希「皆が冷たい」


1 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:19:42.48 ID:tfHpqhDK0
だんたんと暖かくなってきた

とある日の午後

退屈な古文の授業はウチの睡眠時間

ふぁ……

授業終了5分前に目が覚める

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1399515572


ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399515572/


2 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:21:11.57 ID:tfHpqhDK0
わからなくて退屈って訳やなくて

どんなに居眠りしてても、テスト前に対策プリントたくさんくれるし

そのプリントをきちんとやってれば

テストで赤点ってことはまずなくてな

だから、ウチだけではなく何人かは授業中の話を全く聞いてない

くすくす、でもこれエリちに言うとすっごく怒るんよ


3 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:22:04.60 ID:tfHpqhDK0
まぁ、言いたいことは分かるけど

やっぱり楽できる時は楽するにかぎるで

キーンコーンカーンコーン

とチャイムが鳴って退屈な授業が終わりを告げる


4 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:23:07.43 ID:tfHpqhDK0
放課後になって

ん~………

背伸びをした後に、エリちに話しかける

希「エリち、エリち。今日も練習行くんやろ?一緒にいこうな?」

するとエリちはウチの顔も見ないで、えらく平坦な声で

絵里「ごめんなさい希、今日はいいわ」

そういうとエリちはウチを置いてさっさと教室を出て行ってん


5 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:23:53.68 ID:tfHpqhDK0
あれ?

ウチ、エリち怒らしたんかな?

んー…………

心当たりは結構たくさんあるけど

まぁ、だいたいの事は次の日になったら忘れてるし

あんまり気にすることやないよ


6 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:27:15.69 ID:tfHpqhDK0
さて、はやく部室に行こうかな

教室を出て部室に行ってる途中でな

家庭科室から出てくる凛ちゃんと花陽ちゃんを見つけてな

希「おろ?凛ちゃん、花陽ちゃん。どうしたん?」


7 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:28:29.11 ID:tfHpqhDK0
花陽「ひゃあ!?の、希………ちゃん!?」

凛「ど、どうかしたにゃー……!?」

どうかしたんはそっちやん、そんなに焦って

んん?

花陽ちゃん、背中に何か隠してるな


9 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:31:48.55 ID:tfHpqhDK0
希「なんか隠してるなぁ。なんなん?」

ひょい、と覗き込もうとすると

花陽「だ、だめぇっ!?」

えらく嫌がられてん

なんかごっそり心をえぐられた気分


10 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:33:55.57 ID:tfHpqhDK0
凛「かよちん行って」

凛ちゃんがそう急かすと

凛「凛は—————」

ウチのシュシュをすっと素早く盗って、凛ちゃんと花陽ちゃんは別々の方向に逃げて行った

花陽「ご、ごめんなさ~い!」

これは花陽ちゃんを追いかけたいけど、追いかけたら確実に犯罪描写っぽくなるし、ここは……

希「おおーい!凛ちゃんまてー!」


11 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:35:53.91 ID:tfHpqhDK0
凛ちゃんを追いかけたんやけど

すぐ見失って

気付いたら教室の机にウチのシュシュが置いてたんよ

追いかけっこなんやと思ったんやけど

どっちかっていうと、ウチに見られたくなかったっていうか

拒絶されてるっていうか

…………………きっと気のせいやんな


12 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:37:18.56 ID:tfHpqhDK0
ちょっと遅れたけど、どうせ部室で会うやろうし

あとで、凛ちゃんをわしわしせんとな

にこ「ん~…………」

そんなこと考えてるときに、にこっちが体に似合わない大きな段ボール箱を運んでてな

前が見えにくいのかフラフラしてる

なんか危なげやなぁ

希「にこっち」


13 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:38:34.20 ID:tfHpqhDK0
ウチが呼びかけると

にこ「げっ……、希!?」

なんかウチに見られたくなかったようやね

なにしてるん、って

これって去年の学園祭で使った恐竜の着ぐるみやん


14 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:40:40.61 ID:tfHpqhDK0
去年の学園祭で使おうとしたお手製の着ぐるみなんやけど

予算の関係上、小さいのしか作れず

実質にこっち専用になってん

学園祭当日にお尻に大穴が空くってトラブルが発生してな

結局置物として活躍した恐竜の着ぐるみ

あの後、どっかにいって誰かが処分したんやと思ってたんやけど

にこっちが持ってたんやね


15 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:41:52.15 ID:tfHpqhDK0
希「うわ~、懐かしいなぁ」

ウチがそう言って着ぐるみに触ろうかとしたらな

にこ「さっ、触らないで!」

突然にこっちが怒鳴るから思わずびっくりして

希「ご、ごめんな……」

謝ったんよ


16 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:43:08.02 ID:tfHpqhDK0
にこ「………関わらないで」

そう言い放つと去ってな

なんか、今日は心えぐられるような出来事ばっかりやなぁ

ちょっと涙ぐむ


17 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:44:00.32 ID:tfHpqhDK0
なんか部室に行く気がだんたんとなくなってな

中庭のベンチに座ってちょっと休憩

空を見上げてみる

午前中は晴れてたのに、今は曇り空

気分も落ち気味


18 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:45:49.30 ID:tfHpqhDK0
なんかため息が出てな

「…………希?」

視線を声のした方に移すと、海未ちゃんがおってな

海未「どうしたのですか、泣きそうな顔してますよ?」

心配そうな顔して、こっちきてん

なんだかもう、泣いて海未ちゃんに甘えたくなったんやけど


19 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:47:21.60 ID:tfHpqhDK0
希「ううん、なんでも……ないよ?」

声が震えてて、どう見てもなんでもなくはなくて

海未「なにが、なんでもない。ですか。そんな演技では穂乃果すら騙せませんよ」

海未ちゃんが隣に座ってな

海未「なにかあったんですよね?よろしければ教えてくれますか?」

って


20 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:49:28.24 ID:tfHpqhDK0
俯いたまま今日会ったことを海未ちゃんに話してん

そしたらな、海未ちゃんが

海未「………別に普通の事じゃないですか」

ってな

まさかの一言で


21 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:50:30.01 ID:tfHpqhDK0
きっと海未ちゃんの事やから

「まったく、にこたちは何考えているのでしょうか!」

って怒ってくれると思ってたから

余計にショックが大きくて


22 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:51:18.38 ID:tfHpqhDK0
もう顔を上げることもできんで

海未ちゃんの顔見れんで

海未「それでは、私はこれから用事がありますので」

ベンチから立ち上がる海未ちゃん


23 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:52:27.37 ID:tfHpqhDK0
去り際に

海未「絶対に部室に来てくださいね」

と、ポツリ聞こえた

意味がわからんよ

なんで、嫌われてるのに皆に会わないといかんのか

でも


24 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:53:24.91 ID:tfHpqhDK0
もしかしたら穂乃果ちゃんやことりちゃんが

ウチの事助けてくれるかもしれん

そう考えると

希「やっぱ…………顔だけ出すかな……」

海未ちゃんが去ってから10分くらいした後に、ウチはベンチを立ちあがった


25 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:54:07.82 ID:tfHpqhDK0
やっぱり

誰も、おらんか

部室にやってきたんやけど

誰もおらんでな

荷物もないし、誰も来ていないみたいやね


27 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:54:48.86 ID:tfHpqhDK0
放課後になって

こんなに時間が経ってるんや

誰か一人ぐらい来てもおかしくないはずなのに

ウチ、やっぱり………

パイプ椅子に座り深くため息をつく


28 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:56:27.44 ID:tfHpqhDK0
驚くほどの静寂

いつもなら穂乃果ちゃんや凛ちゃんが話題を出して騒いで

ことりちゃんや花陽ちゃん、にこっちが乗っかって

エリちや真姫ちゃんが巻き込まれて

海未ちゃんが怒って

そんなことがもうずっと昔みたいで

まるでウチだけ遠い未来にタイムスリップしたみたいで


29 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:57:31.89 ID:tfHpqhDK0
今までカラフルで色鮮やかやった日々が

突然色あせてな

なんかもう楽しくないよ

明日は学校休もうかな


30 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:58:40.18 ID:tfHpqhDK0
もともと

今までが異常やったんよ

引っ越した先では、嫌な顔をされる時もあった

本当、音ノ木坂に入ってよかったよ

2年も楽しい時期が続いたのはなかったし


31 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 11:59:30.92 ID:tfHpqhDK0
μ's辞めよう

ウチよりもっとアイドルに似合う人がいるんやし

その方が、皆も喜ぶんやろ?

エリちやにこっちとも

できるだけ接さずに、遠くにいよう


32 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 12:00:32.40 ID:tfHpqhDK0
でも、最後に

机にうつ伏せになって、今までの事を思い出す

ほんと、ちょっとの間やったけど

すごく楽しかったなぁ


33 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/08(木) 12:01:16.90 ID:tfHpqhDK0
今日はここまで
残りは明日同じ時間ぐらいに投稿します。

41 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/08(木) 19:50:01.00 ID:BkXAhY/k0
5と6間違えんといてな

44 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:07:25.58 ID:5PHMRBxk0
ガチャ

扉が開く音がして

「希」

そう聞こえたんは、エリちの声

顔をあげてエリちを見る

最後に会った時と同じ平坦な声で————無表情で


45 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:09:04.74 ID:5PHMRBxk0
絵里「来なさい」

冷たい

初めて出会った時よりよそよそしく

ほんと、ウチを一人の人間として扱っていないような

そんななにか————


46 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:10:00.51 ID:5PHMRBxk0
絵里「来なさいって言ってるでしょ」

エリちがそう言うと、ウチの腕を掴んで無理矢理引っ張ってな

希「い、いやっ……!」

ついエリちの手を振り払って拒否してしまって

だってエリちすっごく怖いんよ


47 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:11:53.81 ID:5PHMRBxk0
絵里「いいから来なさい!!」

久しぶりに見た

エリちの感情

でもそれがこんなんなんて


48 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:13:15.64 ID:5PHMRBxk0
涙が出てな

もう、何もかもが嫌になって

力入らんよ

エリちに再び腕を掴まれて

後は引っ張られてな


49 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:14:07.32 ID:5PHMRBxk0
どれくらい歩いたかわからん

とにかく見えるのは

ぼやけたエリちの後ろ姿だけ


50 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/09(金) 11:22:39.81 ID:zvQvNchSo
ブリーチかよ

51 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:25:25.34 ID:5PHMRBxk0
気が付いたら

どこかの教室の前で立ち止まってな

エリちが振り向くと

絵里「入りなさい」

って

ウチは涙を拭いながら首を横に振ったんよ


52 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:26:01.60 ID:5PHMRBxk0
でも、ちょっと気付いたんよ

今のエリちの「入りなさい」は

冷たくない、いつものエリちの

優しい声に聞こえてん


53 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:27:00.43 ID:5PHMRBxk0
よく見ると

エリちの顔は無表情ではなく

どっちかっていうと小さな子供が何かを楽しみにしている

そんな、喜びを隠せてないっていうか

希「エリち………?」

ウチがエリちを呼ぶと

何か思い出したんか、さっきの冷たい表情に戻ってな


54 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:29:20.74 ID:5PHMRBxk0
絵里「こほんっ………。ほら、さっさと入りなさい」

咳払いをしたあと、ウチの背中を押して

希「え、エリち……!?」

その教室に入れられてな

そこで見たのは——————————


55 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:30:05.17 ID:5PHMRBxk0
穂乃果「希ちゃん!」

「誕生日おめでとー!!」

μ'sのみんなの満面の笑みと

パンッパンッ!

耳に響くクラッカーの音

は…………?


56 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:31:33.34 ID:5PHMRBxk0
教室中が、綺麗に飾ってあってな

机が何個かくっつけて

そこにはお菓子やらジュースやらあって

部屋の隅には、さっきにこっちが持っていた着ぐるみがあってな


57 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:33:15.99 ID:5PHMRBxk0
希「え………?どういう…こと、なん………?」

自分の置かれてる状況が把握できんでな

呆気にとられてん

すると後ろから、おどけた口調のエリちが

絵里「ほらほら、いつまでも目を丸くしてないで、もっと奥に入りなさいよ」

って、ウチの背中をぐいぐいおしてな


58 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:34:06.66 ID:5PHMRBxk0
穂乃果「いやー、なに驚いてるの。今日は希ちゃんの誕生日じゃないの」

え?

誕生日?

でも、ウチ………

希「もしかして…………勘違い…なん?」


59 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:35:57.10 ID:5PHMRBxk0
真姫「本当大変だったんだから」

ことり「希ちゃん勘が鋭いから、サプライズバースディパーティーばれるんじゃないかって皆心配してたの」

海未「まったく、皆。必死に隠そうとして、態度冷たくし過ぎです!」

絵里「そうよ、希ったら勘違いしてたわよ」

穂乃果「むしろ、海未ちゃんと絵里ちゃんがトドメさしたような……」

部室の静寂さはなく

この教室はとても賑やかで

ウチの大好きな皆がおってな


60 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:38:50.16 ID:5PHMRBxk0
希「じゃあ、みんなウチのこと嫌いになった訳や————」

ここまで言って

絵里「私たちが希を嫌いになんてならないわよ」

エリちが言葉を被せるように応える

よかった

本当によかったよ


61 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:40:05.23 ID:5PHMRBxk0
ポロポロ流れ出た涙は

暫く止まらんかったなぁ

少し落ち着いた後は、穂乃果ちゃんの乾杯の音頭で

ウチの誕生日会は始まったんよ


62 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:41:22.58 ID:5PHMRBxk0
花陽「希ちゃん」

花陽ちゃんが、やってきてな

さっきは逃げてごめんなさいって

ええんよ、もう気にしてないし

んで、さっき隠してたのを見せてくれるって


63 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:43:18.18 ID:5PHMRBxk0
机に置いてた箱を持ってきてな

箱を開けて中には

とっても美味しいそうなイチゴのロールケーキが入っててな

花陽「その、ね。希ちゃんが誕生日って聞いたから、ケーキ焼いたの」

凛「凜も手伝ったんだよ」

後ろから凛ちゃんの声


64 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:44:41.56 ID:5PHMRBxk0
花陽「形も不恰好で、味もあんまり自信ないんだけど……」

希「どれどれ」

お行儀悪いけど、人差し指でクリームをすくい取ってぱくり

甘くて甘くて、どんなお店のケーキよりとっても美味しいくてな

つい笑みがこぼれてな

希「とっても美味しいよ」


65 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:46:02.46 ID:5PHMRBxk0
もじもじと体をくねらせて照れる花陽ちゃん。とってもかわええよ

ありがとうな花陽ちゃん

凛「凜はね、ここのイチゴのせたの」

それと凛ちゃん


66 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:48:41.55 ID:5PHMRBxk0
海未「それにしても、希がここまで騙されるなんて思いませんでした」

海未「希の事ですし、気付いてるのではないか。とは思ってましたが……」

希「んー?いや、これはさすがにウチでも無理やで」

希「だって、ウチの誕生日今日やないし。ちょうど一か月後なんやし」

ウチの一言で

教室内が凍り付いた


67 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:50:05.98 ID:5PHMRBxk0
10秒ぐらい、誰一人動くこともせず

最初に動いたんは

凛「ど、どどどどどどういうことにゃー!?」

凛ちゃんで、エリちの肩を掴んでぶんぶんと揺さぶってな

遅れてエリちも

絵里「え、ええっ!?希の誕生日って5月9日でしょ!?去年もGW明けにお祝いしたじゃない!?」


68 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:51:12.16 ID:5PHMRBxk0
そういやそんなことあったなぁ

でも

希「エリち。ウチ、去年も言ったよ?ウチの誕生日は6月9日やって」

ウチの言葉を聞くとエリちが

ふっ、って力なく崩れてな

凛ちゃんが慌てて抱きかかえるも

凛「絵里ちゃん気絶してるにゃー!?」


69 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:55:14.47 ID:5PHMRBxk0
花陽「わ、私保健室の先生呼んでくるーっ!?」

そういって、一度扉に激突して保健室とは反対方向に走って行った花陽ちゃん

穂乃果「なんで誰も気づかなかったのー!?」

頭を抱えて絶叫する穂乃果ちゃん

ことり「こ、ことり知ってた。知ってたけど、絵里ちゃんが自信満々に5月9日って言うし」

ことり「誰も何も言わないから、「一か月早い」って所まで含めたサプライズなんだってばっかりに……」

泣き出すことりちゃん


70 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:56:02.27 ID:5PHMRBxk0
真姫「ああ、もう…………」

静かにうなだれている真姫ちゃん

海未「ああ………その……。の、希。私はどうすれば……」

涙目でおろおろしてる海未ちゃん

こんなに人数いてるのに

皆違う動きしてん

もう、なんか可愛い


71 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:58:31.90 ID:5PHMRBxk0
希「ええよ、ええよ。ひと月早いだけなんやし、皆ありがとうな」

ウチがフォローしてん

皆どっか抜けてるんやから

あ、抜けてるんはウチも一緒なんか

くすくす。あーやっぱりμ'sって面白いなぁ


72 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 11:59:27.73 ID:5PHMRBxk0
本当にありがとうな

エリちに凛ちゃん

穂乃果ちゃん、ことりちゃん、海未ちゃん、真紀ちゃん

それとここに居らんけど、花陽ちゃん

あれ、なんか一人足りんような………

ああっ!?


73 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 12:00:18.14 ID:5PHMRBxk0
希「そういや、にこっちはどこいったん?」

ウチがそう聞くと、凛ちゃんがな

凛「え?にこちゃんならそこに……」

って着ぐるみを指さしてん

もしかして、ずっと中に…………?

結構時間たってるけど、全然気づかんやったよ


74 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 12:00:58.36 ID:5PHMRBxk0
凛ちゃんが、うなだれてる真姫ちゃん呼んでな

真姫ちゃんが着ぐるみを揺さぶるってん

真姫「ちょっと、にこちゃん。いつまで寝てるのよ?」

ゆさゆさ

中から反応なくてな

ぐらっ

着ぐるみが倒れてん


75 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 12:02:45.30 ID:5PHMRBxk0
んで、倒れた拍子でビリッ!って大きな音とともに穴が空いてな

中から汗まみれのにこっちが見えてん

真姫ちゃんが覗き込むと

真姫「にこちゃん………って、大変!脱水症状を起こしてるわ!」

穂乃果「ええーっ!?」

これで、また大騒ぎ

本当になんなんやろうね


76 : ◆UFNnDwMYPk 2014/05/09(金) 12:03:16.95 ID:5PHMRBxk0
こうしてウチのサプライズバースディパーティーはうやむやに終わったんやけど

まったく、本当驚いたよ

それにしても、エリちがウチの誕生日全然覚えてくれんって

これはあとでお仕置きせんとな

くすくす。楽しみにしといてなエリち

おしまい

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