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1 : 2014/02/25(火) 01:09:40 -
魔王「いや、お前は何を言っているんだ?」側近「だから魔王様を倒す旅に出かけてまいります」
魔王「……お前は何者だ?」
側近「ハッ!私は魔王様の側近でございます」
魔王「うむ、そうじゃ。お前はワシが一番信頼している部下だ」
側近「ありがとうございます」
魔王「それを踏まえてもう一度聞こう。お前は何をしに旅に出るんだ?」
側近「ハッ!私は魔王様を倒す旅に出かけてまいります!」
魔王「はい、ちょっと待とうか」
ソース: http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1393258180/
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2 : 2014/02/25(火) 01:11:15 -
魔王「まずお前がワシを倒す理由を聞きたい」側近「私は人間と魔族のハーフですよね?」
魔王「うむ」
側近「だから忌み嫌われて親に捨てられたのでしょう…そして、生まれてすぐに捨てられた私を魔王様が拾ってくださった」
魔王「たしか親父とケンカして家出した時に人間の村の近くで拾ったんだったな」
側近「はい。本当にありがとうございました」
魔王「礼を言うのはワシのほうじゃ。お前にはどれだけ迷惑をかけたか…」
側近「数え切れませんね」
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3 : 2014/02/25(火) 01:11:53 -
魔王「普通は『迷惑じゃありません』的なことを言うんじゃないのか?」側近「だって事実ですし」
魔王「ぐぬっ…は、話を戻せ!」
側近「わかりました。で、私も立派な成人になったので先日その村に行って父母を訪ねてみたんです。そしたら…父も母ももう亡くなってました…」
魔王「そうか…」
側近「その時に出会った村長さんから私が勇者の血を引いているって聞かされまして…」
魔王「…へ?勇者ってあの?」
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4 : 2014/02/25(火) 01:13:58 -
側近「はい。今思えば誰に教わったわけでもないのに雷系の魔法を使えましたし、当然と言えば当然だったのかもしれません」魔王「ワシのお仕置き用のあの忌まわしき魔法か!」
側近「大して効いてないじゃないですか」
魔王「意外と痛いんじゃぞあれ!?」
側近「また話がそれましたね。それで世界の平和の為に魔王を倒してくれって言われたので、有給休暇ついでに魔王様を倒そうかと…」
魔王「軽いなオイ!?」
-
5 : 2014/02/25(火) 01:14:49 -
側近「それでは行ってまいります」魔王「待てぇぃいい!!ワシの食事は!?おやつは!?話し相手は!?城の掃除は!?」
側近「……魔王様、ファイトです!」グッ
魔王「イヤだ~~~~っ!!!お前が居ないと何も出来ない~~~~っ!!」ジタバタ
側近「……ハァッ!!」ピッ!
魔王「うおっ!?」ピタッ
側近「いつまでも駄々こねないでください」
魔王「いつ食らってもお前の拘束魔法は凄いもんじゃな。ピクリとも動けん」ググググ…
側近「前魔王であるお父様から、魔王様の教育の為に教わりましたので」
魔王「あのクソ親父…」
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6 : 2014/02/25(火) 01:15:28 -
側近「まぁ、拘束出来たとしても数分ですし、私の魔力では魔王様を倒すことなど出来ませんが…」魔王「そうじゃろ!ワシは凄いからのぅ!」ドヤァァ
側近「…そんな凄い魔王様なら、私が居なくても大丈夫ですよね?」
魔王「もちろんじゃ!………あっ」
側近「では、行ってまいります」ペコ
魔王「待って~~~~~っ!!」
側近「魔王様…お元気で」ピューーーーン!
魔王「そ…そんなぁ…」ガクッ
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7 : 2014/02/25(火) 01:16:12 -
——始まりの町周辺——スタッ
側近「ふぅ…これで魔王様も少しは大人になってくれると嬉しいんですが…」
側近「さて、これからは側近ではなく勇者と名乗らなければ…あと魔族とわからないように服装も変えないと…」ピッ!
勇者「まず旅の基本は情報収集からですね」
スライム「ピキー!!」バッ
勇者「ちょうど良いところにスライムさんがいました…」
勇者「ピキー!!」
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8 : 2014/02/25(火) 01:17:24 -
スライム「ピキッ!?ピ、ピキピキー!」勇者「ピキピキピ」
スライム「ピキピ…」シュン
勇者(なるほど……なら…)
勇者「ピキピキッ、ピーキピキ」カキカキカキ
スライム「ピ、ピキー!?」パアァ
勇者(さて…次は王様から魔王様討伐の命を受けなくては…)スタスタ
-
9 : 2014/02/25(火) 01:18:08 -
——始まりの町——王城
王「前魔王が死んで、新しい魔王になってから50年…魔物は活発に動き出し、世界は破滅へと向かっている…勇者よ!世界の平和の為に魔王を倒してくるのだ!!」
勇者「善処します」
王「…何か軽いな」
勇者「そうですか?それより王様に一つお願いがあります」
王「何だ?」
-
10 : 2014/02/25(火) 01:19:19 -
——始まりの町周辺——町人A「王様の命令で町の外に出たが…このままじゃモンスターに襲われちまうぞ!?」
王「勇者よ、本当に大丈夫なのか?」
勇者「はい」
町人B「モ、モンスターが大群で現われたぞ!!」
兵士「王様と町人達はさがってください!」バッ
勇者「貴方たちも武器をおろしてください」
兵士「な、何を言ってるんだ!?」
勇者「いいからあの魔物達を見てください」
-
11 : 2014/02/25(火) 01:20:31 -
兵士「……ん?何か横断幕を掲げてるな」スライム「キピー!」
『僕達は人間と友達 絶対に襲わない』
兵士「…は?」
王「勇者よ…ど、ういうことなのだ?」
勇者「元々この辺りにいる魔物は温厚な者達ばかりなんです。魔物(モンスター)=凶悪だと決めつけて襲ってはいけません」
スライム「ピキピキー!」ピョン ピョン
町人A「く、くるな!」
-
12 : 2014/02/25(火) 01:21:16 -
町子供「可愛い~!」ヒョイ町人B「お、おい!早く離しなさい!」
スライム「ピキー!」プニプニ
町子供「プニプニしてる~♪」
町人達「………」
勇者「この者達は微弱ながら魔法も使えます。上手く共存していけばとても良い関係を築くことが出来ると思います」
王「だ、だが…人の言葉を理解出来るのか?」
勇者「出来る者もいますが、大半は出来ません。でも心配要りません。スライム達には人間の言葉を、貴方たちにはスライムの言葉を覚えていただきます。『初心者でも分かるスライム語』前編と後編を渡しておきますね」ゴソゴソ
-
13 : 2014/02/25(火) 01:22:14 -
王「な、何故そなたはそんなものを…?」勇者「勇者ですので」
町人達(勇者なら普通持ってるものなのか?)
勇者「ちなみにスライム達にはすでに本を渡しておきました。スライム以外の魔物達はスライムが通訳すれば問題ありませんし……それでも貴方たちは魔物を忌み嫌うんですか?」
王「………」
スライム「キピ…」ウルウル
王・町人達(か…可愛い)
王「よし!すぐに言葉を教える学校を作るぞ!」
町人「おおーーーーっ!!」
勇者(あとは周辺の魔物達にも伝えておけば心配ないでしょう…次の町に行きますか)
-
14 : 2014/02/25(火) 01:23:04 -
勇者「………」スタスタスライム「~~~♪」ピョン ピョン
勇者「…そこの貴方、何で私についてくるんですか?」
スライム「ピキー!」
勇者「仲間になりたいって言われましても……」
スライム「ピキピキ…」ウルウル
勇者「…はぁ、わかりましたよ。そのかわり、ちゃんと人間の言葉を話せるようにしてくださいね」
スライム「ピキー!」
スライムが仲間になった!
-
15 : 2014/02/25(火) 01:23:41 -
今日はここまで
ではまた
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16 : 2014/02/25(火) 01:25:29 - あと書き溜め派なので更新は遅めです
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30 : 2014/02/28(金) 23:53:43 -
——古ぼけた村——村人「はぁ…」トボトボ
勇者「…随分と静かな村ですね。みんな元気がありませんし、それに……ほとんどの家が破壊されています…」
スラりん「とりあえず酒場に行って情報を集めようよ」
勇者「…そうですね」
-
32 : 2014/02/28(金) 23:56:32 -
勇者「いつもは勇者って呼び捨てのクセに…」スラりん「いいじゃん!一度こういうの言ってみたかったんだ!」
マスター「そ、そうか!モンスターを下僕にしたのか!」
スラりん「誰が下僕だ!!僕は勇者様がどうしてもって言ったから仲間になったんだぞ!!」ドヤッ
勇者「貴方の体は嘘で出来ているんですか?」
女騎士「…お前が勇者ってのは本当か?」
勇者「はい、そうです」
女騎士「ふむ、強そうには見えんが……まあいい、私は女騎士だ。よろしくな」
勇者「はい、よろしくお願いします」ペコ
-
34 : 2014/02/28(金) 23:57:55 -
スタスタ勇者「………」
スラりん「ゆ、勇者…様?」
勇者「…何ですか?」
スラりん「い、いえ、何でもないです!」アセアセ
スラりん(何故かはわからないけど、勇者の機嫌が悪い…)
勇者「一つ聞きたいんですが…一番最近の竜騎士の目撃情報はいつですか?」
女騎士「(竜の騎士の名前を知ってるのか…)…昨日だ。空を飛んでるとこを見たって情報があった。幸いその時は何もしてこなかったそうだが…」
勇者「昨日…ですか」ピキッ
女騎士「…ここがその竜騎士の巣と言われている洞窟だ」
-
35 : 2014/02/28(金) 23:58:51 -
勇者「貴方たちはここで待ってってください…私一人で行きます」女騎士「何馬鹿なこと言っているんだ!?竜騎士はあの魔王直属の部下だぞ!」
スライム「そうなの!?」
女騎士「お前…モンスターなのに知らんのか?」
スラりん「僕、そういうのにまったく興味ないんだ」
勇者「大丈夫…すぐに終わらせてきますから…」ピッ!
女騎士「ぐっ!?」ピタッ
スラりん「か、体が…!?」ピタッ
勇者「少しここで待っててください…」スタスタ
女騎士(くそっ…!何て強力な拘束魔法なんだ…!!)ググググ…
-
36 : 2014/02/28(金) 23:59:43 -
——竜騎士の巣——勇者「………竜騎士さん、出てきてください」
竜騎士「また人間か……最近やけに頻繁に人間が来る……なっ!?お…お前!いや、あなた様は!?そ…側近様!?」
勇者「その通りです…で、何故私は今怒っているんでしょうか?」ゴゴゴゴゴゴ
竜騎士「ひ、ひぃいい!?」
スラりん「」ガクガク
女騎士「ま、魔法を使えない私でも感じるほどの凄まじい魔力が……い、一体中で何が起きているんだ!?」
-
37 : 2014/03/01(土) 00:00:33 -
勇者「ほら…早く答えてください」ゴゴゴゴゴゴゴ竜騎士「ま、魔王様のお世話を頼まれたのにここに居るからです!!」ビクビク
勇者「正解です。では…何故、貴方は魔王様のお世話をしないでこんな辺境の地にいるんですか?」ゴゴゴゴゴゴ
竜騎士「ま、魔王様が我侭すぎてメンドくさくなり、側近様に見つからないように魔王城から離れたここで隠れてました!!ごめんなさい!!」ビクビク
勇者「はぁ……まぁ、そもそも貴方じゃあの我侭な魔王様の面倒なんて見れませんよね。許してあげますよ」フッ…
竜騎士「あ、ありがとうございます!」ブワッ
-
42 : 2014/03/01(土) 00:05:46 -
女騎士「(あんな傷跡や足跡だけでそこまでわかるのか!?それに…)ある村人が協力してる…ってことか」勇者「はい…」
スラりん「やっぱり…」
女騎士「お前もわかってたのか?」
スラりん「当たり前でしょ?女騎士のいる所、オークありだもん!」ドヤッ
女騎士「何だその法則は?」
/
オ~イ!ソ…ユウシャサ~ン!
\勇者(…バレないか心配ですね)
-
43 : 2014/03/01(土) 00:08:49 -
竜騎士「私が竜騎士だ。よろしくな女騎士とスライム」女騎士「あ、ああ…」
スラりん「僕はスラりん!よろしく!」
竜騎士「で、この子達がその村の子供達だ。奥にまだ他の村や町で助けた子供達が十数人にいる」
勇者(多すぎです…)
子供A「竜騎士さ~ん、抱っこ~」クイクイ
子供B「じゃあ私は肩車ー!」
竜騎士「ヨイショっと。本当に可愛いなお前たちは~」デレー
勇者「顔が緩みすぎですよ」
女騎士(な、なんというか…私が抱いていた魔物のイメージとはかけ離れすぎてる…)
-
44 : 2014/03/01(土) 00:10:12 -
勇者「それで…酒場の娘さんはいますか?」娘「わ、私です…」ササッ
竜騎士「…この子はあの親から暴力を振るわれててな、今までなるべくその話題に触れたくなかったから聞かなかったが…どうやらその親はこの子を売ろうとしていたみたいなんだ。そして家から逃げ出した時に私が拾って助けてあげたんだ」ナデナデ
女騎士「…ゲスだな」
スラりん「許せない!」
勇者「…お仕置きが必要みたいですね」
-
45 : 2014/03/01(土) 00:10:54 -
——近くの山——勇者「じゃあ女騎士さんとスラりんは村の方をお願いします。竜騎士さんはくれぐれも手を出さないようにしてくださいね」
竜騎士「了解です!」ビシッ
勇者「………」ギロッ
竜騎士「わ、わかったぜよ!」ビクッ
スラりん「何故に、ぜよ!?」
女騎士「勇者は一人で大丈夫なのか?」
勇者「はい…すぐに終わらせてきますよ」ニコ
竜騎士(完璧にキレてる時の笑顔だーーーっ!!私の名を利用したから私が殺りたかったんだが…オーク達よ、運が悪かったな)
-
47 : 2014/03/01(土) 00:13:44 -
ガーゴイル「欲望に忠実な奴らだな。じゃあ次はエルフが居る海を越えてすぐの町にするか…」スタスタスタ
勇者「…残念ながら貴方達の行き先は決まってます」ピッ!
ガーゴイル「ガッ…!?」ピタッ
勇者「やはりガーゴイルさんでしたか…お久しぶりですね」
ガーゴイル(だ、誰だコイツ!?てか体がピクリとも動かない!!)
オークA「テメェ!!」バッ
オークB「死ねぇえええ!!」バッ
オーク「オラァア!!」バッ
-
48 : 2014/03/01(土) 00:14:22 -
勇者「本当は消してあげてもいいんですが…無駄な殺生はしたくないので少しだけ黙っててください」ピッ!オーク達「」カチーン!
勇者「まぁ、少しと言いましたが私が解かない限り一生そのままですけどね」
ガーゴイル(あれだけの数のオークを一瞬で石化させやがった!?ば、化物じゃねぇか!!)
勇者「さて…村に戻りますか」
-
50 : 2014/03/01(土) 00:16:31 -
スタスタ…娘「………」
マスター「娘!!」
竜騎士「気安くこの子を名前で呼ぶな。殺すぞ」ギロッ
マスター「りゅ、竜の騎士!?」
女騎士「全部この子から聞いた。貴様がこの子を虐待してること、そしてモンスター達と手を組んで金品と女子供を攫っていることをな…」
マスター「お、お前!盗み聞きしてたのか!?」
娘「…うん」
マスター「こいつ…よくも実の親を売りやがったな…!!」
-
51 : 2014/03/01(土) 00:17:17 -
女騎士「売ってたのは貴様の方だろ。攫った女子供だけじゃなく、自分の子供まで売ろうとするなんて……クズの中のクズだな」マスター「う、うるせぇ!!(あいつらはまだ来ないのか!?)」チラッ
竜騎士「無駄だ。いくら待ってもオーク達は来ないぞ」
マスター「な、何だと!?」
ズオオオオン!
竜騎士「はやっ!もう終わったのか」
-
52 : 2014/03/01(土) 00:18:11 -
勇者「さて、こちらは終わっているのでしょうか…」ザッ
スラりん「うわっ!?勇者、その石像達は何?」
勇者「オークさん達です。無駄な殺生は嫌いなので石にして黙らせました」
オーク達「」カチーン
竜騎士(多分、一生あのままだな…死んだほうがマシだったろうに…)
勇者「それでそちらは?」
女騎士「ああ、こっちも終わったところだ」ズルズル
マスター「くっ…!お、俺は何もやってない!無実だ!!」
-
53 : 2014/03/01(土) 00:18:44 -
村人「なんだなんだ?酒場の店主が捕まってるぞ」ザワザワ
マスター「(まだ助かるかもしれない!)み、みんな!こいつらが竜の騎士と手を組んで村を襲ってた張本人だ!!」
村人「な、何だって!?」
勇者「…本当に醜い人ですね」ポイッ
ガーゴイル「ガ…グ……」ピクピク
マスター「ガ、ガーゴイル!?」
村人「こいつは村を襲ってた奴だ!!」
-
54 : 2014/03/01(土) 00:19:32 -
勇者「声だけ出せるようにしますか…」ピッ!ガーゴイル「はぁはぁ…お、お前は一体…!?」
竜騎士「よお、ガーゴイル。散々私の名を借りて悪さをしてたみたいだな」
ガーゴイル「りゅ、竜騎士…様…」
女騎士「知り合いなのか?」
竜騎士「私の元部下だ。前魔王様が亡くなってすぐに私の下から離れて悪さをしてたらしいが、まさか私の名まで利用してたとは…」
ガーゴイル「……ふん。元々平和主義者、ましては雌であるお前の部下になんぞなりたくなかったんだ」
竜騎士「ほう…よほど死にたいらしいな」ピキッ
-
55 : 2014/03/01(土) 00:20:29 -
勇者「落ち着いてください竜騎士さん…さあ、殺される前に本当のことを言ってください。そうすれば命だけは助けますから…」ガーゴイル「誰がお前なんかの言うことを…!!」
竜騎士「はぁ?お前、この人が誰だか気づいてないのか?この人はs—ピタッ
勇者「………」ギロッ
竜騎士(忘れてたーーーっ!!すいませんすいませんすいません!!言いませんから拘束魔法を解いてください!!)
勇者「はぁ…まったく」ピッ!
竜騎士(ふぅ…調教されるかと思った)
女騎士(洞窟でのあの魔力といい、今のやり取りといい…やはり勇者は只者ではない…)
-
56 : 2014/03/01(土) 00:21:37 -
勇者(しょうがないですね……)ス…ガーゴイル「近づくんじゃねぇ!!」
勇者(ガーゴイルさん、思い出してください…私は魔王様の部下の側近ですよ。前に同じように拘束魔法を使って貴方を躾けてあげたでしょ)ボソッ
ガーゴイル「あっ………」
勇者「………」ニコ
ガーゴイル「」ガクガク
勇者「質問に素直に答えてくれますよね?」
ガーゴイル「ハ、ハイ!」
-
58 : 2014/03/01(土) 00:23:05 -
女騎士「…で、こいつらはどうするんだ?」勇者「もちろんモンスターも人間も平等です」ピッ!
ガーゴイル・マスター「へ?」カチーン!
スラりん「せ、石像になっちゃった!?」
勇者「この石像達は私がある場所で管理しておきます」
女騎士「ある場所?」
勇者「はい。それでは竜騎士さんは攫われた人達を連れ戻してきてください」
竜騎士「了解で…ガッテン承知の助!」
スラりん「だから何なのそのキャラは!?」
-
59 : 2014/03/01(土) 00:23:50 -
勇者「私も少し席を外します……あっ、忘れるところでした!」バキッ! バキッ!女騎士「…何をしてるんだ?」
勇者「お二人の体を少しだけ砕いてあげてるんです。痛覚だけは残してあるので…」ニコ
女騎士「そ、そうか…」ゾワッ
スラりん(悪魔だ…)ガクガク
竜騎士(石像になってる限り、痛みは永遠に続くのに…)ガクガク
勇者「それでは行ってまいります」ヒューーーーン!
女騎士「…移動系の魔法も使えるのか」
-
60 : 2014/03/01(土) 00:24:48 -
——魔王城——スタッ
勇者「………はぁ、まだ数週間しか経ってないのに随分と汚くなりましたね」ズルズル
ダダダダダダッ
ザッ!魔王「側近!!やっぱりこの魔力は側近じゃったか!!」パアァァ
勇者「お久しぶりです、魔王様」ピッ!
魔王「再会と同時に拘束!?」ピタッ
-
61 : 2014/03/01(土) 00:25:51 -
勇者「ちょうどよかったです。この者達を独房に入れておいてください。では…」魔王「待てぇい!!帰ってきたんじゃないのか!?」
勇者「はい。まだ旅は始まったばかりですし」
魔王「で、でも…少し話をするぐらいいいじゃないか…」ウルウル
勇者「……はぁ、わかりましたよ」
魔王「やったぁー!」パアァァ
勇者「魔王様、お食事はちゃんと食べてますか?」
魔王「食べておるが…ワシ料理出来んし、お前の料理じゃないと美味しくない。それにそろそろ食料が切れそうだし…」
勇者「自分で狩るか、買ってきて食べてください」
魔王「えー」
-
63 : 2014/03/01(土) 00:27:14 -
勇者「それと…どうしてこんなにお城が汚いんでしょうか?」魔王「そ、それは…他の者達も有休で出てってしまったからで…」
勇者「はぁ…魔王様の人脈はさすがですね」
魔王「じゃろ!」ドヤッ
勇者「褒めてません。貶しているのです…次に帰ってくるまでに魔王様が掃除しておいてくださいね」
魔王「はーい…それより、お前が居なくなってから頻繁にワシの命を狙う魔物が増えてきたぞ。ちゃんと消してやってるが…」
勇者「まぁ、そうでしょうね。魔王様は私がいないと何も出来ない『ハリボテ魔王』なんて言われてますから…実際はハリボテ以下ですけど」
魔王「初耳じゃぞ!?それにさらりと悪口言わないで!」
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64 : 2014/03/01(土) 00:28:25 -
勇者「実力ではどんなに頑張っても魔王様に勝てるわけ無いのに…本当に馬鹿な者達です」魔王「ワシは生まれた時から最強じゃからな!ガハハハハ!」
勇者「……それに魔王様を倒すのは勇者である私の役目なのに…」
魔王「そうじゃそうじゃ!ガハハハハハハ……は?お…お前は本気でワシを倒すつもりなのか!?」
勇者「はい。もし戻ってきた時に鍛錬もしないで腑抜けてたら…私が魔王様を倒して魔王兼勇者となります」
魔王「」
勇者「魔王様、お城の掃除と魔法の鍛錬を怠らないでくださいね。あっ、健康の為にもたまには外にお出かけください。お小遣いはここに置いておきますが、お菓子やオモチャばかり買わないでくださいね。では、行ってまいります」ヒューーーーーン!
魔王「」
-
65 : 2014/03/01(土) 01:35:39 -
——古ぼけた村——ヒューーーーーン
スラりん「あっ!帰ってきたよ!」
勇者「少し遅くなりました」スタッ
女騎士「…あいつらを一体どこに連れていったんだ?」
勇者「…最強の護衛兵が居る牢獄ですよ」
勇者(少し厳しくし過ぎたでしょうか?……いえ、あれぐらいしないといけません。自分で言うのもあれですが、私は少し魔王様に甘いですし、これからはもっと厳しくしていかないと…)
-
66 : 2014/03/01(土) 01:36:35 -
村長「勇者様、本当にありがとうございました。ぜひともお礼をしたいのですが…」勇者「お礼と言われましても私は大したことしてないですし……では、竜騎士さんが攫われた人達を連れて戻ってきたら、一つだけ竜騎士さんのお願いを聞いてください」
村長「りゅ、竜の騎士のお願いですか!?」
勇者「はい。あの方は重度のショタコンですけどとても優しい方なんですよ。それにここで一緒に住めば気性の荒いモンスターもこの村に近づかなくなりますし」
村長「で、ですが…」
勇者「この子達もそれを望んでいるはずですし、ね?」ニコ
娘「うん!」
-
67 : 2014/03/01(土) 01:37:06 -
女騎士(…あんな優しい笑顔も出来るのか)スラりん「…今、勇者に惚れたでしょ?」ニヤニヤ
女騎士「………」ガシッ
ブンッ
ピキーーーーッ!!勇者「…貴方達は何を遊んでるんですか?」
村長「…わかりました。竜騎士さんが戻って来られたら、ここに住んでいただくようお願いしてみます」
勇者「では、洞窟にいる子供達をここに連れてきますので、竜騎士さんが帰ってくるまで面倒をみてあげてください」
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68 : 2014/03/01(土) 01:37:53 -
スタスタスタスラりん「子供達もちゃんとした家に住めるようになってよかったね」
勇者「そうですね」
女騎士「そうだな」
勇者「………」チラ
スラりん「………」チラ
女騎士「ん?何だ?」
勇者「いえ、女騎士さんは何故私達について来るのかと思いまして…」
女騎士「勇者に興味が湧いてな…私を仲間にしてくれ」
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69 : 2014/03/01(土) 01:38:22 -
スラりん「ええー!?こんな男おんn—ガシッ女騎士「どこに男女がいるんだ?」ギリギリギリ
スラりん「ピキーーーーッ!!つ、潰れちゃう~~~っ!!」
勇者「はぁ…仲間になっていいですから、スラりんを離してやってください」
女騎士「では、あらためて…女騎士だ。これからよろしくな、勇者様」
勇者「はい…よろしくお願いします」
勇者(困りましたね…一人旅の予定だったんですけど…)
女騎士が仲間になった!
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78 : 2014/03/11(火) 00:37:10 -
スラりん「あそこにまったく楽しんでない人がいるけど…」女騎士「……うっ」
勇者「女騎士さん、まだ体調が優れないのですか?」
女騎士「あ…あぁ…私がここまで船が苦手だったとは…不覚…うっぷ」
勇者「私がもっと回復魔法を覚えていれば良かったのですが…私は攻撃魔法や拘束魔法が主体なので…」
女騎士「ゆ…勇者が悪いわけじゃない…貧弱な私が悪いんだ…」ヨロ…
勇者「もう少しで着きますので頑張ってください、女騎士さん」スリスリ
女騎士「す…すまん…」
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79 : 2014/03/11(火) 00:38:02 -
スラりん「…今度こそ惚れた?」ニヤニヤ女騎士「」イラッ
ポイッ
ザバァンッ!スラりん「ピキ~~~~!!」バシャ バシャ
勇者「スラりん、泳ぐならもう少し浅瀬にした方がいいですよ?」
スラりん「泳いでない!溺れてるの!早く助けて~!」バシャ バシャ
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80 : 2014/03/11(火) 00:39:25 -
____________________スタスタスタ
スラりん「し、死ぬとこだった…」グター
女騎士「まったく、だらしない奴だな」
スラりん「さっきまで船酔いで死にそうだった奴がそれを言う!?それに僕を海に落としたのは女騎士だよ!!」プンプン!
勇者「まぁまぁ、仲間なんだからもっと仲良くしましょうよ。それとスラりん、濡れたまま私の頭の上に乗らないでください」
女騎士「それにしても…おかしい、地図だとこの辺りに町があるはずなんだが…」キョロキョロ
勇者「…どうやら魔法で外から見えないように防壁膜を張ってるみたいですね。ちなみにこの魔法は主にエルフが得意としてます」
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81 : 2014/03/11(火) 00:41:00 -
スラりん「勇者の魔法でどうにか出来ないの?」勇者「う~ん…ちょっと難しいですね(膜を消してしまうのは簡単に出来るんですが…理由もなく消すのはさすがにマズイですし…)」
女騎士「…ん?あそこに誰かいるぞ」
勇者「本当ですね。では、あの人に聞いてみましょう」
スライム「ピキ…」フラフラ
僧侶「ちょっと待ってね。今治してあげるから」ポゥ…
スライム「ピキー!」パアァ
僧侶「ふふふ、もう怪我しちゃ駄目だよ」ナデナデ
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82 : 2014/03/11(火) 00:42:05 -
勇者「へぇ、貴方は優しいんですね」僧侶「!?ち、違うんです!これはその偶々というか…と、とにかくこの子を殺さないでください!」アセアセ
スラりん「大丈夫だよ。僕達は基本的に魔物を殺さないから」
僧侶「……へ?ス、スライムが喋ってる!?」
スラりん「その通り!僕は選ばれしスライム!勇者スラりんさ!」ドヤッ
僧侶「ゆ、勇者様!?」
女騎士「違う。そいつはただのスライムで勇者はこっちだ」
勇者「どうも、一応私が勇者です。それよりその子はもう逃がしてあげください。早くお母さんの所に帰りたいって言ってますし」
僧侶「あっ、ご、ごめんね!」パッ
-
83 : 2014/03/11(火) 00:43:13 -
スライム「ピキピキー!」ピョン ピョン勇者「貴方に『傷を治してくれてありがとう』って言ってますよ」
僧侶「勇者様はスライムの言葉が分かるんですか!?」
勇者「はい。一応スライムだけでなく全ての魔物の言葉をマスターしてます」
女騎士「そのおかげで、魔物に襲われても戦わずに説得して逃がすから旅が楽なんだが…体が鈍ってしまってしょうがない」
勇者「剣の稽古は毎日してるじゃないですか。女騎士さんは本当にお強いですし」
女騎士「皮肉にしか聞こえんからやめろ。二週間で超えられた身にもなれ」
僧侶「す…全ての魔物さん達とお話できるなんて…う…羨ましい!!」キラキラ
勇者「とりあえず村で何か食べながらこの辺りの話を聞かせてくれませんか?ありますよね?魔法の膜で包まれた村が…」
僧侶「…はい」
-
86 : 2014/03/11(火) 00:47:01 -
勇者「貴方はその村に頻繁に行ってるんですか?」僧侶「はい。物資の輸送や情報交換…は表向きで、いつも遊びに行ってます」テヘヘ
勇者「…貴方は魔物が大好きなんですね」
僧侶「はい!魔物さん達は僕の友達ですから!」
スラりん「……勇者」
勇者「わかってますよ、スラりん。少し休憩したらクラーケン退治に行きましょう」
僧侶「ほ、本当ですか!?ありがとうございます!すぐに町の人に言って何かお礼を…」
勇者「お礼はいりませんよ」
僧侶「えっ?」
スラりん「だって君は魔物と友達でしょ?つまり僕は君と友達ってことだ!友達が困ってたら助けるのは当たり前じゃん!」
-
87 : 2014/03/11(火) 00:47:39 -
女騎士「まぁ、そういうことだな」僧侶「み、皆さん…」
女騎士「その前に腹ごしらえをして力を蓄えないと…」
スラりん「誰かさんは船で全部吐いちゃったからね~」
女騎士「…ちょうどいいところに青いゼリーがあるな」ガシッ
スラりん「ぎゃあ~~~!?食われる~~~っ!!」
僧侶「アハハハ!面白い人達ですね」
勇者「スラりんは人じゃありませんけどね」
-
88 : 2014/03/11(火) 00:48:22 -
僧侶「…あの、勇者様」勇者「はい?」
僧侶「ぼ、僕も魔物さん達とお話したいんですが…」
勇者「わかりました。私のモンスター語の本をいくつかあげますよ」
僧侶「やったぁ~~~!!あっ…す、すいません!はしゃぎすぎました///」
勇者「謝ることじゃありませんよ。それにそれだけ喜んでくれるのなら私も嬉しいですし。…ちなみに私はこれでも物知りな方なので、本にも載ってないような話でも聞きますか?」
僧侶「いいんですか!?じゃあ早くお店に行きましょう!」タタタタタッ
勇者「…元気で可愛らしい子ですね。竜騎士さんがいたらメロメロでしたよ」クスッ
-
89 : 2014/03/11(火) 00:49:15 -
食堂カラン カラン
僧侶「ここ、僕の行きつけなんです!すっごく美味しいんですよ!」
勇者「それは楽しみですね」
竜騎士「また会えたね!僧侶ちゃん!」ダキッ
僧侶「りゅ、竜騎士さん!?抱きつかないでよ~!」ジタバタ
竜騎士「イイではないか~イイではないか~」スリスリ
-
91 : 2014/03/11(火) 00:50:51 -
スラりん「う~ん♪美味しい~!」ガツガツ女騎士「確かに美味いな」モグモグ
僧侶「でしょ!」
勇者「で、何で貴方はまだここに居るんですか?攫われた人達は助けたんですか?」
竜騎士「それがですね…私がここに着いた時にはもう皆救出されてたんです」
勇者「…どういうことですか?」
竜騎士「攫われた女の一人が優秀な魔法使いでして、捕まったフリをして皆を救出してたんです」
勇者「なるほど…その人身売買をしてた組織はどうしましたか?」
竜騎士「それは心配いりません。その魔法使いから居場所を聞き、私がちゃんと壊滅させておきました。勇者様と違って少し手荒でしたけど」
-
92 : 2014/03/11(火) 00:53:02 -
勇者「そうですか、ありがとうございます。では…もう一つの質問に答えてください。どうして貴方はまだここに残ってるんですか?」竜騎士「た、助けた人達はちゃんと私が無事に帰らせましたが…そ、その魔法使いが帰りたくないと駄々をこねてまして今説得をしてるんです!」アセアセ
勇者「……怒ってませんから本当のことを言ってください」ニコ
竜騎士(笑顔が怖いっ!!)ガクガク
店員「その人はあそこにいる僧侶ちゃん目当てですよ」
竜騎士「」ギクッ
勇者「やっぱりそうでしたか…貴方のショタコンには呆れますね」
竜騎士「反省してます…」シュン
-
93 : 2014/03/11(火) 00:53:48 -
勇者「それで…貴方が魔法使いさんですか?」魔法使い「ピンポーン♪さすがは勇者様ですね」
勇者「どうしてお店の店員をやっているのですか?」
魔法使い「私はコスプレが趣味で、ウェイトレスの制服を一度着てみたかったのよ。どう?似合ってるかしら?」クルクル
勇者「え…ええ、似合ってると思います…」
竜騎士「私がここに居る理由は僧侶ちゃんが可愛すぎる為ですが、このコスプレマニアが駄々をこねて帰らないのは本当なんです」
魔法使い「だって~あの村すたれ過ぎて一人でコスプレしてても浮きまくるのよ!だからこれからコスプレの旅に出ようと思ってね」
勇者「女性の一人旅は危険ですし、せめて誰かを仲間にしてから旅をした方がいいですよ」
魔法使い「あー大丈夫大丈夫。私、勇者様の仲間になるし」
勇者「…はい?」
-
94 : 2014/03/11(火) 00:54:23 -
魔法使い「勇者様に出会った瞬間にこうビビッときちゃったの!じゃあこれからよろしくね!」勇者「………はい?」
魔法使いが仲間になった!
魔法使い「向こうのテーブルの人達にも挨拶してくるわね~♪」ルンルン
勇者「こ…これはどうすればいいんでしょうか…?」ポカーン
竜騎士(あの側近様がボーゼンとしてる…側近様はああいうタイプが苦手なのか)
-
95 : 2014/03/11(火) 00:55:11 -
女騎士「……は?貴様が仲間に?」魔法使い「そう、よろしくね♪」
スラりん「……恋敵(ライバル)出現か!?」
女騎士「…ちょっと用を足してくる」ガシッ
スラりん「ごめんごめん!冗談だから流さないで!!」
僧侶「旅って…魔王を倒しに行くんですよね?」
魔法使い「あー…それはついでかな♪」
女騎士「ついでが最終目的だ」
-
96 : 2014/03/11(火) 00:56:09 -
僧侶「………ぼ、僕も一緒に!!」バリイィィィィンッ!!
勇者「!?」ガタッ
僧侶「えっ!?ま、膜が壊された!?」
女騎士「まさかクラーケン達が攻め込んできたのか!?」
魔法使い「一瞬感じたけど…壊した奴は相当な魔力を持ってるわ…」ゾワッ
スラりん「相当っていうか……尋常じゃないくらい大きい…!」ガクガク
勇者「あの魔力……まさか!?」ダッ
女騎士「勇者!?くっ、私達も追いかけるぞ!」ダッ
-
97 : 2014/03/11(火) 00:56:49 -
タタタタタタタッ勇者(あのお方が近くにいればすぐに魔力でわかるはずですし…今感じる魔力は十分の一にもみたない…だからあのお方では無いはず……)
魔王(膜のせいで見失ってしまった…側近はどこに行ったんじゃろ?)キョロキョロ
勇者「」
魔王「あっ!!」パアァ
勇者「な…何で…こんな所に居るんですか!?魔王様!!」
魔王「会いたかったぞ!そっk—「ハアァッ!!」ピッ!
魔王「また拘束!?しかも全力で!!」ピタッ
-
99 : 2014/03/11(火) 00:58:34 -
勇者「まったく……貴方ってお方は…」ゴゴゴゴゴゴゴゴ女騎士「これはあの洞窟の時の…!!」
僧侶「ゆ…勇者様…?」
魔法使い「す…凄い魔力…!!」
竜騎士(あー…調教モードに入っちゃった)
魔王「お…落ち着くんじゃ!とりあえずワシの話をだな…」
勇者「…聞きません!」バッ!
-
100 : 2014/03/11(火) 00:59:21 -
魔王「うおっ!?」ヒューーーーーーーーン!スラりん「魔王が飛んでった!?」
魔法使い「あれは移動系魔法を応用して相手を飛ばす高度な魔法!勇者様はあんなことも出来るの!?」
勇者「ハッ!」ヒューーーーーーーン!
女騎士「ゆ、勇者!!」
僧侶「まさか…勇者様はここで戦うと危険だから一人で魔王と…!?」
竜騎士(あの人は魔王様に基本的に甘々だけど、お仕置きの時だけはマジになるからなぁ…)
-
101 : 2014/03/11(火) 01:00:11 -
——海上——ヒューーーーーーン
ザバァァン!ゴポゴポゴポ…
勇者「……魔王様、もう拘束魔法は解いているのですから、海の中に隠れてないで出てきてください」ピチャ
魔王「あ…あの…すいません…」ザバァァ…
勇者「…私に会いに来てくれたことは正直に言うと嬉しかったです。私も魔王様に会いたかったですし…」
魔王「そ、側近…」ウルウル
勇者「でも…言いたいことが3つほどあります」ニコ
魔王「」ビクッ
-
104 : 2014/03/11(火) 01:02:45 -
魔王「…それでも今までお前は気づかなかったんじゃぞ。つまり、ワシよりもあやつらの方が大事なんじゃろ…」シュン勇者「…そんなわけないじゃないですか。私はどんな時でも魔王様のことを考えてますよ」
魔王「側近…!」パアァ
勇者「でも…確かに女騎士さん達との旅が楽しくて気づきませんでしたね。自分で思ってる以上に彼女達に心を許しているのかもしれませんね…」
魔王「あやつら…!」ギリッ
勇者「嫉妬しないでください。私の大切な仲間なんですから」
魔王「ワシも大切な仲間じゃろ!?」
勇者「大切な主君です」
-
105 : 2014/03/11(火) 01:03:41 -
ザバァァン!クラーケン「ここは我の縄張り!勝手に入る馬鹿はどこのどいつだ!!」
勇者「今はお説教中です。邪魔しないでください」ボォゥ!
クラーケン「ハッハッハ!我に火炎魔法は効かん!!……ん?熱ちちちちちちち!?も、燃えてるぅぅぅうう!?」ボオオオオオォォ!
部下達「!?」
魔王「低俗なクラーケンに黒炎はやり過ぎじゃないか?」
勇者「私は今、機嫌が悪いので…」
魔王「へ?」
-
106 : 2014/03/11(火) 01:04:33 -
勇者「最後に3つ目です…どうしてあの町の防御膜を壊したんですか?」魔王「じゃ…邪魔じゃったから…」ビクビク
勇者「貴方は魔物達の頂点に君臨するお方なんですよ…もっとよく考えて行動しないと駄目じゃないですか…」バチバチバチ
魔王「そ、側近…ほら、海でその(雷系)魔法使うのはさすがにマズイじゃろ…?クラーケン達もいることだし…」
勇者「いえ、一石二鳥です」ニコ
ピカッ!
バリバリバリバリバリ!!
クラーケン「ぎゃああああああ~~~~!?」ビリビリビリ
魔王「死ぬぅぅぅぅうううう!!」ビリビリビリ
-
107 : 2014/03/11(火) 01:05:24 -
勇者「魔王様はこの程度で死にません」魔王「そ、そうじゃが結構痛いんじゃぞ!!」ビリビリビリ
勇者「痛くないとお仕置きになりませんので」ニコ
魔王「このドSがあぁぁああ!!」ビリビリビリ
10分後♪
クラーケン「」チーン
部下達「」チーン
魔王「ふぅ…久々だとキツイもんじゃな…」ボロ…
-
108 : 2014/03/11(火) 01:06:33 -
勇者「ちょうどケルベロスのエサ(クラーケン達)が手に入ったのでそれを持って帰ってください」魔王「えー側近も一緒に帰ろうよー」
勇者「子供みたいに言わないで、もっと主君らしくしてください」
魔王「側近、我が城に帰るぞ」キリッ
勇者「やれば出来るじゃないですか。帰りませんけど」
魔王「えー」
-
109 : 2014/03/11(火) 01:07:29 -
勇者「世界中を旅したらちゃんと帰りますから我慢してください。あっ、この間の約束、ちゃんと覚えてますか?」魔王「…はて?何か約束したかのぅ?」
勇者「魔王様……」バチバチ…
魔王「も、もちろん覚えておる!ちゃんと魔法の鍛錬もお城の掃除もする!」
勇者「そうです。破ったら魔王様を倒しますからね」
魔王「わかっておるわい…だが、側近も約束しろ!絶対に帰ってくるんじゃぞ!それとお土産も忘れるんじゃないぞ!!」ヒューーーーーン!
勇者「…当たり前じゃないですか、魔王様。ちゃんと帰りますし、お土産も買いますよ」クスッ
-
110 : 2014/03/11(火) 01:08:21 -
——膜に包まれていた町——スタッ
勇者「ただいま戻りました」
女騎士「勇者様!大丈夫か!?怪我は無いか!?」
勇者「ええ、心配いりません」
女騎士「よ、よかった…」ホッ
スラりん「あれ~?最初の頃と態度が違くない?」ニヤニヤ
女騎士「う、うるさい!///」ブンッ!
ピキ~~~~~~!!
魔法使い(なるほど、そういう関係なのね……面白そう♪)
-
124 : 2014/03/16(日) 00:47:03 -
——砂漠——僧侶「砂漠って夜になると暑くないんだね」
スラりん「むしろ寒い…」ブル
魔法使い「このぐらいで寒いって言ってちゃ一人前のコスプレイヤーになれないわよ」
スラりん「ならないよ!!」
魔法使い「それに寒いならあの二人みたいに体を動かせば?」
僧侶「あの二人はそれが目的じゃないと思うけど…」
-
125 : 2014/03/16(日) 00:48:50 -
キン! キン!女騎士「ハアァ!」ブンッ
勇者「くっ…!(前より格段に速くなっている!)」バッ
ガキンッ!
勇者(剣が飛ばされた!?)
女騎士「これでお終いだ!」グイッ
ドサッ
女騎士「はぁ…はぁ…わ、私の勝ちだな」チャキッ
勇者「…はい、参りました。女騎士さんは本当にお強いですね(竜騎士さんと同等…いえ、技のスピードだけならそれ以上ですね…本当に凄い人です)」
-
126 : 2014/03/16(日) 00:50:31 -
女騎士「これで少しは私も…勇者の力になれるか?」ハァ ハァ勇者「何を言ってるんですか。いつも頼りにしてますよ」
女騎士「そ、そうか…」
スラりん「……いつまでも密着してないで、そろそろ勇者の上から退いてあげたら?」ニヤニヤ
女騎士「す、すまん!///」バッ
魔法使い「まるで女騎士さんが興奮して勇者様を襲ってるみたいだったわね❤」ニヤニヤ
女騎士「貴様ら…!」チャキッ
勇者「まあまあ、落ち着いてください。今日はこの辺にして明日に備えて寝ましょう」
僧侶「あっ、女騎士さん!腕に切り傷が!」
女騎士「むっ、勇者の攻撃は全部避けたと思ったんだが…私もまだまだだな」
-
127 : 2014/03/16(日) 00:51:52 -
勇者「す、すいません!あまりにも女騎士さんが強かったので、私も無我夢中で…」女騎士「勇者が気にすることではない。むしろそうでなくては鍛錬にならんからな」
僧侶「女騎士さん、魔法で治すから腕を出して」
女騎士「いや、必要ない。騎士にとって傷は勲章みたいなモノだからな」
勇者「駄目ですよ、ちゃんと治してもらわないと。貴方は騎士である前に女性なんですから」
女騎士「ゆ、勇者がそこまで言うなら…///」
魔法使い「初々しいね~」ニヤニヤ
スラりん「デレデレじゃん」ニヤニヤ
女騎士「だ、黙れ!!///」
-
128 : 2014/03/16(日) 00:52:33 -
——砂漠の街——女騎士「ここが砂漠の街か…随分と賑やかだな」
スラりん「砂漠は過酷な環境だから人が少ないと思ったんだけど…人がいっぱいいるね」
勇者「なんでもこの街は広大な土地を利用してカジノを建てて大成功したそうですよ」
魔法使い「カジノ!?」
僧侶「でも、お客さん達はどうやってここまで来てるのかな?」
勇者「確かに…普通の人達が魔物も居るこの砂漠を歩いてくるとは思えませんし……少しだけ覗いてみますか」
魔法使い「ヨッシャ!コスプレ資金を稼ぐわよーー!!」オーッ!
スラりん「一人だけ目的が違うけど…」
勇者「…そっとしておきましょう(未だにあの人の扱い方がわかりません…)」
-
129 : 2014/03/16(日) 00:53:30 -
——砂漠の街——女騎士「ここが砂漠の街か…随分と賑やかだな」
スラりん「砂漠は過酷な環境だから人が少ないと思ったんだけど…人がいっぱいいるね」
勇者「なんでもこの街は広大な土地を利用してカジノを建てて大成功したそうですよ」
魔法使い「カジノ!?」
僧侶「でも、お客さん達はどうやってここまで来てるのかな?」
勇者「確かに…普通の人達が魔物も居るこの砂漠を歩いてくるとは思えませんし……少しだけ覗いてみますか」
魔法使い「ヨッシャ!コスプレ資金を稼ぐわよーー!!」オーッ!
スラりん「一人だけ目的が違うけど…」
勇者「…そっとしておきましょう(未だにあの人の扱い方がわかりません…)」
-
131 : 2014/03/16(日) 00:56:13 -
女騎士「…勇者、どうする?」勇者「私達は必要無いみたいですし…次の街に向かいますか」
スラりん「でも…魔法使いはもう楽しんでるよ」チラ
魔法使い「さあ、スロットで稼ぎまくるわよ~!」チャリンチャリン
勇者(はぁ…魔王様が心配ですので先を急ぎたいのですが…)
僧侶「ゆ、勇者様!あの景品を見て!」
『勇者の剣』
女騎士「あれは…この世で唯一魔王を倒すことが出来ると言われている伝説の武器『勇者の剣』!?」
-
133 : 2014/03/16(日) 00:58:52 -
スラりん「ねえ、この人が勇者だからあの剣をちょうだいよ」受付嬢「規則ですので勇者様といえども無理です」
スラりん「でも、世界平和の為って書いてあるし…」
受付嬢「規則ですので。頑張ってコインを貯めて下さいませ」
女騎士「世界平和より規則の方が大事なのか?」
勇者「ここは素直に従うしかなさそうですね。手元のお金では…ギリギリ足りませんか。魔法使いさんは…」チラ
魔法使い「ガッデム!ちょっとこのスロット仕組まれてない!?さっきからまったく揃わないんだけど!」
勇者「…駄目そうですね。仕方ありません、私達が手分けして稼ぎましょう」
-
134 : 2014/03/16(日) 00:59:44 -
女騎士(賭け事か…トランプぐらいなら私も出来そうだな)ディーラー「お客様、参加しませんか?」シュッ シュッ
女騎士「ポーカーか…いいだろう」
1ゲーム目
ディーラー「残念でしたね。コインはこちらのお客様にお渡しします」ジャラジャラ
女騎士(…た、たまたま運が悪くペアが一つも無かっただけだ!次こそは…!)
5ゲーム目
ディーラー「…な、何かすいません」ジャラジャラ
女騎士「ご…5回連続でペア無しだと…!?」
-
135 : 2014/03/16(日) 01:00:57 -
10ゲーム目女騎士「………」
ディーラー(10回連続ブタって…ある意味凄すぎだろ)
女騎士「き…貴様ァ!さてはオークの手下だな!!」チャキッ
ディーラー「ひいぃ!?」
-
137 : 2014/03/16(日) 01:02:48 -
魔法使い「さて、勇者様からお金を貰ってもう一度チャレンジよ!」女騎士「しかし顔はもうバレたんだぞ。すんなり入れてくれるとは思えないが…」
魔法使い「変装すればバレないって」
女騎士「変装?」
魔法使い「まずはその重たそうな鎧を脱がしてと…」ヌガシヌガシ
女騎士「な、何をするんだ貴様!?」ブンッ
魔法使い「時よ止まれ!」ピッ!
女騎士「なっ!?こ、これは勇者の…!!」ピタッ
魔法使い「そう、教わっちゃった♪まぁ、ある程度の魔力を持ってる人には効かないし、勇者様みたいに長時間拘束することは出来ないけどね。女騎士ちゃんなら魔力全然無いし…15秒ってとこかしら。女騎士ちゃんを着せ替えるには…十分だわ」ニヤリ
女騎士「き、貴様ァ…!!」グググググ…
-
138 : 2014/03/16(日) 01:03:52 -
魔法使い「エッチな下着やシルクのビスチェもあるわよ~」ニヤニヤ女騎士「そ、それだけはや…やめてくれ!」
魔法使い「では…お着替えタ~~~イム♪」
しばらくお待ちください❤
魔法使い「ふっふっふ…さすらいのコスプレイヤーである私に掛かれば、男女な女騎士さんも綺麗な女に大変身よ!……綺麗すぎてちょっと悔しいけど」
女騎士「せ、背中が開きすぎでは無いのか?///胸も強調し過ぎだし…///」E:黒のドレス
魔法使い「腕の切り傷をファンデだけじゃ隠しきれなかったから、綺麗な背中と豊満な胸に目がいくようにしたの。これで勇者様もメロメロよ!」
女騎士「メ、メロメロにする必要はない!///」
-
139 : 2014/03/16(日) 01:04:45 -
魔法使い「私はシンプルにウサギちゃんよ❤」E:バニーガール女騎士「どの辺がシンプルなんだ…?」
魔法使い「さあ!カジノへGO!」スタスタ
女騎士(あ、歩きづらい靴だな…)カツ カツ
ボディーガード「………」
魔法使い「どうも~❤」
女騎士「ど、どうも…」
ボディーガード「オマエダメ。ニュウテンキンシ」ガシッ
魔法使い「なっ、私だけ!?お、女騎士ちゃん!見捨てないで~!」ガーン
女騎士(あれは無視するとして、とりあえず勇者達と合流しなくては…)カツ カツ
-
142 : 2014/03/16(日) 01:08:05 -
勇者「…ここですね」チャリンカラカラカラカラ
コト…ディーラー「お、お見事です…(超能力者なのか!?)」
スラりん「また当たった!」
女騎士「確かに当たったが……何故コインを一枚しかベットしてないんだ?このゲームは一枚以上ベット出来るんだぞ?」
勇者「知ってますよ。でも、もし大量のコインをベットしてハズしたら大損害です。そんな危険なこと出来ません。こうやってコツコツ貯めるのが一番です」
女騎士「コツコツ過ぎる」
-
143 : 2014/03/16(日) 01:09:07 -
ディーラー「ではベットしてください」勇者「次は……ここですね」チャリン
女騎士「ここにコイン全部だ」ジャラジャラジャラ
勇者「えっ!?こ、これでもしハズれでもしたら…」アセアセ
女騎士「絶対にハズれない。私は勇者を信じてる。それに勇者は私を頼りにしてくれているのだろ?だったら…私を信じてくれ」
勇者「……わかりました」
ディーラー(お店側としては最悪だ…)ガクガク
カラカラカラ…
女騎士(こい!)
-
144 : 2014/03/16(日) 01:11:24 -
スラりん「…ねぇ勇者、今の女騎士っていつもと比べたら綺麗になったと思わない?」
女騎士「はあ!?き、貴様!何を言っているんだ!?」
勇者「そうですよ、スラりん。女騎士さんはいつも綺麗じゃないですか」
女騎士「そうだぞ!私はいつも綺麗……ふぁあ!?///」アタフタ
スラりん「ちょっと女騎士!嬉しいのはわかるけど、その靴で舞い上がると危ないよ!」
女騎士「ま、舞い上がってなどいない!///」ヨロッ
カラカラカラ
コト…—ガタッ—コトッディーラー「あっ…(お客様がテーブルに当たってずれた)」
女騎士「」
勇者「」
スラりん「」
-
145 : 2014/03/16(日) 01:12:31 -
____________________スラりん「あーあ、女騎士のせいで全部パーだよ」
女騎士「すまん……」ドヨーン
スラりん「(よ、予想以上に凹んでる…)ご、ごめん、ちょっと言い過ぎたよ!僕も稼ぐの手伝うから元気だして!」
勇者「スラりんの言うとおりです。また稼げばいいだけなんですからそんな落ち込まないでください」
女騎士「し、しかし…」
勇者「それに…コインは失いましたが、それよりももっと大切なモノを得られた気がしますし…」
女騎士「大切なモノ?」
-
147 : 2014/03/16(日) 01:14:17 -
スライムA「ピキー!(負けない!)」ピョン ピョンスライムB「ピキピキー!(絶対に勝つ!)」ピョン ピョン
スラりん「うおおお~~~~!!」ピョンピョンピョンピョン!
スライム達「」
勇者「スラりん、頑張ってますね」
女騎士「さすがに私達と一緒に冒険してるだけあって、他のスライム達とは格が違うな」
-
148 : 2014/03/16(日) 01:15:27 -
勇者「お疲れ様です、スラりん。見事1位でしたね」スラりん「あ…あとこれを何回やればいいの?」ハァ ハァ
勇者「最初は倍率が高かったですが、今のレースの活躍で低くなるので…最低でも10回以上は…」
スラりん「勇者って意外とドS!?」
勇者「否定はしません」
女騎士(いつも体を鍛えている私はきっとMだ…だから勇者と相性もいいはず……って何を考えているんだ私は!?///)ブンブン!
勇者「女騎士さん?」
-
149 : 2014/03/16(日) 01:16:55 -
スラりん「」ゼェ ゼェ勇者「スラりんのおかげでたくさんコインを稼ぐことが出来ました。これならあの剣と交換出来ますね」
女騎士「ご苦労だった。いつもみたいに勇者の頭の上で存分に休め」ヒョイ
スラりん「よ…よろしく勇者…」グター
勇者「私の頭の上はスラりんの休憩場では無いんですけどね」クスッ
女騎士「そういえば僧侶はどこだ?」
勇者「魔力で探しますからちょっと待っててください……スロットの所にいますね。行きましょう」
-
150 : 2014/03/16(日) 01:17:45 -
女騎士「…なぁ、私は魔力が無いだろ?もし見失ったらどうやって見つけるんだ?」勇者「何もしませんよ。私は女騎士さんを信頼してますし」
女騎士(仲間としては嬉しいが…女としてはさみしいな…)
勇者「…まぁ、絶対に見失ったりしませんけどね」
女騎士「そ、そうか…///」
スラりん「ほ…惚れ…た?」ゼェ ゼェ
女騎士「そこまで無理して言いたいのか?貴様は」
-
151 : 2014/03/16(日) 01:18:38 -
僧侶「ど、どうしよう…」アセアセ勇者「こ、これは……」
僧侶「ゆ、勇者様!大変なんです!」
女騎士「確かに大変だろうな…」
僧侶「ス、スロットから出てくるコインが止まらないんです!」ジャラジャラジャラジャラジャラ
スラりん「ぼ…僕の努力は……?」
女騎士「…無駄だったな」
スラりん「」
-
152 : 2014/03/16(日) 01:19:32 -
____________________魔法使い「あっ、皆おかえり~!で、どうだった?」
勇者「僧侶さん…とスラりんのおかげで無事に『勇者の剣』を得ることが出来ました」
スラりん「勇者…その気遣いが逆に傷つくよ…」シクシク
勇者「…すいません、スラりん」
僧侶「僕もごめん…」
女騎士「何はともあれかなりの資金が集まったんだ。結果オーライだろ」
勇者「では、次の町に向かいますか」
-
153 : 2014/03/16(日) 01:21:18 -
バサバサスラりん「ん?みんな、上を見て!」
勇者(あれは…カイザー!?)バッ
フェニックス「クァー!」バサッ
僧侶「わー!フェニックスなんて初めて見た!」キラキラ
女騎士「勇者の腕に留まったってことは…勇者の知り合いなのか?」
勇者「ええ、まぁ…」
勇者(魔王様のペットなんですが…魔王城の周辺から一度も離れたことが無いカイザーがここまで来るなんて…魔王様の身に何かあったのでしょうか?もしくは…)
-
154 : 2014/03/16(日) 01:22:35 -
フェニックス「クァクァー!」ウルウル勇者「(やっぱりそっちですか…ペットまで限界になるとは…)…わかりました。そろそろ旅を終わりにしますよ」
フェニックス「クァー!」パアァ
勇者(そのかわり私が帰ることは魔王様に内緒にしてくださいね)ボソッ
フェニックス「クァー!」コクコク
女騎士「ゆ、勇者…そろそろ旅を終わりにするってどういう意味だ?」
勇者「もう少し色んな場所を旅したかったんですが…そろそろ時間切れみたいです」
魔法使い「時間切れ?」
勇者「はい。次の目的地は…魔王城です」
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160 : 2014/03/24(月) 00:43:06 -
魔法使い「よくわからないけど放心してるわね…そうだ!女騎士ちゃんのキスで目覚めさせれば—「しない!」女騎士「まったく…ほら、勇者!そんなんでは魔王を倒せんぞ!」ユサユサ
勇者「はっ!あ…あまりの廃れ具合におもわず気絶してしまいました…」
バアウ!
魔法使い「う、後ろから何か来るわよ!」バッ
女騎士「敵か!?」チャキッ
ケルベロス「バァウ!」ダダダダダダッ
僧侶「地獄の門番と言われてるケ、ケルベロスだ!」キラキラ
スラりん「目を輝かせるとこじゃないよ!?」
-
161 : 2014/03/24(月) 00:43:42 -
勇者「ケル!お座り!」ケルベロス「バアウ!」チョコン
魔法使い「…え?」
ケルベロス「クゥ~ン…」スリスリ
勇者「すいませんでした。長い間お城を空けてしまって。後でおやつを買ってあげますね」ナデナデ
ケルベロス「バアウ!」パアァ
僧侶「ゆ、勇者様…?これは一体どうこと?」
勇者「それは…中に入ってからお話します」
-
162 : 2014/03/24(月) 00:44:29 -
魔王の間女騎士「魔王もその手下も誰も居ない…」
勇者「あのお方はまだ寝ているんですか……魔王様!起きて出てきてください!」
スラりん「…ん?魔王…様?」
コノコエハ!?
ダダダダダダダダッ
ザッ魔王「そ、側近!!」パアァ
勇者「ハアァッ!」ピッ!
魔王「三度目の拘束!?いや、四度目じゃったか?」
-
163 : 2014/03/24(月) 00:45:40 -
勇者「皆さん、離れててください…」ゴゴゴゴゴゴゴ女騎士「スラりん!早く勇者の頭から退くんだ!」
スラりん「ピ、ピキー!」ピョン!
魔王「そ、側近…ま、まずは久々の再会をじゃな…」
勇者「まずは…約束を破ったお仕置きです!」ボオォォ!
魔王「熱っ!?ちょっ、これガチのヤツじゃないか!!」
勇者「ハアァッ!」バチバチバチ!
魔王「ぎゃあぁぁあああ!!燃え痺れて死ぬぅぅううう!!」ビリビリビリ
勇者「まだまだです!」
-
165 : 2014/03/24(月) 00:47:13 -
勇者「いえ、この程度では魔王様を倒すことなんて出来ませんよ」魔法使い「えっ?」
魔王「さ…さすがのワシも…死を覚悟したぞ…」ムクッ
僧侶「そ、そんな!?あれだけの攻撃を食らってまだ生きてるなんて…」
女騎士「だが、無傷ではない…叩くなら今!魔王、覚悟!」チャキッ
勇者「待ってください女騎士さん。全てお話しますから…ほら、魔王様はご自分で回復しててください」
魔王「お前…よりドSになってないか?」
-
166 : 2014/03/24(月) 00:48:08 -
勇者「あっ、それとこれお土産です」魔王「おおっ!って…こんないっぱいペナント貰っても嬉しくないぞ!?普通はお菓子とか名産品じゃろ!」
勇者「魔王様、今から大事な話があるので静かにしててください」
魔王「せっかくの再会なのに…」イジイジ
スラりん(何この状況…)
勇者「ではまず初めに…皆さん、今まですいませんでした。私は…魔王様の直属の部下である側近です」
僧侶「勇者様が魔王の側近!?」
魔法使い「だからそんなに強かったのね…」
女騎士「つまり……最初から私達は騙されていたということか…」
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171 : 2014/03/24(月) 00:52:18 -
勇者「女騎士さんも協力してくれますか?」女騎士「…ああ」
魔法使い「で、何をすればいいの?」
勇者「そうですね…女騎士さんと魔法使いさんはあるモノを作ってもらいます。スラりんと僧侶さんは魔王様と一緒に近くにある魔物が住む街『魔国』に行って、城の者達を連れ戻してきてください。ついでに買い物もお願いします」
魔王「えーダルいー」
勇者「…魔王様?」ニコ
魔王「うむ、了解じゃ」
僧侶「勇者様は?」
勇者「私は…誰かさんが約束を守らなかったので、このお城の掃除をします。皆さんが帰ってくる頃には終わらせます」
魔王「すいませんでした」
-
172 : 2014/03/24(月) 00:53:13 -
____________________ケルベロス「バァウ!」ダダダダダダダッ
僧侶「わー!速ーい!」キラキラ
魔王「魔法で飛べばすぐに着くのに…」
僧侶「勇者様からケルの好きなおやつも買うように言われましたから」
魔王「おい、お前はワシの部下じゃないんだ。敬語は使わんでいい」
僧侶「…じゃあ魔王さんと僕は友達ってことでいい?」
魔王「友達か…考えてみれば部下はたくさんおるが友達はおらんのぅ。よし、お前は今日からワシの友達になれ!これは命令じゃぞ!」
僧侶「友達は命令されてなるものじゃないよ」クスッ
-
173 : 2014/03/24(月) 00:54:24 -
魔王「そういうもんなのか?じゃあどうすれば友達になれるんだ?」僧侶「大丈夫、もう僕達は友達だよ。これからよろしくね、魔王さん」ニコ
魔王「うむ」
スラりん(…何でこんなに打ち解けるの早いの?)
魔王「お前もついでに友達にしてやろう」
スラりん「へ?」
魔王「イヤなのか?」
スラりん「い、いえ!ありがとうございます!」
-
174 : 2014/03/24(月) 00:55:07 -
——魔国——ケルベロス「バゥ?」スタスタスタ
僧侶「魔王さん、どこ行けばいいか?だってさ」
魔王「お前もケルの言葉がわかるのか?」
僧侶「うん、勇者様に教えてもらったんだ。魔王さんは教えてもらわなかったの?」
魔王「勉強嫌いだから途中で諦めた」
スラりん「ああ…魔王のイメージがどんどん崩れていく…」
僧侶「僕は逆に良いイメージになったよ。魔王=悪者の親玉ってイメージだったから」
魔王「ワシ、何も悪さしてないんじゃがな」
-
176 : 2014/03/24(月) 00:56:12 -
魔王「よし、行くぞ!」僧侶「だ、駄目だよ!」
魔王「えーいいじゃないか」
僧侶「駄目!おやつだけじゃなくて、ちゃんと言われたモノも買わないと…」
魔王「僧侶!」パアァ
僧侶「魔王さん、オススメのおやつ教えてね」
魔王「モチロンじゃ!」グッ
僧侶「じゃあおやつ…じゃなくて、買い物を先にすましちゃおー!」
魔王・スラりん・ケル「おーーっ!(バァウーーっ!)」
-
178 : 2014/03/24(月) 00:57:34 -
/
タダイマー!
\勇者「おかえりなさい。ちゃんと買い物出来ましたか?」
魔王「モチロンじゃ!」エッヘン!
僧侶「はい、これ頼まれた食材。ケルにもちゃんとおやつを買って食べさせてあげたよ」
勇者「そうですか。魔王様、僧侶さん、スラりん、ありがとうございます。それで…お城の者達は?」
魔王・僧侶・スラりん「」ギクッ
魔王「み、皆旅行中で留守じゃったぞ!」アセアセ
勇者「…僧侶さん、本当ですか?」
僧侶「そ、それは……」
-
179 : 2014/03/24(月) 00:58:06 -
勇者「…魔王様も正直に言えば許してあげますよ」魔王「おやつを買って食べたら眠くなって昼寝してました。すいません」ペコ
僧侶・スラりん「ごめんなさい」ペコ
勇者「はぁ……だから先に伝えてくださいって言ったのに…人選を間違えましたね」
魔王「それで側近…腹が減ったぞ」グゥ~
勇者「おやつ食べて昼寝して、また食べるんですか?」
-
180 : 2014/03/24(月) 00:58:46 -
魔王「ワシの嫌いな言葉は『我慢』じゃ」勇者「じゃあもう少し我慢してください」
魔王「酷いっ!?」ガーン
勇者「掃除が全部終わったら夕飯にしますから、魔王様も手伝ってください」
魔王「よかろう…夕飯の為じゃ!頑張るぞ、僧侶!スラりん!」
僧侶・スラりん「おーっ!」
勇者(…人選は間違ってなかったみたいですね)クスッ
-
181 : 2014/03/24(月) 00:59:32 -
____________________勇者「はい、出来ました。皆さん、どうぞ召し上がってください」
魔王「久々の側近の手料理…どれほどこれを待ち望んだか…」ウルウル
勇者「泣くほどですか?」
スラりん「僕達はほぼ毎日勇者の手料理を食べてたよ」
魔王「羨ましい…!」ギリッ
勇者「ほら、そんなくだらないこと仰ってないで食べてください。せっかくの料理が冷めてしまいますよ」
魔王「それはいかん!」ガツガツ
-
182 : 2014/03/24(月) 01:00:24 -
勇者「では私はお城の者達を呼び戻してきます」魔法使い「さっきの今で魔力回復したの?」
勇者「いえ、まだ回復しきってないのでカイザーに連れてってもらいます。その為帰りは遅くなるので、先に寝ててください。魔王様、皆さんに客室の場所を教えておいてくださいね。では、行ってまいります。カイザー!」
フェニックス「クァー!」
バサバサッ バサバサッ
魔王「あやつも大変じゃのぅ」モグモグ
魔法使い「ほとんどあなたのせいでしょ。勇者様を大切に思ってるのならもっとしっかりしないと」
魔王「む…だが、主君に尽くすのは部下の役目じゃろ?」
-
184 : 2014/03/24(月) 01:03:02 -
魔法使い「しらばっくれないで。みんな女騎士ちゃんの想いに気づいてるんだから」スラりん「そうそう、むしろ気づいてない勇者の方が凄いよ」
女騎士「………」
魔法使い「明日でこの旅も終わる。つまり、もう『仲間』に甘えることも出来ないの」
魔王「ん?どういうことじゃ?」
僧侶「魔王さん、今は黙ってて」シー
魔王「そ、そうか…すまぬ」
スラりん(本当に威厳のいの字も無いんだね…)
魔法使い「これからも傍に居たいんでしょ?だったら勇者様が帰ってきたら自分の気持ちを伝えるのよ。わかった?」
女騎士「…ああ、わかった」
-
190 : 2014/03/24(月) 01:09:37 -
魔王「騒がしいのぅ…」勇者「まぁ魔王様がこんなところに居れば騒がしくもなりますよ」
僧侶「あっ、居ました。お久しぶりです!町長さん!」
町長「あ、ああ…久しぶりだな、僧侶。それに勇者様」
勇者「いきなりですがまず謝らせてください。あの時は防御膜を壊してしまいすいませんでした」ペコ
町長「えっと…どうして勇者様が謝っておられるのですか?」
勇者「私の監督不行き届きでもあるので…ほら、魔王様も謝ってください」
魔王「な、何故ワシが謝らんといけんのじゃ…?」
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191 : 2014/03/24(月) 01:10:22 -
勇者「それ…本気で言っているんですか?」バチッ…魔王「じょ、冗談じゃぞ?ちゃんと謝るから落ち着け!稲妻が漏れとるぞ!」
勇者「おっと、すいませんでした。魔王様を怒ろうとするとつい条件反射で出てしまうんです」フッ
魔王「条件反射ってなんじゃ?」
勇者「説明してもご理解できないと思うので気にしないでください」
魔王「最近ちょっと冷たすぎないか?」
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192 : 2014/03/24(月) 01:11:14 -
魔王「お前がこの町の町長か?」町長「は、はい!」ビクビク
魔王「この間は勝手に膜を壊してすまなかった」ペコ
町長「…えっ!?い、今はもう膜は必要ないのでそんなに謝らなくても大丈夫ですよ!」アセアセ
勇者「魔王様、許してくれたみたいですよ。これからは軽率な行動は控えてくださいね」
魔王「うむ、それが君主のあり方じゃな」
勇者「……貴方は本当に魔王様ですか?」
魔王「何を言っておるんだ?当たり前じゃろ」
勇者「ま、魔王様が本当に君主らしいことを仰るなんて…今日は天変地異が起きるのでしょうか?」
魔王「ワシ直々に起こしてやろうか?」
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195 : 2014/03/24(月) 01:13:12 -
女騎士「…勇者、立て終わったぞ」勇者「…ありがとうございます、女騎士さん」
僧侶(ねぇ…二人はあのままなのかな?)ヒソヒソ
スラりん(わからない…でもこれは二人の問題だから迂闊に口は挟めないよ)ヒソヒソ
魔王「おお!これは我が魔王軍の旗!それにこっちは…」
勇者「昨日女騎士さんと魔法使いさんに作ってもらった勇者の旗です。この辺の魔物達は私が説得もしくは調教しましたので、これで気性の荒い魔物達も悪さをしないはずです」
魔王「なるほど…つまり魔王であるワシと、旅で知名度を上げたお前という後ろ盾があることを他の者達に示してるというわけか。このまま他の町や村にも行くんじゃろ?早く向かうぞ、側近」
勇者「……魔王様、本当にご立派になられましたね」ウルッ
魔王「な、泣くんじゃない!これぐらい当たり前だと言っておるだろ!」
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196 : 2014/03/24(月) 01:14:09 -
勇者「そ、そうですよね。魔王様は以前から立派なお方……ではないでしたけど」魔王「おい」
勇者「でも今はとても立派です。私も魔王様の側近として誇らしいです」
魔王「そうじゃろ!」ドヤッ
魔法使い(やれば出来るじゃない)
勇者「では皆さん、次の町に向かいましょう!」
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198 : 2014/03/24(月) 01:16:22 -
魔王「なるほど…で、この村は何が魅力なんだ?」勇者「この村は自然豊かでのどかな村でしたが………だ、大分変わりましたね」
スラりん「う、うん…」
女騎士「そ、そうだな…」
魔法使い「私の…故郷が……子供で溢れかえってる!?」
勇者「こんなことするのは…あの人しか居ませんよね」ハァ…
子供A「あー!勇者様達だー!」
子供B「魔法使いのコスプレをしてるお姉ちゃんも一緒だー!」
魔法使い「だからこれはコスプレじゃないって言ってるでしょ!この衣装以外がコスプレなの!それよりあなた達の親代わりのとこに連れてって」
子供達「はーい!」
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199 : 2014/03/24(月) 01:18:19 -
竜騎士「ようこそおいでくださいました、魔王様、側近様」魔王「うむ、元気じゃったか?」
竜騎士「はい、それはそれはとても元気に暮らしています」
勇者「そうでしょうね…こんな大きな学校を建てるなんて…」
竜騎士「村長が一つだけお願いごとを聞いてくれると言ったので、私の夢の一つであった学校を建てたんです!」ドヤッ
女騎士「前より子供が増えてる気がするんだが…」
竜騎士「……フッ、察してくれ」
スラりん「誘拐か…」
竜騎士「違う!私は子供が嫌がることなどしないと言っただろ!世界中の身寄りの無い子供達を連れてきたんだ!」
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200 : 2014/03/24(月) 01:19:11 -
勇者「まぁ子供達は幸せそうですし、悪いことではないからいいですけど……子供達に変なことしてませんよね?」竜騎士「そ、そんなことするはず無いですよ!」アセアセ
子供C「竜騎士お姉ちゃ~ん、今日もペロペロしてよ~」
竜騎士「ちょっ!?やったあげるから今はそんなこと言うんじゃない!」
子供D「あっ、ズルい!今日は僕の番だよ!」
子供E「私もペロペロして欲しい~!」
スラりん「うわぁ…」
魔王「これは完全にアウトじゃな…」
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201 : 2014/03/24(月) 01:20:09 -
竜騎士「だ、大丈夫です!まだ本番はしてませんから!」勇者「そういう問題じゃありません。これからはそういうことは控えるようにしてください」
竜騎士「はい……週五にします」シュン
スラりん「いや、全然控えてないじゃん」
魔法使い「そもそも控えないでやめさせようよ」
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202 : 2014/03/24(月) 01:20:40 -
子供「みんなバイバーイ!」フリフリ勇者「旗は必要なさそうですが、一応立ておきました。竜騎士さん、子供達とこの村をしっかり守ってくださいね」
魔王「こっちのことは心配するんじゃないぞ。それとたまには子供達を連れて遊びに来い。ケルに乗せてやるぞ?」
竜騎士「…魔王様、雰囲気が変わりましたね」
魔王「じゃろ?」ドヤッ
竜騎士「必ず遊びに行くと約束します、魔王様。それに子供達を立派に育てて、いつか魔王様の下につかせるのも私の夢の一つですから」
魔王「うむ、期待して待っとるぞ」
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203 : 2014/03/24(月) 01:21:13 -
勇者「では、次のスラりんの故郷が最後です。行きましょう…その前に、竜騎士さん」竜騎士「はい?」
勇者「そろそろ僧侶さんを解放してあげてください」
僧侶「竜騎士さん、離して~!」ジタバタ
竜騎士「はーい…」シュン
勇者(本当に誘拐してないか怪しいですね…)
竜騎士「僧侶ちゃん!また遊びに来てね!今度はペロペロしてあげるからね!」
僧侶「遠慮します!」
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204 : 2014/03/24(月) 01:21:59 -
——魔王城——スタッ
魔王「やっと終わったぞ…もう夜になってしまったな」
スラりん「最後の王様の顔は傑作だったね。ポカーンってなってたよ」
僧侶「そりゃ悪いイメージのある魔王さんが勇者様と一緒に現れて『これからも魔物と人間が仲良く暮らす町を作るんじゃぞ』なんて言うんだもん」
勇者「魔王様が立派すぎて途中から涙が止まりませんでしたよ。あぁ…思い出したらまた涙が……」ウルッ
魔王「お、おい!お前、そんなに涙もろかったか?」
魔法使い「…その涙は本当に嬉し涙なのかしら?」
勇者「……やはり貴方は最後まで読めない人ですね」
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205 : 2014/03/24(月) 01:23:20 -
スラりん「最後…」勇者「はい。皆さん、今まで本当にありがとうございました。すぐには平和になりませんがこれからは私達がどうにかしていきます。なので……これでお別れです」
僧侶「勇者様…」ウルウル
勇者「僧侶さん、今生のお別れでは無いんですからそんな顔しないでくださいよ。では私が皆さんの故郷へ連れて行きますね」
魔王「…お前はずっと移動魔法を使っていたんじゃ。ほとんど魔力が無いんじゃろ?ワシが連れて行く。お前らは外で待っておれ」
スラりん「で、でも…!」
魔法使い「ほら皆、行きましょう」スタスタスタ
女騎士「ああ…」スタスタスタ
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206 : 2014/03/24(月) 01:25:11 -
勇者「魔王様、やっぱり私が…」魔王「本当にこのままでいいのか?お前はどうしたいんだ?」
勇者「…何のことですか?」
魔王「女騎士のことに決まっておる。あやつはお前を好いて、お前はあやつを好いているんじゃろ?それなのに…このまま黙って行かせるのか?」
勇者「今日の魔王様は本当に別人ですね………はい。確かに私は彼女に惹かれています。また、彼女の好意もわかってます」
魔王「なら何故…」
勇者「私が魔族と人間のハーフだからです。私は魔王様よりも早く死んでしまいますし、彼女と一緒に年をとることも出来ません。それに私は死ぬまで魔王様に尽くすと誓った身、元より結婚するつもりもありませんし…何より彼女はまだ若い、ハーフである私よりももっと彼女に相応しい人が現れるはずです」
魔王「側近…ワシを言い訳に使うな、殺すぞ?」ギロッ
勇者「ま、魔王様…?」
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212 : 2014/03/24(月) 01:32:27 -
勇者「それでは行ってまいります」魔王「待てぇぃいい!!ワシの食事は!?おやつは!?話し相手は!?城の掃除は!?てかこれ前と同じ流れじゃないか!?」
勇者「今回は僧侶さんやスラりん、魔法使いさんが居るじゃないですか。他の者達も前より魔王様を慕っておられますし」
魔王「で、でもやっぱりワシは他でもないお前に、傍に居てほしいんじゃよ…今までずっと旅で居なくてさびしかったんじゃから…」シクシク
女騎士「…勇者、やはりもう少し日にちをおいていいじゃないか?」
魔王「女騎士…!」パアァ
勇者「私は今この時間を大切にしたいんです。それに魔王様は言ったじゃありませんか。自分のしたいことを我慢するなと」
魔王「た、確かに言ったが…」
勇者「今私は女騎士さんと二人きりになりたいんです」
女騎士「ゆ、勇者…///」
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213 : 2014/03/24(月) 01:33:22 -
勇者「と言うことで……魔王様、ファイトです!」グッ魔王「イヤじゃ~~~~~~!!」ジタバタ
勇者「ハァッ!」ピッ!
魔王「ああ…またこれか…」ピタッ
勇者「では魔王様、行ってまいります。お元気で!」ヒューーーーーーーーン!
魔王「そ…そんなぁ…」ガクッ
Fin
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