加賀「瑞鶴が私に反抗しなくなった」


1 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 20:54:48.40 ID:ybT+3kKH0
瑞鶴「んー・・・」キリキリ

瑞鶴「えいっ!」パシュッ

瑞鶴「・・・よし! 当たった!」

翔鶴「すごいわ瑞鶴、また上手くなったのね」

翔鶴「最近よく頑張っているわね」ニコ

瑞鶴「えへへ、まぁね」

加賀「・・・・・・」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1444823688


ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444823688/


2 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:00:19.37 ID:ybT+3kKH0
加賀「・・・中々の腕前になったわね」

加賀「でもまだまだよ」

加賀「それを実戦に活かせられなければいけないわ」

瑞鶴「わ、わかっているわよ」

加賀「あと、貴女は回避行動を身につけた方が良いわ」

加賀「攻め過ぎてもダメ、臨機応変にね」

赤城「まぁまぁ、加賀さん」


4 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:07:13.41 ID:ybT+3kKH0
赤城「瑞鶴はもう十分に成長しましたよ?」

赤城「素直に褒めてあげましょうよ」

加賀「いいえ、それでは瑞鶴のためになりません」

加賀「私は瑞鶴の指導艦としての責任があります」

加賀「いつ死ぬかもわからない、この状況下で」

加賀「自分の身を守る方法を知っていてもらいたいんです」

赤城「そんな固くならなくても・・・」

翔鶴「え、えぇと・・・」アセ

瑞鶴「・・・・・・」

瑞鶴「・・・そうね」

加賀「!」


5 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:11:51.35 ID:ybT+3kKH0
瑞鶴「確かに、あんたの言う通り私はまだまだね」

翔鶴「瑞鶴・・・」

瑞鶴「あんた、いつも言っているもんね」

瑞鶴「慢心は禁物だって」

瑞鶴「確かにその通りだわ」

瑞鶴「幾つもの勝利を得て、経験と訓練を積み」

瑞鶴「築き上げてきた結果が、今のあんただものね」

加賀「ず、瑞鶴・・・」


6 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:15:17.52 ID:ybT+3kKH0
瑞鶴「私達空母にとって、一番大切なことは」

瑞鶴「如何なる状況でも、常に冷静でいること」

瑞鶴「そうでしょ?」

加賀「・・・えぇ」

瑞鶴「これもあんたの教えだったよね」

瑞鶴「私、本当に色々なことをあんたから学んできたんだね」

瑞鶴「最近気づいたんだ」

瑞鶴「だから、私はあんたの言うことを聞くよ」

加賀「・・・・・・」

赤城「瑞鶴・・・」


7 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:20:14.76 ID:ybT+3kKH0
瑞鶴「一航戦の先輩だからね」

瑞鶴「私も前みたいにキーキーしていられないからさ」

加賀「そう・・・」

瑞鶴「それにね? 私にも後輩ができたしさ」

瑞鶴「恥ずかしい姿見せられないしね」

瑞鶴「今度は私が先輩として葛城を指導して」

瑞鶴「そして守っていかなくちゃ」

加賀「・・・!」ズキ


8 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:25:19.31 ID:ybT+3kKH0
加賀「・・・そう」

加賀「そうね・・・そう・・・」

加賀「わかったわ、良い心がけだわ」

加賀「では、今日はここまでにしましょうか」

加賀「良いですか? 赤城さん」

赤城「私は構いませんよ」

加賀「はい、では2人とも、お疲れ様」

翔鶴「はい! ありがとうございました!」ペコ

瑞鶴「今日もありがとうございました! 赤城先輩!」

瑞鶴「加賀先輩!」ペコ

加賀「・・・っ」ズキ


9 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:28:15.11 ID:ybT+3kKH0
赤城「それにしても、あの娘は成長しましたよね」

加賀「・・・あの娘とは?」

赤城「瑞鶴のことですよ」

赤城「前は常に加賀さんといがみ合ってましたからね」

赤城「まぁ、あれはあれで仲が良さそうというか・・・」クス

加賀「・・・・・・」

赤城「・・・加賀さん?」

加賀「・・・そうですね」

加賀「前はもっと賑やかでした」


10 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:32:21.14 ID:ybT+3kKH0
加賀「私が指導の一環として」

加賀「強い口調でものを言っても」

加賀「重箱の隅をつつくようなことを言っても」

加賀「常に全力であの娘は向かってきてくれました」

加賀「私の目を真っ直ぐ見つめて」

加賀「偽りのない気持ちで衝突してくれました」

赤城「か、加賀さん・・・?」


11 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:38:24.41 ID:ybT+3kKH0
加賀「でも今は違います」

加賀「赤城さん、今の瑞鶴の表情を見たことはありますか?」

赤城「まぁ、すごく凛々しくなったというか・・・」

加賀「そうです、その通りです」

加賀「あの娘は落ち着いてしまいました」

加賀「何もかも、全てにおいてです」

加賀「私の言うことも素直に聞く」

加賀「練度も十分に強くなった」

加賀「可愛い後輩もできた」

赤城「あ、あの・・・」アセ


12 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:41:55.34 ID:ybT+3kKH0
加賀「・・・・・・」

赤城「加賀さん、少し落ち着きましょう?」

加賀「・・・えぇ」

加賀「ゴメンなさい、どうしたのでしょうか」

加賀「考え出したら止まらなくなってしまって・・・」

赤城「それだけ瑞鶴のことを大切に思っているんですよ」

加賀「そう・・・」

加賀「・・・・・・」


13 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 21:56:29.51 ID:ybT+3kKH0
加賀「(瑞鶴が私に反抗しなくなってしまった)」

加賀「(あの娘は今、強く、逞しい存在となった)」

加賀「(私があの娘をこうさせてしまったのか)」

加賀「(瑞鶴は確実に成長してしまった)」

加賀「(先輩として、後輩の成長を喜ぶべきではあるが)」

加賀「(私はちっとも嬉しくない)」

加賀「(寂しい、とにかく寂しい)」

加賀「(寂しい)」

加賀「(寂しい)」

加賀「(寂しい・・・)」


14 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 22:00:32.01 ID:ybT+3kKH0
加賀「(瑞鶴を成長させた行動は)」

加賀「(瑞鶴のためにはなったが、結果として)」

加賀「(自分を苦しめることになってしまった)」

加賀「(私はもう用済み)」

加賀「(あの娘は十分に自立した)」

加賀「(瑞鶴は私のもとから離れて行ってしまう)」

加賀「(これほど悲しいことはない)」


16 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 22:06:14.92 ID:ybT+3kKH0
加賀「(私は精神が幼いのだろうか)」

加賀「(それとも狂ってしまったのか)」

加賀「(あれだけ互いにいがみ合っていた相手が)」

加賀「(毎日頭の中にいる)」

加賀「(あの頃は毎日が楽しかった)」

加賀「(私と瑞鶴が騒がしくして)」

加賀「(赤城さんと翔鶴が苦笑いをして)」

加賀「(楽しかった)」

加賀「(本当に楽しかった)」


17 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 22:16:09.45 ID:ybT+3kKH0
加賀「(もう戻れないのだろうか)」

加賀「(私に反抗しない瑞鶴は嫌い)」

加賀「(私を尊敬する瑞鶴は嫌い)」

加賀「(私に罵詈雑言を喚き散らさない瑞鶴は嫌い)」

加賀「(嫌い、嫌い)」

加賀「(元に戻ってほしい)」

加賀「(頼りないままで良い、私が守れば良いから)」

加賀「(いつまでも未熟な瑞鶴でいてほしかった)」

加賀「(今になって気づく)」

加賀「(以前の瑞鶴こそ、私にとっての理想の後輩像であることを)」

加賀「(私はなんてことを・・・)」


19 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 22:28:31.53 ID:ybT+3kKH0
赤城「加賀さん、そろそろ食事をしに行きましょう」

加賀「はい」スッ

『食堂』

赤城「今日は肉じゃがですね、美味しそう」ジュル

加賀「さすがに気分が高揚します」

赤城「あら? あれは・・・」チラ

加賀「?」チラ

加賀「!!」

葛城「ず、瑞鶴先輩と食事がとれるだなんて大感激です!」

瑞鶴「そんな大袈裟な、あんまり緊張しなくて良いのよ?」

葛城「は、はいっ!!」ビシ

翔鶴「ふふ・・・」ニコ

加賀「・・・・・・」


20 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 22:40:44.94 ID:ybT+3kKH0
加賀「(私の知らない瑞鶴がいる)」

加賀「(私の知らない表情で)」

加賀「(私の知らない態度で)」

加賀「(後輩と接する瑞鶴がいる)」

加賀「(もう、私の知っている瑞鶴はいない)」

加賀「(自分が酷く惨めに感じる)」

加賀「(ちっぽけな存在なんだと)」


23 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 22:46:45.06 ID:ybT+3kKH0
加賀「(私に関する愚痴を)」

加賀「(姉に対して漏らしながら食事をする瑞鶴は)」

加賀「(もういない)」

加賀「(どこにもいない)」

加賀「(それが許せない)」

加賀「(絶対に許せない)」

加賀「(あんなの瑞鶴ではない)」

加賀「(許せない)」

加賀「(許せない)」

加賀「(許せない)」

赤城「加賀さん? 箸が止まっていますよ?」

加賀「!」

加賀「そ、そうですね」

赤城「どうしたんですか? 何か考え事ですか?」パクパク

加賀「・・・・・・」

加賀「・・・えぇ」

赤城「・・・?」パクパク


24 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 23:00:27.42 ID:ybT+3kKH0
加賀「(最近は情緒が不安定になることが多い)」

加賀「(もちろん、誰にも言わない)」

加賀「(自分で何とかするしかない)」

加賀「(私は昔の瑞鶴の写真を眺めることが多くなった)」

加賀「(瑞鶴がこの鎮守府に最初に来た頃)」

加賀「(訓練の様子)」

加賀「(翔鶴と談笑する様子)」

加賀「(私と口喧嘩をしているところ)」

加賀「(全て提督が撮ったもの)」

加賀「(こっそりと複製し、アルバムにした)」

加賀「(私はこのアルバムを、こっそり1人で見ては)」

加賀「(喜びと懐かしさを楽しむ)」

加賀「(心が落ち着く)」

加賀「瑞鶴・・・瑞鶴・・・・・・」ブツブツ

赤城「...ZZZ」


26 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 23:08:31.64 ID:ybT+3kKH0
「お、瑞鶴じゃないか」

「あれ? 提督さんじゃん」

加賀「?」

加賀「(外から提督と瑞鶴の声が・・・)」

提督「こんなところで何をしているんだ?」

瑞鶴「ちょっと夜風を当たりにね」

提督「そうか・・・最近調子はどうだ?」

瑞鶴「まぁまぁかな? いつも通り加賀にしごかれているよ」

提督「はは、まぁ瑞鶴も随分と成長したよな」

提督「もう、加賀といがみ合う瑞鶴が見れないとなると」

提督「嬉しい反面、少し寂しい気もするかな?」

瑞鶴「えぇー? 素直に喜んでよ」

加賀「ぐっ・・・ぐぅ・・・っ!」ギリギリ


27 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 23:14:38.54 ID:ybT+3kKH0
加賀「(完全に頭にきてしまった)」

加賀「(私がいくら苦しもうとも、現実は変わらない)」

加賀「(現実は残酷でいて、非情なもの)」

加賀「(何もしなければ、今のまま)」

加賀「(瑞鶴を変えるためには、私自身が何かをしなければならない)」

加賀「(もう我慢はできない、何かをしよう)」

加賀「(しかし、私は不器用だ)」

加賀「(瑞鶴を変える行動は、1つしか思いつかなかった)」

加賀「(待っている時間はない、今すぐ行動しなければ)」

加賀「(それから私は)」

加賀「(毎日のように)」

加賀「(陰で瑞鶴に乱暴をするようになった)」


29 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 23:23:27.28 ID:ybT+3kKH0
加賀「ふんっ!」バシ

瑞鶴「痛いっ!」

瑞鶴「い、いや・・・止めて!」

加賀「うるさい」バシ

瑞鶴「うぅ・・・」

加賀「良い? 貴女はまだまだなの」

加賀「未熟な私の後輩なのよ」

加賀「ダメじゃない、しっかりしては」

瑞鶴「い、意味わかんない!」


30 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 23:31:43.21 ID:ybT+3kKH0
瑞鶴「私は何も悪くないじゃん!」

瑞鶴「私がしっかりしなければ、誰が翔鶴姉と葛城、みんなを守るのさ!」

瑞鶴「あんたのことだって守りたいと思った!」

瑞鶴「どうして!? どうして怒られなきゃいけないのよ!?」

加賀「うるさいっ!」バシィッ

瑞鶴「うぐぅ・・・っ!」ガク

加賀「今の貴女は瑞鶴なんかじゃない・・・」

加賀「あの元気いっぱいの、反抗心剥き出しの瑞鶴じゃない」

加賀「今の貴女は全く可愛げのない後輩よ」

加賀「嫌い・・・大嫌いだわ」

瑞鶴「うぅ・・・」


31 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 23:36:06.33 ID:ybT+3kKH0
瑞鶴「どうして喜べないのよ・・・!」

瑞鶴「あんたが・・・あんたが私を成長させてくれたんじゃない!」

瑞鶴「なのにどうして・・・?」

瑞鶴「お願いだから正気に戻ってよ!」

瑞鶴「今のあんただって、私の知っている加賀じゃない!」

瑞鶴「前のあんたは絶対に暴力なんて振るわなかった!」

瑞鶴「どんなにいがみ合っても、殴らなかった!」

瑞鶴「どうしちゃったのよ! もうイヤ!」ポロポロ

加賀「・・・・・・」


32 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 23:43:03.12 ID:ybT+3kKH0
加賀「確かに私はおかしくなってしまったわ」

加賀「貴女の所為でね」

瑞鶴「だから知らないわよ!」

加賀「いいえ、間違いなく貴女の所為よ」

加賀「私にとっての瑞鶴とは」

加賀「私より不出来で、いつも反発してくる後輩なのよ」

加賀「それ以上でも、それ以下でもない」

加賀「どんなに私が狂っていようとも」

加賀「先輩の言うことは絶対よ? 瑞鶴」

瑞鶴「そんなの滅茶苦茶じゃない!」

瑞鶴「お願いだから目を覚まして!」ポロポロ

加賀「・・・・・・」

加賀「 こ の 悪 者 め ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」ギロ

瑞鶴「ひっ!?」ビク


35 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 23:49:49.37 ID:ybT+3kKH0
加賀「」ドン

瑞鶴「きゃっ!?」ドサ

加賀「こんなにも私がお願いしているというのに・・・」スッ

加賀「貴女はどうしてもわかってくれないのね・・・」

加賀「最後のチャンスよ、私を殴ってみなさい」

加賀「私を罵倒してみなさい」

加賀「私の本性を知ってしまったのでしょう?」

加賀「幻滅したでしょう?」

加賀「やりなさい」

瑞鶴「・・・・・・」

瑞鶴「・・・嫌よ」

加賀「!!」

瑞鶴「あんたは・・・どんなに酷くても」

瑞鶴「私の・・・大事な先輩だから」

加賀「くっ・・・くっ・・・!」プルプル


37 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/15(木) 00:02:30.42 ID:NptUOZdl0
加賀「貴女はどこまでも愚かなのね・・・」

加賀「まぁ、そういうところが可愛いのだけれど」

加賀「良いわ、私は貴女が言うことを聞くまで」

加賀「酷いことをしてあげるわ」

加賀「・・・こんな風にねっ!!」グイ

瑞鶴「!?」

瑞鶴「い、嫌ぁっ!?」バッ

加賀「貴女の大切なものを奪ってまで」

加賀「私は貴女を変えてみせるわ・・・!」ビリッ

瑞鶴「嫌っ! 止めてぇっ!!」ジタバタ

加賀「はぁ・・・はぁ・・・!」ゴソゴソ

瑞鶴「誰か助けt・・・むぐぅーーーっ!?」

加賀「はぁ・・・はぁ・・・!」ゴソゴソ

瑞鶴「んーーーっ! んぅーーーっ!!」ポロポロ

———————————————————————————————————————————


38 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/15(木) 00:12:48.50 ID:NptUOZdl0
瑞鶴「ぁ・・・ぅぁ・・・」

加賀「ふふ・・・惨めね、こんなになって」

瑞鶴「うぅ・・・!」ポロポロ

加賀「泣いても事実は変わらないわ」

加賀「残念だったわね、誰も助けに来なくて」

瑞鶴「なんで・・・なんで私がこんな目に遭わなくちゃならないのよ・・・!」

瑞鶴「もう嫌・・・誰か助けて・・・翔鶴姉・・・!」ポロポロ

加賀「・・・そうそう」

加賀「もしこのことを誰かに言いふらしたら」

加賀「そうね・・・」

加賀「貴女の姉と、大事な後輩の命は」

加賀「私の手の中にあることを」

加賀「覚えていなさい?」

瑞鶴「!?」


39 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/15(木) 00:17:52.25 ID:NptUOZdl0
瑞鶴「ダ、ダメ! それだけは止めて!」

瑞鶴「翔鶴姉と葛城には手を出さないで!」

加賀「・・・正義感が強いのね」ニヤ

加賀「では私の言うことを聞きなさい」

瑞鶴「うっ・・・」

加賀「以前の貴女に戻りなさい」

加賀「私の知っている、私だけの瑞鶴でいてちょうだい」

加賀「お互いに仲の悪い先輩と後輩」

加賀「それ以上の関係は求めないわ」

加賀「それだけで良いの」

瑞鶴「うぅ・・・」


40 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/15(木) 00:23:18.57 ID:NptUOZdl0
加賀「貴女は姉と後輩のために変わるのよ」

加賀「それがみんなのためでもあるの」

加賀「さぁ、言ってみなさい」

加賀「このクソ元戦艦、私に生意気な態度を取るな」

加賀「私は私のやり方を突き通す、文句があるのか」

加賀「ほら、言いなさい?」

加賀「 瑞 鶴 」ニコ

瑞鶴「うっ・・・うぅ・・・っ!」ポロポロ

———————————————————————————————————————————


41 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/15(木) 00:28:30.56 ID:NptUOZdl0
瑞鶴「ちょっと! この元戦艦!」

瑞鶴「なに私のかぼちゃプリン勝手に食べてんのよ!」

加賀「美味しかったわ」

瑞鶴「そんなこと聞いてんじゃないわよ!?」

加賀「瑞鶴、また買ってきなさい」

瑞鶴「あんた頭おかしいんじゃないの!?」

赤城「あ、あらー・・・?」

翔鶴「え、えっと・・・」


43 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/15(木) 00:36:38.83 ID:NptUOZdl0
翔鶴「なんかまた元に戻ってしまいましたね」

赤城「え、えぇ・・・」

翔鶴「おかしいわねぇ・・・瑞鶴、一体どうしちゃったのかしら?」

赤城「・・・笑っている」

翔鶴「え?」

赤城「加賀さんが・・・笑っている・・・」

翔鶴「あ・・・本当・・・」

瑞鶴「(私がこうしなくちゃ)」

瑞鶴「(翔鶴姉と葛城を守れない)」

瑞鶴「(私が元の私を演じていれば)」

瑞鶴「(みんな幸せ)」

瑞鶴「(加賀もおかしくならない)」

瑞鶴「(だから、頑張らなきゃ)」

瑞鶴「(私さえ頑張っていれば)」

瑞鶴「(それで良いから・・・)」

加賀「 ふ ふ ・ ・ ・ ふ ふ ふ ふ ふ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」ニ コ ニ コ

——— 終 ———

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