芳佳「私達10人」


1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/10(木) 23:01:34.72 ID:+M4JwjXt0
まだか


ソース: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1297346494/


11 : 1 ◆.ewUP/EILA 2011/02/10(木) 23:11:53.61 ID:iEtjkw5g0

規制でスレ立てが不可能となり、判断しかねていました。
このスレで再開します。

※事件編
芳佳「私達10人で、ストライクウィッチーズなんですから!」

※展開編
芳佳「私達10人が、ストライクウィッチーズです!」


49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/10(木) 23:51:08.92 ID:iEtjkw5g0

  【 戦力の低減——いずれは、このような自体は見えていただろう 】

  『然し——この自体は、回避出来ないこと、ではありませんでした……』

  【 君の責任は、もういい——。——哨戒任務には、スオムスのエースが回れるはずだな? 】

  【 その代わり——扶桑皇国に、一人、補充のウィッチを要請する 】

  『はい。では——坂本美緒少佐を、一時扶桑に帰国させ、任務に当たらせます』

  ミーナ「改めて、今日から皆さんの仲間になる、新人を紹介します」

  ミーナ「坂本少佐が扶桑皇国より連れてきてくれた、宮藤芳佳さんです」

     芳佳「宮藤芳佳です! みなさん、よろしくお願いします!」


52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/10(木) 23:55:06.51 ID:iEtjkw5g0

 【3Day 10:30 会議室】

シャーリー『犯人は……、——お前だ!』

  探偵というものが、何時の時代より存在し、
  また何時の時代にその存在を確立されたかは定かではない。

  然し、時往々にして、事件を解決に導くのは名も無き『名探偵』である。

  そして、その名探偵が事件を語る時——必ず、その物語は終焉を迎えるのだ。

芳佳「えっ……」

ゲルト「……!」

ミーナ「……っ」

  皆の視線——シャーリーの指線、その先の少女。

  エイラ・イルマタル・ユーティライネン——
  彼女は一人、静かに唇を噛み締めた。


58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/10(木) 23:59:03.77 ID:iEtjkw5g0

シャーリー「お前が、——この事件の、犯人だ」

シャーリー「エイラ」

エイラ「……」

  探偵は、言葉を噛み締めるように、反芻する。

  エイラは、一度目を伏せ、暫しの間沈黙した。
  やがて再び顔を上げた時、その目には異様な光が宿っていた…

芳佳「え、エイラ、さん……?」

エイラ「……私が、犯人、だって?」

エイラ「——ふざけんなよ、こんな時に」

エイラ「一体何の根拠があって……そんなことを言うんだよ」


62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 00:02:37.62 ID:E35I5Xea0

ゲルト「止めろ、リベリアン……」

ゲルト「この状況で、一人の人間を告発する、と言うことが……」

ゲルト「どのような問題になるか、解らないお前ではあるまい……!」

ミーナ「……」

ミーナ「聞かせてもらえるかしら? シャーリーさん…」

ゲルト「ミーナ!?」

ミーナ「ここまで言う以上は、何か、私達の気付かない物に気付いたって事よね……」

ミーナ「さあ、それは、何なのかしら……?」


68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 00:06:54.72 ID:E35I5Xea0

シャーリー「そうだな……」

シャーリー「まずは……バルクホルン。状況を確認しようじゃないか」

シャーリー「犯人を、単独犯——および、複数犯と見ての、——」

     シャーリー『第一の事件。坂本少佐殺害の真相だ』
                     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

   ゲルト『……いいだろう』

   ゲルト『事件発生は、恐らく……00:00以降、——』

   ゲルト『一度、全員のアリバイを説明して見せよう。図を見てくれ』


82 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 00:19:14.82 ID:E35I5Xea0
芳佳「え? エイラさん? 何を言ってるんですかぁ」

芳佳「誰か足りてませんでしたかぁ?」

エイラ「……」

エイラ「ああ、……いるだろ。もう一人」

エイラ「……サーニャの事、忘れてんじゃないぞ」

シャーリー「……」

ゲルト「……」

ミーナ「……」

芳佳「え? えぇ?」

芳佳「それって、どういう事ですかぁ……?」


86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 00:23:05.21 ID:E35I5Xea0

ゲルト「おい……エイラ。今は、その話をしている余裕は無い」

ゲルト「お前も解っているはずだろう……! 今更何を言っているんだ!」

ミーナ「エイラさん……」

ミーナ「今は、貴方の事には構っていられないの。ごめんなさい」

ミーナ「シャーリーさんの話を、続けさせてもらえる?」

エイラ「だ、だってサーニャは……いつもいたじゃないか……」

エイラ「私と一緒に……」

シャーリー「……」

シャーリー(さて……どうする?)


96 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 00:30:04.90 ID:E35I5Xea0

シャーリー「……そう、だな」

シャーリー「サーニャを、……忘れていたな」

ゲルト「……? どういう事だ? リベリアン……」

エイラ「……そ、そうだ…なら話が早いじゃないか」

エイラ「私とサーニャは、ずっと監視塔に共にいたんだ! お互いを証明出来る!」

エイラ「私達に、坂本少佐の殺害は不可能だ……」

エイラ「そう、言えるんだろ!?」

シャーリー「いいや。違うさ——私の言い分は……」

  シャーリー『サーニャは事件の共犯者であり、殺人に手を貸した、という事さ!』
         ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


102 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 00:33:59.68 ID:E35I5Xea0

    ザワ……

ゲルト「お、おいリベリアン! お前まで何を言いだすんだ!」

ゲルト「ふざけるのも大概にしろ……!」

ミーナ「どういう事……シャーロット・イェーガー大尉……」

シャーリー「……私は、正しい推理を述べただけだ」

シャーリー「そうだろう、エイラ?」

エイラ「……お、お前……」

エイラ「……」

エイラ「……上等じゃ、ないか」


103 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 00:34:22.13 ID:6J6du6B50
読み返すとおかしな所が多いんだよな
サーニャが『持ち去られた』だの『盗み出された』だの

108 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 00:37:32.64 ID:E35I5Xea0

エイラ「どうせ、アリバイは……ありはしないんだ」

エイラ「いいじゃないカ……その推理、証明してみろよ」

ゲルト「お、おい……こんな馬鹿なことが…」

ミーナ「……! まさか……」ピキュィィ…..

ミーナ「……トゥルーデ、……少し、待って」

芳佳「……」

シャーリー「よし……では、説明するぞ」

シャーリー「これより私は、事件を二つの視点から探って行くこととしよう」

    シャーリー『第一、エイラ単独犯説』
               ‾‾‾‾‾‾
    シャーリー『第二、————サーニャ共謀犯説』
                     ‾‾‾‾‾‾‾


111 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 00:42:38.41 ID:cxvQ+OGRO
>>103
本当だ
「サーニャが自分から窓の外に行くわけない」とか
サーニャ「私の銃…エイラに渡した」
エイラ「そうだったか!?」
の会話の時も周りの反応は
「エイラ、お前…無くしたのか、『自分』の銃を」だったし
それっぽい描写はいっぱいあるな…

118 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 00:47:54.29 ID:A0BMO7yL0
今最初から読み返してるけど
エイラがサーニャと会話してるシーンの後、毎回誰かが「……」って沈黙したり変な反応してるんだよな
なるほどと思いました

133 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 01:01:49.69 ID:IoydD56TO
エーリカが寝る前に呟いたセリフが気になってきた

135 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 01:02:57.64 ID:qa5YqGLW0
最初のベットの下にいるとか風に飛ばされたってそういうことか・・・

137 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 01:03:12.94 ID:E35I5Xea0

芳佳「……」

芳佳「……私、わかりません……二人が何を言ってるのか……」

芳佳「サーニャちゃんが……どうして、関係しているんですか……!」

ゲルト「まあ、そうだろうな…」

ゲルト「然し……意味のあること、なんだろう」

芳佳「で、でも……こんなぐずぐずして……私達が誰かに襲われたら……」

ゲルト「その心配は無い」

ゲルト「私は、……それを確信して、脱出計画を立ち上げたんだ」

芳佳「か、確信……?」


140 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 01:06:24.21 ID:cxvQ+OGRO
>>133
確か「これ以上仲間が…くなるのは、嫌…」だったよな
どうしようしっくりくる

141 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 01:06:45.06 ID:E35I5Xea0

ゲルト「なぜなら……私は、ハルトマンが犯人だとは考えていない」

ゲルト「あいつの事は、誰よりも詳しく知っているつもりだ——」

ゲルト「よって……この基地内で、奴に襲われる、という危険は、私の中には無い」

ゲルト「ハルトマン以外の襲撃者であれば……私は負けはしない」

ゲルト「必ず——、お前を守ってみせる。宮藤」

芳佳「バルクホルンさぁん……」

ミーナ(……)

ミーナ(……先程から……ずっと…)

ミーナ(……伺って、いるのね)


143 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 01:08:13.04 ID:A0BMO7yL0
>>135
この「サーニャ」は一体何者なんだろうな
芳佳もちゃん付けで呼んでるから物ではないだろうし

145 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 01:11:00.30 ID:E35I5Xea0

芳佳「で、でもわかりません……こんなの……」

芳佳「こんな議論、何の意味も無いですよぉ……」

ゲルト「……」

芳佳「だって……エイラさんの言ってるサーニャちゃんって……」

   芳佳「ただの、……ネコのぬいぐるみですよぉ…」

   ゲルト「……ああ」


160 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 01:15:29.21 ID:E35I5Xea0

エイラ「……」

エイラ「この5人の中にも、いるかも知れないじゃないか……その、ハルトマンの部屋の鍵を…」

エイラ「——開ける事が出来る、『共犯者』が……」

シャーリー「そうだな……。然し、それは有り得ないんだ」

シャーリー「まず、あの状況でハルトマンの鍵を開ける事が出来た人物……」

シャーリー「それはつまり、私か、バルクホルンと中佐が真犯人である、という可能性だけだ」

シャーリー「……これはな、数が少なくなったほうが襲われる、生き残りなんだ」

シャーリー「私とバルクホルンが……食料調達に出たときのことを思い出せ」

エイラ「……」


167 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 01:19:38.57 ID:E35I5Xea0

シャーリー「カールスラント組3人が、共謀している場合……」

シャーリー「私はバルクホルンとハルトマンに襲われ、死んでいるはずだ——確実にな」

シャーリー「逆にハルトマンが私と共犯だった場合でも、同じ事だ」

シャーリー「……バルクホルンは殺されている」

エイラ「そ……それは……確立の問題じゃないか……!」

エイラ「そんな……不確かな事で……」

シャーリー「確立、——なら、サーニャが共犯である可能性のほうが、よっぽど高いぞ」

シャーリー(……証拠がない暴論なのは、どの立場でも同じだ)

シャーリー(だがこれは、……エイラが折れるか、私が諦めるかの勝負だからな!)


178 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 01:25:18.27 ID:E35I5Xea0

芳佳「……」

ゲルト「宮藤……お前にも教えよう」

ゲルト「……エイラの言う、サーニャ、とは……」

エイラ「あ、あう……あ……」

エイラ「サーニャ……サーニャは……犯人じゃ……無い……」

エイラ「……」

シャーリー(目を覚ませ……エイラ!)

━───
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201 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 01:40:35.26 ID:E35I5Xea0

    502統合戦闘航空団——所属。
    『ついてないカタヤイネン』、ことニルス・エドヴァルド・カタヤイネン曹長は語る。

     ニパ「エイラはさ、昔から、同年代の男の子とか、興味なかったみたいだよ」

     ニパ「自分の世界——というか、そこが楽しければそれで完結してるって言うかさ……」

     ニパ「無関心……っていうか……」

     ニパ「ともかく、——あんまり、他人に関心を持つ奴じゃなかった。……ね」

    そんな彼女が、出会い、心から打ち解けた友人であるサーニャ。
    彼女との関係は、エイラの心にどれほどの影日向を与えたのかは定かではない。

    カタヤイネン曹長の元へ時折届くエイラからの便りには、
    必ず、自身の事以上に友人——サーニャの事が記されていたという。

    そして、——その手紙は、ある日を境にぷつりと途切れる事となる。


208 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 01:45:58.06 ID:E35I5Xea0
━━━━──

ゲルト「一年半前……ガリア開放戦」

ゲルト「お前が着任する、少し前の事だ……」

ゲルト「確かに……そこに、サーニャという隊員は、……実在したんだ。」

ゲルト「お前の前任としてな……」

芳佳「サーニャちゃんが、現実に……実在した…?」

芳佳「じゃあ……今はどこで、何をしているんですか?」

ゲルト「死んだ。……ネウロイとの抗戦によってな……」


214 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 01:50:02.92 ID:E35I5Xea0

ゲルト「手を出すな、と言われていたネウロイに単身で突撃……」

ゲルト「その後、後ろに控えていた大部隊に叩かれ——戻る事は、無かった……」

エイラ「……」

芳佳「そ……そんな…」

芳佳「じゃあ、あの人形は……」

ゲルト「ネコペンギン……」

ゲルト「サーニャがよく、持ち歩いていた人形だ」

ゲルト「……エイラ自身が、プレゼントしたものだからな…」


222 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 01:55:11.38 ID:E35I5Xea0

エイラ「……」

エイラ「……」

エイラ「……」

シャーリー(エイラ……お前は、気付いているはずだぞ……)

シャーリー(ただ、気付かない振りをして、自分を納得させているだけだ……)

シャーリー「エイラ……お前は……」

シャーリー「サーニャが犯人で……いい、のか……?」

シャーリー「それで、いいのか!」

エイラ「……」

エイラ「何、言ってんだよ」


229 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 01:58:30.63 ID:E35I5Xea0

エイラ「サーニャは、現実じゃない?」

エイラ「……」

エイラ「そうかもしれないけど、そうじゃないぞ」

エイラ「私には、わかる……サーニャは……すぐ側に……いるぞ」

エイラ「……シャーリーがさっきから言ってる……」

エイラ「サーニャ……ってのは……」

エイラ「ただの、人形だろ……!」ポロポロ

シャーリー(……!)


244 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 02:03:09.81 ID:E35I5Xea0

エイラ「そうだよ……人形だよ…」グスッ

エイラ「サーニャは、いない……ケド……」

エイラ「私の中には……いつもサーニャがいるんだ……」

シャーリー「……そうだな。サーニャは、いない」

シャーリー「お前の、一日目——坂本少佐殺害のアリバイは、……崩れ去った」

エイラ「だから……それが、…どう、したんだよ……」

エイラ「アリバイが無いのは、他の誰も同じだろ!」

シャーリー「そう……だな」

シャーリー「だが、これで、リーネ殺人の真実が見えたはずだ」

エイラ「……」

ミーナ(……)


247 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 02:05:54.09 ID:E35I5Xea0

エイラ「駄目だな……それは」

エイラ「リーネを殺すのは……私には、不可能……なんだよ」

エイラ「それに、……ここにいないハルトマンには、全ての殺人が可能だぞ……」

エイラ「それを、どう説明するつもりだ……」

ゲルト(確かに……問題となっている、『事件現場の鍵』……!)

ゲルト(エイラは、窓からの部屋移動が不可能だ……)

ゲルト(そして……エイラは現場の鍵の施錠が出来ない……)

ゲルト(鍵は……殺されたルッキーニが持っていたのだ……)

ゲルト(そして……エイラは事件直後から、ずっと私達と共に行動している……)

ゲルト(ルッキーニを殺害して鍵を握らせる暇なんて……あるわけが無い!)


252 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 02:07:29.87 ID:qKL9TtGQ0
タイトルは「逆転ウィッチーズ」

つまり…


255 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 02:09:21.06 ID:E35I5Xea0

シャーリー「……」

シャーリー「……もちろん——説明出来る」

エイラ「……!」

エイラ「何だと……!」

芳佳「……え、えぇ……ほんとですかぁ…?」

ゲルト「……!」

エイラ「やってみろよ……私が犯人だって、説明して見せろ…!」

エイラ「私には犯行不可能……ハルトマンにしか、出来ない犯行だからな……!」

ミーナ(……潮時……ね)


262 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 02:12:54.95 ID:E35I5Xea0

ミーナ「貴方たち……少し、話を聞いてくれる……?」

シャーリー「……?」

エイラ「……ナンダヨ」

ミーナ「貴方たちは……エイラさんが犯人か……エーリカが犯人かで議論しているんでしょう?」

エイラ「……」

シャーリー「……そうだな」

ミーナ「……」

ミーナ「なら、……最後の登場人物に、ご登場願おうかしら?」


276 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 02:17:00.93 ID:E35I5Xea0

    コツ…コツ….

           ……ギィッ

シャーリー「……!」

エイラ「……っ」

芳佳「あ……ああ……っ」

ゲルト「——ッ!」

   「……トゥルーデ…」

ミーナ「さあ、これで全ての材料が……揃ったんじゃ、ないかしら」

ミーナ「エイラさん……貴方のお相手が、到着したみたいよ」


291 : 今日はここまでです 2011/02/11(金) 02:20:16.74 ID:E35I5Xea0

   「エイラ……ただいま」

   「エイラ。サーニャを、——返しに来たよ」

  エイラ「……」

芳佳「あ……ハルトマン、さん……、……?!」

ゲルト「お前……!」

  エーリカ「そうさ——被告席が空っぽの裁判なんて——認めないよ!」

  エーリカ「エーリカ・ハルトマン中尉、及びサーニャ・リトヴャク中尉——」

  エーリカ「ただいま、帰還しました!」


326 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 02:52:04.35 ID:nGlRJC6WP
前スレどこ?私達10人がストライクウィッチーズです!がそうなのか?

329 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 02:56:45.14 ID:cxvQ+OGRO
>>326
前々スレ
芳佳「私達10人で、ストライクウィッチーズなんですから!」
前スレ
芳佳「私達10人が、ストライクウィッチーズです!」

349 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 11:31:10.69 ID:+9DEdF0SO
つまり冒頭ではエイラが「やったねタエちゃん」的な事をしてたのか・・・

これがエイラを正気に戻す為の壮大なドッキリなら救われるのにな
ペリーヌは裏方さんで


402 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 20:21:05.55 ID:E35I5Xea0

【3Day 11:00 会議室】

    扉の向こうから現れた少女——
    この事件の最有力容疑者、であり、最後の鍵を握る登場人物である。
    悲劇の最終場面にて登場する者は、二通りの配役しか許されない。
    その心は悪魔か、天使か。

      エーリカ・ハルトマンで、あった。

    そして、その胸に抱かれた、ネコペンギン——
    エイラが『サーニャ』と名付け、肌身離さず持ち歩いていた人形である。

            「ただいま」

 芳佳「お、おかえりなさい……」

 ゲルト「貴様っ……」

 エーリカ「……ただいま、トゥルーデ」


404 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 20:24:12.27 ID:E35I5Xea0

エーリカ「ほんとなら、もっと早く——みんなの前に姿を見せたかったんだけどさ」

エーリカ「……ごめん」

ゲルト「……馬鹿者」

ゲルト「お前は……今更顔を出して……」

ゲルト「……何のつもりだ…」

エーリカ「……トゥルーデ」

ゲルト「……」

ゲルト「……生きていてくれて……良かった…」ポロポロ

ゲルト「エーリカ……」


407 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 20:27:23.39 ID:E35I5Xea0

ミーナ「やはり……貴方だったのね。フラウ」

ミーナ「今まで……どこで何をしていたのか、聞かせてくれる?」

エーリカ「……はい!」

エイラ「……」キッ

ゲルト「……」

芳佳「……」

シャーリー(ハルトマン……だと……)

シャーリー(エイラの証言次第では……ハルトマン犯人説を押し切られる可能性もあったが…)

シャーリー(どうやら……勝機が見えてきたな……!)


409 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 20:31:55.31 ID:E35I5Xea0

エーリカ「まず……私が禁固室に閉じ込められて、」

エーリカ「そこから出るまで、がいいのかな?」

ゲルト「いや……その前に、少し」

ゲルト「坂本少佐が殺害された夜のおかしな起床について……説明しろ」

ゲルト「お前が、——『偶然、早く起きる』など、有り得ないのは周知の事実だ」

ゲルト「お前が早く目覚めた理由——知りたいものだな」

シャーリー(前日の、『朝が早いハルトマンの謎』……)

シャーリー(……聞いて置くにこしたことはないのかな?)

シャーリー「ハルトマン、教えてくれ。疑問は少ない方が良いのは事実だ」

エーリカ「……」


412 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 20:35:41.33 ID:E35I5Xea0

エーリカ「え、えーっと……」

エーリカ「ちょっと言いにくいことなんだけどさー……」

ゲルト「事件に関係無くとも、重要な事だ」

ゲルト「話せ、ハルトマン」

芳佳「教えて下さい、ハルトマンさん……!」

エーリカ「わ、わかった、話すよぉ……」

エーリカ「その……ミヤフジに……起こされたんだよぉ……」

芳佳「えっ!」

エーリカ「ミヤフジは寝惚けてただけかもしれないけど……」


416 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 20:40:23.62 ID:E35I5Xea0
エーリカ「宮藤はさ……私の事リーネと間違えたんだとは思うんだけど……」

エーリカ「後ろからいきなり抱きついてきて……」

シャーリー「……」

ミーナ「……」

宮藤「え? え?」

エーリカ「私の胸をさすりながらずっと耳元でごそごそ言ってるんだもん……」

エーリカ「もう……寝ていられないよ……」

芳佳「ふ、ふえぇ? わ、私……」

エイラ「……」

ゲルト「……」


419 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 20:44:08.89 ID:E35I5Xea0

エーリカ「ミヤフジが……私の胸を弄ぶから……」

エーリカ「もう、起きるしか無くなっちゃって……」

ミーナ「……」

シャーリー「宮藤に胸を触られたせいで、目が覚めてしまったと言う事か?」

シャーリー「確かに……宮藤はそんなとこもあるが……」

シャーリー「何と言うか……うん……」

芳佳「え、ええええ、そ、そんななここここととと!!」

エーリカ「最後の方は、ミヤフジが、こうやって足を絡めてきてさー……」

エーリカ「もう……ほとんど…無理矢理……」

ゲルト「ほう……」


425 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 20:48:33.19 ID:E35I5Xea0
エーリカ「中半……、その、目が冴えちゃって……」

ゲルト「……」

ミーナ「宮藤さん?」

芳佳「違いますっ! そんな事しませんっ!」

芳佳「女の子同士で、その、おかしいじゃないですか!」

芳佳「人の胸を揉むなんて……そんな、そんな事するわけがありません!」

芳佳「別にハルトマンさんの胸に興味がないわけじゃありませんけど、そこまではしません!」

芳佳「仮にもしもそんな事があったとしても、私は寝ていて無意識だったんです!」

芳佳「私はそんな趣味ありませんし、その、誤解しないで下さい!」

芳佳「いや、そもそも私、寝相悪くなんてありませんから! 無罪です無罪!」

ゲルト「……なに、後で実際に確かめてみれば良いことだ」

芳佳「う、あうう……」


432 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 20:54:29.80 ID:E35I5Xea0
芳佳「ハルトマンさん……!」

エーリカ「ごめんミヤフジ……あんまり、言いたくなかったんだけど……」

エーリカ「そういう、事なんだ……」

芳佳「でも私……憶えてないですし……」

エーリカ「う、うん……私も、忘れる……」

エーリカ「犬に噛まれたと思って……忘れるさ……」

芳佳「……」

シャーリー「…」

ミーナ「…」

ゲルト「…」

エイラ(なんだこの空気)


438 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 20:58:12.08 ID:E35I5Xea0

エーリカ「だからその……六時頃開放された時に……」

エーリカ「しかえしに、ミヤフジを起こしてやったんだようー……」

芳佳「……」

芳佳「……しかえし?」

エーリカ「へ!?  あ、いや、その……さ」

エーリカ「……胸を……」

エーリカ「……」

芳佳「……」

芳佳「ハルトマンさんの……えっち」

エーリカ「あぅ……」


443 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 21:03:09.62 ID:E35I5Xea0

エーリカ「ち、ちがうよ、私、そんな……」

エーリカ「……」

芳佳「……」

エーリカ「……」

エーリカ「その、……芳佳の胸も、柔らかかったね……」

芳佳「………もう……」

ゲルト「……」

ゲルト「おいエーリカ、それはどういう事だ。——詳しく話せ」

ミーナ「トゥルーデ、落ち着きなさい。……フラウ、話を戻しましょう」


449 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 21:08:12.80 ID:E35I5Xea0

エーリカ「私が夜に一度外出したのは……あの時説明した通り……」

エーリカ「トゥルーデが返ってきていると思って、自分の部屋に戻ったんだよ」

シャーリー(エーリカが部屋から出たのは、0400時以降が確定……)

シャーリー(およそ犯行時間であろう0000−0200時とは、無関係か……・)

エーリカ「またミヤフジの部屋に戻った時は……ミヤフジに捕まって、朝までずっと……」

芳佳「……」チラッ

シャーリー「あー、……」ゴホン

シャーリー「ともかく、これで初日の怪しい行動が解ったな」

ミーナ「然し……アリバイ外の行動だから…」

ミーナ「重要になるのは、二日目からの行動ね」


453 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 21:13:45.37 ID:E35I5Xea0

エーリカ「う、うん……説明するよ」

エーリカ「私は、昨日禁固室に閉じ込められてから……一度眠ったんだ」

エーリカ「目が覚めたのは15時ごろかな……小窓の下に、食事があったよ」

シャーリー(私達が食事を差し入れた時か……)

シャーリー(返事は無かったが……やはり、ハルトマンは眠っていたんだな)

エーリカ「あんまり食べる気になれなくて……」

エーリカ「しばらくはベッドに横になって、ぼーっとしていたんだ」

エーリカ「二度寝しようかどうか、考えていたよ」

  エーリカ『えっと……、19時、少し過ぎたころだったかな……』
               ~~~~~~~


469 : ↑機械→機会 です 2011/02/11(金) 21:42:34.42 ID:E35I5Xea0
芳佳「……」

芳佳「でも、あれって、危険なことじゃないんですかぁ……」

芳佳「もしもバルクホルンさんかシャーリーさんが共犯なら……もう一人が……」

ミーナ「……そうね」

ミーナ「でもね、宮藤さん、聞いてくれる?」

ミーナ「私達はミステリーの登場人物じゃない……ここは戦場なの」

ミーナ「5人いて、2人に上官殺しの容疑が掛かったら……」

ミーナ「その少数全員を始末してしまう——それだけの事よ」

ミーナ「……疑わしき者を全て罰せれば、残るのは正しい者だけでしょう?」

ゲルト「——それも、カールスラントの、軍則に乗っ取る物だ」

ゲルト「……異論はない」


473 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 21:48:12.59 ID:E35I5Xea0

芳佳「そ、そんな……」

エイラ「……」

エイラ「……だから、だな」

エイラ「だから、サーニャは死んだんだよ……」

エイラ「その馬鹿げた軍則……規則、…——お前達の、せいで」

エーリカ「エイラ……」

シャーリー「……」

シャーリー「話を、続けてもらえるか、ハルトマン」


475 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 21:52:45.74 ID:E35I5Xea0

エーリカ「……うん。それから、……特に行動はしなかった」

エーリカ「途中、トゥルーデ達が食堂に向かって行ったけど、流石に付いては行かなかったよ」

エーリカ「あの時のトゥルーデに会ったら……言い訳出来る、自信が無いや」

ゲルト「……」

エーリカ「それから……ずっと、みんなの後をつけてたんだ」

エーリカ「みんながエイラの服を取りに戻ったのは確認出来たし……」

エーリカ「その後、シャーリーを追いかけて会議室に入っていったから」

エーリカ「私は扉の処で、立ち聞きさせてもらってたよ……」

ミーナ「私がそれに気付いたのは……エイラさんとシャーリーさんが言い争い始めたあたりからね」


476 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 21:56:31.53 ID:E35I5Xea0

   …………。

ゲルト「ハルトマンの行方不明の状況は、理解した……」

ゲルト「然し……以前、何も状況は変わらないぞ」

ゲルト「容疑者が全て出そろった……と、言う事以外にはな……」

エイラ「……」

エーリカ「……」

ミーナ「この際、……エーリカとエイラさんをこの場で拘束して、」

ミーナ「私達が先に脱出してから迎えに来る——と云うのも一つの手なんだけど」

ミーナ「エイラさんの犯行は……まだ立証されていないわ」
                      ~~~~~~~~~~~~~~~~~
ミーナ「シャーリーさんには、まだ、言うべき事があるのよね?」

シャーリー「ああ」


478 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 22:00:07.97 ID:E35I5Xea0

シャーリー「エイラ……私は、お前に罪を認めて……償って欲しい」

エイラ「……」

シャーリー「これは、その為の……最後の勝負だ」

シャーリー「ハルトマンだけでなく……お前にも、犯行が可能だ、というな」

エイラ「……っ」

シャーリー「心して聞け」

   シャーリー『エイラ・イルマタル・ユーティライネンこそ、この事件の真犯人である!』


484 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 22:04:49.23 ID:9vQkEBY3O
逆にこれ書いてるのペリーヌさんなんじゃね
財産すっからかんになったからミステリー作家デビューとか

496 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 22:29:44.32 ID:iVz4GW4z0
>>484
自身をデュパンに重ねてミス・クロステルマンとか、探偵役で黒歴史ノートは書いてそう
リベリアンのポーに敬意を表してシャーリーに探偵役を譲ってるなら話は別だけど

512 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 22:51:40.76 ID:E35I5Xea0

   エイラ『確かに、私は部屋を抜け出して、禁固室の前まで行ったよ』

   エイラ『そして、鍵を開け、サーニャをその場に残した……』

   エイラ『もちろんその時にサーニャに血痕なんて付いてないぞ』

   エイラ『サーニャを置いてきたのは……サーニャ自身が、そう望んだからだな』

       ━━ サーニャ「ハルトマンさん……可哀想」 ━━

   ━━ サーニャ「私達が、力になってあげられないかな……」 ━━

     ━━ サーニャ「私も一緒に、禁固室で過ごすとか……」 ━━

   エイラ《 サーニャ…… 》

   エイラ『あとは、部屋で眠っていたよ』

   エイラ『でも……ハルトマンが犯人である事に、変わりは無いだろう?』


514 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 22:56:55.34 ID:E35I5Xea0

芳佳「……えっと…どういう事ですか……バルクホルンさん……」

芳佳「……エイラさんは、禁固室の鍵を開けた事……認めちゃいましたよ……」

ゲルト「ああ……」

ゲルト(確かに……認めている、が……)

ゲルト(エイラには以前、リーネ殺害に関してのアリバイ……『鍵』がある)

ゲルト(エイラにリーネの犯行は不可能だ……)

ゲルト(……!)

エイラ「……」

エイラ「……ハルトマン……サーニャを渡せよ」

エーリカ「あ……うん…」スッ


517 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 23:00:29.17 ID:E35I5Xea0

ミーナ「もう、……良いんじゃないかしら?」

ミーナ「エイラさん……貴方、鍵を開けた事を認めるの?」

サーニャ「」

エイラ「……ああ」ギュッ

ミーナ「なら……決定ね。急いだ方がいいわ」

ミーナ「これよりエーリカ・ハルトマン中尉……」

ミーナ「——及び、エイラ・イルマタル・ユーティライネン中尉を拘束します」

ミーナ「犯人と共犯者の疑いが強い二人を……このまま残すわけにはいかないわ」

エーリカ「……そ、そんな……」

エーリカ「いや……でも、これが一番良いんだよね……」

ゲルト「……」


521 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 23:03:29.20 ID:Y+uPQlIT0
ルッキーニ「まさかとは思いますが、この「サーニャ」とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。」
       「もしそうだとすれば、あなた自身が統合失調症であることにほぼ間違いないと思います。」

526 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 23:05:55.64 ID:E35I5Xea0

ゲルト「……待ってくれるか、ミーナ」

ミーナ「何かしら? トゥルーデ」

ゲルト「——この二人を拘束する……と言う事は……」

ゲルト「エーリカが主犯であり、……エイラが共犯である、と判断したと言う事か?」

ミーナ「ええ。そうよ……残念ながら、ね」

ゲルト「——私は、承伏しかねる」

ゲルト「ハルトマンは、犯人ではない……!」

ゲルト「この事件には、まだ……残された側面があるはずだ!」


528 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 23:10:36.67 ID:E35I5Xea0

ミーナ「……何が、あると言うの?」

ミーナ「この事件——リネット曹長銃撃は……フラウ……エーリカにしか実行不可能」

ミーナ「そして、肝心の『共犯者』……禁固室の鍵を開けた人物」

ミーナ「それがわざわざ、自分から名乗り出て来ているのよ?」

ゲルト「……そこだ…」

ゲルト「リネット・ビショップ曹長の殺害事件……不自然な密室……」

ゲルト「言ったな……これらを、『説明出来る』——と!」

ゲルト「シャーリー!」

 シャーリー「ああ……もちろんだともさ!」


536 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 23:16:25.52 ID:E35I5Xea0

エイラ「なんだと……」

エイラ「無理……ムリダナ……」

エイラ「そんなこと、絶対に不可能なんだからな!」

シャーリー(不可能な事なんて、この世界には存在しないのさ!)

シャーリー(どんなに速い壁だろうと……追い抜いてやる……それが私だ!)

シャーリー「エイラ……お前の最後の証言を聞いてやるよ」

シャーリー「そして……たった一度の証拠で、お前の全てを越いて行く!」

   シャーリー『最終証言!』
          ~~~~~~~~~~


548 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/11(金) 23:25:18.37 ID:E35I5Xea0

エーリカ「……」

芳佳「シャーリーさん……もしかして……」

シャーリー「……ああ」

シャーリー(これで……決まりだ!)

シャーリー(あの証拠さえあれば……エイラの犯行を証明出来る!)

シャーリー(とうとう……エイラを……)

シャーリー(——真犯人を、追い詰めてやったぞ……)

シャーリー(ルッキーニ! お前の力が……)


559 : お風呂入ってきます。出来るだけ早く  2011/02/11(金) 23:34:56.44 ID:E35I5Xea0

エイラ「どうした……証言は終わったぞ……」

エイラ「何やってんだよ……言う事があるだろう……!」

シャーリー「……ああ」

ミーナ「シャーリーさん……これ以上、時間を無駄にはできないわ」

ミーナ「証拠品の提示は一度だけ……それで、全てが終わらなければ……」

ミーナ「エーリカを犯人と決めて、二人を拘束させてもらうわ」

エイラ「そうだな……決定的な証拠——」

エイラ「この私に、——見せてみろよ!」

シャーリー「行くぞ! エイラ!」


597 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 00:06:23.79 ID:ZjgmVU0U0

  カラン……

エイラ「……!」

ゲルト「それは……『鍵』か……?」

ゲルト「どこの鍵だ?」

シャーリー「さあ……? どこの、鍵だろうな?」

シャーリー「芳佳、——解るか?」

芳佳「……えぇと…」

芳佳「ルッキーニちゃんが握っていた……鍵です」


600 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 00:10:39.82 ID:ZjgmVU0U0

ゲルト「ルッキーニが握っていた……鍵…?」

ゲルト「なら、シャーリー、お前の部屋の鍵だろう」

シャーリー「……」

サーニャ「」

エイラ「……」ギュッ

ミーナ「……!」

ミーナ「ま、まさか……」

シャーリー「そう……その、まさか……さ!」

シャーリー「ここに一つ……ドアノブがある…」


605 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 00:14:05.10 ID:ZjgmVU0U0

ゲルト「ドアノブ……?」

シャーリー「そうだ……バルクホルンが、馬鹿力で引っこ抜いた」

シャーリー「『私の部屋のドアノブ』だ……!」

   スッ——   ガチッ

ゲルト「何……回らない……?!」

芳佳「…さっきも……そうでした……」

ミーナ「……」

シャーリー「そうだ……もう、解っただろう……」

シャーリー「この鍵は、——私の部屋の鍵、ではないのさ!」


612 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 00:18:26.09 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「…………! ……」

シャーリー「……」

シャーリー「私の部屋ではない……鍵、を、ルッキーニが持っている」

エイラ「……っ」プルプル

シャーリー「ならば……この鍵は、……どこの鍵、だ?」

シャーリー「そして……私の部屋の鍵は……何処へ、行った?」

サーニャ「」

エイラ「……!!!」ギューッ

シャーリー「エイラ……! お前の部屋にあった……鍵!」

シャーリー「あれは……『どの部屋の鍵』だ!」


619 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 00:21:58.72 ID:ZjgmVU0U0

     エイラ「あ………」

          サーニャ『エイラ……もう、駄目ね』

     エイラ「ああ………」

            サーニャ『ここまで……よ』

     エイラ「あああ………」

           サーニャ『エイラじゃ、無理だったみたいね…』

   エイラ「 あ あ あ あ ああ    ああああああ  ああああああ」

     「あああああああああああ…………!」

 「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!


629 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 00:25:42.44 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「……あ……う…」

エイラ「……サーニャ…」

サーニャ「」

シャーリー(終わった……な)

ゲルト「……」

ミーナ「……」

芳佳「……」

エーリカ「……」

シャーリー「この事件の流れを、私から説明しよう……」


635 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 00:29:39.99 ID:ZjgmVU0U0

シャーリー「まず……坂本少佐殺害事件……」

シャーリー「0000−0200時、エイラは、監視塔ではなく……ハンガーにいたんだ」

シャーリー「そこで……坂本少佐を殺害」

芳佳「……」

シャーリー「続く……二日目、夕刻」

シャーリー「談話室……部屋に戻ると言って席を立ったエイラは、部屋に戻らなかった」

シャーリー「その後……部屋から出て、基地内を彷徨いていたルッキーニを殺害」

シャーリー「おそらく……その際、自分の部屋の鍵をルッキーニに奪われてしまったんだろう」

シャーリー「そこで……代わりに、ルッキーニの鍵を、持ち去った」
              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


637 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 00:33:34.66 ID:ZjgmVU0U0

シャーリー「その後……ルッキーニの血痕の付いた人形をそのままにしておくわけにもいかず…」

シャーリー「ハルトマンの禁固室の鍵を開け、人形をその場に放置」

シャーリー「その後……部屋に戻り、私の部屋に侵入」

シャーリー「そこで、リーネに発見され……リーネを銃殺」

シャーリー「手持ちの鍵で扉を閉め、自室に戻る」

シャーリー「自室の内鍵を閉め……あとは眠ったふりをする」

シャーリー「窓を開けたのは、人形が無くなった言い訳の為だろうな……」

シャーリー「私達はずっと、開け放たれた窓に騙されていたわけだ」

シャーリー「そして、鍵のトリックの真実が、ここにある」


644 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 00:38:38.02 ID:hpHPNCEf0
これが飽くまで「シャーリーの」「推理」でしかない
説明はつくからと言って、これが真実とは限らない・・・

648 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 00:40:50.29 ID:ZjgmVU0U0

ミーナ「鍵の……入れ替わり…って事……?」

シャーリー「……そうさ」

シャーリー「この鍵を、…エイラの部屋のドアノブに刺してみるか」

シャーリー「もしくは、エイラの持つ鍵を、このドアノブに刺してみれば解ること、だな」

ゲルト「もう、いいだろう……」

ゲルト「エイラ・イルマタル・ユーティライネン中尉……お前を拘束する」

エーリカ「エイラ……」

エイラ「……」

エイラ(サーニャ……)

━━━━──
━━━━━━━───


656 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 00:44:52.72 ID:ZjgmVU0U0

【2Day 17:30 監視塔】

エイラ(……どうしよう、ここまで来たけど……)

エイラ(ホントに中佐、来るのかな……)

 サーニャ『大丈夫よ、エイラ。きっと来るわ』

 サーニャ『言ってたじゃない……』

 ━━ ゲルト「私とミーナは、交代で基地内を捜索」 ━━

エイラ「そ、そうだな……ここで待ってれば、来るよな……」

エイラ(中佐じゃなくて、バルクホルン大尉が来たら……どうしよう……)

  サーニャ『……エイラ……誰か来たわ……』


663 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 00:48:55.34 ID:ZjgmVU0U0

  カツン……カツン……

エイラ(誰だ……中佐か……大尉か……?)

エイラ(足音は小さいな……)

エイラ(相手が中佐なら、隠れててもばれるから、逆に堂々としていた方がいいのかな……)

エイラ(でも大尉に見つかるのはまずいぞ……)

  カツン…..

   「……中佐はここへは来ないよ、エイラ!」デデーン

エイラ「…っ!」


671 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 00:52:08.47 ID:ZjgmVU0U0

ルッキーニ「へへ、やっぱりエイラだったねー!」

エイラ「ルッキーニ……なんで、何でお前がここにいんだよー……」

ルッキーニ「ん? 私はさ、散歩のついでに……エイラに会いに来たんだ」

ルッキーニ「エイラにさ、言っておきたい事があって……」

エイラ「な、なんだよ……」

 サーニャ『……』

ルッキーニ「……! ガツン! だよ!」

エイラ「……はあー?」


676 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 00:55:49.85 ID:ZjgmVU0U0

ルッキーニ「エイラがさーあ、ここで何をしてるのか、……あたしにはわかるよ」

ルッキーニ「昨日と……同じ事、しようとしてんだよね…」

 サーニャ『……!』

エイラ「な、なんだよ……昨日と同じ事って……」

エイラ「わ、私……あ……」

 サーニャ『エイラ……』

 サーニャ『この子、危険よ……』

ルッキーニ「……坂本少佐を撃ったのは……エイラでしょ?」


684 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 00:59:04.93 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「な、なんでだよ! 何で私が……坂本少佐を……!」

ルッキーニ「わかるもん……私には」

ルッキーニ「エイラ、昨日のお昼……ずっとネウロイと戦う前みたいな顔してた」

ルッキーニ「それで坂本少佐が殺されたら……誰だってわかるよ」

エイラ「わ、私は……ただ…」

エイラ「中佐と会って、話がしたいだけだ……」

ルッキーニ「そっか……エイラはインカムをもらってなかったからね…」

ルッキーニ「ミーナ中佐は外だよ……ここには、来ない」

エイラ「そんな……」


690 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 01:03:01.44 ID:ZjgmVU0U0

 サーニャ『……』

 サーニャ『中佐が来ないなら、……時間の無駄よ、エイラ』

 サーニャ『部屋に戻って、次の手を考えましょう』

エイラ「あ、ああ……そうだなサーニャ」

エイラ「部屋に、戻ろう……」

ルッキーニ「ま、待てよー、あたしの話聞けよー」

 サーニャ『放っておきなさい、エイラ』

 サーニャ『大丈夫よ……こんな子供の言う事、誰も信じないわ』

 サーニャ『それよりも早く戻らないと……部屋の鍵、閉めてないでしょう』

 サーニャ『誰かに中を確認されたら、いない事がばれてしまうわ』


697 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 01:07:42.93 ID:ZjgmVU0U0

ルッキーニ「……」

ルッキーニ「待て! エイラ!」

     カチャッ

エイラ「……なっ!」

ルッキーニ「……逃げると、撃つよ……」

 サーニャ『これは……想定外ね……』

ルッキーニ「思い出したんだ……あたし、銃は部屋に置いてなかった…」

ルッキーニ「ずっと、会議室の議事台の下に置きっぱなしだったんだよねー」

エイラ「……」


706 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 01:12:22.33 ID:ZjgmVU0U0

ルッキーニ「あたし……本気で撃つからね。エイラがおかしいことしたら…」

ルッキーニ「覚悟して、よね……」

エイラ「……」

エイラ(もう……駄目だ……)

 サーニャ『エイラ……諦めちゃ駄目』

 サーニャ『隙を見て、あの銃を奪うの……!』

エイラ(で、でもサーニャ……そんなことできるのか……)

エイラ(それに、銃を奪って……どうするんだよぅ……)

 サーニャ『……』

 サーニャ『解っているんでしょう、坂本少佐と同じ———』


712 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 01:16:47.22 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「……」

ルッキーニ「……」

ルッキーニ(どうすればいいんだっけ……)

ルッキーニ(えーっと、……もう、ガツンとは言ってやったし……)

ルッキーニ(とりあえず、シャーリーに聞いてみよう)

ルッキーニ「エイラ、一度、みんなのとこ戻るよ!」

ルッキーニ「さあ、歩いて!」

  サーニャ『……』

  サーニャ『今よ! エイラ!』


715 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 01:19:20.14 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「わああああ!!」ダッ

ルッキーニ「うきゃあああ!!」ドテン

エイラ「こ、この、銃をわたせー!」グイグイ

ルッキーニ「や、やだもんー!」グイー

   ドタン、バタン….!

 サーニャ『……』

 サーニャ『……エイラって……以外と……』

 サーニャ『……非力…』

エイラ「うわーん!」


716 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 01:20:07.02 ID:24+7jWNF0
エイラ「うわーん!」

可愛いなおい


725 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 01:25:04.79 ID:ZjgmVU0U0
ルッキーニ「こ、このお!」グイッ

エイラ「うわあっ」ドシン!

  カラン….

ルッキーニ「やった……勝ったー……!」

ルッキーニ「ん? これは……」

エイラ「いたい……」

 サーニャ『エイラ! 今よ……! あの子、こっちを見てない…』

エイラ「うぐっ……」

エイラ「わああっ!」ドンッ

ルッキーニ「うあっ……!」

                   ガシャーン!


730 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 01:30:27.10 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「……えっ」

ルッキーニ「……」

ルッキーニ「……」ビクッ

ルッキーニ「……」ビッビクッ

ルッキーニ「……」

   サーニャ『……』

   サーニャ『やってしまったわね、エイラ……』

エイラ「あ、あああああ……」

ルッキーニ「」


731 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 01:30:46.17 ID:B0MxbN4JO
演目「逆転ウィッチーズ」

監督 サーニャ

出演 501の皆さん

大道具 ペフリネ・クロステルマン


739 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 01:34:40.84 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「ど、どうしよう、サーニャ……私…」

エイラ「ルッキーニを……死なせ……」

  サーニャ『……別にいいじゃない、エイラ』

  サーニャ『これで口を封じた……って事でしょう?』

  サーニャ『どちらにせよ……あそこまでされたら、殺さないわけにはいかなかったわ』

エイラ「……」

エイラ「……そう……なのかな…」

エイラ「……そうだよな……これでいいんだよな……」

  サーニャ『なら……早く後始末をするのよ、エイラ』


742 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 01:36:52.36 ID:cliLCULv0
この『サーニャ』はサーニャでもなければ「サーニャ」でも無いな
マジでネウロイじゃねーか?

743 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 01:38:53.32 ID:ZjgmVU0U0

ルッキーニ「」

エイラ「……んしょ」

   グイッ ブシャッ

エイラ「う……うぇぇ……あう……」

  サーニャ『情けないわ……エイラ……』

エイラ「だ、大丈夫だ……あ、あれ?」

エイラ「わ、私の鍵……ルッキーニが握ってる……」

エイラ「う……強く握ってて離さないぞ……」

  サーニャ『……エイラ……貴方って薄弱…』

エイラ「……」グスッ


751 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 01:44:46.55 ID:ZjgmVU0U0

  サーニャ『仕方ないわね……その鍵、握らせておきなさい』

  サーニャ『替わりに、……その死体の持ってる鍵を持って行けばいいじゃない』

  サーニャ『部屋に鍵は掛けてこなかったんでしょう? 何の問題も無いわ』

エイラ「う……うん……」ゴソゴソ

エイラ「あ、良かった……持ってたぞ…これか」

エイラ「……」

  サーニャ『……』

  サーニャ『そうね……』

  サーニャ『エイラ、この死体、——窓から棄てるわよ』


756 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 01:48:02.31 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「——えっ」

  サーニャ『この際、発見は遅れれば遅れるほどいいわ』

  サーニャ『行方不明者——容疑者として消えてもらえれば、都合が良いの』

  サーニャ『私達は坂本少佐の死体をそのままにしてきたでしょう?』

  サーニャ『なら、皆の頭には——殺人を誇示したがっている犯人——が浮かんでいるはずよ』

  サーニャ『しばらくは……犠牲者として、扱われないでしょうね』

  サーニャ『どうなの? 何か意見でも……ある……? エイラ……』

エイラ「……そ、そうだな」

エイラ「……サーニャの言うとおりだな……」

エイラ「窓から……」


767 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 01:54:35.45 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「……ん」

   ズル……ズル…..

エイラ「……せっ」

    ズルリ……

エイラ「……えいっ」

エイラ「ハア……ハア……」

  サーニャ『上手くいったわ……』

  サーニャ『やれば出来るじゃない、エイラ』

エイラ「………………」


772 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 01:58:14.38 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「サ、サーニャ……」ギュッ

エイラ「これで、これでいいんだよな………」

エイラ「私……間違ってないよな……」

  サーニャ『……』

  サーニャ『エイラ、……袖口に血が付いてるわ』

  サーニャ『さっきの死体を抱えた時の血ね……もう……』

  サーニャ『やめて。汚い手で触らないで』

エイラ「ご、ごめん……! サーニャ! ごめん…!」バッ

  サーニャ『……私の人形が血で汚れたわ……』

エイラ「……ごめん…」


782 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 02:01:42.11 ID:ZjgmVU0U0

  サーニャ『……いいこと、エイラ』

  サーニャ『貴方は、これからみんなの処に帰るけど……』

  サーニャ『その途中、禁固室に寄って……鍵を開けるの』

エイラ「か、鍵を……?」

  サーニャ『そう……』

  サーニャ『もしも、ルッキーニちゃんが……見つかった時……』

  サーニャ『ハルトマンさんが疑われないと、話にならないわ……』

エイラ「そ……そうなのか……」

エイラ「そうだよな……間違い無いんだよな……」


785 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 02:05:32.16 ID:ZjgmVU0U0

  サーニャ『そして……シャーリーさんの様子を、それとなく伺うの…』

  サーニャ『ルッキーニちゃんから、何か聞いてるかも知れない……』

  サーニャ『……もしもの時は……この銃で、ね?』

エイラ「……うん」

  サーニャ『その前に……服を着替えるのを忘れないで』

  サーニャ『エイラ……服が血塗れよ』

エイラ「……あ、うん…」

エイラ「そうだな、着替えないと……」

  サーニャ『シャーリーさんに会いに行く前に、ちゃんと着替えるのよ……』

  サーニャ『……じゃあ、行きましょう』


787 : このスレ内で終われそうです 2011/02/12(土) 02:08:54.76 ID:ZjgmVU0U0

【2Day 18:30 禁固室前】

エイラ(よし……誰もいないな……)

エイラ(これなら、部屋まで誰にも会わずに済みそうだ……!)

エイラ(鍵を回して……っと……!)

     ……ガチャリ…

      『誰!?』

エイラ「!?」ビクッ

    ポロッ

エイラ(あっ……サーニャが……!)


798 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 02:17:46.83 ID:ZjgmVU0U0

  サーニャ『いい……エイラ?』

  サーニャ『今から部屋に戻って……素早く着替えなさい』

  サーニャ『それからシャーリーさんの処に行って……私がいなくなったって騒ぐのよ』

  サーニャ『ルッキーニちゃんが死んだ事は……しばらくはばれないわ』

エイラ「う……うん……」

エイラ「……でも…」

   サーニャ『急いで! ハルトマンさんが出てくる!』

エイラ「……! ごめん、サーニャ!」

   タタタタタッ


802 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 02:25:03.98 ID:ZjgmVU0U0

  ガサ、ゴソ……

エイラ(何も無いぞ……うん……)

エイラ(あとはシャーリーに、ばれていないか……だよな……)

    ガチャッ

   『ルッキーニちゃん……いるの……?』

エイラ「!?」

エイラ(だ、誰か入ってきたぞ……!)

エイラ(ど、どうしよう……私の服……血が付いたままだった……!)

   『は、入るよ……ルッキーニちゃん……』

エイラ(ま……まずい……!)


807 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 02:32:44.91 ID:ZjgmVU0U0

【3Day 12:00 会議室】

エイラ「……」

エイラ「……そうだよ……」

エイラ「私が……犯人だ」

エイラ「……この……事件の……な…」

芳佳「エイラ……さん」

エーリカ「……」

ゲルト「……」


810 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 02:35:28.33 ID:ZjgmVU0U0

芳佳「なんで……なんでこんな事を……したんですか……!」

芳佳「わからないです……エイラさん……!」

エイラ「解らないだろう……な……お前には……」

エイラ「この部隊で……お前は……サーニャの替わりに、入ってきたんだから……」

エイラ「このままじゃサーニャは……みんなから……忘れられて行くんだ……」

エイラ「私には……どうしても……やらなくちゃ……ならなかったんだ……」

   サーニャ『エイラ……もう、限界ね……』

   サーニャ『……最後の、手段よ』

エイラ「……」


814 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 02:38:07.78 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「サーニャ……私、疲れたんだ」

エイラ「もう……何もしたくない……」

   サーニャ『何……言ってるの? エイラ……』

   サーニャ『まだ、復讐は終わらないのよ』

   サーニャ『私達の復讐は……!』

エイラ「……サーニャ……私……疲れたんだ……」

   サーニャ『……』

   サーニャ『……エイラ』

   サーニャ『あなたって……本当に弱いわ……』

エイラ「ごめん……な」


816 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 02:40:42.29 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「……」

エイラ「……中佐…」

エイラ「……最後の……質問だ」

   チャキッ

芳佳「きゃっ……」

ゲルト「まだ、銃を……!」

エーリカ「あう……!」

シャーリー(人形の腹の中に、銃を隠していたのか……!)

シャーリー(……最後の最後で……詰めを誤ったか……!)

ミーナ「……何かしら」


817 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 02:44:03.52 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「部隊の記録を探っている時に……」

エイラ「見つけたんだ……」

エイラ「あの、サーニャが一人でネウロイの元へ向かった日……」

エイラ「中佐と……ブリタニアの空軍大将が基地にいたんだよな……」

ミーナ「……ええ」

エイラ「指令書を読んだんだ……」

エイラ「——『無断専攻のウィッチの撃墜命令』……これは、なんだよ……」

ミーナ「……」

ミーナ「その……空軍司令が、出したものよ……」


820 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 02:46:04.35 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「……受けたのは……少佐と、中佐……二人だけだ」

エイラ「私達には……ネウロイの撃墜……としか説明が無かったな…」

エイラ「どうなんだよ……! 中佐…!」

エイラ「サーニャを殺したのは……誰だ……誰なんだよ……!」

ゲルト「……」

エーリカ「……」

ミーナ「……解らない……わ」

ミーナ「少なくとも……私では、無い……」

ミーナ「そして……少佐も、……その事には、関与しないわ……」


824 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 02:48:01.19 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「……」

  サーニャ『エイラ……もう、いいでしょう?』

  サーニャ『その引き金を、引くのよ……エイラ』

  サーニャ『さあ、引いて……中佐は、私を殺す命令を、受けていたのよ…』

  サーニャ『これは復讐なの……撃たないと……さあ!』

エイラ「……」

  サーニャ『……』

エイラ「……ムリダナ」


827 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 02:50:01.56 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「……」スッ

  サーニャ『どうしたの……エイラ……!』

エイラ「……サーニャ……私には……無理だよ……」

  サーニャ『駄目……撃って! 撃ちたいんでしょう! エイラ……!』

エイラ「私は……もう……駄目なんだ……」

エイラ「サーニャだって……こんな事をしても……返って来ないじゃないか……!」

エイラ「言ったじゃないか……サーニャは……人形だって……」ポロポロ

エイラ「この事件の犯人は……私だ……私だけだ……」

   サーニャ『……』

   サーニャ『……エイラの……馬鹿…』


829 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 02:51:41.90 ID:ZjgmVU0U0

         エイラ「ごめん……ごめんよ………サーニャ……」


840 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 02:56:19.81 ID:ZjgmVU0U0

【 どこか 】

ミーナ「……そうですか……ありがとう、ございます」

ミーナ「……では、また……」

   チリン….

ミーナ「……この司令室も、寂しいものになったわね……」

ミーナ「……ペリーヌさん。この部隊に残っている隊員も……実質私と貴方だけよ……」

ミーナ「私も、原隊帰還命令が出ているし……」

ミーナ「この部隊に残ったとしても、新しい上官に……新しい隊員……」

ミーナ「辛いものになるわよ……」

ペリーヌ「……」


852 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 02:58:03.17 ID:ZjgmVU0U0

ペリーヌ「……私は、戦います」

ペリーヌ「散っていった……仲間達の為にも……この空を守るため」

ミーナ「……」

ミーナ「……ええ」

ペリーヌ「たとえ……どれだけ辛かろうと、私は立ち止まってはいられないのです!」

ペリーヌ「ペリーヌ・クロステルマン!」

ペリーヌ「坂本少佐が目指した、世界の平和……叶うまでは、戦い続けますわ!」


865 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 03:00:25.46 ID:ZjgmVU0U0

【 どこか 】

「ね、ねえねえ、知ってる? 新しい教官——」

「なんでも、あの伝説のウィッチの一人……らしいわよ……」

「ええ……嘘……もしかして、それって501事件の」

「そう……あの事件のあとに退役して、教官になったらしいの……」

「もしかして……すっごく厳しかったり……」

「もしかして……あの格好いい人が……」

  ゲルト「静まれ! 何を騒いでいるんだ!」


871 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 03:01:48.88 ID:ZjgmVU0U0

ゲルト「ゲルトルート・バルクホルン。今日からお前達の指導に当たる」

ゲルト「カールスラントを支えるウィッチとなる為……皆、精進して行くように」

「「はい!」」

ゲルト「ところで……先程、私語を行った者達は、誰だ」

    …………。

ゲルト「……」キッ

「……」

「すいません……私です……」


876 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 03:03:45.42 ID:ZjgmVU0U0

ゲルト「……名乗り出たか。他の仲間は」

「……」オドオド

「……い、いえ……私一人だけで……」

ゲルト(クリスに似ているな……)

ゲルト「……少しはマシな性根をしているようだな。座れ」

ゲルト「貴様達が私の教育により学ぶべき事は一つ!」

ゲルト「仲間との……信頼! それだけだ!」


880 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 03:04:56.79 ID:ZjgmVU0U0

【 どこか 】

       コンコン

ガランド「……入りたまえ…」

エーリカ「失礼します……エーリカ・ハルトマン大尉。推参致しました」

ガランド「君の活躍は、聞いているよ……」

ガランド「まずは、君の前人未踏の500機撃墜……おめでとう、と言わせてもらおう」

エーリカ「はい! ありがとうございます!」

ガランド「本国から、君に、召還命令が届いている……」

ガランド「不確かな事は言いたくはないが……君に、戦場に出て欲しくないそうだ」

ガランド「君の命を戦場で削るには惜しいとさ……」

ガランド「本国に返れば。君は英雄だ。謹んで受けたまえ」


882 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 03:05:54.37 ID:ZjgmVU0U0

エーリカ「残念ですが……辞退させていただきます!」

ガランド「ふふ……何故、かな?」

エーリカ「私は、もっと、飛び続けたいです! この、空を」

エーリカ「そして……世界を守るために!」

ガランド「ああ、素晴らしいぞ……ハルトマン」

ガランド「まるで私の若い頃を見ているようだ……」

ガランド「上層部には私から、通しておこう」

ガランド「お前は、お前の空を……——精一杯飛ぶんだ」

エーリカ「はい!」


886 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 03:07:55.29 ID:ZjgmVU0U0

【 どこか 】

   ブロロロロ……

シャーリー「やっばいな……また、エンストだよ……」

芳佳「もう……シャーリーさん……あんなに飛ばすからです……」

芳佳「だいたい……陸路で欧州から扶桑に帰るなんて……無謀すぎます」

シャーリー「そんな事もないぞ……ほら、スオムスの南の国境線を越えて……」

シャーリー「ちょっと激戦区を抜ければ、扶桑はすぐそこだ!」

芳佳「もぉー! シャーリーさん!」

シャーリー「あはは! 冗談だってば!」


888 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 03:10:10.33 ID:ZjgmVU0U0

芳佳「それにしても……突然扶桑に行きたいって、どういう事ですか?」

シャーリー「あー、ほら、……私には離隊命令は来たのに帰隊命令は出てないからさー」

シャーリー「正直、リベリオンに帰っても不安があるんだよなー」

シャーリー「だからいっそのこと、エイラの様子を見に、扶桑まで旅行しようと思ってさ」

シャーリー「宮藤を連れていけば安心だろう?」

芳佳「だからって……陸路っ……って」

シャーリー「大丈夫だよ! 扶桑に着いたら何をしようかなー」

シャーリー「扶桑のお菓子や温泉や——あとニンジャも見たいかなー」

シャーリー「宮藤のお母さんにも、挨拶しておきたいしさ!」

芳佳「……も、もう……シャーリーさんってば……」


901 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 03:18:17.20 ID:ZjgmVU0U0

エイラ「私は、エイラ・イルマタル・ユーティライネン」

エイラ「こっちはサーニャ・リトヴャグ」

エイラ「 サーニャ……寒くないか? 無理すんなよな」

エイラ「サーニャ……私達、ずっと……一緒だよな」

エイラ「ここを出たら…オラーシャへ、サーニャの家族を捜しに旅に出よう」

エイラ「眠いのか? ……そうか、寝てもいいぞ」

エイラ「今日だけ……だかんなー」


903 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/12(土) 03:19:13.56 ID:ZjgmVU0U0

          芳佳「私達10人で、ストライクウィッチーズなんですから!」

                             完
                          ‾‾‾

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