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1 : 2015/02/01(日) 22:34:47.80 -
ノエル「ののかー!」ダキッ
乃々香「どうしたの、ノエル?」
ノエル「お昼ごはんまだー?」
乃々香「もうちょっと待ってね」
ノエル「今日のお昼はなに?」
乃々香「バジルソースのパスタだよ」
ノエル「ばじるそーす?」
乃々香「ノエルはバジルソースきらい?」
ノエル「ううん! ののかが作るものだったらなんでもだいすき!」
乃々香「そっか、ありがと」ニコッ
ノエル「うんっ」
汐音「……」ジーッ
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1422797687
ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422797687/
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2 : 2015/02/01(日) 22:40:27.06 -
汐音(ノエルはどうしてあんなに素直に人と接せられるのかしら)
汐音「私も見習うべきよね……」
ノエル「しおね、どうしたの?」
汐音「……別になんでもないわ」
ノエル「ふーん。あ、もしかして、しおねはばじるそーすきらい?」
乃々香「そうだったの、汐音?」
汐音「いいえ、そんなことはないわ。私も乃々香が作るものなら……」ハッ
乃々香「汐音?」
汐音「な、なんでもないわ。とにかく私がバジルソースを嫌っているとか、そんなことはないから」
乃々香「そっか、よかった」ニコッ
汐音「たっ……食べさせてもらう身の私が、文句なんて言うわけないでしょ///」
乃々香「あ、もうすぐできあがるから、コップとお茶の用意してね」
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3 : 2015/02/01(日) 22:47:09.89 -
ののえるしお「いただきます!」
ノエル「みどりいろ!」
乃々香「バジルっていうハーブを使っているの。味はちょっと大人向けだったかも。ノエル、大丈夫?」
ノエル「うんっ、おいしいよっ!」
乃々香「よかった。汐音は?」
汐音「ええ、とてもおいしい……。毎日食べたいくらい」
乃々香「そんな、大げさだよ」アハハ
汐音「大げさ……かしら」
汐音(自分の気持ちを素直に言葉にしたつもりだったのだけど、どうもうまくいかないわね)
ノエル「おいしー! デミグヌフソースの次くらいにすき!」
汐音「なによその、禍々しい名前のソースは……」
乃々香「デミグラフソースね。じゃあ今度はそのパスタも作ってあげる」
ノエル「やったー!」
汐音「……」
汐音(ノエルを観察した感じだと、無邪気っぽく振る舞うのが重要なのかしら……)
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6 : 2015/02/01(日) 22:49:46.27 -
ノエル「ごちそうさまっ! それじゃあののか、しおね、またね!」
乃々香「もういっちゃうの?」
ノエル「今日はゆずきとペットボトルロケットを飛ばすやくそくしてるの!」
乃々香「そっか。じゃあね」
汐音「またね、ノエル」
ノエル「うんっ!」フリフリ
スタタタ ガチャ
乃々香「……ふぅ」ストン
汐音「乃々香?」
乃々香「なに、汐音?」
汐音「……なんでもないわ。それより、お皿片づけしちゃいましょう」
乃々香「うん、そうだね」
汐音(ノエルがいなくなって、少し元気がなくなったような気がする……。やっぱり、私と二人きりだと気を使ったりするのかしら)
乃々香「ふんふふーん♪」カチャカチャ
汐音「……」
汐音(私も……ノエルっぽく振る舞えば、ノエルと同じように接してもらえるのかな)
汐音「のっ……」
汐音「ののかー!」ダキッ
乃々香「!?!?」ビクッ
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7 : 2015/02/01(日) 22:54:18.83 -
乃々香「しっ、汐音っ!? なにっ、どうしたのいきなり!?」ドキドキ
汐音「な、名前呼んだだけだよ!」
乃々香「名前呼んだだけじゃないよね!? 抱きついてるよね!?」
汐音「抱きつきたくなったからだよっ!!」
乃々香「えー!?」
乃々香(どうしよう……! 汐音が壊れちゃった!)
汐音「ののか……」ギュウ
汐音(これ、思ってたより何十倍も恥ずかしいわね……///)
乃々香「し、汐音……」
乃々香(寒さでおかしく……はないか……普通おかしくなるのって暑いときだよね……)
汐音「……ののか?」
乃々香「う……」
乃々香(でも……汐音に限っていたずらってことはないだろうし……)
汐音「……」
汐音(ここからどうすればいいのかしら)ギュウ
乃々香「?」
乃々香(抱きついてきたと思ったら、動きが止まった……?)
乃々香「汐音?」
汐音「な、なに?」
乃々香「急にそんなことされても、私、どうすればいいのかわからないよ?」
汐音「……そうね。ごめんなさい」パッ
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9 : 2015/02/01(日) 22:56:07.66 -
乃々香「……」ジャー
乃々香(どうやらふざけていただけみたいだけど……)チラッ
汐音「……」フキフキ
乃々香(こころなしか、落ち込んでいるような)
汐音「……終わったわ。リビングのソファで待ってるわね」
乃々香「あ、ちょっと待って」
汐音「なに? もう洗い物は残ってないと思うけど」
乃々香「洗い物のことじゃなくて、汐音のこと」
汐音「私の? ……別に、さっきのはちょっとふざけただけよ」
乃々香「私の知ってる汐音っていう女の子は、あんなふうにいきなりふざけたりする子じゃなかったよ」
汐音「……そうかもね。私は冗談とか言えない、つまらない人間だから」
乃々香「……」
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10 : 2015/02/01(日) 23:00:17.11 -
汐音「じゃあ、向こう行ってるから」
乃々香「ちょっと、汐音」ガシッ
汐音「なっ、なに?」ビクッ
乃々香「私の大切な友達を、そんなふうにいわないで」
汐音「な……なんのことよ」
乃々香「つまらない人間、って」
汐音「だって事実じゃない。それに自称なんだから、いいでしょ」
乃々香「汐音がよくったって、私がよくないの」
汐音「そんなの……わがままよ」
乃々香「そんなわがままをいいたくなるくらい、私は汐音のことが好きなの」
汐音「すっ……!?///」
乃々香「ねえ汐音、どうしてあんなことしたの? 教えて」
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11 : 2015/02/01(日) 23:03:14.36 -
汐音「……乃々香が、ノエルと一緒にいるとき、すごく楽しそうだったから」
乃々香「もしかしてあれって、ノエルの真似だったの?」
汐音「……」コク
乃々香(びっくりしてて全然気づかなかった)
汐音「ノエルみたいに素直な振る舞いができれば、乃々香はもっと気楽に私に接してくれると思って……」
乃々香「それじゃあ汐音は、私が汐音と一緒にいるよりは、ノエルと一緒にいる方が楽なんだと思っているの?」
汐音「だって、ノエルといるときはあんなにニコニコ笑っているのに、私と二人きりになったとたん、あまり笑わなくなるじゃない。さっきだってため息をついていたし」
乃々香「……はぁ」
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13 : 2015/02/01(日) 23:06:02.69 -
汐音「な、なによ」
乃々香「汐音って意外と天然なんだね」
汐音「……どういう意味よ」
乃々香「たしかにノエルはかわいいし、おもしろいし、一緒にいると楽しいよ」
汐音「……」
乃々香「ノエルと比べれば、たしかに汐音はあまりしゃべらないし、落ち着いてるから、二人でいても静かになることは多いよね」
汐音「……ええ」
乃々香「でもね、いつもノエルと一緒だと、たぶん私は疲れちゃうよ。ノエルはちょっとわんぱくなところがあるし、目を離すと予想外のこともするし……」
乃々香「だから、私は汐音と一緒にいるのが一番落ち着くの。汐音の隣で本を読んだり、うたた寝したりするのが好き。そういう瞬間だって、ノエルと一緒に遊んだりしているときと同じくらい、私にとって大切なときなんだよ」
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14 : 2015/02/01(日) 23:07:39.56 -
汐音「……つまり、私は今のままでいいのかしら」
乃々香「今のままでい続けるのがいいかはわからないけど、無理をして変わる必要はないんじゃないかな。少なくとも、私は今の汐音のことが好きだよ」
汐音「ふ、ふうん……///」
乃々香「汐音は?」
汐音「え?」
乃々香「汐音は、私と一緒にいて、疲れたりしない?」
汐音「……あたりまえでしょ。私も、乃々香の隣が一番落ち着く。乃々香は大切な友達よ」
乃々香「えへへ。ありがと」
汐音「それに……私も、乃々香のことは大好きだから」ボソッ
乃々香「え? なにかいった?」
汐音「なんでもないわ」
終わり
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