あやせ「あ、ゴムに穴が開いてるんですけど!」


1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 08:45:38.32 ID:NlTuUd6A0
余白 


ソース: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332546338/


5 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 08:51:39.24 ID:kQxoKjFi0
あやせ「どういうことですかお兄さん!!!もしかしてわざとですか!?そうなんでしょう!!」

京介「待て待て落ち着けあやせ!!断じてわざとなんかじゃねえ!!」

あやせ「最ッ低ですね!!責任とってくださいよ!!」

京介「責任って、どうすりゃいいんだよ!!」

あやせ「結婚してくださいっていってるんですよ!!」

京介「」

つってね


10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 09:13:35.64 ID:kQxoKjFi0
京介「ま、まてまて、まだ出来ちゃった訳じゃないんだからさ、しばらく様子を」

あやせ「様子って本当に出来てたらどうするんですか!!子供服におもちゃも用意しないと!!」

京介「産む気まんまんじゃねぇか!!」

あやせ「あ!先走っていました!まずは式の準備でしたよね!そうと決まればドレスを見に行きましょう!」

京介「落ち着けあやせ!仮にできてたとしても無理に結婚せずに、不本意だが・・・堕ろすという手も」

あやせ「え?私は別に無理なんかしてませんよ京介さん」

京介「もう新婚ムードかよ!」

あやせ「私は京介さんと結婚したいですよ」ニコッ

京介「お・・・ぅ・・・」

つってね


18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 09:41:51.18 ID:kQxoKjFi0
あやせ「見てくださいよこのドレス!あ、これなんかも…….」

京介「・・・ははっ、こりゃもう降参だな」

京介「結婚なんて、まだまだ先の話だと思ってたんだけどなぁ」

あやせ「どうですか京介さん!」

京介「・・・あぁ、お前はなんでも似合うよ」

あやせ「もぉ~京介さんったら~///」

京介「よし、結婚しよう!!!!」

あやせ「・・・!」

京介「式を挙げたら旅行へ行こう、行き先はそうだなぁ、やっぱり海外だな!」

京介「子供は3人欲しいなぁ、そんでその時はみんなで旅行だ!」

京介「一生お前の隣にいてやる!!だから結婚しよう!!」

あやせ「うぅ・・・はいぃ・・・」

______
___
_

あやせ「そうやってあなたが生まれたのよ~」


19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 09:45:22.89 ID:kQxoKjFi0
子供「へぇーよくわかんない!!」

あやせ「ふふ、あなたもそのうちわかるわよ」

ピンポーン

京介「おーい、あけてくれー」

子供「パパだ!!」ダッ タタタ

あやせ「はいはーい」

京介「ただいまあやせ」

あやせ「おかえりなさい、京介さん」ニコッ

END


23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 09:53:12.12 ID:LTtPceAt0
真奈美「あのね、京ちゃん。いまさらこんな事言うのも変だけど、破れてるよこれ。」

京介「悪い。不注意だった。」

真奈美「京ちゃんだけの責任じゃないよ。私も確認すればよかったんだよ。」

京介「そんな事はない。お前に責任は無いさ。」

真奈美「うん、ありがとう。でももし・・・だったらどうしよう。」

京介「結婚しよう」


27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 10:04:22.49 ID:I6kOTSKE0
あやせ「ちょっとお兄さん、何してくれるんですか!」

京介「す、すまん。気づかなかったんだ」

あやせ「気づく気づかないの問題じゃないでしょう! 子供が出来たらどうするんですか!?」

京介「その時は、お前と一緒に育てるよ」

あやせ「なっ……!」

京介「まあ冗談はさておき、大丈夫だろ? この前生理来たって言ってたじゃねえか」

あやせ「そ、それはそうですけど……万が一って場合も」

京介「ああ分かった分かった。それよりも早く二回戦やろうぜ」

あやせ「ちょっ、お兄さ……きゃあっ!」


31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 10:07:48.86 ID:I6kOTSKE0
自宅

京介「ただいまー」

桐乃「…………」

京介「おい、挨拶くらいしろよ」

桐乃「……またあやせのとこ行ってたの?」

京介「お前には関係ないだろ」

桐乃「あ、あやせは……私の友達だし……」

京介「俺の彼女でもある」

桐乃「ッ……第一あんた、妹の友達と付き合うとか……マジキモいんだけど」

京介「キモくて結構。お前には感謝してるよ。お前がいなかったらあやせとは会えなかったし」

桐乃「…………」

京介「そのせいで今お前とあやせの仲が悪くなってんなら……悪い」


33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 10:08:38.79 ID:B4V2wjqo0
長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいました!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです(正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸れたのか、それは人それぞれだと思います。
少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちになってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします!ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!

34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 10:11:46.36 ID:I6kOTSKE0
桐乃「悪いで済むと思ってんの!?」

京介「思っちゃいねーよ。でもどうしようもないだろ。あやせはお前と仲直りしたがってるんだぜ?」

京介「それを肝心のお前が拒絶してるんじゃねーか」

桐乃「そ、それは……」

京介「俺としてもいろいろしてやりたいがな。他でもない妹のために」

京介「けどお前がその態度じゃ、どうしようもねえよ。正直お手上げだ」

桐乃「…………」

京介「……悪い、長くなったな。そんじゃ」


35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 10:15:05.70 ID:I6kOTSKE0
翌日

京介「すまん、あやせ。待たしちまったな」

あやせ「あ、いえ。そんなことないですけど」

京介「そんじゃ行こうぜ。今日はお前のショッピングだろ?」

あやせ「なんか無理に付き合わせてるみたいで、すみません」

京介「何言ってんだよ。俺たち彼氏彼女なんだから、当たり前だろ?」

京介「お前に似合う下着、ちゃんと見つけてやっからさ」

あやせ「もう、お兄さんはそんなことばっかり……」

京介「…………」


36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 10:19:57.65 ID:I6kOTSKE0
京介「おりゃっ」

あやせ「きゃあっ!? ちょ、急に私の胸揉まないでください! この変態! スケベッ!!」

京介「わわっ、いてぇっ! 分かったから蹴るのを止めてくれ!」

あやせ「何をどう分かったっていうんですか! 通報しますよ!?」

京介「へへっ……やっといつものあやせらしくなってきたな」

あやせ「な……す、すみません」

京介「何でお前が謝るんだよ。それより早く行こうぜ」

あやせ「……そうですね」

あやせ「あの、お兄さん」

京介「あん?」

あやせ「私のこと……好きですか?」


40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 10:24:17.83 ID:I6kOTSKE0
京介「好きだよ。じゃなかったら付き合わねえだろ」

あやせ「そうです、よね。すみません」

京介「謝んなって……お前は、俺のこと好きか?」

あやせ「っ……はい。どっちから告白したと思ってるんですか」

京介「お前が元気ないのは、桐乃と仲が悪いからか?」

あやせ「べ、別にそんなことないですけど」

京介「ふうん。まあそんな気負いすんなよ。あいつが意地っ張りなのが悪いんだからさ」

あやせ「そんなことありません。私が……」

京介「? お前が?」

あやせ「……いえ、何でもありません。行きましょう」


41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 10:27:13.98 ID:I6kOTSKE0
繁華街

京介「おっ、この服なんかお前にピッタリじゃねーか」

あやせ「ええ、なんか地味すぎませんか……?」

京介「そう? 似合うと思うけど」

あやせ「……じゃあ買います」

京介「わわっ、ちょい待てよ! 良いって言っただけで、買えとは言ってないだろ!」

あやせ「でも、似合うんでしょう?」

京介「まあ、な」

あやせ「これ着たら、私……可愛いですか?」

京介「そりゃもちろん。世界一だって狙えるぜ?」

あやせ「じゃあ買います」

京介「お、おい!」


42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 10:30:46.51 ID:I6kOTSKE0
京介「あーもう、分かった。ちょっとその服貸してくれ」

あやせ「? いいですけど……」

京介「よし、そんじゃ行ってくる」

あやせ「ってお兄さん! なんでレジに!」

京介「俺が似合うって言ったんだ。俺が買って、お前にプレゼントする」

あやせ「ななな何言ってるんですか! 貧乏学生のくせにッ!」

京介「年下のお前に言われると傷つくな……いいんだよ、ちょっとくらい格好つけさせてくれ」

あやせ「お兄さんが格好つけてもゴキブリ以下には変わりありません!」

京介「それはひどすぎね!?」


43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 10:36:19.34 ID:I6kOTSKE0
京介「……よし、買えた。ほら」

あやせ「あ、ありがとうございます」

京介「これで少しは機嫌直ったか?」

あやせ「私は元から機嫌悪くなんかありませんよ!」

京介「へいへい。いつの間にか、暗くなってきたな……この後、どうする?」

あやせ「え……」

京介「遅くなるとマズイし、家帰るか」

あやせ「……」

京介「次こそあやせの好感度をグーンッて上げられればいいんだけどな。そんじゃ、また」

あやせ「べ、別に低くなんかありませんよ」

京介「……そうかあ?」

あやせ「お、お兄さん。また帰らないでください。わ、わわわ私を……この後、だ、抱いてください」


45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 10:39:07.67 ID:I6kOTSKE0
京介「……何言ってるんだ、お前?」

あやせ「い、いいじゃないですか! 女子中学生を抱けるんですよ!? 普通だったらお兄さんなんて牢屋行きです!」

京介「……いいのか?」

あやせ「さっきからそう言ってるじゃないですか」

京介「ふうん……じゃ、行くか」

あやせ「……はい」

京介「一つ言っておきたいんだけどさ、」

あやせ「え?」

京介「体を合わせたからって、人を好きになれるわけじゃないんだぞ」


46 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 10:41:41.04 ID:I6kOTSKE0
翌日

京介「ふぁ~あ」

桐乃「…………」

京介「おはよ、桐乃」

桐乃「…………ふん」

京介「まだあやせとは仲直りしてないのか?」

桐乃「……あんたには関係ないでしょ」

京介「何が不満なんだよ? ただ意地張ってるだけか?」

桐乃「うっさい。私に話しかけないで」

京介「ちぇっ。せっかく最近、仲良くなってきたかと思ってたのにさ」

桐乃「…………」


47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 10:46:30.02 ID:I6kOTSKE0
桐乃「……あんた、あやせのどこに惚れたの?」

京介「どこって……可愛いし、たまに怖いけど、思いやりもあるし」

京介「どっかの誰かさんみたく、意地っ張りでもねえしな」

桐乃「っ……。ふん、そう。よかったね」

京介「でももうなんか飽きてきたし、別れよーかな」

桐乃「……は?」

京介「あいつって何か重いんだよな。気軽に話せないっつうか、」

京介「体は十分堪能できたし、そろそろ捨てよっかな」

桐乃「あ、あんた何言って……ッ!」

京介「んだよ? 何か問題あるか? お前今、あやせと友達でもねえんだろ」


49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 10:49:51.78 ID:I6kOTSKE0
桐乃「……最ッ低」

京介「…………」

桐乃「あやせに言いつけてやるんだから……!」

京介「おいおいちょっと待ってくれ。別れたいってのは冗談だ」

桐乃「は?」

京介「あともう一、二回ベッドを共にしてから別れたいな」

桐乃「ッ! 死ね! この糞兄貴!!」

京介「ぐあ! いったた……」

桐乃「二度とあやせに近づかないで!」

京介「……ふん、分かったよ」


53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 10:54:50.60 ID:I6kOTSKE0
京介「あ、いつつ……あいつマジで蹴りやがって……」

京介「……ったく、面倒なこった」

prrrr prrrr

京介「電話? ……あやせからか」

京介「もしもし」

あやせ『お、お兄さん! 一体どういうつもりですか!?』

京介「桐乃から聞いたのか? どうもこうも、言った通りだよ」

あやせ『……っ』

京介「それを知られちまった異常、もうこの関係は続けらんねえな。そんじゃ」

あやせ『待ってください』

京介「……なんだよ」

あやせ『公園。分かりますよね? ……そこで待ってますから』

京介「おいおい、俺はお前に会うなって桐乃から……おわ、切りやがった」


55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 10:59:32.42 ID:I6kOTSKE0
公園

あやせ「お待ちしてました」

京介「悪いけど長居はできないぜ。桐乃にバレたら大変だ」

あやせ「分かってます。でもどうしても理由が知りたくて。……なんで、あんなことしたんですか」

京介「あんなこと?」

あやせ「私と体目当てで付き合ったとか……なんで、あんな嘘を」

京介「嘘じゃねーよ。お前自惚れすぎじゃねえの? 俺は最初から好意なんてなかったんだ」

あやせ「……服」

京介「あん?」

あやせ「服、買ってくれましたよね。あれも違うんですか」

京介「…………」


57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 11:02:22.44 ID:I6kOTSKE0
京介「……違うね。あーしとけばお前が離れずに、このまま利用できるかなって思ったんだ」

京介「現に俺は、お前とよくベッドに行ったじゃねえか」

あやせ「そ、それは……そうですけど」

京介「だろ? だから……」

あやせ「でも全部、私から誘ったものじゃないですか」

京介「…………」

あやせ「嘘はもうやめてください。なんであんなことを桐乃に言ったんですか?」

あやせ「私のこと……嫌いになったんですか?」


59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 11:06:38.54 ID:I6kOTSKE0
京介「…………好きだよ、今も」

あやせ「じゃあ何でッ!」

京介「自分を好きでもない女に、これ以上無理させられるかよ!」

あやせ「っ……!」

京介「お前はお人良しだな。普通、電話かけて、俺に怒りをぶつける場面だぜ、あそこは」

あやせ「……怒ったじゃないですか」

京介「ちげえよ。ふざけんなとか、最低だとか、お前なんか嫌いだ……とか。そういう言葉をぶつける場面だって言ってんだ」

あやせ「…………」

京介「なのにお前は、一体どういうことかって、俺が嘘をついてると信じきってるようなことを言ってきた」

京介「あやせのそんなとこが、俺は大好きだったよ」


63 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 11:12:28.07 ID:I6kOTSKE0
京介「でも、お前は違うよな」

あやせ「……そんなことありません。現に私はお兄さんを信じていたじゃないですか」

京介「お前が信じてたのは、桐乃の兄貴である俺であって、彼氏の俺じゃないだろ?」

京介「ずっと呼び方がお兄さんってのが、その証拠だ」

あやせ「…………」

京介「お前は俺と付き合ってなんかいなかったんだよ。どこか物憂げな顔でいつも遊んで、たまたま体を重ねちまっただけだ」

あやせ「……わたしは」

京介「俺のこと好きでもないのに、付き合わせちまってごめんな。無理させて……ごめん」

あやせ「……謝らないでくださいよ。私から、全部誘ったんじゃないですか」

京介「だとしてもだ。もっと早く、こうするべきだった」

京介「お前と今まで付き合っていたのは、俺の勝手なわがままだったんだよ」


64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 11:20:08.38 ID:I6kOTSKE0
あやせ「……もしそうだったとしても、桐乃にそれを知らせる理由は、ないんじゃないですか?」

京介「確かにな。俺が直接お前にこう言って、終わらせることもできた……でもよ、ならあやせ、」

京介「なんでお前は、好きでもない相手に告白したんだ?」

あやせ「……」

京介「お前がそんな無理すんのは、大抵桐乃絡みのことだ」

京介「大方、俺が桐乃に手を出すんじゃないかと思って——代わりに自分を差し出した。違うか?」

京介「だから俺は、桐乃との仲も悪くして……そうすれば、全部丸く収まるはずだと」

あやせ「……違いますよ」

京介「え?」

あやせ「私は、そりゃ今でもお兄さんのことを変態で、鬼畜だと思っていますけど……」

あやせ「桐乃に手を出すなんてことは、もう思っていません」


67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 11:25:26.30 ID:I6kOTSKE0
あやせ「逆なんです」

京介「逆?」

あやせ「桐乃がお兄さんのことを——好きになりかけていたんです」

京介「へえ、あいつが俺のことを……ってハア!?」

京介「あ、あやせ! お前いきなり何言ってんだ!?」

あやせ「この前、桐乃が相談してきたんですよ。好きな人がいるかもって」

あやせ「それがまるきり、お兄さんそのもので……名前を出されなくても、しっかり判断できました」

あやせ「でもそれは……許されないことだから、だから私が先にお兄さんを奪って……桐乃に諦めさせようと」

京介「そう、だったのか……。いや、未だに信じらんねえけど」

あやせ「今考えてみると、最低ですよね、私。人の恋路を邪魔した挙句、お兄さんにまで迷惑かけて」

あやせ「本当、すみませんでした」

京介「……いいさ。気にすんな」


70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 11:32:43.02 ID:I6kOTSKE0
あやせ「でも……!」

京介「兄妹の仲ってのは、切っても切り離せねえもんなんだよ。現に昔は口もきかなかった俺と桐乃が、仲良くなれた時もあった」

京介「そん時に比べりゃあ、今の状況なんて危なくすらねえ。超イージーモードってとこだ」

あやせ「お兄さん……あの、私、桐乃に誤解を解きますから」

京介「おいおい、そんなことしたら、お前が本当に嫌われちまうかもしれないぞ?」

あやせ「いいんです。元はといえば、全部私のせいですし——それに、」

京介「それに?」

あやせ「桐乃のためだけにお兄さんと付き合った……それは違うと思うんです」

あやせ「確かに私は、遊んでいるときも常に罪悪感が圧し掛かって、それを振り落とすためにお兄さんと体を重ねたりして、無理をしているように見えたかもしれませんけど、」

あやせ「私は、お兄さんのこと……好きって気持ちも、少しあったんだと思います」

京介「マジでッ!?」

あやせ「わわっ! そんなにがっつかないでください! ブチ殺しますよ!?」

あやせ「あ、あくまで少しですから! 勘違いしないでくださいね!」

京介「ああ。……へへ、そうか。あんがとな」

あやせ「べ、別にお礼なんて……それじゃ、失礼します」


72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/24(土) 11:38:07.96 ID:I6kOTSKE0
後日

桐乃「ちょっとあんた、まだ支度できないわけ?」

京介「す、すまん。髪型がどうも……」

桐乃「あんたが格好つけたところでゴキブリ以下には変わんないって。それより、あやせもう来てるよ?」

あやせ「お待たせしました~」

京介「うおおっ、マズイ! ええい、もうこれでいいや!」

桐乃「ちょっ、あんた寝癖……はあ、まあいいや」

あやせ「桐乃、お兄さん、まだですかー?」

京介「すまん! もう行く!」

桐乃「そんじゃ、荷物持ち頼むわよ?」

京介「誰が荷物持ちだ——よし、行くぜ」

あやせ「……あ、お兄さん」

京介「うん?」

あやせ「……今日も、その、かっこいいですね……っ」

                            END

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