-
1 :
2013/11/09(土) 22:10:40
-
布団の中はとても温かく、人を堕落させる存在だ。マジギルティ。
なんとかその誘惑に抗おうとしてはみるが、結局あと5分あと5分を思い続けてはや1時間が経った。
映姫「布団の中までご飯もってきてくれる人、いないですかね」
着替えも食事も布団の中でしたい。というか何もしたくない。
そんなぬくぬくのいけない快楽を貪っていると、ぴんぽんとチャイムがなった。
映姫「………………」
狸寝入りをしよう。そう思っていたら、がちゃがちゃと鍵をあける音がなり、誰かがドアを開ける音がした。
映姫「誰ですか?」
小町「あたいです、あたい」
映姫「小町ですか。死刑」
小町「いきなりなんですか!?」
映姫「もう仕事の時間ですか?」
小町「何言ってるんですか、四季様閻魔クビになったじゃないですか」
映姫「………夢ですね。おやすみなさい小町」
小町「起きてください」
ソース: http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1384002640/
-
3 :
2013/11/09(土) 22:21:34
-
映姫「どういう事ですか」
小町「映姫様。昨日クビになったじゃないですか。無罪の人間を地獄に落として」
………寝ぼけているせいか、私がミスをしたと聞こえた気がした。顔を冷水で洗ってきたほうがいいかもしれない。
小町「それで、なんでミスをしたのかを今日から調べるって」
映姫「………あー」
なんか思い出してきた気がする。妄想でなければだが。
たしか私は少女を殺した男を地獄に送って、それが実は男の責任ではなかったとかなんとか言われて、閻魔をクビになったんだ。
でも浄玻璃鏡を見て間違えるはずがないから、お情けでなんでミスしたかを明らかにして、それで私が悪くなければ閻魔に復帰させてもらえるといわれたんだった。
映姫「あれ、これ小町のせいにすれば万事解決」
小町「やめてくださいよ、洒落になってません」
洒落を言ったつもりは無いのだけど、まぁいい。
映姫「とりあえず一眠りする」
小町「閻魔の仕事戻りたいんですよね!?」
映姫「しばらくニートでいいわ」
小町「いやいやいやいや」
-
4 :
2013/11/09(土) 22:30:03
-
いつもの閻魔服は着る事ができないので、適当に私服を選んで着ることにした。
小町「うわ、ださ」
映姫「着れればいいのよ、それで」
小町「いや、でもI LOVE 幻想郷Tシャツって」
映姫「安かったから」
小町「給料結構もらってるんですから、もうちょっとマシな服着ましょうよ」
そんなにいけないだろうか。I LOVE 幻想郷Tシャツ。幻想郷愛があふれて素敵って店の人が言ってたんだけど。
小町「あたいが選んであげますから、四季様はご飯食べててください」
映姫「そう言って私の下着を盗む気ですね。マジギルティ」
小町「あたい信用ないですね!?」
普段から仕事をサボるからそうなる。信用を積み重ねるのは難しい。崩れるのは一瞬だったけど。
とりあえず、小町が私フェチなのは置いといて、お言葉に甘えてご飯を食べることにしよう。
映姫「………ご飯がねぇ、おかずもねぇ、食材それほどそろってねぇ」
出鼻をくじかれた。
-
5 :
2013/11/09(土) 22:42:25
-
小町「なんで乾パン食べてるんですか?」
映姫「非常食を非常事態に食べるのは当たり前でしょう」
小町「いや、今非常時じゃないですし」
映姫「私のおなかはエマージェンシーコールを発しているのです」
小町「まぁ、四季様がそれでいいならいいですけど。服持って来ましたよ」
映姫「ワンピースですか」
小町「四季様ならワンピースかなって思いました」
映姫「小町と言えば貫頭衣ですよね」
小町「あたいそんなイメージあります!?」
ちなみに貫頭衣とは一枚の布に頭を通す穴だけ開けた簡単な服である。現実では見たことないけど。
-
6 :
2013/11/09(土) 22:48:51
-
映姫「よいしょっと。ふぅ。どうですか?」
小町「よく似合ってますよ」
映姫「ところでなぜ小町も私服なのですか?」
小町はいつもの仕事着ではなく、雑誌でみるような格好をしていた。そういう雑誌は見たことないのでどんな種類とかは言えないが、小町のくせに似合っている。小町のくせに。
小町「あたいは四季様を助けるためにしばらく死神休んだんですよ。条件として、四季様が駄目だとあたいもクビですけど」
そういって笑いながら、手のひらを横にして首の前で振った。俗に言う、クビになったのジェスチャーだ。
映姫「私の首をギロチンにかけたい?」
小町「分かってましたよね!? 絶対!!」
映姫「冗談です。これは小町を失業させないためにもほどほどに頑張らないといけませんね」
小町「一生懸命頑張ってくださいよ!?」
-
8 :
2013/11/13(水) 20:41:44
-
外に出ると朝日が眩しい。そういえば、裁判官用の宿舎に住んでいるが、閻魔ではない今、住んでいてもいいのだろうか。
小町「今日も良い天気ですね」
映姫「そうですね」
適当に相槌を打ちながらこれからどうしようかと考えてみる。手がかりもない今、どう動いて良いかの判断がつかない。さてはてどうしようかと考えていると小町が「じゃあ人里で話でも聞いて周りましょうか」と的を射たことをいう。小町のくせに少し役に立った。
映姫「まぁ、そんなこと私はすでに考えていたのですけどね」
小町「何がです?」
映姫「なんでもないです。さぁ、行きましょう。三三七拍子のリズムで」
小町「普通に行きましょうよ」
ノリが悪い。普段サボタージュの帝王のくせして、いやサボタージュの帝王とは誰にも流されない人のことを言うのだろうか。常時マイペース、部下としては使いにくい部類だ。
映姫「使いにく塚小町」ボソッ
小町「ボソッといきなり何言ってるんですか」
映姫「特に意味はありません。森羅万象全ての物事一つ一つにちゃんと意味があると思わないでくださいね!!」
小町「え、今なんであたい怒られたんですか?」
-
11 :
2013/11/13(水) 22:38:26
-
人間の里。そこには文字通り人間で溢れている。しかし最近は人間と共存する妖怪も増えてきたようで、ちらほらとその姿を見かけることができる。
人口はおよそ五万人ほど。電気などのインフレが進んでいるおかげで、大通りは夜でも街灯がついていたりする。そういえば私は人間の信仰心を受けて地蔵から閻魔に出世したのだった。あの頃は普通に人間と触れ合っていたが、閻魔だった頃は人間と触れ合うことなんて説教ぐらいしかなかったなぁと昔の私を振り返る。説教が効いて少しでも地獄行きになる人間が減っているといいのだけど。
小町「四季様、はぐれないように手を繋ぎましょうよ」
映姫「小町。貴方は私を子供と勘違いしてませんか?」
小町「いや、四季様小さいので」
映姫「ジャッジメント!!」ゴスッ
小町「きゃんっ! なんでまだ悔悟棒持ってるんですかぁ………」
映姫「これ人を叩くのに便利だからです」
名前を書いてないので重さは普通の棒と変わらないが、手になじんでるおかげで扱いやすい。ところで小町の名前を書いたらどのくらい重くなるのだろうか。やってみたい気もするが、きゃんきゃん鳴かれるとうるさいのでやめておく。決してデレた訳ではない。
流れてくる人の波を小町を盾にして押し進むと、見知った顔が団子屋に据わっていた。言うなれば人間の里の顔とでも言えばいいだろうか。小町よりも自己主張の激しい体の一部分がマジギルティー。
彼女の名前は上白沢 慧音。人里で歴史書を纏めたり寺子屋の教師をやっていたり人里を守護したり、祭りなどの行事にかかわったりと大忙しの半妖だ。そのおかげで人間からの人望が厚く、困ったときには慧音が言ってたと付け加えると相手が納得するほどの影響力がある。私も閻魔に戻ったら判決を慧音が言ってたと付け加えてみようか。
慧音「おぉ、四季映姫・ヤマザナドゥじゃないか」
映姫「残念ながら今は、ただの四季映姫です」
慧音「ん?」
-
34 :
2013/11/20(水) 17:45:05
-
小町「そういえば、人間の記録ってどうつけているですか?」
映姫「そんなことも知らなかったんですか?」
小町「あたい、あんまり中には詳しくないですからね」
映姫「人には二柱の倶生神がついていてですね。男神「同名」が善行を、女神「同生」が悪行を記録して、それをついている人間の死後この記録所に伝えてくるんですよ。それをまとめているのがここの中で働いている人たちですね」
小町「大変そうな仕事ですね」
映姫「大変ですよ」
記録所に入ると、中ではかりかりと何かを書き続けている音が聞こえる。そのほかに雑音はなく、逆にその音が静寂を痛いほどに感じさせる。息が詰まりそうだ。
映姫「早く受付に行って記録を受け取りましょう。私、ここ苦手です」
小町「あれ、四季様なら、静かなの好きだと思ったんですけど」
映姫「静かなのは好きですけど、こんな息が詰まりそうな静寂はいやです」
小町「あたいも嫌です。早く貸してもらいましょう」
-
54 :
2013/11/20(水) 22:41:06
-
映姫「そういえば、なぜ紫は寺子屋に? 教師をしていたのですか?」
紫「今日は違うわ」
慧音「私が人間の里のことで呼んだのだ」
慧音が紫を呼ぶ理由。
考えられるのはやはり、人間の里で何かするか。もしくは何かが起きた。この二つのどちらかだろう。
慧音「最近人間の里で暴力沙汰が多いんだ。無差別ではなく、夫婦や恋人などの仲の良い者通しのどちらかが突然人が変わったように相手に殴りかかる。幸い今のところ死者はいないが」
慧音は口を濁したが、おそらくこのままでは死者が出るといいたいのだろう。状況を聞いた限り、いつ出てもおかしくはなさそうだ。
人間の里の守護者である彼女にとっては里で事件が起きるということはとてもつらいことなのだろう。死者が出るという可能性を言葉にできず、唇をかみ締めるほどに。
慧音「すまないとは思うが、この事件について何か知っていることがあったら知らせてくれ。頼む」
人間が間違った道を歩もうとしているのなら止める。それが元とはいえ閻魔の仕事だろう。
映姫「どうやら間違っている人間が多すぎるようです。ここらでひとつ説教をしなければいけないですね。力になりましょう」
小町「え、でも四季様が説教するのは、閻魔の時の性格であって今は違うって言ってませんでした?」
映姫「黙りなさい」ぽかっ
小町「きゃんっ!!」
-
60 :
2013/11/22(金) 23:16:55
-
無駄に長い階段を上るとそこにはご存知妖怪憩いの場、博麗神社。景色がいいことと沸いて出てきた温泉ぐらいしかいいことがない。
映姫「これ河童に命じて自動で動くようにしましょうよ。外の世界にあるでしょ、そんなの」
小町「いやいや、人の土地を無断で改造しないでくださいよ」
映姫「だって、面倒だし、背負ってくださいよ小町」
小町「飛べばいいじゃないですか」
映姫「非常時でもないのにそんな疲れることしたくありません」
文「空を飛ぶのはそんなに疲れることではありませんよ」
少し顔を上げると、誇大広告拡大解釈上等の迷惑ばら撒き装置射命丸 文がいた。
文「どうも清く正しい射命丸 文です」
映姫「ギルティー!!」ゴスッ
文「あやや!?」
ドシンッ
映姫「今の私は飛ぶ鳥をも落としますよ」
小町「鳥っていうか天狗じゃないですか。というか鬼ですか?」
映姫「神です」
-
66 :
2013/11/23(土) 15:24:08
-
文「文々。新聞をよろしくお願いしますね~」ばさばさっ
映姫「お断りします! ごみに出すのが面倒ですから!!」
小町「四季様、たまにはオブラートにつつみましょうよ」
霊夢「それで、結局どうなったのよ」
映姫「大変ですよ。あの金髪の巫女とフードの男がかかわってるみたいだから探さないといけませんし、怨霊も探さないといけないんです」
霊夢「あら、大変なのね」
映姫「異変じゃないといいのですが」
霊夢「そうね、私もごろごろして日々を過ごしたいもの」
映姫「そうですね。私も常々そう思います」
小町「いやいや、働きなよ二人とも」
-
68 :
2013/11/23(土) 23:24:20
-
映姫「では、これから始めましょうか。私の安定した神生を取り戻すために」
小町「いや、そこは嘘でも幻想郷のためにとか言いましょうよ」
霊夢「いいんじゃない?」
小町「あたいが尊敬していた四季様はどこに」
映姫「照れる」テレテレ
小町「あ、今はそんな尊敬してません」
映姫「!?」
-
71 :
2013/11/23(土) 23:59:25
-
霊夢「朝って、パン? ご飯? ご飯しかないけど」
映姫「ご飯ですね。日本人ですし」
霊夢「朝、ご飯じゃないとおなか空くのよね」
映姫「分かります」
がらっ
霊夢「おはよう」
映姫「おはようございます、小町。? どうかしましたか?」
なぜかずいぶんと小町が暗い顔をしている。悪夢でも見たのだろうか。可哀想に。私の宇宙海賊になってハードボイルドな旅をする夢をわけてあげたい。あ、でも小町がアシスタントのアンドロイドか。どうしよう。
小町「なんでもないです………。あ、霊夢。自分のものは自分で洗いたいのでどこで洗えばいい? 布団と寝巻きを洗えるようなところ」
霊夢「それなら風呂場で洗えばいいと思うけど」
小町「ありがと………」
小町は暗い顔をして、「ありえない。絶対ありえない」とつぶやきながら風呂場に向かっていった。
映姫「そういえば、魅魔とカナと同居しているのでは?」
霊夢「魅魔は今魔界。カナはプリズムリバーのところに泊まりに行ってるわ」
映姫「残念ですね」
-
75 :
2013/11/24(日) 10:30:33
-
朝ごはんを食べ終わったので、そろそろ出かけようと思う。
外を見ると小町の布団と寝巻き。
映姫「………小町ー。地図はどこですかー」
小町「え、ち、地図ってなんのことですか?」ワタワタ
映姫「何をあわててるんですか? 幻想郷の地図ですよ」
小町「あ、そうですよね。えっと地図はいらないんじゃないですか?」
映姫「そうですね、あー、相手が何か情報を漏らさないですかねー」
小町「!! え、えっと、漏らさないんじゃないですかね」
映姫「………なぜそんなにあわててるのですか?」
小町「なんでもないですよ?」
あわてる小町が面白いが、妖怪の山に侵入しなければならないので急ごう。
問題は、千里眼を持つ白狼天狗か。カリカリを持っていけばなんとかなるだろうか。
-
76 :
2013/11/24(日) 15:31:30
-
今日は晴天、雲ひとつない空がまぶしい。これで天下泰平世はこともなしだったら良かったのだが、いまだに私はただの四季映姫だ。
妖怪の山は見上げても頂上が見えないほど高く、噂によれば外の世界に通じる穴があるという。
そういえば最近外の世界には出かけてない。たまには旅行に行きたいな。
映姫「小町、こんど外の世界にデート行きましょうよ。ゆっくり温泉につかりたいです」
小町「温泉いいですねぇ。でも温泉なら地底でもいいのでは?」
地底か。そういえば地底にさとりが温泉を作ったという話は聞いたが、結局行ってない。
地底に用事ができたら入ってみることにしよう。
ガサッ
映姫「見つかるのが早いですね。どうやら優秀な番犬がいるようで」
小町「言ってる場合ですか。どうするんです?」
映姫「見つかったものは仕方ないでしょう。交渉ですよ」
椛「こちらとしても力づくで説得はしたくないので、ありがたいですね」バッ
映姫「抜き身の剣を突きつけられてると説得力がありませんよ」
現れたのは純白の髪に同じく純白のもふもふ尻尾を持った犬走 椛。外見はかわいいのだが、こちらをにらんでくる瞳のせいでかわいさ30%減というところだろうか。もったいない。
さて、これをどう切り抜けるか。さすがに天狗を敵に回すのは得策ではない。なんとかして中に入れるようにしてもらおう。
-
77 :
2013/11/24(日) 15:46:15
-
映姫「こんにちわ、いい天気ですね」
椛「そうですね。このまま天下泰平世はこともなしだと良かったのですが」
あ、この人私とおなじこと言ってる。少し親近感。
椛「何かよからぬものが入ってきたようで、森が荒れているんですよ」
映姫「というと何かあったのですか?」
椛「………部外者に話すことはありません」
映姫「小町、このわんこ、クソまじめですよ。見習いなさい」
小町「四季様もですね」
映姫「やれやれ、困りました。事件の調査に来ただけだったのですが」
椛「事件………?」ピクッ
映姫「この人物を探しています」ぴらっ
写真を椛に見せる。椛は写真を見た瞬間に、驚き、そして少し考え込んだ。
どうやら何かを知っているようだ。
状況から察するに、このどちらか、あるいは両方が妖怪の山に侵入したのだろう。
-
82 :
2013/11/25(月) 22:07:17
-
家に近づくと、幻想郷では珍しいチャイムがあった。どうやら外の世界の技術が伝わっているらしい。
チャイムを押し、少し待つと中からぱたぱたと誰かが玄関に向かってくる音が聞こえた。
足音はカチャと鍵をはずし、ガチャリとドアを開けた。
ドアの隙間から顔をのぞかせたのは赤い髪と赤い目を持った河童。正確には河童と人間のハーフである河城みとりだった。
映姫「朝早くからすみません。おやにとりではないのですか。あなたは確か姉のみとりでしたか?」
一応確認を取ると、みとりは小さく「うん」とうなずいた。
どうやらあまり歓迎はされていないようだ。
それでも事情を聞きださなければならない。さとりのように心を読む力があれば楽なのにと思いつつ、適当に世間話を話す。
映姫「貴方は妹と違い、面倒ごとは起こしてないようですね。実にいいですよ」
妹のほうは、作った機械が暴走して暴れだしたり、祭りで高額の商品を売りつけたりと、いろいろな問題を起こしていたが、姉であるみとりの悪い噂はあまり聞かない。
聞いたとしても、それは人間と河童のハーフなので、妖怪の山の妖怪たちから嫌われていたり、あらゆるものを禁止する能力を恐れたものがみとりの陰口を叩いている。そんな本人の人となりは所業を完全に無視したものだけだった。
小町「四季様ー。早く本題に入りましょうよー」
後ろで小町が、そう言う。とはいうものの、いきなり本題に入ってもいいものだろうか。もしみとりの機嫌を損なうようなことをしてしまうと、あまり信頼されていないようなので、扉は天岩戸よろしく閉じられてしまうの違いない。禁止された扉を開けることは私はオモイカネでもアメノウズメでもないのでできないだろう。
しかし小町が発破をかけてしまった以上、世間話を続けても怪しさが増すだけだ。後戻りができないのなら進むしかない。
-
87 :
2013/11/26(火) 10:32:06
-
映姫「貴方は? 見たことないですが」
白衣男「この家に居候させてもらってる河童の白衣男という」
映姫「男女が一つ屋根の下———っ!? 不純ですよっ」
なんとなく場を和まそうとして、ちゃかしてみると小町があきれたようにため息をついた。
小町「あー四季様四季様。嫉妬はいいですから話聞きましょ」
映姫「嫉妬ではありません!!」
嫉妬ではない。別に彼氏が生まれてこの方存在しないことも、いまだに恋愛のれの字も知らないことも今はなにも関係ない。そう、関係ない………
映姫「それで、襲われたというのは」
白衣男「襲われたというかなんというか。その妖怪を見て。気がついたら友人を殺しかけていた」
映姫「!?」
小町「………手がかり、ゲットですね」
どうやら被害者はみとりではなく、この男らしい。
となると被害者は誰なのだろうか。友人となるとにとりだろうか。もしくは一緒に消えた、白衣男の幼馴染か。
まぁ、どちらにせよ襲われた人に話を聞くことは無理だろう。
-
92 :
2013/12/01(日) 01:18:53
-
椛「帰りますか?」
椛の鉄面皮がほっとしたように少し揺らぐ。ようするに部外者はさっさと帰れということか。
映姫「そうなると意地でも帰りたくないのが、この私」
小町「何言ってるんですか」
映姫「終電、なくなっちゃったね」
小町「何言ってるんですかあんた!?」
さーて、どうすればいいのか。思い浮かばない。
一番良いのはあっちから出てきてくれることだが。
映姫「そういえば」
小町「どうしたんですか?」
映姫「いーことおもいついちゃったー♪」
椛「?」
小町「四季様今凄い邪悪な顔してますよ」
映姫「えー♪ そんなことないよー♪」きゃるんっ
小町「不安だなぁ」
-
93 :
2013/12/01(日) 01:34:05
-
椛「それでは」
映姫「ばいばーい♪」きゃるるんっ
椛に別れを告げ、妖怪の山を下る。
とりあえずさっき思いついた良いことを実行するために早急に神社に帰らなければいけない。
映姫「というわけで、神社につないでください」
小町「人使いが荒いなぁ」
そう言いながらも、距離を調整する映姫。
少し景色が歪んで元に戻る。どうやらすでにできたようだ。
では、善は急げというので、急ぐとしよう。
映姫「いやぁ、妖怪の山の皆さん。喜ぶだろうなぁ」にやぁ
小町「四季様。顔」
映姫「いけない」ニコッ
小町「それで、いったい何をするんですか?」
映姫「素敵な贈り物ですよ。奴らのカーストを昔に戻してやります」
小町「?」
-
99 :
2013/12/02(月) 19:47:11
-
懐からタバコを取り出しをつける。
タバコから煙が出て、昇っていく。香りは普通のタバコのようだ。
映姫「………」すぅ~
煙を肺に入れると、それは不思議なことになんの感触もなく体に溶け込んでいった。息を吐くがそこに紫煙は含まれていない。
タバコは吸ったことがない。なのに何事もなく吸うことができる。
なるほど、これは不思議だ。
そこで気がついた。
さっきまで吹いていたそよ風。霊夢が掃く音。そして明るい日差し。
全てが気にならなくなっていた。
聞こえているが聞こえていない。見えているが見えていない。感じているが感じていない。
何も介入しない完全な自分の空間がそこにあった。
映姫「なるほど、じっくり考え込めますね」
-
105 :
2013/12/03(火) 19:35:59
-
映姫「む。屋台の焼きそば。侮れませんね」ずるずる
小町「四季様~って情報収集はしてないんですね………」ガクッ
これは別に食べたくて食べているわけではない。どんなに優れた英傑でも腹が減っていた場合全ての力を出すことができない。相手は何者か分からないのだ、だから私も十全の力を整えなければいけない。決してイカ焼きやたこ焼きや焼きそばわたあめを食べたいから食べているわけではない。
映姫「なんですか。もぐもぐ。なにか。もぐもぐ。あったんですか? もぐもぐ」
小町「食べるか喋るかにしてくださいよ。行儀悪い」
映姫「もぐもぐもぐもぐ」
小町「………はぁ。別にたいした情報ではないんですけど、この祭りを開いた、稗田阿求と守矢神社と命蓮寺の挨拶が始まりますよ」
映姫「はぁ、一応行って見ますかね」もぐもぐ
小町「こっちですよ」
小町が人ごみをすり抜けて歩いていく。私は焼きそばを急いで食べ、それについていった。
人の流れが小町についていくにつれて一定になる。
どうやら皆あの三人に会いに行くようだ。
-
108 :
2013/12/04(水) 19:19:55
-
神奈子「………つか…れた」
阿求「神奈子さんって性格凄い変わりますよね」
神奈子「……うん……よく…言われる」
白蓮「うふふ。面白いですね」
映姫「はーい、ここで質問ターイム」ぶらぶら
阿求「ひぃ!」
神奈子「………びっく…り」
白蓮「あらあら、なんでぶら下がってるのかしら」
映姫「頭に血が上りますねこれ。よいしょっ、にゃんぱらりっ」トンッ
映姫「改めてインタビュータイム!! まず質問です。すりーさ」
小町「何やってるんですか馬鹿四季さまぁ!!」ダダダッ ズザーッ
-
110 :
2013/12/04(水) 19:38:27
-
映姫「被害者は人間、妖怪問いません」
そう聞いた聖の目が悲しげに伏せられる。
無理もない。妖怪を守れなかったのだ。それは聖の志に傷を入れる。
しかし、この僧侶は折れない。守れなかったものを次守るためにもさらに努力をし、志を太くする。砕けることのない傷だらけの志を。
そして産まれた魔にして善、聖 白蓮という志は折れることはない。決して。
少なくとも私は、この人物をそう認識している。私は仏ではないが、それなりに聖を信用しているのだ。
神奈子「………ひど…い」
映姫「どんな被害が?」
神奈子「身内で……殺し…あった」
白蓮「………」ぎりっ
映姫「ご協力をよろしくお願いします。それでは」
小町「え、もう行くんですか?」
映姫「嫌な気がします。だいぶ」
もしもの話で確定はしていないのだが。ここのところおきている喧嘩。それがこのフードの仕業だったら?
取り越し苦労で杞憂だといいのだが、それでも動かないという選択肢はない。動かなかった場合、結果は負けしかないのだから。
-
131 :
2013/12/08(日) 21:22:19
-
小町「あれ、巫女もいたんですね」
映姫「そうですよ。愛の語らいをしてました」
小町「え、四季様ってそっちの趣味が」
映姫「えぇ、もちろん両方いけます」
小町「………」ズザッ
映姫「冗談ですから、そんな距離を操りながら後ろに下がるのやめてください」
小町「はいはい」
映姫「それでどうしたんですか?」
小町「小兎姫や、山の神様が呼んでましたよ。酒を飲めって」
映姫「やれやれ」
どうやら今夜は無礼講らしい。人も神も妖怪も。飲みつぶれりゃ皆同じ。
たしかに幻想郷らしくはある。
映姫「でもほどほどにしますよ。霊夢が家で待ってるので」
小町「そうですね。っていっても普通に布団引いて寝てそうな気もしますけど」
映姫「いいんですよ。ただの酔っ払いを回避する建前ですから」
-
144 :
2013/12/14(土) 08:21:42
-
小町「ふははははー。橙はおとなしく降参するのだー」ガオー
橙「ちぇ、橙は自分を曲げないですよ!!」
映姫「こら、何をやってる」ゴツッ
小町「きゃふんっ」
橙「あ、閻魔のお姉さんです」
映姫「今は閻魔では、いやまぁどうでもいいですね。橙、再び八雲 紫の家い連れて行ってもらいたいのですが」
橙「わかりました! 橙に任せてくだしゃい!! 藍しゃまが向かえに来ます!」
映姫「なるほど。ではそれまで時間をつぶしましょう」
小町「よし、鬼ごっこの続きをしようか」
橙「望むところです!」ニャニャッ
映姫(………なぜ子供とこんな楽しそうに鬼ごっこができるのでしょうか。私が汚れている?)
-
145 :
2013/12/14(土) 08:41:19
-
橙「追い詰めました!」
小町「残念!距離ブースト」ヴィンッ
橙「にゃ!?」
映姫(大人げないですねぇ)
藍「おや、あなたは」
振り向くと金色の尻尾がもふもふしていることで有名な八雲 藍が立っていた。
橙「藍しゃま!」
映姫「紫に会いたいのですが」
藍「………どうやら急用のようですね。分かりました。呼んできます」
-
149 :
2013/12/14(土) 09:15:54
-
迷いの竹林。そこは周りの景色が同じなため迷いやすいといわれている。
迷い込んできた人間は妖怪にとって絶好の餌だろう。
そんなところになぜかある病院。永遠亭に私は向かっていた。
迷いはしないが、変わらない風景というのは気分を陰鬱とさせる。
進んでいるのかわからなくなるこの空間。下手な妖怪でも迷ってしまうだろう。
映姫「………なぎ払いてぇ」ボソッ
小町「四季様、不穏なこといわないでくださいよ。気持ちは分かりますが」
-
169 :
2013/12/18(水) 15:09:55
-
小町「ヤマザナドゥではないですけど本物です。仕事クビになっておかしくなったんですよ」
永琳「クビ?」
映姫「はめられたのですよ。誰かに。お邪魔します」べちょ
さすがにこのまま歩きまわるのは駄目らしい。心が狭いことだ。私が同じことをされたら、三途の川にいこうぜ。久しぶりにキレちまったよ、となるが
永琳「濡れてるから、ちょっと濡れてるから」
映姫「気にしなくていいですよ」びちゃびちゃ
永琳の制止を振り切り、風呂場はどこかと大捜索を始める。すげぇ、このたたみの部屋凄い広い。ちょっとあがってみよう。おぉ、こっちにはじゅうたんの部屋が。こっちに風呂がありそうな気がする。
永琳「てゐ!! さっさとタオルもってきて!!」
小町「すみません、うちの上司が」
-
171 :
2013/12/18(水) 15:51:33
-
映姫「あふぅ」
お風呂の温度になれ、タオルを頭にのせてビバノンノンとしていると、ふと小町が目に入った。
小町「どうかしましたか?」
映姫「いえ」じーっ
小町「ふふんふ~ん♪」ぷかぷか
映姫「………オゥ」ペタペタ
浮いている。確実的に浮いている。なぜだ重いはずなのになぜ浮く。空気でもはいっているのか。
自分を見ると、浮く部分はあまりない。というかほとんどない。小町がカンチェンジュンガだとすれば私はカムイエクウチカウシ山ぐらいの差があるからだ。
これが貧富の差か。
映姫「全部貧しいのが悪いんやっ!!」
小町「っ!?」ビクッ
映姫「なんでもないです。ところで小町は胸が大きくてうらやましいですね」
小町「え!? あたいですか? でも大きくても不便なだけですよ。戦うとき揺れて面倒ですし、肩こりますし」
映姫「そう、ですか」
持っているものと持たざるものとの間で意識の差があるとは思わなかった…!
-
180 :
2013/12/18(水) 21:19:20
-
映姫「小町………」
永遠亭から帰る途中の竹林で立ち止まる。
借りた傘に雨がぶつかる音を聞きながら、さっきの私を思い出そうとしていた。だけど思い出せない。
映姫「小町、私はさっき何を話しましたか?」
小町「何言ってるんですか四季様。ボケたんですか?」
映姫「いいから早くっ!!」グイッ
小町「いたッ。四季様痛いです………っ」
映姫「あ、すみません。ちょっと混乱してて。私はさっき、無傷ではいられないと言ったあと。なんて言いましたか?」
意識が消える前。記憶が残っているのはそこまでだ。
その後———私は何を話した。
小町「なんか次の異変が起きるとか、犯人が忘れられているとか、そんなことを」
しまった。思いっきり話していた。これで永琳は知ってしまった。次の異変を。
なぜだ。なぜ教えた。犯人の宣戦布告か。
絶対異変は起きるという。絶対に異変を起こすという———!
-
182 :
2013/12/18(水) 21:29:25
-
四季様が叫んで倒れた。あたいは目の前が真っ白になって四季様を背負って博麗神社に戻った。
何を言ったかは覚えてないけど、たぶん変なことを霊夢に口走っていたんだと思う。
霊夢は泥にまみれた四季様をふいて、着替えさせ布団に寝かせて「もう大丈夫」と言った。
あたいはそれを本当なのだろうかと心配になりながら、できることはないので四季様の隣にずっと座っていた。
-
183 :
2013/12/18(水) 21:42:19
-
霊夢「ただの精神汚染よ」
目を覚まさない四季様の隣に座っていると霊夢が部屋に入ってきてそう言った。
霊夢「わかってると思うけど、妖怪や神なんかは私と違って精神が本体。それをいじくられたみたいね。多分映姫の心に無理やり他の心を入れたとかそんな感じで映姫の心はぐっちゃぐちゃにされたのよ」
心をぐっちゃぐちゃに? 誰かの心が四季様の中に?
そういえば四季様は倒れる前に自分は何を喋っていたのかと聞いた。
あれか。永琳と話していた四季様は
小町「なんであたい気づかなかったんだろう。これでも部下なんだよ。それが上司の異変にまったく気づかないなんてさ。あはは笑っちゃうよな。サボりなんていわれても仕方ない。駄目なんだ。あたいは駄目なんだよ 失格だよ。守れないんだよ。守れなかったんだよ、無能だから、あたいが無能だから」
霊夢「あぁ、うっさい!! じめじめするのは天気だけにしなさいよっ」スパンッ
霊夢が頭をはたく。反応ができずに思いっきりくらってしまった。
霊夢「だから精神が本体って言ってんでしょうが! 病むな、面倒くさい!!」
小町「あはは、ごめんごめん。病んでもしかたないよね………ちょっと空気吸ってくる。
-
189 :
2013/12/19(木) 09:42:03
-
厄介だ。どうにかしてあれを止めなければ、射撃も近接も当たらない。太いビームならば打ち抜けるかも知れないがあまりにも隙ができる。避けられて動けないところをやられると即終わりだ。
小町が幽霊や銭を投げ、私が光の矢やレーザーを放つことで動きを止めているが決定打にはならない。
どうにかして動きを止め、その間にラストジャッジメントで打ち抜く。それが理想的だが、竹が邪魔をし、思うように動けない。
浄玻璃鏡があればまだ何とかなったかも知れないがすでに砕けている。あの手鏡高かったのに。
映姫「さてはて、これはもしかしてピンチですか?」
小町「いやいや、霊夢のほうが恐ろしいですよ」
動きを止めるために使ったスペルカードは彷徨える大罪とタン・オブ・ウルフの二枚。両方効果的とはいえない結果に終わってしまった。
私があと持っているのはいずれも主砲級の技。隙が多すぎる。
小町は牽制のスペルカードをいくつも持っているが、威力が足りず全て弾かれていた。
ジリ貧。スペルカードのルール、不殺に縛られているとあまりにもやり辛い。
小町「………」カランッ
小町が鎌を投げ捨てた。
映姫「小町?」
小町「あたいは不惜身命、でも四季様は可惜身命でお願いしますよ」ニコッ
-
190 :
2013/12/19(木) 09:54:01
-
小町の姿が消える。いや能力で一瞬の間に仮面の男の後ろに移動していた。そして崇徳を後ろから羽交い絞めにする。
風が吹く。
小町「四季様。早く、お願いします、よっ。あたいごと、打ち抜いて、殺さないと、四季様、危ないです」
小町の体が刻まれていく。しかしいくらその肌に傷を作ろうが、いくら血を流そうが小町は離さない。それどころかさらにきつく絞めている。痛いだろう、辛いだろう。
なのになんでそんな笑顔なのかっ!!
なんで笑えるのか!!
死ねば死に損 生くれば生き得と言っていたのは小町じゃないかっ!!
映姫「いえ、殺さずに止めます」
小町「駄目ですって。たまにはあたいにも、働かせて、くださいよ。お願い、です」ニコッ………
映姫「………」
小町「死ねば死に損ですけど、誰かのために死ねるなら、案外死に得ですって」
映姫「すみません、小町」
小町「いいんですよ、四季様」
私には
殺せない
-
192 :
2013/12/19(木) 10:16:42
-
???「おぉっとさせるかぁ!!」
誰かの声が聞こえた。たしか聞いたことのあるような声。しかし誰かはわからない。
???「開発ナンバー24「凪様」だぁっ!! 説明しよう!! この発明はこのフィギュア、もといとある神様をあしらった像の背中にあるスイッチを押すことで半径100メートル圏内の地帯を無風地帯に変えることができるっ!! というわけでポチッとな!!」
風が———やんだ。
飛んでくるであろう不可視の刃は私を刻むことはなかった。
とりあえず助かったようだ。
-
196 :
2013/12/19(木) 19:43:48
-
~とある竹林の深い闇の中~
これで、私は
ボリボリムシャムシャ
強くなれる。
妖怪を全て殺す。そのためには私は強くならなければいけない。
???「うぇ………」むしゃむしゃ
体の中に力が入ってくる感じはおぞましい。しかしそれも強さのためならば甘露にもなる。
これは復讐だ。
あの子を殺した妖怪に対しての復讐だ。
???「待ってなさい………殺してあげるわ」
???「どう、おいしい?」
???「美味しいわよ。あなたもどうかしら?」
???「うげー。私は遠慮しとく」
???「残念残念。うふふふふ」
???「あははははー」
-
199 :
2013/12/19(木) 20:06:15
-
映姫「お待ちください。幻想郷はなくなりません。なぜそう思うのかお聞かせください」
閻魔大王「決定したことなのだ。それでは忙しいゆえ失礼する」
閻魔大王が退席をし、部屋から出て行こうとする。
映姫「え、待ってください。待って。待てよ。おい、待てよ!!!!」
小町「四季様。閻魔大王ですよ!?」あわあわ
閻魔大王「………まだ何かあるのか?」
映姫「当たり前だろ。昨日までいた幻想郷がいきなりなくなるとか信じられるわけないだろうが! せめて説明しろよ!! わけわからないこといって終わらせてるんじゃねぇよ!!」
閻魔大王「四季 映姫。あまりにも口が過ぎるがまぁいい。許そう。もう一度聞く。何かあるのか?」
映姫「———っ!! 四季 映姫。ヤマの名なんていりません!」
小町「え、四季様!?」
閻魔大王「どういうことだ?」
映姫「辞めてやります、こんなところっ!!」
-
201 :
2013/12/19(木) 20:35:20
-
小町「あ、四季様」
映姫「もう部下じゃないんですから、様はつけなくていいんですよ。馬鹿小町」
小町「あれ、怒ってますか?」
映姫「怒ってないと思いますか?」ニコッ
小町「え、えぇっと。怒ってないでファイナルアンサー………」
映姫「残念!!」ゴスッ
小町「きゃんっ!」
映姫「なんで辞めたんですか。小町は何もしてないでしょう?」
小町「あたいも幻想郷が好きだって話ですよ。それに四季様以外の部下になんてなりたくないですし」
映姫「………馬鹿小町///」
小町「あれ、顔赤いですよ?」
映姫「怒ってるんです!!」ゴスッ
小町「きゃんっ!」
-
202 :
2013/12/19(木) 21:09:16
-
映姫「というわけで、閻魔辞めました。これからここに住むことになったので、今後ともよろしく」
霊夢「はい?」
博麗神社に戻り、事の顛末を伝えると霊夢は当たり前だが驚いていた。
さて、これは数発しばかれるかと覚悟していたが、霊夢は以外にも「仕方ないわねぇ」で済ませてくれた。
どうやら、食費をこっちもちというのはなかなかに大きなことらしい。
小町「これからどうします?」
映姫「決まってます。事件の捜査ですよ。あと、さとりに話を聞きにいかないといけませんし」
霊夢「さとりにねぇ。わたしは異変出るまで動かないからよろしく~」
映姫「怠慢巫女………」
霊夢「金くれれば協力するわよ」
小町「強欲だね」
-
234 :
2013/12/25(水) 14:11:08
-
映姫「あぁ、素敵な人とか現れないかなぁ」
麟「呼んだかしら?」
映姫「!?」
素敵な人ではなく、敵な人が現れた。
なんでまたいきなり。急すぎる。
いや、こっちの都合とか知ったことじゃないんだろうけどそれでもラスボスがいきなり出てきたら話としてなにこの超展開とか言われかねないし、あ、もしかしてこれで終わりですか!? いやいやまだ始まったばっかりだし。
麟「あのぉ。何あたふたしてるの?」
映姫「あなたは黙っててください!!」
麟「え、あ、はぁ」
どうしよう。今すぐにでも おわり なんて文字が出るかもしれない。いやこんなメタな話を話していいのは紫だけなのだがそれでもこの急展開に私に頭は付いていかないもしかしてこれは夢!?目が覚めたら私は素敵なお姫様!………ねぇよ。この年でお姫様にあこがれるほど夢見てないよ。素敵なだんな様は欲しいけど。いやいや今はそんなことを考えてる時間じゃないって何度言えばいいのか。私のおばかさんっ!
麟「ってそうじゃないわ。ふぅ、危なかったわ。あなたの流れに乗せられてしまうところだったわ。でもそうはいかないわ。あなたがこのまま地底にいくというのなら私はそれを止めるわ。さぁ! あなたは私にはむかうのかそれとも従うのかどっち!?」バババッ
ちくしょう。撃ってきやがった。
冴月の周りに花びらが現れたかと思うとそれが一直線に飛んでくる。まるで花吹雪だ。
季節にはそぐわないが、これがもしかして彼女は草を操るのだろうか。
最近のコメント