榛名「提督がケッコンしてくれない?」霧島「」


1 : ◆ngCxH3SH2s 2015/06/04(木) 19:50:02.83 ID:DGnXRoJu0
榛名「そうなんですか」

霧島「いいから聞いて。この間の事よ」

↓の続きの幕間みたいなものです。
時雨「幸せ太り……ねえ?」山城「」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432354343/
山城「しれぇー!ご奉仕するのぉー///」提督「」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432442347/

執務室 昼

霧島「司令!霧島、今回の出撃で練度99になりました!」ワクワク

提督「ああ、知ってるよ。おめでとう」

霧島「……それだけですか?」ドキドキ

提督「ん?もう間宮さんにはお祝いのケーキをお願いしてあるぞ?」

霧島「そうじゃなくて、ですね!」ガタッ

提督「なんだ?飯か?
……そういえば霧島はカレーより肉じゃがのが好きだっけか。
よし、それも頼んでおこう」

霧島「ち、違うのに……」ショポン

提督「だったら何だい?俺に出来る事だったら叶えるから、遠慮せず言ってくれ」

霧島「…………もういいです!
どうやら提督に期待した私の計算違いです!」

カツカツカツ バタン!

提督「…………」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1433414992


ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433414992/


2 : ◆ngCxH3SH2s 2015/06/04(木) 19:51:12.77 ID:DGnXRoJu0
金剛型の部屋 夜

霧島「という事があって」

榛名「はあ……まあ、要するにケッコンを頭の隅にも置かれてない事に腹が立った……と?」

霧島「流石ね榛名!私の心を分かってる。計算通り!」

榛名(計算も何も無いと思いますが……)

榛名「それにしてもケーキ美味しかったですね。流石間宮さん」

霧島「それどころじゃないでしょ!」

榛名「……でも提督、確かもうケッコンしてましたよ」

霧島「え……?」


3 : ◆ngCxH3SH2s 2015/06/04(木) 19:52:33.20 ID:DGnXRoJu0
榛名「ほら、扶桑型二番艦の山城さんと。
爆発しろ……もとい、おしどり夫婦で有名じゃないですか」

霧島「」

榛名「あれ、知りませんでした?」

霧島「この鎮守府に着任してからは常に戦闘の事ばかり考えていたから……」

榛名(そういうのを脳筋って言うんじゃないですかね……?)

霧島「で、でも、大本営的には重婚もありよね!?むしろ奨励されていたはずよ!」

榛名「んー……ちょっとそれは望み薄だと思いますよ……。
提督、山城さんに夢中ですし……。近々、子供も生まれるそうですし……」

霧島「子供!?」

榛名「は、はい……どんな扱いになるのかはよく分かりませんけど、
それでこの間、山城さんは産休に入られましたし……」

霧島「なんてこと……そんなの、計算外だわ……そんな、嘘……」

榛名(…………)


4 : ◆ngCxH3SH2s 2015/06/04(木) 19:53:42.75 ID:DGnXRoJu0
榛名「あのー、もしかしなくても霧島、提督の事好きだったんですか?」

霧島「あ、あたっ、当たり前じゃない!」

榛名(なんでドモったんだろう……)

榛名「それでも、とにかくケッコンしたいというのが霧島の希望なんですね?」

霧島「その通りよ」

榛名「では、まず女として見てもらう事が先決ですね。
今のままの霧島では精々仕事のできる部下……程度にしか見てもらえてませんしね」

霧島「うう……計算外だわ」

榛名「計算外って……何か提督の前でアピールをしたことが?」

霧島「な、ないけれど……毎日、身だしなみは整えているし……、
ファッションとかも姉様達を参考に気を使っているし……」

榛名「はぁ……」

霧島「な、何よ、そのため息は」


6 : ◆ngCxH3SH2s 2015/06/04(木) 19:54:49.78 ID:DGnXRoJu0
榛名「いいですか、霧島。女がモテるために努力をするのと、
自分を磨くのは同義ではないのですよ?」

霧島「え、そうなの?」

榛名「そうです。大体、私を始めとして、
この鎮守府に何人奇麗な女が居るとお思いで?」

霧島「それは……沢山、居るけれど……」

榛名「いいですか?モテる為に美しいのは最低条件なんです。
それにプラスされるのが個性……つまりキャラ性と、
エピソード……つまり対象人物との関わりです」

霧島「キャラ性、私のは……頭脳明晰ね!?」

榛名「……そこら辺、ものすごい誤解があるようなので、
今の霧島の立ち位置をはっきりさせておきますね」

霧島「?」

榛名「霧島の有り余る火力、壮絶な武勲……は周知のものです」

霧島「ええ」


7 : ◆ngCxH3SH2s 2015/06/04(木) 19:56:33.42 ID:DGnXRoJu0
榛名「でもそれにも関わらず何度もに頭脳アピールを行うものですから、
……そういったアピールがかえって逆効果となり、
鎮守府内ではむしろ……脳筋女扱いされているのです」

霧島「え!嘘!?」

榛名「本当ですよ。嘘だと思うなら金剛姉様達にも聞いてみましょうか?」

金剛「ノーコメントネー」ザッシパラパラ

比叡「え、いや……えっと、まあ……うん、その……」ピクッ…オドオド

霧島「」

榛名「そういうわけで……今の霧島は、女らしさからは
対極の位置にあると言ってもいいでしょう」

霧島「うううう…………」

榛名「まあ、提督が女らしい女性が好みかは知りませんけど、
山城さんを選んだ事からして推して知るべしでしょう」

霧島「うう……」

榛名「あとはエピソードですが。
霧島……バレンタインなどのイベントには参加してましたよね」

霧島「え、ええ!司令にきちんとしたチョコレートをあげたわ!」

榛名「それらをきっかけにしたコミュニケーションは何度かありましたか?」

霧島「はっ……思えば招集かけられて
金剛姉様達と同じクッキーを配られただけ……」

榛名「エピソードも絶望的ですか……参りましたね」

霧島「…………もういいわ。少し、疲れた……」

ガチャ トボトボ

榛名「………………」


8 : ◆ngCxH3SH2s 2015/06/04(木) 19:57:27.23 ID:DGnXRoJu0
防波堤 夜

霧島(あてもなくここまで来てしまったけれど……)

時雨「やあ、どうしたんだい?霧島」

霧島「あっ……」

時雨「白露型二番艦の時雨だよ。覚えてるかな?」

霧島「えっ、ええ……」

時雨「まあ、忘れててもいいけどね。
ボクの名前なんか……大して重要じゃないさ」チャポン

霧島「ごめんなさい……」

時雨「気にしてないよ、謝らないで」ニコ

霧島「…………」

時雨「…………」

霧島「…………夜釣り?」

時雨「うん、夜釣り。やってみると楽しいよ。
白露姉さんも誘ったんだけど、すぐに飽きてどっか行っちゃった。
霧島さん……お話ついでにやって行かない?」スッ


10 : ◆ngCxH3SH2s 2015/06/04(木) 19:58:27.47 ID:DGnXRoJu0
時雨「なるほど、そんなことがあったんだ」

霧島「そうなの……。はぁ……。
私、自己分析はしっかりできている方だと思っていたのに」チャポン

時雨「……鏡でも自分の本来の顔は覗けない、ってね」

霧島「?」

時雨「人からよく見られたい、自分が思うように思って欲しい。
ってのは昔からある悩みだよね。どうして昔からあるんだと思う?」

霧島「それは……人が恋愛するから?」

時雨「半分正解。半分はね、想い人と両想いになるのと同じくらい、
自分を好きになるっていうのが難しい事だからさ」

霧島「え……」


11 : ◆ngCxH3SH2s 2015/06/04(木) 20:00:06.88 ID:DGnXRoJu0
時雨「厳しいことを言うね?
霧島さん。君は今、本当は自分に自信がないんだろう?
……帰国子女で元気な長女、頑張り屋だけどドジでみんなが放っとかない次女、
大和撫子然とした三女、個性的かつ魅力的な姉妹達と比べられて、
自分で自分のことを認められなくなってしまっている」

霧島「……そう、かも」

時雨「だから、現実から逃げるように夢中になって練度上げに励んだ。
ケッコンという形で提督に認めてもらうために」

霧島「…………っ」

時雨「……気持ちは分かるよ。自分で自分を認めるより、
人から認めてもらう方が楽だし、形がある分……強いもの」

霧島「……」

時雨「これはあくまでボクの憶測に過ぎないけどね……、
提督はね、きっと霧島さんのそういう所を見抜いて、
あえてケッコンをお預けにしたんだと思うよ」

霧島「…………そんな」


12 : ◆ngCxH3SH2s 2015/06/04(木) 20:02:56.35 ID:DGnXRoJu0
時雨「霧島さん、これから少し長めの休暇を入れられていただろう?」

霧島「そういえば…………」

時雨「少し休むといいよ。ケッコンとか全部忘れてさ」

霧島「……で、でも私は司令と」

時雨「ここまで言っちゃったからさ、最後にもうひとつだけ言わせておくれ」

霧島「何?」

時雨「本当に好きでもないんなら、「好きだ」なんて絶対に言うもんじゃない」

霧島「…………うん」


13 : ◆ngCxH3SH2s 2015/06/04(木) 20:04:13.97 ID:DGnXRoJu0
夜 提督の私室

山城「なるほど……で、私にどうしろと?」

時雨「もしも提督が重婚するようなら、山城にも心の準備が必要かな、と」

山城「それはそうだけど……そんな……」

時雨「ありえないとは言い切れないよ」

山城「だって私、霧島さんとまともに話した事も無い……」

時雨「ふふ、提督どうこうは二の次なんだね」

山城「心配してないだけよ」

時雨「?」

山城「あの人は私がずっと一番だって言ってくれたもの。
それを疑う気はないわ」オナカサスリサスリ

時雨「…………そっか」

山城「何よ?何か言いたげね」ムスッ

時雨「いや、やっぱり『無い』だろうなあって、ね」フッ


14 : ◆ngCxH3SH2s 2015/06/04(木) 20:06:07.16 ID:DGnXRoJu0
数週間後 執務室

霧島「何でしょう、提督」

提督「霧島、指輪だ」

霧島「は?」

提督「は?じゃない、指輪だ。はい指出して」

スッ キラーン

霧島「は?」

提督「はい、これでケッコン(仮)終了。能力上限上がったから確認しといて」


15 : ◆ngCxH3SH2s 2015/06/04(木) 20:07:30.20 ID:DGnXRoJu0
霧島「え、だから……は?」

提督「一応俺には妻子が居るから、形だけのものになるが……」

霧島「え……その、いいん……ですか?」ブアッ

提督「おい、何で泣く?その……俺とじゃ形だけでも嫌だったか?」オロオロ

霧島「いえ……その……嬉しくって」ポロポロ

提督「そ、それは男冥利に尽きるが……」

霧島「これで……これで、また出撃出来るんですね!」

提督「う、うん」

霧島「気付いたんです!私、自分が火力大好きの戦闘バカだって!
だから、強くしてもらって、また戦場に立てるなんて……夢みたいで!」

提督「ん?うん」

霧島「もう、無理に頭脳明晰ぶるのはやめます!キャラ立ちなんて糞食らえです!
だって私、三度のご飯より砲雷激戦が好きですから!」

山城「心配なんか……してなかったわ」

時雨「そんな事言ってるわりにはしっかり覗きにきてるんだね」

霧島「さあ、出撃よ!どう出てくるかしら?
……どう出てきたってこの火力自慢のこの霧島が沈めてあげるわ!!!」


16 : ◆ngCxH3SH2s 2015/06/04(木) 20:08:31.11 ID:DGnXRoJu0
おわりです。
ではまたどっかでー

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