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1 : 2015/01/08(木) 22:12:42.09 -
榛名「・・・・・・」
榛名「提督、榛名はまた金剛姉様達に冷たくあたってしまいました」
榛名「みんな、榛名を心配して声をかけているのに」
榛名「榛名はダメですね・・・」
榛名「わかってはいるんです。受け入れなければならないことは」
榛名「でも、今の榛名にはこうせずにはいられないんです」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420722761
ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420722761/
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2 : 2015/01/08(木) 22:19:45.27 -
榛名「平凡な生活を送っていた提督が、妖精が見えるというだけで、戦場に行くことになるなんて」
榛名「たった1枚の紙切れが、こんなにも残酷な意味を持っているなんて」
榛名「でも、提督がいてくれたからこそ、榛名と出会うことができたんですよね」
榛名「なんだか、複雑ですね」
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3 : 2015/01/08(木) 22:29:36.36 -
榛名「提督が行方不明になってから、もう月も経ってしまったんですね」
榛名「榛名が戦闘中に、みんなと逸れて途方に暮れてしまった、あの嵐の夜」
榛名「提督は、危険を顧みず、哨戒艇で榛名を助けに来てくれましたね」
榛名「でも、深海棲艦の砲撃に当たって・・・提督の乗っていた哨戒艇が沈んで・・・」
榛名「提督はどうして脱出しなかったんですか?」
榛名「何よりも、提督を助けられなかった榛名が、一番許せないです」
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4 : 2015/01/08(木) 22:31:09.77 -
榛名「提督が行方不明になってから、もう月も経ってしまったんですね」 ×
榛名「提督が行方不明になってから、もう1月も経ってしまったんですね」 〇
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6 : 2015/01/08(木) 22:37:35.26 -
榛名「榛名はもう、全然大丈夫じゃないです」
榛名「提督がいないと、何もできないんです」
榛名「提督との楽しい語らいの日々は」
榛名「もう、一緒に過ごすことはできないんでしょうか」
榛名「悲しくて、涙も枯れてしまいました」
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7 : 2015/01/08(木) 22:41:06.55 -
榛名「榛名達に、何の罪があるのでしょうか」
榛名「でも、榛名は信じています。提督はきっと、まだ生きているって」
榛名「提督がいない毎日は、とても長く感じます」
榛名「榛名はもう、耐え切れそうにないです」
榛名「だから、早く帰ってきて下さい、提督」
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8 : 2015/01/08(木) 22:45:17.44 -
榛名「提督・・・・・・?」
榛名「本当に・・・本当の本当に提督なんですか?」
榛名「———っ!」ダキ
榛名「う・・・うぅ・・・!」ポロポロ
榛名「良かった・・・本当に良かった・・・!」ポロポロ
榛名「榛名は信じていました! 提督は絶対に生きているって!」ポロポロ
榛名「あ・・・」
榛名「・・・ふふ、提督に頭を撫でられるのも、久しぶりですね」
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9 : 2015/01/08(木) 22:50:30.06 -
榛名「提督、みんなも待っています。早く会ってあげて下さい」
榛名「榛名も金剛姉様も、みんな提督のことを待っていました」
榛名「長く、辛い毎日でしたが、みんな元気ですよ」
榛名「さぁ、早くこちらへ」
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11 : 2015/01/08(木) 23:00:51.93 -
榛名「みんな、とても喜んでいましたね」
榛名「金剛姉様も、みんなも涙を流して喜んでいました」
榛名「金剛姉様が泣き止まなくて、困ってしまいました」
榛名「そういえば、まだお風呂に入っていませんでしたね」
榛名「提督、今日は一緒に入りましょう」
榛名「恥ずかしがる必要はありません。榛名達は、契りを交わしている仲ではありませんか」
榛名「さぁ、久しぶりにゆっくり浸かりましょう」
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12 : 2015/01/08(木) 23:09:46.81 -
榛名「今夜はゆっくり休んで下さい」
榛名「提督があの後、どう過ごしていたのか気になりますが」
榛名「それはまた、明日にでもお話しましょう」
榛名「何の変哲もない、普通の日々が」
榛名「こんなにもありがたいことだったなんて」
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14 : 2015/01/08(木) 23:14:52.64 -
榛名「提督、あの時は榛名を助けてくれて、本当にありがとうございました」
榛名「提督が来てくれなかったら、きっと榛名は深海棲艦に沈められていたでしょう」
榛名「本当に嬉しかったです」
榛名「そして、あの時提督を助けられなかった榛名を、許して下さい」
榛名「榛名が離脱しなければ・・・榛名にもっと力があれば」
榛名「提督を助けられたかもしれなかった」
榛名「ん・・・」ポン
榛名「そんな、気にするなって・・・」
榛名「・・・提督、ありがとうございます」
榛名「ずっと、一緒ですよ?」
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15 : 2015/01/08(木) 23:17:56.86 -
榛名「ふふ・・・久しぶりですね。一緒の布団に寝るのは」
榛名「提督の顔・・・冷たい」スッ
榛名「でも、榛名にとっては暖かいです」
榛名「提督がいてくれるだけで、榛名は幸せです」
榛名「提督、その・・・久しぶりに・・・」
榛名「ん・・・」
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17 : 2015/01/08(木) 23:23:33.47 -
榛名「提督が帰ってきてから、3月が過ぎましたね」
榛名「提督のいない辛い毎日は、とても長く感じましたが」
榛名「提督と一緒に過ごす毎日は、本当に短く感じます」
榛名「本当に・・・」
榛名「提督が帰ってきてくれて、泣きじゃくる榛名を」
榛名「提督は、優しいその手で頭を撫でてくれました」
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19 : 2015/01/08(木) 23:26:53.64 -
榛名「提督の手は、とても冷たく感じましたが」
榛名「とても、とても暖かい手でした」
榛名「そして、疲れているはずなのに」
榛名「無理して微笑んで、榛名を抱いてくれましたね」
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20 : 2015/01/08(木) 23:31:48.85 -
榛名「・・・・・・」
榛名「・・・やっぱり・・・そうですか」
榛名「・・・・・・」
榛名「提督は、本当に榛名達のことを大切にしてくれました」
榛名「兵器である榛名達のことを、人間として接してくれました」
榛名「戦争しか知らなかった榛名達に、生きる喜びと楽しみを教えてくれました」
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21 : 2015/01/08(木) 23:37:25.04 -
榛名「それなのに、別れを告げるんですね」
榛名「良いんですよ。榛名には、もうわかっています」
榛名「ありがとうございます、榛名の優しい提督」
榛名「書類作成をしている最中、1枚の書類を見た途端、血相を変えていましたね」
榛名「くしゃくしゃにして、机に閉まっていましたが」
榛名「榛名、見ちゃったんです」
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22 : 2015/01/08(木) 23:38:48.77 -
榛名「提督の・・・死亡報告書を」
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23 : 2015/01/08(木) 23:49:29.04 -
榛名「提督の乗った哨戒艇が沈んだあの海域から、遠く離れた小さな孤島の沖に」
榛名「提督は流されたんですね」
榛名「提督は、あの時脱出していたんですね」
榛名「でも、途中で力尽きて・・・」
榛名「・・・・・・」
榛名「体が沈まず、そのまま海を彷徨っていたなんて、奇跡ですよね」
榛名「まるで、未練があるように・・・沈むわけにはいかないって」
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24 : 2015/01/08(木) 23:52:15.35 -
榛名「提督は、やっぱり優しいです」
榛名「榛名だけではなく、みんなにです」
榛名「自分が死んでも、こうして榛名達に会いに来てくれるなんて」
榛名「でも」
榛名「その優しさは、今の榛名達には残酷過ぎるものなんです」
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25 : 2015/01/08(木) 23:55:47.12 -
榛名「・・・榛名が、榛名があの時提督を助けていれば」
榛名「提督は死なずに済みました」
榛名「みんなを愛し、みんなから愛された提督は」
榛名「もういない」
榛名「どこにもいないんです」
榛名「あるのは、提督と過ごした日々の記憶だけ」
榛名「・・・・・・」
榛名「あの時、沈むのは榛名だけで良かったんです」ツー
榛名「ゴメンなさい・・・ゴメンなさい・・・!」ポロポロ
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26 : 2015/01/09(金) 00:02:38.44 -
榛名「・・・提督は、最期まで榛名に優しいのですね」
榛名「榛名の所為なのに、そんな言葉をかけてくれるなんて」
榛名「・・・・・・」
榛名「なんだか、提督らしいですね」
榛名「では、行きましょう」
榛名「途中まで、榛名もご一緒します」
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27 : 2015/01/09(金) 00:06:11.88 -
榛名「・・・提督は、逝ってしまいましたね」
榛名「みんなには別れを告げず、榛名だけに・・・」
榛名「・・・・・・」
榛名「提督が大好きだった、青い海」
榛名「そんな海が、榛名も大好きです」
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28 : 2015/01/09(金) 00:11:37.19 -
榛名「今はもう、空は青くありませんが」
榛名「夕波が綺麗ですね」
榛名「提督、見ていますか?」
榛名「こんな綺麗な光景、提督と一緒に眺めたかった」
榛名「・・・・・・」
榛名「提督は、ずっと榛名達の記憶の中で生き続けます」
榛名「ありがとうございます、榛名の優しい提督」
榛名「そして」
榛名「さようなら、榛名の・・・」
榛名「優しい提督」
——— 終 ———
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