-
1 : 2014/07/17(木) 00:34:49 -
<チャンピオンロード>
サンダー『ハァ!?』
サンダー『オレたち二人を呼び出すなんて、いったいどんな用かと思ったら……』
サンダー『お前なに考えてんだ!?』
フリーザー『うむ……あまりにも非現実的すぎる』
ファイヤー『いや、止めないでくれ……二人とも!』
ファイヤー『俺はにらみつけるだけで、ポケモンリーグを制覇してみせる!』
ソース: http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1405524889/
-
3 : 2014/07/17(木) 00:38:35 -
サンダー『いやいやいや、落ちつけって!』
サンダー『だいたいなんでまた、そんなことすんだよ!?』
ファイヤー『決まってるだろう?』
ファイヤー『にらみつけるが、かみなりやふぶきと同格だと証明するためだ!』
サンダー『だからってさぁ……!』
フリーザー『…………』
サンダー『おいフリーザー、黙ってないでお前もなんかいってやれよ!』
-
4 : 2014/07/17(木) 00:43:03 -
フリーザー『いや、我々がいくらいっても無駄だろう』
フリーザー『見てみろ、あのファイヤーの目つきを』
ファイヤー『…………』メラメラ…
サンダー『も、燃えてやがる……!』
フリーザー『こうなったファイヤーを止める術など、もはや存在しない』
フリーザー『にらみつけるだけで、ポケモンリーグ制覇……』
フリーザー『かげながら応援させてもらうよ、親友として!』
ファイヤー『ありがとう……フリーザー!』
-
5 : 2014/07/17(木) 00:48:32 -
サンダー『ちっ、しゃあねえな……!』
サンダー『オレも親友(ダチ)として見届けさせてもらうぜ!』
サンダー『お前がにらみつけるだけでチャンピオンになるところをよ!』
ファイヤー『サンダーもありがとう……!』
ファイヤー『そうと決まれば──』
サンダー&フリーザー(にらみつけるの特訓か!)
ファイヤー『ポケモンリーグの人間と意思疎通ができるよう』
ファイヤー『人間の言葉をマスターしないとな!』
サンダー&フリーザー『そこからかよ!』
-
6 : 2014/07/17(木) 00:53:41 -
一ヶ月後──
<セキエイ高原>
係員「え……ポケモンリーグに挑戦したい!?」
ファイヤー「ああ、俺はチャンピオンロードに生息しているのだから」
ファイヤー「チャンピオンの座に挑戦する権利があるはずだろう?」
係員(どういう理屈だよ……)
係員「し、しかし……ポケモンがポケモンリーグに挑戦するなんて……」
ファイヤー「…………」ギロッ!
係員「ひいっ! ど、どうぞ……」
ファイヤー「うむ」
サンダー『人間の言葉をマスターしたし、にらみつけるの特訓もしたし』
サンダー『ついにファイヤーの挑戦の始まりか!』
フリーザー『我々は後ろから応援することにしよう』
-
7 : 2014/07/17(木) 00:58:33 -
<VSカンナ>
カンナ「ポケモンリーグへようこそ! ……って、あら?」
ファイヤー「俺はファイヤー、ポケモンリーグに挑戦させてもらう」
カンナ「ポケモンがポケモンリーグに挑戦だなんて……妙な話ね」
カンナ「後ろの二匹を含めて、三匹での挑戦ってことかしら?」
ファイヤー「いや、後ろの二人はただの見届け人……挑戦者は俺一人だ!」
カンナ「ふうん……ま、いいわ。相手してあげる」
カンナ「私は四天王のカンナ、氷ポケモンを使わせたら右に出る者はいないわ!」
カンナ「アンタも氷漬けにしてあげるから、覚悟するのね!」
ファイヤー「望むところ!」ギロッ!
サンダー『おいおい、あっちはあっちであっさりファイヤーの挑戦を受けたぞ!』
フリーザー『さすがは四天王……といったところか』
-
9 : 2014/07/17(木) 01:02:45 -
カンナ「いきなさい、ジュゴン!」ポイッ
ジュゴン「ジュゴォン!」
ファイヤー「…………」ギロッ!
ジュゴン「!」ビクッ
ファイヤー「…………」ギロッ!
ジュゴン『そんなに睨まなくても……』オドオド…
カンナ「なんてことなの! ジュゴンが怖気づいちゃったわ!」
サンダー『すげえ、本当ににらみつけるだけで戦ってやがる!』
フリーザー『にらみつけるは、敵を委縮させて防御力を低下させる技……』
フリーザー『極めれば、あのような戦法も可能ということか!』
-
10 : 2014/07/17(木) 01:06:17 -
カンナ「もういいわ! 次、パルシェン出なさい!」ポイッ
パルシェン「シェーン!」
ファイヤー「…………」ギロッ!
パルシェン「!?」ギョッ
ファイヤー「…………」ギロッ!
パルシェン『す、すみませんでした……』バタンッ!
カンナ「くっ、パルシェンまで……」
フリーザー『ふむ……奴は引きこもりだから、睨まれると弱いんだろう』
サンダー『大真面目にそんな解説しないでくれる?』
-
11 : 2014/07/17(木) 01:10:13 -
カンナ「だったら、ヤドランの出番よ!」ポイッ
ヤドラン「…………」ホゲ~
ファイヤー「…………」ギロッ!
ヤドラン「?」ホゲッ
ファイヤー「なにっ!?」
カンナ「あははっ、のんきなヤドランに脅しなんて通用しないわ!」
サンダー『なんだアイツ!? 睨まれてもケロッとしてやがる!』
フリーザー『まずいな……早くも天敵登場のようだ!』
-
12 : 2014/07/17(木) 01:15:32 -
カンナ「ヤドラン、どわすれよ! どんどん能力を高めるのよ!」
ヤドラン「…………」ボケ~
ファイヤー(くっ、このままではまずい!)
ファイヤー(ならば──矛先を変えるまでだ!)ギロッ!
シェルダー「!」ギクッ
シェルダー『か、噛みついてごめんなさい……』サッ
ヤドン「…………?」
カンナ「ヤドランがヤドンに退化したですって!?」
ファイヤー「ヤドランを出しておいて、ヤドンを戦わせるのは立派な反則!」
ファイヤー「さぁ、ヤドンを退場させてもらおう!」ギロッ!
カンナ「くっ……戻りなさい、ヤドラン! じゃなくてヤドン!」ボシュゥゥ…
フリーザー『尻尾に噛みつくシェルダーを標的にするとは……まさしく頭脳プレー!』
サンダー『頭脳プレーというよりゴリ押しじゃねえかな、これ……』
-
13 : 2014/07/17(木) 01:21:52 -
カンナ「だったらルージュラ! のしかかってやりなさい!」
ルージュラ「ウフ~ン」バッ
ドスンッ!
ファイヤー「ぐえっ!」
ルージュラ『ついでにキスしてあげるわぁ~ん』
ブチュッ!
ファイヤー(よ、よくも……よくも!)プルプル…
ルージュラ「?」
ファイヤー『俺のファーストキッスをォォォ!』ギンッ!
ルージュラ『あ、あわわ……』ガタガタ…
カンナ「ううっ……今までで一番すごいにらみつけるだわ!」
フリーザー『ちなみに私のファーストキスは、ふたご島に漂着した美しい女性だった』
フリーザー『ひと夏のロマンスというやつだ』
サンダー『オレは……レアコイル』
-
14 : 2014/07/17(木) 01:29:53 -
カンナ「まさか出すはめになるとは思わなかったわ! ──ラプラス!」ポイッ
ラプラス「…………」ズンッ
ファイヤー(む、今までの奴らとは格が違いそうだ……!)
ラプラス『最初にいっておくが、私には脅しなど通用しない』
ファイヤー「…………」ギロッ!
ラプラス『無駄だ』
ブシャァァァァァッ!
ファイヤー「ぎゃあああああっ!」
ドスンッ!
ファイヤー「ぐおおっ……!」
サンダー『ハイドロポンプにのしかかり……えげつない攻めしやがる!』
フリーザー『ラプラスの体重は200kgを超える……さぞ重かろう』
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15 : 2014/07/17(木) 01:33:01 -
カンナ「一気に決めるわよ! ラプラス、ふぶき!」
ラプラス『凍ってしまえ』
ファイヤー「ちょ、ちょっと待ってくれ! 体がしびれて動かない……!」
ビュオオォォォ……!
ファイヤー「…………」カチーン
カンナ「あははっ、凍っちゃった!」
カンナ「さ、これで勝負ありね」
カンナ「そっちの二匹、とっととこの氷像を持って帰ってちょうだい!」
サンダー『くそったれ……ここまでかよ!』
フリーザー『ふぶき……なんという恐ろしい技だ! まさに最強の必殺技……!』
サンダー(え、さりげなく自画自賛?)
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16 : 2014/07/17(木) 01:38:08 -
サンダー『んじゃあ、ポケモンセンターまで運ぶか……』
フリーザー『うむ、落として壊さないようにな』
フリーザー「!」ハッ
フリーザー『いや、待て! ファイヤーはまだ戦っている!』
サンダー『なんだって!?』
ファイヤー(氷)「…………」ギロッ!
フリーザー『凍りながら……なおもラプラスを睨みつけているッ!』
サンダー『す、すげえ……!』
ラプラス『なんという……漢(おとこ)!』
カンナ(私にはこの子たちの言葉は分からないけど……これだけは分かる)
カンナ「この勝負、私の負けよ……!」
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17 : 2014/07/17(木) 01:42:28 -
ファイヤー「ふう、ようやく氷が溶けた……」
カンナ「私の完敗ね……」
カンナ「にらみつけるの力をあなどっていた……それが私の敗因でしょうね」
カンナ「だけど、ポケモンリーグ真のパワーはまだまだ……こんなものじゃないわよ!」
ファイヤー「ああ、分かっている!」
ファイヤー(初戦からここまで苦戦するとは思わなかった……)
ファイヤー(やはりポケモンリーグ……一筋縄ではいかないようだ!)
ファイヤー『サンダー、フリーザー! 次の部屋に向かうぞ!』
サンダー『おう! なんか、お前ならやれる気がしてきたぜ!』
フリーザー『うむ! 氷ポケモン使いに勝ったのだから、あとはもう楽勝だ!』
ファイヤー&サンダー『…………』
-
18 : 2014/07/17(木) 01:43:55 -
今回はここまで
よろしくお願いします -
27 : 2014/07/18(金) 01:13:18 -
シバ「ゆくぞ! ダブルイワークだ!」ポポイッ
イワークA「イワァク!」
イワークB「イワァァァァク!」
ファイヤー(で、でかい……! しくじったかもしれん……!)
シバ「さぁ、スーパーパワーを見せつけてやれ! イワークたちよ!」
サンダー『なんだこりゃあ、とんでもない迫力だ……!』
フリーザー『通常イワークは体長8~9mといったところだが』
フリーザー『シバという人間と鍛錬したせいか、二体とも10m以上はある!』
サンダー『そんなのを二体同時相手って……完全に凶が出ちゃったじゃねえか!』
フリーザー『どうやら、ファイヤーの挑戦……ここまでのようだな』
-
28 : 2014/07/18(金) 01:16:42 -
ファイヤー(くっ……やるしかない!)ギロッ!
イワークA「イワッ!?」ビクッ
イワークB「クッ!?」ビクッ
イワークA「イワァ~ク……」ガタガタ…
イワークB「イワイワァ~ク……」ブルブル…
シバ「くそっ、なんという眼力だ! 二体とも、戻るんだ!」ボシュゥゥ…
ファイヤー「……え?」
サンダー『なんだよ! とんだ見かけ倒しじゃねえか!』
フリーザー『心技体のうち、体ばかり鍛え、心はイマイチだったようだ』
サンダー『だけど二体バラバラで来られてたら、二体目には通じなかったかもな』
フリーザー『うむ、どうやらファイヤーの策略が当たったようだ』
-
29 : 2014/07/18(金) 01:20:11 -
シバ「ならば次はエビワラーとサワムラーのコンビだ! ゆけっ!」ポポイッ
エビワラー『いくぞ、サワムラー!』ザッ…
サワムラー『おうよ!』ザッ…
エビワラー『メガトンパンチ!』シュッ
ボゴォッ!
ファイヤー「うげぇっ!」
サワムラー『どりゃあっ!』ブオンッ
バキィッ!
ファイヤー「ごあっ!」
サンダー『うおっ!? こいつらの技、とんでもない威力だな!』
フリーザー『しかも拳と蹴りのみごとなコンビネーション! 全くスキがない!』
-
30 : 2014/07/18(金) 01:25:01 -
ファイヤー「…………」ギロッ!
エビワラー『かみなりパンチ!』バリバリッ
ピシャァンッ!
サワムラー『とびげり!』ビュオッ
ドゴォッ!
ファイヤー「く……」ヨロヨロ…
ファイヤー(にらみつける!)ギロッ!
エビワラー『無駄だ! 日頃からカイリキーさんと特訓してる俺たちには通じない!』
サワムラー『そろそろトドメを刺してやらぁ!』
サンダー『ダメだ! 格闘ポケモンなだけあって、脅しが通用しねえみたいだ!』
フリーザー『テレビで格闘技を観戦すると、試合前にやたら睨み合ってるしな……』
サンダー(こいつ、テレビとか見るんだ……)
-
32 : 2014/07/18(金) 01:32:33 -
シバ「ならば、カイリキー! お前の怪力で、決着をつけてやれ!」ポイッ
カイリキー「リキィィィ!」ムキッ
カイリキー『ファイヤーよ! 満身創痍のようだが、オレ様は手加減はせんぞ!』
ファイヤー「来い!」ギロッ!
カイリキー『秒間500発を誇る、オレ様のパンチを受けてみよっ!』ムキキッ
ズガガガガガガガガガッ!
ズガガガガガガガガガッ!
ズガガガガガガガガガッ!
ファイヤー(ぐおおおおっ……! にらみつけるヒマもない……!)
サンダー『げえっ! 滅多打ちってレベルじゃねーぞ!』
フリーザー『四本の腕から繰り出されるパンチ連打……まさにパンチのふぶき!』
サンダー(またさりげなくふぶきを持ち上げてやがる……)
-
33 : 2014/07/18(金) 01:35:13 -
カイリキー(すでに30分が経過した……!)
ドゴォッ!
カイリキー(オレ様に殴られ続け、心も体ももうとっくに限界のはずだ……!)
バキィッ!
カイリキー(なのに、なぜコイツは──)
ズドォッ!
カイリキー(にらみつけるをやめないのだッ!?)
ファイヤー「…………」ギロッ!
サンダー『あいつすげえよ……! もうボロボロなのに……睨んでやがる……!』ブワッ…
フリーザー『くっ……不覚にも私の目からも氷の涙が……!』ポロッ…
-
37 : 2014/07/18(金) 01:51:24 -
キクコ「いきな、ゲンガー!」ポイッ
ゲンガーA「…………」ニィィ…
ゲンガーA『さいみんじゅつ』ピロロロ…
ファイヤー「!」ピクッ
ファイヤー「ぐぅ……ぐぅ……」
キクコ「ふん、でかい口叩いたわりにこのザマかい!」
キクコ「ゲンガー、ゆめくいだ!」
ゲンガーA「…………」ニィィ…
フリーザー『さいみんじゅつ+ゆめくい! ゲンガーの黄金パターンだ!』
サンダー『おいおい! 一度もにらみつけるを使わないまま、終わっちまうのかよ!?』
-
39 : 2014/07/18(金) 01:57:17 -
キクコ「ゲンガー、どうしたってんだい!?」
ゲンガーA「ハァ……ハァ……」ガクッ…
ファイヤー「…………!」ハッ
ファイヤー(しまった、眠ってしまっていた! ──勝負はどうなった!?)
キクコ「ほっほう、ゆめくいが通じないとはやるじゃないか!」
ファイヤー(え……? 寝てたからなにも覚えてない……)
キクコ「なら、次はゴルバットだ!」ポイッ
ゴルバット「キィィッ!」
サンダー『なんかよく分からねえけど、ゲンガーを退けたぜ!』
フリーザー『だが次のゴルバットも強敵だ。油断はできん!』
-
40 : 2014/07/18(金) 02:01:07 -
キクコ「あやしいひかりで混乱させな!」
ゴルバット「キィーッ!」ピカピカッ
ファイヤー「ふん、だれが混乱などするか」
バシッ! ベシッ! バシッ!
ファイヤー「俺は至って正常だ。こうして自分を攻撃できるほどにな」ボロッ…
ファイヤー「──って混乱してるじゃん!」ギロッ!
ゴルバット『ぐおおおおっ!』
ゴルバット『ノリツッコミとにらみつけるの合体技だとォ……!?』
ゴルバット『参りました……!』ガクッ…
フリーザー『ファイヤーめ、混乱しながらも新しい境地を開拓したようだ』
サンダー『かっこよすぎるぜ、ファイヤー!』
-
41 : 2014/07/18(金) 02:04:31 -
ファイヤー「…………」ギロッ!
ゴースト「ゴース……」ビクビク…
キクコ「ゲンガーを退けた相手に、修業中のゴーストじゃ荷が重かったかい」
キクコ「なら……アーボック!」ポイッ
アーボック「シャァーッ!」
ファイヤー「!」
アーボック『ケケケ、へびにらみとにらみつける……決着つけようや、トリ公』
ファイヤー『アーボックか……望むところだ!』
サンダー『こりゃあ……すごい対決が実現したな! ワクワクしてきやがった!』
フリーザー『にらみポケモン世界一決定戦といっても差し支えあるまい……!』
-
42 : 2014/07/18(金) 02:07:17 -
アーボック「…………」ジロッ!
ファイヤー「…………」ギロッ!
アーボック「…………」ジロッ!
ファイヤー「…………」ギロッ!
アーボック「…………」ジロッ!
ファイヤー「…………」ギロッ!
アーボック「…………」ジロッ!
ファイヤー「…………」ギロッ!
サンダー『もう一時間は睨み合ってるが……どっちも譲らねえ!』
フリーザー『だが、ファイヤーのようすがどことなくおかしいぞ……?』
-
44 : 2014/07/18(金) 02:17:09 -
キクコ「なら、アタシの切り札を出すよ! ゲンガー!」ポイッ
ゲンガーB「キシシシ……」
ファイヤー「ふん、芸がないな。さっきゲンガーは俺に敗れただろうが!」
キクコ「こいつは、さっきのゲンガーとは一味ちがうよ!」
ゲンガーB「キシシシ……」
キクコ「ゲンガー、どくどくを浴びせな!」
ジュワァァ……
ファイヤー「ぐああああっ……!」ジュゥゥ…
ファイヤー「苦しい……! なんだこの毒は……どんどん体に回る!」ジュゥゥ…
ゲンガーB『猛毒であの世にいっちまいな……』キシシ…
フリーザー『いかん! あの毒は時間が経てば経つほど、強力になる!』
サンダー『マジかよ!? んじゃあ、さっさとケリをつけねえと!』
-
45 : 2014/07/18(金) 02:21:09 -
ファイヤー「ぐ、ぐぞぉっ……!」ギロッ!
ゲンガーB『そんな弱った状態のにらみつけるなんて怖くねえよ』キシシ…
ファイヤー「ど、毒が……ますます……! うううっ……!」ググッ…
キクコ「そろそろ終わりにするよ! ゲンガー、ナイトヘッドだ!」
ゲンガーB『へへへ……あばよ』
ズオッ!
ファイヤー「が、がはっ……」ドザァッ…
キクコ「ふん、ようやく倒れやがったかい!」
サンダー『ファイヤァァァッ! ちくしょう、次はオレが相手してやる!』バチバチ…
フリーザー『よせサンダー、我々は見届け人のはずだ!』
サンダー『だがよ、あんな無慈悲な戦い方があるかよ!?』
フリーザー『その非情さもまた、ポケモンリーグの試練の一つなのだ……!』
フリーザー『それより、ファイヤーを介抱してやるのが先決だ!』
サンダー『ううっ、ファイヤー……!』
-
46 : 2014/07/18(金) 02:25:59 -
ファイヤー「…………」モワァァ…
キクコ「なんだい?」
ゲンガーB『こ、これは……ファイヤーの体からなにかが出てきやがった!』
ファイヤー(霊)「…………」
サンダー『なにい!? まさか、これはファイヤーの霊なんじゃねえか!?』
フリーザー『いかん、すぐに蘇生させないと!』
ファイヤー(霊)「落ちつけ、二人とも」
ファイヤー(霊)「こうなったのはわざとだ」
ファイヤー(霊)「あの高レベルなゲンガーに、普通の状態では勝てないと」
ファイヤー(霊)「あえてこの状態になったんだ」
キクコ「霊体になったはいいが、いったいどうする気だい!?」
ファイヤー(霊)「決まっているだろう?」ニヤッ…
-
47 : 2014/07/18(金) 02:29:21 -
ファイヤー(霊)「にらみつける!」ギロッ!
ゲンガーB『ぐわあああっ! 同じゴーストに睨まれたら、効果は抜群だ!』
キクコ「しまった、こんな手があったのかい!」
ゲンガーB『ひいい……!』ガタガタ…
キクコ「これでアタシの手持ちポケモンは全員やられちまった……」
キクコ「アンタの勝ちだね、ファイヤー!」
サンダー『瀕死どころか臨死になってもにらみつけるなんて……やるじゃねえか!』
フリーザー『ファイヤー……お前はどこまでにらみつけるを極めるつもりだ!?』
-
49 : 2014/07/18(金) 02:34:51 -
今回はここまで
よろしくお願いします -
56 : 2014/07/19(土) 01:19:46 -
ワタル「伝説のポケモン、ファイヤー……」
ワタル「ポケモンがポケモンリーグに挑むなど、前代未聞だ」
ワタル「つまり……この試合に通常のルールを適用させる必要はない!」
ワタル「だから、俺の最大の戦法で戦わせてもらうよ! この五体同時でね!」
ワタル「さぁ、どうする? 今から尻尾巻いて帰るかい、ファイヤー!」
ファイヤー「だれが帰るか! 五体まとめて相手になってやる!」ギロッ!
サンダー『どういうことだよこりゃ!?』
サンダー『五体同時バトルって……いくらなんでもムチャクチャだろ!』
フリーザー『だが、四天王のいうことにも一理ある』
フリーザー『ポケモンが、直接ポケモンリーグに殴り込むこと自体がすでに──』
フリーザー『通常のルールから大きく逸脱した、イレギュラーな事態!』
フリーザー『ゆえに、通常の一対一ルールで戦う必要など全くないのだから!』
フリーザー『それに、ファイヤー自身もルールとはちがう勝ち方をしてきたしな……』
サンダー『た、たしかに……』
-
57 : 2014/07/19(土) 01:22:15 -
ファイヤー「…………」ギロッ!
ワタル「ギャラドスの防御力は下がってしまったが──」
ワタル「かまわず、はかいこうせんだ!」
ギャラドス「グオオオオンッ!」バシュッ
ズガァァァンッ!
ファイヤー「ぐわあああっ!」
サンダー『いきなりぶっ放してきやがった! なんつう力押し戦法だ!』
フリーザー『ファイヤーが霊体のままなら、怖くなかったのだがな……』
-
58 : 2014/07/19(土) 01:25:39 -
ギャラドス「…………」ササッ
ハクリューA「リューッ!」バシュッ
ドゴォォォンッ!
ファイヤー「ぐおおおっ!?」
ハクリューA「…………」ササッ
ハクリューB「リュウゥゥゥ!」バシュッ
ズガァァァンッ!
ファイヤー「ぐええええっ!」
サンダー『なんだこりゃ!?』
サンダー『光線を撃ったギャラドスが後ろに下がって、そしたらハクリューが出てきて』
サンダー『代わる代わるはかいこうせんを撃ってやがる!』
フリーザー『こ、これは……まさか!?』
-
59 : 2014/07/19(土) 01:30:15 -
ハクリューB「…………」ササッ
プテラ「ギャァァスッ!」バシュッ
バゴォォォンッ!
ファイヤー「ぎゃああああっ!」
プテラ「…………」ササッ
カイリュー『我がはかいこうせん、受けてみるがいい!』バシュゥゥッ
ズガガァァァンッ!
ファイヤー「ぐおあああっ……!」
ファイヤー(だ、だが……どうにか五発耐えきったぞ……!)
サンダー『よっしゃ、全員撃ち終わった! やっとファイヤーのターンだ!』
フリーザー『──いや!』
-
60 : 2014/07/19(土) 01:34:01 -
カイリュー「…………」ササッ
ギャラドス「ドォォォスッ!」バシュッ
ドゴォォォンッ!
ファイヤー「ひぎゃあああっ!」
ファイヤー(な……なんでだ!? なんでギャラドスが……!?)
サンダー『またギャラドスが撃ってきやがった!?』
サンダー『おかしいだろ! あの光線を撃ったら、しばらく動けなくなるはずだ!』
フリーザー『これは……古の武将ノブナガが行ったとされる、三段撃ちだ!』
サンダー『サンダー撃ち!?』
フリーザー『三段だ!』
-
62 : 2014/07/19(土) 01:45:09 -
ギャラドス「ドォォォス!」バシュッ
ドゴォォォンッ!
ハクリューA「リューッ!」バシュッ
ズガァァァンッ!
ハクリューB「リュウウウッ!」バシュッ
バゴォォォンッ!
プテラ「ギャァァス!」バシュッ
ドカァァァンッ!
カイリュー『反撃するスキを与えぬよう、撃ちまくるのだ!』バシュゥゥッ
ズドゴォォォンッ!
ワタル「これこそがドラゴン使いのワタル、最強の戦法だ!」
ワタル「もちろん、普通の試合ではこんな戦い方は許されないが……」
ワタル「今回は四天王の大将として、勝利を優先させてもらったよ!」
-
65 : 2014/07/19(土) 01:52:50 -
一時間後──
ワタル「よし、もういいだろう!」サッ
ワタル「俺たちドラゴン軍団の圧勝だ!」
ワタル「お、煙が晴れてきた──」
モワモワモワ……
ファイヤー「はかい……こうせんは……」ボロ…
ファイヤー「もう……終わり、か……?」ボロボロッ…
モワモワモワ……
ワタル「な、なんだって!?」
-
66 : 2014/07/19(土) 01:56:21 -
ファイヤー「ぬんっ!!!」ギンッ!
ワタル「うぐぅ……!」ビクッ
ワタル「しかも……あの眼光は、なんなんだ!?」
ワタル「ダメージで力を失うどころか……鋭さを増している!」
サンダー『マジかよ! あれだけはかいこうせんを喰らったのに……!』
フリーザー『はかいこうせんを目で受けることで、ダメージを軽減していたんだ!』
サンダー『そういうことか! ……もうオレにはすげえとしかいえねえよ!』
フリーザー『私もだ……。ファイヤーの成長は我々の想像を遥かに超えている!』
-
67 : 2014/07/19(土) 02:00:25 -
ワタル「みんな、もう一度──」
シ~ン……
ギャラドス「…………」ビクビク…
ハクリューA「…………」オドオド…
ハクリューB「…………」ガタガタ…
プテラ「…………」ブルブル…
カイリュー「…………」シュン…
ワタル(くっ……あそこまで鬼気迫るにらみつけるをされてしまっては──)
ワタル(俺のドラゴン軍団とて、怖気づくしかないか……!)
ワタル「ううっ……! これからは君がポケモンリーグチャンピオンだ!」
ファイヤー「や、やった……! やったぁぁぁぁぁっ!」
サンダー『やったぜ! これでファイヤーがチャンピオンだ!』
フリーザー『おめでとう、ファイヤー!』
-
69 : 2014/07/19(土) 02:08:28 -
<VSグリーン>
グリーン「!」ピクッ
グリーン(この足音、あいつもここまでたどり着いたってことか!)
グリーン(さすが俺のライバル……そう来なくっちゃな!)
グリーン「ようレッド! お前も来たか!」
グリーン「!?」ギョッ
ズル…… ズル……
ファイヤー「ハァ……ハァ……ハァ……」
ファイヤー「お前が……チャンピオン……グリーン……か……?」ギロッ…!
グリーン(血と炎で真っ赤だけど……レッドじゃない!)
グリーン(だれだよこいつ!?)
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70 : 2014/07/19(土) 02:12:33 -
ファイヤー「俺は……ファイヤー……」
ファイヤー「氷でも、格闘でも、ゴーストでも、ドラゴンでも、なんでもいい……」
ファイヤー「とっととかかってこい……」ビキッ…
グリーン「なんだよお前……いっとくが脅したって無駄だぜ!」
グリーン「俺はポケモンリーグのチャンピオンなんだ!」
グリーン「つまり、この俺様が! 世界で一番──」
ファイヤー「…………」ギンッ!
グリーン「ひっ!」
ファイヤー「世界で一番……なんだってぇぇぇっ!? いってみろォ!!!」ギロッ!!!
グリーン「うわぁぁぁぁぁっ!!!」
ドサッ……
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71 : 2014/07/19(土) 02:17:12 -
サンダー『すげえ! チャンピオンをにらみつけるで倒しやがった!』
フリーザー『あんな異常な殺気を受けては、だれだって気絶くらいするだろうな……』
グリーン「…………」ブクブク…
ファイヤー「泡吹いて倒れたか……ざまあないな……」
ファイヤー「これで俺が……チャン、ピオン……」グラッ…
ドサッ……
ファイヤー「…………」
サンダー『ファイヤー、しっかりしろ! 死ぬんじゃねえぞ!』バチバチッ
サンダー『ダメだ! ケガが深すぎて、電気ショックが効かねえ!』
フリーザー『ここからポケモンセンターはかなり距離がある……。まずいな……!』
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72 : 2014/07/19(土) 02:20:41 -
レッド「…………」ザッ…
サンダー『あ!? なんだこの小僧は!? 突然出てきやがって!』
フリーザー『彼もポケモントレーナーのようだが……?』
レッド「これを使えば……」スッ…
フリーザー『あ、あれは……げんきのかたまり! 世界的にも希少な回復薬だ!』
サンダー『自分のポケモンでもない奴に使うなんて……優しすぎるだろ、おい!』
ファイヤー「うう……俺は……!?」ムクッ
レッド「…………」
ファイヤー「そうか、お前が助けてくれたのか……!」
レッド「……うん」
ファイヤー(助けてもらったからには、恩を返さないとな……)
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73 : 2014/07/19(土) 02:25:21 -
ファイヤー「よし決めた!」
ファイヤー「俺をお前のポケモンにしてくれないか! な、いいだろう!?」
レッド「いいよ」
サンダー『ならオレも! 親友(ダチ)を助けてくれたんだしな!』
フリーザー『私も! ファイヤーの恩は、私の恩でもあるからな!』
ファイヤー「この二人も仲間になりたいっていってるが、いいだろう?」
レッド「もちろん」
ファイヤー「ありがとう! これからよろしく頼む!」
ピカチュウ「ピッカァ~」トコトコ…
ファイヤー「!」
ピカチュウ『さて新入りであるぬしらには、ふんどし担ぎからやってもらおう!』ギンッ!
ファイヤー(このピカチュウ、俺以上の眼力かも……!)
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74 : 2014/07/19(土) 02:28:08 -
オーキド「おお、レッド!」ザッ…
レッド「!」
オーキド「チャンピオンになったはずのグリーンがなぜか失神して」
オーキド「お前がこうして立っているということは──」
オーキド「ようするに、お前が新しいチャンピオンになったということじゃな?」
レッド「いや、ぼくは──」
ファイヤー「そう、そのとおりだ!」
レッド「!?」
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75 : 2014/07/19(土) 02:32:37 -
ファイヤー「グリーンを倒したのは俺で、俺はレッドのポケモンなんだから」
ファイヤー「このレッドがチャンピオンに決まっているだろう!」ギロッ!
オーキド「!」ビクッ
オーキド「う、うむ、そのとおりじゃ。ではレッドよ、お前を殿堂入りしてやろう!」
レッド「だけど……」
ピカチュウ『レッドよ……』ピカッ
ピカチュウ『棚ボタだろうとチャンピオンはチャンピオン……胸を張るがよい!』チュウッ
レッド「……うん、そうするよ!」
オーキド「グリーン、目が覚めたか!」
グリーン「にらみつけるでチャンピオンの座を奪われるなんて……そりゃないぜ!」
グリーン「だけど、俺だってもっとすごい眼力を持ったトレーナーになってみせる!」
オーキド「それでこそワシの孫じゃ!」
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78 : 2014/07/19(土) 02:44:23 -
サンダー『がんばれよ、ファイヤー! 負けんじゃねえぞ!』
フリーザー『気をつけろ、奴は手強いぞ!』
ファイヤー『任せてくれ!』
ファイヤー「いくぞ、ミュウツー!」ギロッ!
ミュウツー「ぬうっ……なんというにらみつける! 相手にとって不足なし!」
~おわり~
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