まほ「西住流に、逃げるという道はない」操縦手「いいから始めようよ。隊長」


1 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 17:06:31.03 ID:D6GNVKhAo
・全国大会の決勝戦、最後の一騎討ち。まほが搭乗するティーガー車内の様子を書いた小ネタです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1386057990


ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1386057990/


2 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 17:08:45.45 ID:D6GNVKhAo
まほ「西住流に、逃げるという道はない」

みほ「……」

まほ「こうなったら、ここで決着をつけるしかないな」

みほ「……受けて立ちます」

——黒森峰隊長車、ティーガー車内

通信手「……あれってやっぱり、みほちゃんだよ」

操縦手「うん。キューポラから顔を出してるのは、紛れもなく妹ちゃんだね」

砲手「決勝まで来るとはなぁ」

装填手「試合の前に、姿は見ましたけど…」

通信手「こうやって実際に目の前で見ると、何だか感慨があるね」

砲手「あいつも立派になったもんだぜ」

装填手「ちょっと照準器、覗かせてください」

砲手「ほらよ。お前の元クラスメイトだ」

装填手「……間違いありません、みほです。あの頼りない顔は変わってません」

通信手「表情はそうでも、あの子は今、うまく一対一に持ち込めたって思ってるだろうね」

砲手「それはもう言うな。こうなったのは隊長であり車長である、まほさんの判断だ」

通信手「もちろん分かってるよ。私たちはいつでも、自分のやるべきことをやるだけ」

装填手「みほは多分、こうするしかなかったんでしょう」

操縦手「うちと大洗とじゃ多勢に無勢。だから、フラッグ戦っていう試合形式を利用したんだね」

砲手「ほかの車両を遠ざけてフラッグ車を丸裸にすれば、勝てる確率が高くなる」

通信手「あの子が乗ってるのも、フラッグ車」

砲手「フラッグ車同士の一騎討ち、撃破した方が優勝だ。まあ、負ける気はしねーが…」

操縦手「勝てる保証があるとも、限らないよね」

通信手「みほちゃんたちだって、ここまで来たんだもの」

装填手「運だけじゃなく、それだけの実力を持ってるってことですね」


3 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 17:10:33.71 ID:D6GNVKhAo
操縦手「でも、勝つのはこっちだよ」

通信手「うん。絶対に撃破しないと」

装填手「自分たちにそれ以外の選択肢はありません」

砲手「ああ。この大会で優勝するために、あたしたち3年生の今までがあったんだ」

装填手「あの…」

砲手「何だ」

装填手「この車内には、私という2年生も一人、いるんですけど…」

砲手「お、そうだったな。お前ってこのチームに馴染んでるから、つい」

装填手「そう言ってもらえるのは、嬉しいですけど…」

操縦手「何か不満?」

装填手「いえ…何だか、2年生らしくないとか、態度が大きいとか、遠回しに言われてるような…」

通信手「変なこと気にしないで。黒森峰最強チームの一員として、認められてるってことだよ」

装填手「はい、ありがとうございます。このティーガーに乗る自分たちは、我が校最強です」

操縦手「超高校生級の選手、西住まほを車長とする隊長車に乗る、最強チーム」

砲手「あのⅣ号は、そんなあたしたちにケンカを売ってるんだ。その報いを受けさせてやるぜ」

エリカ『隊長、我々が行くまで待っていてください!』

まほ「……」

通信手「まほちゃん。エリカがああ言ってるけど、どうする?」

砲手「おい、まほさんよぉ。いつまであいつと見つめあってる気だ?」

まほ「……」

通信手「まほちゃんって、みほちゃんが大好きだもんね。お熱いことで」

操縦手「いいから始めようよ。隊長」

装填手「やっぱり、エリカ…いえ、副隊長たちを待つんですか?」

まほ「前進。左へ回頭」

操縦手「OK、そうこなくちゃ」

グオォォォン


4 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 17:12:01.95 ID:D6GNVKhAo
まほ「常に敵へ砲口を向けろ。今、我々の相手は1両だけだ」

砲手「言われなくても分かってる」

まほ「砲身の長さを考慮しつつ走れ」

操縦手「こっちも、言われなくても分かってるよ。市街戦だからね」

装填手「隊長、徹甲榴弾を準備しています」

まほ「それでいいが、榴弾も用意しておけ」

装填手「分かりました」

操縦手「敵が逃げるよ」

まほ「追え。徹甲榴弾装填。射撃用意」

装填手「了解」

砲手「了解」

操縦手「速いな、妹ちゃんたち。なかなかやるね」

通信手「こちら隊長車。副隊長車どうぞ」

副隊長車『こちら副隊長車。隊長車どうぞ』

通信手「戦況確認です。そちらの状況を報告しなさい」

副隊長車『中央広場の入口に立ち塞がるポルシェティーガーへ、集中砲火を浴びせています』

通信手「排除に要する時間は?」

副隊長車『恐らく、3分…』

エリカ『2分と言いなさい!』

副隊長車『に、2分です』

通信手「了解。…まほちゃん、聞いてた?」

まほ「ああ。だが援軍など必要ない」

砲手「一騎討ちでカタをつけてやる」


5 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 17:13:39.30 ID:D6GNVKhAo
操縦手「相手は何やってるんだ? 逃げてばかりだね」

まほ「では逃げられないようにしてやる。榴弾の発射用意」

装填手「了解。榴弾に交換します」ガコン

まほ「あの建物を狙え」

通信手「建物を崩して、敵の進路を塞ぐんだね」

装填手「榴弾、装填完了」

砲手「照準よし」

まほ「撃て!」

ドオォォォォォン

まほ「敵が逃げ込んだ路地の入口へ急行しろ」

操縦手「了解」

まほ「徹甲榴弾装填」

装填手「徹甲榴弾、装填完了」

砲手「よし、これで仕留めてやる」

装填手「あ。でも…!?」

まほ「…間に合わないか」

砲手「敵が全速で後進してくるぞッ」

装填手「接触します!」

まほ「全員、衝撃に備えろ!」

ガシィィン

装填手「ぐっ…みほたち、わざと当ててきました」

操縦手「意外とラフだね、妹ちゃん」

砲手「もっとお淑やかにしなくちゃ、男にモテねーぞ」

通信手「あんたがそれを言うの?」


6 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 17:15:59.75 ID:D6GNVKhAo
操縦手「また逃げるか。追うよ」

まほ「撃て!」

砲手「いい作戦だったけどなぁ」カチ

ズガァァァン

砲手「チッ、外したか」

まほ「次弾装填」

装填手「装填完了」

操縦手「やっぱり、簡単には勝たせてくれないね」

まほ「お前たち、無駄口を叩く余裕があるのか?」

砲手「あるはずねーよ。まほさんこそ何言ってるんだ」

操縦手「今の相手は、これまでの敵と違う」

通信手「上手いよね、みほちゃんたち。この距離の取り方だって絶妙」

装填手「必死に逃げ回ってるみたいに見えますが…」

操縦手「こっちも、迂闊には近寄れないんだよ」

砲手「ほぼ接射の距離だ。当たり所が悪ければこのティーガーだってやられる」

まほ「照準が合い次第撃て!」

砲手「了解」カチ

ズガァァァン

砲手「くそっ、吹っ飛ばせるのはシュルツェンだけ。イライラするぜ」

まほ「行進間射撃を余儀なくされるのは向こうも同じだ」


7 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 17:17:27.74 ID:D6GNVKhAo
他車『こちら6号車。隊長車どうぞ』

通信手「こちら隊長車。6号車どうぞ」

他車『八九式を撃破。ほかの車両とともに副隊長車へ合流します』

通信手「了解」

副隊長車『こちら副隊長車。隊長車どうぞ』

通信手「こちら隊長車。副隊長車どうぞ」

副隊長車『ポルシェティーガーを撃破。白旗を確認』

通信手「では、こちらへの速やかな合流が可能ですか?」

副隊長車『回収車が到着して車両を移動させ次第、可能です』

通信手「了解」

装填手「これで、敵は…」

まほ「あのフラッグ車だけだ」

通信手「でもエリカたちがここへ着くまで、もう少し時間が掛かるよ」

まほ「構わない。我々の車両だけでこの戦いを終わらせる」

操縦手「敵の砲手も腕がいいね。こっちはギリギリで躱してる」

まほ「サンダースのフラッグ車を撃破したのはあのⅣ号だ」

通信手「みほちゃんが撃ったのかな」

まほ「情報では、みほは車長以外を担当していない」

砲手「じゃあ、あいつが今の砲手を鍛えたのか。嫌な奴を敵に回しちまったもんだ」


8 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 17:19:34.69 ID:D6GNVKhAo
まほ「その角を曲がるな。直進しろ」

操縦手「了解。建物を挟んで並走するんだね?」

まほ「そうだ」

砲手「距離を取ることができれば、こっちに分がある」

まほ「建物が途切れた瞬間に撃て!」

ズガァァァン

まほ「次弾装填急げ!」

装填手「は、はいっ。装填完了」

通信手「あ…行き止まりだよ!?」

操縦手「左折しかない。敵と鉢合わせするッ」

砲手「接射どころじゃねーぞ!」

まほ「怯むな! そのまま前進、突撃! 撃て!!」

ズガァァァン

操縦手「……間一髪、正面衝突は避けられた」

砲手「当たらねーのは、車両も、弾もだよ」

まほ「もう一度、建物を挟んで並走だ。装填、発射急げ!」

ガキィィン

通信手「ひゃっ…! 相手の弾がカスった」

操縦手「やっぱ腕がいいわ、向こうの砲手」

装填手「次弾、装填完了」

砲手「発射」カチ

ズガァァァン

砲手「ケッ、弾の無駄遣いだぜ」


9 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 17:21:12.26 ID:D6GNVKhAo
まほ「……また、この広場に出たか」

操縦手「……敵が停車したよ」

まほ「停止」

操縦手「了解」ガクン

まほ「車体と砲塔を敵戦車へ向けろ」

操縦手「了解」ガゴゴゴ

砲手「了解」ウィーン

副隊長車『こちら副隊長車。隊長車、至急応答願います』

通信手「こちら隊長車。副隊長車どうぞ」

副隊長車『回収車の到着を待たずにそちらへ急行します。副隊長の判断です』

通信手「相手車両を移動させ次第と聞いたけど?」

副隊長車『現在その上を乗り越えています』

通信手「…了解。無理しないように」

操縦手「ムチャクチャやるなぁ、エリカ」

まほ「敵が動くぞ!」


10 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 17:22:15.08 ID:D6GNVKhAo
砲手「…何だ? あいつら、何をやってるんだ?」

操縦手「あんなに大きく回り込んで…」

まほ「惑わされるな! 常に目標へ向き直れ!」

操縦手「了解!」

砲手「ちくしょう、どこからでも来やがれ!」

まほ「来るぞ!」

ガキィィン

通信手「うわ、またカスった」

まほ「撃て!」

ズガァァァン

まほ「次弾装填急げ!」

装填手「はいっ」

まほ「砲塔旋回!」

砲手「くそっ、間に合うか…!?」

装填手「装填完了!」


11 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 17:23:54.27 ID:D6GNVKhAo
操縦手「敵戦車は何やってるんだ…!?」

ギャガガガガガガ

通信手「履帯も転輪も、弾け飛んでるじゃない!」

まほ「目標を捕捉しろ! 後ろを取られるぞ!」

通信手「後ろ? それが狙いなのね!?」

まほ「早くしろ! 背後に行かれるな!」

操縦手「無理だよ! 敵のスピードについていけない!」

まほ「砲塔の旋回急げ!」

砲手「くっそおおお!」

まほ「先に撃った方が、勝利だ!!」

砲手「こんちくしょぉぉおお!!」

ズドォォォン
ズガァァァン

シュバッ


12 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 17:25:19.60 ID:D6GNVKhAo
まほ「……」

砲手「……」

操縦手「……」

装填手「……」

通信手「……せ……戦況、確認……」

砲手「……負けた、か……」

操縦手「……うん……」

装填手「……そ……そんな……」

まほ「みんな」

通信手「……う、うん……」

砲手「何だ……? まほさん……」

まほ「御苦労だった」

操縦手「うん……。隊長も……」

まほ「負けたのは、私の責任だ」

装填手「……そんな……」

まほ「私は、また、みんなを勝たせてやれなかった」

通信手「それは……まほちゃんだけのせいじゃ、ないよ……」

装填手「こ、こんな……こんな、ことって……」

砲手「オラ、泣くな。みっともねー」

装填手「ぐすっ。だ、だって……」

まほ「みんな。すまなかったな」

操縦手「どうして、謝るんだよ……」

砲手「そんな必要、ねーだろ」

まほ「私は、一足先に降車する」

通信手「うん……」

装填手「隊長……!」


13 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 17:26:51.67 ID:D6GNVKhAo
まほ「何だ」

装填手「来年は……来年は、必ず……! 私たちが優勝します!」

まほ「……」

装填手「私たちが……必ず、必ずみほたちに勝ちます! 大洗を、叩き潰します!」

まほ「ああ。期待している」

装填手「はいっ! ……ぐすっ。ううっ」

砲手「ホラ、鼻垂らしやがって。汚ねーな」

装填手「うぐっ。ひぐっ。す、すいません……」

通信手「……あーあ。終わっちゃったねぇ」

砲手「これで…」

操縦手「私たち3年は引退、かぁ」

装填手「……」

砲手「しかし、あいつらの最後のあれは、一体何だったんだ?」

装填手「自分に…」

砲手「何だ」

装填手「自分に…心当たりが、あります」

通信手「心当たり?」

装填手「はい……。みほがずっと、気にしてたことが、あったんです」

操縦手「気にしてたこと、って?」


14 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 17:29:27.55 ID:D6GNVKhAo
装填手「自分たち黒森峰が運用するのは、主に重戦車です」

通信手「うん」

装填手「じゃあ、その重戦車がやられるのはどんな場合か、って……」

砲手「それを考えた結果、が…今の攻撃方法か」

装填手「多分……」

通信手「正面からだと、よっぽどの火力か近接戦闘じゃない限り、撃破は不可能」

操縦手「だから、高速で後ろへ回り込んで、装甲の薄い箇所を叩く」

装填手「でも、それを可能にするなんて……」

砲手「敵も捨て身だったな。あれを見ろ」

装填手「……無残ですね。足回りがボロボロです」

通信手「もし失敗したら、二度目はない」

操縦手「直後の移動がほぼ不可能になるんだから、ただの的と化すよね」

砲手「だが、あいつらは成功させた」

通信手「戦車にも、あんなことができるのか……」

装填手「みほは転校して、自分たちの対戦相手になって…」

通信手「考えたことを、逆に使ったんだね」

砲手「やっぱり、嫌な奴を敵に回しちまったな」

操縦手「妹ちゃんの発想もすごいけど、それを本当にやっちゃう、あの操縦手もすごい」

通信手「戦車道の真っ当な操縦技能が身に付いてる人なら、やらない操縦だよね」

操縦手「うん。少なくとも私には無理」

砲手「今大会の最優秀操縦手はお前だと思ってたが、あの敵戦車の奴も侮れないな」

通信手「それを言うなら砲手も、でしょ? あんたか、あの相手車両の子」

装填手「そうですね」

砲手「自分のことなんて、どうでもいいが……明日から、暇になるなぁ」


15 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 17:30:59.81 ID:D6GNVKhAo
装填手「それなら、いつでも指導に来てください」

砲手「引退した3年がノコノコやって来て口を出しても、ウザいだけだろ」

装填手「でも先輩は隊長と同じで、もう大学への推薦が決まってるって聞きましたよ」

通信手「卒業まで暇なら、行ってあげればいいと思うけど」

操縦手「戦車道推薦か。隊長と同じ所だっけ?」

砲手「いや、そのライバル校だ」

装填手「じゃあ、今度は隊長と敵同士になるんですね」

砲手「ああ。だが、まほさんはその大学から、ドイツへ留学したりするんじゃないか?」

通信手「実際に対戦する機会があるかどうかは、分からないんだね」

操縦手「私は明日から本格的に、受験勉強だよ」

砲手「お前も戦車道で推薦を取ればよかったんだ」

操縦手「私はもういいよ。戦車道は高校までで、お終い」

装填手「もったいないなぁ。黒森峰の隊長車を操縦するほどの人なのに」

操縦手「私はもう、普通の女子生徒に戻るんだよ。で、普通に大学へ行って、普通に就職して…」

通信手「普通の、お嫁さんになるの?」

操縦手「うん。それが夢」

通信手「いい男を見つけないとね」

操縦手「うん。今までは、戦車が恋人みたいなものだったから」

通信手「私たちの恋人って、この子……このティーガーだけだったもんね」

操縦手「でも、こいつとお別れする時が来た。こいつから、降りる時が来た」

通信手「これからは、人間の男を好きにならなくちゃね」


16 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 17:32:58.14 ID:D6GNVKhAo
砲手「ケッ、お前たちらしくねーな。女々しい感傷に浸りやがって」

装填手「確かに、我が校最強チームの人たちがする会話としては、意外かもしれませんね」

砲手「お前たち、分かってるだろ? このチームが今まで容赦なくぶちのめしてきた敵戦車の数を」

操縦手「そんなの分かってるけど、今くらいこういうこと言わせてよ。最後なんだし」

通信手「私たちはあんたやまほちゃんと違って、普通の女の子なんだから」

操縦手「二人みたいに、戦車と同じ鉄でできてるような女じゃないんだよ」

砲手「あたしとまほさんが、鉄でできてる? フッ、そのとおりだな。違いねーや」

装填手「自分も、鉄の女になりたいです。いえ、先輩たちと同じ鉄の女に、必ずなります」

操縦手「それは頼もしいね。来年は、勝ってよ」

通信手「私たちより強くなってね。みんなでエリカを、支えてあげてね」

砲手「ライバルが増えちまったけどな。大洗っていう」

操縦手「妹ちゃんたちに勝たないと、優勝はないよ」

装填手「はい。必ず勝ちます。今度はみほに、悔し涙を流させてやります」

砲手「言ったな。その言葉、忘れるなよ」

装填手「はい。絶対に忘れません」

操縦手「回収車が来たみたいだよ」

通信手「私たちも降車しようか」

砲手「ああ。じゃあみんな、お疲れさん」

通信手「はーい。お疲れ様でした」

操縦手「お疲れ様」

装填手「お疲れ様でした」

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