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1 : 2013/10/12(土) 23:25:17 -
ユミルとベルトルトのお話。
訓練兵になって2年目のゆるい日常。
終盤47話と合流します。
47話までのネタバレあり。ユミル「ベルトルさんはかわいいなぁ…」ジッー
ベルトルト「・・・・は?」
ユミル「ん?…あぁ思わず声に出しちまってた」
ユミル「別に深い意味はないんだが。ま、ちょっとこっち来て座りな」
ベルトルト「う…うん」
ユミル「同期の奴らがさ、最近みんな可愛くて仕方ない。なんでだろうな」
ベルトルト「さぁ…?どっか頭でも打ったんじゃないの?」
ソース: http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1381587917/
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2 : 2013/10/12(土) 23:28:03 -
ユミル「ダハハ!惜しいな、打ったのは頭じゃなくてあ…ベルトルト「ねぇユミル」
ユミル「ん…なんだ?」
ベルトルト「今、僕のこと『かわいい』って言ったよね」
ユミル「あぁ…ベルトルさんは、かわいいよ」ニコッ
ベルトルト「具体的にどこら辺が?今までそんな事、誰にも言われたことないんだけど…」
ユミル「知りたいか?」
ベルトルト「うん」
ユミル「…じゃあ教えない。」
ベルトルト「…」
ユミル「って、なんて顔してんだよ。冗談だよ」
ユミル「気が向いたら教えてやる。だって、本人目の前にして説明するだなんて恥ずかしいだろ」
ベルトルト(自分から言い出したくせに…)
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3 : 2013/10/12(土) 23:31:28 -
・
・
・
・ユミル「なぁ、クリスタのかわいさなら今すぐ教えてやってもいいぞ。」
ベルトルト「それは別にいいよ。言わなくても」
ベルトルト(ライナーから毎日のように聞いてるし)
ユミル「…そっか、いちいち言わなくてもわかってるよな」
ベルトルト「まぁ…同期のアイドルだからね…」
ベルトルト(みんな彼女に興味を持ってるみたいだけど、僕にはさっぱりだ。毎日つむじしか見てない気がする。)
ベルトルト(これはユミルには言わない方がいいかな…怒られそう)
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4 : 2013/10/12(土) 23:34:36 -
ユミル「ん~~~…あと同期でかわいい奴と言えば…」ユミル「あぁ!サシャもかわいいな」
ユミル「まぁ、単純に顔だけならクリスタの方が100倍可愛いが…なんていうか、サシャは愛嬌がある。」
ベルトルト「へぇ」
ユミル「男子どもに陰で芋女なんて呼ばれちゃいるが、別に奴らが思ってるほど、あいつはがさつじゃねぇよ」
ユミル「ちっとばかし食い意地張ってるだけで存外臆病だし、バカだけどいい奴だよ。妙に勘が鋭いしな」
ベルトルト「なるほど…ていうか後半可愛いと関係ないよね?勘が鋭いとか」
ユミル「そうか?ま、それもひっくるめてサシャはかわいいってことで」
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5 : 2013/10/12(土) 23:37:43 -
ベルトルト「ねぇ…」
ベルトルト「ユミルから見てライナーはどう見える?主に『かわいい』視点で」
ユミル「おい…なんでサシャからいきなりライナーなんだよ」
ベルトルト「さっきみんなかわいいって言ってたから…一応ライナーも含まれるのかなって」
ユミル「お前の振りには…いろいろ無茶があるな」
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7 : 2013/10/12(土) 23:44:41 -
ユミル「ライナーな…」ユミル「男子共には人望あるよな。何かと面倒事に首を突っ込んでは頼られてる感じだ」
ベルトルト(そこには僕らも困ってる)
ユミル「根は素直で純情じゃないか?浮いた話も聞かないし」
ベルトルト(純情は純情だけど男子寮では下ネタ多いよ…ライナー)
ユミル「食事の時なんかクリスタの向かい側に座りたそうにしてモジモジしてるな」
ベルトルト(えっ…そうだっけ?)
ユミル「そん時はちょっとかわいいなと思った」
ベルトルト「…」
ユミル「だが、もしクリスタに手を出そうとしやがったらただじゃおかねぇ」ギリッ
ベルトルト「いや、ライナーああみえて結構紳士だから大丈夫じゃない?(多分…)」
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8 : 2013/10/12(土) 23:47:53 -
ベルトルト「あと、そうだなジャンとかはどう?」
ユミル「あ~…あいつなぁ」
ユミル「あいつさ、ミカサのこと好きだろ?」
ベルトルト「えっ?!あ、うん…そうみたい。いつも寮でミカサの話してるよ」(主にマルコ相手に)
ユミル「やっぱな。あれバレバレだもんな~」
ユミル「だけど、ミカサはまったく気付いてない…それどころか毎日、無自覚に幼馴染にべったりだ」
ユミル「ありゃどうみても悲恋だよなぁ…」
ベルトルト「うん…報われないね。ジャン…」
ユミル「でもそこがいい!ああみえて結構打たれ強いところとかギャップよくねぇ?」
ユミル「無駄に前向きっつーか。そういうとこかわいいよな」キラキラ
ベルトルト「」
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9 : 2013/10/12(土) 23:54:54 -
ユミル「このまま地道に頑張ってきゃ、あいつにもいつか確変来るかも知れねぇし」
ベルトルト(絶対ないな…)
ベルトルト「ねぇそれ、本気で言ってる?」
ユミル「ははっ…ま、少年よ大志を抱けってやつだ。」
ベルトルト「はぁ…」
ベルトルト「ユミル、まるでおばあちゃんみたい」ボソッ
ユミル「あ?」
ベルトルト「僕も含めて回り全部を孫でも見てるみたいに…達観してるっていうか」
ユミル「おいおい、おばあちゃんって…ベルトルさんには私がそんなババアに見えんのか?」
ベルトルト「いや、普通に女の子に見えるけど」
ユミル「普通に返すなよ…。『女の子』に見えるならそんなしょーもないこと言い出すなって」
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12 : 2013/10/13(日) 00:05:57 -
ユミル「で、ああいう奴が早死にするんだよ。いざという時、多分仲間を見捨てられない」ベルトルト「…」
ユミル「でもま、サシャ同様勘がいいから意外にしぶといかもな。今の成績維持できたら憲兵団への入団も夢じゃねえし」
ユミル「内地入っちまえばそうそう死なねえだろ。それこそ壁が破壊されない限り戦う機会もねぇんじゃねーの」ケラケラ
ベルトルト「…」
ユミル「どうした?ベルトルさん」
ユミル「急に静かになっちまったが、私の話は退屈か?」
ベルトルト「いや…そんなことないよ。続けて」
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13 : 2013/10/13(日) 00:10:35 -
ユミル「そうか?…」ユミル「えっと、コニーはまだこの世界で本当の絶望を知らない甘ちゃんだ。」
ユミル「正直、あいつは貴重な人材だと思う。見てて和む。存在がかわいいっていうかな」
ユミル「あ、本人にはいうなよ。内緒だからな」ニヤニヤ
ベルトルト(ユミルは内心、コニーの事悪くは思ってないんだな…喧嘩するほど仲がいいって奴か)
ベルトルト「絶望…か…」
ベルトルト(じゃぁユミルはどこまで本当の絶望を知ってるの?)ユミル「おい。ベルトルさん、震えてるが…どっか具合でも悪いのか?」
ベルトルト「…大丈夫」
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20 : 2013/10/13(日) 21:20:30 -
これから投下します。
序盤は全キャラ「かわいい厨」のユミルを書いていたのですが、
今しがた、シガンシナ3人組だけ、辛辣に書き直しました。
ミカサもアルミン好きです。104期だと4番目ぐらいに。コメ嬉しかったです。
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21 : 2013/10/13(日) 21:26:09 -
ベルトルト「ユミルは、エレンやミカサ、アルミン達の事はどう思ってる?」ベルトルト(彼らは絶望を知っている…)
ユミル「どう思うって、この流れから行くとかわいいところをあげなきゃなんねーんだよな」ウーン…
ユミル「エレンは真っ直ぐだな。なんか痛いくらいに。んで、駆逐バカだな」
ユミル「でも、そうなった理由はわからなくもない」
ベルトルト「4年前の…」
ユミル「ミカサは…あいつはなんか気持ち悪ぃな。完全無欠の超人類かよ…」
ベルトルト「…それは言い過ぎだよ」
ユミル「アルミンは頭良いのは認めるが、身体能力は並み以下のところが気に入らない」
ユミル「兵士はみんな、体力勝負だろ」
ベルトルト「でも、人には向き不向きがあるし…」
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27 : 2013/10/13(日) 21:49:35 -
ユミル「なぁ…ベルトルさんさ、突然だけど」ユミル「アニの事、好きなのか?」
ベルトルト「えっ…」
ベルトルト「…!!! は?…ちょっ…ユミル!!いや…あの…」
ユミル「ダハハハ!顔が赤くなってるぞ。図星だったか」ニヤニヤ
ベルトルト「」///
ユミル「やっぱそうだと思った。『よく見てる』もんな」
ベルトルト「?」
ベルトルト「…そんなに見てた?」
ユミル「自分で…気づいてなかったのか?」
ベルトルト「うん…」
ユミル「隠してるつもりならもっと上手くやらないとそのうちみんなにばれるぞ、あれは…」ハァ…
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28 : 2013/10/13(日) 21:55:23 -
ベルトルト「そう…なんだ…気を付ける」ユミル「なぁそう落ち込むなよ。別に誰が誰を好きになったっていいじゃないか」
ユミル「そりゃ私みたいなあんま親しくない奴に知られたのは恥ずかしかったかもしれ…ベルトルト「いつから?」
ユミル「は?」
ベルトルト「いつからそうだと思ってた?」
ユミル「…そう言われると、最近だな。ベルトルさん成績の割には目立たないからあんまり意識して見てなかったし」
ベルトルト(良かった…まだ、大丈夫。周りで一番先に気付くのはユミルしかいない)
ユミル「ま、気持ちはわかるな。アニはあぁみえて女の子らしいからな」
ユミル「どこがかわいいかなんて、私が言わなくてもベルトルさんが一番よく知ってるよな?」ニヤニヤ
ベルトルト(頬が熱い…)カァァァ
-
29 : 2013/10/13(日) 22:00:22 -
ユミル「おせっかいだけどさ、告白するなら早い方がいいぜ」
ベルトルト「えっ?」
ユミル「その…たまにアニの事も観察してるんだが、あいつは…その…なんだ」
ベルトルト「アニも誰かを見てる…とか?」
ユミル「あぁ…ま、そんなとこ」
ユミル「二人仲良く憲兵団に入れればチャンスはあるかも知れないが、早めに告って意識させといたほうがいい」
ユミル「多分アニの意中の奴は調…ベルトルト「ユミル!」
ユミル(ビクッ!)
ユミル「ばっ…バカ!急に大声出すなよ。みんなが見るだろ!」ヒソヒソ
ベルトルト「ごめん…。でもこれ以上はもう、聞きたくない…」
ベルトルト(わかってるよ…そんなこと。いちいち君に言われなくたって!)
-
30 : 2013/10/13(日) 22:13:32 -
ユミル「…悪かったよ。出過ぎた真似だったな」ベルトルト「いや…僕も大声出してごめ…キース「そこで何をしている!」
ベルトルト(や…やばっ)
ベルトルト(すっかり忘れてたけど今は対人格闘訓練中だった…)
ベルトルト(どうしよう。僕が大声出したせいでサボってるのが教官にバレた!)
ユミル「キース教官申し訳ありません!」バッ!
ユミル「実は先ほどフーバー訓練兵との組手の最中に足を負傷して動けなくなってしまいました」
ユミル「只今、彼に医務室まで運んでもらうところであります!」
ベルトルト(ユミル…だめだよ。そんなウソ教官には通じない)
-
31 : 2013/10/13(日) 22:25:17 -
キース「ふむ、そうか…」キース「どれ、その怪我とやら私に見せてみろ。もし嘘だったのなら、覚悟は出来ているのだろうな」
ベルトルト(ほら…やっぱり見抜かれてる!)ドキドキ
ベルトルト「教官!実は僕が…ユミル「ハッ!この通りです」ヨッ…ヌギヌギ
キース「こ・・・これは」
キース「馬鹿者!早く水で冷やせ。ひどい腫れだぞ」
キース「おい!フーバー訓練兵ぼさっとするな!こいつを担いで早く行けっ」
ベルトルト「ハッ!」
ベルトルト(…これって一体)
-
36 : 2013/10/15(火) 00:28:50 -
タッタッタッ…クリスタ「ユミル!!大丈夫なのっ?!」
クリスタ「その怪我ひょっとして、さっき…」
ユミル「おっとクリスタ、心配ないぞ。なーに大したことねぇよ。ベルトルさんが運んでくれるっていうしな」
クリスタ「ユミル…ごめん…」ジワワ…
ユミル「おい!泣くな!お前のせいじゃねぇって。なぁベルトルさん早く行こうぜ!」
ベルトルト「う…うん」ヨッコイショ…
ベルトルト「うわっ…ユミル重っ」
ユミル「うるせぇ!早く行け!どさくさに紛れて変なとこ触んじゃねーぞ」ゲシゲシ
ベルトルト「痛い!こら暴れるな!」
-
39 : 2013/10/15(火) 00:47:22 -
ユミル「ははっ。どっから戻ってきたんだよ。便所でも行ってたか。ベルトルさん」ベルトルト「トイレまで我慢できなくて、その辺の木陰でしたけどね…」
ユミル「」
ユミル「ちょっ…おま…ばっちぃ!」バシッ
ベルトルト「痛いっ!」
ユミル「絶対手洗ってねぇだろ!汚い!今すぐおろせ。私に触んな!」ジタバタジタバタ
ベルトルト「こらっ…暴れると本当に落ちるからやめ…
ベルトルト「確かに洗ってないけど…ちょっとつまんだだけだから大丈夫だって」ニコッ
ユミル「」
-
44 : 2013/10/15(火) 01:17:41 -
・
・
・
・~水汲み場~
ジャバババ ジャブジャバ…
ユミル「もういいよ、ベルトルさん」
ユミル「わりぃな。井戸の水汲みまでやらせちまって。おかげで腫れもだいぶ引いてきた」
ユミル「この忘れ物の洗濯桶、大活躍だな」ハハハ
ベルトルト「よかった。汲みたての水は冷たいからね」
ベルトルト「よく患部を冷やしたら、あとは医務室までユミルを運んで、手当てすれば僕の任務は完了だ」
ユミル「あぁ、ほんと助かった」
ユミル「他の奴なら肩は貸してくれても、こんな風におぶってもらえなかったからな。楽させてもらった」
-
55 : 2013/10/16(水) 01:04:40 -
ユミル「あの…さ」
ベルトルト「はい」
ユミル「さっきの話、なんだが…本当に借りを作るのは嫌いなんだ」
ベルトルト「だから気にしなくてい…
ユミル「ベルトルさんに『一生のお願い』の権利をやる」
ベルトルト「…なに、それ?」キョトン
ユミル「相当無茶なお願いでも、一生に一度だけなんでも願いを叶えてやるってことだ。私にできる範囲でな」
ベルトルト「」
-
57 : 2013/10/16(水) 01:08:45 -
ユミル「あ!くそっ」ベルトルト「どうした?」
ユミル「しくじった。ベルトルさん、私にもベルトルさんに『一生のお願い』を使う権利をもらうぞ!」
ベルトルト「ふぁ?!…なななななんで?」
ユミル「いやな、ふと思いついたんだが…」
ユミル「ベルトルさんが今後アニに振られた後…」
ユミル「やけになって『一生のお願い』を使って私に『童貞卒業させて欲しい』とか言い出してきたら困ったことになると思ってな」
ベルトルト「絶対言わないから!それありえないから!!」///アワワ…
ベルトルト(てか、何の迷いもなく僕が振られるって言い切ったぞ!)
-
60 : 2013/10/16(水) 01:14:12 -
ベルトルト「はぁ…もういいや、『一生のお願い』ね、覚えとくよ」ベルトルト「どうせ『一生』使わないと思うけど」
ユミル「あぁ…ちゃんと覚えとけよ」
ユミル「人の命は短いんだ、権利があるのに使わないで死ぬなんて勿体ないだろ」ドヤァ
ベルトルト「ユミル…その顔、かわいくない」
-
61 : 2013/10/16(水) 01:20:26 -
・
・
・
・※47話合流。 ネタバレあり。 未読注意。
1年と数か月後…
~巨大樹の森~ユミル「何の因果だ…この状態」
ベルトルト「本当にね…」ヒュン
ベルトルト「こんな形で、また君を背負う事になるとはね」
ユミル「!?」
ユミル「信煙弾!?調査兵団が助けに来たのか!」
ライナー「クソ…もうこんな所まで」
ライナー「エレンが暴れてくれたおかげだな…」ヒュン
エレン「…」
-
67 : 2013/10/16(水) 01:34:40 -
・
・
ライナー「ユミル…行ったな」ベルトルト「うん、行った」
ベルトルト「ライナー…ごめん。勝手に話を決めてしまった」
ライナー「…」
ライナー「仕方ない、ユミルにはウトガルド城で助けてもらったしな」ハァ
ライナー「よし、やるか!」
ベルトルト「あ!ライナー」
ライナー「ん?」
ベルトルト「ひとつ言い忘れてた」
ベルトルト「実はアニにはもう僕の気持ちは伝えてあるんだ…」
ライナー「」
ベルトルト「誰かさんのおかげでね」
-
73 : 2013/10/16(水) 02:03:01 -
幼馴染3人組 小ネタ①ユミル「おーい!ベルトルさん、ちょっとこっち来いやー!」フリフリ
ベルトルト「呼んだ?」タッタッタ…
ユミル「どうやらミカサが、こないだの私らの会話を『偶然』聞いていたらしい」
ベルトルト「えっ?!」
ユミル「ほら怪我した時の…」
ユミル(この地獄耳が…)チッ
ベルトルト「…ミカサ達、あの時かなり離れてたよね」
ユミル「なので、会話をやり直すぞ」
ベルトルト「…めんどくさい」
ユミル「一言だけでいいから…」
-
74 : 2013/10/16(水) 02:05:06 -
ユミル「…あ」
ベルトルト「ん?」
ユミル「…さっきミカサのこと気持ち悪いって言ったが、やっぱ撤回する」
ユミル「ミカサはエレンの事になると、途端に周りが見えなくなるな」
ユミル「すげぇ強いくせに。すげぇ弱い」
ユミル「わかりやすく弱点を曝け出すミカサはかわいいと思うぜ」
ユミル「…」
ユミル「こんな感じでどうだ?ミカサ」
ミカサ「…」
ミカサ「もう、許した」///テレッ
ユミル(…ちょろい)
※書き直し前は『気持ち悪ぃ』に対するフォローも入ってました。
-
76 : 2013/10/16(水) 02:08:41 -
ベルトルト「そういや、エレンの事は何も言われてないの?」ユミル「あぁ、そうだな…」
ユミル「いやまて、確か『エレンのかわいさは私だけが知っていればいい』」
ユミル「『あなたの口からエレンを褒める言葉が出てこなくて良かった』」
ユミル「…と、ブレード持ちながら真顔で言われたな」ガクブル
ベルトルト「なにそれこわい」
-
79 : 2013/10/16(水) 22:43:08 -
ユミル『かわいいランキング(暫定)について』②
ベルトルト「異議あり!!」
ユミル「はい、却下」
ベルトルト「まだ何も言ってないだろ」
ユミル「どうせアニの順位の事だろ」
ベルトルト「う…」///
ベルトルト「そうだけど、ちょっと相対的に低くない?」
ユミル「だが、私の脳内順位だぞ…」
ユミル「誰に迷惑かけてるわけでもないし」
ベルトルト「だからって…駆逐バカ、エレン+気持ち悪いミカサ+お荷物アルミン」
ベルトルト「これ全部足してアニ1人分ってどうなの?!」
ユミル(珍しくはっきり言いやがった…)
-
80 : 2013/10/16(水) 22:45:21 -
ユミル「あのさ~ベルトルさん」ユミル「文句を言うなら、アニの『かわいい』ところ、私に教えてみ?」
ユミル「共感出来たら順位を上げてやる」
ベルトルト「」
ベルトルト「うぅ…」/// カァァァ…
ベルトルト(どうする?主張したい『かわいい』ポイントは故郷にいた頃のアニの思い出ばっかりだ…)
ベルトルト(まずいか…?)
ベルトルト(でも言いたい、言おう!!)
ベルトルト「わ…笑った顔が年齢以上の大人の魅力でエ…エロかわいい!!」///
ユミル「…」
ユミル「…妄想乙」
※アニメ(23話)参考
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83 : 2013/10/24(木) 22:59:16 -
・
・
・ユミル「ベルトルさん…」
ユミル「思いっきり深呼吸してみなっ!」ガボッ…
ベルトルト「ンッ…?」
ベルトルト「もがっ…」ゲホゲホゲホゲホ…
ユミル「さっきは脱ぎたくても脱げなかったからなぁ~」
ユミル「汗もかいてたし、いい蒸れ具合だろ?」
ベルトルト「…め…しんじゃ…う…」ゴホ…
ユミル「はい、終わり」
ベルトルト「」ゲホッ…ゲホ… ハッーハッー
-
84 : 2013/10/24(木) 23:01:22 -
ユミル「どうだ?」ベルトルト「どう…だ…っ…て…」
ユミル「女の靴の匂いって興奮するだろ?」
ベルトルト「……は?」
ユミル「ダハハハ!内地ではな、若い女が履き潰した靴やら、使用済みの下着とやらに大金を払う金持ちがいるんだよ」
ベルトルト「」
ユミル「上級者になるとな、匂いを嗅ぐだけで、イッちゃう奴もいるらしい…」
ベルトルト「…」
ベルトルト「まさか…ユミル…」
ユミル「わ、私は売ってないぞ!言っとくけど」
ベルトルト「…良かった」ホッ
ベルトルト(…ユミルのせいで新しい扉が開いた)
-
88 : 2013/10/24(木) 23:13:06 -
ユミル「!?」
クリスタ「!?」クリスタ「次の班だ!」
クリスタ「私たちが遅すぎたから、次に出発した班が追い付いてきたんだよ!」
クリスタ「良かった…ユミル。これでダズは助かるかもしれない…」ウルウル…
ユミル「…」
クリスタ「おーい!!こっちだよーー!」
・
・
・ -
89 : 2013/10/24(木) 23:15:55 -
ベルトルト「ユミル!それにクリスタと…ダズ?」
ユミル「…やっぱりベルトルさんか」チッ
クリスタ「ベルトルト、助けて!私たちの班、今ダズが大変なの!」
ユミル「!」
ユミル「おい…クリスタ…お前…」
ベルトルト「…」
クリスタ「ベルトルト?」
トーマス「はぁ…そっちもか…」
クリスタ「トーマス?」
ベルトルト「実は僕たちの班も、ミーナが…」
ミーナ「…」グッタリ
トーマス「吹雪の中に人影が見えたから、手伝ってもらおうと声をかけたんだけど…」
クリスタ「嘘…ミーナも…?」
クリスタ「ユミル、どうしよう、ミーナまで!」
ユミル「…ったく、知らねぇよ…」
-
94 : 2013/10/24(木) 23:28:50 -
クリスタ「無理だよっ!いくらユミルだって…そんなの…」ユミル「無理じゃない!」
ユミル「私には、できるっ、多分…大丈夫だ」
ユミル「クリスタ、お前はベルトルさんに付いて先に行け。後は私がやる」
クリスタ「そんなの嫌!!ユミルもダズも置いて行けない!」
ベルトルト「あのさ、お取込み中のところ本当に悪いんだけど、僕は誰も置いていく気はないから」
トーマス「…」フーッフー…
ミーナ「…」ゼェゼェ…
ダズ「…」
-
96 : 2013/10/24(木) 23:37:49 -
ユミル「…」
ユミル「ここで使うぞ、アレを」
クリスタ「アレ…?」
ユミル「『一生のお願い』だ」
ベルトルト「ダメ!認めない。見捨てる事は僕には『出来ない範囲』のお願いだから」
ユミル「いいから黙って見捨てろ!私らは絶対死なない!!あーーもう面倒くせぇ!」
ユミル「クリスタ!貸せっ!」ダッ
クリスタ「あっ、ダズが…ユミルーーー!」
ズザザザザザザザーーーー
一同「!?」
クリスタ「あああああああああ!ユ…ユミルがダズを引きずったまま崖下に!!」
ベルトルト「あっ…今…」
-
97 : 2013/10/24(木) 23:40:05 -
クリスタ「ベルトルト、トーマス…ユミルが、ユミルが死んじゃったよぉ!そんな…私のせいだ」クリスタ「私がユミルを追い詰めて、ユミルとダズを殺したんだ…」ワァァァァァ!!
ベルトルト(今、一瞬光った…)
ベルトルト(すぐに吹雪で搔き消されたけど…あれは…)
クリスタ「ヒック…ヒック…」
ベルトルト「クリスタ、泣いてる場合じゃない!すぐに下山してユミルを助けよう」
クリスタ「う…うん…ユミルゥ…」
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99 : 2013/10/24(木) 23:46:05 -
~崖下 麓の山小屋~
ユミル「よう!遅かったな…」
クリスタ「ゼェ…ゼェ…ユミル!無事だったのねっ」ダキッ
ユミル「まぁな」ギュゥ…
クリスタ「ダズは?」
ユミル「無事だ、中で手当てを受けてる」
ユミル「あ…ベルトルさん」
ベルトルト「もう、無茶して…ハァハァ…君が無事で良かった」
ユミル「ああ、さっきは悪かったな…。ミーナも早く中に入れてやってくれ」
ベルトルト「うん…」
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106 : 2013/10/29(火) 00:57:23 ID:gV8vmadg -
>>104 「弱みを握る」っていいなぁ…と思って少し入れてみたんですが
早々にユミルさんがへたれてしまったので挫折しましたorz>>105黒トルトさんいいですね!今後、クリスタに対してやってみます
薄い灰色くらいかもしれませんが -
112 : 2013/10/29(火) 01:10:23 -
ベルトルト「そうだ、クリスタ。さっきサシャを食糧庫の方で見かけたよ、そっち寄ってみたらどう?」クリスタ「もぅ…サシャったら、また食べ物盗もうとしてるのかな」
クリスタ「ちょっと様子見てくる」
ベルトルト「先輩方に見つからないように気を付けてね」
クリスタ「はーい。ベルトルトもごゆっくりどうぞ」 …タタタタタッ
ギィィ・・・バタン
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113 : 2013/10/29(火) 01:12:55 -
ユミル「ハァ…なんなんだ、今日のあいつは。変な汗出てきた…」ベルトルト「他の人に邪魔されたくないから、一応鍵かけとくね」 ガッチャン…
ユミル「おおおおおお、おい!」
ベルトルト「変なことはしないよ」
ベルトルト(君の同意がなければ)
ユミル「…」
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117 : 2013/10/29(火) 01:19:56 -
ユミル「ん、…ややこしいな」ユミル「一生のお願いを口にする前に、報告したいことがあって、」
ユミル「報告の前に伝えたいことがあるって事か?」
ベルトルト「そう」
ユミル「…うざってぇ」ボソッ…
ベルトルト カチン…!
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119 : 2013/10/29(火) 01:24:46 -
ベルトルト「…」ベルトルト「ふぅ~~~~」カオナデナデ
ベルトルト「…よしっ!」パチン
ベルトルト「じゃぁ、ユミル聞いて」
ベルトルト「僕は、君が好きだ」
ユミル「…」
ユミル「…で?」
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120 : 2013/10/29(火) 01:26:58 -
ベルトルト「『で?』って…思った以上に反応薄いね」ガックリユミル「その冗談、笑えねぇな」
ベルトルト「冗談でこんなこと言う訳ないだろ…」
ベルトルト「…こっちはなけなしの勇気振り絞って告白したのに、この態度」
ユミル「…」
ユミル「何かの罰ゲームか?じゃなきゃ…アニにでも振られたのかよ、お前」
ベルトルト「…」
ユミル「あぁ…読めたぜ」
ユミル「それで、わざわざ夜に女の部屋まで来たんだな」
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121 : 2013/10/29(火) 01:28:52 -
ユミル「で、『一生のお願い』とやらで私に慰めてもらおうと思ったとか?」ユミル「はっ…馬鹿かよ。もしそうならお前って相当、アホで単純だな」
ベルトルト「…」ハァァ…
ベルトルト「そう言われる予感はしていた」
ベルトルト「やっぱり、話す順番を間違えたみたいだ」
ベルトルト「でも、違うよ。…いや違わないけど、違う」
ベルトルト「君の言い方って、本当にムカつくね」
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123 : 2013/10/29(火) 01:35:45 -
ユミル「…痛っ、おい、腕を掴むな!」ユミル「…私にっ…触るな…」
ベルトルト「ユミルは、もうわかってるんでしょ?」ジッ
ベルトルト「もし僕が今…本気で『君を抱きたい』って『お願い』したら、君は絶対に断れない」
ユミル「…何でそう思うんだ」
ベルトルト「ユミル自身がそう思ってるから」
ユミル「…」
ベルトルト「本当に、僕が君に『身体目当て』のお願いをしてきたとして…」
ベルトルト「ユミルにとってそれは『相当無茶な』お願いではあっても…」
ベルトルト「『自分に出来る範囲』のお願いだと認識してる」
ユミル「…」
-
129 : 2013/10/29(火) 01:50:42 -
ユミル「どうでも女を抱きたいんなら、娼館にでも行ってくれ。頼むから、費用なら私が…ベルトルト「ユミル!」
ユミル「ひっ…」ビクッ
ギュゥゥゥゥゥ…
ベルトルト「違うんだって!本当に」
ベルトルト「このままで聞いて。暴れないで…」
ユミル「…」ガタガタ…
ベルトルト(あのユミルがこんなに震えてる…)
-
131 : 2013/10/29(火) 01:55:58 -
ベルトルト「まだ自分の感情も整理できてないのに、早く告白しなきゃって思い込んじゃって」ベルトルト「結果はこの通り」
ユミル「そうか…」
ベルトルト「ほら、言う順番を間違えると君に引っ叩かれそうだって…」
ベルトルト「これの話」ハハハ…
ユミル「…」
ベルトルト「だから、本当に乗り換えたなんて、思わないでね」
ベルトルト「振られた後も、全然苦しくなくて…」
ベルトルト「頭に浮かぶのは君の事ばっかりで、変な気分だった」
ユミル「…」
-
135 : 2013/10/29(火) 02:08:43 -
ベルトルト「チュッ」ユミル「!!」
ユミル「ん…ぁ…はっ…」チュッ…
ユミル「…ゃだ…ぁ…んふっ…」チュパ
ベルトルト(やば…気持ち、良すぎて…)
ベルトルト「チュ……クチュ…」
ベルトルト(このまま押し倒したい…)
ガリッ
ベルトルト「い…っ!」
ユミル「…離せ…よっ!」
ユミル「キスだって…初めてなんだ!」
ユミル「何でそんなに急ぐんだよ…」
ユミル「遊びなら…本当に止めてくれ」
ベルトルト「遊びじゃない…って…」イテテッ…
ベルトルト(舌かまれた…)
-
136 : 2013/10/29(火) 02:10:15 -
ベルトルト「はぁ…」ベルトルト「ユミル…よく見てて」ベロー
シュゥゥゥゥゥゥゥ…
ユミル「!」
ユミル「蒸気…それに噛み傷が…」
ベルトルト「これが、どういう意味か、君なら分かるよね」
ユミル「お前…まさか…」
ベルトルト「そして、僕は…君の秘密も知ってる」
ベルトルト「クリスタでさえ、おそらく知らない秘密を」
ユミル「」ゾクッ…
-
137 : 2013/10/29(火) 02:13:53 -
グッ…ユミル「私から離れろ!」グググッ…
ユミル「もう帰れ!!何でもするから!身体が欲しいのなら、それもくれてやるから…」
ユミル「目を閉じているから…100数える間にさっさと済まして…帰ってくれよ…」
ベルトルト「ユミル…」
ユミル「帰ってくれないのなら…今、大声を出す!」
ベルトルト「…」
ベルトルト「そしたら、僕はこう言わなくちゃならなくなる『ユミルに誘われた』って…」
ユミル「それでもいい!」
-
138 : 2013/10/29(火) 02:18:01 -
ユミル「もう!何なんだ。なんなんだよぉ、お前は!」グスッ…ベルトルト「…ごめん、こんなに動揺するなんて、思わなかった」ギュッ…
ベルトルト「ごめんね…ユミル、落ち着いて」ナデナデ…
ユミル「」ハァ…ハァ…
ベルトルト「こんな形になったけど、これが2つ目の報告…」
ベルトルト「さっきも言ったけど、これは誰にも言ってないし、今後も誰にも言うつもりはない」
ベルトルト「僕と、ユミルだけの秘密にしたいんだ」
ユミル「…」
-
152 : 2013/11/04(月) 11:19:54 -
ベルトルト「チュッ…」ホッペユミル「…ん」
ベルトルト「仲直りのキス…かな」///
ベルトルト「これなら怖くないよね?」
ユミル「…」
ユミル「ふふっ お前、かわいいな」ニコッ
ベルトルト「」///カァァァ
ユミル「ベルトルさん、顔真っ赤だ」
ベルトルト「ユミルだって、そうだよ…」
-
154 : 2013/11/04(月) 11:23:20 -
ユミル「…なぁ結局、なんだったんだ?」ユミル「お前の『一生のお願い』ってのは、『私を抱きたい』でいいのか?」
ベルトルト「…うん」ボー
ベルトルト「えっ…いや、待って!それも勿論したいけど…」
ベルトルト「ユミルの場合、それを『お願い』として実行してしまうと、」
ベルトルト「…その1回で終わってしまうような気がするんだ」
-
155 : 2013/11/04(月) 11:26:26 -
ユミル「…そうだな」
ユミル「実際、その『お願い』には…脅迫に近いものを感じている」
ベルトルト「…」
ユミル「もし私達に次があるとしたら、それはもっと相手を知ってからだろうな」
ユミル「互いを知る過程で、私かお前が『違う』と感じれば1回で終わりだ」
ベルトルト「…だよね」ハァ…
ベルトルト「でも僕は欲張りだから…」
ベルトルト「1回じゃ嫌なんだ。何度も君が欲しい。だから僕のお願いは決まってる」
ユミル「…?」
-
156 : 2013/11/04(月) 11:29:34 -
ベルトルト「君の全部を、僕にちょうだい」
ベルトルト「その心も、身体も、声も…魂すら残らず欲しい…」
ベルトルト「一生、僕のそばに居てくれる?」
ユミル「!?」
ベルトルト「これが僕の『一生のお願い』だ」
ベルトルト「ダメかな…?最初は苦労させるけど、不幸にはさせないつもり」
ユミル「お…お前っ!」///カァァァー
ユミル「そんなのダメに決まってるだろ!」
ユミル「よっ、欲張りにも…程があるぞ!」
ユミル「…早い早いとは思ってたけど、詰め込み過ぎだ…」
-
159 : 2013/11/04(月) 11:38:14 -
グイグイグイッ…パッ!
ドサァッ
ユミル「…っ…おい、いきなりなんだ!」
ベルトルト「…」
ユミル「ベルトルさん…重い」ミシッ…
ユミル「なぁ、本気でやめてくれ」
ユミル「このベットは、クリスタのベットなんだ…」
ベルトルト「クリスタにユミルが抱けるの?」
ベルトルト「…付いてないのに」
ユミル「私達は、そういうんじゃない!」
ベルトルト「じゃぁどういうこと?そんな関係、不毛だと思わない?」
-
161 : 2013/11/04(月) 11:44:11 -
プチン…
ユミル「…ボタンを外すな」
ユミル「ほら、今この場じゃなくたっていいだろ」
ユミル「何もベルトルさんとシタくないって言ってる訳じゃない…」
ベルトルト「…」プチン…プチン…
ユミル「おい…聞いてるのか?」
ユミル「ここはクリスタと私の部屋なんだ…できねぇだろ?普通」
フワッ…
ユミル「…っ」
ベルトルト「…ブラジャーしてないんだ」
ユミル「…あれは日中だけだ。寝る前は外している」
-
162 : 2013/11/04(月) 11:45:43 -
ベルトルト「なるほど、だからさっき抱きしめた時、柔らかかったんだな…」サワ…ユミル「こら…ダメだって…そこに手を…入れ…るな…」
ユミル「…んっ!」チュッ…
ベルトルト「僕は…今したい」
ベルトルト「君の口から、『クリスタ』って言葉出てくるたび、イライラする…」
ベルトルト「クリスタより僕の方が君を愛してる」
ユミル「ベルトルさん…」
-
163 : 2013/11/04(月) 11:48:29 -
ベルトルト「ん…」チュッ…
ユミル「…ぁ…は……」ムチュッ…クチュ…
ベルトルト「…すごく綺麗だ…ユミルの肌、すべすべしてる」
ベルトルト(胸も大きくはないけど形が良くて柔らかい…)フニフニ
ユミル「そこ…だぁ…め…」
ベルトルト「ここ、摘むと反応がいいね…かわいい…」キュッ…
ユミル「あっ…」ハァ…ハァ…
ベルトルト「こっちの方が興奮するけど…」
ベルトルト「汚れると悪いから、ちゃんと服…脱がすね」
ベルトルト(簡単に畳んでベットの上端に寄せておこう…)
-
164 : 2013/11/04(月) 11:50:01 -
ユミル「ジロジロ見るなよ…恥ずかしい」ベルトルト「だって綺麗なんだ。手で隠さないで。ちゃんと全部見せてよ」
ユミル「…変態かよ」ムスッ…
ベルトルト「男はみんなそうだよ」
ユミル「…お前は脱がないのか?」
ベルトルト「脱ぐよ…熱く、なってきた…」
・
・ユミル「なぁ…ベルトルさん」
ユミル「悪ぃけど、怖くてたまらない…」
ベルトルト「…僕もだよ」
ベルトルト「もし失敗したら、と思うとね」
ベルトルト「君に嫌われる…」ハァー
-
165 : 2013/11/04(月) 11:52:05 -
ソッ…ベルトルト(ユミルの両手が頬に…顔が近い)
ベルトルト(まつ毛長いなぁ…切れ長の目も好きだ)///
ユミル「嫌わない。そんなことじゃ嫌いにならないぞ、私は…」
ベルトルト「ユミル…ありがとう」
ユミル「でも、乱暴に扱わないでくれよ…女の身体ってのは繊細なんだ」
ベルトルト「うん…痛くしないように頑張る…」
ユミル「あぁ…お願いする」ニッコリ
・
・
・ -
166 : 2013/11/04(月) 11:54:32 -
ベルトルト「ねぇ…ユミル」ベルトルト「そろそろ下も…触っていいかな」
ユミル「まだ、ダメだ…」
ベルトルト「そうじらされると、僕も辛いんだけど…」
ユミル「…ちょ…まだダメだって!おま…」
ベルトルト「もう、限界」スルッ…
ベルトルト「あぁ…すっご…」
ベルトルト「ユミルのここ…すごく濡れてる…」ピチャピチャ
ユミル「…声に、出すな…恥ずか…し」
ベルトルト ズリリッ…
ユミル「まてまて、心の準備が…」
ベルトルト「わかってる…僕も下着脱いだだけ。いきなり挿入はしないから、大丈夫」
ユミル「」ホッ…
ベルトルト(と言ってはみたけど、いつまで理性が持つか…)
-
167 : 2013/11/04(月) 11:55:57 -
ベルトルト(えっと、まずはそこを指でなぞって…)スィーベルトルト(窪みじゃない…もっと上の方にある小さな…)
ベルトルト「ここ…?」クチュッ…
ユミル「…ぃっ!」ビクッ!
ベルトルト「あ!」ビクッ!
ベルトルト「…ご、ごめん」
ユミル「…そこ…敏感だから、優し…く…して欲し…」ナミダメ…
ベルトルト「う…うん」///
ベルトルト(女の子の身体って難しい)
-
168 : 2013/11/04(月) 11:57:17 -
ベルトルト「さっきより…もっと濡れてきたね。ほら…」グチュグチュ…
ベルトルト「舐めてい…ユミル「ダ…メに決まってる…だろ…」ハァハァ
ベルトルト「ケチ…」
ユミル「ベルトル…さん」
ユミル「指…入れて」ンッ…
ベルトルト「」
ユミル「も…欲しくなってきた」ウルウル
ベルトルト(そんな潤んだ目で見つめられたら…僕だって我慢できない)///
ユミル「お願い…」
-
170 : 2013/11/04(月) 12:04:54 -
ベルトルト「…見て」ガッチーンユミル「あ…ぁぁぁ…」////カァァァ…
ベルトルト(初めて見たのかな?…顔、真っ赤になってる…)
ユミル「これ、本当にお前のパンツに収まってたのか?」///
ベルトルト「普段はこんなに膨張してる訳じゃないよ…」
ユミル「…無理だ…怖い」
ベルトルト「ふぁっ!?」
ユミル「なぁ、触ってみても…いいか?」
ベルトルト「!?」
-
171 : 2013/11/04(月) 12:07:25 -
ユミル「下手だったら言えよ…」ソォッーベルトルト「あっ!ちょっと待って…んっ」クチュッ…クチュッ…
ベルトルト「あぁ…ちょ…ユミ…ぁっ…ぁっあ…ぅっ…」
ビュッビュルルドピュ…
ユミル「…え?」ヌルッ…
ベルトルト「もう…」ハァハァハァ…
ベルトルト「ハァハァ…なんで出るんだよ…わ…ユミルの胸に出し…えっとタオル…」アワアワ
ベルトルト「うわ…シーツにも飛んで…」
ベルトルト「あぁ…もう死にたい…」グスッ
-
172 : 2013/11/04(月) 12:08:39 -
ユミル「ベルトルさん…?」ユミル「どうした…泣いてるのか?」
ベルトルト「我慢してたのに…ユミルに触られたら…もう間に合わなくて」ジワッ…
ベルトルト「今、死ぬほどカッコ悪い」
ユミル「そうか…」
ユミル「…じらしてごめんな」ヨシヨシ
ユミル「いっぱい我慢させたな」
ユミル「チュッ」
ベルトルト「!?」
ベルトルト(初めてユミルからキスしてくれた…)
-
173 : 2013/11/04(月) 12:09:59 -
ユミル「よくやったぞ…」ナデナデユミル「ほら、だいぶ小さくなったから入りそうだ…」
ベルトルト「ユミル…?」
ユミル「折れないように根元押さえとけよ」
ベルトルト「ちょっと…!」
ベルトルト(え?…なんで…ユミルが僕にまたがって…)
ユミル「ここ…だな」
ゴクッ
ユミル「…んっ」ヌプッ…
ユミル「んんんっぁ…ぃっ…てぇ…!」ズプン…ズリュッ…
-
174 : 2013/11/04(月) 12:11:38 -
ギュゥゥゥゥゥゥ…ユミル「あぁぁ…っ…たぃ…」ジワッ…
ベルトルト「ぁ…ちょっ…これ…キツ…」
ベルトルト(僕が…ユミルの中に…)
ベルトルト(なにこれ…気持ち良すぎる…奥を突き上げたい…)ハァハァ
ユミル「全部…入ったか?」イツツ…
ベルトルト「まだ…半分…くらい…?」ハァ…ハァ…
ベルトルト(ダメだ…我慢…ユミルが痛がる)
ユミル「嘘、だろ…?もう天井ついてるじゃねぇか…」
ベルトルト「ごめん…また固くなった…」
ユミル「…」
-
175 : 2013/11/04(月) 12:14:12 -
ユミル「…無理だ…悪ぃ…抜くぞ…」ベルトルト「だめ…」ギュゥゥゥ…
ユミル「…は?」
ベルトルト「…押し倒すね」ドサッ…
ユミル「お前…無理って…言ったろ?」
ベルトルト「…このまま動かない方が、無理」
ユミル「…今、入り口がすごい痛い…中も…いっぱいに広がってる、お前ので」ハァ…ハァ…
ユミル「続けるつもりか…?」
ベルトルト「うん…。ごめんね、我儘で」
ベルトルト「でも今やめたら、失敗になっちゃう…僕も、自信がなくなる」
ベルトルト「ユミルにもまだ痛くて、怖い思いしかさせてないから、止める選択肢はない」
-
176 : 2013/11/04(月) 12:17:04 -
ユミル「…」ベルトルト「今は無理でも…ユミルを気持ち良くさせたい」
ベルトルト「もちろん僕自身も…」
ベルトルト「…ゆっくり動くからね」…ヌチッ…
ユミル「…んっ」
ベルトルト「ねぇ、僕を見てよ…目を閉じないで」ヌチュッ…ヌチッ…
ユミル「無理言うな…恥ずかしくて…死にそうなんだ」///
ベルトルト(はぁ…すっごぃ…これ)
ベルトルト(理性なんか一気に飛びそうだ)
-
177 : 2013/11/04(月) 12:18:45 -
ユミル「あっ…ぁ…あぁ…はぁ…ぁ」ベルトルト「ユミル…かわいい…」ギュッ
ベルトルト「突く…たびに…いやらしい声が漏れて…感じてくれてるの?」
ユミル「…ち…がっ…」
ユミル「おま…えのせいだ…ばか…」
ベルトルト「うん、全部…僕のせいだ」ハァ…ハァ…
ベルトルト「ハァ…ユミル…『うん』って言ってよ…さっきの返事…」
ユミル「こんな…ときに…何を…言いだすんだ、おまえは…」ハァ…
ベルトルト「…少し、ずるかった…?ごめんね…」チュッ…
-
178 : 2013/11/04(月) 12:22:29 -
ユミル「…はぁ…はぁ」ベルトルト「あぁ…もぉ…ごめっ、全然持たない…出そう…」ヌチッ…ヌプ…ヌプ
ベルトルト「もう、ちょっと早く動くから痛かったら言って…ぅ…ぁぁっ…」
パチュン…パチュン…パチパチパチパチ…
ユミル「はぁ…ぁ…もし…中で出したら…んっ…大っ嫌いになる…から…な…」
ベルトルト「…そっちのが…ずるぃ…」
・
・
・ -
179 : 2013/11/04(月) 12:24:50 -
ベルトルト「…っ!はぁ…疲れた…」グタッ…ユミル「ほら、タオルだ…」
ユミル「お前もよく拭いとけよ…あぁ、こんなに引っ掛けやがって…チッ」ゴシゴシ…
ユミル「太ももベトベトだ、胸の方はもう乾き始めてカサカサになってきてるし…」ジロッ
ベルトルト「」///
ベルトルト「もう…ごめんなさいとしか、言えません…」
ユミル「でも、中に出さなかったのは褒めてやる」
ベルトルト「だって…ユミルが『中で出したら大嫌いになる』って言うから…」
ユミル「はぁ…」
ユミル「あのなぁ…そうじゃねぇだろ…」
ユミル「もっと、よく考えてくれよ。ガキが、ガキ作っていいのかって事を」
-
184 : 2013/11/04(月) 12:36:20 -
ユミル「はぁーー…」ユミル「もう、無理だな…」ボソッ
ベルトルト「!?」
ベルトルト≪ユミル!僕を見捨てるの?≫ヒソヒソ
ユミル≪見捨てるも何も、私も同罪だ…壁外遠征間近だし、さすがに営倉行きはねぇだろ≫
ユミル(せいぜい…厳重注意かそこら…)
ユミル(しかし、噂になることは間違いない)
ベルトルト「…」
ユミル「あったま…痛ぇ…」
-
193 : 2013/11/04(月) 19:45:20 -
ユミル「おぃ…冗談だろ?なんでだ?って言うか、何故それをお前が知っている?」ユミル「…!」
ユミル「食糧庫にサシャが居るって言ったのお前だったよな…」
ベルトルト「…」
ユミル「おい!答えろよ!何考えてんだよ!!てめぇら」ガシッ!
ベルトルト「…大丈夫。ライナーは、僕と違って紳士だから…」
ベルトルト「『僕らみたいな事』はしてない」
ベルトルト「ただ、一緒に居るだけ…」
ユミル「…」
ユミル「どうなってやがる…お前を信用した私が馬鹿だった」
-
194 : 2013/11/04(月) 19:47:43 -
ベルトルト「ユミル聞いて!」ユミル「うるせぇ!クリスタはどこだ!!早く言え!言わないと…」
ベルトルト「西側の兵舎裏…枯れ井戸のあたり…」
ユミル「チッ…ふざけんなよ…クリスタ、待ってろ」ダッ
ベルトルト「待って!」ガシッ
ユミル「ああ?離せよ!!」
ユミル「私に触るな!二度とだ!」
ベルトルト「ユミルも…クリスタも僕らと一緒に今夜ここを出る」
ベルトルト「…脱走するんだ」
ユミル「…」
ユミル「したきゃ勝手にしろよ。私達まで巻き込むな」
ベルトルト「…もう遅いよ。この計画は君達が居なくちゃ意味がないから」
-
208 : 2013/11/09(土) 01:08:17 -
~西側の兵舎裏 枯れ井戸周辺~
ベルトルト「ごめん、ライナー!だいぶ遅くなった…」ハァハァハァ…
ライナー「遅いどころじゃないぞ、ベルトル!!1時間も遅れやがって…」
ライナー「俺はお前がどっかでヘマをして来れなくなったんじゃないかって」
ライナー「正直、気が気じゃなかったぞ…」
ベルトルト「ごめん…心配かけて」
ライナー「…で、ユミルは一緒じゃないのか?」
ライナー「まさか、お前…ユミルの説得に失敗したのか?」
ベルトルト「彼女は来る。必ず」
ベルトルト「僕と約束したし、それに…ここにクリスタが居るから…」
ベルトルト「…」
-
209 : 2013/11/09(土) 01:10:16 -
ベルトルト「それと、説得と言うか…」ベルトルト「まだユミルにこの計画についての詳しい話はしてないんだ…」
ライナー「…」
ライナー「はーーーっ…じゃあお前はこの2時間、何してたんだよ!」
ベルトルト「…ごめん、それは…言えない」
ライナー「はぁ…まったく…」
ベルトルト「ねぇ、クリスタはどこ?」
ライナー「あそこだ、馬を繋いだ木にもたれて少し休んでる」
ライナー「ユミルに会いたい、部屋に戻りたいと泣くクリスタを」
ライナー「ここに留めるのは大変だったんだぞ…」ハァ…
ライナー「今やっと落ち着いたところだ」
ライナー「声はかけるなよ。早くお前は自分とユミルの分の馬を取ってこい」
ライナー「そしたら、出発だ」
ベルトルト「うん。急いで行ってくる」
-
211 : 2013/11/09(土) 01:13:15 -
ライナー「しかし、当初の予定より時間が経っている。まぁ、杞憂だとは思うが…」ライナー「もし、万が一だ。彼が途中で目を覚ましても…殺すなよ、ベルトル」
ベルトルト「…わかってる」
ベルトルト「でも、多めに盛ったんでしょ?薬」
ライナー「あぁ、勿論!でなきゃこんなところでお前とのんびり、話なんかしてられるか」ハハッ…
ベルトルト「だね…」クスッ
ベルトルト「ユミルが来る前に、戻ってくるよ」
ベルトルト(殺せば…僕らは追われる)
ベルトルト(その人に何の感情もないけど、面倒なのはごめんだ)
-
212 : 2013/11/09(土) 01:16:51 -
~同じ場所 前述より10分後~
ユミル「ライナー!」タッタッタッ…
ユミル「」ハァ…ハァ…
ユミル「クリスタはどこだっ!!」
ライナー「大声出すな!」シーッ
ライナー「クリスタならそこにいる」クイッ
ユミル「!?」
ダッ…
ライナー「待て!疲れて眠ってるだけだ」ガシッ
ライナー「少し、寝かせてやれ」
ユミル「本当か?何もしてないだろうな!」
ライナー「当たり前だろ!ちょっと落ち着け」
ユミル「…これが落ち着いていられるかっ!お前ら、だまし討ちみたいな真似しやがって」
-
213 : 2013/11/09(土) 01:18:25 -
ユミル「大体、どいつもこいつも気安く女の身体を触るんじゃねぇよ!」ユミル「このスケベがっ…手ぇ離せ」ブンッ
ライナー「す…スケベってなぁ…!」/// パッ
ユミル「クリスタが…無事で…本当に良かった」ハーッ
ライナー「…」
ユミル「おい!ベルトルさんはどうした?」
ライナー「先刻、ここから脱出するための馬を取りに行った」
ライナー「すぐ戻ってくるだろ、それまで大人しくここで待ってろ…」
ユミル「…」
-
215 : 2013/11/09(土) 01:21:08 -
ライナー「ベルトルまだかよ…」ボソッユミル「お前、ベルトルさんの様子見に行って来いよ。待っててやるから…」
ライナー「…その手は食わんぞ。…逃げる気だろ」
ユミル「チッ…めんどくせぇな」
ユミル(だが、現実にはもう…逃げることは不可能だ)
ユミル(私はあいつに弱みを握られている…クリスタには私が巨人だと知られたくない)
ユミル(それに…ベルトルさん自身も巨人だ)
ユミル(何m級なんだ?あの身長だ、5~6m級じゃないだろ…じゃぁエレンと同じ15m級?)
ユミル(上官方は就寝中で…立体機動装置も付けてない、この状態で襲われたら調査兵団は壊滅)
ユミル(今、私が下手な真似をしてベルトルさんに暴れられたら困る…)
-
216 : 2013/11/09(土) 01:22:30 -
ユミル「…あ!」ライナー「…?」
ユミル「あのさ、いきなりでアレだが…お前、巨人なのか?」
ライナー「」ブホッ!!
ライナー「おま…お前なぁ…」
ライナー「ベルトルはお前にどこまで話したんだ…」ハァ
ユミル「本人が、僕とアニとライナーは…共犯者だって言ってたから」
ユミル「ベルトルさんが『そう』ならお前も『そう』なのかなって」
ライナー「…」
ライナー「そうだな…認める」
ユミル(やっぱりか…巨人2人じゃ分が悪い。逃げられる気がしない…)
ユミル「はぁ…」
-
219 : 2013/11/09(土) 01:28:08 -
ライナー「そんな訳で、同室のジャンとコニーに代返頼んできた」ライナー「ベルトルはユミルに…俺はクリスタに、今夜告白するから協力してくれってな」
ユミル「…」
ライナー「でさ、俺が『…勝負は今!ここで決める』って言ったら、」
ライナー「ジャンの奴、『夜這いすんなよ!』ってニヤニヤしながら送り出しやがった」ニマニマ
ユミル「…」
ユミル「笑えねぇ…」
ユミル「…で、お前らはコニーやジャンも騙して…脱走するんだな」
ユミル「もう、二度と会えないってのに…」
ライナー「仕方ねえだろ…もう決めたんだ」
ユミル「エレンも…きっと悲しむだろうな」
ライナー「…」
-
220 : 2013/11/09(土) 01:30:05 -
ユミル「なぁ、ライナー」ユミル「ベルトルさん…さすがに遅すぎないか?」
ライナー「あぁ、そういやそうだな。だいぶ時間が経ってる」
ユミル「心配だからちょっと見てくるわ」ヒラヒラ
ユミル「言っとくが、クリスタには手を出すなよ!」クルッ
ライナー「出すならとっくに出してるぞ…」
ライナー「あ!その前にユミル、お前ベルトルと2時間も何してたんだ?」
ライナー「あいつ、教えてくれん」
ユミル「…」
ユミル「告白、キス、脅迫にプロポーズ、おまけにお互い初体験まで済ませた」
ライナー「…は?」
ユミル「…冗談だ。じゃ、行ってくる」
-
221 : 2013/11/09(土) 01:31:29 -
~西側の厩舎~(同時刻より少し前)
ベルトルト「失礼します…」ギギギッ…
ネス「…ンゴゴゴゴ…」ゴロン…
ベルトルト「本当だ、よく寝てる」
ベルトルト「今のうちに…」
ベルトルト(乗り慣れてきた自分の馬じゃなくていい)
ベルトルト(巨人に怯えず、足が速く、生還率の高い、若くて健康な馬…)
ベルトルト(よし!この2頭にする)
-
222 : 2013/11/09(土) 01:33:18 -
ネス「…ゴゴゴゴォ…ンガッ」ゴロゴロベルトルト(大丈夫だよね…腹帯と鞍を付けて…っと、そーっと出よう)
ベルトルト「それにしても、このネスって人…寝相が悪すぎる…」ボソッ
ネス「ん…アルミンか…?やっぱり戻ってきたんだな…」
ベルトルト「」ビクッ!
ベルトルト(えっ!聞こえた?)
ベルトルト(まずいぞ)ドキドキ…
ネス「ふわぁ~ぁ…」
ネス「何だ…俺、寝ちまってたのか」ゴシゴシ
ベルトルト(やばい!)
ネス「…?…お前は…誰…だ…?」
ネス「!?」
-
223 : 2013/11/09(土) 01:34:53 -
ネス「お前、脱走す…ベルトルト「ごめんなさい!」ガッ!ネス「ウグッ…グググ…!」
ベルトルト(このまま…スリーパーホールドで絞め落とす!)グググッ!
ベルトルト(気絶させるだけだ、殺さない)
ネス「こ…の…」シャラララ…
ベルトルト「!!」
ドスッ!
ベルトルト「がっ…あぁぁぁぁあああっ!!」
ベルトルト(ブレードが…右脚の太ももを貫通して…)
ベルトルト(声を…押し殺せ…。誰か来たら困る!)グググググッ
-
224 : 2013/11/09(土) 01:36:15 -
ベルトルト「もう…いい加減落ちてくれよっ!」ギリギリギリギリネス「…」
ドスン
ベルトルト「…はぁ…はぁ…」
ベルトルト「力を入れ過ぎて…殺した…か?」
ベルトルト「あぁぁ…いったぁ…柄の部分までブレードが刺さってる…」
ズズズ…
ベルトルト「僕が、ユミルへの情欲に溺れたせいで…人が死んだ…」ハァハァ…
ベルトルト「もう1時間早ければ、彼は…」
-
225 : 2013/11/09(土) 01:38:05 -
・
・
・???「ベ…トル…さ…!…ルトルさん!」
ベルトルト(誰…?すっごく眠いんだけど…)
ユ??「おい…しっかり…てくれ…!」
ベルトルト(あぁ、この声好き。ずっと聞いてたい)
ユ?ル「」ベチン!!
ベルトルト「痛っ!」ハッ
ユミル「…目ぇ覚めたか?」
ベルトルト「…ここは?」
ユミル「厩舎の中」
ユミル「あんまり遅いから様子を見に来た。そしたら…えらいことになってた」
-
226 : 2013/11/09(土) 01:40:16 -
ベルトルト「はは…血溜まりだね。大きな血管傷つけたみたい」ベルトルト「失血で、気を失っちゃったんだね」
ユミル「…笑い事じゃねぇよ」イラッ
ユミル「私が、超硬質ブレード抜かなきゃな」
ユミル「お前、死んでたんだぞ!」
ベルトルト「…うん、ユミルは命の恩人だ」ニコッ
ベルトルト「刺さったままじゃ…回復出来ないもんね…ありがとう」
ベルトルト(血が、足りない…まだ頭がぼーっとする)
ベルトルト「ユミルの手、真っ赤だ…」
ベルトルト「それって僕の血…?」
ユミル「それもあるが、私の血だ」
ユミル「もう回復し始めてるから心配ない」
シュゥゥゥゥゥゥ…
-
228 : 2013/11/09(土) 01:44:05 -
ベルトルト「ユミル…僕の手を握って」ユミル「…こう、か?痛てっ…」
ベルトルト「ごめん、まだ回復中だったね」
ユミル「へ、い…平気だ」グッ
ベルトルト「はぁ…もう二度と触るなって言われたけど、ユミルが手を握ってくれた!嬉しい」ニコニコ
ユミル「!?」
ユミル「…おぃ、そんなくだらない理由なら手を放すぞ」///
ベルトルト「僕は離さない。このまま集中して傷を回復させるからもう少しこのままで…」
シュゥゥゥゥゥゥゥ…
ユミル「…はぁ」
-
237 : 2013/11/09(土) 01:59:57 -
ユミル(何となく、意味がわかってきたが…)
ユミル(今はまずい、後でライナーに問い詰める!)
ユミル「なぁ、ライナー、私らまだ行き先を聞いてないんだが…」
ユミル「どこへ向かっているんだ?」
ライナー「…西だ」
ユミル「西?」
ベルトルト「正確には、北西だけどね」
ベルトルト「ウォール・シーナ西の突出区。『ヤルケル区』だよ…」
ベルトルト「アニが居るストへス区がシーナの東だからちょうど反対側にある区だね」
ユミル「アニか…」ハァー
ベルトルト「…」
ユミル「そこに行ってどうするんだ?」
-
239 : 2013/11/09(土) 02:02:38 -
ユミル「まさかとは思うが、おまえらの『故郷』とかじゃねぇだろうな…」ライナー「お前、知ってるのかよ…俺たちの『故郷』がどこにあるのか…」
ユミル「知るか!さっきベルトルさんと話した時、故郷への思いがどうとか言ってたから…」
ベルトルト「『故郷』じゃないよ」
ベルトルト「僕は、ユミルと離ればなれになるのは嫌だから、絶対そこには帰らない」
ユミル「…そうか」///
ユミル(なんだ、この気持ち…すごく嬉しい)
クリスタ「…」
-
243 : 2013/11/09(土) 20:13:22 -
感想頂けて嬉しいです。励みになります。仕事終わって一杯飲みながら読み返してたら、おかしいところが
多く見つかったので、少しだけ訂正させてください。>>222 ネス班長は「アルミン」ではなく「アルレルト」呼びでした。すみません。
>>216 「巨人2人」じゃなくて「巨人2体」に訂正します
>>239 「故郷」について、ユミルがこの段階でベルとライナーが同郷と知ってるのは多分、
不自然なので、事前にコニーから聞いてたことにして下さい。
あと、待ち合わせ時間を消灯時間としたせいで、矛盾が生じ、いらない解説を付け加える
ことになりました…。就寝の規則うんぬん。完結まで頑張ろうと思いますので、暇があったらまた覘いてみてください。
とりあえず、更新遅めと書いておくと安心する癖がついてしまった。
-
245 : 2013/11/12(火) 21:48:12 -
ユミル「なぁ、今から独り言を言うが…誰も返事をしないでくれよ」ユミル「恥ずかしいからな…」
ユミル「クリスタもそうだが、私は『あいつら』にお別れも言えず、連れて来られたんだ」
クリスタ「ユミル…やっぱり自分の意思で脱走したわけじゃないんだね」
ユミル「あぁ」
ユミル「お前が心配すると悪ぃから、こいつらと話を合わせておこうかとも思ったが…」
ユミル「やっぱ…そういう訳にはいかねぇよな…」フーッ
ユミル「私らは、ライナーとベルトルさんにさらわれた。これが真実だ。目的も不明」
クリスタ「なんとなく、そうじゃないかって思ってた…」
クリスタ「だってユミルが脱走を計画したのなら、行き先を知らないって…変だもの」
ライナー「…」
-
253 : 2013/11/12(火) 22:02:25 -
ライナー「普通の宿は、今日は無理だ。諦めてくれ…」ベルトルト「はぁ…」
ユミル「だからって…連れ込み宿はねぇだろ!!」イラッ
ライナー「あのなぁ…この宿だって1部屋しか空いてなくてだな」
ライナー「本来は2人用だってのに、頼み込んで4人入れてもらったんだ!」
ライナー「仮眠をとるだけなんだから我慢しろ!文句言うな、おまえら」
クリスタ「…ユミル、連れ込み宿ってなに?」
ユミル「あぁ…あの…お前は知らなくていい…」///
ベルトルト「男女が愛を確かめ合うところだよ。このベットとか…」
ユミル「!?」
ベルトルト「朝方まで使ってた人達の温もりが、まだ残ってるかもね」ニコニコ
-
254 : 2013/11/12(火) 22:03:42 -
クリスタ「…やだ、私こんなところ!」ギュッユミル「おまっ…何てこと言うんだよ!」
ライナー「そうだぞ!無垢なクリスタに変なことを教えるな!」
ベルトルト「はいはい、本当の事教えちゃってごめんね、僕が悪かったよ」
ライナー「…」
-
255 : 2013/11/12(火) 22:05:22 -
ユミル「クリスタ、大丈夫だ。シーツは替えてあるし、清掃も入ってる」ユミル「安心して横になれ、ベットは硬いが床で寝るよりはましだ」
クリスタ「うん…ありがと…ユミ…」ウトウト…
ポスン…
ベルトルト「予想通りだけど、ベットって1つしかないよね…」
ライナー「俺らは…床だな」
ユミル「一応、ガウン2枚あったからお前ら、それ掛けて寝ろよ。風邪ひかないようにな」
ベルトルト「ありがとう、ユミルは優しいね」
ライナー「…どうもベルトルがおかしい」
-
259 : 2013/11/12(火) 22:13:14 -
ベルトルト「ライナーは行く?食事」ライナー「いや、俺も十分だ。寝て起きたら、出発前に何か腹に入れる」
ベルトルト「そう…じゃぁ僕だけ行ってくるね。また後でね、ライナー、ユミル」
タン…タン…タン…
ライナー「はぁ…あの様子だと、お前らの方は上手く行ってるみたいだな」
ユミル「…!」
ユミル「バ…バカ。そ…そんなんじゃねぇよ、余計な詮索すんな」
ライナー「別に詮索してる訳じゃないが、何か色々とダダ漏れなんだよ…お前ら」
ライナー「平たく言うと、ベルトルが羨ましい…」ハァ…
ユミル「…」
-
260 : 2013/11/12(火) 22:15:44 -
ユミル「昨日から聞きたかったんだが、ライナーはクリスタにまだ告白してないんだよな」ライナー「あぁ」
ライナー「こんな大それたことをしてもなお、勇気が出ない」
ユミル「本当に、純情なんだな」
ライナー「…悪いかよ」///カァァ…
ユミル「いや、褒めてる。何となくわかった。お前らが私らを連れ去った目的って」
ユミル「今回の壁外調査で、死なせないため…とかだろ?」
ライナー「…あぁ」コクン…
ライナー「でも、それだけじゃない」
ライナー「俺達は運命から逃れて…新しい人生を歩みたいと思った」
ライナー「人間として」
ユミル(…私と同じだ、こいつら)
-
262 : 2013/11/12(火) 22:21:29 -
トントントン…
ベルトルト「ユミル開けて~」
ユミル「…ん…べるとる…さんか?」フニ…
ベルトルト「は~や~く~!」
ユミル「ま、待て待て…静かに!あいつらを起こしちまう…」シーッ
カチカチ…
ガチャッ… ギギギッ…
ベルトルト「ただいまっ」ダキッ
ユミル「わっ!…なんだ急に!」
ユミル「お前、酔ってるのか…?」
ベルトルト「ん~…少し?」
ベルトルト「食堂兼酒場だったみたいで、隣のおじさんが一杯奢ってくれた~」
-
263 : 2013/11/12(火) 22:23:39 -
ユミル「お前、酒なんて飲める歳じゃないだろ…なんで断らねーんだ、しかも昼間から」ベルトルト「だってぇ~…」
ユミル「はぁ…そろそろ寝とかないと、後が辛いぞ…ふぁ~」ムニムニ
ユミル「床で悪いが、もう寝よう。いい子だから…ほら」
ベルトルト「寝るよ~寝るから…その前に…」
ベルトルト「ユミルともう少しお話ししたい」
ユミル「…」
ユミル「悪いがこっちも眠い…今は無…ベルトルト「…やだ!」
ユミル「おい、子供かよ!」
ユミル「はぁ…わかったよ…」
ユミル(酔っ払い相手に何言っても仕方ねぇか)
-
264 : 2013/11/12(火) 22:25:15 -
ベルトルト「ユミル大好き…」ギュゥゥゥユミル「…そこで二人、寝ているんだが」
ベルトルト「!?」
ユミル「今頃気付くな…」
ベルトルト「こうやって抱きしめるとわかる」
ユミル「何がだ?」
ベルトルト「すごくいい匂いがするってこと…」
ユミル「汗臭いだろ…風呂入ってないし」
ベルトルト「ううん、いい匂いだよ。ユミルの匂いは汗と交ると薫るんだ」
ユミル「うぇ…私そんなに臭うか…?」クンクン…
ユミル「自分じゃ、わからないな」
-
265 : 2013/11/12(火) 22:27:34 -
ベルトルト「最初に嗅いだときは、クリスタの匂いかと思った…」ベルトルト「気付いたのが、クリスタのベットの上だったから」
ユミル「…」
ベルトルト「でもやっぱり、ユミルの匂いだ」
ベルトルト「甘い花の香り。…百合かな」
ユミル「百合は相当、匂いが強いぞ…」
ベルトルト「ここまで身体を密着させないと誰も気づかないよ。僕だけが楽しむんだ」
ユミル「はぁ…訳わかんねぇな」
ベルトルト「僕の匂いも嗅いでみて」
ユミル「ん…?」スンスン
ベルトルト「どんな匂いがする?」
ユミル「森の中にいるみたいな…森林の匂いだ。いや、樹木…かな?」
-
266 : 2013/11/12(火) 22:29:34 -
ベルトルト「そうなの?…この匂いは好き?」ユミル「ははっ…どうしたんだよ?お前」
ユミル「ちょっと酔いすぎだ」
ベルトルト「ちゃんと答えて」
ユミル「…好きだよ。嫌いな匂いじゃない」
ユミル「嗅いでいると落ち着くな。不思議だ」
ベルトルト「酒場のおじさんが言ってた」
ベルトルト「匂いで、わかるんだって」
ベルトルト「相手と自分の相性が合うかどうか。本能で、惹かれあうんだって」
ベルトルト「僕は、また一つ。君を好きな理由を発見した!あぁ、最高に幸せ」
ユミル「…そうか、そりゃ良かったな」ハァ…
ベルトルト「うん♪」
-
268 : 2013/11/12(火) 22:33:00 -
ベルトルト「だから今後、僕が君に対して接し方を間違って、」ベルトルト「君が不快に思ったり、疑問に思うことがあったら」
ベルトルト「また、昨日みたいに僕を叱って欲しい」
ユミル「叱って欲しいって…私はお前の母親かよ」
ベルトルト「違うよ、恋人だよ」
ユミル「なっ…さらっと言うな…」///カァァァ
ユミル「なぁベルトルさん、本当は酔ってなんかないんだろう?」
ベルトルト「ちゃんと…酔ってるよ」
ユミル「うそつき…」
-
269 : 2013/11/12(火) 22:34:17 -
ベルトルト「謝るきっかけがなくて…でも、うやむやにしたくなかったんだ」ベルトルト「すれ違いがあったのなら、ちゃんと話し合いたい、今後もこんな風に」
ベルトルト「ごめんね…僕はもっとユミルの事、知りたい。考え方も好みも…もっと」
ユミル「そうか…私もベルトルさんの事、もっと知りたくなってきた」フフッ
ベルトルト「僕が急ぎすぎたせいで、順番が違う事になっちゃったけれど」
ベルトルト「これからは、ひとつひとつ積み重ねていこうね。普通の恋人みたいに」
ユミル「…」
-
272 : 2013/11/12(火) 22:39:48 -
ベルトルト「…そんなの」ベルトルト「嫌いになる理由にはならない」ギュゥゥゥ…
ユミル「…」
ベルトルト「誰が何と言おうと、ユミルはかわいい『女の子』だよ…」
ベルトルト「昨日も言ったでしょ、僕は君を『愛してる』って」
ユミル「…」グスッ…
ユミル「うぅっ…はぁ…ひっく…ふぐぅ…」
ベルトルト「ユミル!…安心して。もう何も怖くないからね」ナデナデ…
ユミル「どぅじて…ぞんなに…簡単に受け入れるんだよぉ…」ボロボロ…
ユミル「嫌いになれよ…みんな私を憎むぐぜに!私は世界に存在しちゃいけないんだ」ヒック…
ベルトルト「僕には、君が!必要なんだよ」
ベルトルト「世界に存在しちゃいけないなんて、二度と言うな!」
-
273 : 2013/11/12(火) 22:41:30 -
ベルトルト「僕にだって、人に言えない秘密がある。まだ君にも…言う勇気がない」ベルトルト「だから君の気持ちが、わかるんだ。僕らは、似すぎている」
ユミル「んっ…」チュー
ベルトルト「ぷは…、大丈夫だから。ずっとそばに居るから」
ベルトルト「このまま抱きしめてるから、一緒に寝よう」ズズズズ…ペタン
ユミル「…う…ん」
ベルトルト(5年前…か)
クリスタ「…」
-
275 : 2013/11/12(火) 22:43:52 -
ユミル「あ。クリスタ!…あれ、居ない?」ユミル「ベルトルさんは?」キョロキョロ
ユミル「…居ないなぁ、どこに行ったんだ?」
ユミル「ふゎぁあ~…眠い」ウツラウツラ…
ユミル「これから、また馬に乗って250㎞の強行軍だ…」
ユミル「はぁ…最悪だ。昨日から股が痛い」
ユミル「お風呂、入ってこよ…」ネムネム
-
280 : 2013/11/12(火) 23:36:43 ID:mueT/WeE -
逃避行しながら少しっつ心が寄り添うなんてドラマチックだけど
5年前か
ってベルトルさんのモノローグがこの先どう関わるかちょっと怖い -
281 : 2013/11/17(日) 22:08:12 -
>>106 クリスタとの直接対決で脅迫と宥和の二択があり、当初は
「脅迫」でいこうと思っていたのですが都合で「宥和」に。
なのであまり黒くなりませんでした…
薄~く伏線もどきを入れていたので使い切れず残念>>280 もう少し先で回収します。キリッ
今から投下します。
-
282 : 2013/11/17(日) 22:11:09 -
~連れ込み宿 裏手~
夕刻 細い路地を抜けた先
クリスタ(急がなきゃ…)タタタッ…
ベルトルト「待って!クリスタ」
クリスタ「」ビクッ!
クリスタ「…ベル…トルト」ガタガタ…
ベルトルト「そんなに急いで一体どこへ行くの?」
ベルトルト「もう少ししたら、出発の時間だよ」ニコッ
クリスタ「わ…私…そ、そうだ!お店に!」
クリスタ「ユミルが詰めてくれた荷物に足りないものがあって…」アトズサリ…
ベルトルト「そう、でもこんな遅い時間じゃ、お店はみんな閉まってると思うな」
-
283 : 2013/11/17(日) 22:13:08 -
ベルトルト「それに、明日には『ヤルケル区』に着くから…」ベルトルト「こんな辺鄙なところで慌てて買い物しなくてもいいよ」
ベルトルト「ローゼより、シーナの方が上質の物が買えるのは君も知ってるでしょ?」
クリスタ「…」
ベルトルト「…ねぇ」
クリスタ「ヒッ!」ガタガタ…
ベルトルト「ひょっとして、自分一人だけで逃げるつもりだった?」
ベルトルト「…ユミルを置いて」
クリスタ「ち…違う!!」
クリスタ「私達は、あなた達に付いては行けない…」ボソッ
ベルトルト「…」
-
286 : 2013/11/17(日) 22:21:22 -
クリスタ「…私が戻るって言えば、ユミルは私の方に来てくれる」
クリスタ「ユミルは!あなたには絶対渡さない!!」
ベルトルト「…そうかな?」
ベルトルト「僕は、ユミルが僕を選んでくれる自信があるんだけど」
クリスタ「…そんなの…嘘だ」ギリッ
ベルトルト「あのね…君と一緒に居たら、ユミルは早死にするよ」
ベルトルト「僕らが君達を調査兵団から連れ出した理由、まだわからないの?」
ベルトルト「ユミルは、もうわかってる」
ベルトルト「だから、大人しく僕らに付いて来てくれてるんじゃないかな」
クリスタ「…」
-
289 : 2013/11/17(日) 22:28:06 -
クリスタ「私、あなたなんか大嫌い」
ベルトルト「奇遇だね、僕も君が嫌いだ」ニコッ
ベルトルト「でもね、それはしない方がいい」
ベルトルト「…この街の憲兵も…腐っている」
クリスタ「…?」
ベルトルト「お昼に食堂に行った時、ここの憲兵が店主にお金をせびってるのを見た」
ベルトルト「『みかじめ料』って知ってる?」
クリスタ「」ブンブン
ベルトルト「素行の悪い客に対処する見返りとして、金品を要求する事。定期的にね」
ベルトルト「給金はちゃんと支払われているんだから、本当はそんなもの必要ないのにね」
ベルトルト「だから、ここの憲兵は信用できない」
-
290 : 2013/11/17(日) 22:31:18 -
クリスタ「…」ベルトルト「特に、君みたいに若くて、小さくて、か弱そうな女の子がこんな時間に行けば…」
ベルトルト「話を聞くどころか…薄暗い所に連れて行かれて」
ベルトルト「とても口じゃ言えないようなことを…されてしまうかも」
クリスタ「……ひっ」グスッ…
クリスタ「無理やり連れてきたくせに…」ズズズーッ
クリスタ「もう嫌だぁ…ユミルゥ…」グシュグシュ…
ベルトルト(ちょっと、脅かしすぎたかな?)
ベルトルト「とにかく、もう逃げようなんて考えないで」
ベルトルト「僕らは、本当に…君たちに危害を加えるつもりなんかないんだ」
ベルトルト「ただ…この破滅していくしかない世界で、ほんの少しの間だけでも」
ベルトルト「憎しみや、苦しみ、恐怖を忘れて…みんなで幸せに暮らしたいだけ…」
-
291 : 2013/11/17(日) 22:35:38 -
クリスタ「ベルトルトは…」ヒック…
クリスタ「ユミルが、好きなの?」
ベルトルト「うん…好きだよ」
ベルトルト「まだ、返事はもらってないけど…僕のお嫁さんにするつもり」
クリスタ「そう…正直だね」
ベルトルト「僕は、ユミルを君の『騎士』から『女の子』に戻したいと思ってる」
クリスタ「…?」
ベルトルト「彼女を『君を守る役割』から解放してあげたいんだ」
ベルトルト「それに君を守る役割なら…」
ベルトルト「僕らの近くに、本心からそれを引き受けたがってる人がいる」
ベルトルト「クリスタ、もっと強くなって!僕も、出来ることは協力する」
-
296 : 2013/11/17(日) 22:48:23 -
ダッダッダッ…
ライナー「ベルトル!クリスタ!」
ライナー「二人とも…」ハァハァ
ライナー「ほんっとに、探したぞ…」ハァハァ…
ベルトルト「あぁ、ライナー…ちょうどいいところに来てくれた!」
ライナー「…は?」
ベルトルト「今ね、クリスタが星を見たいって言ってたから、付き合ってあげていたんだ」
クリスタ「えっ!」
ベルトルト「ほら、夜道を女の子だけにしておくわけにはいかないし…」
ベルトルト「何かと物騒だからね」
ライナー「なんだ…そういう事か」ホッ
-
302 : 2013/11/17(日) 22:59:49 -
ユミル「それに治してしまったら…その…処女膜まで再生してしまうような、気が…する」
ベルトルト「」
ベルトルト「あっ…あっ…あぁぁぁ…」///カァァァ…
ユミル「恥ずかしいな…この話は」///
ベルトルト「ごめ…っ…そう、だね」///
ユミル「だから…ちゃんと、昨日あった事の結果として、これは私の身体に残しておく」
ユミル「やり口はどうかと思うが…好きな男に抱かれたんだ、嫌な思い出じゃないさ」
ベルトルト「ユミル…」
-
303 : 2013/11/17(日) 23:01:18 -
ベルトルト「あーーーーもう!!」
ベルトルト「そんなこと言われて…欲情しない男が、この世界に居ると思う?」
ベルトルト「もうちょっと、危機感をもってよ!!僕を興奮させないで!」
ベルトルト「僕だって男なんだよ!しかも今は二人っきり。ここは連れ込み宿、わかる?」
ユミル「わかってる、わかってる」ハハ…
ユミル「だからちょっと、落ち着けって」
ユミル「私は、お前を信じている」
ベルトルト「」
-
307 : 2013/11/17(日) 23:10:45 -
ユミル「ふふ、そっか…ありがとな」ギュッ…
ベルトルト「…!…ふっ…不意打ち?」///
ユミル「ははっ、いつもやられてるから」
ユミル「なぁ…処女膜再生しちまったら…次する時も、痛いんだろうな…きっと」ボソッ
ベルトルト「えっ…」
ベルトルト「次…あるんだ…1回限りじゃないんだ…」
ユミル「…期待するなよ、まだまだ先だ」
ユミル「私はまだ…ベルトルさんの秘密を教えてもらってな…
ベルトルト「あぁ!どうしよう!何か幸せすぎて僕も怖いよ!!」///ァァァァ…
ユミル「もう…うるさい!お前早く風呂に行けよ!」
-
309 : 2013/11/17(日) 23:15:59 -
ライナー「無駄話はそれくらいにして、これから俺達は念願の『ヤルケル区』に入る」ユミル「なぁ…それなんだが、どうやって入るつもりだ?」
ユミル「ウォール・シーナが持つ特権、またその生活水準の高さに惹かれて、」
ユミル「違法な手段で潜り込む奴も多くいると聞く…」
ユミル「私らみたいな脱走兵が、そう簡単に検問を突破できるとは思えないんだが…」
ライナー「心配ない、俺達にはこれがあるからな」ペラッ
ユミル「…商業活動を行うための『ヤルケル区』入区許可証?」
ユミル「何だこれは?」
-
313 : 2013/11/17(日) 23:23:50 -
ライナー「…」ベルトルト「…」
ベルトルト「うん…そうみたい」
クリスタ「えっ!!アルミンとアニってそういう関係だったの?」
ユミル「いや…違うと思うぞ、私らと同じ事情だとしたら…無理やり…」
ベルトルト「ねぇ、もう中に入らない?2日連続夜通し長距離を走って、馬も限界だし」
ベルトルト「そろそろお腹も空いたし、これから少し眠って、買い物もしたい」
ベルトルト「それに今夜の宿はもう決めてあるんだ、アルミンもそこに泊まってるはず」
ベルトルト「予定より早めに着いたから、驚くかな…アルミン」
ユミル「…」ジーッ
ライナー「あぁ…そうだな」アセッ
ライナー「まぁ、詳しい話は本人から聞いてくれ」
-
314 : 2013/11/17(日) 23:27:07 -
ユミル「はぁ…どうなってんだよ…」ユミル「アニの好きな奴ってエレンかと思ってた」
ベルトルト「実は僕も…」
ユミル「アルミンなんて意外過ぎる選択だろ?…なぁ!」
ベルトルト「し…知らないよ!他人から見れば僕らだって、」
ベルトルト「意外過ぎる選択の結果なのかも知れないし…」
ユミル「まぁ、そうなんだけどさぁ…アルミンがねぇ…だってアルミンの好きな奴は…」
クリスタ「お~い!!検問所の人がここ通っていいって~!二人とも早く行こっ」
ユミル「今いく…」
ユミル「なんだよ、このもやもや感は」イラッ
ユミル(ベルトルさんが一度でもアニに惹かれたことが許せないのか?)
ユミル(なんでアニに会うのがこんなに憂鬱なんだよ…)
-
324 : 2013/11/23(土) 20:30:10 -
ベルトルト「半数…か、まだ足りないね」ベルトルト「僕達の目的はこの人類すべてに消えてもらうことだから」
ベルトルト「この作戦が成功したら、次に狙うのはウォール・シーナの南にある突出区」ベルトルト「エルミハ区の開閉門だね」
アニ「…」
ライナー「…」
ライナー「悪いが…俺は降りる」
ベルトルト「!?」
ベルトルト「ライナー、君は…!」
ベルトルト「前から三人で何度も話し合って決めたことじゃないか!!」
アニ「シッ!声が大きいよ、ベルトル」
アニ「もう少し、声を抑えな」
ベルトルト「…ご、ごめん、つい…」
アニ「…」
-
327 : 2013/11/23(土) 20:36:03 -
アニ「あんたには悪いけど…」アニ「私も…降りるよ、今回の作戦はやめにしよう」
ベルトルト「アニ…まで」
ベルトルト「二人とも、どうかしている…」
ベルトルト「ライナーがおかしくなっているのは、前から気が付いていた」
ライナー「…」
ベルトルト「君は、この生活に溶け込み過ぎたんだ。みんなに情が湧くのもわかる…」
ベルトルト「でも、アニ!なんで君まで!!…ここで止めてしまったら僕らは…」
アニ「…わかっている」ハァ
アニ「ねぇ、ベルトル。あんたには、ここで大切な人は…できなかったのかい?」
アニ「故郷に残してきた…しがらみや想いを超えて…」
アニ「課せられた任務や今の立場や、この命までも…捨て去ることが出来るような、」
アニ「そんな人には、出会えなかったのかい?」
ベルトルト「…」
-
329 : 2013/11/23(土) 20:40:55 -
アニ「…私も、好きな人がいる」アニ「前に、ベルトルに言ったことがあるだろ。好きな人がいるって」
ベルトルト「あぁ、あの時…」
アニ「あの時、誰かは言わなかったけど、今正直に告白する。私は…アルミンが好きだ」
ベルトルト「!?」
ライナー「!?」ライナー「おまえっ、それ本当か?」
アニ「な、なんだ?…そんなに驚くような事じゃないだろ…」///カァァ…
ベルトルト「…そう、なんだ。でもアニ…話が違うよ。僕には…」
ベルトルト「『私達は人を愛する資格がない』」
ベルトルト「…そう言ったくせに」
-
331 : 2013/11/23(土) 20:44:02 -
ベルトルト「アルミンの両親だって…僕らさえここに来なければ…」アニ「やめて!」ガタガタ…
アニ「…だから、それもわかっているっ」ブルッ
ライナー「わかっていても、もう止められないんだ…」
ライナー「お前には、アニの気持ちがわからないだろう」
ベルトルト「…」
ベルトルト(わかるよ、僕にだって)
ベルトルト(僕は、ユミルが好きだ。誰にも、言ってないけど…)
ベルトルト(でも、ダメなんだ、僕らは。幸せになりたいなんて、思ってはいけない)
-
332 : 2013/11/23(土) 20:46:02 -
アニ「実は、ライナーには…以前から少しだけ相談していたんだ」ベルトルト「…?」
アニ「私の計画。聞くかい?」
ベルトルト「計画…?今回のトロスト区襲撃の件じゃなくて?」
アニ「あぁ、あれはやめだ」
ライナー「ベルトル…もう、やめよう…」
ベルトルト「…ふざ…け…るな!」
ベルトルト「二人とも頭がおかしくなったの?!もう始めてしまったんだ!5年前に」
ベルトルト「今更、やめる訳にはいかないだろっ!!」グィッ…
ライナー「…落ち着け、ベルトル」パシッ
アニ「そう言うと思ってた。あんた、真面目だからね…良い意味でも、悪い意味でも」
ベルトルト「…」
-
333 : 2013/11/23(土) 20:48:07 -
アニ「あんたも、ユミルに想いがあるんだろ…」ベルトルト「!?」
ライナー「おい、ユミルがどうしたって?」
アニ「ライナー、黙って」ジロッ
ライナー「…うむ」
ベルトルト「どうして…誰にも言ってないのに…」
アニ「あんたの様子、見てればわかるよ」
アニ「…ユミルは露骨に無視してる。あんたと…私を」
アニ「視界に入らないように、存在自体がないもののように…振る舞っている」
アニ「…たいした性悪女だよ、あいつ」チッ
ベルトルト「…誤解だ…ユミルはそんな…
-
335 : 2013/11/23(土) 20:51:51 -
アニ「6人で、逃げないか?」
ベルトルト「…6…人?」
ライナー「…」
アニ「あぁ…」
アニ「私はアルミンと、あんたはユミルと、ライナーはクリスタと、これで6人だ」
ベルトルト「!?」
アニ「どうだい?悪い話じゃないだろ」
ベルトルト「逃げるだなんて…この壁の中に居る限り、逃げ場なんてないじゃないか…」
ベルトルト「それに、ユミルは僕を嫌ってる。僕と一緒に来てくれるはずがない…」
ライナー「ははぁ…お前、ユミルが好きなんだな。この会話を聞くに」
ベルトルト「ライナー…本当に黙っててくれ!」イラッ
ライナー「!?」
-
338 : 2013/11/23(土) 20:58:15 -
ベルトルト(僕は…ユミルと一緒に生きたいんじゃない)
ベルトルト(彼女と一緒に死にたいんだ)
ベルトルト(だからもし、彼女に僕の『一生のお願い』を伝える機会があったら)
ベルトルト(こう言うんだ。君に叶えて欲しいお願いは一つだけ)
ベルトルト(『ユミル、お願いだ。僕と一緒に…死んでくれ』)
ベルトルト「明日は、僕一人でも…やる」ボソッ
・
・
・
-
340 : 2013/11/23(土) 21:04:53 -
ライナー「大丈夫か?ベルトル」ベルトルト(今、全てわかってしまった)
ベルトルト「僕は、彼女と死にたいんじゃない…」ガクン
ベルトルト(どんな酷い言葉を投げつけられたとしても…)
ベルトルト「もっと前からわかっていたはずだ…」ギュッ
ベルトルト(ユミルから逃げない。この気持ちからは逃げきれない)
ベルトルト「生きたいんだ、本当は!彼女と一緒に。僕もアニと同じ夢を持って…」グスッ
ベルトルト「どうし…て、僕はこんな事を…」ボロボロ…
アニ「…」
アニ「まだ、間に合う…」
ベルトルト「…えっ」
-
341 : 2013/11/23(土) 21:07:14 -
アニ「逃げよう!みんな一緒に。幸いな事にあの3人は、まだ誰も死んでいない」ライナー「そうだな、運が良かった」フー
ベルトルト「…僕も、入れてくれるの?この計画に」
アニ「あぁ」コクン…
アニ「あんたがいなきゃ、私達は幸せになれない」
ベルトルト「アニ…」
ライナー「じゃあ、俺が今夜にでもアニの計画について、詳しい説明をするから」
ライナー「全ての手順を忘れずに、頭の中に叩き込んでおいてくれ」
ベルトルト「うん」
ベルトルト(僕は、ユミルと逃げる)
ベルトルト(…泣かせても、怒らせても、脅しても…手段なんてどうでもいい)
ベルトルト(絶対、彼女を連れて行く)
ベルトルト(あの場所へ…6人全員、生存したまま。みんなで、幸せに暮らすために)
-
349 : 2013/11/23(土) 21:24:58 -
アニ「ほらね、もう傷跡も残っちゃいない」アニ「綺麗なもんさ…」パッ
アルミン「…エレン」
アルミン「アニがまさか…エレンと同じ巨人の力を…」ブルブル…
アルミン「どうして…アニが…」
アニ「アルミン、このことは誰にも言わないで。私はあんたを信用して秘密を教えたんだ」
アニ「詳しい事は、まだ話せないけど…」
アニ「いずれ、全部教えてあげるから、ひとまず落ち着いて私の話を聞いて欲しい」
アルミン「…」コクン
アニ「新兵勧誘式が終わった後、あんたが所属する予定の調査兵団は」
アニ「1か月後に壁外調査を実施する」
-
364 : 2013/11/28(木) 19:40:49 -
ライナー「着いたぞ!この宿だ」クリスタ「わぁ…大きい!こんな豪華な宿…大丈夫なの?ライナー」
ライナー「宿代の事なら心配は無用だが…」
ライナー「これでもこの宿はヤルケル区では中の上あたりでな、まだまだ上があるんだが…」
ベルトルト「僕ら身なりも良くないし、上流階級の人間が使う宿なんか取ったら、」
ベルトルト「悪目立ちしてしょうがないよ…それにこの宿は1階に食堂が併設されていて」
ベルトルト「料理がすっごく美味しいって書いてあったから、もうここしかないってば…」
ユミル「へぇ~…ベルトルさんはそれが目当てか、意外に食い意地が張ってるんだな」フフッ
クリスタ「美味しい料理か~…少し期待しちゃうね!ユミル」
ユミル「あぁ、そうだな!クリスタ。サシャも連れてきてやりたかったな…」
ライナー「そういや脱走してから、ろくなもん食ってないな…腹が減った」
ベルトルト「じゃ、受付済ませてからみんなでお昼食べようか」
-
366 : 2013/11/28(木) 19:46:05 -
ユミル「…」クリスタ「…」
ユミル「待て!それはまずい…」
ベルトルト「何が?」
ユミル「男3人に、女3人…つまり最低1部屋、男女で寝なくちゃいけない部屋が出来る」
ライナー「あー…そうだな…気付かなかった」
ベルトルト「それの何が問題なの?」
ユミル「何がって!大問題だろ!!」
クリスタ「ユ…ユミル。ちょっと声が大きいよ…みんな見てる…」チラチラ
ユミル「わ…悪ぃ、つい興奮しちまって…」
ライナー「ま、部屋割りは後でいいだろ…アニが来てなきゃ1人分空くんだし」
ライナー「荷物は1部屋に集めておいて、とにかく飯にしよう…はぁ、疲れた」
-
367 : 2013/11/28(木) 19:47:57 -
~宿屋1階の食堂~クリスタ「想像していたより…ずっと豊か!」
クリスタ「食卓に色があるっていいね」キラキラ
ユミル「そうだな、シーナってさ…暮らすにはえらく金が掛かるが、物資は豊かだよな」
ユミル「サシャがあれだけ食べたがっていた肉も…ほら、普通に献立表に載ってる」
クリスタ「本当だ!でもすごく高いね…」ハァー
ユミル「うーん、ちょっと無理だな…」
ベルトルト「食べたかったら、注文してもいいよ。ユミルもどうぞ」ニコニコ
ライナー「そうだぞ、クリスタも遠慮するな」
ライナー「本職の料理人が作る料理を食べる機会はもうあまりない…好きなの食え」
-
368 : 2013/11/28(木) 19:50:05 -
ユミル「と言うかさ、宿代とか食堂の支払いとか…本当にお前らどうすんだよ…」ユミル「財布の中身なんざ、私らとそう変わらないだろ…無理すんなって」
ライナー「心配は無用だと言っただろ。これから、俺らが乗ってきた調査兵団の馬を売る」
ユミル「!?」
クリスタ「!?」ユミル「本気か?じゃあ今後の移動はどうすんだよ!!」
クリスタ「私の馬も…売っちゃうの?」
ライナー「いや、待て。クリスタと俺の馬は残す…残りの2頭を売るつもりだ」
クリスタ「良かった、でも…」
ユミル「ジャンの馬…売っちまうのか」ハァ
ベルトルト「ユミル、馬にとってはその方が良いのかも知れないよ」
-
372 : 2013/11/28(木) 19:57:09 -
~宿屋の一室~
ベルトルト「さて、食事も済んだし…少し眠りたいところだけど…そう時間もない」
ライナー「店が開いてる時間は限られてるからな。ちょっと無理しても日中動くべきだ」
ベルトルト「そうだね、時間を大切にしないと…行かなきゃいけないところも多いし」
ベルトルト「ユミル、眠いのはわかるけど、ほら…もう出掛けよう?」
ユミル「ん…?どこへ…だ」
ベルトルト「買い物。僕とユミルの買い物」
ユミル「買い物?…そうだな」
ユミル「服は3日分しか持って来てないし、日用品も本当に最低限しか持って来てない…」
ベルトルト「あの時はごめん…。お詫びに色々買ってあげるからね」ナデナデ
ユミル「…ふぁ~っ…眠い…わかっ…た」
-
374 : 2013/11/28(木) 20:00:26 -
ベルトルト「…」ベルトルト「キスとか…抱きしめたりとかは?…まったく何もしてない訳?」イライラ
ライナー「おっ…お前なぁ…それは普通、告白してからだろっ。…いや…違うな」
ライナー「相手から良い返事をもらってからの話だ。そうじゃなきゃ犯罪だぞ…」
ベルトルト「は…犯罪?」
ユミル「ん、その理屈からいくと、ベルトルさんは完全に犯罪者だなぁ…ふゎぁ…眠…」
ベルトルト「ユ…ユミル、僕は違うよ!…だって僕らはお互い好きだったでしょ!」オロオロ
ライナー「惚気るのはそこまでにしとけ…」ハァ…
-
375 : 2013/11/28(木) 20:03:12 -
ライナー「よし!今夜、絶対告白する!絶対だ…今夜で決める!!」ベルトルト「期待しないでおくけど…でも、ちゃんとクリスタにも選択権を与えてよ」
ベルトルト「そうじゃないと…彼女、自分の人生を生きられなくなる」
ライナー「わかってるよ、言われなくてもな」
ユミル「…」
ユミル(私には選択権はなかった気がするが…ベルトルさん多分、わかってねぇな)
ダッ ダッ ダッ…
ガチャガチャ! バン!!
クリスタ「ユミル!ライナー!ベルトルト!」
ユミル「…?」ハッ
ユミル「クリスタ!どうした?」ガバッ!
クリスタ「今ね、今ね!アルミンがいた!!」
-
376 : 2013/11/28(木) 20:04:53 -
ユミル「アルミン…?」クリスタ「ほら…」クルッ
アルミン「クリスタ…ちょっとまって…」ハァハァ…
ユミル「アルミン!!お前…生きてたのか」
ベルトルト「アルミン。久しぶり」ニコッ
ライナー「ほら、俺の言った通りだろ。また会えるってな」ニヤリ
アルミン「ライナー、ベルトルト…久しぶり!2週間ちょっと会わなかっただけなのに」
アルミン「もう何年も会わなかったような気がする…」
アルミン「それに、クリスタにユミルも…」
アルミン「懐かしい…そうか、教えてもらえなかった残りの2人の協力者って…」
アルミン「クリスタとユミルだったんだ!…あぁ、もう二度と会えないと思ってた」
クリスタ「アルミン…」
-
378 : 2013/11/28(木) 20:09:09 -
クリスタ「ところでアニは一緒じゃないの?」アルミン「あぁ、アニはね、ウォール・シーナ内部まで『酵母』を買いに行ってるよ」
アルミン「僕が用意した酵母が予定より少なかったみたいで買い足しに行ったんだ」
アルミン「この街でも買えるんだけど、ついでに調理器具なんかも揃えておきたいって」
ユミル(調理器具…?)
アルミン「シーナの中央近くの方が、流通している物の質が良いのはわかるけどね」
アルミン「夕方か夜には戻ると思うよ」
ベルトルト「そうか…アニに会うのも久しぶりだ」ワクワク
ライナー「だな、ちょっと楽しみだな」
ユミル(こっちは会いたくないってのに、そんな嬉しそうな顔すんなよ…ベルトルさん)
ユミル「…」ハァ
-
382 : 2013/11/28(木) 20:16:18 -
ユミル「しばらく人の出入りがないような金持ちや貴族の別荘なんかで金品を借りたり、」ユミル「王都の地下街でスリをしたりな…」
ユミル「こんな、明るい世界とは無縁の生活だったんだよ、訓練兵団に入るまではな」
ベルトルト「そうだったんだ…僕らが開拓地で辛い生活を送っていた頃、ユミルも…」
ベルトルト「ねぇ、手を繋ごうか…」
ベルトルト「ユミル、早く手を出して」ソッ
ユミル「えっ…」
-
383 : 2013/11/28(木) 20:18:01 -
ベルトルト「人が多いからさ、はぐれると困る」ギュッユミル「あ…あぁ、そうだな」ギュッ
ユミル「手、温かいなぁ…血が通っている」
ベルトルト「…当たり前だよ。僕ら、『人間』だからね」フフッ
ユミル「…」
ユミル「そうだな、『人間』だもんな…」ニコッ
・
・
・
-
387 : 2013/11/28(木) 20:25:56 -
ベルトルト「ね、君の服はそれで足りそう?」ユミル「あぁ、結構買ってもらった」
ベルトルト「下着も買ってあげようか?僕の好みになるけど…」
ユミル「それはいらない…店の場所は分かったから明日一人で買ってくるわ」
ベルトルト「ふぅん…残念だ」ショボン…
ユミル「そうだ…確か、ベルトルトさんと何か約束したよな」
ユミル「私に買ってくれるって言ってた物って…なんだったっけ…」
ベルトルト「僕は覚えてるよ!君に叱られたからね。それは明日以降に買ってあげるね」
ベルトルト「今日はまだ、君と一緒に行きたい店があってね…」
-
397 : 2013/12/05(木) 19:25:25 -
ユミル「思い入れがあるのか?その店に」ベルトルト「行くのは初めてだから『思い入れ』は特にはないけど、その店にはある噂が…
ベルトルト「あ、ここだよ!もう着いた」
ユミル「!?」
ユミル「お…お前、ここ…宝飾店じゃねぇか!!」
ユミル「待て、血迷うな…。私は宝石とか装身具とかには興味がない。金の無駄だ」
ベルトルト「まぁまぁ、入ってみようよ」グイッ
ユミル「おい!引っ張るなよっ…」
ガチャッ…ギギギ…
カラン カラン
-
398 : 2013/12/05(木) 19:27:12 -
宝飾店の主人「ほぅ、いらっしゃい」宝飾店の主人「おや…珍しいね、ずいぶん若い恋人同士がお見えだ」ハハハ
ユミル「違うって…私らはそんなんじゃ…」
ベルトルト「こら、違わないでしょ!照れないで」ギュゥ
ユミル「ベルトルさん…手、痛い」
宝飾店の主人「なんだか初々しいねぇ」
宝飾店の主人「もう、結婚するのかい?二人とも十代に見えるが…」
ベルトルト「実は彼女からまだ返事は貰えてないんですけど、この店の例の噂を知って、」
ベルトルト「どうしても貴方のお店で『指輪』を買いたくなったんです」
ユミル「!?」
ユミル「おっ…お前…指輪って…」
ユミル「ベルトルさん!!わ…私はまだ…その…『うん』って言って…ない…」
ベルトルト「わかってる。でも、ここで買い逃したら、もう買うことが出来なくなる」
-
402 : 2013/12/05(木) 19:39:00 -
ベルトルト「ねぇ、僕を好きだって…言ってくれたじゃないか…」ユミル「…」
ベルトルト「ユミル…好きだよ、本当に愛している」
ユミル「お前っ…人前だぞっ!」///アワワ
宝飾店の主人「ふふっ」ニコニコ
ベルトルト「そんなの関係ない。君が指輪をはめてくれるまでずっと言い続ける…」
ユミル「はぁ…」
ユミル「お前は、本当に我儘なんだな…」
ベルトルト「うん、年下の特権だね」
ユミル「もう…わかったよ!」
宝飾店の主人「いや、若いっていいね!私も青春時代を思い出したよ」ハッハッハ
ベルトルト「」////カァァ…
ユミル「」////カァァ…
-
407 : 2013/12/05(木) 19:49:51 -
ベルトルト「…」ユミル「また、だんまりかよ…」ハァ…
ベルトルト「えっと、『金』にします」
ユミル「…おい!」
宝飾店の主人「『金』でいいのかい?ちょっとお高いよ」
ベルトルト「うん、大丈夫!予算の範囲内だから。それに金は変色しないのがいい」
ベルトルト「あと、錆びないところも…」
ベルトルト「ずっと綺麗なままだなんて、結婚指輪としては完璧じゃない?」
宝飾店の主人「ほぉ、分かってるね。お兄さん!」
ベルトルト「じゃぁ、それで…」
ユミル「ほらまた、勝手に決めようとする」
ベルトルト「!?」
ベルトルト「また…やっちゃった?ごめん」
-
412 : 2013/12/05(木) 20:01:29 -
ベルトルト「決まりだね、僕は『ベルトルト・フーバー』で、彼女は、『ユミル…ユミル「私は名だけでいい、姓は不要だ」
ベルトルト「…」
宝飾店の店主「名入れに少々時間を貰うよ」
宝飾店の店主「その間、お嬢ちゃんは隣の店で暇を潰してきちゃどうだい?」
ユミル「…ん?」
ユミル「隣の店には何があるんだ?」
宝飾店の店主「化粧品を売っているんだ。良かったら是非見てってやってくれないか」
宝飾店の店主「実は私の妹の店でね」ハハ…
ユミル「化粧品ね…用はないけど行ってみるか。商売上手だね、おじさん」ニコッ
ベルトルト「ユミル、指輪の大きさキッチリ合わせてね、両方の薬指だよ」
-
414 : 2013/12/05(木) 20:06:10 -
~宝飾店隣、化粧品店~
ベルトルト「…ユミル?」キョロキョロ
ベルトルト「あの、すいません…ここに17歳くらいの黒髪の女の子来ませんでしたか?」
売り子の姐さん「んんっ?あんた、この娘の彼氏かい?」
ベルトルト「この娘…?」
売り子の姐さん「そう、この娘。今あたしが化粧してる娘」
ベルトルト「…?」ジーッ
ユミル「ん…遅かったじゃねーか。待ちくたびれた…ふゎぁあ…」
ベルトルト「…誰?」
ユミル「はぁ?」
-
415 : 2013/12/05(木) 20:08:25 -
ベルトルト「…ひょっとして、ユミル???」
ユミル「私以外と待ち合わせしてたのか?」
ベルトルト「えぇぇぇぇぇぇ!!!!」フラッ…
ベルトルト「ちょ…本当にユミルなの?変わり過ぎだよ!!本気で誰かわかんなかった!」
ユミル「宝飾店のおじさんの妹さん…つまり目の前に居るこの姐さんが、お遊びでね」
ユミル「私に化粧を施しやがった…」
売り子の姐さん「いや、客もいなし暇だったからさぁ…」
売り子の姐さん「兄さんの店で指輪買ってくれたんだって?そのお礼も兼ねてさ!ちょっとね」
売り子の姐さん「どうだい。見違えただろ?あんたの彼女。元は良いのにさぁ」
売り子の姐さん「化粧しないのは勿体ないねぇ…あんたなら王宮にだって上がれるかもよ」
-
416 : 2013/12/05(木) 20:10:47 -
ユミル「王宮?ないない!侍女にもなれねぇよ、私なんか。ダハハ!」ユミル「貴族のお手付きになるのも勘弁だしな。あんまり持ち上げんなよ、姐さん」
ベルトルト「…」
ベルトルト「やだ…」
売り子の姐さん「…は?」
ベルトルト「ユミルには化粧をしてもらいたくない…」
ユミル「やっぱ私には似合わねぇよな」アハハ
ベルトルト「そうじゃなくて!…凄く、綺麗だから…他の男に見せたくないんだ、その顔」
ユミル「…?」
-
417 : 2013/12/05(木) 20:13:16 -
売り子の姐さん「へぇ…嫉妬深いんだね、あんたの彼氏。いや、未来の旦那さんかな?」ユミル「そ、そんなんじゃねーよ…」///
売り子の姐さん「この娘は、肌が綺麗だから白粉はいらないくらいだよ。でもそばかすがね…」
売り子の姐さん「隠したいならこっちの品を勧めるよ、天然成分由来だから身体にも悪くない」
売り子の姐さん「目は切れ長、まつ毛も長い…瞼に少し色を付ければ大人の女の仲間入りだ」
売り子の姐さん「顔は元々整ってる、薄めの唇には厚めに紅を乗せて官能的にしたりね」
売り子の姐さん「あんたの彼女、本当にベッピンさんだよ、しばらく見ない上玉だ」
ベルトルト「褒めてくれるのは嬉しいけど…僕は元のユミルが好きだから…」
ベルトルト「化粧落としてもらえない?今ここで」
ユミル「…」
-
422 : 2013/12/05(木) 20:25:08 -
ユミル「さて、どの紅を買おう…」ユミル「なぁ、ベルトルさん。どの色が好きだ?お前が決めてくれ」
ベルトルト「えっ…僕?」
ユミル「あぁ、私が決めてしまうとな…」
ユミル「また前みたいに『その色は嫌いだから置いて行って』って言われそうでな」ハハ
ベルトルト「!?」
ベルトルト「もう!…あの時はごめんねって…謝ったじゃないか!」ムスッ
ユミル(そういや、買ってもらう約束してたのは『髪留め』だったな)
ユミル(まぁ、ベルトルさんが覚えているなら、別に言わなくてもいいか…)
-
424 : 2013/12/05(木) 20:29:44 -
ユミル「ベルトルさん…こっちおいで」スクッ…ユミル「ここに腰かけてくれ。ほら」
ベルトルト「…?」
ユミル「でないと、お前の頭を撫でられない」
ベルトルト「ユミル…」ストン…
ベルトルト「いっ…いいよ、ユミル!撫でなくても…ねぇ、お姐さんも見てるし…」
売り子の姐さん「構わないよ、どうぞ続けて」
ユミル「」ナデナデ…
ユミル「私がそうしたいんだ、付き合わせて悪ぃな…ベルトルさん」ナデナデ
ベルトルト「…」
ベルトルト(あぁ、だから僕は…ユミルが好きなんだ…)
ベルトルト(抱きしめて、何度もキスをしたいけど…ここだときっと怒られる)
ベルトルト(宿に戻ったらしよう。絶対)
-
425 : 2013/12/05(木) 20:32:14 -
売り子の姐さん「で、どの色を買うんだい?」ベルトルト「えっと、この色でいい?ユミル」
ユミル「あぁ、いいよ。私に似合うと思って選んでくれたんだろ?」
ベルトルト「うん。ユミルの肌は白いから…きっとこの色合いの赤が映えると思う」
ベルトルト「綺麗だろうなぁ…」
ベルトルト「あぁ!忘れてた…ほら、指輪。名前入れてもらったから手を出して」
ユミル「右手だよな」スッ
ベルトルト「右手の薬指ね、『ベルトルト・フーバー』って僕の名前が入ってるから…」
ベルトルト「落とさないでよ」キュキュ…
ユミル「…ん?」キラッ
ユミル「名前って、私の指輪にお前の名前が入るのか?」
-
426 : 2013/12/05(木) 20:34:03 -
ベルトルト「そう、結婚指輪だから相手の名前が入るんだ」キュキュキュ…ユミル「!?」
ユミル「ってことはお前の指輪には私の名前が入ってるのか?」
ベルトルト「そうだよ」キラッ
ユミル「そうか…知らなかった…。なんか恥ずかしいな」///
売り子の姐さん「あはは!紅筆おまけしてやるよ。あんた達、お似合いだ。気に入った」
売り子の姐さん「…で、化粧落としてく?」
・
・
・ -
427 : 2013/12/05(木) 20:36:17 -
ユミル「姐さん、色々ありがとう。化粧なんかしたの初めてでさ、楽しい時間だった」売り子の姐さん「こっちも楽しかったよ。またおいでよ」
ベルトルト「そうしたいんだけど…僕達も時間がなくて3日後にはヤルケル区を出るんだ」
ユミル「…そうなのか?」
ベルトルト「うん」
ユミル「次はどこに行くんだ?」
ベルトルト「それはまた明日、説明する」
ユミル「…」ハァ…
売り子の姐さん「じゃぁ、これっきりかい?残念だね…」
ユミル「仕方ないな…姐さんも元気で」
売り子の姐さん「あいよ!あんた達もね」フリフリ
・
・ -
428 : 2013/12/05(木) 20:39:03 -
ユミル「いい人達だったなぁ…宝飾店のおじさんも化粧品店の姐さんも」ベルトルト「そうだね」
ユミル「今日は本当にいい日だった。楽しかったよ、ベルトルさん」
ベルトルト「本当!?だとしたらすごく嬉しい!だって僕は、デートのつもりだったから…」
ユミル「そっか…そう言えば、デートなんてのも生まれて初めてだ。こんなに楽しいんだな」
ユミル「指輪も…綺麗だ」キラキラ
ベルトルト「ユミル、顔がにやけてる」
ユミル「…そ、そんなことねぇよ」///
ユミル「でも、嬉しいよ…やっぱり指輪、無いよりあった方がいいな。ありがと…」
ベルトルト「…うん」///
ユミル「もう、返せって言われても…絶対返さないからな…」
ベルトルト「絶対言わないよ、それはありえない…一生つけてもらうつもりだから」
ユミル「はは、一生ねぇ…あ、なぁ…」
-
431 : 2013/12/05(木) 21:01:55 -
乙です
前回後半からの嬉し恥ずかし初デートが初々しくて身悶えした
かわええしリア充爆発しちまえベルトルトが案外と押しが強いというか我が強くて
ユミルの「ついてけないゲージ」あげるんじゃないかと
老婆心ながらハラハラしてしまったよ結婚指輪(だよね?)の予算…すげえぇ…
なんとなくベルトルトってシコシコ貯めてそうだけどw次回の更新も楽しみに待ってるよ、乙でした
-
440 : 2013/12/17(火) 19:49:30 -
保守ありがとうございます一区切りつくまでゆっくりしようかと思いましたが、そうなると多分
完結しないのでやる気があるうちに…例のスレではコメントありがとうございました
意外にこのスレ見てくださってる人がいるんですね、嬉しいやら恥ずかしやら…>>431 今回、ベルトルトの「我慢のゲージ」が振り切れてますよ!
今から投下します
-
442 : 2013/12/17(火) 19:57:11 -
ベルトルト「すごく綺麗だよ、ユミル」///ユミル「…」
ユミル「なんだよ…これ…」
ベルトルト「…?」
ユミル「おっ、落とすっ!今すぐ落とす!!」アセアセ
ユミル「この近くに手洗い場か洗濯場はないか?!…最悪、噴水でもいい!!」
ベルトルト「ユミル、急にどうしたの?化粧変じゃないよ…似合ってる。かわいいよ」
ユミル「変とか変じゃないとかじゃなくて…これ、嫌なんだ!」
ベルトルト「どこが?」
ユミル「これは…3年くらい前に王都で見かけた、『高級娼婦』の化粧にそっくりだ…」
ベルトルト「高級娼婦…?」
ユミル「王族、貴族、商会や教会、法律家なんかの権力者達を相手に性を売る女の事だ」
-
444 : 2013/12/17(火) 20:01:34 -
ベルトルト「…え?いや、待って…それは無いって!!」ベルトルト「僕もトロスト区でさ、夜の街に立つお姉さんを見かけたことあるけど…」
ベルトルト「みんなドレスを着てたよ」
ベルトルト「ユミルは普通の服だし…その化粧だって下品じゃない。娼婦には見えないよ」
ユミル「そ…そうだよな、さすがに考え過ぎだよな!」アハハ……ハァ…
ユミル「ま、お前の言うとおり…」
ユミル「白いブラウスに黒のカーディガンとズボンで歩いている娼婦は居ないよな…」
ベルトルト「うん、至って普通の格好だ」
ユミル「じゃぁなんでさっきから男どもがニヤニヤしながらこっち見てくるんだ?」ハァ
ベルトルト(一応、気付いてはいたんだ…)
ベルトルト(理由までは分かっていないみたいだけど…)
-
447 : 2013/12/17(火) 20:10:30 -
貧民街の子供 ハァハァハァハァ…
ベルトルト「待って!財布返して!」
ユミル ハァハァ…
ベルトルト「すばしっこい上に土地勘がある」ハァハァ…
ベルトルト「下手したら見失うかも…」
ユミル「なぁ…ヤルケル区ってなんでこんなに起伏が激しいんだ?坂が多すぎる…」ハァハァ
ベルトルト「シーナ内部の西側に高い山々が連なっているのは知ってるよね?」
ベルトルト「その影響をここは直接受けているから街全体で高低差があるんだ」
ユミル「あぁ…そうなのか」ハァハァ…
ベルトルト「シガンシナ区やトロスト区は平坦な土地に出来た街だったから」
ベルトルト「このヤルケル区は他の突出区と比べると特徴的だよ」ハァ…ハァ…
-
448 : 2013/12/17(火) 20:12:52 -
ユミル「…ん?」ユミル(シガンシナ区の地形、何で知ってるんだ?アルミンかエレンに聞いていたのか?)
ベルトルト「だからって、子供の足に…元兵士が負ける訳にはいかないよね」ニヤッ
ベルトルト「ユミル、これ持ってて」ポシュン…
ユミル「は?お前、ちょっと…おい!」トットッ…
ベルトルト「すぐ捕まえる、手ぶらなら負けない!追いかけっこはもう終わり!!」
ダダダダダッ!!
・
・
・ -
449 : 2013/12/17(火) 20:14:52 -
貧民街の子供「…いたい!お願い、はなして!!」ベルトルト「ダメ、放せない」
ベルトルト「まずはユミルの財布を返して」
貧民街の子供「いや…いやだっ…!」フルフル
ベルトルト「でもそれ、君の財布じゃないでしょ?嫌って言ってもダメなんだよ。返して」
ユミル「…ハァハァ…やっと追いついた」
貧民街の子供「…」ガタガタ…
ユミル「まだ、ほんのガキだな…」
ベルトルト「ほら、ユミルに謝って!財布を返すんだ!早く」
貧民街の子供「…やだ…だってお金がないとお母さんが…ひっく…うっ…っ…」グシュ
ユミル「…お前の母親、どうかしたのか?」
-
451 : 2013/12/17(火) 20:20:18 -
貧民街の子供「お願いします…薬とパ…パンを買うお金、めぐんでください…」ヒック…ユミル「…」
ベルトルト「いいよ、僕があげる」
ベルトルト「薬代まではあげられないけど、1週間分のパン代ぐらいならあげるよ」
ベルトルト「ちゃんとスープも飲めるように置いていくから、ユミルのお財布返してね」
ユミル「…いや待て。お前は甘すぎる」
ベルトルト「えっ…ユミル?」
ユミル「お前の家に案内しろ。母親に説教してやる。こんなガキを野放しにしやがって」
貧民街の子供「…」グスッ
ユミル「本当に母親が病気か怪しいもんだ…もし嘘だったら、てめぇを憲兵に突き出す!」
貧民街の子供「」ビクッ!
-
452 : 2013/12/17(火) 20:22:32 -
貧民街の子供「う…嘘じゃないもん!わたし、嘘なんかついてない」ヒックベルトルト「ユミル!それはやりすぎだ!!」
ベルトルト≪憲兵に突き出すって…僕らだって追われる身なんだよ?≫ヒソヒソ…
ベルトルト≪ここは少しばかりのお金を渡して早く帰ろう、もう関わらない方がいい≫
ユミル「…」
ユミル「そう言う訳には、いかないんだよ…ベルトルさん」ギリッ
ベルトルト「ユミル…」
-
456 : 2013/12/17(火) 20:33:18 -
貧民街の子供「この部屋に、お母さんが寝てるの…あの…おねえちゃん…」ユミル「何だ?」
貧民街の子供「お母さんの病気、うつるんだって…別の階に住むおねえさんが言ってた」
貧民街の子供「だからあんまり近づかないで…おねえちゃんまで大変な事になるから…」
ユミル「…」
ユミル「そうか…お前は優しいんだな」
貧民街の子供「それと、お母さんは身体が弱っているから…私のことでいじめないで…」グスッ…ヒック…
ユミル「いじめやしねぇよ…」ポンポン
ユミル「ヨシヨシ…泣くなよ。私はお前を、助け出したいんだ…この底知れない闇から」
ベルトルト「ユミル…」
-
457 : 2013/12/17(火) 20:35:59 -
~薄暗い売春宿の一室~
ギギギッ…
貧民街の子供「今帰ったよ、お母さん…」
貧民街の子供「身体のちょうしは良くなった?」
貧民街の娼婦「あぁ…おかえり」ヨイショ…
貧民街の娼婦「昨日よりは少し熱が下がってね…楽になったよ、ありがとうね」ナデナデ
貧民街の娼婦「あら…この人たちは?」
貧民街の子供「…」
ユミル「この子が私の財布を拾ってくれたんだ。母親のあんたにもお礼を言いたくてさ」
ベルトルト「!?」
貧民街の子供「おねえちゃん…」
-
458 : 2013/12/17(火) 20:38:03 -
ベルトルト「…ユミル、ちょっと!」貧民街の娼婦「まぁ…そうだったの…」ニコッ
貧民街の娼婦「良い事したね。いい子だったね…」ギュッ…
貧民街の娼婦「どんなに貧しくても他人様の物には手を出さない、ちゃんと約束守れてるね」
貧民街の子供「お…おかぁさ…うっ…うわぁぁぁぁ~ん…グスッ…」
貧民街の娼婦「お母さんすぐ病気治してまた頑張るから、もう少し辛抱してね…」
ユミル「…」
ユミル「なぁ、失礼は承知で聞く…なんでそんな若くしてこの子を産んだんだ?」
貧民街の娼婦「…」
貧民街の娼婦「…神様から授かってしまったからかな?経緯は色々あるけどね」
-
462 : 2013/12/17(火) 20:47:05 -
ユミル「いいや、死なない」
ユミル「ここはウォール・シーナだ。特効薬が買える…良かったな。治るよ、あんた」
貧民街の娼婦「無理よ…薬なんて買えない。だってそんな大金ここにはないもの…」フルフル
ユミル「じゃ、私が買ってくる」
貧民街の娼婦「えっ…」
ベルトルト「ユミル!」
ユミル「おいガキ!お前の母親、助けてやるからここから一番近い薬局の場所教えろ!」
貧民街の子供「…う、うん!!」
ベルトルト「はぁーーー…なんでこうなるんだ、もう…お人好しにも程があるだろ…」
-
466 : 2013/12/17(火) 20:57:04 -
ユミル「なぁ…指輪、鳴らしていいか?」
ベルトルト「えっ!…あ、うん」
カチン…
ベルトルト(僕の指輪と、ユミルの指輪がぶつかって…あぁ…胸がドキドキする…)
ユミル「もう一回な」
カチン…
ユミル「指輪から…幸せな音がする」ニコッ
ベルトルト「うん、そうだね…」///
ユミル「私を信じてくれよ…こっちも気が進まねぇけど…やるしかねぇんだ」ハァ…
ベルトルト「…」
-
470 : 2013/12/17(火) 21:07:40 -
ユミル プチン…プチン…ベルトルト(ブラウスのボタンも2つ外して、キャミソールの隙間から黒いブラジャーが…)
ベルトルト(あぁ、胸の谷間が…あんなに露わに…もう見て、いられない…)グッ…
ユミル「最近、奥さんと愛し合っている?…ねぇ、おじさん」
パチン……ジジジーー
ベルトルト(下腹部を見せつけるように、ジッパーをさげた…黒い下着がチラッと見え…)
ベルトルト「ユミル!僕は嫌だ!!もう、やめ…
ユミル「うっせぇな!黙ってられねぇなら、お前帰れよ!ここからは大人の時間だ!」
ベルトルト「!?」
ベルトルト「…っ」グググ…
ユミル(もうちっと胸を寄せて、カウンターに座る…)トン…
ユミル(んで、キャミソールをまくり上げ、へそを見せながらゆったりと脚を組め)スッ
-
472 : 2013/12/17(火) 21:14:36 -
薬局の店主「お前、歳はいくつだ?」ユミル「じゅうなな…」
薬局の店主「そこのガキは?」
ユミル「さぁ?シーナ西方面駐屯訓練兵だって言うから…まだ15か16なんじゃないの?」
薬局の店主「兵士か…ふん!ガキのくせに生意気に女なんか買いやがって…」
薬局の店主「…悪い女だな、お前。ガキ相手に、本気になるまで誘惑してハメたんだろ?」
ベルトルト「…黙れよ」ギリギリ
ユミル「黙るのはてめぇだ、静かにしろ」
薬局の店主「でもどうすっかなぁ…初見の客には売らないのが俺の流儀なんだが…」
薬局の店主「でもあんた…若くて美人だしなぁ…」ナデナデ…
ベルトルト「!?」
-
473 : 2013/12/17(火) 21:17:14 -
ベルトルト「なに胸なんか触ってるんだよ!彼女に触るなっ!!ユミルは僕の恋…
ユミル「お前、出て行け…」ハァ…
ベルトルト「ユ、ユミル…」グスッ
ユミル「大人の時間だって言ったろ?我慢が出来ない奴は帰れ…」
ユミル「どうでもここに居たきゃ、四つん這いになって下を向いて耳を塞げ、犬みたいにな」
ベルトルト「……くっ」ガクン…ペタ…
薬局の店主「わはは!こりゃ驚いたね。よく躾けしてある…ゾクゾクするよ、その声」
ユミル(よし!もうひと押しだ…悪ぃな、ベルトルさん)
-
475 : 2013/12/17(火) 21:23:48 -
ユミル(後は唾液を溜めて、音を出しながら中指をしゃぶるだけ…)
ユミル ジュプ…クチュ…クチュッ……ジュボッ…ジュボッ…
薬局の店主「ハァハァ…あ…あぁぁ…いいね、悪くない…あんたいい女だよ…」
ベルトルト「…」ジーッ
ユミル「…ねぇ…欲しいの……ちょうだい…」
薬局の店主「あぁ!やるとも、今すぐに…ハァハァ…」 カチャカチャ…ジジジ…
ユミル「梅毒の治療薬、な…」
薬局の店主「あ…」///
・
・
・ -
476 : 2013/12/17(火) 21:26:50 -
ユミル「よしよし、上手くいったぞ。あのどスケベ…案外ちょろいな!」ニヤニヤベルトルト「…」
ユミル「偽薬混ぜたら二度と来ないって脅してやったし、見たとこ大丈夫そうだ」
ユミル「しかもかなり値切れた!これであの母子もしばらくは生きていけるな!」
ベルトルト「…」
ユミル「…」
ユミル「なぁ、いつまで黙ってんだよ…」
ユミル「まだ怒ってんのか?怒鳴りつけたこと…いや、四つん這いにさせたことか?」
ユミル「悪かったよ…謝る。でも口を出さない約束を破ったのはお前だろ…」
-
477 : 2013/12/17(火) 21:32:23 -
ベルトルト「どうして…」ユミル「!?」
ベルトルト「どうして僕の前であんな事を!」ガシッ…グイッ
ユミル「…ベルトルさん?」グイグイ…
ユミル「ダメだ、いくら暗がりだからって…誰かに見られ…
ユミル「んっ…」チュッ
ユミル「は…っ……んんっ…や、だ」クチュッ…チュッ…
ユミル「ぁ……っ…」ジュルッ…チュポン…
ベルトルト「はぁ…はぁ…さっきは…美味しそうに指舐めてたくせに…」ハァハァ…
ベルトルト「あんな、物欲しそうな女の顔…僕には見せてくれないくせにっ!」ギリッ
ユミル「だから、あれは演技だって!」
-
479 : 2013/12/17(火) 21:35:34 -
ベルトルト「…っはぁ…はぁ…」ベルトルト「キスマーク…つけた」
ベルトルト「これでもう、僕のものだ。誰にも見せない、触らせない!」ハァ…ハァ…
ユミル「ば…ばか、何してくれてるんだよ!」
ベルトルト「それ、消したらもっとキツくて痛いのつけるからね」
ユミル「ベルトルさん…」
ベルトルト「僕は今、すごく怒っている。大声で叫びだしたいぐらいに!」
ベルトルト「ユミルが無茶したこともそうだけど、傍観するしかなかった自分にも…」
ユミル「…」
-
481 : 2013/12/17(火) 21:40:18 -
ベルトルト「僕は宿に戻ったら、いっぱい君を抱きしめる。で、キスもする。たくさん!」ユミル「!?」
ベルトルト「今回は、それで許してあげる」
ベルトルト「嫌だなんて、言わせないからな…」ギュウゥゥゥ…
ユミル「あぁ…もう、本当に…バカだな、私は…」
ユミル「お前は、私が思う以上に…私を大切に思ってくれているんだな…」
ユミル「一緒に逃げてから、お前の私への執着心はどこから来るのか考えることがある」
ユミル「嫉妬深くて、強引で、我儘で、世間知らずで…でも絶えず燃え続ける炎のように熱い」
ユミル「いつか、私はお前のその熱量に焼き尽くされるんじゃないかなぁって思う…」
ユミル「灰も残らないくらいに焼かれて…お前と一つになって溶けてしまうんじゃないかな…」
-
484 : 2013/12/17(火) 21:48:12 -
ユミル「母親の方も、クリスタみたいに思えて、放っておけなかった…」ベルトルト(貴族の娘、か)
ユミル「私もさ、あんな風に他人の財布をスって命を繋いだ。最初はよくヘマをした」
ユミル「捕まって憲兵に殴られたこともある。はは、一生秘密にしようと思ってたのに」
ユミル「お前には隠しておけないんだな…何でか知らないがペラペラ喋っちまう…」
ユミル「さっきは、本当にごめんな…」ギュッ
ベルトルト「ううん…僕の方こそ、ごめん」
ユミル「なぁベルトルさん、もっと強く抱きしめてくれ。お前の匂いを嗅ぎたい」
ベルトルト「うん…」ギュウゥゥゥ…
ユミル「汚れてしまったか?私は…。さっきのアレで、お前は私を嫌いになったか…?」
ベルトルト「いや、全然…。ユミルはいつだってキレイだよ。僕が好きな君のままだ」
ユミル「そうか、安心した…」
ベルトルト「さぁ、戻ろうか。あの母子が君を待ってる」
-
490 : 2013/12/21(土) 13:20:14 -
~街外れ 貧民街~
母子が住む売春宿の一室
ギギギッツ…
ユミル「ただいまぁ…戻ったぞぉ…」ハァー
貧民街の子供「あ!おねえちゃん、おにいちゃん、お帰りなさい!!」
貧民街の子供「あの…お薬どうだっ…
貧民街の娼婦「やめなさい!」
貧民街の娼婦「買えなかったでしょ?だってあの薬局のご主人…ひどく意地悪な人だもの」
貧民街の娼婦「この子が高熱を出した時だって…人の足元を見て高値を吹っかけてきたの」
貧民街の娼婦「そんな人だから、ましてや初めて会ったあなたに薬を売るはずもないわ…」
-
491 : 2013/12/21(土) 13:22:37 -
ベルトルト「2人とも安心して!ユミルがすっごく頑張ってくれたんだ…薬、買えたよ!」
貧民街の娼婦「…!」
ユミル「あぁ!ほら、この通り。身体を張り過ぎて…ベルトルさんに叱られたけどな…」
ベルトルト「あれは完全に君が悪い」ジトッ
ユミル「わかってるよ!もうしないから今後、この話を蒸し返してネチネチ絡むなよ?」
ベルトルト「本当に反省してるの?ユミル」
貧民街の娼婦「ふっ…ふふふっ!」アハハ
貧民街の娼婦「素敵ね、あなた達って…。私も、あなたみたいになりたかった…」
貧民街の娼婦「どこで人生を、間違えたのかしら…私」
貧民街の娼婦「この子を産んだことを後悔したことは一度もないけれど、かわいい娘に…」
貧民街の娼婦「毎日の食事も、教育も充分に与えてあげられないダメな母親になってしまった…」
-
492 : 2013/12/21(土) 13:25:08 -
ユミル「それなんだがな、あんた達にこれをやるよ、ほらガキ…手を出せ」貧民街の子供「…?」ジャラン…
ベルトルト「それ、ユミルの財布…」
貧民街の子供「だ…だめ!受け取れないよ、おねえちゃん。他人様の物はお母さんが…
ユミル「いいんだよ、それ全部やるから…薬、だいぶ値切れて金が浮いたんだ、だから」
ユミル「節約すれば半年分のパン代にはなるはずだ。それでな、母親のあんたはまず…」
ユミル「この治療薬を1か月、キッチリ飲み続けて完全に梅毒を治すんだ」ポスッ
貧民街の娼婦「は…はい。…ありがとう…ござい…ます」ウルッ…
ユミル「そんで身体が良くなって、体力も戻ってきたら…その財布の金が尽きる前に、」
ユミル「トロスト区へ向かう商隊を見付けて、どうにか頼み込んで乗せてもらってくれ」
ベルトルト「ユミル…」
-
494 : 2013/12/21(土) 13:29:12 -
ユミル「…だってさ。それに今後の私の支払いは全部こいつが出してくれるから心配ない」ベルトルト「えっ!そうなの?!」
ユミル「もっと甘えて欲しい、僕のお金なんていくら使ってもいい…さっきそう言ったよな?」ジロッ
ベルトルト「いっ、言ったけどさ…なんでここで言うんだよ…恥ずかしいじゃないか」///
ユミル「心配するな。ベルトルさん、私は金のかかる女じゃないって言ったろ?」
ベルトルト「じゃ、僕はユミルの『財布』になるから…ヤルケル区に滞在する3日間は…」
ベルトルト「ずっと僕の隣にいてね」
ユミル「そ、そうなるのか?…クリスタとも、あちこち見て回りたいんだが…」
ベルトルト「ダメだよ。僕と一緒!」
ユミル「はぁ…仕方ねぇな…」
貧民街の子供「おねえちゃん…おにいちゃん…ありがとう」ボロボロ…
-
495 : 2013/12/21(土) 13:31:45 -
貧民街の娼婦「本当に、ありがとう。なんてお礼を言えばいいのかしら…」貧民街の娼婦「あなた達のおかげで、私…人生をやり直せそうな気がするの…ぐすっ…」
ユミル「もちろんやり直せるさ!」
ユミル「あんたの2度目の人生が最高にイカした人生になることを、心から祈ってる…」ニコッ
ベルトルト「ユミル、日没からだいぶ時間が経ってる…帰らなきゃ。みんな心配してるよ」
ユミル「あぁ…そうか…。あのさ、帰りは裏の井戸に寄ってく…化粧落として帰るわ…」
ベルトルト「うん、そうして…」
ベルトルト「もう他の男に、絶対その顔見せたくないから…例えライナーでも…」ハァ…
ユミル「そうだよなぁ…何言われるか分からないよなぁ…気まずい空気が流れそうだ」
ベルトルト(だから違うって!無いとは思うけど、思うんだけど…!!)
ベルトルト(うっかりライナーがユミルを好きなると困るからだよっ!…って言いたい)
-
497 : 2013/12/21(土) 13:38:05 -
ベルトルト「…」ベルトルト「か…カッコいいだって!うわ…ユミル、本当?褒められてるよっ、僕…」///カァァァ…
ユミル「はぁ…帰ろう…今日は疲れた…」
~中流階級の宿屋~
ベルトルト「ただいま!ごめん、だいぶ遅くなった。アニもう来てる?」
ユミル(早く帰りたがってたのは、アニに会いたかったから…だな)ハァ…
ライナー「おう!遅かったな、心配したぞ。アニも今しがた戻ってきたところだ」
ライナー「ついさっき食堂に向かったから、一緒に飯でも食ってきたらどうだ?」
-
498 : 2013/12/21(土) 13:40:47 -
ライナー「お互い、積もる話もあるだろ?」ベルトルト「うん!そうする」ニコッ
ベルトルト「1階の食堂は、夜は酒場も兼ねてるんだっけ?」
ライナー「あぁ、そうだ。酒も提供しているな…と言うか、飲むなよ…?ベルトル」
ライナー「明日も動かなきゃならないんだからな。深酒したら一日潰れるぞ…」
ベルトルト「わかってる。少しだけね…」
ユミル「少しでもダメだ!飲むな、絶対。お前弱いんだから…それに飲めない歳だろ!」
ユミル(見張ってないと勝手に注文してしまいそうだな…)
クリスタ「ユミル、おかえり!!遅かったね」
クリスタ「あのね…ユミルと一緒にお夕飯、食べようと思って待ってたんだけど…」
ライナー「すまんな。俺がクリスタを無理に誘ったんだ…で、先に夕飯済ませちまった」
ライナー「いつお前らが買い物から戻って来るかわからなかったからな…」
-
502 : 2013/12/21(土) 13:51:37 -
ユミル「あぁ、そうだな!」ユミル「クリスタ…一緒だからって油断するなよ?朝寝坊したらくすぐって起こすからな」ニヤッ…
クリスタ「うん!」
ライナー「ベルトル…その…部屋割りなんだが…食堂に着いたらアニにも伝えてくれ…」
ベルトルト「…ん?」
・
・ -
503 : 2013/12/21(土) 13:53:55 -
~宿屋1階の食堂兼酒場~
ベルトルト「アニ!」
アニ「ベルトル!久しぶりだね」ニィッ
ユミル「…」
ベルトルト「酵母は買えた?」
ベルトルト「あと明日、アルミンと一緒に中央近くまで馬を売りに行く話は聞いてる?」
アニ「あぁ、さっきライナーとアルミンから聞いた…。チッ…タイミングが悪かったね…」
アニ「あと一日、ここであんた達を待っていれば二度手間にならずに済んだのに…」
アニ「ま、今更なに言っても仕方ないけど…」
ベルトルト「アルミンから聞いていると思うけど、帰りはまた幌付き馬車を買うって…」
ベルトルト「今のうちにアニが好きなもの、いっぱい買ってきなよ。僕らの馬の代金でさ」
ベルトルト「彼が持ち出した2頭の馬を売ったお金も、そろそろ底をついてきた頃でしょ?」
-
505 : 2013/12/21(土) 13:57:39 -
ベルトルト「そういえば…アルミンがここの宿泊台帳に記入していた名前…」ベルトルト「『アルミン・レオンハート』って何?受付で吹き出しちゃったんだけど!」
アニ「変えるなら名の方だろ!って言いたいんだろ?でもこんなので案外、大丈夫なんだよ」
アニ「ここの憲兵もやる気がないからね…調査兵団の脱走兵なんて、興味がないんだ。奴ら」
アニ「だからそれは私のお遊び。すぐわかっただろ?アルミンが泊まってるって…」フフフ…
ユミル「…」
ユミル「そこのお姉さん!酒、持って来て!」
ベルトルト「!?」
ベルトルト「ユミル…どうしたの?僕には飲むなって言ったのに…」
ユミル「別に…」
-
506 : 2013/12/21(土) 13:59:59 -
アニ「ユミル…久しぶりだね」ユミル「…」
アニ「ふぅ…また無視か。相変わらずだね」
アニ「ベルトルもこんなののどこがいいんだか…」ハァー
ユミル カチン!
ユミル「うるせぇな!私は、こいつに無理やり連れて来られたんだよっ!」
ユミル「クリスタを人質に取られてな!」
ユミル「お前が一緒だって分かってたら…私は…ここには来なかった!!」ドンッ!
ベルトルト「…」
アニ「へぇ~…えらく嫌われたもんだね、私も」
アニ「って言うかさ、私あんたに何かした?」
アニ「なんで1年半もあんたに無視され続けなきゃならなかったわけ?理由言える?」
ユミル「…言う必要はない」
-
507 : 2013/12/21(土) 14:02:06 -
アニ「あるよ!これからあんたと私は一蓮托生なんだ!!ずっと一緒なんだよっ」アニ「…このままじゃ…ダメだろ、お互い…」
ベルトルト「アニ…落ち着いて、ユミルは今、疲れてるんだ…」
アニ「私だって疲れてる!あんたもね!ユミルだけが疲れてるわけじゃないんだ!」
酒場の給仕「お待たせしました」スッ
ベルトルト「あ!お姉さん。僕にも1杯…。ねぇ、いつもこんなに混んでいるの?ここ」
酒場の給仕「えぇ、夜は泊り客でない人も入れているの。賑やかでしょ?」
酒場の給仕「…三人さん、ゆっくりしてってね。お酒、追加で今、お持ちしますね」
ベルトルト(賑やかと言うか、うるさいくらいだ…隣の席の会話も聞こえないくらい…)
-
508 : 2013/12/21(土) 14:04:35 -
ユミル グビッ! ゴクゴク…ユミル「…っ…ぷはっ」
ユミル「お姉さん!もう1杯ね」 ガン!
ベルトルト「ユ…ユミル、もうやめとこう?」
ベルトルト「ね?いい子だから…言うこと聞いて」ギュッ…
アニ「へぇ…私が居たら来なかったんだ?」
アニ「本当に?肩なんか抱かれて、よろしくやってるように見えるけど…」
ユミル「う…うるさい!…私なんか放っておけよ!2人で話してればいいだろっ」
ユミル「お前もうざったいな…離れろよ!」
ベルトルト「…嫌だよ、離さない」ギュゥゥゥ
アニ「あんた、ベルトルが好きなんだろ?」
-
509 : 2013/12/21(土) 14:06:29 -
アニ「…それで私を無視してた?違うかい?」ユミル「…」ギリッ
ベルトルト「アニ、やめよう?ほら…せっかくの食事も美味しくなくなる」
ベルトルト「…って、僕らの注文はこれからだったね、ユミル何がいい?」
アニ「元々、ここの料理…美味しくないじゃないか…」ボソッ
ベルトルト「!?」
アニ「料理が美味しいって書いてあったからここにしたのに…期待外れもいいとこだ」
アニ「ベルトルはもっと塩を利かせた料理が好きだっただろ…」
アニ「壁内に来てから、食事が美味しかったことなんて一度も無かったはずだ」
アニ「もっともウォール・ローゼよりは若干マシでここは多少、味は付いているけど…」
アニ「…でもあんた、開拓地でも訓練兵の時でも、味に文句言ったこと一度も無かったね」
ベルトルト「…」
-
511 : 2013/12/21(土) 14:10:00 -
ユミル「さっきから、何の話をしてるんだ?…って言うかお前らどういう関係だよ…」トロン…ベルトルト「ユミル…もう酔ってる?」
アニ「幼馴染みたいなものだよ、気にしなくていい」
アニ「それよりユミル、まず私に謝りな…」
アニ「そうじゃなければ、私も話さないよ」
ユミル「…」
アニ「ねぇ…ベルトルが私を好きだったこと、そんなに嫌だったのかい?許せないほど」
ベルトルト「アニ!もういい加減に…
ユミル「…違う!」
ユミル「ただ…目障りだっただけだ。ベルトルさんもお前も…」
ユミル「お前らを見ているだけで苦しくなった。胸の中を引っ掻き回されているようで…」
ユミル「だから、自分を守るために見ないことにしたんだ。心の中で存在を消した…」
ベルトルト「ユミル…」
-
512 : 2013/12/21(土) 14:12:16 -
酒場の給仕「おまたせ!酒2杯ね。どうぞ」ベルトルト「あ!料理、適当に2人分お願いします…少し軽めのものを、ここのお勧めで」
酒場の給仕「はいはい、了解」
ユミル ガシッ! グビッ…グビッ…グビッ…
ユミル「ぅ…ぷっ……」ハァハァハァ…
ベルトルト「ユミル駄目だって!もうこれで酒は終わりにしよう…」
ユミル「一昨日…初めて知ったんだ、ベルトルさんがお前に振られてたこと…ヒック」
アニ「ベルトルが頼んだ酒、貰うよ…」
ベルトルト「えっ!?」
アニ グッ! ゴクゴクゴクッ…
アニ「…ぷはっ…はーっ…きつい、これ」
ベルトルト「アニも、もうやめて…」オロオロ
-
514 : 2013/12/21(土) 14:16:27 -
アニ「…」
ベルトルト「…」
ユミル「すまなかった…謝るよ…はぁ…今日は謝ってばっかりだ」グスッ…
ユミル「アニにもベルトルさんにも…嫌な思いをさせて悪かった…私はガキだった…」
アニ「はーっ…よし!これで手打ちだ!」
アニ「よろしく頼むよ、ユミル。私達はこれから『仲間』になるんだから…」
ユミル(まだ…分からない事だらけなんだが)
ユミル(こんなに隠し事ばかりされて…はたして『仲間』と言えるのか…?)
ベルトルト「僕は…気にしてないよ、ユミル」
ベルトルト「ほら、君とお揃いの指輪も買ったし…今はこれを眺めているだけで幸せだ」キラッ
-
515 : 2013/12/21(土) 14:18:06 -
アニ「!?」
アニ「あっ…あんた達、ちょ…ちょっと気が早いんじゃない?こっちが恥ずかしい…」///
ベルトルト「アニも買えば?明日にでもアルミンと一緒に選んできなよ」
アニ「馬鹿言ってるんじゃないよ…私達はまだそこまで…分かりあえていないんだ…」シュン…
ベルトルト(…ユミルはなんであの時の怪我を、その後もずっと治さなかったんだろう?)
ベルトルト(その気になれば、数分で治せる。そしたら成績を落とさずに済んだのに…)
ベルトルト(急に怪我が治るとクリスタが怪しむから…?機会があれば聞いてみようかな)
-
517 : 2013/12/21(土) 14:23:08 -
アニ「ま、あんたらと合流したから、さっき私も取っていた部屋を引き払ったけどね」ユミル「…」
ユミル「なぁ、アニ。お前はどんな甘言でアルミンをこの計画に巻き込んだんだ?」
ユミル「いや…甘言じゃなくて脅迫か?」
アニ「…脅迫、だね。何と言って引き入れたかは、まだあんたには教えられない」
酒場の給仕「おまたせしました。2人分の軽食です、お酒の追加はどう?」 コトン…
ベルトルト「お…お酒はもういいです…」
ベルトルト「僕、先に食べるよ…ユミルもほら食べてね」アセアセ
-
522 : 2013/12/21(土) 14:34:35 -
アニ「恥ずかしい話だが…私の計画には、色々と穴があって、これもその一つ…」ハァ…ユミル「穴?」
アニ「あぁ…どうにも妙案が浮かばなくてね…でももう動き出してしまった。止まれない」
ベルトルト「…」
アニ「あと4日…それまでに…」
ユミル「はぁ…なんだそりゃ…訳が分からん」
ベルトルト「…」
ベルトルト「ユミル、アニ、ごめん…。少し、外の風に当たってきていいかな…?」
ベルトルト「これからの事考えると、頭が破裂しそうで…ちょっとだけ外で深呼吸してくる」
-
523 : 2013/12/21(土) 14:37:06 -
ユミル「あぁ…行ってこい。ここで待ってるから…あと夜は冷えるから、風邪引くなよ」ベルトルト「うん…ありがと。ユミル、君の優しい性格も大好きだよ」ナデナデ
ユミル「おい、やめろ…アニの前だぞ!」///
アニ「ベルトル…あんた性格変わったね…」ジーッ
・
・ユミル「やっと行ったか…」
ユミル「なぁ…アニ」
アニ「ん…なんだ?」
-
524 : 2013/12/21(土) 14:40:05 -
ユミル「ベルトルさんが居る前では聞けなかったんだが…」ユミル「お前、なんでベルトルさんを振ったんだ?アルミンを好きだったからか?」
アニ「…」
アニ「直球で来たね…」フゥ…
アニ「あんたが言う、『アルミンを好きだ』ってのは、まず、あるね。そこは否定しない」
ユミル「でも、あいつ…いい奴じゃないか?」
ユミル「顔も頭も悪くない…背も高いし、器用だし…全般的に能力が高すぎるくらいだ」
アニ「ふぅ…よく見てるね、ユミル」
ユミル「女の扱いだって下手じゃない。…夜の方の意味じゃなくて、態度が…だ」
ユミル「ちょっと強引で我儘なところがあるが、まぁ許容できる範囲だと思う…」
アニ「あんたたち…もうそこまでいってんの?はぁ…手が早すぎるだろ、ベルトル」
ユミル「いや…その…」アセッ
-
527 : 2013/12/21(土) 14:47:37 -
アニ「あんたは居なかったよね?トロスト区でエレンを守ろうとした時の命懸けの演説…」アニ「カッコ良かったな…聞かせてやりたいくらいだよ、あんたにも」
アニ「訓練兵時代から、芯が強い奴だと思っていたけど…あの時また惚れ直したね」///フフッ
ユミル「ベルトルさんはアニが求める人とは違っていたんだな。至極、真っ当な理由だ…」
アニ「元々の考えとして、私らは『人を愛する資格』がないと思っていたのもあった」
アニ「『仲間』としてのあいつは好きだけど」
アニ「ベルトルとは、お互いに依存して倒れていくような恋愛はしたくなかったんだよ」
ユミル「…」
-
530 : 2013/12/21(土) 14:54:46 ID:yJ471Ke. -
ユミル(怖い…なんだこれ…私は『アニ』の代わりなのか?アニがダメだったから…)
アニ「ユミル、大丈夫かい?顔色が悪いよ」
ベルトルト「ただいま。外の空気吸ってきたら、だいぶ落ち着いたよ」
ユミル(気持ち、悪い…吐きそうだ…)
ドサッ…
アニ「ユミル!? ベルトル!ユミルが…」
ベルトルト「ユミル!!」
ベルトルト「ユミル!しっかりし…て…
ユミル(頭が、真っ白だ…意識が…飛ぶ…)
-
537 : 2013/12/30(月) 22:33:54 -
またしても訂正箇所が…>>495 誤)ベルトルト(うっかりライナーがユミルを好きなると困るからだよっ!…って言いたい)
正) ベルトルト(うっかりライナーがユミルを好きになると困るからだよっ!…って言いたい)
そのほか、『』の使い方間違い
>>527 誤)アニ「元々の考えとして、私らは『人を愛する資格』がないと思っていたのもあった」
正)アニ「元々の考えとして、私らは『人を愛する資格がない』と思っていたのもあった」>>530 誤)ユミル(怖い…なんだこれ…私は『アニ』の代わりなのか?アニがダメだったから…)
正)ユミル(怖い…なんだこれ…私はアニの『代わり』なのか?アニがダメだったから…)
全部小さいことなのですが、気になったので訂正します
強調したいのは「アニ」ではなく「代わり」の方なんだ…またやっちまった感想ありがとうございます。励みになります
そして表面上は一気に不信が解決するという超展開で申し訳ない保守ありがとうございます
今から投下しますが、エロ注意と書いたのに配分間違えていて今回、エロありません
…アルミン出る出る詐欺をやってしまった時の事を思い出した -
538 : 2013/12/30(月) 22:36:33 -
ユミル(ここは…どこだ?身体が柔らかく沈み込んで…海の中みたいだ…)
ユミル(壁内に海はないはずなんだが…)
ユミル(ベルトルさんやアニも…壁外から来たんだな…彼らは『海』を知っていた…)
ユミル(よく考えたら、私はベルトルさんの事…何も知らない…)
ユミル(塩味が好きだって言うのも…アニと幼馴染って言うのも…知らなかった)
ユミル(私が知っているのは…あいつが私を好きだと言うことぐらい…)
ユミル(でも、それすら今は疑わしい…)
ユミル「…ベルトル…さん…」ボソッ
ベルトルト「なに?ユミル…」
ユミル「…えっ!」
-
539 : 2013/12/30(月) 22:40:13 -
ユミル「なんでっ!?」ガバッベルトルト「ま…まって、急に起き上がると…!」
ユミル「あっ…いってぇ…」ズキン…
ユミル(まだ、少し頭が痛い…)
ユミル「ここ…食堂、じゃないよな?」
ベルトルト「うん、僕が部屋まで運んできて、ベッドに寝かせた。急に倒れたから心配したよ」
ベルトルト「あれから2時間くらい経ったかな。気が付いて良かった…」ホッ
ベルトルト「さぁ、まずはゆっくり水を飲んで…。用意しておいたから」ソッ…
ベルトルト「ユミル、今回は君が失敗したね…あれは飲み過ぎ!」
ベルトルト「外で吐かせたけど…全部じゃない。まだ酒の成分が身体に残っているから…」
ベルトルト「しっかり水を飲んで成分を薄めないとね、明日に残るよ。身体にも悪い」
-
540 : 2013/12/30(月) 22:42:39 -
ユミル「…あぁ…そうだな」スッ…ユミル ゴクッ……ゴクッ……ゴクン
ユミル「…はぁ…水が美味い…」コトン…
ユミル「ありがとう…迷惑、かけたな…」
ベルトルト「ううん、僕のせいだよ」
ベルトルト「もっと強く君を止めていたら…こうはならなかった」
ベルトルト「空きっ腹にきつい酒2杯も一気に入れたら…こうなるのは当たり前だよ」
ベルトルト「君をちゃんと見ていなかった僕の責任だ…ごめんね」ナデナデ…
ユミル「…」
-
543 : 2013/12/30(月) 22:49:35 -
ベルトルト「食堂に行く前、それをライナーから聞かされてアニに伝えろって言われた時」ベルトルト「ほんっと、どうしようかと思った…」ハァー
ベルトルト「…って言うか、君になんて言えばいいのか、きっと怒るだろうなぁって…」
ユミル「…そう…か」
ユミル「別に…いいんじゃないか?アニと同室でも…」
ベルトルト「ユミル…?」
ユミル「ここまで運んできてくれて助かったよ。吐かせてくれたおかげで身体も楽だ」
ユミル「ベルトルさんには感謝している…アニにも謝らないとな…迷惑かけた」ニコッ
ユミル「さて、私はこれから自分の荷物を持ってクリスタの部屋に行く…」
ベルトルト「!?」
ユミル「その代わりに、アニをこの部屋に連れてくるから、もう少し待っていてくれ…」
-
549 : 2013/12/30(月) 23:12:21 -
ベルトルト「…おいで」ソッ…
ベルトルト「怖くない…何もしない」ナデナデ… グィッ…
ユミル「…っ」ギュッ…
ベルトルト「すれ違いで傷つけ合いたくないんだ…火種の元は事前に消しておく」チュッ…
ユミル「…んっ…額…か…?」パチッ
ベルトルト「唇が良かった?」
ユミル「…」///カァァ…
ベルトルト「じゃぁ、思いっきり抱きしめてから…」ギュゥゥゥゥ…
ベルトルト「…唇に」チュ…
ユミル「…ん」
ベルトルト「軽めにね…ふふっ」
ユミル「意地悪だな…」ムスッ…
-
550 : 2013/12/30(月) 23:15:10 -
ベルトルト「アニの代わりなんかじゃない…」ユミル「…うん」
ベルトルト「告白した時、ちゃんとそう言ったのに…」
ベルトルト「アニに会ったら急に不安になっちゃったんだね。ごめんね…」チュッ…
ユミル「…ん…っ」
ベルトルト「舌も…入れていい…?」
ユミル「なんで…わざわざ聞くんだよ…」
ベルトルト「だって君って僕がキスするたび、すぐ『嫌だ』って言うんだもん」
ユミル「そ…それは、お前がいつも突然キスするからだろ…」
ユミル「反射的に『嫌だ』って言っちゃうんだ…なんでか知らないけど…ちょっと怖くて」
-
551 : 2013/12/30(月) 23:22:29 -
ベルトルト「本当はそんなに嫌じゃない…?」ユミル「…うん」
ベルトルト「…そっか、良かった」ホッ…
ベルトルト「ユミル、本当にかわいい…」
ユミル「もう…お前なんか、嫌いだ」///カァァァァ…
ベルトルト「僕は好きだよ、君が…」
ベルトルト「大好き…」チュ…
ユミル「……っ」
ユミル「…ぁ……ん…ふっ」チュッ…チュ…
ユミル「…っ…はぁ……っ…」チュプ…
ベルトルト「ん…」クチュッ…
ベルトルト「ハァ…ね……もっと…しよ…?」チュ…ッ
ベルトルト「…れ…?糸引いた…」ツッー
-
553 : 2013/12/30(月) 23:27:34 -
ユミル「こうやって…抱きしめられると安心する…信じて…いいんだって、思えるんだ」
ベルトルト「うん…頭も撫でてあげよう」ナデナデ…
ユミル「…ありがと」
ベルトルト「他にも、あるでしょ?僕に聞きたい事…」
ユミル「…?」
ベルトルト「君がつぶやいた言葉は、一言じゃなかったから…」
ユミル「…」
ベルトルト「全部、答えるよ。君の問いに」
ユミル「うん…じゃぁ教えてくれ…」
ユミル「…ベルトルさんは、私が巨人だから…私を好きになったのか?」
ユミル「それと…お前の隠している『秘密』ってなんなんだ…?」
-
558 : 2013/12/30(月) 23:43:45 -
ベルトルト「信用してない訳じゃないんだ!」ベルトルト「君は優しいから…こんなに残酷な世界でも…君は他人の命に必死になるから」
ベルトルト「僕みたいなクズに…君は付いて来てくれないかも…って思うと…ぐすっ…」
ユミル「クズじゃ…ねぇよ。ベルトルさんだって、優しいじゃねぇか…」ナデナデ…
ユミル「あの子に、1週間分のパン、あとスープも飲めるように…お金を置いて行こうとした」
ユミル「それにいつも私を抱きしめてくれるし…私のことも、ちゃんと叱ってくれる」
ベルトルト「うん…」
ユミル「言いたくなきゃ、言わなくてもいいんだ…無理強いはしない。すまなかった…」
ベルトルト「ユミル…」
-
559 : 2013/12/30(月) 23:49:57 -
ユミル「人を…殺したんだろ…?たくさん」ベルトルト「!?」
ユミル「脱走する時、馬を盗みに入った厩舎で…お前がそう言ってた…」
ベルトルト「あぁ…そっか…失血で意識が混濁していた時だね。…僕、言っちゃったんだ」
ユミル「…愛している、お前を」ギュゥゥゥ…
ベルトルト「!?」
ベルトルト「ユミル、まだ酔ってるの!?」
ユミル「うん…?少し…だけな」
ユミル「でも、本心だ。お前が好きだ…」
ベルトルト「ぼ…僕も…」///ギュゥゥゥ…
ベルトルト(今、キスしてしまったら…僕はもう止まれなくなる)
ベルトルト(君をどうにかしてしまうだろう…だから、我慢…ずっと、このままで…)
-
561 : 2013/12/30(月) 23:55:51 -
ユミル「まだ、酔いが醒めてなくて、足元がおぼつかないんだ…」ユミル「悪ぃが…一緒に入っては…くれねぇ…よな…さすがに」
ベルトルト「!?」
ベルトルト「ちょ…ユミル…僕は嬉しいけど…それ、君が困るんじゃないの?」///アワアワ…
ユミル「あぁ…すごく困る、と思う…だから条件付きだ」
ユミル「お前がその条件を甘受できないなら…」
ユミル「フラフラの足で、別館まで行って入ってくる…この時間ならまだ誰かいるだろ」
-
565 : 2013/12/31(火) 00:07:14 -
ユミル「じゃぁ…入る…」ギギッ…ベルトルト(こんな提案してくるなんて…ユミル、だいぶ酔ってる…)
ユミル ジャババババ…
ユミル「おぉ…お湯、熱いな」ジャババ…
ユミル「ベルトルさん…入るぞ…」チャプン…
ベルトルト(目を閉じてなきゃ…)ギュッ
ユミル「広いようで…やっぱ狭いな」ザバーーッ
ユミル「座りたいから、脚、開いてくれ」
ベルトルト「う…うん…あのさ、もう目開けていいかな?」
ユミル「あぁ、いいよ…」
-
566 : 2013/12/31(火) 00:10:01 -
ユミル「ジロジロ見るなよ…こっちも恥ずかしいんだ…」ベルトルト「…」ソォォ……パチッ…
ベルトルト「目の前に、ユミルがいる…」
ユミル「当然だろ…幻じゃないぞ」
ベルトルト「うんうん…幸せだ…」
ベルトルト「僕が付けた、胸元の印もちゃんと残ってる…嬉しい…」ドキドキ…
ユミル「くそっ…思い出すだろ、ばか…」///
ユミル「指輪、つけっぱなしで良かったのか?…錆びそうで湯船に入れるの怖いんだが」
ベルトルト「僕も付けっぱなしだよ、ほら」ザバッ……キラッ…
ベルトルト「お風呂あがったら、錆びないように一緒に手入れしようか」ニコッ
ベルトルト「一番怖いのは、お風呂に入る時に外して、そのまま失くしてしまう事だから」
ユミル「あぁ…それは怖いな…」チャプ…チャプ…
-
567 : 2013/12/31(火) 00:13:23 -
ユミル「寄り掛かっても…いいか?」ベルトルト「いいよ」
ベルトルト「このまま髪も洗ってあげる…これ万能粉石けんなんだよ」ナデナデ…
ユミル「うん…」
ベルトルト(最後の条件、お互いの身体の…敏感な部分には手を触れない…)
ユミル「ベルトルさん…やっぱりさ、指輪必要だったんだな。買ってもらって、良かった」
ベルトルト「ユミル…」
ユミル「お互いが好きであることを、周りに証明する必要はないと思っていた」チャプン…
ベルトルト「うん…」
ユミル「でも違うんだ…これは私たちのためなんだ。これを…指輪をはめている限り、」
ユミル「私は、自分の気持ちをお前に証明できる」
ユミル「そしてお前が指輪をはめていてくれる限り、私は…愛されているのだと、実感できる」
ベルトルト「…うん、そうだよ」
-
569 : 2013/12/31(火) 00:16:14 -
ベルトルト「ユミル…また泣いているの?」ユミル「…泣いてなんか……ない…」
ベルトルト「あぁ…もう、限界…」ハァ…
ベルトルト「君を抱きしめる…」
ベルトルト「こんなに熱い湯船に入ってるのに…ユミルの身体、冷えてるよ」ギュッ…
ユミル「…お前が…待たせるからだろ…」
ベルトルト(柔らかい…ユミルの二つのふくらみが直に僕の胸に当たって…興奮する)
ベルトルト(寝かせると、ちょっとだけ減っちゃって勿体ないな…はぁ…触りたい…)
ユミル「ベルトルさん…硬いの…当たってる」
ベルトルト「えっ…」バシャッ
-
570 : 2013/12/31(火) 00:18:15 -
ユミル「いつも抱きしめられてる時、下腹部に硬いのが当たってるなぁとは思ってたんだ…」ユミル「…今やっと、それの正体が分かった」
ベルトルト「!?」
ベルトルト「…ご…ごめん、あの…」///
ユミル「湯船で身体洗ってもいいか?」
ユミル「お前も洗ってやるけど…変なところは…触るな…」
ベルトルト「う…うん、大丈夫」
ユミル「終わったら私が先に出るから…また約束通り、目を閉じていてくれ」
ベルトルト「…わかった」
-
585 : 2014/01/05(日) 22:42:54 -
ライナー「アニを…愛してはやれないか?」アルミン「!?」
ライナー「なんだかな、俺はアニの事を…妹みたいに思ってる節があってな…」
ライナー「向こうはそう思っちゃいないんだろうがな…はぁ…心配なんだよ、あいつの事」
アルミン「僕だって…」
アルミン「アニは可愛い女の子だと思うよ…」
アルミン「口ではきつい事も言うけど、本当は優しいし、面倒見もいい…」
ライナー「だろ?」ハハハ…
アルミン「でも、…彼女をそんな目で…恋愛感情を持って見たことは、一度もないんだ…」
アルミン「彼女に比べたら、僕はあまりに弱くて、頼りない…主に体力面で、だけど」
アルミン「それに僕には好きな人がいる…」
アルミン「もう二度と…会えないだろうと思うけど…」
-
587 : 2014/01/05(日) 22:48:58 -
ライナー「クリスタは…確かユミルと同じ部屋だったな…よし、やるか!」パチン!アルミン「ライナー…」
ライナー「悪いが話はまた今度だ!」
ライナー「それと明日の部屋割りは、お前アニと一緒の部屋だぞ?」
アルミン「えっ!!」
ライナー「二人で中央近くまで馬を売りに行くんだろ?宿に戻る時間が読めないからな」
ライナー「そうさせてもらった」
アルミン「ちょ…ちょっと待って!それはまずいって!ねぇ、ライナー!!」アセアセ…
ライナー「じゃぁ、行ってくる!!」
-
589 : 2014/01/05(日) 22:53:50 -
酒場の給仕「先刻、ご一緒に食事をとられたベル…ごめんなさい…お名前を失念しました」酒場の給仕「背の高いお連れ様から頼まれまして…クラブサンドを2食分包んできました」
アニ「クラブサンド…」
酒場の給仕「えぇ…この宿の名物ですの」
酒場の給仕「ご友人様が明日、日の出と共に外出されるので、朝食として2名様分、」
酒場の給仕「包んで欲しいと言われまして、こうして部屋までお持ちしました」ニコッ
アニ「はぁ…そうなんだ……ベルトル…」
酒場の給仕「どうぞお受け取りください」スッ…
アニ(アルミンと私の分だね…ベルトルの奴、気が利くじゃないか。相変わらずの性格だ)
酒場の給仕「明日は道中お気をつけて行ってらっしゃいませ。…では、失礼します」ウフッ
-
592 : 2014/01/05(日) 23:02:25 -
ベルトルト「ねぇ、こっち向いて…ユミル」ベルトルト「服はもう、着てるから」
ユミル「…う…ん?」クルッ…ギシッ…
ベルトルト「眠い…?脱走してからよく眠れてないもんね、昼も眠そうだったし…」
ベルトルト「もう、寝ようか…ランプの火、消すよ……いい?」ギシッ…
ユミル「あぁ…消してくれ」
ベルトルト「うん…」
カチリ……フッ…
ベルトルト(真っ暗だ…カーテンを閉め切っているから、月明かりも届かない)
ベルトルト(疲れているはずなのに、さっき抱きしめたユミルの感触を思い出して…)
ベルトルト(興奮して、しばらくは眠れそうもない……はぁ…)
-
599 : 2014/01/05(日) 23:21:02 -
ユミル「ベルトルさん…」ベルトルト「なに…?」
ユミル「そっちへ…行っていいか?」
ベルトルト「!?」
ベルトルト「駄目!絶対ダメ!!」
ベルトルト「もし…君が僕のベッドに入ってきたら…僕は…」
ベルトルト「君を、服を着せたままそっちへは返せなくなる…」
ベルトルト「ねぇ…そうやって僕を試すの、やめてよ…まだ酔ってるの?」ハァ…
ベルトルト「もう、これでも精一杯、頑張っているんだよ…?」
ベルトルト「これ以上、君に誘惑されたら…本当に我慢出来なくなる…」
-
600 : 2014/01/05(日) 23:24:44 -
ファサッ…
ソォッ… ギシッ…ギシッ…
ユミル フワン…スルリ…
ベルトルト「!?」
ベルトルト「ユミル!自分が何してるか分かってる?僕らの『次』はまだ先だって…
ユミル「分かっている…私が…したいんだ…」
ユミル「ダメか…?ベルトルさん…」
ベルトルト「抱いても…いいって事?」
ユミル「抱いて、欲しいんだ…って事だ」
ベルトルト「えぇっ…」///カァァァ…
ユミル「もう、酔ってない…シラフだから安心しろ…酔った勢いとかじゃないから…」
-
601 : 2014/01/05(日) 23:27:59 -
ベルトルト「もう…君ってば、小悪魔じゃないよ!!」ベルトルト「…悪魔だよ、僕を誘惑する…サキュバスだ」
ユミル「サキュバス?」
ベルトルト「睡眠中の男を襲って、性交したくてたまらなくさせる女性の悪魔のこと…」
ユミル「したくて…たまんないのか…?」
ベルトルト「ん…チュッ……もう…したくてたまんない…ハァ…」ムチュ…カリッ…
ユミル「まてまて…耳を噛むな…んっ…はぁ…」
ユミル「急ぐなよ…服を脱いでからだ…」
ベルトルト「わかってる…全部…脱がすから…」
-
603 : 2014/01/05(日) 23:33:33 -
ベルトルト「あ!ランプじゃなくてロウソクにしようか?これならそんなに明るくないよ」ベルトルト「1本だけ…ねぇ…お願い…」チュッ…
ユミル「…っ…1本だけだぞ…あんまりじっくり見るなら、途中で止めるからな」
ベルトルト「うん…ありがと…」
・
・ベルトルト(ぼんやりと…ゆらゆら揺れる温かい光の中で…)
ベルトルト(僕はゆっくりと…ユミルの服を脱がす…相変わらず肌がすべすべだ…)
ベルトルト(湯上りのいい匂いがする…汗をかいたら、あの甘い香りが楽しめそうだ)
ベルトルト(服は、また畳んで端っこに置いておこう…脱ぎ散らかすと着る時大変だから)
-
611 : 2014/01/06(月) 22:45:47 -
ユミル「…ベ…ルトルさん…そこはまだ…ダメだ…」ベルトルト「下着…?まだ脱がしちゃだめなの?」
ユミル「…あぁ」ハァハァ…
ベルトルト「どうして?またぐちょぐちょになって…汚れちゃうのに…」
ユミル「そういう事…言うなよ…ぁっ…」
ピチャ…ピチャ…
ベルトルト「ほら…もうこんなに濡れてる…」
ベルトルト「ユミルの身体も…僕のを欲しがってるよ…」クチュッ…クチュッ…
ベルトルト(初めての時、確かめた…ここが気持ちいいのは、もう知ってる…)
-
612 : 2014/01/06(月) 22:48:59 -
ユミル「まだっ…触る…な…ばかぁ……っ…ん…」クチュ…クチュッ…ベルトルト「ユミルも我慢だよ、まだ指は入れてあげない…」ハァハァ…
ユミル「……ぅ…やだ…」ギュゥゥ…
ベルトルト「僕は、全部脱いじゃった…」
ベルトルト「ユミル……僕のも…触って…」
ユミル「お前の、大きいから…怖い…」
ベルトルト「怖くない…ほら…手を伸ばして」グィッ…
ベルトルト(少し震えるユミルの左手を掴んで…僕のそれに…軽く触れさせる…)
ユミル「…硬い…なんか…脈打ってるぞ…」
ベルトルト「うん…ユミル…しごいちゃダメだよ…」
ベルトルト「指先で軽く…なぞるだけでいい…」
-
613 : 2014/01/06(月) 22:53:42 -
ユミル「こう…か…?」スススススッ…
ベルトルト「」ビクッ!
ユミル「あっ…!」ビクッ!
ベルトルト「だ…大丈夫……興奮して…」ハァ…
ベルトルト(軽く触られただけなのに…刺激が強い…一瞬、意識が遠のいた…)
ベルトルト「次は軽く握って…ゆっくり擦って…優しくね…」ハァハァ…
ユミル「こ、こっちのは触らなくてい…っ…ぁ……やっ…」クチュクチュ…
ベルトルト「ほら、左手が止まってる…」
ベルトルト「ちゃんと擦らないと…指、入れてあげないよ…」
ユミル「んっ…」スリッ…スリッ…シュッ…シュッ…シュッ…
ベルトルト「あぁぁ…ちょ…っとまって!ユミル、止めて!!」ガバッ…
ベルトルト「そんなに強く擦ったら…すぐ出ちゃうって!!」ハァ…ハァ…
ベルトルト「君の『中』で擦って…イきたいから!だからもっと優しくして…」
-
614 : 2014/01/06(月) 22:56:23 -
ユミル「か…加減がわからないんだ…そんなに怒るならもうやめる…」ジワッ…
ベルトルト「止めるなら…もう入れるよ…」
ユミル「やだ…まだ…入っちゃだめ…だ」
ベルトルト「わかってる…」チュッ
ベルトルト「…もっと愛してから…可愛がってから……入るからね…」
ベルトルト「痛くしないから…優しくする…」
ベルトルト「最初の時と違って、時間はたっぷりある」
ベルトルト「好きだよ…今日はゆっくり、愛し合おうね…」チュー
ユミル「…んっ…ぁ…っ……」チュ…クチュッ…
ユミル「ぁ……はぁ…ぁふっ…」ムチュッ…
-
615 : 2014/01/06(月) 22:59:10 -
ベルトルト「ちゃんと、キスに集中して…ユミル…」ユミル「ぁ…ん……だって…お前が下を触るから…んっ…ゃ…っ」ツツーッ
ベルトルト「ふふっ…よだれ垂れてる…」
ベルトルト「そんなにここが気持ちいいの…?」クチュ…クチュ…
ベルトルト「かわいいよ…ユミル…よだれ飲んであげるね…」ジュルルッ…
ベルトルト「下も…舐めたい…僕が触っているところ…いいよね?」クチュ…クチュッ…
ユミル「ゃ…汚…い…から…ダメ…だ」ハァ…
ベルトルト「なんで?汚くないよ…」
ベルトルト「ねぇ、ユミル…『いいよ』って言って…」
-
616 : 2014/01/06(月) 23:01:37 -
ユミル「…っ…ダメだって!」グスッ…ベルトルト「じゃぁ…こっちにしようかな…」ムチュッ…チュッ…コリッ…
ユミル「んっ…ぁ…ゃめっ……ぁっ…」ビクッ!
ベルトルト(はぁ、こんなに…先端が硬くなって…)
ベルトルト(唇の先で摘むとかわいい声を漏らす…)
ベルトルト(指の間に挟んで突起を軽くしごきながら揉んでみようか…)
ベルトルト(ユミルをもっといじめたい…)クリッ…クリ…フニフニフニ…
ユミル「ぃや…それ嫌だって…ぁ…ん…っ」
ベルトルト「嫌じゃないでしょ?…身体はもっと欲しがってるみたいだよ…」
-
617 : 2014/01/06(月) 23:05:01 -
ベルトルト(もう……たまんない…早く…)ベルトルト(でも我慢、ユミルに…おねだりさせてからだ…)
ベルトルト(あぁ、興奮で頭がおかしくなりそうだ…)
ベルトルト「下着…脱がすよ…」スルスル…
ユミル「だめだ!まだ…心の準備が…早い…」
ベルトルト「うん…大丈夫…まだ我慢できるよ、僕」
ベルトルト「身体を起こして…後ろから抱きかかえるから…」グィッ…スルッ…
ギュゥゥゥゥ……
ユミル「えっ…!」
ベルトルト「脚…開いて…もっとちゃんと、触りたい…」
ベルトルト「ユミルの敏感なところ…」クチュ…クチッ…
-
618 : 2014/01/06(月) 23:07:25 -
ユミル「おまえっ…さっきからそこばっかり…」ユミル「嫌だ…ハァ…そこ…触られたく…ない…」
ユミル「おか…しくなる…から…」グスッ…
ベルトルト「ユミルを気持ち良くしたいんだ…」
ベルトルト「僕は触りたい…だめ?…ここ…触らせて」
ユミル「気持ち良くなるの…怖いんだ…」
ベルトルト「無理させないから…」
ベルトルト「僕だけ気持ち良くなるの嫌だ…ユミルも…」クチュッ…
ユミル「はぁ…もぅ…ばかぁ…」
-
619 : 2014/01/06(月) 23:11:06 -
ベルトルト「ねぇ、ユミルは自分でここ触って気持ち良くなったことある…?」
ユミル「…そんなこと…言えない…」
ベルトルト「言わなきゃ、終わらないよ。言うまで触るからね…」クチュッ…クチュ…
ユミル「ぁっ…んっ……くそっ…あるよ…」
ベルトルト「僕の事考えながら触ったの?」クチュ…クチュ…
ユミル「ぁ…っ…言わない」ハァハァ…
ベルトルト「言ってよ…ユミル…僕を想像しながら触ったんでしょ…?」チュッ…
ユミル「ゃっ…違っ……ぁ…ん…」グチュ…クチュッ…
ベルトルト「僕は…ユミルじゃないとダメなんだ、君以外じゃ抜けない…」チュッ…
ベルトルト「今も浴室で2回抜いてきた…」
ベルトルト「そうでもしないと…君を襲ってしまうかも知れなくて…」
-
620 : 2014/01/06(月) 23:13:16 -
ベルトルト「軽蔑する…?」ユミル「…しない…よ…だって、恋人…同士…なんだろ?」クチュ…
ベルトルト「うん…ありがと…」
ベルトルト「…男の性は君が思う以上に凶暴なんだ…我慢できない…」
ユミル「ベルトル…さん…」ハァ…ハァ…
ベルトルト「なに?ユミル」
ユミル「弄られるの…辛い…悪いがその手付きじゃ…イけない…ごめん…」
ベルトルト「えっ!?」
ベルトルト「ど…どうすればいい?ユミル、教えて…」オロオロ…
ユミル「こう…するんだ…」ソッ…
-
621 : 2014/01/06(月) 23:16:48 -
ベルトルト(彼女の右手が…僕の右手の上に…)ユミル「私の教えるとおりに、動かせよ…」
ベルトルト(僕の人差し指に自分の中指をあてがって…僕の指先を軽く叩く)
ベルトルト(…あぁ、指示に従って指を動かせってこと…?)
ユミル「あっ…っ…ぁ…んっ……」ビクビクッ…
ベルトルト「指使いが…激しいよ…ユミル」
ベルトルト(こんなに乱れたユミル初めて見る…)
ベルトルト(かわいい……空いた手で…ここも…)
ユミル「おまえっ……胸、触るな!…集中できない…ぐすっ…」
ベルトルト「…やだ、触る」フニフニ…
-
622 : 2014/01/06(月) 23:19:31 -
ベルトルト(ユミルの指示通り……円を描くように…優しく擦って…)ベルトルト(あぁ…すごい…)
ベルトルト「ユミル…気が付いてる?すごい腰が動いてるよ」ヌチュ…
ベルトルト「…いやらしい女の子だね」
ベルトルト「僕の指に気持ち良いとこをグリグリ擦りつけて……淫乱だ…」クチュクチュ…
ユミル「や…だ…ちがっ…はぁ…ぁぁ…」///カァァァ…
ベルトルト「イきたい…?」
ユミル「う…ん…ぁ…イきた…い…」
-
623 : 2014/01/06(月) 23:22:25 -
ベルトルト「僕が好き…?」
ユミル「あぁっ…す…き……だい…すき…」
ベルトルト「あぁぁ!もう、たまんない!!」ギュゥゥゥ…
ユミル「もっと早く動かし…て…お願い…」
ベルトルト「うん…でもその前に…」グィッ
ユミル「え…!?な…なんだ…?」パフンッ…
ベルトルト(ユミルを引き倒して、僕が上に…)
ベルトルト「脚を開いて…よく見えるように」
ユミル「…ゃ…だっ!」パチン!
ベルトルト「じゃぁ…無理にでも開かせる」ググッ!
ユミル「うぅ…そういうの…嫌だって…」
-
624 : 2014/01/06(月) 23:24:54 -
ベルトルト「ハァ…ロウソク1本の灯りでも…」ベルトルト「全部見えるよ…君の隠している場所が…」
ベルトルト「ヌルヌルだ…こんなに濡れそぼって…」
ベルトルト「こっちもよだれを垂らしてる…僕を食べたいって…」
ユミル「!?」
ユミル「見る…な…いやだぁ…ひっく…」///カァァァ…
ベルトルト「怖いことはしないから…泣かないで…大丈夫だからね…」チュッ…
ベルトルト(あぁ、張り詰めすぎて痛い…)
ベルトルト(まだ早い…ユミルを一度気持ち良くさせてから…)
ベルトルト「指…入れるね…」クチュ…
-
625 : 2014/01/06(月) 23:27:50 -
ベルトルト(指入れるの…初めてだ)ヌプ…ベルトルト(…キツい……指1本でこれか…)
ベルトルト(ゆっくり奥まで…痛くないように…)ズプン…
ユミル「っ…ん……痛い…よ…だめ…」
ベルトルト「…よく僕のが入ったなってくらい…キツいよ……」ハァ…ハァ…
ベルトルト「もっと力を抜いて…痛くない…」
ヌプッ…ヌププ…
ユミル「あぁぁ!…ゃ…奥に当たってる…」
ベルトルト「あっ…ごめっ…ん…」
ベルトルト(僕の指が長いのか…?指でも奥まで届いちゃうんだな…)ハァ…ハァ…
-
626 : 2014/01/06(月) 23:31:15 -
ベルトルト「指…動かすから痛かったら教えて…」ベルトルト「あと、触られて変に感じたところも…」
ユミル「…っ」ギュッ…
ベルトルト(かわいい…シーツを掴んで…恥ずかしさに耐えてる…)
ベルトルト(指じゃ嫌だ…早く僕のも…)
ベルトルト「ゆっくり…動かすよ…」ヌプッ…ズプッ…
ユミル「…ぁっ…あ…んっ……ゃ…っ…」
ベルトルト(同時に、親指で…さっきの敏感なところを擦る…)
クチュクチュ…
ベルトルト(…ユミルをイかせてあげたい)
ユミル「も…だめだって…そこ…ぁっ…」
ユミル「ゃだ…ぁ…ベルトルさ…んっ…あっ…ぁっ…ぁぁ…」ギュッッ…!
-
627 : 2014/01/06(月) 23:33:42 -
ベルトルト「えっ!!」ビク!ユミル「~~~~っ…!!」ギリッ…
ベルトルト(ちょっ…なにこれ…すごい…)
ベルトルト(僕の指が…奥に吸い込まれて…キツ…波打って締め付けられる…)ドクン…
ユミル「ハァ…ハァ…もうやだ!痛ぇよ…」
ユミル「ベルトルさん!早く指抜けって!!」ムクッ…
ベルトルト「まだダメだよ!抜けない…」
ベルトルト「無理に抜いたら君の『中』を傷つける!」グイッ…
ベルトルト「落ち着いて、怖くないから…」
ユミル ハァハァハァ…「ぐすっ……」
ベルトルト(収まった…?)
-
628 : 2014/01/06(月) 23:40:54 -
ニュププ…ズッ…クチッ…
ベルトルト「指抜けたよ…大丈夫…」ハァ…
ベルトルト「ほら、身体を起こして…抱きしめてあげるから…」
ユミル「ん…」ギュゥゥゥゥ…
ベルトルト「よく頑張ったね…よしよし…」ナデナデ…
ユミル「なぁ、今の…なんだ…?」
ベルトルト「よくわからない…でもユミル…今、イったよね?」
ユミル「う…うん…そうみたいだ」コクン…
ユミル「…って、言わせるな…馬鹿…」////
ベルトルト「あはっ……嬉しい…あぁ…もう、幸せ!…ユミルありがとう!」チュッ…
ユミル「ぁっ…んっ…おまっ…何だよもう!」
-
629 : 2014/01/06(月) 23:45:00 -
ベルトルト「すごい締め付けだった…ただでさえキツいのに…あんなすごいの来るなんて」ベルトルト「たった…指1本なのに…もしあれが僕のものを入れた時に来ていたら…」
ベルトルト「一瞬で絞られてた…。我慢なんて出来る訳ない…もう…興奮で身震いする」///
ベルトルト「早く経験したいけど…まだダメだね…抜けなくなるから中で出しちゃうし…」
ベルトルト「君との子供は欲しい…でも僕らはまだ生き抜く準備が出来ていないから…」
ベルトルト「僕らのそれはまだ先だ…不幸な子供は作らない…そう思った、今日の事で」
ベルトルト「結婚の約束もこれから…でも、…責任取りたい、取らせて。君と結婚したい」
ユミル「お前…さらっと求婚を混ぜるな」
ユミル「でも、良く出来ました!…だ。少し大人になったな…」ナデナデ…
ベルトルト「うん…」ギュッ…
-
630 : 2014/01/06(月) 23:48:01 -
ユミル「はぁ……ちょっと…休ませてくれ…」フゥ…ユミル「悪ぃ…疲れた…」
ユミル「そっちはまだだってのに…10分だけな…ごめん…」チュッ…
ベルトルト「…ん」
ベルトルト「うん…僕も休憩…少し休む……疲れた…」パフッ…フワン…
ベルトルト(あぁ…もう、我慢のし過ぎで…)
ベルトルト(先っぽからトロトロと溢れてきてる…はぁ…)
ユミル「今日は本当によく頑張ったよ。ベルトルさん」
ユミル「ご褒美はもうすぐだ…」ニコッ
ベルトルト「これ…ご褒美なの?」
ユミル「うん…不満か?」
ベルトルト「不満なんてない…焦らされるのは辛いけど。ねぇ…毎日、ご褒美欲しい…」
ユミル「こら、調子に乗るな…」
-
631 : 2014/01/06(月) 23:50:51 -
ユミル「はぁ…」
ベルトルト「…ん?」ムクッ…
ユミル「ごめんな…正直に言う。お前とシても…私は、『中』ではイかないんだ…」
ベルトルト「うん?」
ユミル「まだ1回しかしたことないから…自分でもよくわからないが…」
ユミル「身体がこの行為に慣れてなくて…多分、あんまり感じない、と思う…」
ユミル「初めての時、声が出ちまって…お前に『感じてるの?』って聞かれたけど…」
ベルトルト「うん…」
ユミル「お前が…下から突き上げてくるから、押されて声が出るだけで…感じてなかった」
ベルトルト「…」
-
632 : 2014/01/06(月) 23:53:57 -
ユミル「がっかりしたか…?悪ぃな…」ベルトルト「いや…それ知ってる…」
ユミル「!?」
ベルトルト「訓練兵の時、男子寮って…夜は猥談しかしないくらいの勢いだったから…」
ベルトルト「実は経験者の話を耳にすることも多くて…ぼ、僕は参加してないんだけど…」
ユミル「なんだ…知ってたのか…」ホッ…
ベルトルト「だから『外』ならどうかなって思って…さっきはそれでね…」
ベルトルト「最初に、ユミルに良くなってもらいたくて…僕ばっかりじゃ嫌だから…」
ベルトルト「ねぇ、大丈夫だよ…少しずつユミルを開花させるから、僕が」
ユミル「おっ、お前だって…初心者の癖に…生意気だな。…なんだよ…開花って」///
-
633 : 2014/01/06(月) 23:57:43 -
ベルトルト「僕は、ユミルが経験者だと思ってたから…その…初めてって聞いて驚いた」ベルトルト「ごめん…だって以前の君は、斜に構えていて…他人を見下すような態度で…」
ベルトルト「何でも知ってるような顔をするから…何の疑いもなくそうなんだろうなって」
ユミル「…」
ベルトルト「別に、初めてでもそうじゃなくても、僕は構わなかったし…」
ベルトルト「君が、君でさえいてくれたら…そんなことはどうでもいいって思ってた」
ユミル「そっか…」
ベルトルト「…でも、正直に言うとすごく嬉しかった…。君の初めての男になれて…」
ユミル「あぁ…もう、恥ずかしいな…」///カァァァ…
ベルトルト「そして、僕が最後の男だ」
ユミル「…!」
-
635 : 2014/01/07(火) 00:06:13 -
ユミル「そんな生活で、純潔を守るのがどれだけ大変だったか、想像してみろ…」ハァ…ベルトルト「ユミル…」ギュッ……
ユミル「一番怖かったのは、まだスリが下手だった頃、憲兵に捕まって殴られたことだ」
ユミル「その瞬間、激痛が走ると共に顎の骨が砕ける音が聞こえた。殺される…と思った」
ユミル「巨人の力を使った…治癒しながら、その場を逃れた…大の男が12歳の女の顔に…」
ユミル「固い握りこぶしを、思いっきり振り抜いたんだ……怖かった…ひっく…」ブルブル…
ベルトルト「ユミル!もう…もういいから!」
ベルトルト「思い出さなくていいから!!」
ベルトルト「もう二度と…そんな怖い思いはさせないから…僕が守るから…」ギュゥゥゥ…
ユミル「…うん」グシュ…
-
636 : 2014/01/07(火) 00:09:20 -
ユミル「だから今でも男は苦手だ…大人の男に押さえ込まれるのが怖くて…」ユミル「特に身体に触れられるのがダメでさ…すぐ『触るな!』って言葉が出てくる…」
ユミル「薬屋のオヤジに胸を触られた時は、言葉を抑えるのに必死だった…」
ユミル「でもお前が私の代わりに言ってくれて嬉しかったよ…ありがと」ニコッ
ベルトルト「ふふっ…そっか…」ナデナデ…
ベルトルト「…ねぇ、ユミル…あのさ…言いたくなかったら、それでもいい…」
ベルトルト「でも、教えてくれるなら知りたいんだ…ユミルのこと…」
ユミル「私の、何を知りたい…?」
ベルトルト「薬局でやった…男の誘い方とか…指舐める仕草とか…どこで覚えたの?」
-
637 : 2014/01/07(火) 00:11:36 -
ユミル「ん…っとな…あれは前にシーナで知り合った娼婦から教えてもらったんだ…」ベルトルト「…」
ユミル「彼女は、『生きるための技術』だって言ってた…」
ユミル「実際使っているのを何度か見てて、この手は使えるって思い出してさ」
ユミル「やったのはあれが初めてだったんだが…自分でも上手く出来たと思う…」ハハ…
ベルトルト「ユミル…あれもうしちゃダメだからね!」ムッ
ユミル「あぁ…もうしないよ、悪かった…」
ユミル「その彼女も…梅毒で死んでしまったんだけどな…」
ベルトルト「!?」
ユミル「私と出会った時にはすでに発症していて、彼女は薬を買えなかった。私も…」
ベルトルト「ユミル…だからあの母子に…」
-
639 : 2014/01/07(火) 00:19:26 -
ベルトルト「そうだったんだ…」ユミル「あっ!でも落ち着いたらちゃんと編んでやるからな。お前のマフラーと手袋」
ベルトルト「うん…楽しみにしてる」フフッ
ユミル「私は、もう盗みやスリは二度としないつもりだ…もう12歳の無力なガキじゃない」
ユミル「あの時とは違う。体も大きくなって、知恵もついた…だから思うままに生きる…」
ユミル「偶然にも手に入れた、第2の人生を…自由に。不幸になる運命なんてない!」
ベルトルト「ユミル…」ジワッ…
ベルトルト「君は幸せにならなきゃ…」ギュッ…
ユミル「ベルトルさん…?」パフン……フワッ……
ベルトルト「休憩は、もういっぱいした」
ベルトルト「僕は…君を抱きたい…」
ベルトルト「僕は絶対、君と結婚するっ…それで幸せにするからっ!」
-
640 : 2014/01/07(火) 00:22:21 -
ベルトルト「…君が…好きで…好きで、愛しすぎて…気が狂いそうだよ…ひぐっぅ…」ユミル「何泣いてるんだよ…お前…」
ベルトルト「だって!僕が幸せにしなきゃって!!思ったから…」
ユミル「今、結構幸せだぞ…お前のおかげで」
ユミル「ほら…指輪ももらったしな」キラッ
ベルトルト「う…うん…」ゴシゴシ…
ベルトルト「明日、避妊具も買ってくる…やっぱり僕らのやり方は完璧じゃないから」
ユミル「見たことあるのか?避妊具。あんなぶ厚いゴム着けてしても…」
ユミル「お前、全然気持ち良くないぞ…」
ベルトルト「そうなの…?見たことない」
ユミル「まぁ、今まで別に必要なかったしな…。お前も私も」
-
641 : 2014/01/07(火) 00:25:22 -
ユミル「私は、お前以外を自分の中に入れたくないんだ…」ユミル「自分の指でさえも嫌だってのに…ゴムなんてもっと嫌だ…臭いし…」
ベルトルト「ユミル…僕がいいの?僕しか嫌なの…?僕が欲しいの?」ギュゥゥ…
ユミル「…落ち着けっ!重い!!」
ユミル「えっと…な…そ、そうだよ…」
ユミル「お前がいい…お前以外は嫌だ…お前が……欲しい…」
ベルトルト「うん…満足した…」チュッ…
ベルトルト「じゃ、再開だね……好きだよ…ユミル」クチッ…
ユミル「おい!いきなりかよっ…っ…」
-
642 : 2014/01/07(火) 00:30:05 -
ユミル「もうだいぶ乾いちまって…んっ…ぁ…まだ…ダメだって……」ベルトルト「すぐ濡れるよ…ユミルはすぐ、びちょびちょになるもん…」ゴクッ…
ベルトルト(初めての時はユミルがしてくれたから…僕から入れるのは、これが初めて…)
ベルトルト「入れるね…」
ベルトルト(秘部を先端でなぞって…少しくぼんだ…吸い込まれそうな場所…ここ、だ)
グリッ…ヌュプ……
ユミル「ぁ…っ…ゃっ…指1本の慣らしじゃ…無…理…っ…いっ…てぇ!」ズプン…
-
643 : 2014/01/07(火) 00:34:40 -
ベルトルト「あぁ…っ!!」ベルトルト(はぁ…最初の時よりもっと…気持ちいい……)
ベルトルト(さっきユミルが感じてくれたからだ…弾力と粘度が違う…)
ベルトルト(…これじゃすぐ出ちゃう…)
ベルトルト「ユミル…ゆっくりするから…怖くないから……んっ」ズププ…
ユミル「優しく…してく…れ…よな」ハァ…
ベルトルト「うん…精一杯、君を大事に抱くからね…」ヌプッ…ヌプッ…
ユミル「ね…根元ま…で…」
ベルトルト「…えっ!」
ユミル「…全部入れなきゃ…気持ち良くないだろ…?お前…」
ベルトルト「いいの…?」
-
644 : 2014/01/07(火) 00:40:51 -
ユミル「痛いから…ゆっくりな…」
ベルトルト「…うん」チュッ…
ベルトルト(もう…ユミルの奥に当たってる…あぁぁ…すごい…眩暈がする…)ヌプッ…
ベルトルト(僕の根元、結構太いから…ユミルを傷つけないように…ゆっくり…)
ズッププププ…グリッ……
ユミル「あぁ…っ…」ビクッ…
ベルトルト「…ごめっ…大…丈夫?」ハァハァ…
ユミル「大丈夫だ…私も…」
ユミル「お前に気持ち良くなってもらいたいんだ……ぁ…んっ…」ヌプッ…
ユミル「もっと腰…振っていいぞ…」
ユミル「私を愛してよ………好きだよ…ベルトルさん…」
-
645 : 2014/01/07(火) 00:44:23 -
ベルトルト「…!!…ユ…ユミル…」ドクン…
ベルトルト(あぁぁぁ!理性なんて…もう…)
ベルトルト「ユミル…ユミル…あぁぁあ…愛してる……大好きっ……んっ…」ズンッ…
ユミル「…ぃ…っ…!」ギュッ…
ベルトルト「はっ…ぁ…っ…あぁ…」ジュボッ…ジュボッ…
ベルトルト(脚を大きく開かせて…腰を抱いて逃げないように…もっと奥へ…)グイ…
ユミル「あっ…ゃ…っ…」ハァ…ハァ…
ベルトルト(根元まで一気に…激しく奥を突き上げる…)
ズブン!パン!パン!パン!……
ユミル「あぁ…激し…っ…ベルトルさ…ん…っ…」ギュゥゥ…
-
646 : 2014/01/07(火) 00:47:37 -
ベルトルト「ユミル…僕以外の男とこれをやったら……ぁぁっ…」ハァハァ…ベルトルト「相手の男を…うっ…君の目の前で殺すから…っ…はぁ…」
ズプッ…ヌプッ…パン!パン!パン!…
ベルトルト(あぁ…気が狂いそう…腰が熱い…)
ベルトルト(ハァ…ユミルの全部が欲しい…あぁぁぁ…)
ベルトルト「例えライナーやアルミンとだって…僕は絶対に許さないっ…」ハァハァ…
ユミル「馬鹿っ…なん…で…あいつらっ…」
ユミル「…生々しいだ…ろ……んっ…!ぁぁ…っ」
ヌプッ…ジュボ…ジュボッ…
ベルトルト「甘い声が出てるよ…今日は気持ちいいの?」ハァハァ…
-
648 : 2014/01/07(火) 00:56:18 -
ベルトルト「あ…ぁ…だめだ…出そう…」ベルトルト(この興奮と快楽に…脳がとろけて)
ベルトルト(…耐えられそうもない…なにこれ…すごい…)
ベルトルト「ユミル…早くてごめ…ん……ちゃんと外に出す…から……」ハァハァ…
ベルトルト「ねぇ、明日もしたい…また明日もしよう?約束して…」
ヌプ…ジュプッ…
ユミル「ダメ…だ……明日はクリスタと…
ベルトルト「だめ!君は明日もこれをするんだ…僕と…」
パチン…パチン…パチン……パチュン…
ユミル「あっ…ぁっ……っ……」
パチュン…パチ…パチ…パチ…パン!パン!パン!パン!…
ベルトルト「あぁぁ…ユミル…愛してる……もう…出…
-
649 : 2014/01/07(火) 00:58:50 -
ドン!ドン!ドン!…
ベルトルト「!?」
ユミル「!?」ユミル「ベルトルさん!抜けっ!!」ガバッ!
ガツン…!
ベルトルト「!!…ぃっ…たい!」ヨロッ…
ユミル「うぅ…イテテ…」
ユミル(…っ、抜けたっ!)
ユミル「出すなっ!!」
ユミル「根元押さえろっ!」ギュッッ!
ベルトルト「いっ!」ビクッ!
-
650 : 2014/01/07(火) 01:00:58 -
ベルトルト(ユミルに押さえられた……ぐすっ…)ビクビクッ!ユミル「だ…誰だっ!」
ユミル(なんだこの既視感は…つい最近、似たような事があったな…ナナバさん…)
ベルトルト「ユ…ユミル…どうして…」
ユミル「出せばバレるだろ…したってのが…その…精液の臭いで…」
ベルトルト「もう、バレたっていいじゃない…同じ部屋なんだし、むしろ自然でしょ…」
クリスタ「ユミルぅ…」
クリスタ「ここを開けて…具合悪いのは分かってるんだけど…お願い…」グスッ…
ユミル「!?」
ユミル「く…クリスタか…はぁ…良かった」
-
651 : 2014/01/07(火) 01:03:14 -
ベルトルト「良くないよ、断って!…まだ僕との時間だよ!!ユミル」ユミル「クリスタ!あと5分待ってろ…すぐ支度するから…まだ頭が痛くてな、すまん」
ベルトルト「ユミルっ!!」
ベルトルト「僕とクリスタどっちが…
ユミル「待った!その質問はもう散々だ」
ユミル「ベルトルさん…好きだよ…」チュッ…
ベルトルト「ん……ユミル…」ギュッ…
ユミル「でも今はクリスタだ!悪ぃ…」パッ…
ベルトルト「ユミル!?」
ユミル「よし!下着あったぞ…うぅ…汚れてた…仕方ねぇな……穿かないで行くか…」
ユミル「服どこだ?…あぁ…畳んでくれてありがとな、おかげですぐ着れる…」
-
652 : 2014/01/07(火) 01:05:24 -
クリスタ「ユミル…まだ?…なんか口論してる声が聞こえたような気がしたけど…」ユミル「あと1分で行く、口論なんかしてない、気のせいだ」ゴソゴソ…
クリスタ「そう…?」
ベルトルト「ねぇ、行かないで…お願い…」
ユミル「悪ぃな…この穴埋めはいつかするから…」
ユミル「あぁ!そうだ…靴!」
ユミル「代わりに靴、置いていくから…」
ベルトルト「靴…?」
ユミル「前に言ったことあるだろ?ほら、お前…匂いとか好きだし。もう忘れたか?」
ベルトルト「あっ!」
ベルトルト「待って!ユミル…僕は上級者じゃないってば!!」
-
653 : 2014/01/07(火) 01:10:22 -
カチン…ガチャッ… ギギギッ…
ユミル「悪ぃ、クリスタ…待たせたな」
クリスタ「ううん…ごめんね、夜遅くに。具合も悪いのに…でもどうしても相談したくて」
ユミル「おう!構わないぞ。…談話室行くか?…ん?部屋のランタン持ってきたのか?」
クリスタ「うん…あのね…
パタン…
ベルトルト「ユミル…の…靴……」
ベルトルト「はぁ…もうこれでもいい…抜きたい…」クンクン…
ベルトルト「あ…!」
ベルトルト「そうだ…これって…
・
・ -
664 : 2014/01/14(火) 21:53:42 -
クリスタ「うん…あのね…今からちょっと暗い所に行くけどいいかな…」ユミル「暗い所…?」
ユミル「…っておいっ!クリスタ、談話室はそっちじゃないぞ!」
クリスタ「談話室は…他の宿泊客がいつも居るみたいだから、そっちでは話したくない…」
クリスタ「誰にも聞かれたくない話だから、ユミル…こっちに来て!」グイッ…
ユミル「お、お前…どこ行くんだよ!」
・
・クリスタ「着いたよ。この空き部屋の中に階段があって…屋根裏へ通じてる」ギシッ…
ユミル「!?」
ユミル「…こんな所、いつ見付けたんだ…?」
クリスタ「今日の昼頃かな…。みんなで昼食を食べた後、この辺を一人で探索しててね…」
クリスタ「アルミンを見付ける前に、屋根裏部屋を見付けちゃった…」
-
665 : 2014/01/14(火) 21:56:46 -
ユミル「見付けちゃったって…お前なぁ…勝手に入ると怒られるぞ…」ハァ…クリスタ「ちょっとなら平気だよ!誰も来ないし。…ほら、ランタンの灯りもあるし…」
クリスタ「ユミルと二人だけで…誰にも邪魔されない場所で話したいの…ダメ?」
ユミル「別にダメじゃねぇけどさぁ…」
ユミル「はぁ、仕方ねぇな…こうなりゃどこまででも付き合ってやるよ!」
ユミル「…女神様の我儘に」ニヤッ
クリスタ「女神様って…何それ…」///カァァ…
ギシッ…ギッ…ギッ…
ユミル「屋根裏は物置になってるんだな…明り取りの窓から星が見える…綺麗だ」
クリスタ「うん…素敵だね…」キラキラ…
-
666 : 2014/01/14(火) 22:01:22 -
クリスタ「この部屋、毎日お掃除が入っているみたいで、屋根裏なのに床もキレイなの」クリスタ「だからほら、靴に塵や埃が付いてないでしょ…ってあれ?」
クリスタ「ユミル…裸足なの?」
ユミル「えっ!…あぁ、うん…」
ユミル「その、慌てて出てきたもんでさ…履き忘れた。悪ぃな、みっともないよな」
クリスタ「ううん…そうじゃなくて、足…冷たいでしょ?ごめんね、ユミル」
クリスタ「こんな遅くに…私の我儘で叩き起こしてしまって…体調も悪かったのに…」
クリスタ「ねぇ…私の上着、足に巻いて…ユミル、風邪引いちゃうよ…」ファサッ…
ユミル「クリスタ!いらない、着てろっ!!」
ユミル「そんな事、お前はしなくていいんだ…これは…私の問題なんだ。それに…」
ユミル「こんな時間に突然お前が部屋に来るなんて、よっぽどの事があったんだろ?」
ユミル「もう身体は平気だ」
-
667 : 2014/01/14(火) 22:03:47 -
ユミル「…私は、お前が私を頼ってきてくれたのが嬉しいんだ…。だから気にするな」クリスタ「うん…ありがと…」ジワッ…
ユミル「…椅子がねぇな、入り口にあるテーブルを椅子代わりに使うか」
ズリ…ズリ…ズリ…
ユミル「よし!窓際まで持ってきた。ちょっと冷えるけど外、見ながら話そうか?」ストン…
ユミル 「いって…!」ズキン…
ユミル(座ると痛ってぇ……ベルトルさん、派手にやりすぎだろ…ハァ…)
ユミル(誰だ…2回目は痛くないって言った奴は。ハンナだったか?くそっ…騙された)
クリスタ「ユミル…どうしたの?」
ユミル「い…いや、何でもない…」ズキズキ…
-
668 : 2014/01/14(火) 22:06:52 -
ユミル「ランタンここに置けよ。重いだろ?」
クリスタ「うん…」カタン…
ユミル「…ほら、クリスタも隣に座れ」グイッ… パスン…
ユミル「そう言えば、連れ去られてから…こうやって二人だけで話をするの初めてだな」
ユミル「今まで…心細かっただろ?一人にしてごめんな…。明日は一緒に寝ような」
クリスタ「うん…明日は絶対、ユミルと一緒に寝る。楽しみにしてるからね…」
ユミル「絶対だぞ、約束だからな」
クリスタ「うん、アニに頼まれても、ベルトルトに頼まれても…絶対に譲らないから…」
ユミル「あぁ、こっちもそのつもりだ…」ニコッ…
-
669 : 2014/01/14(火) 22:09:52 -
ユミル「…手、触ってもいいか?」ソォッ…クリスタ「うん、契約の握手?」ギュッ…
ユミル「ん?…そうだなぁ…」
ユミル「ただ、お前に触れたいだけなんだが、そう言うことにしておこう」ハハッ…
クリスタ「あっ…ユミル、今日はお酒、飲み過ぎちゃったでしょ!アニから聞いたよ」
クリスタ「ねぇ、無茶しちゃだめだよ!私達はまだ…」
ユミル「飲めない歳!…ってんだろ?」ハハハ…
クリスタ「分かってるんじゃない!もう!」プクーッ
ユミル「クリスタの手も、温かいな…」
クリスタ「えっ?」
ユミル「…で、相談ってなんだ?明日じゃダメだから今、来たんだろ?」
クリスタ「…うん」
-
671 : 2014/01/14(火) 22:18:00 -
ユミル「そうか…」ユミル(今夜、告白するって言ってたもんな…やっと言えたんだな、ライナー)
クリスタ「一緒になりたいって…結婚したいって事だよね?」
クリスタ「私…そんなこと言われたの初めてで…まだお付き合いもしてないのに…」
クリスタ「ユミル…どうしよう…怖いよ……うぅっ…ぐすっ…」
ユミル「泣くことあるか…告白する方だってな、勇気がいるんだぞ…」ナデナデ…
ユミル「あっちもお前の返事が怖くて仕方がなかったんじゃないか?」
ユミル「…で、お前はあいつになんて返事をしたんだ?」
クリスタ「それが…どっ…どう返事をしていいか分からなくて…とっさに…」
クリスタ「『ユミルに聞いてみないと返事は出来ない!!』って答えちゃった…」
ユミル「!?」
-
672 : 2014/01/14(火) 22:20:27 -
ユミル「…はぁ」クリスタ「呆れてる…?」
ユミル「いや…いきなりで混乱していたのは分かるから…理解は出来るが…」
ユミル(一番驚いたのはライナーだろうな…)
クリスタ「もう叫んだ瞬間、頭が真っ白になっちゃって…気が付いたら、」
クリスタ「ランタンを掴んで飛び出して…ユミルの部屋のドアを叩いちゃってた…」
クリスタ「すぐ隣の部屋だから距離もないのに…」
ユミル(ライナーもバツが悪かっただろうな。クリスタに逃げられて…)
クリスタ「しかもユミルがなかなか出て来てくれないから…」
クリスタ「ライナーったら、アニと二人でドア越しにこっちを覗いてるの!」
クリスタ「もう…恥ずかしいったらなかった!!」///カァァ…
ユミル(ははっ…場景を想像すると笑えるが、笑うとクリスタがまた泣きそうだ)
-
674 : 2014/01/14(火) 22:27:54 -
クリスタ「私がここまで付いて来たのは、ユミルがそばに居てくれたからだよ…」クリスタ「ユミルが居ない調査兵団に戻っても…仕方がないと思ったから…」
ユミル「クリスタ…」
クリスタ「ユミルはどうなの?」
クリスタ「もう…決めちゃったの?ベルトルトに付いて行くって…」
ユミル「はぁ、そうだな…このまま行けば、多分そうなると思う…」
ユミル「私もまだ返事はしてないんだが…」
クリスタ「そう…」シュン…
クリスタ「好きなんだね、ベルトルトの事」
ユミル「…あぁ、本気になっちまって…もう引けないところまで来ている」
クリスタ「私の事も、好き…?」
ユミル「勿論、クリスタの事も好きだ…。どっちも選べないくらい…好きだよ」
-
675 : 2014/01/14(火) 22:31:25 -
クリスタ「うん…嬉しい…」///フワフワ…クリスタ「もっと強く手を握って…ユミル」
ユミル「…あぁ、いいよ」ギュゥゥ…
クリスタ「痛っ…!」
ユミル「悪ぃ!力、入れ過ぎたか?」ビクッ!
クリスタ「ううん…なんか指に硬い物が当たって……あっ、これ…指輪…?」
ユミル「あぁ…その……今日、ベルトルさんが買ってくれた…」
クリスタ「…」
ユミル「お前もちょっとはめてみるか…?」グッ……スポッ
クリスタ「えっ…い、いいよ、別に…」
ユミル「でも指輪とか、興味あるだろ?」
クリスタ「あるけど…何か悔しいから…」
-
676 : 2014/01/14(火) 22:33:54 -
ユミル「悔しい…?」クリスタ「ベルトルトに先を越されて…私もユミルに指輪買ってあげれば良かった」ギリッ…
ユミル「…は?」
ユミル「えっと…」
ユミル「じゃ、はめなくていいんだな?」チラッ…
クリスタ「あっ!でも…はめていいなら、ちょっとだけはめてみたいな、興味はあるの」
ユミル「…あぁ、いいよ」ニコッ
ユミル「但し、ベルトルさんには内緒な」ススッ…
クリスタ「本当に、いいのかなぁ…」スルン…
クリスタ「あれ…?」クルリ…
ユミル「う~ん…やっぱな。お前は指が細い」
-
677 : 2014/01/14(火) 22:36:45 -
クリスタ「私はもう一回り小さいサイズかな…ユミル、手を出して。はめ直してあげる」ユミル「右手の薬指な」スッ…
クリスタ「はいはい。…少しだけユミルと予行練習。結婚指輪をはめる、ね」グッ…
ユミル「あぁ、これ結婚指輪になる…予定だそうだ。内側にあいつの名前が彫ってある」
クリスタ「はぁ…やっぱり結婚指輪なんだ…それ」
クリスタ「じゃぁ…私と浮気しちゃダメじゃない、ユミル!!」
ユミル「う…浮気!?」
ユミル「浮気ってなんだよ…私は、その…性別を超えてクリスタが好きなだけなんだが…」
クリスタ(性別を超えて『私の事が好き』って本人の前で言う意味を…)
クリスタ(ユミルはまだ理解してない…)ハァ…
-
678 : 2014/01/14(火) 22:39:55 -
クリスタ「ユミル…私も、あなたが好き」クリスタ「ベルトルトは、ユミルを大事にしてくれている?泣かされたりしてない…?」
ユミル「あぁ、今のところは」
クリスタ「良かった…。ユミルは今、幸せ?」
ユミル「多分…幸せ、だと思う」///
ユミル「もちろん、お前が居てくれるおかげでもある…。お前が居なかったら…」
ユミル「私もここには居られない…」
クリスタ「うん…私もそうだよ。ユミルが居なかったら、ここに用はないもの…」
ユミル「あのさ、ライナーは良い奴だと思うぞ…。お前の事が好きだってのは、」
ユミル「実はもう2年以上も前から気付いていたんだ…私は」
クリスタ「えっ!嘘っ…そんな前から?」
ユミル「あぁ…でも、あいつ純情で、お前に本気過ぎて…言えなかったんだな、今まで」
-
679 : 2014/01/14(火) 22:42:32 -
クリスタ「知らなかった…」クリスタ「私のどこが好きなんだろう…」
ユミル「全部だろうな、きっと」
クリスタ「!?」
ユミル「お前はとっても魅力的だから…自分で気が付いていないだけで…」
クリスタ「…そ…そんなことないよ、からかわないで…」///カァァァ…
ユミル「なぁ…もっと、自信持っていいんだ。胸張って生きろよ…クリスタ」
ユミル「私が目を離すと、死んでしまいそうな気がしていた…」
ユミル「お前はいつも死に場所を探していた」
クリスタ「…」
-
682 : 2014/01/14(火) 22:52:06 -
クリスタ「優しい人だと思う…男女問わず人気があって、信頼出来る人って印象だった」ユミル「そっか…」
ユミル「今はどう思う…?」
クリスタ「私は…ユミルの意見を聞きたい!」
ユミル「ダメだ、お前が自分で決めないと!」
クリスタ「ユミルが付き合えって言ったら、付き合う事にする…」
クリスタ「ユミルの答えはいつも正しいから…」
ユミル「なぁ…それじゃ、ダメなんだって…クリスタ!」ガシッ!
クリスタ「…」
ユミル「そんな弱いこと言ってたら!私は、いつまでもお前を手放せない!!」ギュッ…
ユミル「ライナーに…お前を任せることが出来ない…」
クリスタ「…」グスッ…
-
684 : 2014/01/14(火) 22:59:12 -
クリスタ「やだよ…行かないでよっ!……ずっと…私のそばにいてよ…」ギュゥゥゥ…クリスタ「私だけの…ユミルでいて……うぅっ…どうしてっ…!!」ワァァァァ…!
ユミル「聞け!クリスタ…」ギュッ…
ユミル「私らはずっと一緒なんだ…これから先もずっと…共に生きていくんだ…」
ユミル「多分…これは、そう言うことなんだ」
ユミル「大丈夫、私も居るから…ずっと見守るから」
クリスタ「…ずっと一緒?」
ユミル「あぁ、そうだ」
クリスタ「…私ね…ぐすっ…ベルトルトにも言われたの『もっと強くなって』…って」
クリスタ「ベルトルトは…ユミルを『女の子』に戻したいって…」
クリスタ「『私を守る役割』からユミルを解放したいって、言ってた…」
-
690 : 2014/01/14(火) 23:11:52 -
ユミル「あぁ…あれか…えっとあれは誤解だったんだ…」ユミル「大丈夫、もう仲直りした。私の勝手な思い込みでさ、本人が否定してくれたよ」
ユミル「アニにも伝えておいてくれないか…お前は何も悪くないって。ごめんな…」
クリスタ「そっか、良かった…」ホッ…
クリスタ「ねぇ、ユミル…」
ユミル「…ん?」
クリスタ「もしこの先、ベルトルトがユミルを泣かせたり、悲しませたり、裏切ったり…」
クリスタ「アニと浮気したりとか…そんな事があったら、私はベルトルトを許さないから」
クリスタ「そしたら、今度は私があなたをさらうから!二人でどこまででも逃げるから!」
クリスタ「それだけは忘れないでね…」
ユミル「あぁ、クリスタ…覚えておくよ」
-
691 : 2014/01/14(火) 23:15:30 -
ユミル「なぁ、抱きしめて…いいか…?」
クリスタ「うん…いいよ」
クリスタ「ユミルになら、初めてのキスも…今、あげようか…?」ジッ
ユミル「いや、初めてのキスは、私以外に好きな人が出来た時のために大切にとっておけ」
ユミル「私はもう初めてじゃないんだ…勿体ないだろ?私にやるのは…」
クリスタ「…」
ユミル「あのさ…クリスタ。ライナーは、重い秘密を抱えている…」
ユミル「ベルトルさんも、アニもな」
ユミル(そして、私もだ。お前には絶対知られたくない…この秘密は、墓まで持って行く)
ユミル「近いうちに、その秘密は明らかになるらしい…」
ユミル「その時、お前はその秘密を受け止めきれないかも知れない…」
(あの3人は巨人であり、『罪』を共有する共犯者でもある)
-
692 : 2014/01/14(火) 23:18:41 -
ユミル「でも、あいつらを信じてやってくれ…」ユミル「もう人を殺したくないんだ、あいつら…」
クリスタ「!?」
クリスタ「人を、殺す…?ユミル…それどういうこと…?ねぇ、何を言っ…
ユミル「いいか?何を打ち明けられても大丈夫なように、心の準備だけはしておくんだ」
ユミル「頑張れ…クリスタ…」ギュゥゥ…
クリスタ「ユミル…」ギュッ…
ユミル(これは、私自身にもよく言い聞かせなきゃならない言葉だ…)
ユミル(どんなに残忍で陰惨な『罪』でも…)
ユミル(正面から、向き合ってやる。ベルトルさん…)
-
699 : 2014/01/19(日) 23:33:31 -
ユミル「ロウソク…まだ点いてる。芯もあんまり減ってない」ユミル「思ったより時間は経ってないみたいだ…」
ユミル(ベルトルさんは…ベッドの中だな…)
ユミル(寝てる…のか?…はぁ…良かった)
ユミル「あぁ…足、洗わないと。このままベッドに潜り込むのはちょっと気持ち悪ぃ…」
~浴室~
ユミル「掛け湯樽と熱湯の湯足し樽のお湯を混ぜて風呂桶に溜める。気持ち熱めにして…」
ジャババババ…
タプタプ… チャポン…
ユミル「あぁ…温かい…」ジワーッ
ユミル「結構、冷えてたんだな、足」ゴシゴシ…
-
700 : 2014/01/19(日) 23:37:58 -
ユミル「ん…?」ユミル「ふぁっ!?」ハッ!
ユミル「な…なんだ!!なんで私の下着が干してあるんだ…?」
ユミル「わ、私がクリスタの相談を受けている間に洗ってくれたのか?ベルトルさん…」
ユミル「だいぶ汚してたからな…いや一応、ありがたいが…でも恥ずかしいな…」///
チャプ…タプ…
ユミル(はぁ…こうやって風呂桶に足を浸していると、あの時の事を思い出す…)
ユミル(足を痛めてベルトルさんに医務室まで運んでもらった時の事だ…)
ユミル(私もあいつもまだ訓練兵で、2年目の半ばだったか…お互い、子供だったな…)
ユミル(あの時はベルトルさんが井戸の水を汲んで、私の足を冷やしてくれたんだよな…)
ユミル(背負ってくれた時の事も覚えてる。当時はまさか、こんな関係になるなんて…)
-
701 : 2014/01/19(日) 23:41:58 -
ユミル「夢にも思わなかったよ…」ユミル「多分、ベルトルさんもそうなんだろ?くっくっく…」アハハハ…
ユミル(はぁ…胸の奥から清らかな泉が湧いて出てくるようだ…どこまでも澄んでいる)
ユミル(この感情は多分『幸せ』と言う名前なんだろう…それで、ほんのりと甘いんだ)
ユミル(いつも、良い事があると、その分、あとで悪い事が起こるような気がして…)
ユミル(怖かった…幸せを感じるのが。今現在の自分が幸せであればあるほど…)
ユミル(不幸な境遇に落ちていってしまった時の絶望は、計り知れないだろ?)
ユミル(でも今回はきっと大丈夫だ…。私は、あいつを信じられる…不幸な事にはならない)
ユミル(だって今日繋いだ手は大きくて、温かくて、私を全部、包み込んでくれたんだ…)
ユミル(あの手をいつまでも離さなければ…私はこの気持ちのままで、いられるはずだ)
-
702 : 2014/01/19(日) 23:47:28 -
ユミル(私は、必要とされている…)
ユミル(私は、愛されている…)
ユミル(私はちゃんと愛される価値のある女で、)
ユミル(もし…また世界から憎まれても、疎ましがられても、ベルトルさんだけは…)
ユミル(絶対に私を裏切らない)
ユミル(今はそう確信している…)
ユミル(あいつは…私を、この世界に存在していてもいいのだと言ってくれる)
ユミル「夢、じゃないよな?」ツネッ…
ユミル「イテテ…信じて、いいんだよな?」
ユミル「はぁ…こういう性分だから仕方ねぇけど…疑り深いよな、私も」フーー…
-
703 : 2014/01/19(日) 23:50:18 -
ユミル「うん、大丈夫だ。全部上手くいく…そう信じて生きて行くしかないんだ」ニコッ
ユミル「今日はもう、寝よう」
ユミル(この先どうなるかだなんて誰も分からない…)
ユミル(明日の事は、明日考える)
・
・パタン…
ユミル「ん…?」
ユミル「私の靴、磨いてある…。下着を洗ってくれていたのもそうだが、律儀な奴だ」
-
704 : 2014/01/19(日) 23:52:28 -
ギシッ…
ベルトルト スー…スーッ…
ユミル(ベルトルさん…よく寝てるな…)
ユミル(…枕に涙のあとが)
ソッ…ナデナデ…
ユミル「…さっきはごめんな」
ユミル「今日はありがと…おやすみ」チュッ…
パチッ… ガシッ!
ユミル「!?」
ユミル「お前、起きてたのかよ!!…って引っ張る…なっ…」グィッ… スルン……
ベルトルト モゾモゾ…ムキムキッ…
-
705 : 2014/01/19(日) 23:55:09 -
ユミル「おっ、おいっ!今日はもう寝るだけだって!!服を脱がすな…!」ベルトルト「だって、まだ今日は日付変わってないし…」
ベルトルト「ユミルは休憩だったんだよね?クリスタとどっか行っちゃったってのは…」
ユミル「…休憩?」
ベルトルト「そう。だから僕は、ユミルの休憩が終わるまで待ってた…」モゾモゾ…
ユミル「いやいやいや、もう寝るだけだから。今日の分はもう終わり!」
ズリズリ……グルン! パサッ…
ユミル「…お、お前っ!とうとう全部脱がしやがったな…!!」サッ…
ベルトルト「今日はもう、君の服は畳まない!!だってまたノックの音がしたら…」
ベルトルト「君ってば「畳んでくれてありがとう」とか言いながら着て出て行くだろ?!」グスッ…
ユミル「…」
-
706 : 2014/01/19(日) 23:59:27 -
ユミル「はぁ…ごめん…クリスタの事は謝る…そんなに怒るなよ」ナデナデ…ユミル「あっちも色々あったんだ、来るタイミングが悪すぎただけなんだ…」
ベルトルト「うん…あれは僕史上、かなり最悪の部類の入るタイミングだったよ…」
ユミル「…」
ベルトルト「でも…日付が変わる前に、君が戻って来てくれて、本当に良かった…」ギュゥゥ…
ユミル「ベルトルさん…」ギュゥゥ…
ベルトルト「だけど『クリスタ』って言葉は最低でもあと3日は聞きたくないから…」
ベルトルト「僕の前ではもう言わないでね!」
ベルトルト「もう僕は彼女の名前を聞くだけで本当にイライラして…」
ベルトルト「急に部屋の掃除を始めたくなるから!…何でだか知らないけど」ハァ…
ユミル(それで下着洗ったり、靴を磨いてたりしてたのかよ…)
-
707 : 2014/01/20(月) 00:02:09 -
ユミル「悪かったって…なぁ…機嫌直せよ」チュッ…ベルトルト「…んっ」チュッ…
ベルトルト「もっと…して」
ユミル「はいはい…」チュー
ベルトルト「…っ…ぷは…っ」ギュゥゥッ…
ベルトルト「あぁ…ユミルの匂いだ…幸せ」グリグリ…
ベルトルト「でもユミルの身体…また冷たくなってるね……外へ出てたの?」
ユミル「いや、窓の近くに座ってただけだよ。靴履いてないんだから外へは出れないだろ?」
ベルトルト「うん、そうだった…」
ユミル「急いでて上着も持って行かなかったからな…足だけじゃなく身体も冷えたようだ…」ブルッ…
-
710 : 2014/01/20(月) 00:09:49 -
ユミル「そしてお前は、自分の『罪』を、隠している『秘密』を…私に打ち明けるんだ」ベルトルト「…」
ユミル「私らの3回目はその後だな…」
ベルトルト「えっと、言いたい事は分かった」
ベルトルト「でもこれは、2回目だからね?だってさっきのは、完遂できなかったし…」
ベルトルト「僕はこれくらいの我儘を言っても、今日は許されると思うけど?」
ベルトルト「だってユミル、頑張ったご褒美くれるって言ってたのに僕、まだ貰ってない」
ベルトルト「今日の分は今日、貰わなきゃ!」
ユミル「ほぼ最後までいったろ…?」ハァ…
ベルトルト「ほぼ…じゃだめ、達成感がない!!最後までやらなきゃ意味ないんだよっ」
ユミル「…」
-
711 : 2014/01/20(月) 00:14:19 -
ユミル「靴じゃダメだったか…?」ベルトルト「ダメに決まってるでしょ!!僕は上級者じゃないんだから…」
ベルトルト「…って言いたいところなんだけど、」
ベルトルト「危うく君の靴の誘惑に負けるところだった…本当に危なかった…」ハァ…
ユミル「…そ…そうか…」
ベルトルト「でも、靴で抜くのは我慢した…すっごく我慢した…だって勿体ないもん」
ユミル「…ん?」
ベルトルト「待ち構えてれば君が戻って来るってのは分かってるのに…」
ベルトルト「ここで出すのは勿体なくって…」
ベルトルト「だって僕は、君の『中』で擦って…イきたいんだから…」
ユミル「…」
ユミル「さっき、お前が強く腰を打ち付けたから…その…痛いんだが、どうしてもか…?」
-
712 : 2014/01/20(月) 00:19:53 -
ベルトルト「…治癒する?」
ユミル「しない」
ベルトルト「それでも『したい』って言ったら…怒る?最後までちゃんと…君を抱きたい」
ベルトルト「ダメなら、明日でもいい…」
ユミル「だから明日はクリスタと…んっ…
ユミル「…ふぁっ……ぁっ…」チュッ…クチュッ…
ベルトルト「はぁ…はぁ…だから、その名前は聞きたくないって言ったよね?」
ユミル「……ごめん、悪かった」
ベルトルト「…うん」
ユミル「あのさ、ライナー…告白したんだ、やっと。それであいつ動揺しちゃって…」
ベルトルト「そっか…言えたんだ、彼…」
-
713 : 2014/01/20(月) 00:24:01 -
ユミル「こんな時間に来るなんて変だと思ったんだ…だから尚更、放って置けなくてさ」ユミル「…クリスタを恨まないでやってくれよ…頼むからさ…」
ベルトルト「はぁ…」
ユミル ソォッ… サワッ……
ベルトルト「!?」
ユミル スススススッ…
ベルトルト「あっ…ぁぁ…ユミル…っ…!」ビクンッ!
ユミル「なぁ…今日、何回抜いた…?なんでまだこんなに元気なんだ…?」スリ…スリ…
ベルトルト「ユミルに握られて出せなかった分も合わせて3回。これからする分で4回目」
ベルトルト「だいぶ感度も落ちてるから、今回は長持ちだよ」ハァ…ハァ…
-
714 : 2014/01/20(月) 00:26:54 -
ユミル「…したいか?」スリスリ…クチュ…
ベルトルト「ぁっ!う…うん…したいっ、すっごく!」ハァハァ…
ユミル「私を愛してるか…?痛くしないか?」ギュッ…
ベルトルト「ぃっっ…!あ、愛してる…」
ベルトルト「さっきより優しくする…でも、最後はちょっと激しくなると思う…いい?」
ユミル「……うん…いいよ…」スリ…スリ…
ユミル「だが早めに寝かせてくれ…お前も私も疲れてるだろ…?」シュッ…シュッ…
ベルトルト「はぁ…しながら眠りなよ…あぁっ…」
ベルトルト「眠れるくらい優しく抱くから…ん…っ…」ビクッ…
-
715 : 2014/01/20(月) 00:32:40 -
ユミル「…眠れるわけないだろ、馬鹿!」ユミル「…その…身体が…少しずつ反応し始めてきてるんだ…恥ずかしい事に…」
ベルトルト「!?」
ユミル「今すれば、多分さっきよりもっと…気持ち良くなっちまって…眠れるわけない…」
ベルトルト「ユミル…それ、本当!?」
ユミル「あ…あぁ」///コクン…
ベルトルト「あぁぁ!もうかわいい!!」 ガバッ! ギュゥゥ……
ベルトルト「もっと君が感じてくれるように、これを好きになるように僕、頑張るから!」
ベルトルト「一番初めからやり直そうね。僕にたくさんご褒美ちょうだい?」チュッ…
ユミル「うん…とびきり甘いご褒美をやるよ」
ユミル「だから、今からする分は、私が上になってもいいよな…?ベルトルさん…」
ベルトルト「えっ!?」
-
716 : 2014/01/20(月) 00:35:16 -
脱走から4日目・早朝
壁外調査まであと4日
~ウォール・シーナ西 突出区~
ヤルケル区内 中流階級の宿屋の一室
チチッ… ピピピッ…
ユミル(ん…カーテンから光が漏れてる…もう朝か…眠い…)フワァァ…
ユミル「…ここ自分のベット…だ」モソッ…
ユミル(眠っている間にベルトルさんがまた運んでくれたんだな…)ゴシゴシ…
-
717 : 2014/01/20(月) 00:38:34 -
ユミル「…って、なんでベルトルさん、自分のシャツ、私に着せてんだよ…ふわぁ…ぁ」ユミル「細身に見えるのにぶっかぶかだ…」ヒラッ…
ユミル(当たり前だが、男なんだよなぁ…)
ユミル「下…穿いてないな…でも身体はしっかり拭いてくれたみたいだ」クンクン…
ユミル「そこも…拭かれたな…くっそ、また見やがって、あいつ…はぁ…」
ユミル「そういうのはダメだって、後でちゃんと教えとかないと他の女とした時に…」
ユミル「…いや、それは無いか……」
ユミル「あぁ…指輪、ピカピカだ…」
ユミル(そっか、先に寝ちまったから私の分も手入れしてくれたんだな)
ユミル(脱ぎ散らかされた服も、私のベットの上にキレイに畳んで置いてある…)
-
718 : 2014/01/20(月) 00:42:53 -
ユミル「よっと…ベルトルさん…?」
ユミル(まだ、寝てるかな?)
ユミル(今のうちに着替えておくか…寝ぼけて襲われたらシャレにならん…)
ベルトルト「……ご…めんな…さ……うぅ…」ボソッ…
ユミル「…えっ?」
ベルトルト「トーマス…ミーナ…マル…コ……ナック…ミリ…ウ…あぁぁぁぁ…ぼく…は…
ユミル「ベ…ベルトルさん!!」
ダッ…ブワッ!!
ユミル(掛け布団を剥いだら…両膝を抱えて…ダンゴ虫みたいに小さく小さく丸まって…)
ユミル(寝ているんだよな…?この格好…)
ユミル「泣いて…る…のか…?」ソッ…
-
719 : 2014/01/20(月) 00:46:30 -
ベルトルト「ごめ…ん…なさ………だれか…僕を…助け……ユミル「ベルトルさん!!起きろっ!」
ガシッ!ユッサユッサ…
ユミル「起きろってば!!」グシャグシャグシャ…
ベルトルト「…うっ…ん……あっ!!」
ベルトルト「え…?…ユ…ユミル…?えっと…ここ、どこ…?」
ユミル「はぁーーー…起きたな…」
ユミル「ヤルケル区内にある宿屋だよ、昨日この部屋で一緒に寝ただろ…覚えてるか?」
ベルトルト「うん、覚えてる…大丈夫…」
ユミル「汗かいてるな…怖い夢を見ていたのか?」
ベルトルト「…」
-
721 : 2014/01/20(月) 00:55:15 -
ユミル「怖かったんだろ…」ナデナデ…ベルトルト「うん……少しだけ、このままでもいい?抱きしめて欲しい…」グスッ…
ユミル「言われなくとも…だ」ギュゥゥ…
ユミル「落ち着くまで…ここに居るよ」ナデナデ…
ベルトルト「ねぇ…ユミル。ずっと、ここにいてよ…こうやって僕のそばに…」
ベルトルト「早く、確約が欲しいんだ」
ユミル(もう気持ちは決まってるんだが…あとはクリスタだけだ…)
ユミル(私がこいつと行くと言ったら、クリスタもきっとライナーに付いて行くだろ…)
ユミル(こいつらの思惑通り…6人でこのまま駆け落ちすることになる)
ユミル(クリスタはそれで幸せになれるのか?)
ユミル(あいつがちゃんと自分で人生の方向を決めない限り、うかつに返事は出来ない…)
-
722 : 2014/01/20(月) 00:58:48 -
ユミル(ベルトルさんとはたった3日間、クリスタとは3年間だぞ…)
ユミル(男に溺れて…大切なものを切り捨てるなんて生き方は、私の生き方じゃないんだ)
ユミル「はぁ…辛い……」ボソッ…
ベルトルト「腕、痛くなった…?ユミル、ありがとう。もうだいぶ落ち着いたよ」
ユミル「…うん」
ユミル(でも…もし、クリスタがこいつらに付いて行かない決断をしたらどうする?)
ユミル(私はどっちに付いて行くつもりだ?)
ユミル(ベルトルさんとクリスタ…どちらか一方を選ぶなんて事、私に出来るのか?)
トン…トン…トン…
ライナー「ベルトル、ユミル、起きてるか?」
ベルトルト「起きてるよ、僕ら…今さっき起きたところ」
-
724 : 2014/01/20(月) 01:05:56 -
今日はここまで。読んでくれてありがとう次の更新は、月末までに1回…したいな。ちょっと忙しくなるので…
「好き」と「愛してる」のバーゲンセールがようやく終わりました…次回からやっと物語が進むよ。 おやすみなさい
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727 : 2014/01/20(月) 01:20:12 -
夜中の大量更新、乙です!
2人おずおずとながらも手を取り合って性愛深めてくのが
微笑ましく読んでて幸せなんだけど、
時折陰影がかかって、香辛料噛み砕いたみたいにピリッとくるだいぶ前のベルトルトのセリフの「5年前…」とか
今回のユミルのクリスタとベルトルトを選べるのか、とかハラハラドキドキしてるよ、次の更新、本当に楽しみにして待ってるネ!
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732 : 2014/01/26(日) 23:52:23 -
~宿屋1階の食堂~
ユミル「ほら、クリスタ!」グイッ…
クリスタ「…や」サッ… ギュッ…
ライナー「…」
ベルトルト「はぁ…ユミル、こっち!」
ベルトルト「僕の隣ね」
ベルトルト「クリスタは…ライナーの隣!」
クリスタ「…嫌!」
ライナー「!?」ビクッ!
ユミル「ベルトルさん、お前そっちな!」
ユミル「クリスタは私の隣に座れ…いいな?」
クリスタ コクコク…
-
733 : 2014/01/26(日) 23:55:53 -
ベルトルト「なんなの?もう…」ムッベルトルト「じゃ、クリスタ、この席どうぞ。僕は大人だからね!譲ってあげる」カタン…
ライナー「…はぁ」ショボン…
ベルトルト「ねぇ…空気が重いんだけど…」
ユミル「最初に言っとく、ライナーよく聞け」
ライナー「…なんだ?」
ユミル「クリスタの返事は…明後日、つまりヤルケル区を出る前までにする、待ってろ」
ライナー「!!…そ…そんなに早く返事をくれるのか?」ドキドキ…
ユミル「『そんなに早く』って事もないだろ?だってヤルケル区を出たら…」
ユミル「私たちは逃げられないってベルトルさんが言ってたぞ」
クリスタ「…」
ユミル「ここを出たら、逃げられない場所まで…連れて行くつもりなんだろ?お前らは」
-
734 : 2014/01/27(月) 00:00:52 -
ライナー「いや…俺は…」
ライナー「クリスタがどうしても決められないなら、置いていくことも…考えている…」
ベルトルト「…」
ユミル「無理強いはしないってか?」
ライナー「あぁ…」
ユミル「聞いたか?クリスタ…」
クリスタ「えっ!?」ビクッ!
ユミル「少し、安心したか?」
クリスタ「…う、うん」
クリスタ「ラ、ライナー…昨日はごめんね」
クリスタ「私…動揺してしまって、あなたを置いて…急に部屋を飛び出したりして…」
-
737 : 2014/01/27(月) 00:11:34 -
クリスタ「ジャガイモ、か…。サシャ…元気かな?何も言わずに兵舎を出たから…」クリスタ「みんな心配してるね」
ライナー「…」グッ…
クリスタ「ナナバさんも…きっと私のこと、怒ってる…」
クリスタ「ここからまた調査兵団に戻ったって…」
クリスタ「裏切り者の私は、もう許してはもらえない」
ユミル「クリスタ!!」
ユミル「お前は!…兵士に、戻らなくていいんだ!!」
ユミル「昨日も言っただろ!?兵士の人生だけが、お前の幸せじゃないって!」
ユミル「お前が…どうしてもライナーと一緒には行けないのなら…私がお前を連れて…
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738 : 2014/01/27(月) 00:14:52 -
食堂の給仕「お待たせしました!朝食セット4人分ね。他にご注文はある?」カチャカチャ…食堂の給仕「あら…昨日のお兄さん?」カチャ…カチャ…
ベルトルト「あ、酒場の給仕さんだ。昨日はクラブサンドありがとう。アニ喜んでた?」
食堂の給仕「えぇ!もちろん」ニコッ
食堂の給仕「何てったって新鮮な野菜と卵、使ってるからね!ふふっ、ハムも上質よ」
ベルトルト「うん!確かにあれは美味しかった…2人とも今頃食べてるかなぁ…」
ライナー「何か頼むか?お前ら」
ユミル「レモン水2杯な、私とクリスタの分」
ベルトルト「僕はいらない、水で十分」
ライナー「俺もいらんな、レモン水2杯だけ追加で頼む」
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739 : 2014/01/27(月) 00:19:00 -
食堂の給仕「はい。かしこまりました」食堂の給仕「レモン水は美容にいいのよ、肌に栄養を与えるから。そこのお嬢さん方の…」
食堂の給仕「寝不足で出来た目の下のクマも…すぐにキレイになっちゃうからね♪」
ユミル「!?」
クリスタ「!?」
ベルトルト「ね…寝不足…?」///アワアワ…
ライナー「ベルトル、お前まで何を慌ててるんだ…」
ベルトルト「あ…」
ユミル「ん…?」
ベルトルト「クリスタ」
クリスタ「なに?ベルトルト」
ベルトルト「…君、僕に謝ること…あるよね?」
-
740 : 2014/01/27(月) 00:21:50 -
ベルトルト「昨日、急に部屋に来てさ、僕とユミルが愛…ユミル「ベルトルさん!!」ガンッ!
ベルトルト「…いたっ!…足、蹴らないで」
ユミル「それは昨日、私が代わりに謝っただろ?!」
ユミル「しつこい男は嫌われるぞ!」
ベルトルト「うぅ、ごめん……ユミル…嫌わないでね…」グスッ
ライナー「いつの間にか、しっかり尻に敷かれてるのな…お前」ハァ…
ライナー「よし、温かいうちに食べようか…」
・
・ -
744 : 2014/01/27(月) 00:37:08 -
ベルトルト「ユミルはもう分かっちゃってるんじゃないかなぁ…」ハァ…ライナー「アルミンもな…」ハァ…
クリスタ「…?」
ユミル(アルミンが読んでいたのは、植物栽培の本だったな…話が繋がってきた…)
ユミル(金が要らないってのは、金を払う相手がいないからだ…。私の想像通りなら…)
ユミル「ここに来る前に、倉庫番に許可を貰って…クリスタと一緒に…」
ユミル「アルミンが用意していた『生き延びるための準備』…を、見てきた」
ユミル「馬は宿の厩舎に預けて、荷物だけは別館の鍵付き倉庫に入れて置いただろ?」
ユミル「どれもこれも大切な物資だから…失くしたり、盗まれるわけにはいかないからな」
ユミル「鉄格子の隙間から少し覗いたぐらいで、中身まで確認してはいないが…」
ユミル「あの麻袋の中身が全て食糧だとしたら…結構な量を用意したもんだな…」
ベルトルト「…あれでも全然足りないと僕は思っているけどね」
ライナー「同感だな」
-
745 : 2014/01/27(月) 00:41:04 -
ライナー「だが馬を売った金でまた買い足すから、心配しなくていい。ベルトル」ベルトルト「あぁ…分かってる」
ユミル「香辛料の種や苗、野菜や果物の種子、アニが今日、買い足してくるものだ…」
ユミル「おそらく家畜などの生き物もこれから買うんだろ?…出発の前日、または当日に」
ユミル「家畜は手間がかかるから、クロルバ区で買うのかも知れないな…違うか?」
ベルトルト「だから!その話は、今はしたくないんだっ!!ユミル…」ガタッ!
ユミル「…そんな逃げ口上、私に通用すると思ってるのか?…お前!」バンッ!!
ライナー「おい…周りの宿泊客がこっちを見てるぞ…チッ…座れっ!二人とも!!」
ライナー「いいから早く飯を食え!長居すれば食堂にも迷惑がかかるだろ?混んできたし」
-
746 : 2014/01/27(月) 00:45:13 -
食堂の給仕「遅くなってごめんなさい!」
食堂の給仕「レモン水2杯おまたせ、これ無料でいいよ。すっかり忘れてたもんだから」
食堂の給仕「あら…食事が進んでないね。ひょっとして、お口に合わなかった…?」
ユミル「いや…美味しいよ、だがなかなか喉を通らなくてな…」
ユミル「もう少しゆっくり食べててもいいのか?ここは」
食堂の給仕「えぇ、まだ平気よ。ごゆっくり」ニコッ
ユミル「…だ、そうだぜ。ライナー、ベルトルさん」
ベルトルト「今日、ユミルと出掛けるのは午後からだからね」
ユミル「ん?」
ベルトルト「僕はちょっと用事があるから…14時にこの宿の前で待ち合わせしよう」
ベルトルト「ユミル、ほら…昨日クリスタとも街を見て回りたいって言ってたよね」
ベルトルト「ちょうど良かったでしょ?」
-
747 : 2014/01/27(月) 00:49:49 -
ユミル「あぁ…まぁ…」 コトン…ゴクゴク…
クリスタ「今日はユミルと一緒?」パァァ…
ユミル「ぷはっ……酸っぱいな…」
ユミル「あぁ…そうみたいだ、クリスタ」ニコッ
ベルトルト「ユミルが使う分のお金は、さっきライナーに渡しておいたから」
ベルトルト「昼食の他に、雑貨でも、日用品でも好きなもの買ってもらうといいよ」
ライナー「あぁ、ベルトルからちゃんとお前の分の金、預かってるからな」
ライナー「…って言うかお前、着いた初日に財布落とすって、間抜けすぎるだろ…」
ユミル(私の財布は落としたことになってるのか…)
ユミル「なぁ、ベルトルさん…お前は14時まで何をするつもりだ?」
ベルトルト「買い物!でも…何を買って来るのかは内緒…楽しみにしててね!」ニヤッ
-
748 : 2014/01/27(月) 00:53:17 -
ユミル(何か、上手くはぐらかされたな…)
ユミル(最終目的地まで、一気に吐かせるつもりだったのに…)
ベルトルト「今日は14時にユミルを迎えに行って…」
ベルトルト「落ち合ったら、まず君の下着を買いに行くでしょ?…僕好みの」
ユミル「は?」
ユミル「いや…だから昨日、下着は自分で買うって……あっ!」
ベルトルト「ほら、僕はユミルの財布だから」フフッ…
ユミル「くそっ!」///
クリスタ「下着って…?何で…」
ライナー「…まさかとは思うが…昨日……いや、まだ早いだろ、ないない」ブツブツ…
-
749 : 2014/01/27(月) 00:56:24 -
ベルトルト「その後、ドレスを買いに行くよ。これは昨日、君に相談したよね?」ユミル「もう、お前…やりたい放題じゃねぇか…」ハァ…
ベルトルト「でね、今日の最後に連れて行きたい場所があって…そこは、」
ベルトルト「ヤルケル区で有名な観光名所で、『恋人の聖地』って呼ばれてるんだ…」
ライナー「あぁ!それ知ってるぞ…。もしかしてあそこか?」
ライナー「旅行の手引書に書いてあった…高だ…
ベルトルト「ちょっ…!待ってよ、ライナー!!今話したらつまらないだろっ?!」
ベルトルト「僕はね、宝飾店もそうだけど…」
ベルトルト「前々から…ここは絶対、ユミルを連れて行こうって決めてたんだから!!」
ライナー「わ…悪かった、怒るなよ」
ユミル(デートね…こんな状況下なのに、いまいち緊張感がないんだよな、こいつは)
-
750 : 2014/01/27(月) 01:00:54 -
ベルトルト「だから14時まで時間を潰しててくれると嬉しいな。ユミル、愛して…ユミル「わー!わーーっ!!わぁぁーーーっ!!!」アワワ…
ユミル「おっ、お前は馬鹿かっ!?」
ベルトルト「えっ?」
ユミル「いや、断言してもいい…お前は馬鹿だ…」///カァァ…
ユミル「いい加減、『時』と『場所』と『場合』を考えて発言しろっ!この馬鹿っ!!」
クリスタ「…」 カッ… ゴクゴクゴク! ダンッ!!
ライナー「…」
クリスタ「ぷはっ…ハァ…ハァ…ベルトルトがむかつくから、部屋に戻る!」ガタッ…
ライナー「あぁ…俺もそうする」ガタッ…
-
751 : 2014/01/27(月) 01:03:48 -
ライナー「そうだ、ユミル、クリスタ…午前中は俺も一緒に行動するぞ、よろしくな」ライナー「なんせ、お前の分の金をベルトルから預かっちまったんだからな!」
クリスタ「えぇっ!?」
クリスタ「ラ…ライナーも一緒なの…?」オドオド…
ユミル「分かってるよ。じゃ、クリスタもライナーも、今から15分後に宿屋の前な!」
ベルトルト「何も、そんなに馬鹿って言わなくてもいいじゃないか…」グスッ…
ユミル「はぁ…じゃ、お前とは14時な」ガタッ…
ベルトルト「あ!ユミル」
ユミル「ん…なんだ?」フィ…
ベルトルト「今日のデートの時にさ、昨日僕が買ったスカートを穿いて来てよ」
ベルトルト「アレ、君が穿いているところ…早く見たいんだ、きっと似合うから」
ユミル「…」
-
752 : 2014/01/27(月) 01:06:04 -
ユミル(スカートで、デートか…。ちょっと苦手なんだよな、スカート。歩きづらくて)
ユミル(でもたまには、素直にこいつの言うことを聞いてやるか…)
ユミル「あぁ、いいよ」
ユミル「スカートなんて久しぶりだな…もし似合わなくても文句言うなよ?」ニコッ
ベルトルト「うん、大丈夫。絶対似合うから!」ニコニコ
ベルトルト「じゃぁユミル、また午後にね!」ガタッ!
・
・ -
764 : 2014/02/02(日) 20:16:35 -
脱走から4日目・朝
壁外調査まであと4日
~ウォール・シーナ西 突出区~
ヤルケル区内 中流階級の宿屋前
クリスタ「ユミル…遅いな…」ソワソワ…
ライナー「…」
クリスタ「…」
ライナー「あのな…
クリスタ「あのね…クリスタ「あ!あっ…あぁぁ…ラ、ライナーからどうぞ…」///
ライナー「い、いや…クリスタ、何だ?」
-
765 : 2014/02/02(日) 20:18:59 -
クリスタ「う…うん、その…さっきは、ごめんね…」ライナー「ん?」
クリスタ「朝食の席、あの…隣、嫌って言っちゃって」
ライナー「あぁ、なんだそんな事か…」ホッ
ライナー(いきなり返事をくれるのかと思って緊張した)
クリスタ「そんな、こと…ね」シュン…
ライナー「いやいやいや!…もっと、深刻な話かと思ってな、すまん」
クリスタ「…」
クリスタ「昨日、ユミルに相談したの…ライナーが…その…告白してくれたこと」
ライナー「あぁ、そうだったな」
-
766 : 2014/02/02(日) 20:21:34 -
ライナー(「ユミルに聞いてみないと返事は出来ない!」って飛び出して行ったな)ライナー(そういや、俺はあの部屋はアニとベルトルの部屋だと思ってたんだよな…)
ライナー(クリスタの部屋のドアを叩く前に、二人に発破でも掛けてもらおうと思ったら、)
ライナー(いきなり本人が出てきてなぁ…)
ライナー(こっちも気が動転して何をどうしゃべったか、半分記憶にないぞ…)
クリスタ「そしたらユミルに…『自分で決めろ』って言われた」
クリスタ「当たり前だよね…自分の事だもんね」
ライナー「…」
クリスタ「私、ユミルに頼りっきりでここまで来てしまった」
クリスタ「いつも彼女から守られていた。一昨日、ベルトルトにも言われた」
クリスタ「『もっと強くなって!』って…」
ライナー「クリスタ…」
-
771 : 2014/02/02(日) 20:40:58 -
クリスタ「ライナー、まずはお友達から始めましょう。全部は、そこからだから…」
ライナー「ク、クリスタ…」
クリスタ「…お友達からでも、いいかな?」
ライナー「あ…あぁ、構わない!少しずつでいい!!」
ライナー「もっと、俺の事も見て欲しい!俺の事も知って欲しい…友達からでいいんだ!」
ライナー「よしっ!よしっ!よーしっ!!神様はここに居やがった!!」グッ!
クリスタ「ライナー?…ちょ…ちょっと恥ずかしいよ…もう、大げさだよ…」///カァァ…
ライナー「俺は…俺の女神さまから、返事をもらったぞーーーー!!!」ウォォォォ…
-
772 : 2014/02/02(日) 20:45:36 -
ユミル「声が大きいぞ!ライナー」ユミル「あんまり騒ぐなよ…目立つから」
クリスタ「ユミル!!」タッ
クリスタ「もう!遅いよ、待ちくたびれた」
ユミル「すまん、すまん」ハハ…
ユミル「スカートの試着をしていたんだ」
ユミル「腰回りのサイズだけで、あいつが決めて買ったもんでな。どんなもんかと…」
クリスタ「スカートの試着…?そっか午後から…ベルトルトと…」
クリスタ「でもそれ、ズボンに見えるけど…」
ユミル「あぁ、宿に戻ったら穿き替える。やっぱこっちが動きやすい」
ユミル「ライナー…顔が赤いぞ。熱でもあるのか?」
ライナー「い、いや…その、もう行くか!」
ユミル「あぁ、そうしよう」
-
773 : 2014/02/02(日) 20:50:04 -
~ヤルケル区 大通りの繁華街~
ユミル「そういや昨日もここ通ったな、ベルトルさんと一緒に」
ユミル「おうおう!今日も人が多い。市場は昨日より盛況みたいだ。ま、朝だからな…」
ユミル「二人ともはぐれるなよ?」チラッ
ライナー ソワソワ…
クリスタ モジモジ…
ユミル「…」
ユミル「…なぁ、二人ともなんか変だぞ」
ライナー「ななな…何を言ってるんだ、ユ、ユミル…いつも通りだろ?」///
クリスタ「そ…そうだよ…」///
ユミル(私がいない間に何かあったのか?)
-
774 : 2014/02/02(日) 20:54:32 -
ユミル「手でも繋ぐか?クリスタ」
クリスタ「えっ?…手?…だっだめっ!!まだ、早いよ!!」///カァァァ…
ユミル「…いや、その…私と、だが…」
クリスタ「えっ…」
ユミル「ぷっ…」
ユミル「くくくっ…あはははは!!」
ライナー「ユ、ユミル…?」
ユミル「じゃ、こうしよう」ニヤッ
ユミル「私の左手は、クリスタ…ほら、手を貸せ…」
クリスタ「う、うん…」ギュッ…
-
775 : 2014/02/02(日) 20:57:38 -
ユミル「私の右手は、ライナー…お前、早く左手を出せ!」ライナー「えっ…あぁ…いや、いい…」
ユミル「いいから早く出せよ!」ギロッ
ライナー「はぁ…」
ライナー オズオズ… ギュッ…
ユミル「ふふっ…ほら、繋がった」ブンブン
クリスタ「ふぇぇ…」///カァァ…
ライナー「ユミル…お前なぁ…」///
ユミル「二人の手も、温かいな…」
-
776 : 2014/02/02(日) 21:03:35 -
ユミル「はぁーぁ…困ったなぁ」ライナー「何をそんなに困ってるんだ?」
ユミル「これ以上…お前らと一緒に行動したら、離したくないものが多くなり過ぎて困る」
ユミル「だんだん、欲張りになって…」
ユミル「全部、手放せなくなりそうだ」
クリスタ「…」
クリスタ「…いいじゃない、それで」
ユミル「えっ?」
クリスタ「全部両手に掴んだまま…みんなで、一緒に行けばいいじゃない…」
クリスタ「遠くへ、逃げたっていいじゃない」グスッ…
ライナー「泣くな…クリスタ」
クリスタ「私も、ユミルも…嫌な事は全部、壁内へ置いて行けばいいじゃない!!」ヒック…
-
777 : 2014/02/02(日) 21:07:13 -
ユミル「!?」クリスタ「怖い事も、悲しい事も!辛い事も全部!!…だってこの世界には、何もない!」
ユミル「クリスタ!!お前…知ってるのか?」
ユミル「ライナー!てめぇ…」パッ…
ユミル「私がいない間に、あいつに何か吹き込みやがったのか?」
ユミル「おい!どうなんだよっ!!」グイッ!
ライナー「い…いや!俺は何も…
クリスタ「ユミル…ライナーは何も言ってないよ」
クリスタ「これは、私の願望」
ユミル「願望?」
ライナー「…」
-
779 : 2014/02/02(日) 21:15:40 -
クリスタ「自由に出入りできるのに、クロルバ区の開閉扉を突破する方法を探るだなんて」クリスタ「ちょっと変だなって…誰でも思うじゃない?」
ユミル「…」
クリスタ「生活水準の高さを考えたなら…シーナの方が、ローゼより楽に暮らせるよ」
クリスタ「馬を売ったお金で…家を買って6人で細々と生活することも、出来たでしょ?」
クリスタ「私たちがローゼに戻る理由は、もっと遠くへ、行く必要があるからなのかな?」
クリスタ「…なぁんてね」ウフフ…
クリスタ「そうだったらいいな、って思って願望を口にしてみたんだ…」
クリスタ「でも、壁外なんて出たら、現実はすぐ巨人に食べられちゃうから無理だよね」
ライナー「…」
-
780 : 2014/02/02(日) 21:19:56 -
ライナー「はぁ…アニとベルトルは…素直だからなぁ」ライナー「ユミルの前でうっかり何かを口走るなんてのは、致命的な誤りだ」
ユミル「お前も素直だろ…なんだよ、他人事みたいに」
ユミル「もう、この辺でいいだろ?ネタばらししてくれよ…」ハァ…
ライナー「まだ、駄目だ」
ユミル「いきなり連れて行きます!死ぬかも知れません!…じゃ、話にならないだろ!?」
ライナー「わかってる!!」ギリッ…
ライナー「今夜、話す…。ちゃんと、クリスタとアルミン、ユミル…みんな一緒にだ」
ライナー「6人全員が居る所で、きちんと計画を話すから…もう少し、待ってろ…」
ユミル「…」ギュウウウ…
-
781 : 2014/02/02(日) 21:24:10 -
ユミル「ふざけんなっ!またかよ!!」ユミル「なんで…お前らはそうなんだよ…」
クリスタ「ユミル…」
ユミル「合流したら話す、明日話す、今夜話すってさ…いつも引き延ばしてばっかで…」
ユミル「いつもいつもお前らは隠し事ばっかだ!『罪』だの『秘密』だの…」
ライナー「…」
ユミル「そりゃ、私にだって隠し事はあるよ…」
ユミル「誰にも言えない…墓まで持っていかなきゃならない秘密が、ある!」
クリスタ「……私も、あるよ」ボソッ…
ユミル「でも、仲間じゃねぇのか?」
ユミル「私たちは、一蓮托生じゃねぇのかよ!?」
ライナー「ユミル、落ち着け…」
-
783 : 2014/02/02(日) 21:32:54 -
ライナー「勝算は…ある!痛い事には目を瞑ってもらうが…クリスタの命は…」ライナー「もう俺の命より、大事なんだ…」
ユミル「…」
ユミル「またそれかよ…」ボソッ
クリスタ「ライナー…」
ユミル「ベルトルさんもお前もっ!どうして自分の命より、私らが大事って言うんだ…」
ユミル「そんな、自分の命を削り取って見せつける愛情を…誰が欲しがるって言うんだ…」
ユミル「何で…死ぬだの殺すだの、何で平穏な幸せをクリスタに与えてあげられないんだ」
ユミル「お前も、私も……うぅ…ひっ…ぐ」
ライナー「俺達だってな、その『平穏な幸せ』ってやつが欲しくて…ここまで来たんだよ…」
クリスタ「ユ…ユミルを泣かさないでっ!!」
クリスタ「ライナー…私まで……涙が出ちゃうよ……」グスッ…
-
784 : 2014/02/02(日) 21:37:12 -
ライナー「クリスタ…俺のハンカチを使え…」ゴソゴソ… サッ…ライナー「二人とも安心しろ、何とかする…」
クリスタ「ライナー…ありがとう……」スッ…
ライナー「ユミル、お前の分のハンカチは無い、涙は袖で拭け」
ユミル「馬鹿か、ハンカチぐらい、私も持ってるよ」ゴシゴシ…
ユミル「はぁ……ちょっとすっきりした」
クリスタ「も、もしかして…泣きたかったの?ユミル」
ユミル「少しな、今までもう何年も涙なんて流さなかったのに…」
ユミル「こいつらと脱走してから、私は泣いてばかりだ。…で、今は、泣きたい気分だ」
ライナー「すまんな…」
ユミル「…」
-
785 : 2014/02/02(日) 21:42:30 -
クリスタ「…あっ」
クリスタ「ねっ、ねえ!喉が乾かない?」
クリスタ「私そこで飲み物、買ってくる!」
クリスタ「二人とも、あそこのベンチに座って待ってて!」
ライナー「あ、あぁ…いや、いい!結構並んでるぞ、あの屋台」
クリスタ「大丈夫!すぐ戻るから…」
ライナー「あのなぁ、行列だけは自分の意思じゃどうにもならないんだぞ!」
クリスタ「もう!ライナーが引き止めるからまた並ばれちゃったよ!!」プクッ
ライナー「お…おう、そうか…」
ライナー「じゃ、金だけ渡しとくから…
クリスタ「いいってば!すぐ戻るよ!!」タッタッタッ…
ライナー「はぁ…」
-
786 : 2014/02/02(日) 21:46:43 -
ユミル「ダメだな…何やってんだ、私は。クリスタに気を遣わせてしまった」ライナー「レモン水、一気飲みしてたからなぁ…クリスタ。喉なんか乾いてないだろう」
ユミル「あぁ、そうだな」フフッ…
ユミル「でも、あいつが買ってきたら飲まなきゃならんな」
ライナー「飲めなかったら、飲んでやるよ」
ユミル「…あぁ、頼む」
ライナー「なぁ、さっき手を握った時、気になっていたんだが…その指輪…」
ユミル「あぁ、これか…昨日貰った」
ライナー「ベルトルもしていたな。お揃いか?」
ユミル「うん」
ライナー「…結婚指輪か?」
-
787 : 2014/02/02(日) 21:49:36 -
ユミル「本人はそのつもりのようだ。名前も入れてある。ベルトルさんの」ライナー「まるで所有物だな」
ユミル「お互いを所有するって事なら別に不愉快でもない、あっちも私の名前入りだ」
ライナー「なるほど」
ユミル「右手の薬指につけるのは、『恋人がいます』、『婚約しています』って意味だ」
ライナー「はは…知ってるよ、常識だ」
ライナー「左手の薬指につければ、『結婚しています』だろ?」
ユミル「あぁ、きっとそうなんだろ」
ユミル「自分には縁のない事だと思っていたが、こうやってつけて見ると嬉しくてな」キラッ
ライナー「お前、いつもそうやって笑っていれば、かわいいのになぁ…」
-
791 : 2014/02/02(日) 22:01:26 -
ユミル「今、通った荷馬車から木炭がひとかけら落ちたのを見ててさ、思い付いた」ライナー「それ、どうするんだ?」
ユミル「ライナー、さっきクリスタに貸したハンカチを出せ」
ライナー「…これか?」ゴソゴソ… スッ…
ユミル「白いハンカチの濡れていない部分に」
ライナー(ユミルが指輪を外した…何をする気だ?)
ライナー(指先で木炭をすり潰して…指輪のふちに木炭の粉を塗りつけた…)
ライナー「おっ、おい!指輪が汚れるぞ」
ユミル「こうやって…スタンプだ!」グリグリ…
ライナー「お前なぁ…俺のハンカチを汚すなよ…」
-
792 : 2014/02/02(日) 22:04:05 -
ユミル「指輪の大きさ、これで分かるだろ?」ライナー「確かに、キレイに丸型の痕が取れているが…」ピラッ…
ユミル「昨日、クリスタにこの指輪、はめさせてみたんだ。そしたらひと回り小さかった」
ユミル「ひと回り半…ってところかも知れないが、まぁ成長するだろ。これから、指も」
ユミル サッ… フキフキ… キラッ
ユミル「よし!指輪もキレイになったな」グィ…キュキュキュ…
ライナー「ユミル…お前…」
ユミル「そのハンカチ持って、あの宝飾店のおじさんに合わせてもらえよ、指輪」
ユミル「間違えずに、その痕よりひと回り小さいサイズの指輪を購入しろよ?」
ユミル「で、ついでに名前も入れてもらえ」
ライナー「ユミル…」
-
794 : 2014/02/02(日) 22:11:04 -
ライナー「…嘘だな」ユミル「…?」
ライナー「そんな理由なわけあるか…」
ライナー「お前が、クリスタより自分の都合を優先するとは思えん」
ライナー「それにクリスタは、お前がベルトルと一緒に行くと言ったら…」
ライナー「俺の事なんか関係なく、お前に付いて行くと思うぞ…俺に手を貸す意味は無い」
ライナー「何か裏があるなら、早く言え」
ユミル「はぁ…」
ユミル「…本当の理由、言わせる気か?」
クリスタ「おっ…おまたせ!」ハァハァ…
タッタッタッ…
クリスタ「待った…すっごく待った…行列」ウルウル…
ユミル「おぉ…ヨシヨシ、さっすが私のクリスタ!!よ~く頑張ったな」ニコニコ
-
795 : 2014/02/02(日) 22:13:49 -
クリスタ「トレイとカップは後で返さなきゃならないの」クリスタ「トレイだけ今、返してくるね!」ダッ…
ユミル「クリスタが頑張ったくれたから、こっちも頑張って飲むか」グィ… ゴクッ…
ユミル「はぁ…甘いな、オレンジジュース」
ユミル「でも半分は水だなこりゃ…レモン水よりはずいぶん濃いが」ハハハ…
ライナー「ユミル、さっきの話だが…
ユミル「その話は、終わりにしよう」
ユミル「別に、大した理由じゃないよ」
ユミル「ただ…いつも自分の非力さを呪っているだけの話だ」
ライナー「…」
-
801 : 2014/02/09(日) 00:30:43 -
また訂正か…>>795 誤)ユミル「クリスタが頑張ったくれたから、こっちも頑張って飲むか」グィ… ゴクッ…
正)ユミル「クリスタが頑張ってくれたから、こっちも頑張って飲むか」グィ… ゴクッ…
読みにくいのでこっちも訂正
>>779 誤)クリスタ「生活水準の高さを考えたなら…シーナの方が、ローゼより楽に暮らせるよ」
正)クリスタ「生活水準の高さを考えたなら…ローゼより、シーナの方が楽に暮らせるよ」
感想ありがとう。すっごく幸せだ!
前回はライクリ、今回投下分はアニアル、次回はまたベルユミです今日中に投下したかったのですが…推敲が間に合わなくて、
最低でもあと2回は見直したいので、明日の夜(もう今日ですね)更新します過去に投下した文章を見直していたら、2か月前に更新した分で
「宝飾店の主人」表記が、後半から「宝飾店の店主」になっている
のに気付いて、悶えまくり…いつも誤字、脱字、申し訳ないです -
803 : 2014/02/09(日) 20:31:22 -
アルミン「そういえば、どこの街で馬を売るか、まだ相談していなかったね」アルミン「ひとまず、あの木陰で休もうか…」
アルミン「だけど、僕らはあまり時間がない。休憩は30分だけにしよう。いいかな?」
アニ「あぁ…わかった」ググッッ…
アニ「どうどう…いい子だから、止まって…休憩だよ」ポンポン
・
・アニ「アルミン、すまないね」
アルミン「ん?」
アニ「あんたに余分な馬1頭、押し付けてしまって…」
アルミン「あぁ…いや、構わないよ」
-
805 : 2014/02/09(日) 20:37:11 -
アニ「戻る気なんて最初からないよ」アニ「後戻りなんてのはもう、出来ないんだ」
アルミン「アニ…」
アニ「さぁ、遅くなったけど朝食にしよう」
アニ「あの宿の名物料理、包んでもらったんだ。あんたと私の分」ガサガサ…
アルミン「わぁ…ありがとう!君はすごいね。朝食の事も考えてくれていたなんて…」
アルミン「そう言えば何も食べてなかった。僕はそこまで気が回らなかった…ごめん…」
アニ「い、いや…と、とにかく食べて」
アニ(ベルトル、ありがとう)
アルミン「うん!美味しい…栄養の塊だ。ハムの塩加減もちょうどいい」モグモグ…
アニ「…本当だ……美味しいね…」
アニ(美味しい…しっかり、味がする)
-
806 : 2014/02/09(日) 20:39:54 -
アニ「んっ…!」ゲホッ…アルミン「アニ!ほら、水もちゃんと飲んで。パンは喉に引っかかりやすいから」サッ
アニ「ありがとう、アルミン」スッ…
アニ「あっ…!」
アルミン「どうしたの?」
アニ「いや…あのさ…これ、間接キ……いや、何でもない…頂くよ」キュポ…
アニ ゴク……ゴク…ゴクッ
アニ「——はぁ…、水も美味しい」
アルミン「…」
-
808 : 2014/02/09(日) 20:50:18 -
アニ「アルミン!!」アルミン ビクッ!
アルミン「あ!…あぁ、そうだったね」
アニ「アルミン、ごめんなさい…」
アニ(シガンシナ区…あんたは戻りたいんだね。私らが故郷に戻りたかったように)
アルミン「ごめん…今の話は忘れて。僕はもうエレンとシガンシナ区へは帰れない」
アルミン「アニ…震えてるよ」
アルミン「風が冷たいね…汗が冷えたのかな。僕の上着、使って」ヌギッ… ファサァ…
アルミン「昨日、少しだけ…ライナーと話をしたんだ…」
アニ「…」
アルミン「ライナーにね、『君の分の傷薬は要らないんだよね?』って聞いてみた」
アニ「!?」
-
809 : 2014/02/09(日) 20:54:12 -
アルミン「彼は、素直なんだ…とても」アニ「ラ、ライナーは何て…」
アルミン「『…何が言いたい?』って返されたけど…」
アルミン「この返答の仕方は、間違いなんだよ」
アルミン「この場合は、こう返すべきなんだ」
アルミン「『何の話だ?』…ってね」
アニ「…」ギュッ…
アニ「私が、憎いよね…アルミン」
アルミン「いや、憎いも憎くないも…僕はまだアニの事、よく知らないから…」
アルミン「君が…前に約束してくれた、『いずれ全部教える』って言葉が…」
アルミン「真実になる時を待っているよ」
アニ「…」
-
812 : 2014/02/09(日) 21:03:04 -
アルミン「それだと君を捕まえたり、殺したりしても…何の意味もない。それどころか、」アルミン「恨みをかっちゃってさ、壁内への総攻撃が始まったりして…」ハハハ…
アルミン「そしたら僕の大切な人達まで危険に晒すことになるかも知れないなぁ…」
アルミン「…なーんて、いろいろ考えたよ」
アルミン「それとまだ僕は、『超大型巨人』や『鎧の巨人』の正体も…知らないしね」
アニ「…」
アニ「アルミンらしい答えだね」
アニ「私に情があるから…なんて嘘を言われなくて、ほっとしたよ。ありがとう」
アルミン「ねぇ…アニ…」
アルミン「…君とは3年間、訓練兵団で共に過ごした仲間だと、僕は思っている。今でも」
-
814 : 2014/02/09(日) 21:11:13 -
アニ「アルミン、これ…」スッ…アルミン「ん…?これ、仕掛け指輪…」
アルミン「あの時見せてくれた、君の指輪?」
アニ「そう…」
アニ「私も…指輪が欲しくなった。ベルトルが羨ましくて仕方がなかった…」
アルミン「…?」
アニ「それ、つけてみて…細工も見ていいから」
アルミン「う、うん…」
アルミン「すごい…壁内の技術で…作れるのかな、これ」キラキラ
アルミン「ここでかぎ爪を出して…こう…引っ掻いたんだね…うん…やっぱりすごい!」
アニ「アルミン…子供みたいだ」フフッ
アルミン「僕の人差し指じゃ、全然奥まで入らないね…君の指は細いんだ」
アルミン「いつも強くてたくましい君だけど、こんな時は女の子だって事を強く感じるよ」
-
817 : 2014/02/09(日) 21:23:10 -
~ウォール・シーナ西区~
街道沿いの物流の拠点・商業都市
アニ「一人で大丈夫かい?アルミン」
アルミン「大丈夫、交渉なら任せて」
アルミン「少しでも高く、3頭の馬を売ってくる。コツは掴んであるから!」ニコ
アルミン「早めにこの街に決めたから、まだ10時前だ…時間に余裕もある」
アルミン「この馬を至急手放して、荷引き馬と幌付き馬車を買って…」
-
819 : 2014/02/09(日) 21:29:22 -
アニ「あそこだね、良い場所だ。この街からならどこだって見える」アルミン「今後の旅に必要なもの、予約して押さえておいて…お金はすぐに用意する」
アニ「分かった。あぁ、あと雨具を4枚揃えておかないと…薄手で動きやすい物を…」
アニ「ユミルとクリスタの分は厚手の外套を買ってやらなきゃ…身体を冷やさないように」
アニ「待ち合わせ時間は…ま、なんとなく分かるよ。決めないでもいいか」
アルミン「何となく…分かっちゃうの?僕の事なら何でも知ってるみたいだ、アニは」
アニ「心が通じ合ってる?私たち」
アルミン「ふふっ…だと良いね!」
アルミン「じゃ、僕は行くよ。またね、アニ」
アニ「冗談で、言ったわけじゃないんだけど…」ハァ…
・
・ -
821 : 2014/02/09(日) 21:35:36 -
アルミン「そっか…僕より少し年下に見えるけど、しっかりしてるんだね」ニコッ薬局の店番「ふっふっふ、おだてても、値引きはしてあげられません!」
アルミン「分かってるよ。今だけは僕、お金持ちだから値引きはいらないよ!」アハハ
アルミン「まず、傷薬だね…大量に欲しい。出来れば使用期限が長い物。包帯もね」
アルミン「あと、やけど等に効く外用薬、胃薬や目薬、気付け薬、手を洗浄する消毒液」
アルミン「傷口を縫う針と糸に、歯の治療薬と…えっと、それから…
薬局の店番「ちょ…ちょっと待って!そんないちどきに言われても分かんないって!!」
アルミン「あ…あぁ、ごめん…」
薬局の店番「あなたすごいね、そんなにたくさんのお薬どうするの?うちで買ってくの?」
アルミン「うん、そのつもりだよ」
アルミン「この店、親切で品ぞろえが豊富だって通りの人に聞いて来たから」
薬局の店番「そっか…」
-
825 : 2014/02/09(日) 21:51:41 -
アルミン「もし君がこの薬を売ってくれないのなら…僕は何も買わずに店を出る」薬局の店番「…」
薬局の店番「悪い事には…使わない…?」
アルミン「うん…僕がこの薬を使う時は、ただ一途に…」
アルミン「この先の人類の平和を願う時のみだ」
アルミン「君に誓うよ!悪用はしない。約束する」 バッ!
薬局の店番「綺麗な姿勢…これ、敬礼だね」
薬局の店番「…」
薬局の店番「あぁ、もう!…面倒な事になっちゃったなぁ」
薬局の店番「わかったよ!もう、いいよ…私、あなたを信用するから」
薬局の店番「でも、後で兵団にも照会します。あなたの言っている事が、本当かどうか」
-
826 : 2014/02/09(日) 21:57:19 -
アルミン「…」薬局の店番「きっと本当でしょうけれど。だってあなたの瞳には濁りがないもの…」
薬局の店番「使い方を教えます」
コトン… トプトプトプ…
薬局の店番「コップ一杯の水に対して、この薬はわずか1滴でいいの…」キュッ…
薬局の店番「この量が…致死量」ポチャ…
アルミン「たったの1滴…」
薬局の店番「そう、だからあなたの言った4人分の致死量は…このスポイト2本分」
アルミン ゴクッ
薬局の店番「一口飲めば、もうあの世だよ」
薬局の店番「コップ1杯の水で4人を仕留めるのは、まぁ…無理でしょうね」
薬局の店主「1杯ずつ、個別のカップを用意して薬を盛らないとね…とか、言ってみたり」
-
829 : 2014/02/09(日) 22:06:14 -
宝飾店の親父「ウォール・マリアが陥落してから…何もかも、変わってしまった」宝飾店の親父「今はみんな、旅行なんて気楽に行けない情勢になっちまったなぁ…」
宝飾店の親父「シーナは一見、変わってないように見えるがね…だが5年前とは大違いだ」
宝飾店の親父「何を血迷ったか、俺は娘をマリアの金持ちの家に嫁に出しちまってさ…」
宝飾店の親父「あぁ…時間を巻き戻せたら!俺は絶対、結婚なんかさせなかったってのに」
宝飾店の親父「もう…あの娘は戻って来ないんだなぁ…」
アニ「…」
アニ「ごめんなさい…」ボソッ
宝飾店の親父「いやいや!すまない…見ず知らずのあんたにこんなこと話しちまって」
宝飾店の親父「お嬢さん、あんたは幸せな結婚をするんだ…俺は応援するよ!」
アニ「…」
-
831 : 2014/02/09(日) 22:11:23 -
アニ「相手の薬指のサイズは、この髪の毛で合わせてくれ」スッ…宝飾店の親父「ほう…大事そうに、ハンカチで包んできたんだね…」
アニ「うん…」
宝飾店の親父「未来のお嫁さん」
アニ「えっ!」
宝飾店の親父「そんな、暗い顔するな」
宝飾店の親父「こんなご時世だ、誰しもがいつ命果てるかもわからない」
宝飾店の親父「好きな事を思いっきりしてみな!告白はもうしたのか?」
アニ「した…だけど返事は貰えなかった。でも…彼はずっと私のそばに居るんだ、約束で」
宝飾店の親父「そうか…焦るなよ、お嬢さん」
宝飾店の親父「あんた、美人だ!どんな男もすぐその気になる」
アニ「…」
-
832 : 2014/02/09(日) 22:14:08 -
宝飾店の親父「心配するな!俺の店で指輪を買った恋人同士は絶対に別れないんだ!」アニ「どっかで聞いたような話だね…ヤルケル区に確かそんな店があったような」
アニ(「旅行の手引書」に載っていた店だ…)
アニ「でも私の場合は恋人同士じゃ…
宝飾店の親父「ヤルケル区のあの店を知ってるのか?ありゃ俺の弟の店だ!」
アニ「…えっ」
宝飾店の親父「隣が化粧品屋でなぁ…とうが立った俺の妹がやっている」
アニ「へぇ…そうなんだ。私は行ったことがないからよく知らないんだけど…」
宝飾店の親父「もしヤルケル区に行ったら…是非、弟妹の店にも寄って行ってくれよ!」
-
848 : 2014/02/19(水) 23:41:10 -
脱走から4日目・昼
壁外調査まであと4日
~ウォール・シーナ西 突出区~
ヤルケル区内 表通りの商業街
ライナー「あの食堂は当たりだったな!」
クリスタ「うん!美味しかった」
クリスタ「そういえばヤルケル区に来てから、食事でガッカリしたことないね、ユミル」
ユミル「あぁ、そうだな」ニコッ
ユミル「この街は、豊かだ。金さえあればその恩恵を受けることが出来る」
-
853 : 2014/02/19(水) 23:57:59 -
ユミル「お前の買い物は…変な物ばっかりだな」ライナー「そ、そうか?」
ユミル「懐中時計に暦表の盤…?どうやって使うんだ…それ。星座の早見盤みたいだ」
ライナー「星座の早見盤ならもう買ってある。今後は、正確に日時を掴む必要があるからな」
ユミル「まぁ…そうだな。毎日、きっちり日時を把握しておかないといずれ狂っちまう」
ユミル「狂ったところで、修正するすべがない…なんたって教えてくれる奴がいない…」
ライナー「まぁな…」
クリスタ「…」
ライナー「あと、これも買ったぞ」バッ!
ユミル「ははっ…一緒に付いて行ったから、買ったところ見てるって!」
ライナー「そう言うな。チェスのルールは知ってるな?今度付き合え」
ユミル「そりゃ知ってるが、こいつで遊ぶ余裕はあるのか?」
-
854 : 2014/02/20(木) 00:00:47 -
ライナー「今はないが…計画が順調に進めば必要になるんじゃないか?娯楽も必要だろ」ユミル「楽観的だな…」ハァ…
クリスタ「チェスか…やったことないなぁ」
ユミル「じゃ、ライナーに教えてもらえばいい!早速、今夜にでもさ」
クリスタ「えっ…い、いいよ…。私はユミルに教えてもらいたいの!」///
ユミル「ん~…でも、そのチェスはライナーの持ち物だからな」
ユミル「ライナー、クリスタに後で教えてやってくれないか?悪いな」
ライナー「あ…あぁ、俺は構わないぞ」///
ユミル「よし!これで競技人数が増えたな」ニヤニヤ
ユミル「6人で、勝ち抜き戦…ってのも寂しいから、総当たり戦でやりたいな」
ユミル「ま、何年先の話になるか分からないが…」
-
856 : 2014/02/20(木) 00:08:16 -
ユミル「ライナー、買ってやってくれ」ライナー「…分かった」
ユミル「たくさん、買ってやれよ?で、お前が全部持ってクリスタと一緒に宿に戻れ」
ライナー「分かってるよ!金はどうせ余るんだ。良い生地使った服をたくさん買ってやる」
ユミル「あぁ、是非ともそうしてくれ!」ニッコリ
ユミル「あとクリスタ…私は昨日、化粧品店に寄って口紅を買ったんだ…」
ユミル「店主をやってる姐さんは、明るくて気が良い人でさ、私に化粧を施してくれた」
クリスタ「ユミルが…化粧?」
ユミル「あぁ、そうだ。しかも無料でだ」
ユミル「興味あるか?」
クリスタ「化粧…興味あるけど、私はユミルのお化粧した姿が見たい!!」ワクワク…
-
857 : 2014/02/20(木) 00:10:50 -
ユミル「そ、それはまた今度な。私は口紅しか買ってないから…」クリスタ「そっか…あ、でも…」
クリスタ「白粉と…ほお紅と…あと、アイシャドウ…これだけあれば…」ブツブツ
ユミル「ライナー、連れてってやってくれ」
ライナー「どこにだ?」
ユミル「化粧品店、その店の隣が例の宝飾店だ…。ほら、絶対別れない…
ライナー「お…お前!それが狙いかっ」
ライナー≪だがしかし、店には…クリスタは入ってくれそうも…≫ヒソヒソ
ユミル≪クリスタが化粧品を選んでいる間に買ってくればいいだろ?そのハンカチ使って≫
ライナー≪お前な…他人事だと思って…≫
-
858 : 2014/02/20(木) 00:13:59 -
ユミル「他人事の訳あるか!!」クリスタ「!?」ビクッ!
ユミル「クリスタはな、私の大事なクリスタなんだよ!他人事な訳ないだろ!!」
クリスタ「ふぇっ……ユ、ユミル…?」
ライナー「…」
ライナー「本気で俺に任せてくれるのか?」
ユミル「あぁ、そのつもりだ」
ユミル「ただし、私にも見守らせてくれ…」
ユミル「こいつが幸せになるところ、見届けないといけないからな」
ライナー「そうか、わかった」
ライナー「クリスタ、化粧品店に行くぞ。場所は大体分かっている」
-
859 : 2014/02/20(木) 00:19:55 -
ライナー「その後でお前の服を買いに行こう」クリスタ「えっ…ラ、ライナーと二人で?」///ドキドキ…
クリスタ「ユミルは?」
ユミル「悪いな、クリスタ」
ユミル「そろそろ宿に戻らないと…ベルトルさんと約束してるんだ」
クリスタ「で、でも…まだ早いよ!」
クリスタ「ねぇ…ユミルも一緒に…
ユミル「大丈夫だ。クリスタ…」
ユミル「昨日も言ったろ?急には何も変わらないって」
クリスタ「…」
ユミル「安心して二人で行って来い!」
ユミル「ライナー、クリスタを頼んだ」
-
863 : 2014/02/20(木) 00:30:53 -
ベルトルト「そう…僕は3日間、ユミルと使う予定だったんだけどね…」ユミル「だからそれはダメだって!」
ベルトルト「分かってるよ。だから涙を飲んで荷物を移動させている…よっ、と…」
ユミル「お前、今夜は誰と一緒の部屋なんだ?」
ベルトルト「ライナーだよ」
ベルトルト「アニとアルミンは何時に戻るか分からないから、そうなったみたいだね」
ユミル「なるほど…」
ユミル(今日の男女部屋はアニとアルミンか…)
ユミル「アニは大丈夫かな?アルミンと同じ部屋で寝れるほど距離が近くないって…」
ベルトルト「これを機に、ぐっと距離が近くなればいいよね?僕らみたいに」ニコッ
ユミル「お、お前な…そう簡単に行くもんじゃないぞ」
-
864 : 2014/02/20(木) 00:35:54 -
ベルトルト「あ、ユミル待って!」ベルトルト「スカート、まだ穿き替えないで」
ユミル「んっ…?」
ベルトルト「僕が穿かせたいから」
ユミル「…嫌だ」
ベルトルト「ファスナー上げたい!」ワクワク
ユミル「スカートのファスナーは横についているから、自分で上げれる!心配するな」
ベルトルト「…」
・
・ユミル(結局…穿かされてしまった…)
ベルトルト「やっぱり…似合う…」ドキドキ…
ベルトルト「腰回りもピッタリだ」
-
865 : 2014/02/20(木) 00:40:09 -
ユミル「あぁ、そうだな」ユミル「朝、試着したから知っていたが…しかしスカート長いな…」
ユミル「歩きにくいことこの上ない」
ベルトルト「歩き疲れたら背負ってあげようか?いつかの時みたいに」
ユミル「足を怪我した時の事か…」
ユミル「いや…いい。またお前に『重い』って言われるの嫌だからな」
ベルトルト「『重い』だなんて言ってないよ…」
ユミル「…言った。今でも覚えてるぞ」
ベルトルト「ユミル、スカート似合うよ。ますますかわいい女の子になっちゃった」
ユミル「恥ずかしいから…そういうこと言うのはやめろ」///カァァ…
ベルトルト「ふふっ…本当にかわいいなぁ…ユミル。顔が真っ赤だ…」
ユミル「馬鹿…」
-
867 : 2014/02/20(木) 00:47:43 -
ベルトルト「ブラジャーも…脱がしたい…」ハァ…ユミル「は?」
ユミル「お、お前っ!いきなり何言ってんだよ…」///カァァ…
ユミル「昼間から欲情するな!」
ベルトルト「だって…僕、まだユミルのブラジャー脱がしたことないんだ…」
ユミル「そ…そうだったか?」
ベルトルト「そう!2回とも寝る前だったから、もう外してたでしょ?」
ユミル「実質、3回な」
ベルトルト「ねぇ…押し倒したりなんかしないから…1回だけ脱がしてもいいかな?」
ユミル「ダメだ!」
ベルトルト「なんで?」
ユミル「恥ずかしいし、信用ならない」
-
868 : 2014/02/20(木) 00:50:37 -
ベルトルト「信用して!!」ユミル「ダメだって!」
ユミル「ほら…もう…こんなに硬くなってるくせに…」サワッ ナデッ…
ベルトルト「あぁっ!…きゅ、急に触らないでよ…ユミル」///ハァ…ハァ…
ユミル「ズボン越しだから平気だろ?」
ベルトルト「へ、平気じゃないよ!!君に触られたら…身体が、その気になるだろ…」
ユミル「昨夜、言ってたな…男の性は凶暴だって…今だってだいぶ危ないぞ?」
ユミル「お前が我慢できなくなったら困るから、許可しない」
ベルトルト「うぅ…じゃ、次にする…」
ベルトルト「3回目の時の、楽しみにとっておく…」クスン…
ユミル「そうしてくれ…」
-
869 : 2014/02/20(木) 00:53:13 -
ユミル「良かった、今日は諦めが早くて」ユミル「よしよし、お前はいい子だな」ポンポン
ベルトルト「じゃ、脱がさない替わりにキスしてもいい?」
ユミル「着替え終わったらな…」スルッ…パサッ
ベルトルト「うん…」
ユミル「あんまり見るなよ。恥ずかしいから、後ろ向いて着替える…」
ユミル スルスル…フサッ… クイクイ…
ベルトルト「ユミルが着替えてるの見るの、楽しい…」ニコニコ…
ユミル「ん…そうか?」クルッ
-
871 : 2014/02/20(木) 00:57:10 -
ベルトルト「これ、ユミルに…」ベルトルト「と言っても、僕のためでもあるんだけど…」
ユミル「おぉ…裁縫箱か!」
ユミル「これは嬉しいな…ありがと、ベルトルさん!」
ベルトルト「裁縫道具一式、その箱の中に入ってるからね。…ほら、あのさ…」
ユミル「ふふっ…言わなくても分かってる」
ユミル「忘れてないぞ。お前の穴の開いたズボン、縫う約束したこと」
ベルトルト「うわっ!…覚えててくれたんだ」///
ユミル「昨日の今日だからな。忘れるわけないだろ?」ニヤッ
ベルトルト「うんうん!だから、ズボンも持ってきた」サッ!
-
872 : 2014/02/20(木) 01:00:07 -
ユミル「お、早速だな!じゃ今夜にでも…ベルトルト「いや、落ち着いたらでいいんだ」
ユミル「えっ…?」
ベルトルト「僕は急いでないから…」
ユミル「そ、そうか?」
ユミル「でもこういうのは早い方が…
ベルトルト「いいんだ!僕は…えっと、ユミルが僕のズボンを縫うところも見たいから」
ベルトルト「今は預かっておいてくれるだけでいいよ。落ち着いたら僕の隣で縫ってよ…」
ユミル「やれやれ…」フーッ
ユミル「隣で隣でって…変な奴だな」
ベルトルト「だってユミルの隣は、僕の指定席でしょ?」
ユミル「はぁ…」
-
873 : 2014/02/20(木) 01:02:35 -
ベルトルト「あと、もう一つあるんだ…」ゴソゴソ…ベルトルト「はい、これ…」
ユミル「あ!…あぁ!!お前…」
ベルトルト「今日、君と二人で手芸屋さんに寄ろうと思ったんだけど…」
ベルトルト「ほら、朝言ってた『恋人の聖地』に寄る時間が無くなると嫌だから」
ベルトルト「僕一人で行ってきた」
ベルトルト「その時、さっき渡した裁縫箱もね、一緒に買ってきちゃった」
ベルトルト「もし、足りないものがあれば…もう一度、ユミルと一緒に…
ユミル「いや、これで充分だ…」
ユミル「懐かしいな、訓練兵だった頃は全然やらなかったから…」
ユミル「ベルトルさんありがとう」ギュゥゥ…
-
874 : 2014/02/20(木) 01:07:19 -
ベルトルト「ユミル…でも僕のためだよ?それ…君の分の毛糸も入ってるけど…」ユミル「あぁ、分かってる。その約束もちゃんと覚えてるぞ…手袋とマフラーな!」
ベルトルト「うん…」ギュゥゥゥ…
ベルトルト「青い毛糸は僕ので、白いのは君の…」
ベルトルト「赤い毛糸も買ってきたから混ぜてもいい」
ユミル「ふふふっ…よし!分かった」
ユミル「こっちは早速、今夜から作るか」
ベルトルト「こ…今夜から?」
ベルトルト「いいって!無理しなくても…」
ユミル「でも作りたいんだ…私が、お前に」
ベルトルト「ユミル…」チュッ…
ユミル「…ん…っ…ふぁ…」
-
876 : 2014/02/20(木) 01:12:56 -
ベルトルト「悔いがあった方が、人は長生きする」ベルトルト「あれもしなきゃ、これもしなきゃ…って思うと」
ベルトルト「僕もユミルも死んでなんかいられない」
ユミル「あぁ、そういう意味か」
ベルトルト「うん、そういう意味」
ユミル(回りくどい言い回しだが、『生き急ぐな』って事だな…)
ベルトルト「ねぇ…ユミル」
ユミル「ん…?」
ベルトルト「もう一度抱きしめていい?」
ユミル「あぁ、構わないぞ」ソッ…
ベルトルト グィッ… ギュゥゥゥゥ…
ユミル「どうした…?急に」
ベルトルト「君が隣にいないと落ち着かなくて…買い物も二人で行きたかった…」
-
877 : 2014/02/20(木) 01:14:36 -
ユミル「そうは言っても、置いて行ったのはお前だぞ?」ベルトルト「だってユミルに内緒の買い物だったんだ…。他に何を買ったかは…」
ベルトルト「クロルバ区へ向かう船の中で、君に教える…と言うか、渡す」
ユミル「プレゼントか?」
ベルトルト「うん。僕のためでもある」
ユミル「お前、自分のためばっかりだな」ハハハ…
ベルトルト「そう…だって、それをつけてくれたユミルが見たいから」
ユミル「…」
ユミル「私の物ばかりじゃなくて、自分の物もちゃんと買えよ?」
-
889 : 2014/02/21(金) 21:38:34 -
~ヤルケル区 中心街~
ユミル「…」
ユミル「買い過ぎだ…ベルトルさん」ハァ…
ベルトルト「そう?」
ベルトルト「だってどれもこれも、ユミルに似合いそうだったから…つい…」
ユミル「つい…じゃねーよ!」
ユミル「お前、こんなにたくさん下着買ってどうすんだよ!荷物になるだけだ…」
ベルトルト「下着は小さいし、軽いから大した荷物にならないよ」ニコッ
ベルトルト「それにここで買い逃すと、もう買えないかも知れないし…」
ベルトルト「僕の好みの下着、君に着けてもいたいから…」
-
890 : 2014/02/21(金) 21:42:30 -
ユミル「あぁ…もう、このスケベが」///ベルトルト「男はみんなそうだって!」アセッ…
ベルトルト「ユミルは…やっぱり白だなぁ」
ユミル「はぁ?」
ベルトルト「前から思ってた。君に似合う色」
ユミル「ふぅん…それで白ばっかり買ったのか」
ユミル「白は汚れが目立つから洗濯が大変だ。色んな染みに気を付けねぇとな」
ベルトルト「ねぇ、一気に現実に引き戻さないでくれる?」
ユミル「白が似合うなんて初めて言われたぞ」
ベルトルト「うん。昨日の下着も良かったけど…僕はやっぱり、ユミルは白だと思う」
ベルトルト「薬局で誘惑した時は、黒の下着だったよね?」
ベルトルト「今度は白で、僕を誘ってよ」
ユミル「…」
-
891 : 2014/02/21(金) 21:48:24 -
ユミル「それって、嫌味じゃないよな?」ユミル「ネチネチと絡む男は嫌いだ」
ベルトルト「少し、妬いただけだよ。ごめん…」ギュッ…
ベルトルト「今日もユミルの手、温かいな」
ユミル「こら…怒れなくなるだろ…」ギュゥ…
ユミル「もう、言うなよ。それ」
ベルトルト「言わない」
ベルトルト「妬けたけど、優越感も感じてる」
ユミル「…?」
ベルトルト「あいつが、心底ユミルを欲しがっても、君は絶対に自分をあげない」
ベルトルト「僕、以外には」
ユミル「…」
ベルトルト「それが分かってるから、もう妬かない。そしてこの話はこれで終わり!」
-
894 : 2014/02/21(金) 21:57:48 -
ユミル「はぁ…暴走に歯止めがきかないな」ベルトルト「入って、ほら」グイグイ…
ギギギッ…
見習い針子「いらっしゃいませ~」
見習い針子「あ!…今朝いらしたお客様」
見習い針子「マスター、今朝のお大尽のお客様、お見えになりましたぁ!」
ユミル「お大尽って…」
仕立て屋店主「こら、言葉使いに気を付けなさい!」
仕立て屋店主「お気を悪くされませんでしたでしょうか?お客様」
ベルトルト「いえ、全然」ニコニコ
ベルトルト「だって、一生に一度のことだから…いくらお金を使ったっていいんだ」
-
897 : 2014/02/21(金) 22:06:16 -
ベルトルト「ユミル…」ユミル「ここじゃ言えない、お前だってそうだろ?…宿に戻ったらで、いいか?」
ベルトルト「うん…いいよ」
ベルトルト「今日やっと、返事がもらえるんだね…」///ドキドキ…
ベルトルト「あぁ、僕はもう…君の返事は確信しているんだ!…ふふふっ」
ユミル「あーぁ…、一生そばに居るって…普通に考えれば『結婚する』って事だよな」
ベルトルト「そうだよ!もう指輪も贈ったじゃない」
ベルトルト「君が『うん』って言ってくれたら…その指輪を左手の薬指にはめ直すからね」
ユミル「左手の薬指だと『結婚しています』…って意味だったか」
ベルトルト「うん…」
-
898 : 2014/02/21(金) 22:12:09 -
仕立て屋店主「話はまとまったようですね」
仕立て屋店主「じゃ、花嫁さんはこちらへ…うちの針子が採寸しますので奥の部屋に」
ユミル「花嫁…って…」ハァ…
見習い針子「はい、どうぞどうぞ」ササッ
仕立て屋店主「花婿さんは私が採寸しますね」
ベルトルト「えっ…」
仕立て屋店主「…何か不都合でも?」
ベルトルト「いえ…僕は、衣装は要りません」
仕立て屋店主「…は?」
ベルトルト「予算も限られているし、彼女のドレスに全部つぎ込みたくて…」
ベルトルト「それに僕はユミルのドレス姿が見れれば満足だから、自分のは必要ない…」
仕立て屋店主「ふむ…でもそれじゃ、さまにならないでしょ?式を挙げる時に」
-
902 : 2014/02/21(金) 22:25:59 -
見習い針子「でも、こうやって素直に採寸を受けてるあたり、貴女も満更では…見習い針子「あ、両腕そのまま上げていてください」ピッ…
ユミル「まぁ…うん…」
ユミル「一応…今日宿に戻ったら、良い返事をしてやろうかと、思っている…」
見習い針子「じゃ、何の問題もないですね」
ユミル「…はぁ」
見習い針子「そう言えば、花婿さんからドレスについて色々と注文がありましてね」
見習い針子「作りは上品で尚且つシンプルに、生地は最上級の物を…うちで言えば絹ですが」
見習い針子「彼女は腰のラインが綺麗なのでそれがはっきりわかるデザインで…」
見習い針子「裾の長さは、貴女が着用しているスカートと同程度にして欲しいそうです」
-
904 : 2014/02/21(金) 22:32:39 -
見習い針子「はい。記録しておきます」カキカキ…見習い針子「希望がないとか言っちゃって…結構、希望あるじゃないですか!?お客さん」
ユミル「うん…そうみたいだ」ハハッ…
ユミル「何のかんの言って、こういうのやっぱり、嬉しいんだろうなぁ…私も」///
見習い針子「幸せそうでしたね、ご主人」サラサラ…
ユミル「まだ…ご主人じゃないぞ」
見習い針子「そうでしたね、ふふふっ…」
見習い針子「出来た!こんな感じでどうでしょう?」パッ
ユミル「あぁ…いいんじゃないか?」
見習い針子「じゃ、マスターに許可を貰ってから作り始めますね、大急ぎですよ!」
ユミル「悪いな、時間がなくて」
見習い針子「いえいえ、その分…謝礼弾んでもらってますから!」ニコッ
-
906 : 2014/02/21(金) 22:42:13 -
・
・
・ユミル「はぁ…疲れた……」グタッ
ベルトルト「僕も、疲れた…」グッタリ
ユミル「結構、時間がかかるもんだなぁ…」
ベルトルト「うん…手芸屋さん、午前中に行ってきて正解だった」
ユミル「もう一日が終わるのか…早いな。日暮れまでもうすぐだ」
ベルトルト「少し、急ごうか…」
ユミル「どこへ行くんだ?」
ベルトルト「この先の高台。そこが『恋人の聖地』って呼ばれている場所」
ユミル「うへぇ…だいぶ距離あるぞ」
ベルトルト「走らなくていい。でも、早足でね。スカートが足に引っかかるでしょ?」
-
908 : 2014/02/21(金) 22:53:11 -
ベルトルト「ほら!ユミル…こっちこっち!」グイッ!
ベルトルト「この緩やかな坂道をずっと上って行くんだ!」
ユミル「ヤルケル区だけだろうなぁ…突出区にこんな坂があるの」ハァ…ハァ…
ベルトルト「そうかもしれないね」ハァ…
ユミル「あのガキを追いかけている時も、この坂道には苦労させられた…」
ベルトルト「あはは!そうだね…何年かしたらいい思い出になると思うよ、あれも」
ユミル「…」
ベルトルト「よし、間に合いそうだ!」
ユミル「何がだ?」ハァ…ハァ…
ベルトルト「着いたよ!ここ」
ベルトルト「ユミルと一緒に来たかったんだ!…ほらっ」
-
911 : 2014/02/21(金) 23:02:37 -
ユミル「…」ベルトルト「君と、離ればなれにならないように」
ユミル「…あぁ、そうだな」ニッ
ベルトルト「さ、手を出して。左手」
ユミル「よし、しっかり握ってろ」スッ
ベルトルト「ユミル…」ギュッ…
ユミル「なんだ?」
ベルトルト「ずっと僕のそばにいてね…」
ベルトルト「この手を、離さないで」ギュゥゥ…
-
913 : 2014/02/21(金) 23:10:15 -
ユミル「ピッタリ私の右手と合わせて…」ベルトルト「うん…」スッ… ピタッ
ユミル「だいぶ大きいな…お前の手」
ベルトルト「男だからね」
ユミル「よし!覚えた」
ベルトルト「これに何の意味があるの?」
ユミル「あのさ、ほらお前に…
ユミル「えっ?……あ、あぁっ!!」
ユミル「ベルトルさん!!あのガキだ…!」
ベルトルト「へっ?」
ユミル「何でこんな所に…」グッ…
ベルトルト「憲兵と一緒か…」
-
914 : 2014/02/21(金) 23:13:10 -
ユミル「薬と当面の生活費は渡した!どうして憲兵なんかに絡まれてるんだっ!あいつ!」ベルトルト「多分…ユミルが初犯じゃなかったんだ…前から憲兵に目を付けられていた」
ユミル「助けよう!」ダッ…
ベルトルト「待って!!」グィッ
ユミル「…っ!?…手を離してくれっ!ベルトルさん!!」
ベルトルト「駄目だっ!さっきも言ったけど僕らは追われる身なんだよ?」
ベルトルト「今、僕らまで憲兵に目を付けられるわけにはいかない…」
ユミル「…」
ベルトルト「ここで、面倒を起こすわけにはいかないんだっ!!」
ベルトルト「もし騒ぎを起こせば、アニやライナーにも迷惑がかかる…」
ベルトルト「僕たちの計画も…台無しになるかも知れない!ユミル、堪えてくれ…」ギュッ…
-
915 : 2014/02/21(金) 23:15:19 -
ユミル「な、なんでだ…?」
ベルトルト「えっ…」
ユミル「何でそんなこと、言うんだよ…」グスッ…
ベルトルト「ユミル…」
ユミル「お前は…あの子を助けてはくれないのか…?」
ユミル「あの子は、私だって言っただろ?」ガシッ!!
ユミル「なぁ…あの子は私なんだ!!」ボロボロ…
ユミル「ぐすっ…どうして…助けてくれないんだ…」
ユミル「あのガキを見捨てるのか?…自分の保身を優先して…」
-
917 : 2014/02/21(金) 23:22:18 -
ユミル「手を…離せっ…!!」ブンッ…
パッ…
ベルトルト「あっ…」
ユミル「私はあのガキを助ける!あの優しい母親が泣く姿は想像したくない!!」
ユミル「見損なったよ、ベルトルさん…」
ユミル「…てめぇはここで私があの子を助けるのを震えながら見てろ!!」ダッ…
ベルトルト「ユミル!!」
ダッダッダッダッ…
ユミル(急げっ…もう少し下った先だ!)
ユミル(なんであいつ、こんな所に…)
ユミル(くそっ…スカートが足に絡んで走り辛い…)ハァ…ハァ…
-
919 : 2014/02/21(金) 23:27:18 -
ベルトルト「僕を見損なわないでくれよ!」
ベルトルト「僕はね、対人格闘の成績だって上位だったんだ!!」
ユミル「ああ…知ってる」
ユミル「もう完全に日が落ちる…あの子を掴んで逃げるだけだ!顔も見られない!」
ユミル「お前はあの憲兵を何とかしろ!」
ユミル「私はあの子を連れて下まで逃げるから…」
ベルトルト「うん!わかった…」ダッ!
貧民街の子供「ちがうっ!盗んでないっ!」
貧民街の子供「このパンはちゃんとお金を出して買ったのっ……お願い…はなしてっ!」
赤ら顔の憲兵「嘘をつけっ!この泥棒がっ!」
赤ら顔の憲兵「お前、一体どこで盗んできたんだ、正直に言え!」グッ…
-
920 : 2014/02/21(金) 23:31:27 -
ユミル「おい!やめろっ!!」ダッ
ユミル「ベルトルさん!!」
ベルトルト「あぁ!」
赤ら顔の憲兵「正直に言わないと、こうだぞ!!」 ブンッ…
ガツッ!!
ユミル「あっ……」
貧民街の子供「!?」クラッ…
フワッ
ユミル(身体が宙を舞って…手すりを乗り越えて…下に……駄目だ!この高さなら死ぬ!)
ユミル(助ける…絶対に!…どうする?)
ユミル「どうするも何も!こうするしかねぇだろっ!!!」ガリッ…
-
921 : 2014/02/21(金) 23:36:38 -
カッ…!!!!
ベルトルト「ユミル!駄目だっ!!!!」 グッ…ギリギリギリ……
赤ら顔の憲兵「…」ドスン…
~雑草が生い茂る 高台のふもと~
ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…
ベルトルト「やっと、追いついた…」ハァ…ハァ…
ベルトルト「ユミル…また無茶して!!」
ベルトルト「巨人の姿、誰かに見られたらどうする……えっ…
ブシュウウウウウ………
ブチッ… ブチッ…
ユミル ゴホッ! ハァ… ハァ……
-
922 : 2014/02/21(金) 23:39:23 -
ユミル「わ…悪ぃ…ベルトルさん…」
ユミル「あとさき考えずに、ゲホッ…やっちまった…アハハハ!」
ブチッ… ブチブチブチッ…
ユミル「ゴホッ…でも、ほら…ガキは無事だ…ハァ…ハァ…」
ソッ…… ゴロン…
ユミル「地面に叩きつけられる…ゴホッ…直前に、なんとか掴めた…」
ベルトルト「…」
ブチブチブチブチッ……
ユミル「よっ…と…」タッ… ヨロッ…
ユミル「ありがと、そっちも…ハァ…ハァ…何とかなったみたいだな!」フゥー…
-
923 : 2014/02/21(金) 23:44:17 -
ユミル「ゴホッ…助かったよ、ベルトルさん」ニイッ…ベルトルト ガタガタガタガタ…
ユミル「ん?…どうした?」
ユミル「あぁ、私の巨人に驚いたのか…でも前に一度見てるだろ?雪山訓練の時にさ」
ベルトルト「ユ、ユミルが…」
ベルトルト「マルセルを食った、巨人?……そんなっ…うそ…だ」
ユミル「マルセル?…誰だそいつは」
ベルトルト「そう…か、5年前………
ユミル「……食った…?私…が?」
ベルトルト「うっ…」バッ…
ベルトルト「げぇっ…ごぼっ……おぇっ…うっぅぷ…っ…」
ドプ…ビチャビチャビチャ…ベルトルト「はぁ…はぁ……げほっ……」
-
924 : 2014/02/21(金) 23:47:53 -
ユミル「お前、なに…吐いて……5年前って…何だよ……
ユミル「あっ!おいっ!!…大丈夫か!?」 ダッ
ベルトルト「来るなっ!!…来ないでっ……」
ベルトルト「こ…怖い……はぁ…はぁ…うぅ…ひっく……」ガタガタガタガタ…
ユミル「怖いって、そんな…」
ミル「ほら、手を貸すから掴まれって…なぁ、立てるか?」スッ…
ベルトルト「ひっ…!!い、嫌だ……ぼ、僕に…僕に触るなっ!!!」
バシッ!! ガリリッ……
ユミル「ぃ…!?」
ユミル「あぁぁ……痛って…ぇ!!」
ユミル「……お前っ、何すんだよ!!」
-
925 : 2014/02/21(金) 23:53:39 -
ベルトルト「ぼっ…僕は先に帰る!!」ズリズリ… ヨロッ ダッ…
ザザザザザザッ…
ユミル「おい!待てよ!!」
ユミル「待てったら…なぁ…ベルトルさん…」
ユミル「待ってくれよ…行くな…」
ユミル「私を置いて…行かないでくれ……」
ユミル「ここは、お前が勝手に連れてきたんだろ?……私は…」
ユミル「ここからの……帰り道を…知らないんだ……」
-
926 : 2014/02/21(金) 23:54:09 -
ベルトルト「ぼっ…僕は先に帰る!!」ズリズリ… ヨロッ ダッ…
ザザザザザザッ…
ユミル「おい!待てよ!!」
ユミル「待てったら…なぁ…ベルトルさん…」
ユミル「待ってくれよ…行くな…」
ユミル「私を置いて…行かないでくれ……」
ユミル「ここは、お前が勝手に連れてきたんだろ?……私は…」
ユミル「ここからの……帰り道を…知らないんだ……」
-
927 : 2014/02/21(金) 23:57:03 -
ズキッ…
ユミル「ぃっ…痛ってぇな!!…手のひらの感覚が…」ジッ…
ユミル「はぁ?…なんだ、これ……」ボタボタボタ……
ユミル「何で…血がこんなに……」
ユミル(深く…切れてる。いや、裂けてる)
ユミル(あのバカ、渾身の力で手を払いやがって…脳のリミッター外れてんぞ…)
ユミル「ハンカチで押さえても間に合わねぇ」ボタボタ……
ユミル(治すか?…どうする?)
ユミル(いや、治さない…これは命にかかわる傷じゃない…今後の生活に支障はあるが)
-
928 : 2014/02/21(金) 23:59:57 -
ユミル「治しちゃ…ダメだ…」ユミル(これは、ベルトルさんの痛みだ…)
ユミル「マルセルを食ったって…何だ?」
ユミル(アニかライナーなら何か知っているかも知れない…)
ユミル「ぐっ……と、とにかく止血しないと」ボトボトボト…
ユミル「くそっ!!血が止まらない」
ビッ……ビリビリビリビリッ……
ユミル「あぁ…せっかく、ベルトルさんが買ってくれたってのに…」
ユミル「私は…何やってんだ…」
ユミル「でも、長いスカートで…助かった……」
-
929 : 2014/02/22(土) 00:02:26 -
グルグルグル……グッ…ギチッ…
ユミル「はぁ…はぁ…これで、いいか」
貧民街の子供「うっ……」ゴロッ
ユミル「あ、あぁ…忘れてた…」
ユミル「お前を家に送らなきゃだったな」
ジッ…
ユミル(顔を殴られている…骨はどうだ?…大丈夫、歯も頬骨も折れていない)ホッ
ユミル(殴られた衝撃と恐怖で気絶したのか?…他に怪我は…)
ユミル(少し口の中を切ってるな…でもこれくらいならすぐに治る。良かったな)ナデナデ…
ユミル「よいしょっと…確か、貧民街はあっちの方角だったよな…」ユサユサッ…
-
940 : 2014/02/28(金) 18:38:10 -
貧民街の子供「…ん……っ」貧民街の子供「ふわぁ…っ……あ、れ…?」
ユミル「おっ?気が付いたか?」
貧民街の子供「…えっ……お、おねえちゃん?」
ユミル「あぁ!1日ぶりだな」フフッ
貧民街の子供「わたし…どうして?……ここは、どこ…?」
貧民街の子供「あっ……」グラッ…
ユミル「動くなよ?お前は今、私の背中の上にいる」
ユミル「それで、もうすぐお前の家に着く」
ユミル「だからじっとしてろ…その大事に抱え込んだパンも…落としちまうから…」
貧民街の子供「うん…」
-
941 : 2014/02/28(金) 18:40:18 -
ユミル「…その顔、家に着いたらちゃんと冷やせよ?」貧民街の子供「顔…?あっ…痛っ……」ズキン…
ユミル「少し口の中を切ってはいるが、腫れもさほどではない、すぐ治るから安心しろ」
貧民街の子供「…はい」
貧民街の子供「また、おねえちゃんが助けてくれたの?」
ユミル「まぁな…」
ユミル「偶然な、憲兵に絡まれてるお前を見かけたもんで…夢中で手を伸ばしたんだ」
ユミル「覚えているか?あの高台の中腹から手すりを乗り越えて、下へ落ちたこと…」
貧民街の子供「ううん…何も、覚えてない」ギュッ
ユミル(そうか、良かった…)フゥ…
-
942 : 2014/02/28(金) 18:43:07 -
貧民街の子供「おねえちゃん、ありがとう…」ユミル「礼なんかいいんだ。お前が無事なら」
ユミル「それにこっちも、救われた…」
貧民街の子供「えっ?」
ユミル(あの無力だった…過去の私を、自分自身の手で憲兵から守れたような気がする)
ユミル(きっと、思い出しては身体が震える…なんてことは少なくなるはずだ)
ユミル(多分な。…ありがと)
ユミル「なぁ…昨日、私と一緒にいたあいつもその場に居たんだ」
ユミル「そいつがお前を殴った憲兵を懲らしめたからな!…仇は討ってやったぞ」
ユミル(ま、顔を確認される前に…早急に首を絞めて気絶させた程度だろうが)
貧民街の子供「う、うん!…おにいちゃんも…ありがとう」
-
943 : 2014/02/28(金) 18:45:03 -
貧民街の子供「あっ…えっと、おにいちゃんは?一緒じゃないの?」キョロキョロ…ユミル「あ、あぁ…」
ユミル「その…用事があってな、先に…帰った…」
ユミル「だが、お前の感謝の気持ちは本人に伝えておくよ」
貧民街の子供「うん!」ニコッ
ユミル「…」
-
946 : 2014/02/28(金) 18:54:32 -
ユミル「お…っと、ここだったな…お前の家」
貧民街の子供「あ!…うん」
ユミル「ほら…降りろ」ユサッ…
貧民街の子供「ありがとう!おねえちゃん!!」ストン…タッ!
貧民街の子供「ねぇ、中に入って!!お母さんもまた会いたいって言ってた!」グイグイ…
ユミル「いや、ここでいい。…時間も遅いし、仲間が宿で私が戻るのを待ってるんだ」
貧民街の子供「…そ、そっか」ショボン…
ユミル「お前、今8歳だったな」
貧民街の子供「え?」
ユミル「あと4年経てば12歳だ」
貧民街の子供「うん」
-
949 : 2014/02/28(金) 19:00:58 -
ユミル「それに兵士になれば、給金ももらえるからな!母親に楽させてやれるぞ」貧民街の子供「お母さんを、楽に…」
貧民街の子供「…」コクン…
貧民街の子供「…うん!なるっ…わたし、兵士になる!!」グッ
貧民街の子供「そしてこの世界を変える!もう何もぬすみたくない!ぬすまれたくない!」
貧民街の子供「憲兵団に入って、この世界を…みんなが幸せに暮らせる世界に…」
ユミル「あぁ…頑張れ!!無責任に焚き付けてすまない…」
ユミル「でも、お前なら必ず出来るから…」ギュゥゥゥ……
-
950 : 2014/02/28(金) 19:03:24 -
ユミル「それでこの先、お前が私の同期に…ジャンやコニー、サシャに会ったら、」
ユミル「ユミルは生きている。元気に、幸せに暮らしている…と、そう伝えてくれ」
貧民街の子供「う…ん…」ギュゥゥ…
貧民街の子供「伝える…絶対伝える!!」
貧民街の子供「…だから、おねえちゃん……もう、泣かないでね……」ギュッ
ユミル「……っ…ぐ…ぅ」
・
・ -
951 : 2014/02/28(金) 19:05:24 -
~街外れ 貧民街~
ユミル(もう、あのガキに会う事はないだろ…)
ユミル(母親共々、元気でな。…死ぬなよ)
ユミル「さて、宿に戻るか」ハァ…
ユミル(この道は、覚えている…ここからは迷わずに帰れそうだ)
ユミル(左手、しばらくはしっかり掴めないな…)
ユミル(痛みは相変わらずだが、緩和する手立てもない)
ユミル(どうだって、いいか…もっと、痛くたってもいいんだ)
ユミル(きっとベルトルさんだって、手が痛いだろう…いや、胸の方がもっと痛いはずだ)
-
952 : 2014/02/28(金) 19:07:33 -
ユミル(足が重いな…戻りたく、ない…)
ユミル(宿に着いたら、どんな顔してあいつに会えばいいんだ?)
ユミル(それに5年前って…)
ユミル(…心当たりは、ある。恐らくベルトルさんの言っていたことは本当だ…)
ユミル「確かめるのが怖い。お互い勘違いであって欲しい…」ボソッ…
ユミル(だが、そんな都合のいい話はないよな…)ハァ……
ユミル「あいつは自覚のある『罪』を、私は自覚のない『罪』を抱えてたって訳か…」
ユミル「……苦しいよ、ベルトルさん」
-
958 : 2014/03/08(土) 18:23:26 -
グンッ!
ユミル「!?」ズルッ
ユミル「や、なっ…何だ!!」
ユミル(細い路地に引きずり込まれるっ…)
ユミル「いや…だっ…誰かっ…!!」ダッ!
???「こっちへ来いっ!声を出すなっ…」グィッ…
ユミル「ンっ……」モゴッ…
ユミル(口を、塞がれて……声がっ…)
ユミル「んっーーーっ、んんんんっーーーー!!!!」ズルズルズル…
知らない男「…お前、いくらだ?」ハァ…ハァ…
ユミル「!?」
知らない男「こんな時間に、女一人で売春街を歩いてるなんて、娼婦しかいないだろ」
-
959 : 2014/03/08(土) 18:25:51 -
知らない男「へへっ…運が良かったな?今日は俺が客になってやるよ」ユミル「ん…がっ…ゲホッ……や、だっ……は、離せっ!!」
ユミル「いい加減に、し…ろっ!…私は娼婦じゃない!!」ハァ…ハァ…
知らない男「ほぉ…じゃ、ただの街娘か」
ユミル「そ、そうだ…だから女が欲しいのなら他を当たってくれ、…手を離せよっ!!」
知らない男「…」ギリギリギリ…
ユミル「あぁっ…ぃっ…!!」グリッ…
ユミル「…は、離してくれ…頼…む!」
ユミル(後ろ手に掴まれて、キツく締め上げられる…男の、力で…早く逃げないと…)
知らない男「娼婦でなければ、タダでいいわけか…ツイてたのは俺の方だったな」ニヤァ
-
960 : 2014/03/08(土) 18:29:29 -
ユミル「ひっ…」ゾクッ…ユミル(あ、あぁ…またこれか……)
ユミル(私は少しも、成長してないんだな…)
知らない男「大人しくしてろよ…じっとしていればすぐ終わる」ハァ…ハァ…
ユミル(…なんで、だ?何で、身体が、動かないんだ?)
ユミル「こわい…こわい…怖い、怖い!怖い!!…嫌っ…だっ!!!」ダッ…
知らない男「おっと、逃げようとなんて思うなよ…」グイッ
ユミル「あっ…!!」
……ドウッ…
ユミル「ん゛ぅっ……!?…げぇっ…」ゲホッ…
ユミル(腹を…殴られて……意識が…)ズズズズッ…
-
961 : 2014/03/08(土) 18:32:53 -
ユミル「はぁ…はぁ…」ノシッ…
ユミル「やだ……重…い…」
知らない男「ハァ…若いな、顔は…まぁまぁだな…」
知らない男「ひひっ……いい身体だ…服の上からでも分かる…」サワ……モミモミ…
ユミル「さ…触るなっ……お前っ…気持ち悪い!!」
ユミル(助けを…呼ばないと…だが、誰が助けに来てくれる?ここは、売春街だ…)
ユミル(強姦なんてよくある光景だろ?)
ユミル(…誰だって巻き込まれたくない、関わりたくない…だから誰も、私を助けない!)
ユミル ガタガタガタ…
知らない男「そうそう、じっとしてな…」ペロッ…
-
962 : 2014/03/08(土) 18:35:33 -
ユミル「や…だ…また、怖いのは…ベルトルさん…なんで……そばに…」ウルッ…
ビリッ…ビチビチビチビチ……
ユミル「あ…あっ…あぁぁあぁっ!!!」
ユミル「服が…っ…!!ベルトルさんが買ってくれた……新しいブラウスが…」
知らない男「ぎゃーぎゃーうるせぇ女だな…静かにしないともう一発殴るぞ!」ブンッ
ユミル「…っ!」ギュッ
ユミル(…怖いだって?しっかりしろ!!…こいつは何の訓練も受けてないただの男だ)
ユミル(元兵士がこんなクソ野郎にヤられんのか?私の3年間の訓練は無駄だってのか?)
-
963 : 2014/03/08(土) 18:38:32 -
ユミル「……ざけんなよ…」ボソッ
知らない男「…あぁ?」
ユミル「こんのくそがぁあぁああ!!!」
ユミル「てっめぇ!大人しくしてりゃ調子に乗りやがって!!」
ユミル(今日は、デートだったってのに…スカートもブラウスもズタズタで…)
ユミル「何しやがんだっ!この変態が!!」
ユミル(朝も、昼も…あんなに楽しかったのに…そうだ、下着もドレスも買ってもらって)
知らない男「えっ…いや、あの…」
ユミル(はははっ…なのに…何で、今、私は知らない男に乗っかられているんだ?)
ユミル(暗闇に引きずり込まれて、服を破かれて…身体も触られて…)
ユミル(だのに何で、私の隣にベルトルさんはいないんだ?)
-
964 : 2014/03/08(土) 18:43:05 -
【もう二度と…そんな怖い思いはさせないから…僕が守るから…】
ユミル「んだよっ…あの嘘つきがっ!!」
ユミル「…何が『ユミルの隣は僕の指定席』だよっ!肝心な時にいないくせに!!」
知らない男「お…お前、何を言ってるんだ…?」
ユミル「くそっ!なんだってこんなのにビビってたんだ私は…重いんだよっ、どけっ」ギッギッ…
知らない男「お、おいっ!!」ユサッ…
ユミル「こんな時の対処の仕方、慣れてんだよっ!こっちは!!」
ユミル(足首を掴んで、強くひねるっ!!)グリッ!
知らない男「わっ…やめっ…おぅっ!?」グラッ…
ユミル(体勢を崩したらそのまま頭を掴んで投げ飛ばすだけ!)ガシッ…
ビュォォッ!…
-
965 : 2014/03/08(土) 18:47:20 -
知らない男「うぉっ…!?」ドサッ…ユミル「で、こいつはおまけだぁぁ」
ガキンッッ!!
知らない男「うぁああああぁぁぁぁぁ!!!」ゴロゴロゴロゴロ…
知らない男「う゛う゛っ……ひぃぃ…た、助け…
ユミル「この強姦魔がっ!二度とこんなことするんじゃねぇぞ!いいか?私に誓え!!」
ユミル「誓わなきゃ、もう一発蹴りをお見舞いしてから、完全にお前の玉を踏み潰す…」
知らない男「あぅ…う゛ぁああぁ…」ゴロゴロ……
知らない男「ち、誓います…す゛んませんでし゛た……だ、だから…たす…助けで…
ユミル「…」
ユミル(なんだ…こいつ、弱ぇじゃねぇか…)ハァ…
-
966 : 2014/03/08(土) 18:51:04 -
ユミル(力では男に負けるけど…もう私は、子供じゃない。誰の助けも必要としない)ユミル「お前、良かったな」フッ…
ユミル「…踏み潰すのはやめる」ニヤァ
知らない男「は…はひっ……」ハァ…ハァ…
ユミル「でも、服を破いた償いはしてもらおう…不能になるかどうかはお前の運次第だ」
知らない男「……」ブルブルブル…
ユミル「歯を食いしばれぇぇぇっ!!」
知らない男「ひぃぃぃぃいいいい!!!!」
ドガァァ!!
ユミル(股間の代わりに壁を蹴ったんだが…)
ユミル(恐怖のあまり、気絶してしまったな…失禁もしている……汚い…)
-
967 : 2014/03/08(土) 18:56:16 -
知らない男「…」チョロチョロチョロ…ユミル(こいつのベルトを使って後ろ手に縛って置こう…下半身が少しはみ出ているが…)
カチャカチャ…ユミル(朝、通行人に憲兵を呼ばれて、人だかりの中で恥ずかしい思いをすればいい…)
ユミル ギッギッ… キュゥ
ユミル「これで、よし!…っと」
ユミル「ふぅ……もう、だい…じょう、ぶ…」
ユミル「…私は、何も、怖い思いはしていない…そうだろ?」ハァーー ペタン…
ユミル「ダハハハ!見たか?ベルトルさん!」
ユミル「私だってな、対人格闘はそれなりの成績だったんだぜ…」
ユミル(今まで、ずっと一人でやってきたんだ…クリスタに出会うまで…)
ユミル(今だって…一人で何でもできる。自分の身だって守れる)
-
968 : 2014/03/08(土) 18:59:46 -
ユミル「だから、お前の助けなんかいらねぇよ…ははっ…あははは!」ユミル「…っ!?」
ユミル「はぁ…痛てぇ……。また、左手が痛み出した…傷口が開いたか…?」
ユミル「それに引き倒されたせいで、あちこち擦りむいちまった…」イテテ…
ユミル「殴られた腹も痛てぇし…あぁ、気持ち悪ぃ…」
ユミル「クリスタがこの姿を見たら、心配するだろうな…今のうちに治すか?」
ユミル「…」
ユミル「…なんてな。それは無理だって、知ってんだ」
-
976 : 2014/03/15(土) 23:24:24 -
脱走から4日目・夜
壁外調査まであと4日
~ウォール・シーナ西 突出区~
ヤルケル区内 中流階級の宿屋 談話室
クリスタ「ユミル…遅すぎるよ…」ソワソワ
ライナー「そうだな、さすがにこんな時間まで一人だと心配だな…」
クリスタ「ベルトルトはどうして一人で帰ってきたの?」
ライナー「さぁなぁ…」
ライナー「真っ青な顔で戻って来たと思ったら、倒れ込むように寝ちまってな…」
ライナー「まだ事情は聞けてないんだ。大方、具合が悪くなってユミルに帰されたんだろう」
クリスタ「ユミル…今頃、何してるんだろう…」
-
977 : 2014/03/15(土) 23:27:30 -
クリスタ「ライナー!悪いんだけど…ベルトルトを起こしてきてくれないかな?」クリスタ「最後にユミルと別れた場所まで行って、私…探してくる!」
ライナー「いや、待て!こんな時間だ…女子が一人で外を出歩くのは危険だ」
クリスタ「ユミルだって女の子だよ?今、彼女は一人なのっ!危険でしょ!?」
ライナー「それは分かっているが…ユミルは気が強いし、平気だろ?暗闇なら男に見え…
クリスタ ジロッ
ライナー「いや…あの…そ、そう心配しなくてもすぐに戻って来るさ!」アセッ
ライナー「たった一人で街を散策してもつまらんだろうし、時間も遅いしな」
ライナー(まさかユミルの奴…クリスタを置いて、逃げたりはしてないよな?)
ライナー(昼間の様子、少し変だった。クリスタを俺に任せるって?指輪も買わせようと…)
-
978 : 2014/03/15(土) 23:31:34 -
ライナー「あぁ…そう言えば…」ライナー「さっき帰ってきたアルミンがジャンの馬、売れなかったって言ってたな…」
ライナー「ちょっと、宿の厩舎を見てくる」クルッ…
クリスタ「えっ…」
ライナー(ジャンの馬を持ち出して逃げた…なんてのは考え過ぎだな。でも念のためだ)
クリスタ「ちょ、ちょっと待って…ライナー!!…ユミルは…」
アニ「クリスタ、別館のお風呂空いてたよ」
クリスタ「アニ!」
アニ「あんたも早く入りな。あんな大きなお風呂、見るのも入れるのも、今だけだ」
クリスタ「そ…それがね…」
アニ「まだユミル、戻らないの?」
クリスタ「うん…今日はお夕飯、一緒に食べようと思って、ずっと待ってるんだけど…」
-
980 : 2014/03/15(土) 23:40:52 -
アニ「薬学の本を買うついでに、医学書もかなり買い込んだみたいだ」アニ「病気の症例と対応する薬の使い方、ちゃんと覚えておきたいって言ってね…」
クリスタ「アルミンはきっと兵士じゃなくて、医者に向いてるね。探究心が強いから」
アニ「そうだね…」
クリスタ「私、外でユミルが戻って来るの待ってる…」タッ
アニ「待ちな、クリスタ!あんたが出てってもユミルが戻る時間は変わらないって!」
クリスタ「それは分かってるんだけどっ…じっとしていられないの!!」
アニ「はぁ…そうかい。じゃ、風邪引かないようにね…夕飯だけ、頼んでおくからね」
クリスタ「ありがとう!アニ」パタパタパタ…
・
・ -
982 : 2014/03/15(土) 23:49:41 -
ユミル「……ここだ」ハァー…
クリスタ「あっ、ユミルっ!!」
クリスタ「ユミル!……良かった…おかえりなさい!!」タッ…
クリスタ「!?」ピタッ
クリスタ「えっ……ユミル?…ど、どうしたの!?その格好…」
ユミル「クリスタ…か…?」
クリスタ「酷い…ボロボロじゃない…!!」
クリスタ「ブラウスも、スカートも…そ、その手、怪我したの?布に血が滲んで…
ユミル「はぁーーー…良かった…やっとここに戻って来れた……」ホッ…
ユミル「クリスタ…私は大丈夫だ、これは何でもない…」
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983 : 2014/03/15(土) 23:54:09 -
ユミル「ふぅ…」クラッ……クリスタ「ユミルっ!!」ガシッ……ギュッ…
クリスタ(酷い怪我…手に巻いた布が真っ赤に染まって…それに服が、見るも無残に…)
クリスタ(身体のあちこち擦り傷が…襲われた?誰に…?ユミルが、どうして…?)
クリスタ「だ…大丈夫な訳ない!!こんな姿で…ぐすっ…と、とにかく…」
クリスタ「いっ…今、アニを呼んで来るからっ!!えっと…ラ、ライナーもっ…!」
クリスタ「だから、もう心配ないからっ…!」グスッ…
クリスタ「私が居るから…これからはずっとユミルのそばに居るから!!」
クリスタ「わ、私…ユミルを、守るから!」
ユミル(ク…クリスタ…)
クリスタ「今、すぐにっ、ひっ…人を…」タッ…
ユミル(やっぱり…怪我、治すべきだったな…ごめん、クリスタ…)
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988 : 2014/03/17(月) 23:57:04 -
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ユミル「ベルトルさんに『一生のお願い』の権利をやる」完結編
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