男「薫たん、かわいいお」幼馴染「はぁ……」


1 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:11:32.09 ID:OXh5P0vN0

男「早く攻略するお」かちゃかちゃ

幼馴染「ねえ、男」

男「なんだい?」

幼馴染「私とあんたって付き合ってるんだよね?」

男「そうだお。幼馴染から告白したんだお」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1443953491


ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443953491/


2 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:12:58.61 ID:OXh5P0vN0

男「早く攻略するお」かちゃかちゃ

幼馴染「ねえ、男」

男「なんだい?」

幼馴染「私とあんたって付き合ってるんだよね?」

男「そうだお。幼馴染から告白したんだお」

幼馴染「なら、なんでギャルゲーするの?」

男「?」

幼馴染「ほら……別に画面の中の子じゃなくて、わ、私とかを……」

男「嫉妬してるのか?」

幼馴染「は!? だ、誰がそんな画面の彼女なんかに……!」

男「ふーん? そうか」かちゃかちゃ

幼馴染「うぅ………ばか」


3 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:14:58.88 ID:OXh5P0vN0

男「むおおお!! 薫たん攻略したお!」

幼馴染「ふーん……」ぺら

男「ネットで難しいと言われてるだけあった」

幼馴染「あっそ」

男「なんか怒ってる?」

幼馴染「べっつにー」ぺら

男「ふむ……」

ギュ

幼馴染「え、ちょ、なに?」

男「僕は幼馴染が好きだお」

幼馴染「な、なんだよ急に」

男「なんか言ってみた」離れ

幼馴染「ふーん、そう……」

男「よし。機嫌治ったようだね」


4 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:16:18.89 ID:OXh5P0vN0

幼馴染「は。勝手に決めつけるなよ」

男「でも、顔にやけてるし」

幼馴染「に、にやけてねーし」

男「幼馴染はすぐ表情に出るからわかりやすいんだお」

幼馴染「う、うるせえ」

男「じゃあ、僕はギャルゲーの続きを……」

幼馴染「お、おい」袖ギュ

男「なんだい?」

幼馴染「も、もう一回ぎゅっとしろ」

男「ほお……」

幼馴染「べ、別に男に甘えたいとかじゃないからな。ちょっと寒いだけであって……」

男「はいはい。ツンデレ乙」ぎゅ


5 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:17:36.65 ID:OXh5P0vN0

【お片づけ】

幼馴染「あのさあ、ずっと言いたかったんだけどさ」

男「なに?」

幼馴染「この大量のえろ本どうにかしてよ」

男「えろ本じゃないお。同人誌だお」

幼馴染「どっちでもいいけど、目障り」

男「ああ、興奮しちゃう?」

幼馴染「し、しねえよ!」

男「まあ、たまにはここら辺の整理も悪くないか」

幼馴染「よしよし」


6 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:18:41.32 ID:OXh5P0vN0

男「えーと、これはいらない。……これはいる、と」

幼馴染「……」ジー

男「ん? どうしたんだい? 同人誌なんか読んで」

幼馴染「いや、男はこういうことしたいと思うの? 私と」

男「んー……したくないといえば嘘になるだろうけど、でも今はこうやって幼馴染と一緒にいるだけで楽しいから、無理にしたいとは思わないかな」

幼馴染「まあ、男にはそんなことする度胸もないだろうしね」


7 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:20:03.87 ID:OXh5P0vN0

男「む。僕だって、狼になることだってあるお」

幼馴染「はは、それは怖い」

幼馴染「ーーーまあでも、」グイ

男「な、なんだい?」

幼馴染「私はちょっと興味あるかも……?」

男「へ?」

幼馴染「……」

男「……」

幼馴染「や……やっぱ今の忘れて」


8 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:21:09.20 ID:OXh5P0vN0

男「え? 幼馴染は僕とあんなことやこんなことしたいのかい? ん?」ニヤニヤ

幼馴染「じょ、冗談だ。忘れろ」

男「実は今、僕とやってるのを想像して、あそこが濡れ濡れだったり?」

幼馴染「し、してねえよ! 変態!」

男「いやー、意外にもガツガツ系だったのかー」

幼馴染「本当に忘れろっ!」

男「今日のオカズに使うから、もう一回言って。録音するから」

幼馴染「言わねえよ!」


9 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:22:08.92 ID:OXh5P0vN0

【風邪と私】

男「風邪?」

幼馴染「うん……だから、今日は学校休むね」

男「わかったお」

幼馴染「ごめんね」

男「帰り、お見舞いに行くお」

幼馴染「はいはい」


10 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:34:06.37 ID:OXh5P0vN0

ーーーーーーー

幼馴染「あー……ひま」

 私の両親は共働きだ。
 だから、たいてい家にいない。
 家では、私はいつも一人だ。

幼馴染「あいつにメールでもするかな」

幼馴染「ーーーーいや、授業中だろうし、迷惑か」

幼馴染「はぁ……寝るか」

ーーーー
ーー


11 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:36:37.70 ID:OXh5P0vN0

 小学生

母『本当に大丈夫?』

幼馴染「うん。大丈夫だよ」

母『何かあったら電話してね』

幼馴染「うん。ばいばい」

 
 がちゃん

幼馴染「ゲホッゲホッ」

幼馴染「うぅ……きもい悪い」

幼馴染「薬飲んだはずなのにな……」

幼馴染「・っ……!」

 ごほっ! げほっ!

幼馴染「どうしよう……吐いちゃったよ」

幼馴染「死んじゃうのかな……」ぐすっ


12 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:40:39.65 ID:OXh5P0vN0

 ぴんぽーん

幼馴染「ん?」

幼馴染「はい……?」がちゃ

男「お見舞いに来たでござる」

幼馴染「へ、ああ、男か……」ゴシゴシ

男「あら? 泣いてた系?」

幼馴染「う、ううん! 何でもない」

男「ふむ? じゃあ、そんな君にこれをあげよう」

幼馴染「なにこれ」


13 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:41:52.40 ID:OXh5P0vN0

男「ふっふっふ。これは、僕のパワーが詰められてるお守りさ」

幼馴染「ただの紙切れじゃん」

男「フッ……いずれわかるでござるよ」

幼馴染「はは、なにそれ。ーーーまあ、ありがとう」

男「あ。あとこれ」つ漫画

男「これを読むと元気になるよ」

幼馴染「……」

幼馴染「うん。ありがとう」

男「では、僕はこれで」

幼馴染「うん。ばいばい」

男「ぐっばーい」

 ばたん

幼馴染「……」

幼馴染「寝よ」

ーーーー
ーー


14 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:43:31.02 ID:OXh5P0vN0

幼馴染「ん、んー……」

男「あ。起きた」

幼馴染「あれ? 帰ってくるの早くない?」

男「幼馴染は風邪引くと寂しがり屋になるから、学校終わったら飛んできたのさ」

幼馴染「そ、そんなことねえよ」

男「あ。これ貸してあげよう。元気になるぞ」つ漫画

幼馴染「……」

幼馴染「ーーふふ、あんたはいつまでたっても変わらないね」

男「む。僕は常に進化してるんだぞ」

幼馴染「はいはい」ぎゅ

男「幼馴染?」

幼馴染「大好き」

男「……」

男「ほら、やっぱ寂しかったんだ」

幼馴染「べ、別にそんなことないし」

男「照れ隠し乙」なでなで

幼馴染「うるせえ」ぎゅー


15 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:49:55.37 ID:OXh5P0vN0

【想いのすれ違い】

 これは、僕が中学の時のお話。

 よければ聞いて欲しいんだお。


16 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:51:29.86 ID:OXh5P0vN0

 この世の中に僕と一緒にいたいと思う人はいない。

先生「じゃあ、近くの人とグループになれー」

 学校ではよくあるイベント。
 
 当然、僕は一人取り残される。

先生「あれ? 男だけ余ったか……」

 きっと、またか。とでも思われているのだろう。

先生「じゃあ、あそこのグループに入れ」

男「はい……」

 僕が近寄ると、そもグループの人たちは、明らか嫌そうな顔をする。

 たまに、「よろしく」なんて言ってくるやつもいるが、決まってそいつの目は笑っていない。
 きっと、僕なんか消えてしまえばいいと思っているんだ。

 わかっている。僕なんかこの世に必要ない存在なんだ。


17 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:53:14.44 ID:OXh5P0vN0

 でも一人、ずっと僕と一緒にいる人がいる。

 そう、幼馴染だ。

幼馴染「男、帰るぞ」

男「ああ……」

幼馴染「今日も疲れたなー」

男「そうだな……」

幼馴染「なんか元気ない?」

男「え、いや、べつに」

幼馴染「そう?」


18 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:54:08.83 ID:OXh5P0vN0

 もう一度言うが、僕と一緒にいたいと思う人なんて、いないんだ。

 きっと、幼馴染も僕となんかと一緒にいたくないと思っている。

 "幼なじみ"という関係があるから仕方がなく一緒にいるだけなのだ。

 でも、僕はこれ以上、幼馴染に気を使わせたくない。

 だから、僕は今日幼馴染に言う。


21 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 19:58:01.28 ID:OXh5P0vN0

男「そういえば、告白されたんだってね」

幼馴染「へ? ああ、まあ……」

男「でも断ったらしいね」

幼馴染「詳しいな」

男「男子がいろいろ騒いでいたから」

幼馴染「ふーん……」

男「なんで?」

幼馴染「なんでって……別に好きじゃないから?」

男「ふーん……」

幼馴染「なんだよ」

男「僕に気を使っているんじゃないかって思って」

幼馴染「は? なんでお前に気を使うんだよ」

男「いや、なんとなく……」

幼馴染「……?」


22 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 20:01:51.64 ID:OXh5P0vN0
男「……」トコトコ

幼馴染「……」トコトコ

男「……あのさ。好きな人がいるなら、付き合えばいいよ」

幼馴染「なに急に?」

男「なんで幼馴染は僕と一緒にいるんだ?」

幼馴染「……そんなのなんでもいいだろ」

男「"幼なじみ"だから?」

幼馴染「は?」

男「そんなの気にしなくていいよ。少なくとも僕は気にしない。幼馴染は、僕なんかほっといて好きな人と一緒にいればいい」

幼馴染「……」

男「幼馴染?」


23 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 20:03:16.41 ID:OXh5P0vN0

幼馴染「ーーーそうか。わかった」

 これで僕は一人だ。

幼馴染「じゃあ、私は今まで通りお前と一緒にいるよ」

男「……へ?」

 は? 幼馴染は僕の言った意味わかってんのか?

男「だから、僕のことは気にしなくてーーーー」

幼馴染「馬鹿かお前は」

男「え……?」

幼馴染「さっきの言葉で察しろよ」

幼馴染「ーー私の好きな人はお前だよ」


24 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 20:05:12.69 ID:OXh5P0vN0

男「僕のことが……?」

 なに言っているんだこの人は。
 僕のことが好き?
 意味がわからない。

男「だって、僕と一緒にいたい人なんてこの世にはいないはず……」

幼馴染「は? なに言ってるんだお前。頭大丈夫か?」

男「いや、だって……」

幼馴染「だってだってうるせえな。なに悲劇のヒロインぶってんだよ。この世には、男と一緒にいたい人なんて何万といるよ。少なとも私は、男と一緒にいたい」

男「でも、学校の人は……」

幼馴染「お前はこの世にどんくらいの人がいると思ってんだよ。何十億人といるんだぞ?」

男「……」

幼馴染「そんなちっぽけなところ見てないで、もっと周りを見ろよ」

男「周りを……」


25 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 20:07:24.41 ID:OXh5P0vN0

幼馴染「ていうか、この世に全人類から嫌われるやつなんていないんだよ」

 そう言うと、幼馴染は僕を抱きしめた。

幼馴染「それとも、男は私と一緒にいたくないのか?」

男「そ、そんなこと……ない……っ」ポロポロ

幼馴染「そうか。なら良かった」

 ーー僕は馬鹿だった。
 

 ーー僕は嫌っている人だけを見て、すべての人から嫌われていると思っていた。

 ーーでもそれは違って、僕を見ようとしなかっただけで、嫌っていない人だっているんだ。

 ーー本当に僕は馬鹿だ。


26 : VIPにかわりまして、NIPPERがお送りします。 2015/10/04(日) 20:11:16.59 ID:OXh5P0vN0
ーーーーーーー

男「桜たんは僕の嫁だお」

幼馴染「ねえ、彼女の前でそう言うこというのはどうか思うんだけど」

男「ちゃんと幼馴染も好きだお」

幼馴染「ふーん、どうだか」

男「僕は、幼馴染に会えて本当に良かったと思ってるよ」

幼馴染「はいはい」

 おわりだお

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