ソース: http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1421155924/
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2 : 2015/01/13(火) 22:32:35 -
男「・・・」モグモグ
友「そ、それ絶対マズイだろ・・・周りの連中も結構残してるし」
男「まぁ、確かにちょっと個性的な味というか、煮すぎというか・・・」
友「お前も無理して食わなくても・・・」
男「別に無理してないよ。これはこれで味があるから」
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3 : 2015/01/13(火) 22:33:44 - ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・地名とは一切関係ありません。
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4 : 2015/01/13(火) 22:34:26 -
-学食編-
うちの大学にはいくつかの飲食店が入っている。
人気があるのは某ハンバーガーチェーン店や、牛丼チェーン店。街中でよく目にするカフェなど。
他にも厚生棟にはそれらとは別に大学が運営する、いわゆる一般的な学食としての食堂も存在する。
味はそれなりだが価格が安く量も多いため、特に男子学生はこちらの方を良く利用している。
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5 : 2015/01/13(火) 22:35:17 -
男「あ、昼飯食べいかない?」
友「いいよ。どこ行く?」
男「学食4F」
友「4F・・・」
男「2限の講義が伸びてちょっと出遅れたからな。多分もうあそこしか空いてないだろ」
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6 : 2015/01/13(火) 22:35:51 -
友「あそこさぁ・・・いいんだけど、焼き魚はパサパサだし、味噌汁はしょっぱいし、ごはんもベチャベチャじゃん」
男「それがいいんだろ」
友「えぇ・・・」(困惑)
男「それとも、午後の講義サボって他のとこ並ぶか?」
友「いや、次必修だから無理だ・・・」
男「じゃ、決まりだな」
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7 : 2015/01/13(火) 22:36:45 -
・・・
友「・・・親子丼セットで」
男「A定食で」
友「お前、ここに来るといつも定食頼むよな」
男「なんていうか、丼ものも悪くないんだけど、味噌汁とご飯とおかずが別々になってたほうが食った気がするんだよね」
友「そう・・・」
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8 : 2015/01/13(火) 22:37:27 -
男「今日のA定食は白身魚のフライだ。さーて、今日の地雷はどれかなー」ワクワク
友「お前その食事の楽しみ方おかしいよ」
男「いやぁ、上手くいえないんだけど、なんか不味いからこそ味があるっていうか、いいんだよこれが」
友「なるほど分からん」
男「たまの失敗はスパイスかもね」
友「なるほど、地雷とかけてるのか・・・」
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9 : 2015/01/13(火) 22:38:19 -
男「いただきまーす」
友「いただきます」
男「ん、あれ・・・今日のは思ったより美味いな・・・」モグモグ
友「なんでちょっとがっかりしてるんだよ」
男「あっ付け合せのキャベツが油まみれでふにゃふにゃだ!うわー味噌汁のワカメもドロドロになってる!」キャッキャッ
友「そんなこと嬉しそうにいう奴みたときない・・・ていうか俺の食欲までなくなるからやめてよ」
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10 : 2015/01/13(火) 22:39:40 -
男「うーん、この萎れたキャベツを乗せて醤油をかけて食べるご飯はスペシャルにおいしい」
友「昔祖父ちゃんがそんな食い方してたなぁ・・・」
男「あれ、まだ食べないの?」
友「俺猫舌だから・・・」
男「じゃあなんで親子丼にしたのか」
友「これなら失敗も少ないだろうと思って」
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11 : 2015/01/13(火) 22:40:34 -
男「あんまのんびり食ってると午後の講義間に合わなくなるぞ」
友「うん、そうだな・・・うぐっ」
男「どうした」
友「肉めっちゃ固ぇ・・・卵とか火が通り過ぎてスポンジみたいになってる・・・」
男「当たりじゃん」
友「外れだろ・・・おしんこも味しねぇし」
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12 : 2015/01/13(火) 22:41:08 -
男「それに醤油かけて食べるのがいいんじゃん」
友「わたしもう貴方にはついていけないの」
男「ていうか、塩と醤油があったら大体のモノって美味くならねぇ?」
友「お前究極の貧乏舌だな」
男「あ、お茶持ってこようか?うっすら色がついただけの味のしないお湯だけど」
友「あ、いいです・・・」
-学食編 おわり-
-
13 : 2015/01/13(火) 22:41:50 -
-弁当編-
友「ていうか、なんでお前はそんなマズイものばっか好き好んで食べてんの?」
男「別に好き好んではいないよ。俺だって基本的には美味いもの食いたいし」
友「でも、嬉々として地雷飯探してるじゃん」
男「俺はどんなものを食べる時も豊かな気持ちでありたいんだよ」
友「食に対してドMだよなお前」
男「失礼な」
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14 : 2015/01/13(火) 22:42:27 -
友「そういやお前、今月寮の飯カットしてただろ。夕飯どうする?」
男「いつもの店で弁当買ってくー」
友「またあそこの唐揚げ弁当?」
男「あの唐揚げ美味いんだよ。量も多いし。それに最近ご無沙汰だからな」
友「お前弁当買うときいつもあそこじゃん。しかも毎回唐揚げ弁当」
男「俺、自分が好きなものだったら毎日食ってても苦にならないんだよ」
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15 : 2015/01/13(火) 22:43:13 -
<アリガトウゴザイマシター
友「なんかレジにかわいい子いたな。あんな子いたっけ?」
男「・・・」
友「どうした?」
男「これ・・・前の弁当と変わってる・・・」
友「えっ」
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16 : 2015/01/13(火) 22:43:50 -
男「唐揚げが小さくなってる・・・」
友「不況の煽りが弁当屋の唐揚げに直撃した事例」
男「しかも唐揚げの下に敷いてあるのが千切りキャベツからナポリタンになってる!!」ガクガク
友「肉を減らした分そこはグレードアップしたのか」
男「馬鹿か!なんで揚げ物にケチャップまみれのスパゲティを組み合わせるんだよ!油っこいし、から揚げに味が移っちゃうだろ!!」ソワソワ
友「セリフだけ聞くとキレてんのに、表情見ると明らかにテンション上がってるのが見て取れますね」
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17 : 2015/01/13(火) 22:44:25 -
男「こないだまではさぁ、付け合せもポテトサラダとかウィンナーじゃなくて、もっとこう、山菜うどんの上にのってるような山菜と漬物が申し訳程度にちょこっと入ってるくらいだったんだけど」
友「その分唐揚げにステータス振ってたんじゃない?」
男「多分ね。今日のは全体的にバランス型のステ振りになってるわ、これ」
友「ていうか、自分で言っといてなんだけど弁当のステータスってなに」
男「あぁー残念だなぁ、前のほうがよかったなぁ」ワクワク
友「お前言動と態度が一致してないよ」
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18 : 2015/01/13(火) 22:44:56 -
翌日・・・。
友「今日の夕飯はどうする?」
男「あ、たまにはどっか店で食おうか」
友「今日はあそこの弁当じゃないんだ?」
男「うん・・・あそこの弁当、美味くなっちゃって・・・俺好みじゃなくなっちゃったから」
友「お前やっぱり本当はまずいメシ好きなんだろ」
-弁当編 おわり-
-
19 : 2015/01/13(火) 22:45:38 -
-スープバー編-
男「なんていうか、好みだよ・・・今の人ってご飯少な目でオカズを一杯食べるじゃん?」
友「今の人ってお前はいつの人だよ」
男「俺どっちかって言うと、しょっぱいおかずでたくさんご飯食べるのが好きなんだよね」
友「まぁ確かにしょっぱいのは食も進むし分からんでもないが・・・高血圧になりそう」
男「きっと俺の理想の飯って、江戸時代から昭和初期ぐらいの飯だと思うんだ。一汁一菜の」
友「産まれてくるのが100年ほど遅かったようだな」
-
20 : 2015/01/13(火) 22:46:15 -
店員「ご注文はお決まりですか?」
友「海鮮五目ラーメン」
男「油淋鶏・・・に、ライスセットつけてください」
店員「海鮮五目ラーメンと、油淋鶏ライスセット・・・以上でよろしかったでしょうか?」
友「はい」
店員「ライスセットのごはんとスープのほうおかわり自由となっておりますのでご利用ください」
-
21 : 2015/01/13(火) 22:47:09 -
男「よし、行ってくる」
友「まだメインディッシュきてないけど」
男「ごはんとスープは前菜だ。油淋鶏が来る前に3杯は食ってやる」
友「えぇ・・・」
男「じゃあ行ってきます」
-
22 : 2015/01/13(火) 22:47:42 -
友「何のスープ?」
男「玉子スープだった」
友「ちょっと味みせて」
男「いいよ」
友「ん、ありがと・・・薄いな」ズズー
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23 : 2015/01/13(火) 22:48:15 -
男「じゃあお先にいただきます」モグモグ
友「本当にスープだけで飯食ってる・・・ていうかそのスープ、あんまり味しないね。出汁がきいてないというか」
男「大丈夫だ。俺には醤油がある」
友「そうだったね。君はそういう奴だったよ」
男「よしおかわりだ」
友「早ぇよ!!」
-
24 : 2015/01/13(火) 22:49:06 -
男「ごはんうめぇ」モグモグ
友「味の薄い玉子スープってすぐ飽きが来ない?それで原価安くする&お代わりできないようにしてんのかもしれないけど」
男「そんな小手先の技術で俺の食欲はごまかせない」ズズー
友「お前は一体何と戦っているんだ」
男「よし、そろそろ醤油かけるか」チョロー
友「ごはんの方にかけるのか・・・」(困惑)
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25 : 2015/01/13(火) 22:50:53 -
店員「お待たせしました、海鮮五目ラーメンです」
友「あ、こっちです」
店員「油淋鶏のほうもう少々お待ちください」
男「あ、はーい」モグモグ
友(もうメシ2杯お代わりしてるんだよなぁ・・・)
-
26 : 2015/01/13(火) 22:51:28 -
男「あ、友ちょっと酢とラー油とって」
友「え?はいよ」
男「サンキュー」
友「何に使うの?餃子とか頼んでないだろ」
男「スープに入れて酸辣湯風にする」
友「地味な創意工夫ですね・・・」
-
27 : 2015/01/13(火) 22:52:10 -
男「うーん、すっぱ辛苦い」
友「そりゃそうd・・・ちょっと待って苦いってどういうこと」
男「さまざまな味が織りなすハーモニーが口の中で痴話喧嘩して生み出されている苦みですかね・・・」
友「ハーモニー織りなしてないじゃん」
男「でもこれはこれで」モグモグ
-
28 : 2015/01/13(火) 22:52:56 -
・・・
友「ふう、ごちそうさま」
男「あれ?スープ残すの?」
友「しょっぱいし」
男「・・・それであとご飯2杯はいけるな」
友「えぇ・・・」
-
29 : 2015/01/13(火) 22:54:55 -
男「俺の事をあさましいととるか、食べ物を無駄にしない奴ととるかは君次第だよ!!」
友「すごい目力・・・いいよ、飲めば?」
男「すき」
友「おう唐突な告白やめーや」
男「やっぱ出汁って偉大だわ」ズズー
-スープバー編 おわり-
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30 : 2015/01/13(火) 22:56:55 -
-天ぷら編-
友「ファミチキうめぇ」モグモグ
男「いかの天ぷらうめぇ」モグモグ
友「なんでだよ!!」
男「な、何が?」ビクッ
友「そんなファーストフード感覚でいか天食ってる奴見たことねえよ!!」
-
31 : 2015/01/13(火) 22:58:35 -
男「おいおい、江戸時代を代表するファーストフードだぜ天ぷらは」
友「なにお前の中じゃ大政奉還まだ終わってないの?」
男「あ、もう一本あるけど食う?」
友「いらんわ」
男「いやーこうやって歩きながら天ぷら食ってると高校時代思い出すわー」モグモグ
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32 : 2015/01/13(火) 22:59:21 -
友「いか天好きなの?」
男「好きだよ」
友「そう・・・」
男「だって安いし。ファミチキ1個の値段で2本買えるってすごくない?」
友「主婦か」
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33 : 2015/01/13(火) 23:00:46 -
男「高校の頃金持ってなくてさぁ・・・いつも学校前のコンビニじゃなくて、ちょっと離れたスーパーの総菜コーナーでなけなしの金を使って天ぷら買い食いしてたんだよね」
友「バイトしろよ・・・」
男「してたよ。それでも通学に使ってた原付の維持費が高くて、結局手元に残るのは雀の涙よ」
友「原油高のあおりはいち高校生のサイフまで直撃していたのか・・・」
男「ガソリン代だけじゃなくて定期的にオイルとかタイヤも交換しないといけなかったしね」
-
34 : 2015/01/13(火) 23:01:48 -
友「でもスーパーの天ぷらって、冷めててあんまり美味くないだろ?ああ、お前はそういうのがいいんだっけ・・・」
男「いやそんなことはないけど。揚げたての天ぷら美味いし。あれはもうセレブの食い物と言っても過言ではない」
友「よくテレビとかで出るカウンターで目の前で揚げてくれるスタイルの天ぷら屋とかいつか行ってみたいですね」
男「それに引き替え冷めた天ぷらの下民の食い物感ハンパない」
友「冷たい天ぷら食うと胃がもたれるんだよなぁ・・・」
男「太田胃散飲もう!」 ※ステマではありません
-
35 : 2015/01/13(火) 23:02:24 -
友「やっぱ天ぷらは揚げたてのサクサクしたやつが一番だね」
男「でも、天ぷらうどんとかに入ってるちょっと衣がつゆ吸ってふやけた奴も美味くない?」
友「あー分かる」
男「だからスーパーの冷え切った野菜天なんかも、あれはあれでああいう食べ物だと思ってめんつゆつけて食う分には・・・悪くないよ」
友「せやろか」
-
36 : 2015/01/13(火) 23:03:50 -
男「なんていうか、冷えたかき揚は俺の中じゃお好み焼きとかと同じジャンル」
友「どういうことなの・・・」
男「天ぷらは粉もの」
友「えぇ・・・」
男「かき揚にソースと紅ショウガと鰹節かけて食ってみ?80%くらいお好み焼きになるから」
友「だってそれお好み焼きの味の80%くらいを構成してるものだし・・・」
-
37 : 2015/01/13(火) 23:04:37 -
男「寮生活だとなかなか揚げたての天ぷらって食えないんだよなー・・・寮の飯ってすでに調理されたものを各自が持っていくスタイルだし」
友「そうね」
男「揚げ物が出たとしても、から揚げかフライくらいだもの」
友「天ぷらにくらべて時間が経っても味が変わらないからね」
男「だからこうしていか天食ってるの」モグモグ
友「何故そこに帰結するんですか」
-天ぷら編 おわり-
-
38 : 2015/01/13(火) 23:05:52 -
-道草編-
友「でも、俺も今スクーター持ってるけど原付ってそんなに金かかるか?保険だって自賠責1万ちょいだし。まぁ任意入ってれば分からんが」
男「保険もさることながら、俺が乗ってたのRS50っていう輸入バイクだったんだよ」
友「ふーん」
男「見た目かっこいいって理由だけで知り合いから譲り受けちゃってさ。まぁー燃費悪いわ街乗りし辛いわ部品も高いわで、ありゃ高校生が持つもんじゃないね」
友「三重苦じゃねえか。やっぱりマゾだな」
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39 : 2015/01/13(火) 23:06:57 -
男「ただそれなりに力はあったから、山登るのは楽だったよ」
友「そんないつもいつも山登んねーだろ」
男「いやそれが通学路に一箇所峠があって、割と毎日登ってた」
友「頭文字Dかよ」
男「あとは仲のいい友達が山の中に住んでたから、そいつんち行くときとか」
友「野人かな?」
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40 : 2015/01/13(火) 23:08:17 -
男「いや、彼のご両親がいわゆる田舎にあこがれて都会から移住しちゃった人でさ」
友「あーなるほど」
男「ちょくちょくがけ崩れとか大雪で学校来れなくなるレベルの山奥に住んでたんだよ」
友「日本にもそんなところがあるのか・・・」
男「高校の頃はよくそいつと遊んだんだよ。一緒に道草くったりしてさ」
友「へー」
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41 : 2015/01/13(火) 23:08:51 -
男「ある日、二人でなけなしの金を出し合って鶏ガラ買ってな」
友「高校生が小遣い出し合って買うもんじゃねえだろそれ」
男「そいつんちで雑草摘んで鶏ガラ鍋をすることになったんだよ」
友「道草を食うを地で行くのか・・・」(困惑)
男「確かその頃は、ちょうど時期的にタンポポとか菜の花が咲き始めたころでさ」
-
42 : 2015/01/13(火) 23:09:47 -
友「菜の花はスーパーでもよく辛子和えとか見かけるよな・・・タンポポは刺身の上に乗ってるのしか知らんけど」
男「あれタンポポじゃなくて食用菊の花だよ」
友「そう・・・」
男「あとはたしかフキとか入れたかなぁ」
友「なんていうか野生児だなお前」
-
43 : 2015/01/13(火) 23:10:34 -
男「で、そいつんちの庭で火熾して早速鍋を始めたわけ」
友「ていうかそれ高校の帰り道にすることじゃないよね」
男「菜の花とフキはもう育ちきって皮が固くなっててまるでプラスチック食ってるみたいだった。タンポポはちょっと苦いけど、柔らかくて美味かったな」
友「雑草の味語られてもなぁ・・・雑草食うことなんて多分ないし」
男「七草粥だって半分以上雑草だけどな・・・で、あらかた食い終えたところにそいつの父さんがやってきてさ」
友「ていうか、よく庭でそんなことやるの許してくれたな」
-
44 : 2015/01/13(火) 23:13:34 -
男「そりゃ、そういうのが好きで移住してきた人だもん。嬉々として眺めてたぞ」
友「えぇ・・・」
男「で、道草食ってる俺達に余ってるからってアスパラガスくれたのよ」
友「高校生にアスパラガス渡してるってシュールな光景だなぁ」
男「そしたらアスパラガス超うめぇの。食用野菜の偉大さを思い知ったね」
友「そう・・・」
-道草編 おわり-
-
68 : 2015/01/14(水) 19:29:19 -
男「だからさぁ、それを考えると最近のお通しってのはそっけなくなったよなぁ」
友「最近のって・・・お前俺と同世代だろうが」
男「個人的には今のお通しカットが流行ってる現状はやっぱり寂しいな。まぁそれは客だけじゃなくて店側にも問題があるとおもうんだけど俺としてはやっぱり・・・」ヒック
友「お前実はもう結構酔っ払ってるだろ」
-
77 : 2015/01/14(水) 21:43:06 -
・・・
店員「ぼちぼち券売機動かすかー、今日は忙しくなるぞー・・・ん?」
男「・・・」(迫真)
店員「」
友「お、お前殺気出すの止めろよ・・・店員の人引いてるだろ」
男「これは殺気ではない・・・食い気だ」
友「いいから・・・ほら、食券買おう」
-
78 : 2015/01/14(水) 21:43:54 -
男「成し遂げたぜ」ピッ
友「どれ、せっかく並んだんだし俺も食ってみるか」ピッ
男「どんな感じだろうね?」ワクワク
友「さぁ・・・学食とはいえ一応ステーキで有名なところだし、適当なものは出てこないと思うけど」
男「ハヤシライス食い損なったゴローちゃんもここのステーキ食ってたしな」
-
80 : 2015/01/14(水) 21:44:57 -
男「うん、おいしい!」
友「そ、そうか?結構固いぞこれ・・・」モニュモニュ
男「まるでゴムみたいだぁ・・・」(直喩)
友「ゴムって言っちゃってるし」
男「でも大丈夫だ。熱い鉄板に乗ってるだけで味わい3割増しだ!」
友「せやろか」
-
83 : 2015/01/14(水) 21:46:48 -
←ステーキセット(30食限定)¥500
←サーロインステーキセット¥1200
友「別メニューみたいですね・・・」
男「よくもだましたアアアア!!だましてくれたなアアアアア!!」
友「だまされるほうがわるいんじゃないですかね」エウメネース
-ステーキ編 おわり-
-
90 : 2015/01/14(水) 21:52:45 -
友「どした?」
男「これ、鍵のところが壊れてる・・・引っ張ったら開きそうだぞ」
友「開けなくていいから」(良心)
男「見たいもの見たい!見たいもの見たい!!」ギギギ
友「ちょ、バカやめろ!!」
-
92 : 2015/01/14(水) 21:54:13 -
-雑炊編-
先輩A「男くーん、これ飯盒ってこのままでいいのー?」
男「フォースの力を信じるのじゃ」
友「そんなアドバイスあるか」
先輩B「これカレーにスピリタスぶち込んだら皆ハッピーじゃね?」ヒック
友「おう酔っ払った勢いでテロしようとすんのやめてくださいよ」
-
93 : 2015/01/14(水) 21:54:46 -
男「じゃ、ぼちぼちみんな蓋あけてー」
友「おー皆上手にできて・・・ってお前の班だけ豚汁作ってんじゃねえよ!!」
男「手元が暗くてカレールウと味噌間違えた」
友「絶対確信犯だろ!!」
先輩B「これスピリタスぶち込・・・」ウィー
友「いいからアンタは座ってろこの酔っ払い!!」
-
101 : 2015/01/14(水) 22:01:20 -
男「椀を出しなさい。まず食わねば・・・雅な椀だな」
友「セリフまで再現しなくていいから・・・それにそれ紙皿だし・・・ん?」
先輩B「うひょひょー」(白目)
友「またきたよこの酔っ払いめんどくせえな」
先輩B「おー、なんか美味そうなもん食ってるじゃねーかー」
男「先輩も食います?」
-
104 : 2015/01/14(水) 22:04:42 -
男「・・・よしきた」ピチピチ
友「おー」
男「ほいっ」ピチピチピチ
友「すげぇな」
男「あらよっと」ピチピチピチピチ
友「な、なんでお前ばっかそんな釣れんの?」
-
105 : 2015/01/14(水) 22:05:51 -
男「なんだろう・・・俺、前世じゃ釣りばっかりしてたような気がする」ウーム
友「太公望かな?」
男「いや分からんけど・・・なんか、お前と釣りしてると物凄いデジャヴ感に陥る」
友「そんなこと言われましても・・・」
先輩A「エサの虫が気持ち悪いよぉ・・・」ビクビク
-
107 : 2015/01/14(水) 22:07:58 -
男「じゃ、俺先に上がって下拵えすませとくよ」
友「あ、悪いな。俺も後片付け終わったらすぐ行くわ」
男「うい」
先輩A「友くーん、Bちゃんが川でタイタニックしてるよー」
先輩B「おぼぼぼ」ブクブク
友「そのまま沈めといていいんじゃないすか?」
-
108 : 2015/01/14(水) 22:09:05 -
・・・
友「よー手伝うよ・・・って、すげぇ!もう串まで刺してあるじゃーん!!」
男「一応見よう見まねで踊り串打ってみたけど、どうかな?」
友「イイネ・」
男「・・・なんか、前にもこんなこと無かった?」ウーン
友「ないと思うけど・・・?よし、じゃあ皆のところ持っていこう!!」
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118 : 2015/01/14(水) 22:18:27 -
友「サンキュー、じゃ、頂きます」パク
男「いただきまーす」パク
二人「・・・」モグモグ
友「カニじゃねーか!!」(歓喜)
男「カニカマじゃねーか!!」(憤怒)
友「えぇ・・・」(困惑)
男「えぇ・・・」(困惑)
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121 : 2015/01/14(水) 22:22:02 -
友「でも、いつも食ってるカニカマとは全然ちがうぞ、これ」
男「たしかに、カニカマ風味のカニカマからカニ風味のカニカマにはなってるけど・・・」
友「カニカマ風味のカニカマって何だよ」(哲学)
男「やっぱりカニカマは、カニカマっていうカニとは別ジャンルの食い物だな」
友「カニカマって単語がゲシュタルト崩壊しそう」
-
141 : 2015/01/18(日) 10:27:53 -
友「ん?」
男「俺の部屋からいくつか缶詰もってきた」
友「缶詰て・・・」
男「非常食の」
友「寮暮らしなのにちゃんと自分で非常食用意してんのか」
男「うん、非常用の保存食とか集めるの好きだし」(快活な笑顔)
友「だろうね・・・」
-
142 : 2015/01/18(日) 10:28:42 -
・・・
男「おじゃましまーす、うおぉ重てぇ!!」ドサッ
友「おーう、飲み物冷蔵庫しまっといてー」
男「人使い荒いですう」サッサッ
友「もうやってらっしゃる」
男「醤油はあるな・・・あとほんだしとふえるワカメか・・・アンタ、ちゃんとご飯食べてんの?」
友「お前は俺のお袋か」
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143 : 2015/01/18(日) 10:30:07 -
男「じゃ、早速台所借りるぞ」
友「おぉ」
男「えーと・・・」ガサゴソ
友「そういや、何の缶詰持ってきたんだ?」
男「えーとね、サバの水煮だろ?あとタケノコの水煮と鶏肉の水煮。それからうずらの卵の水煮・・・」
友「尋常でない水煮推しやめーや」
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147 : 2015/01/18(日) 10:37:27 -
友「うーん、おいしいけど、やっぱり缶詰は食感に欠けるよな」モグモグ
男「昔の潜水艦海乗りはこんなの何週間も食ってたんだぞぉ」
友「別に俺潜水艦乗らないし・・・」
男「冬はさぁ、缶詰を石油ストーブの上に乗せて温めて食うよな」
友「そんなんしたことねえよ」
男「!!?!?!?!??!!!?!?!??」
友「驚きすぎだろ」
-
148 : 2015/01/18(日) 10:38:51 -
男「マ、マジで・・・えっこれもしかして北国特有の文化なの・・・?」ガクガク
友「北国でもごく一部の話なんじゃないですかね・・・そもそも石油ストーブっていったら、現代人は普通ファンヒーターを思い浮かべると思うんですけど」
男「ファンヒーターじゃ上にヤカン乗せて加湿できないだろ!!」
友「そう・・・」
男「それでお湯割り作って一緒に温めた缶詰で一杯やるのが冬の醍醐味じゃないのか・・・」
友「その話を聞いて俺の脳裏によぎるのは限りなく渡哲也なんだけど」
-
152 : 2015/01/18(日) 10:45:32 -
男「俺、どうしても開けられなくて毎回歯で端っこの方咥えてねじ切ってたもん」
友「やるやる」
男「ソーセージ咥えながら歯ぁ立ててさー」(ゲス顔)
友「死ねよ」(真顔)
男「なんて冷たい視線だぁ・・・」
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155 : 2015/01/18(日) 10:51:36 -
男「うーん、ハムカツなんて久しぶりにくったなぁ」モグモグ
友「ハムカツのハムってなんかたまに固いところにブチ当たるよな」
男「安いのは大体プレスハム使ってるだろうしねぇ」
友「それ普通のハムとちがうの?」
男「普通のハムってロースハムのこと?」
友「そうそれ」
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172 : 2015/01/18(日) 12:12:43 -
男「うーん・・・」モグモグ
友「どうすか」
男「まさにさっき言ってたようなフードコートのチャーハンそのものだなぁ」
友「そりゃ正真正銘フードコートのチャーハンですがな」
男「レンゲで食ってるお蔭でギリギリ美味く感じる」モグモグ
友「なにそれ」
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174 : 2015/01/18(日) 12:16:18 -
男「ごめん。このチャーハン気管にダイレクトアタック仕掛けてくる」
友「別にもっとゆっくり食っても構わんよ・・・どうせそんなに急いでも1分や2分くらいしか変わらないし」
男「悪いな・・・やったースープも超まずい」(白目)
友「満身創痍じゃねえか」
男「スープなのに粉吹き芋の味がする」
友「えぇ・・・」
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175 : 2015/01/18(日) 12:19:02 -
男「なるほど、これは通常廃棄されるキャベツの芯の部分が具材に使用されているらしいぞ」
友「解析しなくていいから・・・」(良心)
男「多分、前の日に余った野菜類をぶち込んで中華スープの素で煮込んだだけなんだろうな」
友「普通チャーハンっていうとネギしか入ってないラーメンのスープついてくるよな」
男「あれラーメンスープとはまた微妙に違うけどな・・・とりあえず、久しぶりに純粋に心から不味いと思えるメシだったぜ、ごちそうさま」
友「不味いって言っちゃってる」
-フードコートのチャーハン編 おわり-
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