姉「身代わり人形?」


1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 19:37:00.12 ID:oHHfeNZi0
弟「うん」

姉「なにそれ?」

弟「だから身代わりになってくれる人形」

姉「うん。それで?」

弟「こんどの休みに取りに来いってさ」

姉「誰が言ったの?」

弟「婆ちゃん」

姉「はあ……」


ソース: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1318329420/


2 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 19:39:15.15 ID:oHHfeNZi0
弟「溜息吐くなよ」

姉「だってせっかくの休みなのよ?それを人形あるから
  取りに来いとかないわ」

弟「でも身代わり人形だし、姉ちゃんに何かあったら守って
  くれるかもよ?」

姉「何かって、なによ」

弟「例えば交通事故とか?」


4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 19:41:51.04 ID:oHHfeNZi0
姉「あんた、本気で人形があたしを守ってくれるとでも思ってんの?」

弟「ぜんぜん」

姉「でしょ?」

弟「まあ、流石にねぇ」

姉「はぁ……そういう古臭いしきたりっていうか、風習をあたし達
  にまで押しつけて欲しくないわよね」

弟「同感」


5 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 19:45:43.37 ID:oHHfeNZi0
弟「けどまあ、一応行っといた方が良いんじゃない?こないだなんか
  姉ちゃん実家に帰るの嫌がって、墓参りも行かなかったでしょ」

姉「だってあの独特の空気嫌いなんだもん」

弟「父さん困ってたよ?爺ちゃんと婆ちゃんが『姉ちゃんは帰ってこんのか?』
  ってうるさかったし」

姉「だから帰るの嫌なのよ…」

弟「その気持ちは分かるけどさ」


6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 19:48:45.42 ID:oHHfeNZi0
姉「だいたい、あたしが帰らなくてもあんたが帰ってるんだから
  十分でしょ」

弟「どうだろう」

姉「とにかく!あたしは帰るの嫌だからね!」

弟「はいはい。でも一応さっきの電話の内容伝えはしたから、
  後は父さん達と話し合って決めてね」

姉「うぅぅ…」

弟「んじゃ」バタン


9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 19:51:15.65 ID:oHHfeNZi0
姉「はぁ……ったく」

      シャランラーン♪

姉「ん?」

姉「裕子か…」ピッ

姉「もしもーし?どうしたの?」

姉「え?今度の連休?うん……うん」

姉「うそっ、マジ?」


10 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 19:53:58.39 ID:oHHfeNZi0
姉「行く行く!うん……うん!」

姉「やった!……大丈夫大丈夫!……うん!うん!オッケー!」

姉「愛してるよぉ、裕子!……うん、それじゃね!」ピッ

姉「やった~~~~~!!!ライブだ~~~~!!!」

姉「持つべきものはやっぱ友達だよね!」


11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 19:56:48.00 ID:oHHfeNZi0
姉「忘れないようにカレンダーに印を……と」キュポン キュキュキュ

姉「……ん?」

姉「あ……この日って、実家に帰って来いって言われてた日じゃん…」

姉「…………」

姉「うん」

姉「用事があるから帰れないってことで、オッケーだよね?ふふん♪」

姉「実家にも帰らなくていい口実出来たしライブも行ける!」

姉「あたしってツイてる~~~♪」


12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:01:26.51 ID:oHHfeNZi0
そして……連休初日。

父「本当に帰らないのか?」

母「お爺ちゃんとお婆ちゃん楽しみにしてたのよ?」

弟「……」

姉「ごめんね~、裕子がどうしてもって言うからさ~♪」

父「ライブはまた今度でも良いと思うんだが…」

母「そうよ、考え直したら?」

姉「も~~~!実家に帰るなんて、そっちこそいつでも帰れるじゃん!」

姉「ライブは今日しかないのよ、今日しか!」

母「……」


15 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:05:53.68 ID:oHHfeNZi0
父「そうか……じゃあ父さん達は一泊して来るけど、しっかりな」

父「夜はちゃんと鍵を確認するんだぞ?」

姉「大丈夫だって!心配しすぎだよ、お父さん」

父「仮にも若い娘を一人残して行くからな」

姉「えっへっへ~♪」

父「じゃ行ってくるぞ」

母「閉じまりはしっかりね?」

姉「はいはい、分かってますって♪」

弟「……」

ブロロロロロロロロ


17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:09:20.25 ID:oHHfeNZi0
姉「行った……ね」

姉「う~~~~、やっほ~~~~♪」

姉「家で一人のんびりくつろげるし、ライブも行けるし、実家に
  帰るのキャンセル出来たしホンット最高~~~♪」

姉「裕子にはマジで感謝しなきゃね♪」

       シャランラーン♪

姉「……っと噂をすれば」ピッ

姉「は~い、もしも~し」


19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:15:01.42 ID:oHHfeNZi0
そして……。

姉「あぁぁぁ~~~~!!!もうサイッコー!サイッコーだったよ、裕子!」

裕子「ね!ね!良かったよね!」

姉「うんうん!もうあたし感激しまくりで痺れまくりだったよぉ!」

裕子「だよね?だよね?」

姉「うんうん♪」

姉「よ~~~し、このままカラオケでも行っちゃうか~~~♪」

裕子「行こ行こ!朝まで歌い続けようよぉ!」

姉「乗ってるねぇ、裕子!」

裕子「あんたもノリノリじゃん!」

姉「えっへっへぇ♪」


20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:18:09.76 ID:oHHfeNZi0
姉「んじゃ、いつものトコへ!」

裕子「GO~~~~~♪」

~~~カラオケ屋前~~~

姉「てってって~~~ん♪」

裕子「てててて~~~ん♪」

姉「ててて……ん?」ピタッ

裕子「ちょっとぉ、急に止まってどうし…」

姉「ねえ、あれ……」スッ

裕子「え?」クルッ


22 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:21:13.49 ID:oHHfeNZi0
        ウー ウー ウー ウー カンカンカン

       オイ ナカノニンズウハ? ゲンバドウナッテル?

裕子「火事?」

姉「あれって、あたし達が向かってたカラオケ屋じゃない?」

裕子「まさか……」

姉「カラオケ屋だよ……ほら、アレ」

裕子「あ……」

姉「ね?」

裕子「……」


23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:24:37.82 ID:oHHfeNZi0
姉「どうする?」

裕子「どうするったって……火事じゃ仕方ないよ」

姉「……だよね」

裕子「うん」

姉「別のトコ行く?」

裕子「けど、ここからじゃ遠いよ?」

姉「う~~~ん、ここのカラオケ屋、安いからわざわざ歩いて
  きたもんね」

裕子「でしょ?」

姉「はぁ……ライブ行ってテンション上がってたのに、一気に
  冷めちゃったよ」

裕子「あたしもぉ~」


24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:27:02.63 ID:oHHfeNZi0
姉「じゃ、解散します?」

裕子「しゃあないね」

姉「うん」

裕子「じゃ、帰りますか」

姉「歌いたかったのになぁ~」

裕子「まあ、またの機会ってことにしとこ~よ」

姉「あ~~~あ……」

           シャランラーン♪

姉「……あ」


25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:29:55.02 ID:oHHfeNZi0
裕子「誰から~?」

姉「着信……父さんからだ」パカッ

裕子「そっか、じゃあたし先に帰ってよっか?」

姉「そんな、別に良いよ。気にしないで」

裕子「……そう」

姉「……えい」ピッ

裕子「良かったの?」

姉「良いの良いの、あとでまたかけ直すから」

裕子「ふ~~~ん…」


27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:32:11.53 ID:oHHfeNZi0
           シャランラーン♪

姉「……」

裕子「でもまた掛かってるよ?」

姉「……うん」ピッ

裕子「お父さん可哀想…」

姉「良いのよ、あんなの!」

           シャランラーン♪

姉「……」

裕子「……」


28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:34:42.96 ID:oHHfeNZi0
姉「……」ピッ

           シャランラーン♪

           シャランラーン♪

姉「……」

裕子「……」

裕子「良いの?こんなに何回も電話掛けてくるなんて何か
   あったんじゃ…」

姉「心配しなくても、どうせ大した事ないって!」

裕子「そうかしら?」

姉「そうよ!」ピッ!


29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:37:23.71 ID:oHHfeNZi0
姉「ついでに携帯の電源も切っといてやる!」ピピピ

裕子「何もそこまで…」

姉「これくらいしなくちゃ、あたしが取るまで掛け続けて来るって」

裕子「そう…」

姉「これで良しと!」フンス

           シャランラーン♪

姉「え?」


32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:40:00.17 ID:oHHfeNZi0
姉「ちょ、ちょっと……さっき電源切って…」

           シャランラーン♪

           シャランラーン♪

           シャランラーン♪

姉「ひっ!?」

           シャランラーン♪

           シャランラーン♪

姉「だ、誰なのよ……一体」パカッ


33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:43:06.49 ID:oHHfeNZi0
姉「…………」ジッ

姉「や、やっぱりお父さん…」

姉「なによ、コレ。あたしの携帯に何したのよ?」

姉「なんで着信鳴りっぱなのよ…」

           シャランラーン♪

           シャランラーン♪

姉「……」ピッ

           シャランラーン♪

           シャランラーン♪

           シャランラーン♪

姉「……」


34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:44:39.85 ID:oHHfeNZi0
姉「ご、ごめん裕子。あたしやっぱりちょっと電話……裕子?」キョロキョロ

姉「ね、ねえ!裕子!?」

姉「ちょっと隠れてないで出て来なさいよ!」

姉「なに?何の冗談!?」

姉「裕子!?」


35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:47:11.94 ID:oHHfeNZi0
姉「ちょ、ちょっとぉ……」ガクガク

姉「一人にしないでよぉ…」

           シャランラーン♪

           シャランラーン♪

           シャランラーン♪

姉「…………で、出ろって?」

           シャランラーン♪

           シャランラーン♪

           シャランラーン♪

姉「…………」パカッ


38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:49:37.59 ID:oHHfeNZi0
姉「も、もしも…」

         『……やっと繋がった』

姉「ひぃっ!?」ガチャン

姉「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」ピピピッ

姉「だ、誰これ?お父さんじゃない!?」

           シャランラーン♪

           シャランラーン♪

           シャランラーン♪

姉「ひぃっ!?」


41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:51:33.00 ID:oHHfeNZi0
           シャランラーン♪

           シャランラーン♪

           シャランラーン♪

姉「い、いやあああああああああ!!!」バンッ!!!

姉「あ、あぁぁぁぁぁぁぁ……」

姉「きゃあああああああああああああああああああああああ
  あああああああああああああああああああ!!!!」ダダダダダダ


42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:54:48.84 ID:oHHfeNZi0
家!

姉「はぁっ、はぁっ、はぁっ!!!」ガチャガチャガチャ

姉「か、鍵掛けなきゃ……鍵」ガチャカチャアチャ

姉「早く……早く……」ガチャガチャ

姉「じゃないと、携帯が追ってくる!」ガチャガチャ

             ガキン!!!

姉「で、出来た!こ、これで……!!!」

     Rrrrrrrrr Rrrrrrrrr Rrrrrrrr

姉「!?」


48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:57:17.36 ID:oHHfeNZi0
姉「そ、そんな……家の電話も!?」ペタン

        Rrrrrrr Rrrrrrr Rrrrrrrrr

姉「ど、どうなってるの、コレ?」

     Rrrrrrrrr Rrrrrrrrr Rrrrrrrr

     Rrrrrrrrr Rrrrrrrrr Rrrrrrrr

姉「やめて!やめてよ!」

姉「あたしが何したってのよ!!!」


50 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:58:21.46 ID:83S9J8580
ちょっと怖がる展開が早すぎやしないか
電源切れてる状態で知らん人から電話かかってきたとして、とりあえず「お前誰だよ」くらい聞くだろ
捨てるのはねーわ

54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 20:59:33.90 ID:oHHfeNZi0
姉「お願いだから止めてよ!!!」

    Rrrrrrrrr  ……プツン

姉「え?」

姉「お、音が止んだ?」

姉「……は、ははっ」

姉「な、なんなのよ、一体……」

姉「って、座りこんでる場合じゃない……電話線抜かなきゃ…」スッ


58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 21:05:24.55 ID:oHHfeNZi0

姉「こ、これで良し……」

姉「はぁ……どっと疲れた…」

姉「何だってのよ、まったく…」

姉「今日はせっかくライブも行ったし良い一日だったのに…」

姉「かなり走ったし汗ダラダラ……気持ち悪い」

姉「お風呂…………は流石に今日は入るの怖いわね」

姉「……」

姉「とりあえず、部屋戻ろう…」スッ


64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 21:13:18.61 ID:oHHfeNZi0
1時間後!

姉「ふぅ……ちょっとは落ち着いたかな」

姉「あれから電話も掛かってこないし…」

姉「やっぱり電話線抜いて良かったぁ…」

姉「……それにしても、ビビって思わず携帯投げ捨てて来ちゃったけど、
  今考えるとちょっと焦りすぎだったなぁ」

姉「もったいなかったかも…」

姉「でも、どうしてお父さんからの着信なのに女の子の声
  だったんだろ」

姉「家に掛けてきたのも、多分あの子だよね…」

姉「あっちにはお爺ちゃんとお婆ちゃんだけで若い子いないのに」

姉「本当に誰だったんだろ……それに携帯の電源切っても着信
  鳴りっぱだったし」

姉「…………」

姉「や、やめよ。今日は考えるの」


67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 21:16:09.41 ID:oHHfeNZi0
姉「明日みんな帰ってきたら聞けばいい事だし!」

姉「携帯だって明日改めて探しに行けばいい事だし、それに誰かに
  拾われててもどうせ壊れてるだろうしね!」

姉「うん♪」

           シーーーーン

姉「は、ははっ…♪」

姉「ははは……はぁ…」

姉「あたしも実家帰っとけば良かったかなぁ…」


68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 21:19:45.82 ID:oHHfeNZi0
ガチャン!!!

姉「!?」ビクッ

姉「な、なななななな何!?」

姉「し、下の方から?」

姉「泥棒……じゃないわよね?」

姉「し、調べに行くとか怖すぎて無理なんですけど……」ガクガクガク


70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 21:23:46.91 ID:oHHfeNZi0
           ガチャン!!! ガチャン!!!

姉「そ、空耳じゃないし……」

姉「もぅ……なんなのよぉ……」

         ガチャン!!! ガチャン!!! ガチャン!!!

姉「家荒らしてるみたいだし、やっぱ泥棒なのかな?」

姉「…………でもあたし一人で泥棒と?」

姉「ムリ、無理無理無理無理!」

姉「でも荒らされてるのに見過ごすわけにも…」


73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 21:28:21.85 ID:oHHfeNZi0
姉「警察に知らせたいけど携帯捨ててきてるし、家のは
  電話線抜いてるし…って元々一階にしかないから無理だし…」

姉「あぁぁぁ、もう!」

姉「……って、あれ?」

姉「ちょっと待って……うん、うん……そっか、そういう事か」

姉「ナルホド、ナルホドね…」

姉「むぅぅぅ!」

姉「さっきのあの電話!この泥棒の仕業ね?」


79 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 21:32:31.84 ID:oHHfeNZi0
姉「あたしに警察に電話を掛けさせない為に、こんな手のこんだ
  事やったんだわ!」

姉「そう考えたら全部辻褄があう!」

姉「……ふふん!」

姉「でもあたしの勝ちね!あんたはツメをあやまったのよ!」

姉「相手が泥棒なだけなら、心霊現象とかじゃなかったらあたしだって!」

         ガチャン!!! ガチャン!!! ガチャン!!!

姉「……確か弟の部屋にバットあったわよね」

姉「見てなさいよ!」スッ


89 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 21:38:23.21 ID:oHHfeNZi0
階段!

         ガチャン!!! ガチャン!!! ガチャン!!!

姉「姉+バット=最強!」コソコソコソ

姉「せいぜい今の内に荒らしとけばいいわ」

姉「今からあたしを怖がらせてくれた分も含めて……」ヌッ

姉「たっぷりとお仕置きしたげるから!」

         ガチャン!!! ガチャン!!! ガチャン!!!

姉「来たわね…」


93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 21:41:33.38 ID:oHHfeNZi0
         ガチャン!!! ガチャン!!! ガチャン!!!

姉「これでも……」

姉「くらえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」ブオン!!!

             スカッ!!!

姉「え?」

姉「う、うそ!?外した?」

姉「そんなハズ……」バッ

姉「……」キョロキョロキョロ

姉「ど、どういう事?」キョロキョロ

姉「泥棒は?」


96 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 21:45:31.81 ID:oHHfeNZi0
姉「……って、どこも荒らされてないじゃない…」キョロキョロ

姉「さっきまであんなに音がしてたのに…」

姉「あたしが二階に上がるまんま…」

姉「幻聴?そんな、まさか……」

        ガシャアアアアアアアンンンンンン!!!!

姉「!?」ビクッ

姉「こ、今度は二階!?」

姉「どうなってんの!?」

姉「と、とにかく行かなきゃ!」ダッ!      ペタ…


97 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 21:49:26.49 ID:oHHfeNZi0
ダダダダダダダダダッ!!!        ペタ ペタ ペタ…

姉「はぁ、はぁ、はぁっ!」

姉「こ、今度こそ逃がさないわよ」

姉「…………」

姉「ていっ!」バタン!!!

姉「……いない」キョロキョロ

姉「こっち!?」

        バタン! バタン! バタン!

姉「ここも…」

姉「ここも……」

姉「ここも……!!!」


99 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 21:50:57.07 ID:oHHfeNZi0
姉「どうなってるのよ!?」

姉「いるんでしょ!?」

姉「こそこそ隠れてないで出て来なさいよ!」

姉「はぁ、はぁ、はぁっ……」

            シーーーーン

姉「……」

姉「本当に……いない?」

姉「あたしの、気のせい?」


105 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 21:54:07.44 ID:oHHfeNZi0
           『いるよ』

姉「え?」

         『あなたの後ろに』

姉「この声……う、うそ!?」バッ

姉「……は、ははっ、いないじゃない…」

            『いるよ』

姉「だから居ないって…」クルッ

         『あなたの足元に……』

姉「!?」


106 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 21:56:08.57 ID:oHHfeNZi0
           『やっと、会えたね』

姉「に、人形!?」

          『そう……身代わり人形』

           『あなたの身代わり』

姉「しゃ、喋って!?」


108 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 21:59:13.17 ID:oHHfeNZi0
          『今日、来てくれなかったね』

              『悲しかった』

姉「そ、それであたしのトコわ、わわわわざわざ来てくれたたたんだ…」ペタン

               『……』

姉「ち、ちちち違うの?」

      『…………ねえ、知ってる?身代わり人形ってさ』


111 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 22:01:34.30 ID:oHHfeNZi0
翌日

弟「ただいまー」

父「おぉ、遅くなってすまなかったな」

父「そっちは大丈夫だったか?」

姉「……」

父「どうした、具合でも悪いのか」

姉「……」フルフル

父「そうか……なら良いんだが」

父「そうだ、お前にお土産があるんだ」


113 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 22:05:27.59 ID:oHHfeNZi0
ドン!

父「開けてみなさい」

姉「……」ファサ

母「あなたが来られなくて、お爺ちゃんもお婆ちゃんも残念がってたけどね」

母「あなたが病気や事故に遭わないようにって……身代わり人形下さったのよ」

父「まあ、元々持って帰るつもりだったがな」

父「どうだ、良く出来てるだろう?この人形はな、おまえが生まれた時に
  わざわざ造ってもらって…」

姉「……」スッ

父「お、おい…」


114 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 22:07:27.46 ID:oHHfeNZi0
姉「……」トントントン

母「あらあら、よっぽど人形が気に入ったのね」

母「抱きかかえて二階に上がるなんて」

父「ふぅむ……少し不気味だから怖がりのあの子はもっと怖がるとも
  思ったが…」

母「あれなら大丈夫そうね」

父「だな!」


116 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 22:09:45.43 ID:oHHfeNZi0
二階!

弟「ん?姉ちゃんその人形…」

姉「……」ガチャ バタン

弟「ね、姉ちゃん?」

        ガチャ

弟「鍵閉めやがった…」

弟「あんな人形部屋に持ち込んでどうするつもりだよ…」


118 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 22:12:16.64 ID:oHHfeNZi0
弟「……にしても、なんだか変だよな」

弟「まるで人が変わったみたいな…」

弟「俺らが実家帰ってる間なんかあったのかなぁ?」

弟「…………ま、いいか」

弟「きっと気のせいだよな」


119 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/11(火) 22:17:31.99 ID:oHHfeNZi0
弟「明日が来ればいつもの姉ちゃんだよな…」

姉の部屋

姉「……」

姉「…………うふ」

姉「うふふふ」

姉「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ…」

おわり

         『…………身体、動かない』

            『誰か、助けて…』

おわり

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