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1 : 2015/09/27(日) 17:34:24.09 -
過去スレ
ジン「ウオッカ、花見をするぞ」ウオッカ「へい、兄貴!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1427643014/
ウォッカ「兄貴、オレンジデーって何なんですかい?」ジン「あぁ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1427897919/
ジン「何をしている?」ウォッカ「魚料理のレシピを調べてやして」カタカタ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428339299/
ジン「弁当男子を目指すだと?」ウォッカ「へい、兄貴」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441379057/SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1443342863
ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443342863/
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2 : 2015/09/27(日) 17:35:18.87 -
——10月31日・午前9時・黒の組織のアジト——
ジン「パーティー? ……そんな予定があるなんざ、聞いてねーぞ」
ウォッカ「あぁ、いえ……俺達じゃなくて、バーボンですよ」
ウォッカ「今日は、ハロウィンとかいうイベントがある日でしょ?」
ウォッカ「バーボンのバイト先の喫茶店を、常連の客やガキ共が貸し切りにして」
ウォッカ「15人ぐらいでパーティーをやるらしくて」
ジン「……で? 何故お前が食材を仕入れに行くんだ?」
ウォッカ「そいつはですねぇ……」
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3 : 2015/09/27(日) 17:41:21.70 -
~回想・20分前~
ウォッカ「買い出し? 俺がか?」
安室『ええ。申し訳ないんですが、頼めませんか?』
安室『オーナーや看板娘の梓さんが、風邪で寝込んでしまって……』
安室『他のスタッフさんも、今日は都合が付かなかったので、店は僕一人なんです』フゥ…
安室『店が貸し切りになるのは昼からの予定ですが』
安室『それまでは、僕だけでお客さんの応対をしなければならないので』
安室『店を空けられず、買い物に行けないんですよ』
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4 : 2015/09/27(日) 17:42:51.87 -
ウォッカ「パーティーがあるって分かってんなら、仕入れの時に材料を注文してんじゃねーのか?」
安室『普通はそうなんですけど……』
安室『昨日の夕方、突然「貸し切りにしてほしい」と子供達に頼まれてしまったので』
安室『業者への注文が間に合わなくて……』フゥ
安室『それで今日、店が暇になった時を狙って、僕が買いに行くことになってたんですが……』
ウォッカ「そうか……そりゃ大変だな」
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5 : 2015/09/27(日) 17:43:54.98 -
ウォッカ「————分かった。何を買えばいいか、メールでリストを送ってくれ」
安室『ありがとうございます、助かりますよ。そっちも仕事中なのに、すみません』
ウォッカ「気にすんな、今日はデスクワークがメインだったんで」
ウォッカ「ちょっと動きてぇと思ってたところだからな」
安室『あ……お客さんが来たので、切りますね』
安室『30分以内には、買い物リストをメールで送ります』
ウォッカ「あぁ、頼む」
安室『では……』
プツッ
~回想終了~
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6 : 2015/09/27(日) 17:44:45.09 -
ウォッカ「……ってワケでして」
ジン「なるほどな。そういうことか」
ウォッカ「じゃあ俺、ちょっと行ってきやすんで」
ジン「……おい。待て、ウォッカ」
ウォッカ「へい、何でしょう?」
ジン「そんな大人数が食う分の材料を、お前一人で運ぶのはキツイだろうが。俺も行く」
ウォッカ「え……良いんですかい?」
ジン「あぁ。今日はシューティングルームに籠もるぐらいしか、することがなかったからな」
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7 : 2015/09/27(日) 17:45:29.47 -
ジン「それにお前は、車と店を何度も往復するのが面倒だからと」
ジン「買ってきた食材を一度に全部運ぼうとして、落としかねん」
ウォッカ「は、はぁ……」
ジン「バーボンからメールは来たのか?」
ウォッカ「いえ、それはまだ……」
ピロリン♪ You’ve got a mail!!
ウォッカ「あ……届きやしたぜ、兄貴」
ジン「よし。時間が惜しい、さっさと行くぞ」
ウォッカ「へい!」
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8 : 2015/09/27(日) 17:46:18.54 -
一旦切ります
続きは本日23時ぐらいには投下できるかと -
15 : 2015/09/28(月) 00:22:05.85 - 遅くなってすみません、最後まで一気に行きます
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16 : 2015/09/28(月) 00:24:52.96 -
——午前10時・某イオン——
ウォッカ「うわぁ~……ハロウィン関連のグッズ売り場、すげぇ人ですね」
ジン「日本でも、ハロウィンが年中行事の一つとして定着しつつあるからな」
ジン「おっと。食材を仕入れる前に、こいつをチャージしねぇと」ワオンッ!
ウォッカ「あ、ついでに俺も……」ワオンッ!
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17 : 2015/09/28(月) 00:25:35.15 -
ウォッカ「……しかし、分かりやせんねぇ」
ジン「何がだ?」
ウォッカ「ハロウィンといやぁ、ガキ共や若い連中が仮装したり」
ウォッカ「顔の形にくりぬいたカボチャを飾ったりするのが定番ですけど」
ウォッカ「これには、一体どんな意味が……?」
ジン「お前……知らねーでハロウィンがどうこう言ってたのか?」
ウォッカ「す、すいやせん……」
ジン「まぁ良い。簡単に解説してやろう」
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18 : 2015/09/28(月) 00:26:16.08 -
ジン「ハロウィンってのは、古代ケルト人が行っていた、秋の収穫祭と悪魔祓いが起源とされている」
ジン「古代ケルト人の暦では、10月31日が一年の終わり……つまり大晦日だと考えられててな」
ジン「この日に、死者の魂が戻ってくると信じられていたのさ」
ウォッカ「……日本のお盆みてぇですね」
ジン「あぁ。だが、一つ違う点がある」
ジン「ハロウィンでは、死者の魂だけじゃなく」
ジン「悪霊や悪魔、魔女といった邪悪な存在も一緒にやってくるとされていたんだ」
ジン「そいつらを驚かせて追い払うために、人々は仮面を被って魔除けの火を焚いた」
ジン「そこから仮装の習慣が生まれたんだそうだ」
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19 : 2015/09/28(月) 00:26:56.21 -
ウォッカ「へぇ~……じゃあ、あのカボチャは?」
ジン「あれは『ジャック・オー・ランタン』と言ってな」
ジン「悪霊を追い払うための魔除けとして、家の戸口の上り段に置いとくんだ」
ウォッカ「ま、魔除けアイテムだったんですかい……」
ジン「あぁ。それと同時に、親族の霊を迎え入れるための目印でもある」
ジン「盆の迎え火みてーなもんだな」
ウォッカ「へぇ~。勉強になりやすぜ、兄貴!」
ジン「フッ……解説はこの辺にして、買い物を済ませねーとな」
-
20 : 2015/09/28(月) 00:27:39.44 -
ジン「バーボンのメールには、買ってきてほしい食材しか書かれてねぇのか?」
ウォッカ「いえ。ちゃんとメニューも書いてありやすぜ」
ウォッカ「えーと……ハロウィンらしく、カボチャを使ったスープに」
ウォッカ「メインは魚介とブロッコリーのごま風味蒸しと、レンコンと鶏胸肉のグラタン」
ウォッカ「ご飯ものがキノコのパエリア、デザートはブドウのゼリーだそうです」
ジン「なるほど。メインのグラタンが結構こってりした味付けだから」
ジン「ブドウの酸味で口直しさせようって寸法か」フム
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21 : 2015/09/28(月) 00:28:11.40 -
ウォッカ「サラダは、特にこれっていうのを決めてないみてぇですね」
ジン「サラダはシンプルなやつが無難だろう」
ジン「下手に凝ったのを作ると、料理と合わねーことがあるからな」
ウォッカ「じゃあ、グリーンサラダですね」
ジン「あぁ。ウォッカ。デカい方のカートを2つと、カゴを6つ持って来い」
ウォッカ「分かりやした!」
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22 : 2015/09/28(月) 00:29:21.42 -
—— 野菜・果物コーナー ——
ジン「まずは玉ネギと、サラダ用のレタス、キュウリだな」ポイポイ
ウォッカ「兄貴。魚料理に使うブロッコリーは、どれにしやすか?」
ジン「ブロッコリーは蕾の中央がこんもりとして、固く締まってるのを選べ」
ジン「茎にも瑞々しさがあるか、しっかりチェックするんだ」
ウォッカ「へい!」
ジー…
ウォッカ「……兄貴。これなんてどうですかい?」
ジン「フン。良いんじゃねーか?」
ウォッカ「じゃあ、カゴに入れておきやすぜ」イソイソ
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23 : 2015/09/28(月) 00:30:10.18 -
ジン「ついでにプチトマトも持って来い」
ウォッカ「了解です!」
ジン「パエリア用のキノコは椎茸にシメジ、エノキだな」ガサ
ジン「それに三つ葉を1束、普通サイズのトマトを2つと、赤パプリカを1つ……」ポイポイ
ジン「あと必要なのは、スープに使うカボチャとセロリ、長ネギと」
ジン「グラタン用のレンコンだな」
ジン「カボチャはヘタが黄色く枯れているのが良い」
ジン「こんな風に、縦に溝が入ってるのは、熟れていて食べ頃な証拠だ」
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24 : 2015/09/28(月) 00:31:09.49 -
ウォッカ「兄貴。セロリはどこを見て選べば良いんですかい?」
ジン「まずは株の部分が白く、ひび割れが無いかチェックしろ」
ジン「香りが強く、葉の部分が青々として張りのあるやつが良い」
ジン「こいつみたいに、茎は太くて丸みがあり、内側のくぼみが狭いと尚更な」スッ
ウォッカ「おぉ、長ネギが安いですね……でも兄貴、こいつぁ鳥取産って書いてますぜ」
ジン「ほぉ。関東に入ってくるのは珍しいな」
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25 : 2015/09/28(月) 00:31:51.70 -
ジン「鳥取では、15種類ほどの品種を使い分けて、長ネギを周年栽培しててな」
ジン「西日本では大きな産地の一つなんだ」
ジン「最近は輸送技術も発達してるからな。関東にも売り込んできてんだろ」
ジン「……ちなみに『名探偵コナン』の作者・青山剛昌の出身地は鳥取県だ」
ウォッカ「え、そうだったんですかい?」
ジン「せっかくだから、お前も作者の地元の名産品PRに貢献してやれ」
ウォッカ「……そうですね。関東にも色々とブランドの長ネギはありやすけど」
ウォッカ「たまには違うところのを使いやすか!」ヒョイ
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26 : 2015/09/28(月) 00:32:32.10 -
ウォッカ「あと買っとかなきゃいけねぇのは、レンコンですね」
ジン「レンコンは節と節の間が長く、太くてキレイな円柱状のものが良い」
ジン「皮の張り具合と、傷の有無もしっかりチェックするんだ」
ウォッカ「へい! こいつにしやしょう、兄貴」
ジン「さて。デザート用のブドウはどれにするか……」
ウォッカ「ブドウは、どうやって選ぶんですかい?」
ジン「ポイントは、粒が隙間無く付いているか、表面の白い粉が均等に付いているかだな」
ジン「こういうのが良いやつだ」
ウォッカ「おぉ~。そのまま食べても美味そうですぜ」
ジン「……これを食うのは俺達じゃねぇ。ちゃんと弁えとけ」
ウォッカ「す……すいやせん」
ジン「よし。次は鮮魚コーナーだ。行くぞ」
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27 : 2015/09/28(月) 00:34:37.64 -
—— 鮮魚コーナー ——
ジン「ここで仕入れるのは、イカとアサリ、ホタテだな」
ジン「ウォッカ。ホタテを20個と、砂抜き済みのアサリを1.5kg持って来い」
ジン「俺はイカを見てくる」
ウォッカ「へい!」タタタ…
ジン(イカは身に透き通るような透明感があり、目が澄んでいるのを選ぶ)
店員(男)「らっしゃい! 兄ちゃん、今日のイカは獲れたてで新鮮なやつだよ!」
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28 : 2015/09/28(月) 00:35:33.22 -
店員(男)「吸盤の吸い付き具合も……ホラ。どうだい?」ピタ
ジン「ほぉ……良いじゃねーか。8杯ほどもらおうか」
店員(男)「毎度!」ガサガサ
ジン「持ち帰るのに少し時間がかかる。氷もくれ」
店員(男)「あいよ!」
…タタタ
ウォッカ「兄貴、大粒の良いアサリがありやしたぜ」
ジン「フン……これなら十分だな」
-
29 : 2015/09/28(月) 00:36:11.18 -
店員(男)「へい、おまちどお!」ガサ
ジン「ありがとよ」
青子「もぉ~! 貝もエビもイカもタコも平気なのに、何で魚だけダメなの!?」グイグイ
快斗「嫌いなもんは仕方ねーだろっ! 離せ————っ!!」ウワァァァ
-
30 : 2015/09/28(月) 00:37:52.59 -
—— 精肉コーナー ——
ウォッカ「今回使う肉類は、鶏胸肉だけですね」
ジン「鶏肉は、全体的に締まりとツヤがあり、ふっくらとしたのをチョイスだ」
ウォッカ「じゃあ、これと……そっちのが良いんじゃないですかい?」
ジン「あぁ。8枚あるか、ちゃんと数えろよ」
ウォッカ「分かってやす!」
ジン「調味料やローリエ、バターは全部喫茶店で常備されてるから……」
ジン「あとは粉ゼラチンと、果汁100%のブドウジュース、牛乳だな」
ウォッカ「じゃあ俺、粉ゼラチンを取ってきやす」タタタ…
ジン「頼む。俺は牛乳コーナーでいるからな」
ウォッカ「へい!」
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31 : 2015/09/28(月) 00:38:42.57 -
——レジ——
ウォッカ「買い忘れは無し……と」
店員(女)「お待たせしました、お次のお客様どうぞー♪」
店員(女)「わぁ……すごい量ですね。大丈夫ですか?」ヨイショ
ウォッカ「すまねぇな、姉ちゃん」
店員(女)「いえいえ♪」
ピッピッピッ……ピピッ
店員(女)「合計で、26894円でーす♪」
-
32 : 2015/09/28(月) 00:39:19.43 -
ジン「支払いはこいつだ」
店員(女)「はい♪」
ワオンッ!!
店員(女)「ありがとうございましたー♪」
ジン「よし。バーボンのバイト先に直行するぞ」
ウォッカ「へい、兄貴!」
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33 : 2015/09/28(月) 00:40:07.04 -
——午前11時・喫茶店『ポアロ』・バックヤード——
安室「本当にありがとうございます。助かりましたよ」
ウォッカ「困った時はお互い様だ。ホラ、材料」ガサ
ジン「今回のパーティーの参加者は15人ってことだが」
ジン「作りやすいように、16人分で用意してあるぞ」
安室「ええ。多少余っても大丈夫ですよ。すごく大食漢の子供がいますから」フフッ
スイマセーン
ウォッカ「おい、客が呼んでるぞ」
ジン「そろそろ貸し切りの時間のはずじゃねーのか?」
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34 : 2015/09/28(月) 00:41:13.50 -
安室「あ、いや……パーティーは午後1時からなので」
安室「12時を目処に、準備のために一旦店を閉めるんですが」
安室「近所の常連さん達が、ギリギリまで居させてくれと……」
ジン「…………なら、俺達が料理を作っておいてやる。お前は客の相手をしてやれ」
安室「え……」
ジン「こういう小さな喫茶店じゃ、常連の機嫌を損ねるのはまずいだろ」
ジン「今日は俺達も時間がある。気にするな」
安室「————では、お言葉に甘えても良いですか?」
ウォッカ「あぁ」
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35 : 2015/09/28(月) 00:41:53.67 -
アノー、チュウモン…ジン「早く行け」
安室「はい。今度の飲み、絶対に奢らせて下さいね」タタッ
オマタセシマシター
ウォッカ「……だそうですけど」
ジン「覚えてたらな……」フン
ウォッカ(あ……こりゃあ『俺はそんなの覚えちゃいねーよ』って、逆に奢るパターンだな)クス
ジン「何を笑ってやがる」ジロッ
ウォッカ「いえ、別に。エプロンも持参しといて正解でしたね」
ジン「あぁ。材料を持って、厨房に行くぞ」ガサガサ
ウォッカ「へい!」ヨイショ
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36 : 2015/09/28(月) 00:42:39.24 -
——喫茶店『ポアロ』・厨房——
ジン「料理を作る順番については、前にも話したな?」
ウォッカ「へい。冷たい方が美味いものや、冷めても問題ないやつから作るんでしたね」
ジン「あぁ。なら今回は、どういう順番で作れば良いか、分かってるな?」
ウォッカ「最初に取りかかるのは、冷やすのに時間がかかるゼリーで合ってやすよね?」
ジン「そうだ。その次にサラダとスープを作る」
ジン「スープは食う前に温め直せるからな。先に作っても大丈夫だ」
ウォッカ「そして最後に、ご飯ものとメインの二品ですね」
ジン「よし。じゃあ早速、ブドウのゼリー作りだ」
ウォッカ「へい、兄貴!」
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37 : 2015/09/28(月) 00:43:46.85 -
【ブドウのゼリー(15~16個分)】
ブドウ:25~30粒(粒の大きさによって調整)
ブドウジュース(果汁100%):900ml
砂糖:大さじ3杯
粉ゼラチン:15gジン「まずはブドウの下ごしらえだな。実と皮に分ける作業だ」
ジン「ブドウの粒を全て外し、きれいに洗う」
ジン「この時、実を掴んで、少し回すようにして取ると良いぞ」
-
38 : 2015/09/28(月) 00:44:39.96 -
ジン「次に、実に付いている軸の部分を、手や包丁で取り除く」プチ、プチ
ジン「そして軸についていた方とは逆の部分に、十文字の切れ込みを入れる」スッスッ
ジン「切り込みに沿って、皮をむき……実と皮に分ければ良い」
ジン「全部むき終わったら、実をキッチンペーパーで拭いて、余計な水分を取り除くんだ」ポンポン
ウォッカ「兄貴。実の中に、種があるみてぇですけど……」
ジン「包丁で実を二つに切って、取り出しておけ」
ジン「滑らかな食感の邪魔になっちまうからな」
ウォッカ「分かりやした!」
-
39 : 2015/09/28(月) 00:45:40.81 -
ジン「さて……その間に、ゼリー液を作っちまうか」
ジン「ブドウジュースを大きめの耐熱容器に入れて」トポポポポ
ジン「そこへ砂糖を加える」サッサッ
ジン「軽くかき混ぜてから、電子レンジで3分ほど加熱する」ピッピッ…ウィィィン
ジン「これは鍋で温めてもいいが、ポイントは沸騰させないことだ」
ジン「温めすぎには十分注意しろ」
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40 : 2015/09/28(月) 00:46:23.46 -
~3分経過~ピロリロリロリーン♪
ジン「耐熱容器を取り出したら、粉ゼラチンを入れて……」サッサッ
ジン「よーく混ぜ、しっかり溶かしておく」カシャカシャカシャ
ウォッカ「兄貴、種は全部取れやしたぜ!」
ジン「よし。ゼリー用の器の中にブドウを入れていけ」
ウォッカ「へい!」
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41 : 2015/09/28(月) 00:47:21.67 -
ジン「そこへ、ゼラチンが溶けたブドウジュースを均等に流し入れて……」ジャー…
ジン「冷蔵庫で2時間ほど冷やせば完成だ」
ガチャ…バタン!!
ウォッカ「2時間ですかい……時間的にギリギリですけど、固まりやすか?」
ジン「これはデザートだからな。ガキ共がやってくるまで、あと1時間半以上あるし」
ジン「サラダやらメインやらを食べてたら、30分は余裕でかかるだろう」
ウォッカ「……そうですね。じゃあ、次にいきやしょうぜ!」
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42 : 2015/09/28(月) 00:49:04.01 -
ジン「ウォッカ。スープは俺が作るから、お前はグリーンサラダを作っておいてくれ」
ジン「作り方は覚えてるな?」
ウォッカ「もちろんです!」
ジン「よし。ついでに、ドレッシングも頼む。作り方はこのメモを見ろ」ピラッ
ウォッカ「ありがとうごぜぇやす、兄貴」
【グリーンサラダ(16人分)】
レタス:3~4玉(大きさによって調整)
キュウリ:4本
玉ネギ:2個
☆ドレッシング
玉ネギ:1個
セロリ:1本
すりおろしニンニク:10g(チューブでも可)
合わせ調味料:白ごま油…70ml、酢…50ml、はちみつ…大さじ1杯、
塩…15g、コショウ…適量 -
43 : 2015/09/28(月) 00:49:56.74 -
ウォッカ「まず、レタスを一口大にちぎって……」バリバリ
ウォッカ「キュウリと玉ネギはできるだけ薄切りにする……と」トントントントン
ウォッカ「切り終わったら、レタスと一緒に冷水に10分だったな」
ウォッカ「キッチンタイマーをセットして、その間にドレッシング作りだ」ピッピッ…ピコ♪
ウォッカ「えーっと。兄貴のメモによると……」
ウォッカ「セロリと玉ネギを、ある程度刻み……」トントントントン
ウォッカ「セロリをフードプロセッサーにかけ、水分が出るまで撹拌する」カチ、ギュイィィィン
-
44 : 2015/09/28(月) 00:50:54.43 -
ウォッカ「一旦止めて」カチ
ウォッカ「玉ネギを加え、同じように水分が出るまで撹拌……と」ポイポイ
カチ、ギュイィィィン
ウォッカ「……よし。こんなもんか」ギュイィィィン…カチ
ウォッカ「ラストに、ニンニクと合わせ調味料を加えて、更に撹拌すれば……」
カチ、ギュイィィィン
…カチ
ウォッカ「完成ですぜ! ……すげー簡単だ」
ジン「サッと作れて、便利だろ?」
-
45 : 2015/09/28(月) 00:51:30.78 -
ジン「ウォッカ。残った時間でドレッシングをボトルに移して、使った調理器具を洗っとけ」
ウォッカ「へい!」ジャー…ゴシゴシ、キュッキュッ
~6分経過~
ウォッカ「兄貴、フードプロセッサーはこっちに置いときやすぜ」
ジン「あぁ」
ピピピピッ、ピピピピッ…
ウォッカ「お。10分経ったら、野菜をザルにあけて水気を切る……と」ジャー…ザバ
ウォッカ「よし! これでOKだ」
-
46 : 2015/09/28(月) 00:52:18.62 -
【カボチャのスープ(16人分)】
カボチャ:1個
セロリ:2本
長ネギ:2本
バター:大さじ12杯
牛乳:2000ml
ローリエ:4枚
塩:小さじ4杯
塩・コショウ・シナモンパウダー(調味・仕上げ用):各適量ジン「カボチャとセロリ、長ネギは薄切りにする」トントントントン
ジン「大きめの鍋にバターを中弱火で熱し、さっき切ったセロリと長ネギを炒める」ジュー…ザッザッ
ジン「この時、焦がさないように気をつけろ」
-
47 : 2015/09/28(月) 00:53:05.82 -
ジン「しんなりしてきたら、カボチャとローリエ、小さじ4杯の塩を加えて……」ザラザラ…サッサッ
ジン「ひたひたになるぐらいの水を入れ、カボチャが柔らかくなるまで煮込む」ジャー…
ジン「時間は、大体10~15分程度だ」コトコト
ジン「ウォッカ。サラダはもう終わってんなら」
ジン「魚用のまな板と包丁を出して、イカを捌いといてくれ」
ジン「胴の部分は輪切り、足の部分は食べやすい大きさに切って、冷蔵庫に入れとけよ」
ウォッカ「分かりやした!」
-
48 : 2015/09/28(月) 00:54:06.25 -
~10分経過~ジン「よーし。だいぶ柔らかくなったな」コトコト
カチ
ジン「ローリエを取り出して、野菜をフードプロセッサーにかける」ザラザラ
カチ、ギュイィィィン
ジン「滑らかになるまで、しっかり撹拌するのがコツだ。……よし、こんなもんだな」カチ
ジン「これを鍋に戻して牛乳を加え、中火で煮込み」トポポポポ…コトコト
ジン「塩とコショウで味を調えればOKだ」サッサッ
ジン「あとは器に盛りつけて、コショウとシナモンパウダーをふってやればいい」
-
49 : 2015/09/28(月) 00:54:59.78 -
ジン「次に作るのは、パエリアだ」
【キノコのパエリア(8合分)】
白米:8合
ホタテ:20個
シメジ:4パック
椎茸:16枚
エノキ:2パック
玉ネギ:1個
トマト:2個
赤パプリカ:1個
ニンニク:2片
三つ葉:20g
オリーブ油:120ml
水:1600ml
酒:大さじ4杯
しょう油:大さじ4杯 -
50 : 2015/09/28(月) 00:56:12.79 -
ウォッカ「兄貴。これだけの量を作るには、フライパンが小さすぎますぜ」ムゥ…
ジン「心配ない、ここは喫茶店だ。一升炊きの炊飯器があるだろう?」チラッ
ウォッカ「えっ? ……炊飯器でパエリアができるんですかい!?」
ジン「あぁ、とっておきの時短レシピだ。炊いてる最中に他の料理も作れるしな」
ジン「まずは材料をカットする。ホタテを小さく切って、塩コショウをしておけ」
ウォッカ「へい!」ストンストン…サッサッ
ジン「椎茸はイチョウ切り、エノキとシメジは石突きを落とす」トントントントン
ジン「エノキは小房に分け、シメジは長さを半分にカットだ」ポイポイ…ザク
-
52 : 2015/09/28(月) 00:57:05.00 -
ジン「トマトは種とヘタを取り除いて、みじん切りにする。玉ネギやニンニクもだ」トトトトトト
ジン「パプリカは角切り、三つ葉は2㎝ぐらいの長さに切っておく」トントントントン
ウォッカ「兄貴、ホタテの方はできやしたぜ」
ジン「よし。じゃあ炊飯器にお出まし願うとするか」
ジン「白米は洗わなくても良い。分量通りに用意したのを、そのまま入れる」ザラザラ
ジン「そこへ全ての材料を投入して、20~30秒ほどかき混ぜる」ザラザラ…ジャー
マゼマゼマゼ
ジン「あとは蓋を閉じてスイッチを入れ、炊き上がるのを待つだけだ」ピッピッ…ピピッ
ウォッカ「……電子レンジも便利ですけど、炊飯器もすげぇですね」ホゥ…
ジン「せっかくの文明の利器だ。有効活用しねーとな」
-
53 : 2015/09/28(月) 00:58:43.08 -
ウォッカ「兄貴。次はメイン二品ですけど、どっちから作りやすか?」
ジン「グラタンが先だ。ホワイトソースを作るのに時間がかかるからな」
【レンコンと鶏胸肉のグラタン(16人分)】
レンコン:4節
鶏胸肉:8枚
玉ネギ:2個
バター:80g
牛乳:3200ml
酒:40ml
塩:少々
みそ:大さじ8杯
ピザ用チーズ:240g
パセリのみじん切り:少々
小麦粉(ホワイトソース用):大さじ8杯
小麦粉(下味用):適量 -
54 : 2015/09/28(月) 01:00:19.37 -
ジン「ウォッカ。お前はレンコンを1㎝の厚さのイチョウ切りにしろ」
ジン「玉ネギは繊維を断つように、薄切りだ」
ウォッカ「了解です!」トトトトトト
ジン「肉用のまな板は……これだな。一度洗うか」
ジャー…ゴシゴシ、キュッキュッ
ジン「清潔な布巾で、水気をよーく拭き取る」ポンポン
ジン「鶏胸肉はそぎ切りにして」スッスッ
ジン「酒と塩で下味を付け、小麦粉を薄くまぶしておく」ササッ
-
55 : 2015/09/28(月) 01:01:08.27 -
ジン「大きめの鍋を2つ用意して……と」ガシャ
ウォッカ「兄貴。玉ネギとレンコン、刻めましたぜ」
ジン「よし。レンコンを水に浸したら、ホワイトソースを作るのを手伝え」
ジン「一度に4リットル近い量を作るのは面倒だからな。俺とお前とで、半量ずつだ」
ウォッカ「分かりやした」
ジン「まず玉ネギを耐熱皿に移し、ラップを掛けて500Wの電子レンジで約5分加熱する」ピ…ッ
ピッピッ…ウィィィン
-
56 : 2015/09/28(月) 01:03:13.97 -
~5分経過~ピロリロリロリーン♪
ジン「ウォッカ。レンコンはザルにあけて水を切っとけ」
ウォッカ「へい!」ザバー
ジン「それぞれの鍋に、バターを40gずつ熱し」ジュー…
ジン「玉ネギを半量入れて、小麦粉を大さじ4杯ずつふりいれる」
ザラザラ…サッサッ
-
58 : 2015/09/28(月) 01:04:35.14 -
ジン「1分ほど炒めたら、牛乳を少しずつ加え……」ジュー
トプトプ…マゼマゼ…トプトプ
ジン「水気を切ったレンコンも入れて、5分煮る」コトコト
ウォッカ「これ、結構とろみがありやすね」
ジン「あぁ。様子を見ながら、火力は調整しろ。くれぐれも焦がすなよ」
ウォッカ「へい!」
-
59 : 2015/09/28(月) 01:05:41.23 -
~5分経過~ジン「……よし。ここへ鶏胸肉を加え、さらに5分煮込む」ザラザラ…コトコト
ジン「時々混ぜながら、焦げないように注意しろ」
~5分経過~
ウォッカ「汁気がだいぶ少なくなってきやしたね」コトコトコト
ジン「あぁ。半分ぐらいになったら、みそを溶き入れて軽く混ぜ、火を止める」カシャカシャ
カチ
-
60 : 2015/09/28(月) 01:06:33.03 -
ジン「人数分の耐熱皿に、均等に流し入れ……」トローリ
ジン「ピザ用チーズをトッピングしたら、後はオーブンで焼き目が付くまで焼くだけだ」
ジン「仕上げにパセリを散らせば完璧だな」
ウォッカ「焼くのはガキ達が来る直前の方が良いですかね?」
ジン「あぁ。ホワイトソースは、冷めると塩気が濃いと感じるからな」
ジン「それはバーボンに任せた方が良い」
-
61 : 2015/09/28(月) 01:07:21.76 -
【魚介とブロッコリーのごま風味蒸し(16人分)】
イカ:8杯
アサリ(砂出し済み):1.5kg
塩:小さじ2杯
コショウ:少々
プチトマト:16個
ブロッコリー:800g(2.5~3株)
ニンニク:8片
ごま油:80ml
酒:120ml
水:240ml
白いりごま:適量ジン「ウォッカ。冷蔵庫からイカを出して、塩・コショウをしておけ」
ウォッカ「へい!」ガチャ…バタン!
サッサッ
-
62 : 2015/09/28(月) 01:08:24.67 -
ジン「プチトマトはヘタを取り、ブロッコリーは小房に分けて……」プチプチ…ストンストン
ジン「ニンニクは半分に切って潰しておく」トントン…グシャ
ジン「アサリは殻を擦って洗えば、下準備はOKだ」カシャカシャ
ジン(最初に調理器具の場所を確認した時、確かここに……)
ウォッカ「何を出してるんですかい?」
ジン「ホットプレートだ」ヨイショ
ウォッカ「随分とデカいですね……」
ジン「こいつを使うと一気に調理できて楽なんだ」
-
63 : 2015/09/28(月) 01:09:11.34 -
ゴシゴシ…キュッキュッジン「よし。これで使えるな」
ウォッカ「兄貴、イカも準備できやしたぜ」
ジン「あぁ。まずはコードを繋いで、温度を中火に設定する」
ジン「ここにごま油とニンニクを入れて、香りが出るまで温めるんだ」
ウォッカ「おぉ~。良い匂いがしてきやしたぜ」
-
64 : 2015/09/28(月) 01:10:02.63 -
ジン「香りが出たら一旦スイッチを切って、魚介と野菜、酒、水を入れて……」ザラザラ
ジン「全体を軽く混ぜ合わせる」マゼマゼ
ジン「あとは蓋をして強火で温め……」カポ…グツグツ
ジン「水が沸騰したら弱火にして5分煮込む」コトコトコト
~5分経過~
ウォッカ「うぅ……こんな良い匂い嗅いでたら、腹減って仕方ねぇですぜ」
ジン「我慢しろ。……フン、こんなもんだな」
カパ…
ジン「仕上げに白いりごまをかけてやれば……」サッサッ
ジン「完成だ」
-
65 : 2015/09/28(月) 01:10:48.21 -
ウォッカ「美味そう……!」ジュルリ
ジン「フライパンだと火を止めた途端に冷めちまうが」
ジン「ホットプレートは、保温モードにしとけば冷めることもねぇぞ」
ウォッカ「おぉ、なるほど。だからホットプレートで作ったんですね」
ジン「ところで、今は何時だ?」
ウォッカ「えーと。12時20分ですね」
-
66 : 2015/09/28(月) 01:11:53.37 -
…パタパタパタ安室「あ……もしかして、もう終わりました?」
ジン「あぁ。後はグラタンを焼いて、他の料理を盛りつけるだけだ」
ウォッカ「客はもう帰ったのか?」
安室「先程、最後のお客さんが出たところです」
ジン「そうか……じゃあ、後はお前だけでも大丈夫だな?」
安室「はい。本当、二人には感謝してもしきれませんよ」
-
67 : 2015/09/28(月) 01:13:07.71 -
ウォッカ「良いってことよ。ガキ共のお守り、頑張ってな」
安室「ええ。片付けもやっておきますので」
ジン「いや、自分で使った物は自分で片付けるさ」
安室「え……しかし」
アムロサーン、コンニチハー
ウォッカ「ん? また客か?」
安室「いえ。あの声は、パーティーの参加者ですよ」
安室「お店をハロウィン仕様に飾り付けたいと言ってましたから」
安室「それで早めに来たんでしょう」
-
68 : 2015/09/28(月) 01:13:51.25 -
ジン「なら、早く行ってやれ」
安室「色々とすみません、二人とも……」
ウォッカ「だから気にしなくて良いって」
ジン「洗い物を済ませたら、俺達はそのまま帰るからな」
安室「……はい」
パタパタパタ…
ウォッカ「……それじゃ、やりますか」
ジン「さっさと終わらせるぞ。ガキ共と鉢合わせはゴメンだ」
ウォッカ「へい、兄貴」
ジャー…ゴシゴシ、キュッキュッ
-
69 : 2015/09/28(月) 01:15:01.52 -
——午後1時・喫茶店『ポアロ』——
歩美・光彦・元太「「「トリック・オア・トリート!!」」」
コナン(ホント元気だねぇ、こいつら……)
安室「イタズラはご遠慮願いたいから……はい、お菓子」
歩美・光彦・元太「「「ありがとうございま~す♪」」」
灰原「ねぇ……」
コナン「ん?」
灰原「……あの安室って人、私に気付いてないわよね?」ヒソヒソ
コナン「あぁ。大丈夫だよ」コソ…
-
70 : 2015/09/28(月) 01:16:18.57 -
コナン「オメーだって気付かれないようにするために」
コナン「わざわざ母さんに頼んで、ゴスロリ風ビスクドールに仮装させてもらったんだ」
コナン「髪だって金髪のカツラだしさ」
コナン「そんなコソコソしてる方が、かえって怪しまれるぜ?」
灰原「……分かってるわよ」
安室「君達、何の仮装をしてるんだい?」
歩美「歩美は、黒猫さん!」
光彦「ボクはミイラ男です!」
元太「オレはデーモンとかいう奴! この角がカッコイイだろ? 作り物だけどよ」ニシシ
-
71 : 2015/09/28(月) 01:17:19.09 -
安室「コナン君は、ナイトバロンかな?」
コナン「あ……うん」
コナン(ホントはホームズの方が良かったけど)
コナン(母さんに「はい、コレ。優作から♪」って押しつけられたんだよ……)
蘭「安室さん。準備できましたよ」
安室「ありがとうございます。皆さん、揃いましたか?」
蘭「あ……それが、服部君と和葉ちゃんと世良さんが、まだ……」
-
72 : 2015/09/28(月) 01:21:58.23 -
ガチャ…カランカラン服部「よぉ! 遅うなってすまんのぉ!」
園子「噂をすれば、ってやつね……」
蘭「いらっしゃい、二人とも」
コナン「……平次兄ちゃん、吸血鬼の格好のままでここへ来たの?」
和葉「せや。新大阪で待ち合わせとった時には、もうこの格好やってん」
和葉「あたしは恥ずかしいから、仮装は東京に着いてからにしてやって言うたんやけど……」
コナン(うわ……それは確かに恥ずかしいな)
服部「ええやないか。どのみち、こっちでこの格好に着替えるんやさかい」
和葉「アンタが良うても、あたしが嫌なんや!」
-
73 : 2015/09/28(月) 01:23:06.48 -
ガチャ…カランカラン世良「やっほー! ……少し遅刻しちゃったかな?」
園子「ううん。服部君達も、今来たとこだから」
園子「蘭のところのおじ様とおば様は?」
蘭「……あそこで睨み合ってるわ。もう、困っちゃう……」
和葉「蘭ちゃん、相変わらず苦労が絶えへんなぁ……」
-
74 : 2015/09/28(月) 01:24:34.41 -
服部「……おい、くど……やのうて、ボウズ」
服部「一課の刑事はんらは? 非番やったら来るんやろ?」
コナン「あぁ……杯戸町で起きた強盗殺人事件に駆り出されちまったみてーでさ」
歩美「えぇ~? 高木刑事と佐藤刑事、来れないの?」
光彦「千葉刑事と白鳥警部もですか?」
コナン「しゃーねーだろ。何も事件が起きなかったらって約束だったんだから」
-
75 : 2015/09/28(月) 01:25:25.19 -
安室「……じゃあ、料理がだいぶ余ってしまうね」
コナン「それは大丈夫」
コナン「もう少ししたら京極さんも来てくれるって、園子姉ちゃんが言ってたから」
コナン「平次兄ちゃんも結構食べる方だし、残った分は元太がどうにかしてくれるよ」
安室「そっか。それじゃ、パーティーを始めようか」
安室「料理を持ってくるから、先に手を洗っておいで」
歩美・光彦・元太「「「はーい!」」」
パタパタパタ…
-
76 : 2015/09/28(月) 01:27:08.49 -
コナン「……ごめんね、安室の兄ちゃん。突然、店を貸し切りたいなんて無理言って」
安室「いやいや。みんな、お得意様だからね」
コナン「でも、準備にはだいぶ手間取ったんじゃないの?」
安室「頼りになる助っ人が来てくれたから、大丈夫だったよ」
コナン「ふーん……」
安室「さぁ、君も手を洗っておいで」
コナン「……うん」
スタスタ…ピタ
-
77 : 2015/09/28(月) 01:32:54.23 -
コナン「ねぇ……安室の兄ちゃん」
安室「ん?」
コナン「前の職場から、『戻ってこい』って言われないの?」
コナン(公安から『戻れ』って指示は出されないままなのか?)
安室「……今のところ、そんな気配は微塵もないね」
安室「戻してくれるかどうかも、全く分からないよ」
コナン「じゃあ、ずっとこのまま?」
安室「さぁ……それは上の人の判断次第かな」
安室(————とは言うものの、案外居心地が良いんだよなぁ。あの組織……)
コナン「…………そう」
-
78 : 2015/09/28(月) 01:34:08.14 -
コナン(ま、組織から離脱しようとした奴には死の制裁が待ってんだ)
コナン(公安といえど、そう簡単に抜けられねーか)
歩美「コナン君、早くおいでよ~」
光彦「まだ手を洗ってないの、コナン君だけですよ?」
コナン「あ、あぁ……悪ぃ」
パタパタ…
安室(相変わらず、興味深い質問をしてくる子だ……)フッ
-
79 : 2015/09/28(月) 01:35:01.46 -
——午後1時半・黒の組織のアジト——
ウォッカ「バーボンの奴、今頃は楽しくやってんでしょうねぇ」
ジン「あぁ。……それはそうと、俺達は昼飯もまだだったな」
ジン「だいぶ遅くなっちまったが、キッチンで何か作るか……」
ウォッカ「手伝いやすぜ、兄貴」
-
80 : 2015/09/28(月) 01:35:40.21 -
——組織のアジト・キッチン前の廊下——
ガシャーン!! カランカラン…
ヤリヤガッタネ、アンタ! ナニヨー!!
ジン・ウォッカ「「…………!?」」
ウォッカ「な、何だ……?」
ジン「……ベルモットとキャンティの声だな」
-
81 : 2015/09/28(月) 01:37:09.03 -
——組織のアジト・キッチン——
ベルモット「だから、勘違いして悪かったって言ってるじゃないの!」
キャンティ「勘違いで済むか、このバカ女!!」
コルン「……二人とも、もう止めろ」フゥ…
ウォッカ「おい……コルン。何がどうなってんだ?」
コルン「ジンとウォッカ、パーティーの準備で出かけるって、ベルモットが盗み聞きした……」
ジン「で?」
コルン「あいつ、そのパーティーがここであるんだと勘違いしてて……」
ジン「……その勘違いした情報を、お前らに伝えたわけだな?」
コルン「おぅ」コクッ
-
82 : 2015/09/28(月) 01:38:05.32 -
ウォッカ「なるほど」
ウォッカ「ジンの兄貴が、自分達のために腕を振るってくれるとばかり思ったら」
ウォッカ「当てが外れちまって大喧嘩ってわけか……」
キャンティ「当てが外れたなんてもんじゃないよ!」
キャンティ「今日は朝飯食ってなかったし、昼飯は豪勢な食事にありつけると思ってたのに」
キャンティ「この女が勘違いしたせいでさぁ……」ギロッ
ベルモット「もう謝ったんだから良いじゃない!」
ベルモット「それより、ジンが帰ってきたんだから、お昼に何か作ってもらいましょうよ」
-
83 : 2015/09/28(月) 01:39:51.60 -
ベルモット「ねぇ、ジン。貴方なら30分もあれば大丈夫でしょ?」
ベルモット「私、もうお腹ペコペコなの。何でも良いから、お願い!」グゥゥ…
キャンティ「アタイももう限界……」キュルル…
コルン「俺も……」
ウォッカ「あ、兄貴……?」
ジン「…………」ブチッ
ジン「…………………………ベルモット」
ベルモット「ん?」
-
84 : 2015/09/28(月) 01:42:13.94 -
ジン「いい加減、自分が食う物ぐらい自分で作りやがれっ!!」ガシャーン!!
ベルモット「きゃあぁ~! ジン、怒っちゃ嫌ぁ~!!」
チョットマッテヨ! ウルセー!!
ウォッカ「あーあ……兄貴、滅多な事じゃキレねーのに」
コルン「仏の顔も三度まで……」ボソッ
キャンティ「……仕方ないねぇ。ウォッカ、コルン。昼飯作るの手伝っとくれよ」
キャンティ「ジンが暴れ終わった時には、何か食えるようにさ」
ウォッカ「そーだな……」
コルン「……分かった」
【おわり】
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