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1 : 2014/06/02(月) 22:40:53.44 -
・短編なのですぐ終わります
・ネタバレ注意
・「こんなの◯◯じゃない!」申し訳ありませんが、返す言葉もありませんお題スレを見ていたら興味深いお題を見つけたので、一日でやってくれました。
自分の本スレを更新待ちされている方にはすみません。
もう書き終えましたので、明日からはしっかり書きます。お題スレ本スレ
【ダンガンロンパ】苗木「みんなでお題SSを書くスレ?」【自由参加】
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401364318/お題は、「 もし○○が超高校級の絶望だったら」です。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401716453
ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401716453/
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2 : 2014/06/02(月) 22:42:27.86 ID:UvUTUmKSo - 朝日奈期待
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3 : 2014/06/02(月) 22:43:15.71 ID:QDalhsg60 - 葉隠期待
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4 : 2014/06/02(月) 22:48:41.12 -
>>2>>3
さっそくコメントありがとうございます。
が、残念ですが違います。今のところそれらの予定はありませんので、お題SSで投下してはどうでしょう?
完成度の高いものばかりで満足できると思います。では投下します。
投下中はコメントを返せません。失礼します。 -
5 : 2014/06/02(月) 22:51:58.14 -
最後の学級裁判 中盤より
苗木「三つ目の、石丸クンと山田クンが殺された事件には、一つの違和感があった」
十神「一見、周到に見える計画殺人だったが、要素の一つ一つを抜き出してみれば、あの計画殺人は運に大きく依存していたことが分かる」
苗木「特に、石丸クンの死体と山田クンの死体を同時に発見させる件だね」
霧切「それが失敗すれば計画そのものが破綻するにも関わらず、成功のための前準備も、失敗に備えた保険も特になし……」
霧切「今まで虎視眈々と機会を狙っていたにしては、はっきり言って杜撰と言わざるを得ないわ」
苗木「他にも、彼女しかジャスティスロボを目撃していなかったり、山田クンが死んだふりをしていた時の失言もそうだよ」
霧切「彼女は、あの事件の黒幕だったにも関わらず、計画が露見した時に真っ先に疑われる行動ばかり取っていた……」
十神「……まるで、疑ってくださいとでも言いたげだな?」
十神「そんなに犯行を暴いて欲しかったか?」
十神「もっと言ってやる。 そんなに処刑されたかったのか?」
モノクマ「……」
十神「観念しろ、セレス。お前はもう終わりだ」
モノクマ「……うぷぷぷぷぷ」
モノクマ「うぷぷぷぷぷ……うふふふふふ。あらあら」
モノクマ「なぁにが『お前はもう終わりだ』だよ! 調子乗ってんじゃねぇぞこのダボが!」
モクモクモクモク
セレス「今、ようやくクライマックスが始まるのです。そんなつれない言動は慎んでください」
朝日奈「セレスちゃん……!」
-
6 : 2014/06/02(月) 22:53:26.52 -
葉隠「ほ、本当に生きてたんか!?」
霧切「私たちはあなたの死体を直接見て確認したわけじゃなかった」
霧切「恐らく、消防車に引かれる直前に、舞台に仕込んだ仕掛けで脱出したのよ」
セレス「ええ。桑田クンを盛大にオシオキした甲斐がありましたわ」
セレス「つい先ほどまで、オシオキ
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7 : 2014/06/02(月) 22:54:54.55 -
さっそく貼りつけをミスしたようです。
すみません。 -
8 : 2014/06/02(月) 22:55:33.30 -
葉隠「ほ、本当に生きてたんか!?」
霧切「私たちはあなたの死体を直接見て確認したわけじゃなかった」
霧切「恐らく、消防車に引かれる直前に、舞台に仕込んだ仕掛けで脱出したのよ」
セレス「ええ。桑田クンを盛大にオシオキした甲斐がありましたわ」
セレス「つい先ほどまで、オシオキ
-
9 : 2014/06/02(月) 22:56:29.49 - どうもイコールが表示できなくて止まってしまうみたいです。すぐに修正します。
-
10 : 2014/06/02(月) 22:57:34.79 -
葉隠「ほ、本当に生きてたんか!?」
霧切「私たちはあなたの死体を直接見て確認したわけじゃなかった」
霧切「恐らく、消防車に引かれる直前に、舞台に仕込んだ仕掛けで脱出したのよ」
セレス「ええ。桑田クンを盛大にオシオキした甲斐がありましたわ」
セレス「つい先ほどまで、オシオキが死を意味するという先入観を疑った方などいらっしゃらなかったでしょう?」
苗木「そんな、……そんなことのために桑田クンを、あんな風に処刑したのか!」
セレス「ですからそう言っているでしょう」
セレス「彼のような野蛮な男は、わたくしの配下にふさわしくないのです」
十神「配下、か。以前語っていた動機は、あながち嘘でもなかったということか」
朝日奈「あの、おしろを建てて男の人を雇って暮らしたいっていうあれ?」
セレス「話が早くて助かります。今回のこの計画も、わたくしの夢のためという要因が大半を占めています」
腐川「い、意味がわかんないわよ! あんたの勝手な妄想に付き合わされて、何人死んだと思ってるのよ!?」
セレス「あなたにそんなことを諭される日がくるとは……。人生分かりませんね」
セレス「……そうですね。正確な数は把握しておりませんが、せいぜい50億程度でしょうか」
葉隠「……は? おめー、世界の人口が何人か知ってんのか?」
セレス「あなたらしい野暮な質問ですね。今の世界の人口は、10億前後ですわ」
葉隠「メチャクチャだべ……」
十神「完全にイカれているな」
霧切「……」
セレス「うふふ。そうですね。わたくしはおかしいのかもしれませんね」
セレス「では参りましょう。この血塗られた劇のクライマックスに」
-
12 : 2014/06/02(月) 22:59:44.30 - (本編と同じ展開にしかなりようが無かったので、真相解明は中略します)
-
13 : 2014/06/02(月) 23:00:51.16 -
十神「……」
霧切「……」
セレス「お分かりですか? 世界は、間もなく終わりを迎えるのです」
セレス「あなたたちが今までに経験し、悩み、行動したことは、全て無意味だったのです」
セレス「夢のために刃を握った舞園さんの覚悟も、何もかもを恐れて身を滅ぼした桑田クンの恐怖も」
セレス「弱さを克服しようとした不二咲クンの強さも、強さに縛られた大和田クンの弱さも」
セレス「裏切りに押し潰された石丸クンの守りたかった友情も、愛するもののために手をかけた山田クンの恋心も」
セレス「残された人間を想った大神さんの犠牲も、最初から死んでいた妹のために踊らされていた戦刃さんの姉妹愛も」
セレス「全てを知っていたわたくしから見れば、とてもとても涙ぐましくて、絶望的な『茶番』でしたわ」
朝日奈「……そんな、……そんなのって……」
苗木「……全部、踏みにじったのか」
苗木「ここにいる皆や、死んでいった皆の想いを、今みたいに笑いながら踏みにじったのか!」
セレス「心外ですわ。わたくしのポーカーフェイスを甘く見てもらっては困ります」
セレス「確かに笑いを噛み殺しはしましたが、超高校級のギャンブラーという肩書きにも、嘘偽りはございません」
苗木「この……!」
霧切「ダメよ、苗木くん。……今はまだ、ね……」
-
14 : 2014/06/02(月) 23:24:41.84 -
霧切「……あなたの」
セレス「はい、何でしょう?」
霧切「あなたの目的は何? 城を建てたのに世界を破滅させるなんて、……意味が分からないわ」
セレス「一言で言えば、ヒエラルキーの再構築でしょうか」
セレス「絶望に侵される前の世界では、城と賃金をかき集めたところで、わたくしの夢を叶えることはできませんでした」
セレス「金で繋ぎ止めるだけでは意味がないのです。わたくしに心酔し、崇拝する人間が必要でした」
セレス「なので、わたくしがこよなく愛する絶望に世界を染め上げ、その人間たちの頂点に君臨する。わたくしとそれ以外。とても分かりやすい身分わけですね」
十神「そのために、十神財閥も潰したのか……!?」
セレス「当然です。世界を裏から操る組織など、邪魔なだけではありませんか」
十神「貴様……!」
セレス「後は申し上げた通りですわ。わたくしは西洋の城で、吸血鬼の仮装を施した執事を侍らせて生活したいのです。……退廃的に」
セレス「終わりを告げる世界と、城の中で何不自由なく暮らす一人の女。その姿に酔いしれる数多の人間たち。……何と退廃的で、幻想的で、そして絶望的なんでしょう」
朝日奈「……本気で言ってるの? そんなことのために、たくさんの人を殺して何とも思わないの?」
セレス「何とも。わたくしはそもそも、この学園に来る前から違法賭博で何人もの人間を絶望に叩き落としているのですよ? 今さらそんなこと、気に病みませんわ」
セレス「そうそう、当たり前過ぎて忘れていました。もうひとつ、大切な理由がありました」
セレス「あなたたちを絶望させるためです。わたくしとのデスゲームに敗北し、いつかの殿方たちのような絶望顔をわたくしに見せてください」
セレス「その顔はわたくしにとって、一番勝利を実感させてくれるのです。他のどんな報酬にも代えられませんわ」
ジェノサイダー翔「げへへ! ヤッベーわこいつ。頭おかしいわ」
苗木(こんな自分勝手なやつに、絶対に負けられない!)
-
15 : 2014/06/02(月) 23:28:25.16 -
ノンストップ議論開始
苗木「絶望なんかに負けちゃダメだ!」
苗木「みんなの中にある【希望】は、絶望なんかに負けないんだ!」
セレス「あらあら。あなたは何も分かっていないのですね」
セレス「あなたたちが決める覚悟は逃げる覚悟です」
セレス「今ここで逃げても、誰も責めませんわ」
葉隠「【……】」
セレス「別に、どうしても死にたいと言うならば止めませんが、誰かは十中八九逃げますよ?」
セレス「せっかく生き残ったのですから、その命を無意味に投げ捨てることは、オススメしません」
朝日奈「【……】」
セレス「わたくしの城はすでに完成済みです」
セレス「絶望顔の素敵な殿方と、絶望的で儚い人生を過ごすのもよろしいのではありませんか?」
ジェノサイダー翔「【……】」
セレス「そもそも、仮に外に出て、一体何をなさるおつもりですか?」
セレス「あなたたちが外の世界に求めていたものは、もう跡形もなく滅んでいるのですよ?」
十神「【……】」
セレス「あなたたちは一度、絶望を選んだのです」
セレス「ただ元の鞘に戻るだけではありませんか」
セレス「あなたたちが生きるために払ってきた犠牲を……」
セレス「ありもしない希望のために無駄にしてしまうのですか?」
霧切「……」
セレス「うふふ。今この場で殺されるかもしれない」
セレス「万が一助かったとしても、その向こうには針の先端ほどの希望もない」
セレス「そんな選択を、全員がよぉ……」
セレス「できるわきゃねぇだろおおおおおお!」
苗木(みんなが、お互いの中の絶望を疑ってる……)
苗木(……ボクの、希望を……)
苗木(ボクの希望を、少しでもみんなに分け与えるんだ!)
-
16 : 2014/06/02(月) 23:30:10.89 -
葉隠「【……】」<希望]
苗木「希望を失っちゃダメだ!」
葉隠「当たりめーだろ……。こんなん、普通逃げるべ……」
葉隠「誰も責めるわけねーって分かってるけどよ……でも」
葉隠「なぜか逃げるのにありえねーくらい抵抗があってだな……」
葉隠「……だあああああああ!」
葉隠「だってそうだろ!? もし逃げるのが俺一人だけだったら、さすがの俺でもこたえるべ……」
葉隠「……」
葉隠「……昔はそんなん、気にしたことなかったんだべ」
葉隠「……おめーら。投票する時に、どっちを押すか教えてくれ」
葉隠「どんな上っ面だけの言葉でも、俺は絶対に信じるべ」
葉隠「昔っから散々騙されてっからな。へへ」
葉隠「最後くらい騙されても笑って許してやるべ!」
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17 : 2014/06/02(月) 23:32:52.17 -
朝日奈「【……】」<希望]
苗木「希望を失っちゃダメだ!」
朝日奈「……あの時に、さ」
朝日奈「さくらちゃん、言ってたんだよね……」
朝日奈「みんなは、本当はやさしいんだって……」
朝日奈「きっと、みんなと分かり合えるって……」
朝日奈「……みんなを信じろって」
朝日奈「だったら、私も信じなきゃダメだよね!」
朝日奈「やっぱり、ちょっと怖いけど……」
朝日奈「でも、信じるから! みんな、頼むよ!?」
-
19 : 2014/06/02(月) 23:36:12.34 -
ジェノサイダー翔「【……】」<希望]
苗木「希望を失っちゃダメだ!」
ジェノサイダー翔「……ふーん。絶望したイケメン男子と共同生活ねぇ」
ジェノサイダー翔「ウェヘヘ! 中々乙なもんなんじゃなーいー? ……って」
ジェノサイダー翔「なわけねぇだろうええぇぇぇえええ!?」
ジェノサイダー翔「そんなの全っ然萌えねぇし! そんな野郎共に囲まれて暮らすくらいなら、それこそ死んだ方がマシだっての!」
ジェノサイダー翔「てかそっか! アンタかよ、あの時白夜様を腑抜けに叩き落とす原因作ったやつ!」
ジェノサイダー翔「いやー、あの時ばかりは絶望しかけたわぁ……」
ジェノサイダー翔「でもぉ? 今は白夜様も立ち直ってくださったみたいだしぃ?」
ジェノサイダー翔「もうここにいる意味ってないじゃーん!
ジェノサイダー翔「つーわけでぇ、そんなブタ箱にぶちこまれるくらいなら死んでやるっつーの!」
ジェノサイダー翔「そして白夜様と地獄で結ばれるのよぉー!」
-
21 : 2014/06/02(月) 23:47:57.76 -
十神「【……】」<希望]
苗木「希望を失っちゃダメだ!」
十神「……この場において、考慮すべきことは二つある」
十神「一つ目。常識で考えれば、誰かが裏切る。これを信じるような奴は、理屈でものを考えないただの愚か者だ」
十神「……二つ目。お前らがその愚か者だと言うことだ」
十神「他人のために自決する奴に、死んだ奴のために心中を図ろうなんてふざけた奴もいる」
十神「そして、そいつの意図を理解するやつまでいる」
十神「そんな奴ら相手に、理屈など通用するはずがないだろう」
十神「……大方、お前らは俺を一番疑っているんだろう?」
十神「みくびるな! こいつの配下になど死んでもならん!」
十神「それに、十神財閥はまだ滅んでいない……」
十神「……まだ俺が残っている」
十神「俺をなめるな。外がどれほど荒廃していようが、俺が一代で持ち直して……」
十神「いや、壊滅する以前より数段も繁栄させてやるさ」
十神「そのためには、まずはここからでなければならないな」
十神「お前ら! この期に及んで尻尾を巻くなよ。これは命令だ」
-
22 : 2014/06/02(月) 23:53:17.28 -
苗木「絶望なんかに負けちゃダメだ!」
苗木「みんなの中にある【希望】は、絶望なんかに負けないんだ!」
セレス「あらあら。あなたは何も分かっていないのですね」
セレス「あなたたちが決める覚悟は逃げる覚悟です」
セレス「今ここで逃げても、誰も責めませんわ」
葉隠「俺は絶対に責めねぇ。おめーらを絶対に信じたからな!」
セレス「別に、どうしても死にたいと言うならば止めませんが、誰かは十中八九逃げますよ?」
セレス「せっかく生き残ったのですから、その命を無意味に投げ捨てることは、オススメしません」
朝日奈「さくらちゃんが信じたみんなを、私も信じるよ!」
セレス「わたくしの城はすでに完成済みです」
セレス「絶望顔の素敵な殿方と、絶望的で儚い人生を過ごすのもよろしいのではありませんか?」
ジェノサイダー翔「そんなブタ箱、死んでも御免だっての!」
セレス「そもそも、仮に外に出て、一体何をなさるおつもりですか?」
セレス「あなたたちが外の世界に求めていたものは、もう跡形もなく滅んでいるのですよ?」
十神「十神財閥はまだ滅んでいない!」
セレス「あなたたちは一度、絶望を選んだのです」
セレス「ただ元の鞘に戻るだけではありませんか」
セレス「あなたたちが生きるために払ってきた犠牲を……」
セレス「ありもしない希望のために無駄にしてしまうのですか?」
霧切「【……】」
-
23 : 2014/06/03(火) 00:13:33.59 -
セレス「……やせ我慢もここまでくると、逆に感心しますわ」
苗木「強がりなんかじゃない!」
苗木「みんな、自分の意思で希望を選んだんだ!」
苗木「外が絶望で溢れていたとしても、ボクたちの中にある希望は消えないんだ!」
セレス「人を上っ面で判断するなど、愚の骨頂です。あなた、5分後には死んでますよ」
霧切「……苗木くん。ここまで言えば分かるわね?」
苗木「うん。……みんな! 投票タイムだ!」
苗木「セレスさん! これで全部、終わらせるよ!」
-
24 : 2014/06/03(火) 00:14:31.64 - 貼りつけミスです。失礼しました。
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25 : 2014/06/03(火) 00:16:07.70 -
霧切「【……】」<希望]
苗木「希望を失っちゃダメだ!」
霧切「……少なくとも、学園長は……」
霧切「お父さんは、ここで『絶望』を選べとは言わないでしょうね」
霧切「絶望に屈したまま生きろとは、絶対に言わない……」
霧切「セレスさん、どうやら判断を誤ったようね」
霧切「今、私たちは、絶望に屈するためじゃなく、絶望を打ち崩すためにこの場にいるのよ」
霧切「絶望の手から逃れて、2年の歳月が流れたそうだけれど」
霧切「私たち6人と、そして倒れていったみんなのおかげで、ようやく反旗を翻す瞬間が訪れたのよ」
霧切「あなたは言っていたわね。『あなたたちは一度、絶望を選んだのです』と。……でも
霧切「……それは違う!」
-
26 : 2014/06/03(火) 00:17:41.32 -
セレス「……やせ我慢もここまでくると、逆に感心しますわ」
苗木「強がりなんかじゃない!」
苗木「みんな、自分の意思で希望を選んだんだ!」
苗木「外が絶望で溢れていたとしても、ボクたちの中にある希望は消えないんだ!」
セレス「人を上っ面で判断するなど、愚の骨頂です。あなた、5分後には死んでますよ」
霧切「……苗木くん。ここまで言えば分かるわね?」
苗木「うん。……みんな! 投票タイムだ!」
苗木「セレスさん! これで全部、終わらせるよ!」
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27 : 2014/06/03(火) 00:27:22.31 -
ー投票中ー
GUILTY セレス GUILTY
セレス「……」
朝日奈「あ、あはは……」
朝日奈「ありがとう、さくらちゃん……」
セレス「……は?」
セレス「何ですか、これは……?」
十神「分からないのか? なら教えてやろう」
十神「いいか? お前は負けたんだよ」
セレス「……はあああああああ!?」
セレス「どういうことだこれはよぉ!?」
セレス「死ぬっつってんだろうがよ! 一人でも裏切ったらその場で死ぬんだぞ!?」
セレス「何でそれで裏切らねーんだよぉおおお!?」
葉隠「何でって言われると、……俺はよく分からんから苗木っちたちに任せただけだべ」
セレス「特にてめーが意味わかんねぇ! こんな決断を丸投げするとか頭わいてんじゃねぇのか!?」
苗木「丸投げじゃないよ。ボクたちの言葉を信じてくれなきゃ、口で言っただけじゃそんなことできないよ」
セレス「こんな、こんなバカなことが……」
十神「無駄な遠回りだったな。もう一度言う」
十神「観念しろセレス。お前はもう終わりだ」
セレス「こんな、信じるしか能のない奴に……!」
苗木「ボクのこと、だよね?」
霧切「でも、少なくともあなたがそう思っていた苗木くんに、最初から誰も信じていなかったあなたは負けた」
霧切「そういう差じゃないかしら。あなたには、きっと分からないだろうけれど」
セレス「……っ」ギリッ
ヒラッ パサ
霧切「……何かしら」
セレス「……」
セレス「……あら、届いたのですね。写真が」
十神「写真だと?」
セレス「ええ、それも撮りたてですわ」ピラッ
セレス「……うふふ」
葉隠「げぇ!? この上ないくらい安らかに笑ってんぞ!?」
セレス「笑わずにいられますか? ついにわたくしの望んでいたものが手にはいったのですよ?」
セレス「これは冥土の土産に持ってこいというものですわ」
朝日奈「冥土の土産? ……あ!?」
-
28 : 2014/06/03(火) 00:30:40.63 -
苗木「ま、待った! 何も死ぬことは……」
セレス「あら? まさか考慮していなかったのですか?」
セレス「あなたたちが勝利した場合、わたくしは処刑されます」
セレス「それが学級裁判のルールではありませんか」
セレス「これが脱出スイッチです。お好きにどうぞ」ポイッ
十神「随分とあっさりしているな」パシッ
セレス「あら、ご心配なく。今度はしっかり死体までご覧に入れますわ」
セレス「最期は違う形になってしまいましたね」
セレス「終わりを迎える世界。処刑台に上る矮小な一人の女。心酔している女を裏切って処刑する数多の人間たち。何と刹那的で、現実的で、そして絶望的なんでしょう」
朝日奈「そうじゃないでしょ!?」
朝日奈「何で平気なの!? 自分に嘘ついてごまかしてるの!?」
セレス「ルールにはそれこそ死んでも従わなければなりません」
セレス「わたくし、曲がりなりにもギャンブラーですから」
朝日奈「だから、そうじゃなくて……!」
ジェノサイダー翔「あー、ムダよ。こういう人種の考えは、アンタみたいな人間には理解できないのよ」
ジェノサイダー翔「アタシが言うんだから、まぁ間違いないっしょ?」
朝日奈「でも、そんなの……」
霧切「……あなたには、感情が、……心がないの……?」
セレス「無礼ですわね。ありますわよ、心くらい」
セレス「ただ、野心以外はギャンブルに必要無かったのでさっさと捨てましたが」
十神「……手の施しようがないな」
セレス「うふふ。敗者にはもう、噛みつく権利すらありませんわね」
セレス「では、初めましょうか。グランドフィナーレですわ」
セレス「それではみなさん、ごきげんよう」
セレス「またすぐにお会いしましょう」
GAME OVER
セレスさんがクロに選ばれました。
オシオキを開始します。 -
29 : 2014/06/03(火) 00:34:50.65 -
貧相な劇場の舞台上、真上のスポットライトに照らされたセレスさんは、その舞台にふさわしい安物のソファーに腰かけている。
真上のスポットライトは、モノクマのお面を被った15人の男女たちに支えられていた。グランドフィナーレ
人力で支えられているだけの不安定なスポットライトは、時折ギシギシと軋みながらその身を揺らす。
その揺れに合わせて、セレスさんを照らす灯りも不安定に揺れる。
しかし、それは落ちない。
何分、何十分、やがて一時間経過しても、スポットライトは一向に落ちてこない。
真下に座っている彼女は、頬杖をついて例の写真を眺めている。二時間、三時間。四時間。
まだ落ちない。15人とはいえ、すでに人間の限界はとうに超えているはずだ。
しかし彼らは離さない。それを離せば、彼らの崇拝する彼女が死んでしまうから。
セレスさんは眺めていたその写真に飽きたのか、ポイッと床に投げ捨てる十二時間が経過した頃、一人が堪えきれずに手を離した。
二人、三人と手を離し、その場に倒れこむ。
しかし、スポットライトはまだ落ちない。
セレスさんは手持ち無沙汰になったのか、足を組んだまま、大きなため息を吐いた。ほぼ丸一日経過した頃、轟音によってボクたちは目を覚ました。
それが最初、頭にフルフェイスの帽子を被っているかのように見えたのは、スポットライトの笠がセレスさんの頭に被さっていたからだった。
ライトの破片と、頭から滲み出る血の海の真ん中で、セレスさんはひしゃげたソファーと共に横たわっていた。上で支えていた彼らは、口々に謝罪の言葉を連ねている。
ボクたち6人の中に、セレスさんが死んだ瞬間を見た人はいなかった。ボクたちの最後の学級裁判と、セレスさんの一人ぼっちのグランドフィナーレは、こうしていつの間にか終わりを告げた。
セレスさんの死体の近くに、あの写真が落ちている。
そこに写っていたのは、セレスさんの敗北が決まった時の、セレスさん自身が絶望した瞬間の表情だった。終わり
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