花陽「雨にもまけず」


1 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:21:08.30 ID:bFHVGTfR0

長靴が捗りすぎて書いた
りんぱなは正義にゃー
はじめまうす

*宮沢賢治は一切関係ありません

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1425133268


ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425133268/


2 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:23:11.58 ID:bFHVGTfR0

星空家

ザーーー

凛「はぁー…」

花陽「どうしたの凛ちゃん? ため息ついちゃって」

凛「かよちん。どうしたもこうしたもないよ、見てよほら」

花陽「えっ?」

ザーーー

花陽「ああ…… ここのところずっとだよね」

凛「もう3日前からだよ? つまんないつまんなーい!」

花陽「し、しかたないよ。そういう時期なんだし」

凛「でもこのままじゃ遊べないよ。踊るのもできないし、凛いやだにゃー!」

花陽「凛ちゃん… 大人しく待つしかないよ」

凛「えー、どうにかならないかなぁ〜」

凛「凛のテレビ」

花陽「雨の話じゃなかったノォ!?」


3 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:24:49.06 ID:bFHVGTfR0

ザーーー(砂嵐)

凛「何言ってるのかよちん? どう見てもテレビが壊れて映らないって話にゃ」

花陽「そうだけど、その、流れ的に納得いかないといいますか」

凛「流れって?」

花陽「なんでもないよ…」

凛「もー、なんで映らないんだろ? 修理に出したら直るかなぁ。これじゃマリ○もダン○ボも出来ないにゃー」

花陽「うん…」


4 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:26:48.60 ID:bFHVGTfR0

ザーーー

凛「あーあ、早く梅雨終わんないかな。せっかくお休みなのに外で遊べないなんて」

花陽「そっちだよぉ、私が思ってたの」

凛「かよちん、梅雨っていつまで?」

花陽「えっ? うーん、6月いっぱいは続くし、7月あたまくらいまで…かな?」

凛「まだまだにゃ……はぁ… 凛、雨きらいだなー」

花陽「あ、いけない! そろそろ帰らなきゃ」

凛「えっ? かよちん、まだ晩ごはんの時間じゃなくない?」

花陽「今日お母さん帰りが遅くて、花陽が作ることになってるんだった。食材も買わなきゃだし… ごめんね凛ちゃん」

凛「そっかぁ。寂しいにゃー」

花陽「凛ちゃん… 大丈夫、また明日学校で会えるよ」

凛「それもそうにゃ! ばいばい、かよちん。雨だから気をつけてね」

花陽「うんっ。また明日ね、凛ちゃん」

凛「『また明日』」

凛「ーーーそれが、彼女の最期の言葉だったーーー」

花陽「凛ちゃん!? 不吉なモノローグ入れないでっ!」


5 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:28:29.45 ID:bFHVGTfR0

ザーーー

花陽「それにしても、本当にやまないなぁ。おかけで気温はちょうどいいけど」テクテク

花陽「晩ごはん何にしよう。カレーは最近出たよね」

花陽「少し遅くなっちゃったし、お惣菜を足して楽しちゃおうかな?」

花陽「そうだ、そういえば商店街に最近…」

ピチャッ!

花陽「ぴゃあ!?」

花陽「…やっちゃった。ここの水たまり、気づきにくい上に深いから注意してたのに。足がびちゃびちゃだよぉ」


6 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:31:40.53 ID:bFHVGTfR0

商店街

コロッケ屋「ジャンボメンチ3つお待ち」

花陽「ど、どうもっ」

花陽「すごいズッシリ。これで1つ100円ってお得だなぁ。しかも美味しいって噂だし」

花陽「お野菜も買ったから、あとはお家にあるもので作れるよね」

花陽「………」テクテク

花陽「うぅ… 足、冷たいし気持ち悪い…」ピチャピチャ

花陽「あれ、ここの靴屋さんリニューアルするんだ。セールしてる」

花陽「せっかくだからローファーの替えも準備しとこうかな? ちょっと見てみよう」

花陽「たぶん奥のほうに……」

花陽「ややっ?」

花陽「わ、これ……いいなぁ…」


7 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:33:00.23 ID:bFHVGTfR0

翌日 放課後 講堂

海未「では、今日の練習はここまでですね」

穂乃果「えーっ!? もう?」

凛「全然動きたりないよー!」

海未「時間予約制なのですから仕方ないでしょう。久しぶりに全員で合わせられただけでも、よしとしなければ」

穂乃果「海未ちゃんのケチー」

凛「そうにゃそうにゃ!」

海未「私に言わないでください!」

穂乃果「ぶーぶー」

ことり「穂乃果ちゃん。海未ちゃんを困らせちゃダメだよ」

穂乃果「はーい…」

凛「ぶーぶー!」

花陽「凛ちゃんも。お片づけしよう?」

凛「はーい…」


8 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:34:36.28 ID:bFHVGTfR0

穂乃果「みんな、じゃーねー!」

凛「かよちん、一緒にかーえろ!」

花陽「うんっ」

ザーーー

凛「よっと。相変わらず降っちゃってるにゃー」トントン

花陽「そうだねー。んっしょ…」ハキハキ

凛「あれ? かよちん、靴かえたんだ」

花陽「気づいてくれた? 長靴にしてみましたっ」

凛「すごーい! やっぱりかよちん、緑が似合うにゃ〜」

花陽「えへへ、ありがとう」


9 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:37:34.93 ID:bFHVGTfR0

凛「っていうか、かよちん、こんな長靴持ってたっけ?」

花陽「ううん。実は昨日、商店街で買っちゃったんだ。晩ごはんの食材を買った帰りに」

凛「あっ、あの靴屋さんか! でも、あのお店もうすぐなくなるってお母さん言ってたような」

花陽「なくなるんじゃなくて、リニューアルみたいだよ」

凛「なぁんだ。潰れちゃうのかと思ったにゃ」


10 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:39:21.66 ID:bFHVGTfR0

凛「でもなんで長靴なの? 雨だから?」

花陽「それもあるし、あと昨日、深い水たまりにはまっちゃって」

凛「それって、もしかして歩道橋近くの?」

花陽「そうそう。凛ちゃんも分かるんだね」

凛「あそこひどいよね! 雨降ってなくても、変に地面へこんでて危ないもん」

花陽「いつもは注意してたんだけど… それで足がびちゃびちゃになっちゃって」

凛「なるほど。でも長靴になったから、もう平気にゃー! 」

花陽「うんっ!」


11 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:41:02.31 ID:bFHVGTfR0

翌日 放課後

凛「やっぱり雨にゃー」

花陽「やっぱり雨だね」

凛「あ、海未ちゃんが今日は練習中止だって。体育館も講堂も取れなかったみたい」

花陽「こう雨が続くと他の部活も中で練習するから、仕方ないよ」

凛「それじゃ仕方ないね。かよちん、帰ろっか!」

花陽「うん…… うん?」

凛「教科書置き勉しちゃうにゃ〜♪」ゴソゴソ

花陽「なんか凛ちゃん、嬉しそうじゃない? 気のせいかな」

凛「そう? そうかも!」

凛「なぜなら…」


12 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:42:33.44 ID:bFHVGTfR0

凛「じゃーん!」スタッ

花陽「わぁっ、長靴!」

凛「凛も買っちゃった。かよちんと色違いのイエローだよ」

花陽「ほんとだ。すごく似合ってるよ、凛ちゃん!」

凛「かよちんとお揃いのものって、ちょっと久々じゃないかにゃ?」

花陽「そうかもっ。嬉しいなぁ」

凛「でっしょー?」

花陽「あ、それ真姫ちゃんのモノマネ?」

凛「そう! どうどう? 似てる?」

花陽「意外と…いや、だいぶ似てるかも」

凛「でっしょー?」

花陽「ふ、ふふっ。ちょっと凛ちゃん、真姫ちゃんに見つかったら大変だよ」

凛「今ならテンションあがってるから大丈夫にゃー!」

花陽「いやいや、凛ちゃんがあがってても…」


13 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:44:48.83 ID:bFHVGTfR0

凛「それよりほら、かよちん早く! いざゆかん、雨の中へっ!」

花陽「あっ、待ってよぉ!」

凛「……あれ?」

花陽「うん?」

凛「あれあれ〜!?」

花陽「どうしたの? 凛ちゃん」

凛「………」

凛「傘がなくなってるにゃ…」

花陽「ええっ?」


14 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:47:17.83 ID:bFHVGTfR0

花陽「教室には持っていってないの?」

凛「それはないよ! 朝、確かにここの傘立ての端っこに置いたの、覚えてるもん」

花陽「そっかぁ」

凛「盗まれたにゃ…」

花陽「うーん、あり得なくはないけど、誰かが間違えて持っていっちゃったのかもしれないよ?」

凛「凛のはちゃんと中にクラスと名前書いたシール貼ってあるし、開いたら分かると思うけどなぁ」


15 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:48:59.17 ID:bFHVGTfR0

凛「うぅ、テンション下がるにゃー」

花陽「凛ちゃん…」

凛「別の人の傘をとるのは…ダメだよね」

花陽「だ、ダメだよ。それこそ悪循環が生まれちゃうよ」

凛「うむむ…」

凛「かよちん、傘一緒に入ってもいい?」

花陽「うんっ。もちろんいいよ」

凛「わーい! おじゃましまーす」ヒョイッ

花陽「傘、あんまり大きくなくてごめんね」

凛「ううん。入れてくれてありがとうにゃ」


16 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:52:02.71 ID:bFHVGTfR0

凛「あれ? そこの赤毛の美少女はひょっとして」

真姫「…?」

花陽「真姫ちゃんっ」

真姫「あら、花陽に凛」

真姫「ずいぶんと仲睦まじいわね… あら?」

真姫「二人とも、長靴なんてはいてた?」

凛「新しく買ったにゃ」

花陽「かわいいし、水たまりも平気ですごく便利だよ」

真姫「へぇ…お揃いなのね。それに相合傘だなんて、ずいぶんと見せつけてくれるじゃない?」

凛「えっへへー。羨ましいでしょー?」

真姫「そうね。いいんじゃない、恋人みたいで」

凛「にゃっ!?」

花陽「こ、こいっ…!?///」カァァ

凛「り、凛たちまだそんなんじゃ…!///」テレテレ

真姫(ウブかッ!)


17 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:53:53.15 ID:bFHVGTfR0

凛「それで、真姫ちゃんはなんでこんなとこで木みたいに突っ立ってるにゃ? いあいぎりで切られたい系?」

真姫「何系よそれ」

真姫「別に…ただ人を待ってるだけ」

花陽「!!」

凛「そ、それって…!」

真姫「先に言っとくけど、今凛と花陽が思ってるようなのじゃ絶対ないから」

凛「じゃあ、誰を待ってるの?」

真姫「どうしても言わなきゃダメ?」

凛「じー…」ドキドキ

花陽「じー…」ドキドキ

真姫「…わかったわよ。といっても、別に隠す必要もなかったんだけど」

真姫「パパを待ってるの」

凛・花陽「「!!?」」


18 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:56:20.68 ID:bFHVGTfR0

凛「真姫ちゃんが……パパと…!?」

花陽「禁断ノ恋シチャッタノォ!!?」

真姫「はぁ!? どうしてそうなるのよっ!」

凛「なーんだ、ただのお迎えか」

花陽「えへへ、早とちりしちゃったね」

真姫「しないでしょ普通… まあ、珍しくパパが休みだからどこかディナーにでも行くかもしれないけど」

凛「や、やっぱり…!?」

花陽「『父と娘、夜のドライブ 〜ディナーはア・タ・シ〜』」

真姫「タイトルがなんかリアルだからやめてくれる!?」

凛「かよちん、お上手〜」

花陽「お褒めに預かりまして」

真姫「まったくあなた達は何考えて…… あ、来たわ」

ブロロロロ…

凛「左ハンドルにゃ…!」

花陽「か、かっこいい…」

まきパパ「お待たせ、真姫」

真姫「もう、遅かったじゃない」

まきパパ「はっは、ごめんごめん…… あっ」

まきパパ「なんか今のやりとり、デートの待ち合わせっぽいな!」

真姫「アンタもかっ!!」スパァン!

ほのパパ「痛いっ! 嬉しい!」


19 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:57:40.05 ID:bFHVGTfR0

凛「いろんな意味で衝撃的なパパだったにゃ」

花陽「でもダンディな人だったね。真姫ちゃんのパパ、って感じがしたよ」

ザーーー

凛「また強くなってきたね、雨」

花陽「ますますやみそうにないね… 黒い雲がずっと続いてる」

凛「あっ! にこちゃん!」

花陽「えっ? どこどこ?」

凛「ほらあそこの雲! 歩道橋の上! 黒髪ツインテール!」

花陽「なんだ、雲かぁ。わ、でも本当に似てる!」

凛「だよねだよね、ここはいっちょ写メを…」

ピチャッ!

凛・花陽「「あっ…」」


20 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 23:58:21.05 ID:bFHVGTfR0

花陽「また…同じ水たまりはまっちゃった」

凛「にこちゃんのせいにゃ」

花陽「ええっ? それはにこちゃんが可哀想だよぉ」

凛「………」

花陽「………」

凛「ぷっ」

花陽「ふふっ」

凛・花陽「「あははははは!」」


21 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 00:00:17.16 ID:JUPEo0Bt0

花陽「ね、平気でしょ?」ピチャッ

凛「うん。ローファーならアウトだったけど、長靴じゃびくともしないにゃ」ピッチャピッチャ

花陽「さっそく大活躍だね」

凛「ヘイヘイッ、ダン○ボしちゃうにゃ!」ピッチャピチャピチャピッチャピチャピチャ

花陽「ひゃあ! り、凛ちゃん、跳ねてる跳ねてる!」

凛「そうだ! いいこと考えたにゃ」

花陽「いいこと?」

凛「かよちん、長靴ぬいでよ」

花陽「えっ、ここで!? 濡れちゃうよぉ」

凛「左足だけ。凛につかまってていいから」

花陽「うーん? 左だけならまぁ…」ヌギヌギ


22 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 00:02:18.42 ID:JUPEo0Bt0

花陽「脱いだけど、これでいいの?」

凛「うん。それから凛も左足脱いで…」ヌギヌギ

花陽「…?」

凛「かよちんの長靴を凛がはいちゃうにゃ! じゃーん!」

花陽「わぁ、左右で色違い…!」

凛「どう? オシャレさんにゃ?」

花陽「うんっ、すごく可愛いよ! ○ッキーナみたい!」

凛「でっしょー?」

花陽「それはマッキーナだねっ!」

凛「………」

凛「ちょっと寒くないかにゃ? じゃ、凛はこれで」スッ

花陽「ちょっと凛ちゃん!? 花陽まだ片足だよぉ!」


23 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 00:04:31.66 ID:JUPEo0Bt0

ザーーー

凛「おなかすいたにゃー」

花陽「どこか寄り道しちゃう?」

凛「名案にゃ! ラーメン行こうよ!」

花陽「ら、ラーメンはちょっと… 晩ごはん前だし。商店街のクレープ屋さんは?」

凛「うーん、でも凛、今はなんとなく甘いものより辛いもの食べたいかなぁ」

花陽「そっか。サッと寄れるところでなんかあるかな?」

凛「マ○クは金曜に行ったし… スーパーの前の焼き鳥屋さんとか?」

花陽「あっ! いい…」

花陽「と思ったけど、あそこ、今もうやってないや」

凛「そうなの!? あそこの焼き鳥のタレ美味しかったのに、ショックにゃー」

花陽「うーん」

花陽「あ、じゃあ…」


24 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 00:06:44.34 ID:JUPEo0Bt0

コロッケ屋さん

凛「ここが新しく出来たコロッケ屋さん?」

花陽「うん! 一昨日おかずに買ったんだけど、味が少しだけ濃く作ってあってソースなしでもすごく美味しくて、白米とのマッチがそれはもう…」

凛「おじさーん!」

花陽「あ、り、凛ちゃん聞いてよぉ!」

コロッケ屋「らっしゃい」

凛「どれにしよっかなー。ポテサラ、メンチ… カレー味とかもあるんだ。全部1個80円かぁ」

花陽「どれも美味しいと思うけど、メンチは間違いなくおすすめだよ」

凛「迷うなぁ〜。かよちんは?」

花陽「花陽は…もう一回メンチにしようかな?」


25 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 00:09:11.60 ID:JUPEo0Bt0

凛「じゃあ凛もかよちんとおーなじ! おじさん、メンチコロッケふたつください!」

コロッケ屋「……これ」チョンチョン

凛「む?」

花陽「あ、そういえばジャンボサイズだと2個分で、お値段100円なのです!」

凛「そうなんだ! ならそうする? 凛は全然一緒に食べるのでもいいけど、かよちんもそれでいい?」

花陽「うんっ、私も全然いいよ」

凛「決まりっ。じゃあおじさん、それでお願いします!」

コロッケ屋「あいよ」


26 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 00:10:56.68 ID:JUPEo0Bt0

コロッケ屋「お待ち」

凛「わぁ、けっこうボリュームあるにゃ」

花陽「そうだね。それでいて美味しいから、人気出ると思うなぁ」

凛「んー、いい匂い! 早く食べよう!」ガサゴソ

花陽「あはは、歩きながら食べちゃおっか」

凛「…! かよちん! このコロッケ…」

花陽「えっ? あれっ…!?」

凛「元からこういう形なの?」

花陽「ううん。一昨日は普通に丸い感じだったよ」

凛「そ、そっか…」

花陽「う、うん…」

凛・花陽(ど、どうしてハート形なの…?///)

凛「………」

凛「かよちん。はい」

花陽「えっ… 凛ちゃん、これって」

凛「あ、あーんにゃ」

花陽「は、はい……ぱくっ」

花陽「うん、美味しい…」

凛「じゃ、今度は凛が傘もつから…」

花陽「あ、うん」

花陽「それじゃ凛ちゃ(以下略


27 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 00:12:05.18 ID:JUPEo0Bt0

花陽「美味しかったけど…」

凛「うん…」

花陽「な、なんか恥ずかしかったね」

凛「うん…」

花陽「凛ちゃん?」

凛「うん…… えっ?」

花陽「もしかして、あんまり美味しくなかった?」

凛「ええっ? そ、そんなことないよ? ただ…」

花陽「ただ?」

凛「あ、ううん。すごくおいしかったよ」

花陽「よかったぁ。花陽がおすすめしたから、もし好みじゃなかっら、すごく申し訳ないなって」

凛「本当においしかったよ! 凛、メンチ大好きにゃ!」

花陽「そっか。ふふっ」

凛(うぅ、恥ずかしくてあんまり味覚えてないにゃー…)


28 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 00:13:34.82 ID:JUPEo0Bt0

ザーーー

凛・花陽「………」テクテク

凛「あれ、かよちんの家、ここ曲がらないと遠回りじゃない?」

花陽「うん。でも今日はちょっと遠回りしたくって」

凛「雨なのに?」

花陽「雨だから…かな」

凛「ふうん? 凛はこっちが近いからいいけど」

花陽(傘持ってないから送っていく、なんて言ったら、凛ちゃん走って帰っちゃうよね)

凛「雨やまないね」

花陽「そうだね」

花陽(それに…もう少しだけ凛ちゃんと一緒いたいもん)


29 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 00:15:10.82 ID:JUPEo0Bt0

ザーーー

凛「………」テクテク

花陽「………」テクテク

凛「…かよちん」

花陽「なあに?」

凛「凛、ちょっとだけ変わったよ」

花陽「うん?」

凛「雨、少し好きになったかも」

花陽「あは… 花陽もね、今ちょうどそれ思ってたんだ」

凛「ほんと? かよちんと一緒にゃ」

花陽「えへへ… 凛ちゃんと一緒だ」


30 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 00:16:37.09 ID:JUPEo0Bt0

ザーーー

凛・花陽「………」テクテク

花陽(雨の日は、少ししんみりしちゃうけど、その分心が落ち着いて、物事をゆっくり考えられる)

花陽(そういうとき、私はいつもは考えないようなことを考えてしまう)

花陽(過去のこと、いまのこと、そして、これからのこと…… μ’sはどうなっていくんだろう、とか、将来は何を目指したらいいんだろう、とか)

花陽(凛ちゃんとはずっと一緒だけど、それがこれからも続いていくのかな、とか)

サーーー

凛「あ… 雨、少し弱くなったね」

花陽「あ、ほんとだ」

花陽(永遠に、なんて保証はない。ずっとかどうかなんて、そんなの誰にも分からない)

花陽(でも、だからこそ、誰かとずっと一緒にいたいって、そう思えるんじゃないかなと… 私は思います)


31 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 00:18:36.65 ID:JUPEo0Bt0

サーーー

花陽(大事なのは、ずっと一緒にいたいって気持ちを大事にすること。大事にすることが、きっと大事)

花陽(特別な関係 とか、1番好き とか、そういうのじゃなくてもよくって……)

凛「………」テクテク

花陽「………」テクテク

花陽(そばにいて、落ち着いていられるような)

花陽(「好き」とか「嫌い」とか、関係なく…… ただただ、気兼ねなく一緒にいられるような)

凛「ねぇ、かよちん」

花陽「なに? 凛ちゃん」

凛「手、つないでいい?」

花陽「……うんっ!」

花陽(そういうものに、私はなりたい)


32 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 00:19:15.28 ID:JUPEo0Bt0

翌日

真姫「あ、今朝は晴れてるのね。何日ぶりかしら」

真姫「んーっ、登校日和、です!って感じ?」テクテク

真姫「あがったばっかりなのね。虹が綺麗に…」

ピチャッ!

真姫「ヴェエエ…」

真姫「私も長靴にしようかな…」

花陽「雨にもまけず」

fin.

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