
幼『今、お前のせいで話しが逸れるとか、つっこんだでしょ!』
男「…」
-
195 : 2012/10/15(月) 21:05:45 -
幼『フフフ、私の超能力に、ビビっているでしょうよ!』
男「そう言うのがあるから、話しがそれるんだ、アホめ」
幼『今度は、カセットじゃなくて、直接話してるんじゃね?とか思ったでしょ!』
男「思ってねーよ」
幼『まぁ、そんな枕はここまでにして!』
男「あぁ、枕だったのか、今のは」
-
196 : 2012/10/15(月) 21:06:34 -
幼『今日のディズニーランドは楽しかったよね?』
幼『年間パスも買っちゃった事だろうし』
幼『来年の夏までは一緒にディズニーランドに行こうね!』
幼『何度も行こうね!』
幼『沢山、思い出作ろうね…』
幼『きっと、明日の…じゃなくて、今日の私、頑張ったと思う』
幼『これで男の夢、応援してあげられる』
男「は?」
-
197 : 2012/10/15(月) 21:07:38 -
幼『イタリアで立派な革細工職人に、なって下さい』
男「はぁ?イタリア?」
幼『私、ずっと待ってるからね!』
幼『男の隣りは私の指定席なんだから!』
幼『あんまり帰りが遅くなるようだったら」
幼「私、イタリアに押しかけ女房に行くからねっ!』
幼『そ、それまで、浮気とかしたら、許さないから!』
男「…」
-
198 : 2012/10/15(月) 21:08:30 -
幼『男の事、本当に、愛してるからね』
幼『男も私の事、愛してくれてるって信じてるから』
幼『…』
幼『えー、つまり、私が愛している男に言いたいのは』
幼『一生一緒にイテァーリァと、こう言う訳ですな』
幼『お後がよろしいようで』
テンテーテケテーテケテーテケテン…
カチッ
-
199 : 2012/10/15(月) 21:09:08 -
男「…イテァーリァ?」
男「全然オチてねぇ!てか意味がわからん!」
ガラッ
ガンガン!
男「おい!鞄持ち!よく言って前座!顔出せ!」
ガンガン!
男「最後のオチ、別に上手くねーから!」
-
200 : 2012/10/15(月) 21:10:36 -
ガラッ!
幼「前座は無いでしょ!二つ目位の腕前はあったでしょ?」
幼「最後、上手かったでしょ!一生一緒にイテァーリァ!」
幼「三木道三リスペクトだよ!」
男「あぁ…『一生一緒に居てくれや』と、かけたのか」
男「全然意味わからんかった」
幼「ショック!せっかく考えたのに!」
-
201 : 2012/10/15(月) 21:11:53 -
男「幼、ちょっとこっち来い」
幼「…嫌だ」
男「んじゃ、俺がそっち行くわ」
スタッ
幼「不法侵入!深夜に!うら若き乙女の部屋に賊が侵入!」
幼「アルソック!アルソックはまだ来ぬか!」
男「おい、深夜って程じゃねーけどさ」
男「もう大概良い時間なんだから、大声だすなよ」
男「近所迷惑だろ?」
-
202 : 2012/10/15(月) 21:12:20 -
幼「窓をガンガン叩くのはぁー近所迷惑じゃないんですかぁー?」
男「まぁ、それはすいませんでした」
幼「…せっかくの私の粋な計らいが、台無しじゃん!」
男「テープの事か?」
幼「それ以外ないでしょ!」
幼「明日からはまた、普通に笑えると思ったのに…」
幼「今、顔見たら、決心鈍るじゃんか!」
-
203 : 2012/10/15(月) 21:12:59 -
男「一応聞くけど、何の決心だ?」
幼「男を笑顔で見送る決心だよ!」
男「俺がどこに行くのを見送るんだ?」
幼「イターリアー」
男「何で?」
幼「え?」
男「何で俺がイタリアに行く事になってるんだ?」
-
204 : 2012/10/15(月) 21:13:36 -
幼「え?だって、高校卒業したら、革細工職人の修行しに」
幼「イタリアに行くんでしょ?」
男「だから、何でイタリア?」
幼「え?イタリア在住の叔父さんのところに修行に行くって…」
男「そんな事、一言も言ってないぞ?」
幼「え?」
男「俺が革細工習いに行ってるのは、鬼高の叔父さんの所だ」
-
205 : 2012/10/15(月) 21:14:38 -
幼「え?鬼高って、市川の?」
男「そうだ」
幼「えぇ?ウチから歩いて行ける距離じゃん!」
男「俺が何の為に原チャリを買ったと思ってるんだ?」
幼「え?原チャリで通うん?」
男「実はもう通ってる」
幼「えー!?なに、その驚愕の事実!」
男「声がデカいよ、幼」
-
206 : 2012/10/15(月) 21:15:34 -
幼「え?でも、だって…」
男「イタリアで修行した叔父さんに、革細工を習ってる」
男「俺が言ったのはそれだけだぞ?」
幼「イタリア…叔父さん…革細工…」
男「どんな聞き間違いだよ、まったく…」
幼「う…」
-
207 : 2012/10/15(月) 21:17:44 -
男「幼にあげたウォレットな」
幼「う、うん」
男「あれだって、叔父さんに習いながら半年かけて作ったんだぜ?」
幼「マジで?」
男「まだ大きな物は作れないけどさ」
男「実は叔父さんの店で、俺が作った小物、売りに出してもらってるんだ」
男「店番もちょっとやってるし、まぁバイト兼見習いだな」
幼「マジで?まぁ、男、器用だもんね」
男「実は進路もそんな感じで選ぼうかと思ってる」
-
208 : 2012/10/15(月) 21:18:17 -
男「大学か、専門学校かは、まだ決めてないけどな」
幼「そ、それ!それだ!」
男「ん?」
幼「私の誕生日にも、そんな感じの話ししてた!」
男「あぁ、将来の事な?」
幼「それで、イタリアとか、革細工の修行とか言うから…」
男「まぁ、イタリアには行かないから安心しろ」
幼「…そっか」
-
209 : 2012/10/15(月) 21:18:51 -
男「幼は馬鹿だなぁ」
幼「馬鹿とはなんだ!」
男「ちゃんと人の話しを聞きましょう」
幼「うぅ…」
男「取り敢えず、誤解は解けたな?」
幼「すみません、聞き間違えて、暴走してました…」
男「まったく…そんなんで一ヶ月近く、様子が変だったのか」
-
210 : 2012/10/15(月) 21:19:34 -
幼「だ、だって!男が遠くに行っちゃうと思ったら…」
幼「胸がチクチクして、ザワザワして…」
幼「どうにもならないくらい、不安だったんだよっ!」
男「俺の事、思ってくれてるのは嬉しいよ」
男「でも俺がお前の傍から居なくなるはずないだろ?」
幼「…そんなの、解んないじゃんか!」
男「あーもう!」
ギュッ -
211 : 2012/10/15(月) 21:20:15 -
幼「ふわぁっ!?」
男「落ち着けよ、幼」
幼「…」
男「俺は居なくならないから」
男「ずっと傍に居るから」
男「俺を信じてくれよ」
幼「…うん」
-
212 : 2012/10/15(月) 21:21:55 -
男「手に職つけたいから、革細工の修行してるけど」
男「それは、早く自立したいからなんだぜ?」
男「早く一人前になって、幼を…その、嫁に下さいって」
幼「よ、嫁…お嫁さん…」
男「ちゃんと、おじさんとおばさんに言えるようにって」
幼「…先の事、本当に考えてるんだね」
男「あぁ、真剣に考えてるぞ」
-
213 : 2012/10/15(月) 21:22:35 -
幼「超、嬉しい…」
男「泣くなよ、幼」
幼「男…愛してるよ」
男「俺もだ、幼」
?「そこだ!チューしろ!」
?「それはまだ早いわよ!」
-
214 : 2012/10/15(月) 21:23:12 -
?「いや、今がその時だ!行け!男君!」
?「雰囲気が大事よ!もう少し抱擁の余韻に浸るべきよ!」
?「流れ的にチューするタイミングだろう?」
?「まだです。あなたは本当に解ってないわね」
?「そっちこそ!そんなんじゃ、将来の息子に罵倒されちゃうぞ?」
?「なんであたしが罵倒されなきゃならないのよ!」
-
215 : 2012/10/15(月) 21:23:58 -
?「声がデカいっつーの!見つかったらどうすんだ!」
?「あなたが変な事言うからでしょ?」
?「こういうのはな!タイミングを逃すと、しにくくなるんだよ!」
?「そのタイミングが今じゃないって言ってるの!」
?「なんだとー?」
?「なによ!やるって言うの?」
?「表出ろや、コラァ!」
?「上等だ!誰のヘアスタイルがサザエさんだ、このスットコがぁ!」
-
216 : 2012/10/15(月) 21:25:01 -
男・幼「…」
幼「お父さん、お母さん…もうそろそろつっこんでも良い?」
幼父「はっ!?」
幼母「しまったっ!」
男「二人で何してるんすか?」
幼父「いや、ほら…その…なぁ?」
幼母「えーっと、あの…あ!」
幼母「窓をガンガン叩いてる音が聞こえたから!」
-
217 : 2012/10/15(月) 21:25:59 -
幼母「幼ちゃんの部屋に侵入者でもと思って!」
幼父「そ、そうそう!最近は物騒だから、なー?」
男「ウチと、この家、30センチしか隙間無いじゃないですか」
幼父「人が侵入するには充分だろう」
男「さすがに無理がありますよ、おじさん」
幼父「コラ!おじさんじゃないだろう、男君!」
幼父「いやさ、男!」
男「呼び捨て?」
-
218 : 2012/10/15(月) 21:26:24 -
幼父「だって、息子に君付けなんて、おかしいだろ?」
男「あ、あの…」
幼母「ふふふ。照れちゃって…かわいいんだから」
幼母「こんなかわいい息子が出来て、嬉しいわー」
幼「お父さん!お母さん!」
幼母「大丈夫よ、幼ちゃん。解ってるからね!」
幼母「ずっと夢見てきたんだもんね?」
-
219 : 2012/10/15(月) 21:27:07 -
男「夢?」
幼母「男ちゃんのお嫁さんになる事!」
幼母「夢、叶うね!」
幼「あ、あぅ…」
幼父「取り敢えず、男。一発殴って良い?」
男「え?普通に嫌ですけど」
幼父「えー?俺すっげえ憧れてたのになー」
-
220 : 2012/10/15(月) 21:27:51 -
幼父「娘は嫁にやる!代わりに一発殴らせろ!って」
幼父「リア充みたいじゃん?」
幼母「それは右手で殴るんですか?」
幼父「ノゥ!ノゥ!ノゥ!」
幼母「左手ですかぁ?」
幼父「ノゥ!ノゥ!ノゥ!」
幼母「ひょっとして、オラオラですかぁ?」
幼父「イェス!イェス!イェス!」
-
221 : 2012/10/15(月) 21:28:28 -
男「オラオラだと、一発じゃないじゃないですか…」
男「それに、本当に戦ったら、勝てそうな気もするんですけどね」
幼父「でも、一発くらい良いだろ?」
幼父「手塩にかけて育てた娘を嫁に出すんだ」
幼父「大丈夫、手加減して、人中にチョップ程度で許すから!」
男「グーで頬っぺ殴られる方が安全な気がします…」
幼母「あなた!そんな事したら、息子に嫌われますよ…って」
幼母「私は止めれば良いのよね?」
-
222 : 2012/10/15(月) 21:28:53 -
幼の両親「ひゃーーーーーー!リア充っぽい!」
幼の両親「イェーーーーイ!」
パシッ幼「何で今、ハイタッチしたの?」
幼父「これはな、幼」
幼父「お父さん達の儀式みたいなもんだ」
幼母「お約束ってやつね」
-
223 : 2012/10/15(月) 21:30:30 -
幼父「それにしてもなぁ」
幼母「そうねぇ」
幼父「ウチの娘がリア充になるなんてなぁ」
幼母「全く…ねぇ」
幼「いや、あんたたちもリア充でしょ?」
幼父「娘よ、何を言う!?」
幼母「そうよ、幼ちゃん!親に向かって何て事言うの!」
-
224 : 2012/10/15(月) 21:32:24 -
幼母「良い?私たちはね…」
幼の両親「世のリア充に爆発しろって叫ぶ側!」
幼父「なのだよ」
幼「…なのだよ、じゃないわよ!」
幼「なんで二人ともドヤ顔なのよ!」
男「あの、おじさん…ちょっと…」
幼父「おじさん、じゃないだろう!お義父さんだろ?息子よ!」
男「あぁの…さっきの聞いてたんですよね、全部」
-
225 : 2012/10/15(月) 21:33:47 -
幼父「親として、当然じゃないか」
男「あのー、それでですね…娘さんとですね」
幼父「あぁ、解ってる!解ってるから!」
幼母「そうよ、男ちゃん。全部解ってるからね?」
男「う…」
幼父「さ!どうぞどうぞ!」
幼母「結婚の報告よね?あ、まずは婚約からかしら?」
-
226 : 2012/10/15(月) 21:34:44 -
男「ぎ、逆に言いづらいんですけど…」
幼「…」
男「俺まだ高校生だし」
男「世間の事何も知らないガキですけど」
男「娘さんを一生幸せにしますんで!」
幼父「うんうん」
幼母「幼ちゃんの事、任せたわよ?男ちゃん」
-
227 : 2012/10/15(月) 21:35:29 -
男「精一杯努力します」
幼「一生一緒にイテァーリァ」
男「それ、全然上手くないからな?」
幼「もう!ノリ悪いなぁ、男は!」
男「ボケるならちゃんとボケろよ」
男「ツッコミにくいわ!」
幼父「さすが幼馴染!息ピッタリ!」
幼母「将来安泰ね!」
-
228 : 2012/10/15(月) 21:36:01 -
男「あ、はぃ…」
幼「もう!二人とも!男が困ってるでしょ!」
男「主に君が原因なんですけどね」
幼「そんな事じゃ2013年のキングオブコントには輝けないよ?」
男「そんな物に出るつもりはありません」
幼父「賑やかで楽しいなぁ!」
幼母「ホントにね!リア充も良い物ね!」
-
229 : 2012/10/15(月) 21:36:52 -
幼父「テンション上がってきたー!」
幼父「男!外でキャッチボールでもするか?」
男「こんな夜にですか…?」
幼父「時間の事考えてなかった!」
男「幼が考えなしに喋るのは、おじさんに似たんですよね」
幼父「そんなに褒めるなよ、男」
男「…」
-
230 : 2012/10/15(月) 21:37:29 -
幼母「じゃあ、お赤飯!お赤飯炊きましょう!」
男「こんな時間からですか…?」
幼母「あら、赤飯に時間は関係ないんじゃないかしら?」
男「幼が勢いだけで行動するのは、おばさんに似たんですよね」
幼母「あら、そんなに褒めても、お赤飯くらしか出ませんよ、うふふ」
男「…」
-
231 : 2012/10/15(月) 21:38:21 -
幼「…と、取り敢えず、二人とも、解ったでしょ?」
幼の両親「解りました!」
幼父「おい、男。今日泊まって行けよ?」
男「えー?」
幼母「お家には私から電話しておくから、ね?」
男「いや、自分で言ってきますけど…」
男「て、いうか良いんですか?」
幼父「あたぼうよ!」
-
232 : 2012/10/15(月) 21:39:11 -
・
・
男「…なんか、成り行きで泊まる事になったけど」男「良いの?」
幼「良いよ良いようん。むしろ大歓迎だよ!」
男「んじゃぁそろそろ寝るか?」
幼「う、うん…そうだね」
幼「あ!そうだ!」
男「ん?」
-
233 : 2012/10/15(月) 21:39:56 -
幼「沖縄女ちゃんにメールしなきゃ」
男「いつのまにアドレス交換したんだ?」
幼「レストランでね」
ピッ男「メールに何書くつもりだ?」
幼「私たちの事!」
ピッピッ男「もう寝てるんじゃないか?」
-
234 : 2012/10/15(月) 21:40:33 -
幼「いーや、起きてると思うよ」
ピッピッ幼「送信っと」
ピッ男「何で起きてると思うんだ?」
幼「そりゃあ…」
幼「あ!そうか!でも…いや、まぁ、もう一通送ればいいか!」
ピッピッ -
235 : 2012/10/15(月) 21:41:21 -
男「変なメール送るなよ?」
幼「全然!変な事じゃないから!」
幼「二通目、送信っと」
ピッ幼「あとは、私たちの話しだもんね」
男「ん。もう寝るんじゃないのか?」
幼「いや、寝る寝る!もう超寝るけどさ!」
-
236 : 2012/10/15(月) 21:41:59 -
男「超寝るって何だよ」
幼「何で床に布団なんか敷いてるの?」
男「は?俺に直で床に寝ろと?」
男「まぁ、暑いからそのまま床でも良いけどさ」
男「起きたとき、身体の節々が痛くなる事があるから…」
幼「じゃなくて!こっち!」
ポンポン -
237 : 2012/10/15(月) 21:43:11 -
男「何だよ、その『察しなさいよ』みたいな顔」
幼「え?そこが読めてて、何故肝心な部分が読めないの?」
男「読む?」
幼「私の心…よ」
男「お前のドヤ顔はウザイなぁ」
幼「婚約者に向かって、ウザイって言うな!」
男「でもそんなウザさも好きだぜ、幼」
-
238 : 2012/10/15(月) 21:43:39 -
幼「…バーカ」
バフッ男「照れて枕に顔うずめてる幼も可愛いよ」
幼「私が照れるって解ってて、そう言う事言うの止めてよねっ!」
男「…俺もベッドで寝るって事だよな、それは?」
幼「そうでーす」
男「暑くないか?」
-
239 : 2012/10/15(月) 21:44:16 -
幼「へいクーラー!ガンガン行こうぜ!」
ピッピッピ
ゴバー男「わかったわかった…わかったから、設定温度もうちょい上げてくれ」
幼「じゃあ20度くらい?」
男「28度で良いだろ」
幼「暑くなると、思うよ?」
男「…ばーか」
幼「照れてる?照れてる?へへへー」
-
240 : 2012/10/15(月) 21:45:11 -
男「…お邪魔します」
ゴソゴソ幼「あ、もうあっついね」
男「確かにな…」
男「俺やっぱ床で…」
ギュッ幼「駄目!それは駄目!」
男「…」
幼「今日は、一緒に寝るの!」
-
241 : 2012/10/15(月) 21:45:42 -
男「またおじさん達に覗かれるかも…って思ったらさ」
幼「大丈夫!あの二人だって、空気くらい読めるよ!」
幼「私の両親だよ?」
男「知ってるから、不安なんだよ…」
幼「本当に大丈夫だから、ね?」
男「わかったよ…」
幼「ギューってして欲しい」
男「…」
ギューッ -
242 : 2012/10/15(月) 21:46:18 -
幼「ずっと傍に居てよね、男」
ギューッ男「こっちの台詞だっつーの」
幼「相方として、傍に居てね?」
男「おう…ツッコミは任せろよ」
幼「うん…この手、離さないよ?」
ギューッ男「…それは俺の手でも握って、言ってくれよ」
幼「…」
ギューーーーッ -
243 : 2012/10/15(月) 21:46:45 -
男「ちょっと苦しい!苦しいんですけど!ベアハッグかよ!」
男「ギブ!ギブアップです!」
幼「…照れ隠しですー」
男「解ってるよ」
男・幼「…」
男「愛してるぞ、幼」
幼「えへへ、私もだよ、男…」
チュッ -
244 : 2012/10/15(月) 21:49:05 -
幼「久しぶりのキス、だね?」
男「…そうだな」
幼「今夜は、いっぱい男を感じたいよ…」
男「恥ずかしい事言うなよ」
幼「照れ隠しですー…えへへ」
男「あんまり俺の理性を甘く見るなよ?」
幼「知ってるよ、四天王で例えるなら、土、なんだよね?」
男「…悔しいが、その通りだ」
チュゥッ -
245 : 2012/10/15(月) 21:50:12 -
・
・
・
幼「おーい、男ー!起きろー」ガンガン
ガラッ
男「起きてるっつーの…何だ?」
幼「今からお出かけしよっ!」
男「んー?良いけど、どこに?」
幼「空港」
男「は?」
幼「沖縄女さん達、今日帰るんだよ」
男「見送りに行くのか?」
幼「そうでーす」
男「解った、準備するよ」
幼「40秒でね!」
-
246 : 2012/10/15(月) 21:52:06 -
・
・
『空港』男「何時の便だ?」
幼「jtaの16時45分発だよ…こっちだね、多分」
男「見つからなかったらどうするんだ?」
幼「電話番号知ってるんだから、電話するよ」
幼「でも一応、サプライズだから、ギリまで探す!」
男「サプライズなのか…」
幼「多分、お土産売り場のどこかに居ると思うんだー」
男「おいおい、どれだけ広いと思ってるんだよ…」
幼「それでも私たちはッ!決してッ!くじけないッ!」
-
247 : 2012/10/15(月) 21:52:43 -
男「お?あれじゃないか?」
幼「え?あ、ホントだ。良かった、見つかってラッキー」
男「沖縄女さんはすげーラッキーらしいからな」
男「そのお陰じゃねーか?」
幼「…」
男「…どうした、声かけないのか?」
幼「…ちょっとこっちに」
男「何で物陰に隠れるんだ?」
幼「いいから!」
男・幼「…」
-
248 : 2012/10/15(月) 21:54:00 -
幼「…メールメール」
ピッピッ幼「『またねっ!』っと」
ピッ男「おい、二人にさよならとかしなくていいのか?」
幼「フッ…男、あの二人を見てよ…」
男「さっきから見てるけどな?」
幼「すっごく幸せそうな顔…きっとあの二人、結ばれたと思うんだー」
幼「手の繋ぎ方も、恋人繋ぎじゃない?」
男「お、おぅ…そうか?そうだな」
-
249 : 2012/10/15(月) 21:54:38 -
幼「あと、私、沖縄女ちゃんに、ゴム渡したし!」
男「なっ!?」
幼「あれはきっとそう言う感じだよ!」
男「お前なぁ…マジちょっと考えて行動しろよ?」
幼「ふふん。相方がヘタレだと、女の方は苦労するんだよ!」
男「うぐぅ…それ言われると…」
幼「それに、沖縄女ちゃんも、ちゃんと覚悟決めて来てたみたいだし」
-
250 : 2012/10/15(月) 21:55:28 -
幼「私はちょこっと後押ししただけだもん」
男「まぁ、あの二人が幸せそうだから、良いけどな」
幼「そう言う事!だから私たちはクールに去るぜっ!」
男「はいはい…cool!cool!!cool!!!」
幼「言い方が何かあの漫画みたくなってる…貴様、馬鹿にしているなッ?」
男「ハハハ!バレたか!さすが俺の相方!」
幼「…もう!アホ!」
-
251 : 2012/10/15(月) 21:58:13 -
男「アホって言うな、間抜け面!」
幼「そんじゃ、私たちも行こうか!」
男「おう!帰るか!」
幼「私たちも手、繋ごうよ」
男「おう!」
ギュ幼「ね、男が、しょぼくれたじいさんになってもさ」
男「おう?」
幼「この手、離さないでね?」
ギュッ!男「嫌がったって離さねぇよ、絶対!」
ギュッ!おわり
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