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1 : 2014/10/04(土) 19:44:54.30 -
短編鬱(?)艦これSSスレ
ではここでニュースをお伝えします…
◯月◯日において無差別殺傷事件が、横浜、横須賀で発生しました
近隣住民の証言を元に、犯人の逮捕を急いでいます提督「…聞きたくないもの聞いちゃったな」
翔鶴「…ええ」
提督「ここも横須賀だが… 仮にも軍施設。 大丈夫だとは思うが…」
翔鶴「気をつけたほうがいいですね」
提督「ああ、一応呼びかけでもするか…」
カチッ…提督<あー、皆、俺だ 緊急ではないが話したいことがある、各自食堂に来てくれ>
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1412419484
ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1412419484/
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2 : 2014/10/04(土) 19:45:49.63 -
提督「よし、大体集まったな」
提督「あー、実は最近この周辺で、無差別殺人事件が起きた」
ザワザワ…
暁「さ、殺人…」電「怖いのです…」
提督「…だが、恐らく犯人は人間だろう」
雷「ここは鎮守府よ? ねえ、大丈夫でしょ?司令官」
響「いや、そんなこともないかもしれない…」
提督「…ああ、響の言う通りだ いくら軍施設とはいえ、そいつは狂っている」
提督「ここに来る可能性もあるな… 信じたくはないが」
翔鶴「ですから、戸締まり等はしっかりして欲しいんです」
提督「ん… そういうことだ もしもの時を考えて動け、以上、解散」
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3 : 2014/10/04(土) 19:46:52.83 -
吹雪「殺人事件、ですか… 物騒です」
白雪「でも、ここは鎮守府ですし…それにこれだけ艦娘がいれば大丈夫じゃないでしょうか」
初雪「まあ…刃物で刺されるより危ないことしてるからね…うちら」
深雪「ま、出撃はまちまちだけどな…」
金剛「Ha—…嫌なこともあるもんですネー」
比叡「お姉さま!もしそんなトチ狂った輩がきても、私がお守りします!」
金剛「比叡は優しいネー、そんなことが起きないのが一番ですガ…」
霧島「感情と言うものは怖いものね…」
榛名「その、殺人…ってどんな罪状になるの?」
霧島「ま、ここに居れば知らないのも当然かな…」
霧島「そうね…場合によっては懲役何十年とか… あまりにも残虐なら死刑もあるし… 無期懲役とかもね」
榛名「一体どんな人物なんでしょう‥」
霧島「いわゆる気違い、な人よ深く考えるほど難しいことじゃないわ」
榛名「…怖いです」
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4 : 2014/10/04(土) 19:48:35.87 -
鈴谷「つまんないことするのも居るもんだよねぇ」
熊野「はぁ… 安心して眠ることもできなさそうですわ」
鈴谷「まっさか、来ないっしょ」
熊野「可能性は0ではありませんわ」
鈴谷「そうだけどさぁ…」
提督「まあ、そんな訳だ」
赤城「はぁ、交代で…夜に偵察機を飛ばすと」
提督「あぁ、積めるだけ積んでくれ、彩雲はあるからな」
加賀「何時間交代にしましょうか」
提督「そうだな…空母も人数が居るから、2時間かそこらで交代にしよう」
飛龍「はぁ、お仕事あると思ったら、鎮守府の御守りか…」
蒼龍「そう言わないの、飛龍」
提督「悪いな、これもここのためだ」
龍驤「で、隼鷹と飛鷹にも伝えとけばエエんやな?」
提督「ああ、基本正規空母が出てもらうが、一応軽空母も念のためにな」
龍驤「念のためってなんや?」
提督「まあ、どうしても眠い時とか… あー、まあそこらは自分次第だ」
龍驤「わかった、ほな私は」
提督「あぁ… という訳だ 頼むぞお前ら」
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5 : 2014/10/04(土) 19:53:13.86 -
皐月「なぁ長月…さつじん、って怖いのかな…」
長月「まあ、そうかもな…」
皐月「人を殺してしまうから殺人なら…深海棲艦を倒すボク達って…」
菊月「考え過ぎだ皐月」
長月「あぁ…私達は、人々の安全…いわば敵を倒している、防衛だ」
菊月「だが殺人は…敵でもない人を次々と[ピーーー]だけの…悪魔だな」
皐月「悪魔、って…」
望月「あーもう…やめてよそんな話 聞きたくない聞きたくない」
三日月「考えたくもないことですが、他人ごとでは済まないことも…」
文月「でもぉ、私達艦娘は、武器があるでしょー?これでやっつけちゃえば?」
望月「そうできたらの話だねぇ…」
文月「そうできたら…って?」
三日月「まぁ…そのうち考える時が来るでしょう」
提督「悪魔、ね… まぁそうかもな」
翔鶴「どうかしましたか?」
提督「いや、なんでも。 さて、次は…」
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6 : 2014/10/04(土) 19:54:59.57 -
夕張「私がですか?」
提督「ああ…機械の操作とかいじるのは得意だろ」
夕張「私は一人しか居ないんですよ?」
提督「…はぁ、わかった じゃあこうしよう、一週間続けてくれたら、外出許可証、または機材の調達資金を出す」
夕張「ほ、本当ですか!」
提督「もちろん」
夕張「でも…水中用のソナーと、対空電探でできるかな…」
提督「なに、使う場所が違うだけだ、レーダーが使えなそうだったら、ソナーなら使えるだろ?」
夕張「まぁ、音を聞くためですからね」
提督「そういうことだ、頼んだ」
夕張「提督、用心深すぎませんか?」
提督「あるに越したことはない、じゃあな」
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8 : 2014/10/04(土) 20:06:41.17 -
提督「あとは…五航戦か」
瑞鶴「あ、提督さん!」
提督「…ん? どうした」
瑞鶴「ねぇ、一航戦や二航戦の人たちって、警備とかするんでしょ?」
提督「ああ、そうだな」
瑞鶴「どうして私や翔鶴姉は出してくれないの?」
提督「安心しろ、やることはある」
提督「お前ら二人には、鎮守府内を警備してもらう」
提督「翔鶴も付けたいところだが、あいにく秘書だからな…」
提督「その代わり、鎮守府内での艦載機運用を特別に許す、夜の間だけな」
瑞鶴「わ、わかったわ」
提督「もし都合が悪い時とか、眠い時とかあるだろうから、その時は非番の空母にでも頼んでみてくれ」
瑞鶴「…うん、ありがとう」
提督「…どうして礼を言う」
瑞鶴「だって、私あまり出撃とかできなくって、あまり鎮守府の役に立ててないような気がしてね…」
瑞鶴「こんな私でもやれることがあるなら、って思うと…ね」
提督「…安心しろ お前が役に立たないなんて思ったことはない」ポンポン
提督「ま、練度が足りないのもあるからな 今度練度を一斉に上げる予定がある。その時まで楽しみにしておけ」
瑞鶴「ありがとう、それじゃ」
提督「あぁ…」
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9 : 2014/10/04(土) 20:07:50.47 -
提督「ま、役割は大体こんな感じだから、まとめてくれないか?」
翔鶴「はい、任せて下さい」
提督「悪いな、字が汚くて」
翔鶴「いえ…私は好きですよ、提督の字」
提督「どうして?」
翔鶴「だって、小さくて、女の子みたいな字で、可愛いな…と思って」コン…
提督「そ、そりゃ…お前に迷惑かけないように出来るだけ丁寧に書いてるだけだ…」
翔鶴「大丈夫ですよ、私は」サラサラ
提督「そうか、ありがとうな」
翔鶴「いいえ…」サラサラ
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10 : 2014/10/04(土) 20:09:05.66 -
夜12時過
提督「じゃあ、今日は頼んだぞ赤城」
赤城「はい、お任せ下さい 仮眠もしっかりしたので」
提督「それはいいことだな、言っておくが資材庫は鍵掛けといたからな」
赤城「…! こんな真剣な事件を目の前にして盗み食いなんか私でもしませんよ!」
提督「だといいがな、何かあったら上の執務室まで艦載機を飛ばしてくれ」
赤城「はい、では」
提督(何も無ければいいんだけどな…)
赤城「ふぅ…すっかり最近は寒いですね…」サスサス
赤城「じゃあそろそろ… はい、艦載機の皆さん、発艦お願いします」
ブゥゥ… バラバラバラ…赤城「よっこらせっと…」
赤城「星が綺麗ですね…」
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11 : 2014/10/04(土) 20:09:59.21 -
提督「じゃあ瑞鶴も、頼むぞ」
瑞鶴「うん、任せてよ!」
提督「何かあったらすぐにな」
瑞鶴「熟練の艦載機でかっ飛ばさせるわ!」
提督「それは頼もしい限りだ」
翔鶴「いいんですか? 私は何もしなくて」
提督「ああ、今日は赤城と瑞鶴が外と中をやってくれてるからな」
翔鶴「…大丈夫でしょうか」
提督「あの赤城と、自慢の妹、瑞鶴だろ」
翔鶴「…はい 心配し過ぎかもしれませんね」
提督「ああ、お前は先に寝ていいぞ」
翔鶴「提督はどうなさるので?」
提督「まあ、もしも、のことが合った時にな…」
翔鶴「わかりました、では おやすみなさい…」
提督「ああ」
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12 : 2014/10/04(土) 20:14:40.15 -
赤城「暇ですねぇ」
加賀「赤城さん」
赤城「あ、加賀さん、もう時間ですか?」
加賀「いえ、まだ30分早いですが どのみち、次が私なので一緒に」
赤城「心細かったです」
加賀「寒いですね…」
赤城「ええ、着込んで正解でした」モゾモゾ
加賀「持ってきたほうが良かったかしら…」サスサス
赤城「加賀さん、もうちょっと寄って下さい」
加賀「? はい」
パサッ赤城「ほら、これで少しはマシでしょう」
加賀「あ、ありがとうございます…」
赤城「あと、交代になったら置いていきますから」
加賀「…どうも」
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13 : 2014/10/04(土) 20:15:47.24 -
チュンチュン…
提督「……」ガチャ
翔鶴「提督…?入ります…」翔鶴「結局寝てしまったんですね…」
翔鶴「提督、朝ですよ」
提督「ん… ぁ、しまった、寝てたのか…」
翔鶴「ずっと起きてらしたんですか?」
提督「あぁ…寝てらんないと思ってたが…結局な」グシグシ
提督「そうだ…昨日はどうだったんだろうか」
翔鶴「今朝、蒼龍さんと顔を合わせましたが、何もなかったようです」
提督「そうか…それはよかった…」
提督「ふぁ~あ… 事件進展したのかな…」ピッ
—— 次のニュースです
二日前からもお伝えしている、横須賀の殺人事件についてです
昨夜未明、何者かによる殺人事件が発生しており…一名の身元不明の…
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14 : 2014/10/04(土) 20:16:31.24 -
提督「嘘だろ…」
翔鶴「まだ油断できないですね…」
提督「幸い誰も怪我がなくてよかったが…」
翔鶴「…とりあえず、朝食にしましょうか?」
提督「あぁ…食堂まで歩くのが億劫になった…何か頼んでもいいか」
翔鶴「はい、あるものでよろしいですか?」
提督「食えるものならなんでも口に運びたい気分」
翔鶴「ふふ、わかりました」
提督(結婚してたら良妻…ってとこか)
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15 : 2014/10/04(土) 20:19:22.70 -
食堂にて
金剛「またですカー…」
榛名「はい…今朝の新聞一面に出てますね」
霧島「なんとも言えませんね…」
金剛「朝はこういうマイナスなNewsばかり入ってきて嫌になるネー」
比叡「悲しい文化ですよねー…」パサッ
熊野「また、ですか…」
鈴谷「ん?なにが?」
熊野「金剛さんたちもお話している、この辺りで起きた事件のことですわ」
鈴谷「あぁ…殺人事件ね また一人殺されちゃったんでしょ」
熊野「…あまり朝からそういう言葉を発さないでほしいですわ」
鈴谷「じゃあなに、お亡くなりになってしまった、って言えばいいの?」
熊野「自分で考えて下さいな」
鈴谷「へいへい…」
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16 : 2014/10/04(土) 20:20:24.24 -
提督「えー…皆も知っての通りだと思うが…また事件だ」
提督「多分同一犯だろうな…まあ、特に言うことはない 昨日言ったとおりにしてくれ」
朝潮「…よりによって、二回も近くで事件が起きるなんて」
満潮「ほんっとに不快だわ、もし見つけたら叩きのめしてやりたいわ!」
朝潮「そのために赤城さん達や加賀さんたちとかが鎮守府を見てるんでしょ…」
大潮「こわいですねー… 安心して眠れませんでしたよ昨日は」
荒潮「うふふ、そういって一番早く寝てたじゃない」
大潮「き、昨日は疲れてただけです…」
川内「夜に犯行する=夜行性=夜戦=私」
川内「あれ、もしかして私の生き別れた姉妹?」
神通「どう捻ってもそうなりませんよ」
那珂「逆にその発想が怖いよ川内お姉ちゃん」
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17 : 2014/10/04(土) 20:27:11.24 -
提督「とりあえず…何かうちに被害がなければ出撃や遠征をストップする理由もないか… 昼間なら大丈夫そうだしな…」
提督「よし、翔鶴 これ貼りだしてきてくれ」パシン
翔鶴「はい、わかりました」
提督「…」ピッ
警察によりますと…犯人の特徴を公開するとし…
提督「恐らく2~30代… 黒のベレー帽に…黒のジャンパーね…」
警察は、近くにある軍施設にも、警戒を仰ぐとし…
提督「え、どういう…」
ジリリリ… ジリリリ…
ガチャ
提督「はい、横須賀鎮守府です」提督「…ええ、その事については存じてます…」
提督「まあ、鎮守府周辺の警戒警備は行っております…はい」
提督「ええ、でもうちは動かなくていいんですか」
提督「そうですか… わかりました では」
翔鶴「今のお電話は…」
提督「ああ、戻ってたのか… 本部からだ」
提督「こっちでも警備警戒をしてくれ、だとさ 民間の面倒事だから軍事介入はいらないのことだ」
翔鶴「連絡が来るとは思いませんでした…」
提督「ああ、俺もだ まあいずれは来るだろうと薄々感じたが」
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18 : 2014/10/04(土) 20:28:49.02 -
提督「夜が来てしまったか…」
翔鶴「…不安ですか」
提督「不安だ、誰かが傷つくのなんか、想像したくもない」
提督「飯、食いに行こうか… ついでに戻るときに戸締まりもしないとな」
翔鶴「はい、お手伝いします」
提督「よっこらせと…」ガチャン
提督「翔鶴は…瑞鶴と、か…」モグモグ
ワイワイ… キャーキャー
提督「一人で飯を食うのも寂しいもんだな…」ズズ…
皐月「司令官、ならボクが相席してあげようか!」ダキッ
提督「うおっ、と皐月か、気使わなくてもいいぞ」
皐月「いいよ、ボクもみーんなもいま来たばっかりだし」
提督「みんなって…」
長月ノ 菊月ノ 文月ノ 望月へ 三日月ノ
提督「一人手が上がってないが?」ハハッ
皐月「もう、望月も照れ屋さんだなぁ!」ポンポン
望月「やめてよメガネが落ちる…」
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19 : 2014/10/04(土) 20:31:50.49 -
長月「司令官が一人で飯とは珍しいな」
提督「たまたまだよ…」
長月「司令官は押しが足りない、一歩引けてるから一人になるんだぞ」
みんな ウンウン
提督「元からそういう性格だ…」
文月「でもぉ~それはそれでかっこいいと思うなぁ~ 一匹狼って感じでぇ~」
皐月「あー!言われてみればー! 目も細いからね!」
提督「褒めてるのか?それ」
菊月「邪気が無いからこそ褒めてるってことなんじゃないのか」パクパク
提督「…お前らってほぼ同い年っぽいのに年齢差あるように見えるよな。」
菊月「褒めてるのか?それ」
提督「…そういうことにしてくれ」
-
20 : 2014/10/04(土) 20:33:06.90 -
提督「さて…と、今日は… 最初が加賀、飛龍、蒼龍、赤城…と」ペラペラ
加賀「お任せを」ヌッ
提督「うおっ…びっくりした」
加賀「二時間交代でよろしかったでしょうか」
提督「ああ。 まあ細かいことはそっちで決めてくれ」
加賀「虫一匹鎮守府には入れません」
提督「はは…加賀がいれば頼もしいな」
加賀「そうですか?」
提督「一番頼りになるからな… 何かあったらすぐにな」ポンポン
加賀「提督は、私達の頭を撫でるのがお好きですか…?」
提督「あ、迷惑だったか?」
加賀「いえ… なんでもありません」クルッ
提督「加賀、今にやけてたか?」
加賀「なんでもありません」プルプル
加賀「では行ってきます」シャキッ
提督「お、おお…」
-
21 : 2014/10/04(土) 20:33:41.37 ID:fSIMNzh9O - sagaつけなよ
-
22 : 2014/10/04(土) 20:36:29.16 -
>>21
SS投下は久しぶりなもんで、すいません加賀「ふぅ…」ストン
加賀「艦載機の皆さん、今夜もお願いします…」
加賀「…」トン
加賀「提督は狡い人です…」パチン
加賀(…いままでやった試しはあまりないですが)
そうやって、加賀は目を瞑り、精神集中させた
周りの音を聞くためだ
周りに聞こえるのは、波の音と、彩雲のプロペラの音だけだった
加賀(…)
-
23 : 2014/10/04(土) 20:41:07.70 -
コツン…
加賀「誰です」
ピタッ…
暗くてよく見えないが、誰かが立っていた
加賀 チラッ
目合図で、近くの艦載機に合図を出した
加賀「ここは軍施設です、部外者は立ち入りできません とりあえず敷地から出てもらえますか」
…
返事がないだが、加賀には自信があった
なぜなら、目の前に見える人は、加賀よりも小さかったからだそして相手は人間だ。
加賀「聞き入れないのなら無理矢理でも追い出します」ツカツカ
ゴツッ
鈍い音が鳴った
後ろから鈍器で殴られたようだった
加賀「あ゛…っ」加賀(…二人… 二人でしたか… あの犯人は…一人だと思ってましたが…)
加賀(彩雲は…)
確かめる間もなく、加賀の意識は飛んだ
-
24 : 2014/10/04(土) 21:00:10.82 -
瑞鶴「ふぅ…やっぱり鎮守府って広いわね…」
瑞鶴「外にも加賀さんがいるから…大丈夫だと思うけどなぁ」
瑞鶴「まあ中で出歩くのは私くら…」
ザシュッ瑞鶴「え、っ…」
ドタン
皐月「んー… なんだろ…今の音」
長月「起きたか、皐月」
皐月「ねぇ、今の何?」
長月「…わからない」
皐月「え…」
長月「見てくる」スッ
皐月「だ、危ないよ…長月」
ガチャ
長月「…誰もいな——
バッ
バタン -
25 : 2014/10/04(土) 21:08:06.88 -
皐月「え…」
皐月「な、がつき…?」
つい目の前に見えた長月が、扉の向こうへと姿を消した
皐月「え…え…? 長月が…?」スト…スト
恐る恐る、扉に歩み寄ると、何かを踏んだ
ピチャッ
皐月「なに、これ…」よく見ると、それは血だった
バコン何か硬くて重いもので頭を横に殴られ、横に吹き飛ばされた
ドサァッ
菊月「ん…なんだ…——
-
26 : 2014/10/04(土) 21:15:13.06 -
夜が進んだ
飛龍「さぁて、と…そろそろ行かなきゃ…」
飛龍「えーと…確かこっちの裏口から…だったよね」ガチャッ
飛龍「加賀さーん…?」
飛龍「あれ、おかしいな、間違えたかな…」コツン
つま先にあたったのは、彩雲だった
飛龍「あれ、なんで…」
その先を見ると、血を流す加賀が見えた
飛龍「ひっ…」
叫ぶより先に、何か首の横に激痛が走った
-
27 : 2014/10/04(土) 21:16:15.09 -
~~~~~~~
赤城「うーん…?」
飛龍「さて、そろそろ行かなきゃ…」
赤城(そっか…そういえば飛龍なんだっけ…)
赤城(まだ眠いですねぇ…)
赤城「喉が乾きましたね…」ストン
ペタペタ、ペタペタ ガラ…
赤城「食堂が近くていいですねぇ…」ペタペタ ピチャッ
赤城「あれ、水…? 水漏れかなにかでしょうかね…」
先を見ると、駆逐艦の子たちの部屋から流れているものだった
赤城「水… 違う、血…?」カクン
途端に足が竦んだ、もしかしたら…と赤城は考えてしまった
赤城「ま、だ…まだ夢ですよね… 戻りましょう」フッ
-
28 : 2014/10/04(土) 21:34:59.64 -
ペタペタ…
ガラ
赤城「いけない夢です…疲れているんでしょうか…」
と、戸を開けると、鉄のような、変な匂いがした赤城「なに、この…」ズズッ
血の匂いだった
横へと目をやると
そこには蒼龍が血を流して倒れていた
赤城「は…」赤城「なん、で…」
赤城「て、提督に…知らせない、と…」スタスタ
あいにく、飛行甲板などは持ち合わせていなかったので、徒歩で行くしか無かった
早歩きで鎮守府を歩いていると、部屋と同じ匂いがずっとしていた
赤城「うそ、うそ…」
-
29 : 2014/10/04(土) 21:50:41.54 -
提督「…ちょっと煙草でも吸おうか…」
翔鶴「窓、開けてくださいね?」
提督「わかってる…」ガラッ
カチン、カチン、カチン、カチ…カ
提督「あれ…」
翔鶴「どうかしましたか?」
提督「彩雲が飛んでない…」
翔鶴「交代の時間では?」
提督「いや、時間的にそれは…」
提督「ちょっと見てくる」
翔鶴「私はどうすれば…」
提督「… 来い」
-
30 : 2014/10/04(土) 22:16:23.12 -
タッタッタッ…
提督「悪いな、走らせて」翔鶴「い、いえ…」
提督「ほら」スッ
翔鶴「あ、はい!」パシ
そして、一番下の階までの階段を降りると、異臭がした
提督「っ…なんだこの匂い…」翔鶴「なんだか…よくわからない匂いが…」
ペタペタ…
そんな足音が聞こえた
提督「… しっ」
ペタペタ…
あ、れ…どこでしょう、執務室って… 提督、って…提督「… 赤城?」
確かこっち方の階段をのぼれ——
ドタン、バタン ぁ、がっ… ジャキン ——っ ———…!
-
31 : 2014/10/05(日) 01:00:08.81 -
シーン…
提督「…」チャキ
何も言わずに、腰のホルスターから拳銃を出した
提督「翔鶴…あまり考えたくない事が起きてるみたいだ…」翔鶴「そっ、んな… あ… 瑞鶴、瑞鶴は…」
提督「落ち着け」
翔鶴「嘘、嘘… 」
提督「翔鶴」
翔鶴「は、い」
提督「お前は戻れ」
翔鶴「提督は…」
提督「ここで誰かを待つ」
翔鶴「嫌、です…怖いです…」
提督「だったら黙って、俺から離れるな」
そうして、赤城の声がした角を曲がり、覗いた
—口を裂かれた赤城が倒れていた
-
32 : 2014/10/05(日) 01:07:06.13 -
提督「翔鶴、やはり戻れ」
翔鶴「で、も…」
提督「これ以上行くと、お前の傷になる…」
翔鶴「は、い…」
提督「鍵を閉めて執務室にいろ、俺が3回ノックしたら鍵を開けろ」
翔鶴「…はい!」
タッタッタッ…
コツ、コツ…
提督「…」
提督「黙ってりゃ…綺麗じゃねえか、赤城…っ」
提督「何処だ…野郎…」
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33 : 2014/10/05(日) 01:12:06.87 -
コツ…コツ
提督「ここも、なのか…」
ガチャッ…数時間前まで会話をしていた子たちの、無残な姿が、扉の向こうにあった
提督「はっ、あ…」ズルッ
提督「野郎… 野郎… 誰がこんな… くそ、クソが…クソッタレ…」
提督「くっ…」スクッ
少し歩みを進めると、瑞鶴が倒れていた
提督「瑞鶴… 瑞鶴…」
うつ伏せのままの瑞鶴のそばに座り込んだ
提督「瑞鶴… 瑞鶴…?」
ぁ——
提督「瑞鶴、瑞鶴!!」
瑞鶴「ぁ、てぃ…とく…」
提督「どうしたんだ、誰にやられた…!」
瑞鶴「わかん、ない… きゅ、にね…後ろから…さ、されて…」
瑞鶴「ご、めんね… 役立たずで、ごめんね…」
提督「なんで謝るんだよ… なぁ、」
瑞鶴「ごめん——
提督「ぁ…」
ああああああああっ!!!!!
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34 : 2014/10/05(日) 01:13:03.76 -
もう、夜が明けていた
結局どうもすることができず、
新しく流れている血を、後から見ることしかできなかった提督「もう、戻ろう」
スタ…スタ…
コン…コン…コン
カチッ…
提督「翔か—…次のニュースです、横浜、横須賀鎮守府にて、連続殺人事件が起きました
近辺に存在する、横須賀鎮守府の軍事施設内部で、数々の艦娘の死体、男性一名の死亡が確認されています
警察によると、犯行は以前の事件の同一犯と見て調査をしています
…追加の情報です 犯人は二名の可能性があるとのことです
なお、日本海軍大本営からは—…
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43 : 2014/10/05(日) 01:46:19.67 -
提督「ほら、終わりだ」
暁「ここここここここここわわっわくっくくくかっかかかかかか」
提督「落ち着け、都市伝説ってやつだ」
電「で、でも…そんな人がもし、い、いたら…」
提督「まぁ、居ないとは言い切れないな」
響「…そんなことより、私達が寝る前にする話かい」
提督「いや、あいにく持ちネタが無くてな」
雷「まぁ、もしそんなのがいても、雷たちでやっつけちゃうわっ!」
提督「はは…そうだといいな」
-
44 : 2014/10/05(日) 01:47:35.92 -
コツン…
暁「ぴっ!!」
提督「どうした暁」
暁「い、いまこつん、って…あ、足音…」
雷「き、聞こえたわ…」
電「なのです…」
響「…」
コンコン
暁「ななななななななななななななな」
-
45 : 2014/10/05(日) 02:00:26.31 -
カチャッ
翔鶴「提督…?」提督「あ、悪い、探してたか?」
翔鶴「ここに居たんですか、もう まだ今日の分の書類終わってないんですよ?」
暁「あ、れ?」
電「しょ、翔鶴さんなのです…」
提督「いやぁ、ねぇ… 息抜きというかスキンシップというか…」
響「もう行っていいよ…司令官」
提督「はいよ…」
—もう、どうしてそういつも仕事を—…
雷「お似合いねっ」
響「ああ」
暁「お、おにに、鬼!?」
電「暁お姉ちゃん、落ち着くのです…」
雷「さ、私達も寝ましょ もう遅いわ」
電「で、でも、ちょっと怖くて眠れないのです…」
暁「わわわわわわ、私は寝るわよっ、おやすみ」ガバッ
ゴトトトトトト
電「暁お姉ちゃんのベッドが揺れているのです…!」響「いや、暁が震えてるだけだ」
暁「怖くなんかかかかかかかかか」
おわり
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