1 : 2014/07/07(月) 22:12:44.88- ※初めに・このSSは「静・ジョースターの奇妙な日常」の続き・第十ニ話です。
タイトルはジョジョですが、完璧オリジナルです。苦手な方は閉じて下さい。・一部、>>1勝手に考えた設定が登場します。
・投稿スピード遅いですが、気長ーにお待ちください。本当すみません。
・長くなりましたが、書かせていただいます。
一話
静・ジョースターの奇妙な日常http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363790589/
二話
仗助「静のやばい物を拾ったっス」http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365094145/
三話
静「ジャンケン教師がやって来た」http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367669400/
四話
静「引きこもりのうちへ遊びに行こう」http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368951927/
五話
静「泥棒をしよう」http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370177583/
六話
静「ペーパー・バック・ライターは父親に憧れる」http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1373404472/
七話
静「お見舞いへ行こう」http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379932767/
八話
静「日本料理を食べに行こう」http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1383137249/
九話
静「幽霊屋敷に住もう」http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1386418852/
十話
静「双葉双馬は静かに暮らしたい」http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1391689545/
十一話
静「吉岡純はお金が好き」http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1398837668/
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404738764
ソース: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404738764/
2 : 2014/07/07(月) 22:21:19.98- ガブウッ!!女「……え?……あれ……?」
ドサッ
「……」ガシッ
ズルズルズル……
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
「……異常だな。最近の『食欲』は……成長期か?身長は伸びないという意味だが」
3 : 2014/07/07(月) 22:24:59.58- サカナ『ギギィー……』フヨ……チェスタ「『ストレス』……だろうな、きっと。……未だに静・ジョースターはピンピンしている。彼女はそれが気がかりなんだろう。……まったく……」
ズルズル……
チェスタ「可愛らしい所もあるもんだ。……しかし、そう笑ってもいられないな。三日に一人のペースで『食物』を用意するというのは……」
ズルズル……
チェスタ「いささか、骨が折れる……」
4 : 2014/07/07(月) 22:30:46.26- ガパッ!!チェスタ「!?——なッ?」ガクンッ
唇『エリィ……』アングリ
チェスタ(地面に『穴』——否!『唇』がッ!?このままだと、噛み付かれる——)
唇『見つけたぞ……吸血鬼の手下め!!』グ……
オ——ン!
5 : 2014/07/07(月) 22:35:53.24- チェスタ「『サカナクション』!俺を引っ張り上げろォ——ッ!!」サカナ『ギギィーッ!!』ビュン!
サカナ『ウギッ!ギャアーッ!!』ヒュゴウッ!
ガシッ!
チェスタ「うおおッ——」フワッ……
ガチ——ン!
チェスタ「——くッ!何だ?今のは……」スタッ
「『ヴードゥー・チャイルド』」
チェスタ「——はッ!」クルリッ!
6 : 2014/07/07(月) 22:41:39.68- ヴードゥー・チャイルド『エリィーッ……』ドン!チェスタ「何ッ!!後ろッ!?」バッ!
ヴードゥー・チャイルド『エェェリエリエリエリエリエリエリエリエリエリエリエリエリエリエリエリエリエリエリエリエリエリエリエリエリィィィッッ!!』
ドバ!ドバ!ドバ!!
サカナ『グペ!』ドボオッ!
サカナ『ウギイッ!?』ドギャアッ!
チェスタ「ぐッ!おおッ——」
ドシャアッ
8 : 2014/07/07(月) 22:44:56.05- チェスタ「——ハァ、ハァ……」ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
「やァ~~っとツラ拝む事が出来たわ。時間がかかった。……貴様を追い詰めるのにここ二、三日寝ていない。……辛くは無いが、少しむかついている。だから手加減は出来ないわよ」
ザッ!
チェスタ「……クソ、貴様……!!」
シーラE「お前、吸血鬼じゃあ無いな?吸血鬼は……有栖川メイは何処にいる?」
ドン!
9 : 2014/07/07(月) 22:50:14.11- ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨チェスタ「……ハァ……」ガックリ
女「……う、うう……」
シーラE「被害者、確保。……殺すつもりだったのか?吸血鬼のエサか?」
チェスタ「……」
シーラE「お前がエサを運んでいたのか?女王アリのためにせっせとパンくずを運び込むように?……許せる事では無いぞ。さっさと全部ゲロりな」
チェスタ「……」
シーラE「あたしの『ヴードゥー・チャイルド』に殴られて、正気を保てる人間はいない。……死にたくなければ、話すんだな。こっちはお前を廃人にしてから、情報を引き出してもいいんだ」
チェスタ「……ハァ~~~~……」
10 : 2014/07/07(月) 22:55:17.73- チェスタ「よくしゃべるな、お前」シーラE「……何?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
チェスタ「意外かもしれないが……メイはあまり話す子では無いんだよ。引っ込み思案でね。俺たちは二人、音楽を聴きながら穏やかにお茶を楽しんだり、花を見るのが好きだった。……そんな時間を過ごせたのは、そう長くは無かったがな。……あれはもう何年前の話だろうな?」
シーラE「おい、何を言って——」
チェスタ「吸血鬼になってからはよく話すが、近ごろは全てを怖がって、屋敷の奥へと引っこんでしまってね。俺は仕方ないから一人アネモネとお話してる。こんなにも長く人間相手と話をしたのは久方ぶりだ。……今俺は何文字くらいしゃべった?お前よりかはおしゃべりかな?」
シーラE「……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
チェスタ「……バッハの旋律を夜に聴いたせいか。こんな心……気持ちが変に高ぶっているくせに、全てにおいて鈍感だ。お前の接近にも気付かなかったくらい、な……」
シーラE「……ああ。お前は本当、鈍感なようだ」
11 : 2014/07/07(月) 23:00:12.76- シーラE「まだ、『お前』じゃあなく『お前ら』だって事に気付かないんだからな」チェスタ「——!?」
バッ!!
12 : 2014/07/07(月) 23:06:42.31- パープル・ヘイズ『うばぁしゃあああああああああああああ!!!』ゴオッ!!チェスタ「なッ……!?」
シーラE「あたしが何の意味も無く、ベラベラ敵とおしゃべりすると思うか?」
チェスタ(しまった!女は『囮』かッ!!)ダッ!
フーゴ「逃げても無駄だ!『パープル・ヘイズ』!!」
パープル・ヘイズ『うしゃああああああああああ!!!』
ドバキイッ!!
14 : 2014/07/07(月) 23:11:19.36- ブオッ!!チェスタ「!!——こ、これは……!!」
フーゴ「『パープル・ヘイズ』の『殺人ウィルス』だッ!!この夜の町の中——ウィルスは死滅する事無く貴様を襲うぞッ!!」
チェスタ「ちいッ……」ダンッ
ゴオオオォォォォオオオ……
シーラE「お前たちは危険な存在だ。……始末を優先させてもらう」
チェスタ(逃げられない……!)ジリッ
オオオオオオオ……
フーゴ「……終わりだ」
15 : 2014/07/07(月) 23:15:48.82- ズ!!フーゴ「!?」
シーラE「!?……なッ……?」
ギュウウウウウウウム……
「……」スタスタスタ……
ドジュ!ドジュ!ドジュ!
16 : 2014/07/07(月) 23:20:32.54- ジウウウウウウ……「……平気か?チェスタ。……まったく、何故僕がこんなマネをしなければならないんだ……」
チェスタ「……クソ、貴様に助けられるとはな……」
「フン。僕としても、お前がここでドロドロの肉ペーストになる所を見たかったんだがな……」
ドシュウウウウウウ……
フーゴ「バ……バカな、ありえない……何故、あの『男』はッ!突然現れた『男』はッ!!」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
フーゴ「『パープル・ヘイズ』の殺人ウィルスが充満した中を『歩ける』んだッッ!!?」
ド——z__ン
17 : 2014/07/07(月) 23:25:56.76- ウォーケン「行くぞ、チェスタ。使えない男め……僕の仕事がやりづらくなったじゃあないか。チッ……」ザッチェスタ「……」ザッ
シーラE「待て!お前ら——」
フーゴ「行くなシーラE!まだウィルスが残ってる!街灯で殺菌されるまで動くな!」ガシッ!
シーラE「けど!……な、なんであいつらは、動いて……?」
フーゴ「……わからない……クソ……!」
ザァ……ッ……
シーラE「……」
フーゴ「……」
18 : 2014/07/07(月) 23:31:05.06- フーゴ「……逃げられて、しまったか……」シーラE「……ああ、もう!」
パチーン!
シーラE「落ち込んでる場合か、シーラE!においはキッチリ覚えたし、手下が一人じゃあないこともわかった。出会える事は出来たんだ!次会った時確実に仕留めればいい……でしょう!?」パチ!パチ!
フーゴ「……ああ。その通りだ。……それに、ヤツは吸血鬼のエサとして、人を運ばなければならない。大きな荷物となるし、痕跡を消す事も難しいだろう。……もうこれ以上、犠牲者は絶対に出さない……!」
バァァァァ……
19 : 2014/07/07(月) 23:36:29.20- シーラE「……月が、出てきたわね」フーゴ「……」
シーラE「……明日は、平和だったらいいのにね」
フーゴ「……ああ」
シーラE「……」
フーゴ「……」
…………
20 : 2014/07/07(月) 23:38:02.24- 本日はここまでです。……実はサカナクションは最近初めて曲聞いたっていうのは内緒だ
25 : 2014/07/08(火) 00:11:59.28 ID:9kdSQpPv0- >>1!!
前スレの>>356すが、今スレでも支援絵描かせてもらっていいですかねェ?ウォーケンの存在がついに発覚か~
26 : 2014/07/08(火) 12:57:07.33- >>25
とりあえず服脱いだ
30 : 2014/07/08(火) 20:29:24.70 ID:N0QQKpZ60- パープルヘイズ無効化ってかなりすごいスタンド能力か?20世紀少年的なもんかなあ>>26
静ジョの書き手さんは前からHENTAIだと知ってたけど、失望しました。これからはようじょりーんを応援します
33 : 2014/07/08(火) 20:39:32.50- >>30
リサリサ先生……酉付いたまんまだぜ
37 : 2014/07/09(水) 10:32:59.99- …………ミーンミンミンミン……
純「あら!静じゃあないのォ~~!ハロー!元気?ごきげんいかがァ?」ジャン!
静「…………」ピタッ
クルッ……
静「……純?」ジトッ
純「ええ、私よ。吉岡純。覚えていてくれた?フフッ!あ!拳の怪我は大丈夫?ひどい事になってない?」
静「……大丈夫だけど……?……??」
38 : 2014/07/09(水) 10:36:18.19- 純「そんな不思議そうな顔しないでよォォ~~もうッ!確かに私は貴女にボコボコにブン殴られたわよ。それはマジ。……けどさ、ほら!私も自分の能力で対抗したから、意外と軽傷だったのよねェ~~。ラッキィィ~~!得した♪」静「……」
純「ところで……静、貴女今から何処に行くつもりだったの?ゲーセン?」
静「……図書館よ。茨の館。……夏休みの宿題、さっさと終わらせてやろうと思って」
純「ゲッ!似合わな——あ、いや!!いいわね!貴女らしいわッ!そういう生真面目な所、私大好きだなァァ~~♪」
静「……」ジロリ
39 : 2014/07/09(水) 10:40:11.71- 静「……何をたくらんでるのよ、純。周りっくどい行動、あたし結構嫌いなんだけど?」純「た、たくらんでるなんて、そんな!ただ私は貴女と『仲直り』がしたかっただけなのよォォー♪同じクラスだし、このままギスギスしたまんまだとお互い嫌でしょう?だからさ……ホラ!」
グイッ!
静「?……何これ?」ガサッ
純「……もらっとけ。……いいわね?『これ』で今までの事はチャラ!アンタはなんにも聞かないし、私はこれから清く正しく生きるッ。それでいいでしょう?……安心しなさい。『これ』はクリーンなものだから……なあ?」
静「?……!!」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
40 : 2014/07/09(水) 10:43:00.50- 静「なッ!?何だ『これ』はァ——ッッ!!?この『茶封筒』はッ!!な……『何人』だッ!?『福沢諭吉』が何人なんだよォ——!?」ウオオッ!純「うるせェェッぞ!!ガキかテメェはああああッ!!『100万円』見たくらいでビビってんじゃあねええええ!!」
静「『ひゃ……』……!!」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
純「……ウフ♪昨日のお詫びのしるし、みたいなモンよォ。本当それだけ。……貴女、お金に困ってたんでしょう?それ……受け取ってもらえるとウレシイなァッ♪」
静「……」
純「じゃッ♪そういう事だから……」クルッ……
41 : 2014/07/09(水) 10:45:20.75- 静「う……受け取れないわよ」純「……」ピタッ
静「こんな大金……受け取れる訳がないっての。100万稼ぐのがどれだけ大変か、あたしだって知ってるわ。そんなモンを『ポン』と受け取る事なんて……出来ないっての」
純「……だァァ~~かァァ~~らァァ~~~~さーッ!そういう事じゃあなくって!普通に私のお詫びの気持ちだから!それでチャラって事にしてよ!そんな事言わずに……さ?」
静「けど——」
ガシイッ!!
42 : 2014/07/09(水) 10:47:36.98- 純「グダグダグダグダやかましいぞッこのボケ女がァァァ~~~~ッ……!!いいから『受け取れ』っつってんだろうがよォォ~~ッ!!まだ何か欲しいのか?アア?ふざけた事ばかり抜かすなよ?……~~オイ」静「……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
純「見ろ!私の『顔』をッ!このデカイ絆創膏の下の皮膚をッ!!」
バリッ!
静「!!……」
パキンッ!
43 : 2014/07/09(水) 10:50:19.59- 純「……わかるか?これが?……『ルビー』だよ。私の能力だ。……昨日テメーにかじりつくために100万円を賭けたはいいが、元に戻らねえんだよ……!チクショぉおおお辛いわ……私のハリツヤがある綺麗な顔がカッチカチじゃあないのよォォオオ……!!」ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
純「その100万円はアンタのためじゃあない。私のためのもんよ。それ受け取らないと私が困るんだ。……わかったか?わかったなら、受け取れ。……それでこの話は終わりだッ」
静「……」
ザッ
純「ったく……なんでこの私がアンタなんかに負けたかね……」ブツブツ……
44 : 2014/07/09(水) 10:52:47.92- 静「待って純」純「……」ピタッ
・ ・ ・
純「……まだ何かあんのか?」
静「……足りないわよ。純」
純「…………はあ?」
45 : 2014/07/09(水) 10:54:47.16- 純「おい……おいおいおいおいちょっとおい。……お前何言ってんだ?アホか?100万円で足りないだァ~~?ユスるにしてももっと言い方あるだろうが。見ろ」ペキペキペキ……
純「私の顔は元通り、美しいィー皮膚に戻ってる。……それなのに足りないっつーのか?何が足りないんだよ、愛情か?」
静「……約束したじゃあないの」
純「?……」
静「『メイについて知ってること全部しゃべる』……最後の最後にあたし、言ったわよね?忘れたとは言わさないわよ。これは金で返せるモンじゃあねえー……」
純「——!!……ばッ……!!」
46 : 2014/07/09(水) 10:57:01.25- 純「バカかァーテメェーはァァア——ッ!!ありゃあ……その場の『ノリ』ってもんじゃあねえかッ!!あんな口約束無効だムコー!!テメェーに教える情報なんて何一つねェ——ッ!!」静「へぇ~~?吉岡純ともあろうものが、約束破っちゃうんだ?賭けに関してはあんなにキッチリカッキリしてんのに?へェェ~~~~……そう?……幻滅ね。そーいうの嫌いだわ」
純「ぐ……ググ……!!……静ァァア……テメェ……!!」ブルブル
静「……どんな小さな事でもいい。……教えて。その情報は無駄にはしないから……」
純「……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
47 : 2014/07/09(水) 10:58:49.03- 純「……教える事は……『出来ない』……」静「……」
純「……と、いうより……『教えられない』のよ。私……メイとは親しい『友達』じゃあなかった。すごい短期間で『友達』になったのよ。今思うと本当、夢のようで……夢だったのかもしれないわ。……貴女に殴られた衝撃で、ほとんど忘れてしまったの」
静「……」
純「だから、教えられる事なんて無い。……ごめんなさいね、静。約束を破るつもりじゃあないんだけど……さ……」
静「『嘘』ね」
バン
純「!……」
48 : 2014/07/09(水) 11:00:27.98- 静「半分くらいは本当なのかもしれないけど、それでもアンタは『嘘』をついている。何かを知ってるはずだわ。……でないと、そんなにためらわないもの。知ってるからこそ、葛藤している……でしょう?」純「……ぐ……ググ……!!」
静「何を隠してるの?……何に『怯えてる』の?」
純「い……言える訳が無い……本当に、貴女の言うとおり……これは金では払えない……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
静「ちょっと、純!あたしは真面目な話をしてるんだっての!言わないと——」
純「言える訳が無ェだろうがッ!!メイの『居場所』なんてよォォオオオオ!!そんな情報漏らしたなんて、『ウォーケン』に知られたら——」
静「!!」
純「——あッ!!」
49 : 2014/07/09(水) 11:02:44.22- ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ静「……『ウォーケン』?」
純「……うう……う……!!」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
静「……まだ『仲間』がいるのか?メイには……チェスタ以外の仲間がいるのか?」
純「静……これ以上はなあ……本当、私の『命』に関わるんだ。……私はもう、普通に暮らしたいんだよ……!!」
静「……」ジッ
純「……」
静「……」ジーッ……
純「……うう……ううう~~……!」
50 : 2014/07/09(水) 11:04:44.49- 純「…………クソッ!……多くは語らない、からな……メイについては死んでも言わない。……どうせ言ったら死ぬんだからなァ~~……」静「……ええ。わかった」
純「……ハァ……」
51 : 2014/07/09(水) 11:07:14.56- 純「……私はこの能力を手に入れてから数日間、一人で生きてきたんだが……裏のちょっとヤバい奴らから金巻き上げたり、従えたりして、それなりに快適に生活してた」静「……」
純「その……裏の世界でな。最近ウワサになってる話がある。……『杜王町七不思議』なんかよりよっぽどホットな話題さ。真実味をおびた……な」
静「……メイの事?」
純「いや……『魔人ウォーケン』の事……さ」
静「……『魔人』……『ウォーケン』……?」
52 : 2014/07/09(水) 11:09:47.99- 純「誰が名づけたのかは知らない。もしかしたら自分から名乗ったのかもな。……その、『ウォーケン』という男は(男なのか女なのかも知らないが)……悪い事をした人間を、闇夜に紛れて襲い、殺してしまうんだ」静「……」
純「そして、ここからが『奇妙』な話なんだが……ウォーケンは殺した人間を『消す』……跡形もなく消滅させてしまうんだ。後に残るのは少量の黒い『塵』だけだって話。……最近ニュースで『連続行方不明事件』が起こっているのを知ってるか?それの犯人がウォーケンだっていう噂よ」
静「朝の情報番組で見たわ。……けど、あれはたしか犯人は、『火炎放射器』を持ってるって……」
純「そんな大掛かりな装備を引きずってるヤツがいたら、すぐに捕まるでしょうね。……ウォーケンは生身で人間を『消す』の。……わかるでしょう?『スタンド能力』よ……」
静「……」
53 : 2014/07/09(水) 11:13:31.53- 純「そんな訳だから、今裏の世界はかなり平和なの。誰も彼もが悪い事したら、殺されるって信じきっている。……実際、消えたヤツが何人もいるからね。もう20人くらいは、隠れて消されているらしい」静「それで……その、そいつが……何なの?」
純「静、静、しずかァ~~……ここまで言ってもわかんないのか?なあ?……」
54 : 2014/07/09(水) 11:17:10.37- 純「『スタンド使い』が町の悪い奴を殺し回ってる。……これが普通に平和なヒーローだったらいいわよ?町が平和になるんだもん。私大歓迎!キャッ♪」静「……もしかして……『メイ』のか?」
純「……ええ」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
純「……『ウォーケン』は『メイ』の手先だ。……何の理由があって、悪人を殺し回っているかは知らないが……奴はメイの命令で、殺人を行っている」
静「……」
55 : 2014/07/09(水) 11:20:48.33- 静「アンタは知ってるの?その……ウォーケンの正体について」純「知ってたら今頃死んでるわ。奴はつねにコソコソ暗闇に隠れて、メイとチェスタ以外の前には現れない。……殺された奴らだって、ウォーケンの顔は知らないでしょうね」
静「……」
純「ただ……奴はメイの手先で、メイの忠実な部下だって事だけは本当よ。……そういう奴がいるのを、私はチラリと見たからね」
静「だから……話す事は出来ない、と?……話せば自分も殺されてしまうから……?」
純「ええ……」
56 : 2014/07/09(水) 11:23:01.62- 純「奴は正義のヒーロー面してるが、とっくに善悪の『タガ』が外れてる。便所に言って手を拭くついでに殺人を行うような奴なの。……何より、メイに仇なす者を許さない。……私が漏らせば、私は死ぬ。……今も結構ギリギリな話をしてるんだ……!!」静「……」
純「元々悪い事をするのにちゅうちょはしない方だったけど……もう懲りたわ。アンタに殴られてさ、『死ぬのはこれよりも痛いことなのか』って思ったらさ……どうにも、身体のふるえが止まらなくってね。……これからは真面目に生きるわよ。エンコーも密売もやめる。……普通のバイトして、もっと勉強頑張って、安くていい大学に行けるようにするわ」
静「……そう。……いいと思うわ。それ……」
純「……まあ、無意味かも、しれないけどね……」
静「?……なんで?」
純「…………」
57 : 2014/07/09(水) 11:26:35.41- 純「……私、さ……父親、『殺した』んだ」静「!!!」
・ ・ ・
純「……能力が使えるようになってすぐよ。……自分の力で何が出来るのか、試してみたかっただけ。……いや、こんな事言ったら卑怯よね。……違うわ。私……殺意を持って、父親を殺した」
静「……」
純「……父親はクズな野郎だったわ。たった一度の不幸をズルズル引きずって、全てをダメにして、私の人生をも狂わせやがったの。元々は良い人だったのかもしれないけれど……立ち上がれるチャンスはいくらでもあったのに、立ち上がれなかった男なの。本当、死んで当然っていう男だったわ」
静「……」
純「……けどね……」
58 : 2014/07/09(水) 11:28:13.33- 純「そんな男でも……私の『父親』だったんだから……『娘』の私が、ついてやるべきだったんじゃあないかって……今になって思うの。……本当に……」静「……」
純「……ガラにもねー話しちゃったわね。……忘れなさい。……それで、私と関わるのをやめて。……私はいつかきっと、『ウォーケン』に殺される極悪人だからね」
スタスタスタ……
純「100万円は自由に使いなさいよ。せっかくの夏休みなんだからさ……」
静「——純!」
純「……」
59 : 2014/07/09(水) 11:30:22.22- 静「……ありがとう」純「……ハッ!やめなさい。……助かりたかっただけよ。……自分からね」
静「……あたし、さ……」
純「……」
静「……アンタの事は、許せるわ。感謝してる……本当に」
純「……」
静「あたし……」
60 : 2014/07/09(水) 11:31:52.53- 静「……メイの事……許せるのかな?」純「……」
静「……」
純「……」
・ ・ ・
純「……奴は吸血鬼よ。ウォーケン以上に人を食い物にしてる化け物よ。……わかってるの?」
静「……うん」
純「なら……私に聞くな」
スタスタスタ……
純「答えは心の中にある。……いつだって……そうなのよ」
静「……」
…………
61 : 2014/07/09(水) 11:32:20.81- 本日はここまでです。
まさかこんな時間に投下するとは……
73 : 2014/07/11(金) 01:06:45.01 ID:hOM23Qx40- おお!また更新きてる!
さっき、ちょうどハーヴェストの回みてたから、純が心配ですね…
そして、支援絵貼っときますねhttp://uproda.2ch-library.com/805642Gp7/lib805642.jpg
74 : 2014/07/11(金) 16:11:53.08 ID:clVcN4Ego- 流れも考えずパロネタぶっ込むなら誰でもできるし流れを考えた上で原作のネタを入れるのも熱心なファンならそれくらいできる
でもジョジョの空気感を正しく理解した上で新しく作るのはなかなかできるもんじゃあない
三部アニメの補完シーンは上手いことやってるよね>>1それができそうなのに時々原作のパロネタで茶を濁してるところだけはどうにも気に入らないなぁ
78 : 2014/07/11(金) 19:51:36.79- >>73
おお、これはいい静……
服脱いだと思ってたら、脱いでたの静の方でしたね
サングラスに写るワイルド・ハニーがいい味出してます。本当ありがとうございます。
フォルダが潤うぜ……>>74
これは痛い所を……
新しい事やって原作っぽくなかったりするのが、どうにも怖いもので……
……まあ、最終的には超好き勝手やる予定なんですけどね少し時間いただきます。予定は来週水曜投下……かな?(自信無い)
95 : 2014/07/16(水) 12:55:09.72- …………バァァアアアアァァ……
静「ふう……ガンバれば結構終わるものね……あとちょっとで宿題は片付けられそうだわ」
テクテク
静「今日はこのくらいにして、少しドゥ・マゴで休もうかな」
テクテク……
静「……」
ピタッ
静「……やッ……」
96 : 2014/07/16(水) 12:59:06.84- 静(やばァァ~~いっ!『100万円』ってスッゲ!重いじゃあないのォォ~~っ!!)ニッカァァーッ
静(とりあえずスカートのポケットに入れてみたけど、カネの重さが気になって集中出来なかったわ……ヤバイ。今あたし『お金持ち』だ……ウヘヘ)
ニヤニヤ
静「……しかし、このまま持っておくのもマズいわよね。……コンビニで預ける、っていうのも、この金額じゃあねえ。やっぱ銀行か。メンドーだなァ~~……うふ、贅沢な悩み……♪」
テクテク
静「まあ、ドゥ・マゴで一休みしたからでもいいわよね。ちょっぴりお高いメニューでも頼もうかな?あのデッケぇーパフェ、一回食ってみたかったのよねー……」
テクテクテク……
97 : 2014/07/16(水) 13:01:22.34- ワイワイガヤガヤ……静「うわ、結構混んでるのね……えっと、空いてる席は……」
キョロキョロ……
広瀬川「あれ?静さん?」
静「……ん?」クルッ
98 : 2014/07/16(水) 13:04:06.38- 委員長「奇遇だね、こんな所で」フリフリ広瀬川「静さんもお茶飲みに来たの?こっち座る?」
虻村「ハクション!……ズズーッ……」
ジャン!
静「あ、三バカ。夏休み初日から仲いいのね」
委員長「バカは余計だよ、君ィー」
静「ただの挨拶よ。何してんの?ただのお茶会……には、見えないわね。ノートなんか広げて……」
広瀬川「ボクたち、夏休みは色々と忙しいからね(遊びに)……早めに宿題終わらせようと思って、集まってやってたんだ」
静「……呼べよ。あたしも」ムスッ
委員長「呼んださ。朝メールしたのに、見てないだろう?」
静「あー……(純と話してから、一度もケータイ見てなかったわね……)」
99 : 2014/07/16(水) 13:07:06.96- 静「知ってたらこっちに来てたのに……なんか損した気分だわ」ガタガタッ虻村「ヘーックションッ!……うー……」ズズッ
広瀬川「今から勉強道具持ってきたらどう?委員長の解説、わかりやすいよ?」
静「持ってるわよ。朝から一人、図書館でやってたの。……ついで言うと、もうそこの範囲は終わらせたわ。フンッ」
委員長「ああ、君も宿題は先に終わらせるタイプかい。本当、一緒にやれば良かったよ」
静「あ、委員長。ここの宿題わかる?古文の所なんだけど」ガサガサッ
委員長「どれ?……ああ、これか。結構簡単な部分でつまづくんだね、君」
静「うっせェーなーッ。これもう日本語じゃあねーだろッ。中国語じゃん。全然読めないジャン」
委員長「これはな、まずこの最初の文章を——」
虻村「ブェークショイッ!!」
静「……」チラッ
100 : 2014/07/16(水) 13:08:56.01- 静「虻村、風邪?くしゃみまき散らかさないでよ。あたしにうつったらどうすんの?」虻村「いや、悪ィ静……ズズッ。実は昨日よォー……」
静「……『昨日』?」
虻村「学校の帰り、よく覚えてねえんだが……路上で昼寝してたみたいでよォー。起きたら夜中で……身体冷えて風邪ひいちまったんだよ。ズズズーッ。……あー、ツいてねえぜッ」
委員長「『ツいてる』『ツいてない』の問題じゃあないだろう……路上で昼寝?何があったらそんな事になるんだい?」
虻村「だから、覚えてねえんだって。……ハークションッ!」
静「……あっ」
静(虻村……昨日放置して忘れてたわ。マジで……テヘッ)
101 : 2014/07/16(水) 13:11:02.66- 広瀬川「静さん、どうかした?」静「ん?んーんっ!なんでもなァ~~いっ!本当なんでも。……いやあ、風邪大変だなぁ~~って思ってさ!虻村寒くない?あったかくしなさいよ?」
虻村「お?おう。……んだァ?気持ち悪いぜェー静……」
静「な、何がよっ!やさしいあたしが他人の心配しちゃいけない訳ぇ~~?」
委員長「……そういえば、静さん。君……昨日虻村君と——」
静「ブハークショイ!ブハークション!バークショ!……あれ?あたしにもうつったかな?急にくしゃみが出てきたぞ?」
委員長「……まあいいけど……」
102 : 2014/07/16(水) 13:13:49.74- ガヤガヤ……店員「ご注文の品、お待たせいたしましたァ~~」
静「あっ、あたし何も頼んでなかったわ……」
委員長「今頼んだらいいだろう」
店員「オレンジジュースのお客様ぁー」スッ
広瀬川「はーい」
コトッ
店員「アイスコーヒーのお客様ぁー」スッ
委員長「ああ、僕だ」
コトッ
店員「抹茶パフェのお客様ぁー」
虻村「おう、俺だぜぇ~~」
コトッ
静「……ちょっと待てコラ、虻村」
103 : 2014/07/16(水) 13:16:07.11- 虻村「あ~~ン?どうかしたかよ静」カチャッ静「オメー風邪気味だろうがっ。そんなん食べて悪化したらどうすんの?やめときなさいよ……」
虻村「大丈夫だっつうの。ここの抹茶パフェは死ぬほど美味いンだからよォ~~」
静「死んでどうすんだッアホ村。身体を冷やすなっつってんでしょ」
広瀬川「静さん、無駄だよ……ボクらも頼む時にさんざん止めたんだから」
104 : 2014/07/16(水) 13:18:21.45- 虻村「だから大丈夫だっつってんだろーがよォ~~。好きなモン食ったら元気にもなるぜ……ブェクショッ!!」静「ああもう!汚いわねっ!これ以上くしゃみまき散らすつもりかテメーはっ!それこっちよこせッ!」
虻村「何ィ~~ッ?」
静「あたしが代わりに食ってやるわよ。アンタ別のモン頼みなさい」
虻村「なッ……!!」
105 : 2014/07/16(水) 13:20:59.25- 虻村「そりゃあねーぜッ静ぁぁ~~ッ!!パフェ目の前にして食えねえって、何の『罰ゲーム』だァ?アア~~ン?断固拒否するッ!食うぜっ俺はよッ!!」ガシッ!静「やめろっつってんだろーがよー!夏風邪バカにすんなよッ。こじらせるとマジやばいんだからねッ!(ちょっとあたしの責任ってのもあるんだから……)食わせる訳にはいかねーわッ!」ガシッ
グイグイッ!
虻村「おい!手ェ−離せよっ静ッ!」
静「大丈夫、お金は払うっての。なんならノシつけてやってもいいわ。だからアンタは——」
グイグイッ
委員長「なあ、いい加減やめといた方が……」
虻村「何を——」
静「このッ——」
グラッ……!!
広瀬川「あッ!危な……!!」
静「えっ?」
106 : 2014/07/16(水) 13:22:43.87- ベチャアッ!!静「冷たッ!?……ああーッッ!!」ドロオッ……
委員長「あーあー、やっちゃった……」
虻村「あっ、す、すまねえ静……平気か?」
静「あーもー!!最悪ッ!服がベチャベチャじゃあないのよォー!!ハンカチ、ハンカチ……」ゴソゴソ……
ポロッ……
107 : 2014/07/16(水) 13:25:39.75- 静「……くそ、全然取れないじゃん……うわ、どうしよ?これお気に入りの服なのに……」ゴシゴシ広瀬川「静さん、向こうにお手洗いあるよ。洗ってみたら……」
静「……もう……もー!!虻村後で殴るッ!」タタタッ
虻村「すまねえっつってんだろォー!?待て!俺も行くぜッ。責任あるしなァ~~」タタッ
委員長「今のはお互い悪いよ……」
広瀬川「あッ!静さん、お手洗いはこっちだよ。そっちじゃあなくって……ちょっと待って!」タタッ
委員長「おいおい広瀬川君!君も行くのかい?……」タタタッ
・ ・ ・
108 : 2014/07/16(水) 13:27:23.00- 茶封筒『…………』……ハンカチを取り出した時、同時に……
『100万円』が入った茶封筒が、机の下に落ちたが……
……それに気付いた者は、誰一人いなかった。
109 : 2014/07/16(水) 13:29:05.54- ゴソゴソネズミ「チューチュー……チュー……」
茶封筒『……』
茶封筒に付着したアイスを狙って、
数匹のネズミが現れた。
そいつらは、茶封筒をごそごそと突きまわると、
そのまま道路へと茶封筒を運んでいく……。
110 : 2014/07/16(水) 13:32:41.94- ヒューウウ……カラス「ガアッ!!」ゴッ!
ネズミ「チュウウッ」ババッ
カラス「ア゛ア゛ーッ!!」ガシッ!
茶封筒『……』
ネズミを狙って、カラスが上空から襲いかかる。
カラスの鋭い爪はネズミには当たらず、代わりに……
茶封筒をしっかりとつかんで、そのまま遠くの空へと飛んでいった。…………
111 : 2014/07/16(水) 13:35:06.67- …………静「はあ……最悪。ホント最悪。この星マークがすっごい気に入ってたのに……」ドンヨリ
虻村「悪かったってよォ~~マジでッ!ベンショーするッ!お詫びにパフェも奢ってやっからよォ~~。機嫌なおせよなァァー」
静「……ハァ。まあいいわ。……今のあたしには結構ささいな事よね」ニヤッ
広瀬川「?……どういう意味なの?それ」
委員長「なんだい、落ち込んでいたと思ったらニヤついて……」
静「ふふ……フフフフフ……」
112 : 2014/07/16(水) 13:37:09.15- 静(なんせ今のあたしには、『100万円』ってェー大金があるんだからねーッ!この服はお気に入りだったけど、このお金さえあれば——)ゴソッ……
静(あれば——……あれ、ば……)
ゴソゴソ
静「……?」
……ゴソゴソゴソゴソ……
静「……あ、あれ……アレ?」
広瀬川「……どうかした?」
静「……」
113 : 2014/07/16(水) 13:38:34.48- 静「……な……『無い』……」サァァー……委員長「……何が?」
静「あ、あたしの大切なモンよ……や、ヤバイ……マジで……」タラリ
クルリッ!!
114 : 2014/07/16(水) 13:40:08.09- 広瀬川「ちょ、ちょっと静さん!?どこに行くの!?」静「今まで通った道よッ!!本気でマズいわッこれ!!」ダダダーッ
虻村「一体何がだよォー?」
静「『金』を……無くしちゃったのよォ——ッッ!!」
ド——ン
…………
115 : 2014/07/16(水) 13:41:21.35- 本日はここまでです。
126 : 2014/07/17(木) 20:07:49.17 ID:tGWnaLBI0- 連投スイませェん……
メイとイエスタデイ・ワンス・モア描いてみました。http://uproda.2ch-library.com/807598U4U/lib807598.jpgイメージと違うかもしれませんが、スイませェん…
130 : 2014/07/18(金) 22:37:25.23- >>126
ありがとうございまWRYYYYYYY!!メイちゃんはジョジョ本編とは関係の無い、完全オリジナルキャラで、
オリジナルSSで嫌われがちな「強い・ご都合主義・皆と仲がいい」という所謂メアリー・スーな敵キャラですので、
こうしてイラストをいただくと本当安心します。超ウレシイです。
この嬉しさを文章では上手く表現出来ないモンですね……あ、メアリー・スーテストやってみたら、メイちゃん29点でした。あれ?
出来たら明日、もしくは木曜あたりに続き投下します。
135 : 2014/07/19(土) 20:49:01.01- (あ、これ今日あかんわ)
145 : 2014/07/24(木) 23:24:38.16- あ、すみません曜日見間違えてました
明日投下です、本当すみません
147 : 2014/07/25(金) 22:05:34.91- …………パシャッ!
パシャツパシャッ!
大林「イイっすねぇ~~そのポーズ!ダイナミックでまさに超人!っつー感じっすよォ~~。あ、もう少し足あげてもらいます?」パシャツ!
鋼田一「いや、なんかテレますね……写真を撮りたいっていう人は何人もいましたが、記念撮影のようなものばかりでしたので……ピースとかしなくていいですか?」
大林「いいですいいです!自然体で!いやぁーこりゃあ『撮りがい』があるなあッ。前々から気にはなってたんですけど、思い切って話しかけてみて良かった!あ、そうやってワイヤーに捕まったままぐるっと一回転を……そうそう!」
パシャッ!
148 : 2014/07/25(金) 22:09:14.29- 鋼田一「あのぉ……これだけ写真撮ってもらってアレなんですけど……テレビとかマスコミとかには、その……」ゴニョゴニョ大林「あ、大丈夫です!これ個人的なモンですので!」パシャッ
鋼田一「あ!それならいいんですよ、全然!……それにしても、個人的って?」
大林「いや、実はね、俺ついこの間まで入院してたんスよ。ちょいとした事故がありまして……その間ずっと病院の天井眺めてて、暇でヒマで……指一本動かせなかったもんでしてね。ずーっとこうしてスッゲェ写真を思う存分撮りたいって思っていた訳なんですよォ~~」パシャッ
鋼田一「はぁ。大変ですねえ……」
大林「もうワルい事はやめるッ!俺ぁー『カメラマン』になるぞッ!世界中の人がびっくらコくよーなカメラマンだッ!展覧会とかやってやろう!このダイナミックな写真はその第一歩さぁ~~っ」
パシャアッ!
149 : 2014/07/25(金) 22:10:59.82- 大林「いやー、本当すごいモンですねえ。過ごし慣れてるっつーか、ファインダー越しに生き生きとした姿が見て取れますよ。……鋼田一さんは、この鉄塔にもう何年住んでるんですか?」鋼田一「来年で20年かなあ。飽きないもんですよ。ほぼ毎日君のような見物人や観光客が来るからね。アイスクリームを食べる事が出来ないのが唯一の難点か……」
大林「20年ッ!?スッゲ!俺が生まれる前からここにっ?ヤベェ~~……どんな生活してんだ?普段……」
ナイト・ウォッチ『カシャ……』
大林(撮りてェ~~!!『私生活』ッ!……けど、また静にブン殴られそうだからな……ヤメトコ)
150 : 2014/07/25(金) 22:13:28.94- 大林「いやぁーマジで、今日はありがとうございましたッ!」ペコリ鋼田一「いえいえこちらこそ、桃の缶詰ありがとうね」
大林「へへへ、次は溶けないようにクーラーバッグ入れて、アイスクリーム持ってきてあげますよッ!」
鋼田一「本当ですか?それは楽しみだなあ……あ、そうだ。スズメでも食べますか?」
大林「……え」
鋼田一「桃の缶詰のお礼ですよ。ちょいと待ってくれれば捕まえますよ?ハーブや香草でイタリアンな味付けにすれば、オイチィーですよ?」
大林「ハーブ?香草?って……(たしか、フンニョーが……)」ゴクリ
151 : 2014/07/25(金) 22:16:00.91- バサバサッ!鋼田一「お、噂をすれば、罠にかかったようですね。すぐに見てきますので」グイッ
小林「い、いやいや鋼田一さんっ!俺今お腹いっぱいで——」
鋼田一「よっと」パッ
ドン
スタッ!
大林「え?!!?」
ドッギュウウン
鋼田一「っとと……」ドガアッ
大林「うおおおおーっ!?スゲエッ!ボルトピンに乗って飛んだッ!!」
鋼田一「反射するエネルギーを見切って、その上に乗っただけですから。3年も暮らしてれば貴方にも出来ますよーっ」フリフリ
大林「で……出来ねえっすよ、それ……」ポカーン
152 : 2014/07/25(金) 22:19:13.19- スルスルッ鋼田一「さてと、一体どんな鳥が捕まったかな……っと、あれれ?」
カラッポォ~ッ……
鋼田一「……クソ、やられたッ。カラスの羽か……エサだけ取られてしまった。やつら頭がいいからな……罠を見破ってるんだ」
ヒラ……
鋼田一「……ん?何だろう?『これ』は……」
ヒョイッ
153 : 2014/07/25(金) 22:20:43.84- 茶封筒『……』鋼田一「封筒?……カラスが落としたのかな?……失礼、中身は……」
ジャン!
154 : 2014/07/25(金) 22:24:24.74- 鋼田一「!!……な……!?」ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
鋼田一「……『金』……か?これは……ひーふーみー……エト、いっぱいあるぞ。……『100枚』くらいか?『100万円』?……なんでこんな所に……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
鋼田一「……けど、これって……」
155 : 2014/07/25(金) 22:26:42.26- 鋼田一「……わたしの知ってるお金のデザインと、違うようだなあ……よく出来てるけど、『ニセモノ』か。フーン……」ガサッ
鋼田一「まあ、本物のお金がこんな所にある訳ないし、もし本物だとしても、わたしには必要ないな……」
(※一万円札は2004年にデザインが変更されています)
157 : 2014/07/25(金) 22:28:44.79- 大林「か、鋼田一さーん?……と、捕れちゃいました?スズメ」鋼田一「いや、すみません。どうもカラスに荒らされただけみたいで……あ、魚でも捕まえましょうか?それともウサギとか……」
大林「い、いいっすってそんな!俺もうホント、その気持ちだけでムネいっぱいで!」
鋼田一「そうですかあ?……残念ですねえ」
ポイッ!
158 : 2014/07/25(金) 22:31:56.07- バチャッ茶封筒『……』
プカプカ……
川へ捨てられた茶封筒は、どんどん下流へと流れていく……。
159 : 2014/07/25(金) 22:34:07.14- 魚「……」ツンツン……ツン
茶封筒にわずかに付着したアイスの欠片を狙って、
川魚がそれを突きまわる。
そのうちに魚はどんどんと集まり、取り合うように群がった。
160 : 2014/07/25(金) 22:36:09.07- 魚「……」バチャバチャ!バチャン!
茶封筒『……』ビュ・ ・ ・
ベチャツ!
群がった魚の一匹が、尾ビレで茶封筒をふっ飛ばした。
茶封筒は飛んでいき、近くの道路へと落ちる。
そこに——
161 : 2014/07/25(金) 22:38:09.03- ブゥゥ——ン!バシッ!
茶封筒『……』
ゥゥゥ——……ン……
……一台の『バイク』が通りかかり、茶封筒を踏みつけた。
水に濡れた茶封筒は、そのままバイクのホイールにへばり付き、
地平線の彼方へと消えた。…………
162 : 2014/07/25(金) 22:41:24.51- …………杜王町北東部
別荘地域——ガチャッ
ギイイ……
双馬「……夏休み一日目、家に閉じこもって宿題、か。……さすがに少し不健康だったか。ふぁ……」
ノビーッ
双馬「まあいいさ。夏休みの最終日がツブれるよりかは幾分マシだ。……さて、昼は何を食おうかな……ドゥ・マゴでも行くか?……しかし最近、あの店変な外人のカップルがいるからなァ。真っ昼間からイチャつきやがって……」
スタスタ
双馬「……あっ」
キイッ……
163 : 2014/07/25(金) 22:44:28.87- 双馬「昨日から新聞入れるの忘れてたな……うわ、すごい量」ゴソッ
双馬「……大したニュースは無い、か……フン。それだけ平和って事だろうが……奴らの足取りが掴めないのは腹立たしいな。……警察も奴らの事、把握出来て無いんだろうから仕方ないか」
ゴソゴソ
双馬「……ん?何だこれは?」
ス……
双馬「……『封筒』?……あー……」ハァー……
164 : 2014/07/25(金) 22:46:47.07- テクテク……双馬「……差出人の名前が書いて無いじゃあないか。クソ。やる気あんのか?それともただのイタズラか?……ていうか、どこで僕の住所を知ったんだ」
テクテク……
双馬「入れるなら下駄箱とか机の中とか、そういうオーソドックスな所があるだろうが……夏休み突入って時にこんなのを渡すのも意味がわからんしな。……中学生ってバカばかりなのか?ハァー……差出人がわかれば、バシっと言ってやるんだが」
テクテク……
双馬「……中の手紙に書いてたりするのかな?……読みたくないなあ……」
「あ——ッッ!!」
双馬「!?」ドキリ
165 : 2014/07/25(金) 22:49:12.57- 静「双馬ァ——ッ!テメェー何持ってやがんだッコラアッ!」バン!双馬「……静?いきなり何だ、お前……」
静「よこせッ!そりゃああたしのだッ!どこで拾ったんだッこの!」バシッ!
双馬「お前の?……この封筒が?……お前のなのか?マジに?」
静「そォーに決まってんだろうがーッ!中身見て無いだろうなッ!?これはあたしの——」
ガサッ
166 : 2014/07/25(金) 22:51:39.46- ピラッ静「……何これ?」
双馬「……」
静「……『あたしィ、前からまえからずーっと!双馬きゅんのコトが大大大、だぁ~~~~い好き!でェーすッ!♪』……『凛々しいお顔とクールな横顔と、整ったお顔が好きでェ。ずっとずっと見ていたんですう、双馬くんのことお♪♪』……」
双馬「おい静、お前そんな事思ってたのか?キモイぞ」
静「思うかッボケッ!この手紙に書いてんだよッ!」
双馬「しかし、その手紙はお前のなんだろ?……ありえないな。うん。僕はこの事忘れるとするよ。お前も帰って頭冷やして寝たらどうだ?風邪かもしれない。もしかしたらもう脳はダメになってるのかも……」
静「だーかーらー、違うっつってんだろーがーッ!!ていうかこれっ!よく見たら全然違うじゃんッ!あたしの持ってた封筒じゃあないわッ!」
双馬「お前の持ってた……?」
167 : 2014/07/25(金) 22:54:10.35- 静「クソぉ~~紛らわしいマネしやがって……アンタのクラスメイト、バカなんじゃあないの?ていうかアンタもバカなんじゃあない?」グシッ双馬「あ、おいグシャグシャにして捨てるなよ。捨てる前に差出人を確認させてくれ。誰が出したんだ?その手紙?」
静「今そんな事言ってる場合じゃあねェ——だろッ!双馬ァーッ」
双馬「……」
静「『落し物』したのよ、あたし!グレートにヤベェー!そいつを見つけないとあたし、たぶん一生後悔するわッ!」
双馬「何だ、財布か?……ああ、封筒がどうとか言ってたな。銀行で金を下ろした後に落としたのか?」
静「……ま、まあ……似たようなモンよ」
168 : 2014/07/25(金) 22:55:59.99- 双馬「いくらぐらい落としたんだ?1万か?2万?……10万って事は無いだろうが……」静「……言ってもヒかない?」
双馬「?……どういう意味だ」
静「……落としたの、さ……」
双馬「……」
静「……100万円……」ボソッ
双馬「……」
169 : 2014/07/25(金) 22:57:58.99- パラパラパラアッ!紙人間『ペラペラペラペラペラペラペラペラ!!』
ドッギュウ——z__ン!!
静「あー!!!」
170 : 2014/07/25(金) 22:59:13.43- 静「双馬ァッ!テメェー今『何』したあッ!?飛ばしたよなッ!?『ペーパー・バック・ライター』を飛ばしたッ!!も、もしかして……『盗る』気かッ!!あたしより早く見つけてッ!?」双馬「おい、人聞きの悪い事を言うな。お前が金を落として困ってるから、助けてやろうとしてるだけだ。僕の『スタンド』は射程距離も広いし、物質から情報を読む事が出来る能力も持ってる。すぐ見つかるさ……」
静「……本当にホント?神に誓って?」
双馬「……あー……」
静「……」
171 : 2014/07/25(金) 23:02:11.73- 双馬「……まあ、アレだよな。……もしも見つからなかったり、見つけたとしても封筒に入ってたのが1万円だけだったとしても……ま、僕には関係無いよな?」静「……一回殴っていい?」
双馬「おい待て、お前の『スタンド』で落し物を見つける事が出来るか?」
静「……」
172 : 2014/07/25(金) 23:05:46.93- 静「2万円!」双馬「バカか?50万」
静「はあ!?なんで折半なのよッ!?ていうかケタ一つ違うだろーがーッ!5万!」
双馬「30!」
静「8!」
双馬「25!おいこれ以上はマからんぞ」
静「ぐぬぬ……10!!」
双馬「……交渉決裂。全部もらうぜ」
静「ふッ……ざけんなあああああァァァッ!!」グオオッ!
173 : 2014/07/25(金) 23:11:05.86- 双馬「あっ!」静「えっ?……何?」
双馬「……」
シーン……
静「ちょ、ちょっと待ってよ、アンタ……もしかして、み……『見つけた』……の?」
双馬「……」
静「ちょ、ちょっと?……双馬くぅん?」
双馬「…………」
ニヤァ~~……
双馬「いや……見つけてないよ。本当、マジで」ニヤニヤ
静「その笑顔は何なのよッテメェーッ!!!」
174 : 2014/07/25(金) 23:13:17.85- 静「クソッ!バック・ライターはあっちに飛ばしたわよねッ!?ゼッテェーテメェーには渡さねェーッ!!」バッ!双馬「おいおい、今から追いかける気かぁ?やめとけよぉ~~間に合うわけないってぇ~~」
静「……コォォォオオオオオ……」オオオ……
ドギュッ!!
静「絶対!!テメェーにはッ!!渡さないんだからねーッ!!あれはあたしのお金だァーッ!!」
ダダダダダダダダッ!!
双馬「うおッ!?速ッ——」
静「あと!バック・ライターは見つけたらボコボコにして!便所のチリ紙にしてやっからなァ——ッ!!」
ダダダダダダダダ……
双馬「ふうん……追いつけるといいなあ。……バック・ライターの目は、少しイヤなモンを見てしまっているよ」
ォォォ……
双馬「……『100万円』を引っ付けたバイクが向かう先は……バイクショップ『スピード☆キング』……か。……ふむ」
…………
175 : 2014/07/25(金) 23:16:41.64- 本日はここまでです。また一週間後くらいに投下します。pixivで、外国の方が静のイラストを投下してんの見たんですが、
ここを読んでる訳じゃあないよなあ……どういう経緯なんだろ。謎だ……(スゲェー上手かったけど)
197 : 2014/08/02(土) 22:10:45.08- …………バイクショップ『スピード☆キング』——
ガチャガチャガチャ……
噴上「よっ……と、あとはここを締めれば……ん!こんなモンか」ググッ
コンコンッ
アケミ「裕ちゃん、コーヒー入ったわよ~~。少し休憩しない?」ガチャッ
噴上「おいアケミ!コーヒーくれぇ自分で淹れるんだ……あんま動き回るんじゃあねーぜ」
アケミ「はぁ~~い。フフッ!裕ちゃんったら優しいのねッ」
噴上「……テメェー一人の身体じゃあねえんだよ。こーいう時くれェ、おれに色々やらせやがれ」
アケミ「はいはい」ニコニコ
198 : 2014/08/02(土) 22:13:50.20- コトッアケミ「これ、お中元にヨシエから貰ったのよ。いい香りでしょう?」
噴上「ああ。……おれの好きな味だよ」ズズッ
アケミ「二人とも元気でやってるみたいよ。レイコのとこなんて、もうすぐ3人目産まれるらしいし、大変だって!いいわよねぇーそういうの。あたしも子供は3人くらい欲しいなあ~~」
噴上「おいおい、今からやっと一人目が産まれるっつーのに気がはえーんだよ。ったく……」
アケミ「ううん、そうよね……」
噴上「……ま、そうだな……おれも、子供なら3人は……欲しいかも、な」ズズッ
アケミ「……ふふっ!」
199 : 2014/08/02(土) 22:16:54.48- ゥゥ——ン……キキッ!
噴上「ン?……客か?」
シタッ!
玉美「よお~~っ。裕也!元気かあ?あ、奥さん!ご無沙汰してます。へへへ!」ジャン!
アケミ「あら、玉美さん」
噴上「玉美かよぉ~~っ。久しぶりだな。相変わらずコスい商売してんのか?」
玉美「別にコスかぁねーだろーがよっ!ちゃんとしたトコなんだぜェ~~っ。チと危ない橋渡る事もあるけどよーッ……」
200 : 2014/08/02(土) 22:21:21.00- 噴上「お前いい加減『取り立て人』なんざ辞めたらどうだ?もう四十近ェーだろ。そろそろドッガとエラい席に座って、危険な事にゃあ首突っ込まず幸せな家庭築いたらいいじゃあねーか。……コーヒー飲むか?」玉美「どうもよォー。……おれもそうしてェのは山々だがよォ~~ッ、最近の若ぇ奴らはてんでダメだ。根性座ってねーんだよ。キモッ玉っつーのが無いぜッ。まだまだションベンくせえジャリにゃあ任せらんねーなァ~~ッ」
噴上「そうかよ~~」
玉美「……っていうか裕也!おれァーまだ四十じゃあねーぞッ!三十六だ!まだまだ若いんだよっボケーッ!」
噴上「四捨五入すりゃあ四十じゃあねーか……細けえ野郎だぜ」ズズッ
201 : 2014/08/02(土) 22:24:08.59- 噴上「それで?今日は何の用だ?またバイク壊しやがったのか」玉美「壊してねえよッ!ただちょいとエンジン音がおかしいから調べてもらいてえだけだッ!」
噴上「オメーは荒いんだよ、乗り方が……おれの調整したバイクは芸術品だぜ?ミケランジェロの彫刻のようになァ~~ッ。もっと丁寧に扱えっ」
玉美「昔事故ったテメーに言われたくァねーんだよッ!」
アケミ「玉美さん、桃食べます?田舎から送られてきたものなんですけど……」ヒョコッ
玉美「あ、どうも奥さん!わざわざありがとうございます!へへっ!それにしてもお腹大きくなりましたねえ……今何ヶ月くらいで?」
噴上「アケミ!おめー余計な事すんなっつってんだろうが!奥引っ込んで休んでろ!」
アケミ「も~~っ、裕ちゃん怖ーい。キャッ♪」
噴上「ッケ!……えっと、レンチ、レンチは……っとォ」ゴソゴソ
202 : 2014/08/02(土) 22:26:16.06- 噴上「エンジン音がおかしいっつったな?……おい、ホイール曲がってんじゃあねーか!」玉美「ああ~~っ、この前スコしばかり当てちまってよー。まあ大した事ねーだろう?」
噴上「ボディに傷も付いてるし!オマケに泥だらけじゃあねーかッ!一体何処走ってやがったテメェーッ」
玉美「ちょいと気晴らしに送電鉄塔の辺りをカッ飛ばしててよォー。まあ、よくある事だろ?ついでに綺麗にしといてくれや」
噴上「エンジン音以前の問題じゃあねーか。……クソ、金は取るぜ?」
玉美「おう。……そういや、オメー最近商売どうなんだ?若者のバイク離れっつー言葉聞くがよォ~~」
噴上「良くはねえな。おれ達が若い頃なんかは、一にも二にもバイクが男のステータスみてえなもんだったんだが……最近はどうにも新しいのが売れずに、修理ばっかり来やがるぜ。ハァ……ガキが産まれりゃ、金かかるっつーのに……」ブツブツ
玉美「フーン、おめーも大変だな……」
噴上「…………ン?何だこりゃあ?」
ベリッ
203 : 2014/08/02(土) 22:28:26.81- 茶封筒『……』噴上「?……玉美、これテメェーのか?」
玉美「アン?……なんだそりゃあ?封筒……?」
噴上「バイクのホイールにくっついてたんだよ。ドブくせえ封筒だな……どこでくっつけやがった」
玉美「知らねえよォーおれはっ。殺害予告かァ?それともテロ予告?そういうイタズラだったらよく事務所で見るけどよォ~~」
噴上「どれ、中身は……」ゴソッ
ジャン!!
噴上「!!」
玉美「えっ!?」
204 : 2014/08/02(土) 22:30:41.66- ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ噴上「……こッ……『これ』はッ……!!」
玉美「かッ……『カネ』だよォ~~ッ……『100万』くれェーはあるぜッ!正真正銘の『現ナマ』だ……!」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
噴上「おい玉美ッ!テメェーこりゃあどういう事だッ!?修理費にゃあ多すぎるぜーッ!」
玉美「だから知らねえっつってんだろーがッおれはッ!ホントーにそんなのがおれのバイクにくっついてたのかよーッ!?」
噴上「これは……マジに『モノホン』だ……クンクン……モノホンのインクの臭いがするぜ」クンクン
205 : 2014/08/02(土) 22:33:40.40- 噴上「おめー、さっきまで送電鉄塔のある辺りを運転してたっつったな?そこでくっつけやがったのか……?」玉美「……な、なんだか知らねーけどよォ~~、こりゃあラッキィーッ!儲けたじゃあねえかッ!イヒッ!イヒヒヒヒッ!」
噴上「……何?」
玉美「『100万円』なんざ、パッと手に入るモンじゃあねーぜ。今日はパーッと飲みにでも行くかァ?キヒヒヒヒ」
噴上「待て玉美。おめーもしかして……パクる気か?」
玉美「あァ?人聞きの悪い事言うんじゃあねえぞ裕也。おれのバイクにくっついてたんだからよォ~~こりゃあおれの『モン』じゃあねえかっ!何かおれ、間違ったこと言ってるかよぉ~~っ?」
噴上「……警察に届けた方がいいだろ。それが普通だぜオメーッ」
206 : 2014/08/02(土) 22:35:58.31- 玉美「あのな……裕也、見ろよこのカネッ。銀行の袋とかじゃあなく、ただの小汚ェ茶封筒だ。それに『100万』なんていう大金が入ってんだぜェ?……どう見ても真っ当なカネじゃあねーだろう!」ヒソヒソ噴上「それは……そうかもしれないが」
玉美「んなカネ警察に持ってっても、持て余すだけだぜェーッ!それならおれらでコッソリ処分したほうがいいだろうがッ!おれァー世のため人のためを思って言ってんだぜッ!」ヒソヒソ
噴上「玉美ィ……もしもコイツが、年老いたばーちゃんが孫に仕送るために、タンスの奥から引っ張り出してきたヘソクリとかだったらどうするよ?カワイソーだと思わねえか?おめーにゃあ罪悪感とかねーのかよ」
玉美「んなモン持ちあわせて取り立て人なんざ出来っかよーッ!!玉美の玉はキモッ玉のタマだッ!んな安い話でおれが諦めっかよォーッ!!」
噴上「……」
207 : 2014/08/02(土) 22:38:29.60- 噴上「おれもよォー、昔はヤンチャしてたが、結婚して家庭を持ってよォ、小さいが自分の店なんざ持つようになって……ちょいとばかし、他の家庭とかについて、考えるようになってよ。……その金がもしも、誰かが必死こいて貯めた金だっつーんなら……おれはパクる気にゃあなんねーぜ」玉美「だから、な?……裕也、耳貸せ。……オメーもうすぐガキが産まれるんだろうが」ヒソヒソ
噴上「!……それがどうかしたか?」
玉美「『どうかしたか?』じゃあねーッ!自分でも言ってただろうがッ!ガキが産まれるっつーのはカネがかかるんだぜーッ!その資金にコイツは必要だろうがッ!あ~~ン?そうは思わねえかァーおれはそう思うぜッ!」
噴上「……しかし」
玉美「幸せっつーのは数が決まってんのよッ!誰かが幸せになりゃあ誰かが不幸になるッ!それが世界の現実だぜェーッ。オメーが幸せになりたけりゃあ、どっかの誰かに不幸をおっかぶらせなきゃあならんのよ!わかるかよ?わかるな?……おれはもうこのカネで何を買うのかプランを立てちまってるぜェ~~ッ!」ヒソヒソ
噴上「……」
209 : 2014/08/02(土) 22:41:47.44- 噴上「……いや、駄目だ。コイツは警察に届ける」バン!
玉美「なッ!……っざけんなァー裕也ッ!おいそいつァーおれのだぞッ!よこしやがれッ!」ピョンピョン
噴上「おめーのバイクにくっついてたが、別におめーのじゃあねーだろう。……こういう事はしちゃあいけねーぜ。キチンと届けるべきだ」ヒラヒラ
210 : 2014/08/02(土) 22:44:14.46- 玉美「元不良の暴走族がエラソーな事言ってんじゃあねーぞボケッ!返せ!とどかねーんだよッコラ!」ピョンピョン噴上「おれもお前も、もういいトシこいたオッサンだぜェー。いい加減落ち着いてしっかりとした判断すべきだろーがよー」
玉美「100万っつーのはそんな考えかなぐり捨てるくれぇーの額だろうがッ!」ピョンピョン
噴上「だから——」グイッ
玉美「なにを——」ピョンピョン
噴上「この——」
玉美「クソ——」
噴上「いい加減に——……」
『ペラペラ……』
211 : 2014/08/02(土) 22:48:35.15- ガシイッ!!噴上「えっ?」
玉美「……は?」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
紙人間『……窓から失礼するぞ。ペラペラ……この封筒は大切なものでね。ま、僕のじゃあないが……少し借りるぞ』パラッ……
ペラペラペラペラ——ッ!!
噴上「なッ……何だ!?今の、『紙で出来た人間』のようなヤツはッ!?」
玉美「お、おいいッ!封筒を奪われたぜッ!バラバラの紙になって逃げやがったァーッ!!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
212 : 2014/08/02(土) 22:50:58.58- ペラペラペラペラ……紙人間『ふふふ……どうやって奪おうかと考えていたが、言い争いをしてくれたお陰で隙だらけだったな。ペラペラ!……さあて、このまま銀行にでも預けるとしようか。思わぬ臨時収入だ……どんな本を買おうかな?』
ペラペラペラァ——ッ!
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
玉美「どんどん逃げてくぜェーッ!裕也ァ!早く追わないと——」
噴上「いや……もう『追ってる』ぜ」
玉美「え?」
213 : 2014/08/02(土) 22:53:12.88- ガシイッ!紙人間『え!??!』
ハイウェイ・スター『クンクンクンクン』
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
紙人間『こ!この足跡はッ!!『ハイウェイ・スター』かッ!追ってきているッ!封筒の臭いを嗅いでッ!!』
ギャン!ギャン!!
ドボォッ!
紙人間『ゲエッ!!す……吸い取られるッ!!』ガクンッ
バラバラバラッ!
214 : 2014/08/02(土) 22:55:33.02- ヒュゴ——ッ!玉美「ああっ!風で……飛んでいっちまうぞ!」
噴上「だがおれの『ハイウェイ・スター』は追跡をやめねえ。あの紙ヤローが何者かは知らねーがッ!訳も話さず奪っていくなんざ真っ当なヤツじゃあねーよな~~ッ!」
玉美「!!……よく考えたら、裕也!オメーあのカネ警察に届けるつもりなんだよなァ~~ッ……クソッ!」ダダッ!
ギャルンッ!ドッドッドッドッ……
噴上「玉美、オメーバイクに乗ってどうする気だ?」
玉美「決まってんだろーがよーッ!あのカネぁおれのだぜーッ!オメーにも紙にも渡さねーッ!」ブロロッ
ブォ——ッ!!……
噴上「……ったく……」
…………
215 : 2014/08/02(土) 22:58:58.06- 短いですが、本日はここまでです。あと数回で終わりかな?なぜアケミなのかっつーと、モモむいたりチョコ用意したりと、なんか『尽くす』感じが裕ちゃんとピッタリだと思ったからです。個人的な考えですけどね……
229 : 2014/08/13(水) 12:06:37.85- (お待たせしております。申し訳ありません。土曜……あたりには投下出来るかと……)
232 : 2014/08/16(土) 22:28:47.90- …………タッタッタッタ……
静「ハァー、ハァー……チクショお~~バック・ライターの奴どこに行った?風に乗ったらマジに速ェーんだから……」
タッタッタ……
那由他「……あっ!♪」ヒョコッ
静「えっ?」
那由他「お姉さまァァ~~んッ!!」
ピタアァアッ
静「え!?ちょ……那由他ちゃん?」ワタワタ
233 : 2014/08/16(土) 22:31:07.63- 那由他「ここっ!好き♪ここッ!お姉さまのここ!大好きっ」スリスリ静「ちょ……ゴメン那由他ちゃん、あたし今急いでてさ。……放してくれると——」
那由他「パパぁ~~ん!ここ!ここよォーッ。来て!静お姉さまがいるーッ!」フリフリ
静「だから、あの……」
234 : 2014/08/16(土) 22:33:17.80- 億泰「——ってな訳でしてね、トニオさん!おれ今度日本料理に『イタリア』の食文化を混ぜてみてェーって思ってましてよォ~~ッ。何か注意点とかあります?コツとかアドバイスとか!」トニオ「そうですネ……イタリア人は『オリーブオイル』をトテモ大切に思ってます。日本料理でいう『だし』のヨウに……オリーブオイルは良質の『エクストラ・ヴァージン・オリーブオイル』を使ウと良いデショウ。ワタシがお店で使ってるモノ、お分けしまショウか?」
億泰「マジっすか!?そりゃあーマジにありがたいっスよォーッ!!やっぱあんたは天使のような料理人だぜっ師匠ぉぉ~~ッ!」ウオオッ
那由他「もう、パパッ!料理の話になると周りが見えなくなるんだから……」
億泰「ん?……お、おう!すまねえ那由他。どうかしたかよーっ?」
那由他「ホラ!お姉さま!お姉さまに会ったの!ウフフ♪」
静「……えーっと……ど、ドウモ」ペコリ
235 : 2014/08/16(土) 22:36:16.76- 億泰「なんだ、静かよ~~。メズラしくともナンともねーぜ。元気か?今日から夏休みだろオメー」静「ええ、はあまあ……あ、トニオさんもドウモ」ペコリ
トニオ「オオ!静サン。ご無沙汰しておりマス……最近お店に来て下さらないノデ、寂シク思っていましたよ」ニコニコ
静「いやァ……やっぱ毎日外食ってワケにもいかないですからね。兄さんそんなカネないし。……って事で、そのォ……」ソワソワ
トニオ「フゥーむ……静サン、アナタ最近油っこいモノばかり食べていますネ?」
静「……えっ」
トニオ「それにアイス等甘くてツメたいモノばかり食べているノデ、胃が疲れてイマス。左手も失礼……フムフム、眼の奥がジンと重く、肩がコッていますネ?」
静「いや、その……当たってるけど、今それどころじゃ——」
236 : 2014/08/16(土) 22:38:07.43- 億泰「そォーだッ静よォ~~ッ!今からおれ、トニオさんと料理の研究しようと思ってたんだけどよ!ちょっと『試食』をしてみねえかーっ?ヘルシーな日本イタリア創作料理だぜーッ!」静「は?いや、えっと……魅力的ですけど、あのさ」
トニオ「ソレは良いデスね!少し食材を買いすぎたと思ってたのデスよ。試食して頂いて、快適になってもらえればこの上ないシアワセです」ニコニコ
静「いや、だからさ——」
237 : 2014/08/16(土) 22:40:11.05- 那由他「お姉さま、行こ?一緒にお食事しましょっ?」グイグイ静「那由他ちゃん、あのね?あたし今さ——」
億泰「那由他のやつ、本当にオメーの事気に入ってんだなあ。前までチと暗い所があったが、オメーに会ってから明るくてウレシクなるぜ。こーして見ると本当の姉妹のようだなァ~~ッ」ウンウン
トニオ「デハ、お嬢様お二人にピッタリな可愛らしい料理を、一つ考えてミマスか。億泰サン」
億泰「いいっすねェ~~ッ!あ、じゃあトニオさん!おれ前にちょいと考えたんスけど、トマトを——」
静「——だからあッ!!今ッ!それどころじゃあねーんだって!の——ッ!!」
…………
238 : 2014/08/16(土) 22:42:49.83- …………『カフェ・ドゥ・マゴ』テラス——
露伴「……」ペラリ
間田「お疲れ様でェ~~す、露伴先生。……いい天気ですね。何読んでるんですか?」ペコリ
露伴「ベクシンスキーだよ」
間田「ベクシンスキー?……ああ、終焉の画家、ですか。……あ、すみませんペリエひとつ」
露伴「……」ピクリ
間田「それにしても露伴先生、『破産』したって聞いてましたけど、その様子だともう大丈夫みたいですね。へへ……ド・スタールの画集一つが全財産だったって話じゃあないですか。前任……あ、イヤ、前前々任の担当編集者から聞きましたよ」
露伴「……」チラリ
239 : 2014/08/16(土) 22:44:48.60- 露伴「……その様子だと、色々と聞いたみたいだね。今までのぼくの担当編集者から……」間田「えっ!……あ、いや……まあ。ハイ」
露伴「画家の勉強もしっかりしてるし、待ち合わせの時間もピッタリに到着……フン!『ご機嫌取り』してるみたいで気に入らないが……ま、良しとしよう」
間田「は……はあ、どうも」
240 : 2014/08/16(土) 22:46:59.55- 露伴「しかし……ぼくに嫌気が差して担当がコロコロ変わるのは、もう慣れた事だけど……『スタンド使い』の君が担当編集者になるとはね」間田「いやあ、へへ……ずっと昔から、ぼくは先生のファンでしたからねっ!こうして先生とお仕事出来るなんて、夢のようですよぉ~~っ!」
露伴「そうかい。ぼくは何とも思わないけどな……じゃあさっそく、次の連載の打ち合わせをしよおっか!」
間田「はい!次の回はぼく、頑張って巻頭カラー取ってきたんですけどォ——」
露伴「……っと、その前に。……例のものは持ってきてくれたかい?」
間田「えっ?……ああ」ゴソゴソ
241 : 2014/08/16(土) 22:49:15.72- 間田「コレの事ですよね?よっこいしょッ……と」ゴトン
間田「結構久々に持ち出してきましたよ。長い間仗助のやつに貸してたんで。……で、何に使うんです?『サーフィス』の人形なんて?」
露伴「ちょっとね。……次回の話に描きたいポーズがあるんだが、少し人体にはムズかしいポーズかもしれないんだ。それを確かめたい」
間田「……『少し』?『かも』?」
露伴「スタイルクロッキー用の人形はまだ買い直してなくてね。しょうがないから君のを使おうと思ったんだが……思っていたより大きいな」
間田「はあ……どうもスミマセン……?」
露伴「おい、謝るんじゃあないぜ。ぼくは何も責めてるんじゃあない。怒られてもいないのに謝るなんて、何も考えていない証拠だからな。……うーん、仕方ない。ぼくの仕事場に運んでしまうとするか。打ち合わせなんてどこでも出来るしな」スック
242 : 2014/08/16(土) 22:52:07.40- 露伴「ほら、そうと決まったらノロノロするな。さっさと運んでくれ」スタスタ間田「ちょっ、ちょっと待ってくださいよォ~~っ。ぼく今来たばっかなのに……あ、スミマセンこれお金……ハイ、ドウモ……」ズルズル
露伴「時間ってやつは有効に使わないといけないぜ。人生80年なんて言うが、そんな短い時間ぼーっとしてたらすぐだからな」スタスタ
間田「す、少しくらい手伝ってくれても……重くはないけど大きいから運ぶの疲れるんですよぉ~~っ……」
……ヒュウウ……
243 : 2014/08/16(土) 22:53:49.86- ビュゥウウウ——……ベチャッ!!
間田「わぶッ!?……な、何だァ?これ……?」ベリッ
244 : 2014/08/16(土) 22:55:54.32- 茶封筒『……』間田「ウゲェ、汚い封筒だな……なんでこんなものが飛んできたんだよ。まったく……」
露伴「?……おい、何止まってるんだい?ノロノロするなよ」
間田「すぐ生きますよ、先生ぃーっ。……ん?これ、何か入ってるな…………!?」
バン!
間田「カッ!!……ネ……えッ!?……何ィィ~~っ……?」
245 : 2014/08/16(土) 22:57:29.55- 露伴「……おい、何度も同じ事を言わせるんじゃあないぞ。さっさと行かないと日が暮れるぜ?」間田「あッ!!す、スミマセン露伴先生!!急にぼく、お腹が……イタタタタタタ!!」
露伴「……何?」
間田「ハラが……いてーっ!スゴク痛いんですよ!!ホント!こ、これはトイレに行かないとダメかな……と、いうワケでして……すぐにご自宅、伺いますのでェーッ!」
ダダッ——
露伴「……待ちなよ、間田くん」
間田「うッ!」ピタッ
246 : 2014/08/16(土) 22:59:44.98- ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ露伴「……急に何があったのかは知らないが……ぼくは『隠し事』をされるのが大っ嫌いなんだよ。特に!……仕事のパートナーである編集者に隠し事をされるのがねーッ。アンケが悪いだの変なファンレターだのイチイチ隠しやがって……」
間田「……」
露伴「……何を隠してるんだい?今何か、服に入れたようだけど……それは何だい?なあ……間田くん?」
間田「……い……いや、なんでもないですよ……ハハ……」
露伴「……」
間田「……」
露伴「『ヘブンズ——」
間田「う……うわああああああ露伴先生ッ!!ゴメンなさーいッ!!」クルッ!
ズッダァ——ッ!!
247 : 2014/08/16(土) 23:01:55.18- 露伴「あッ!おい待てッ!!」間田「あ!後できっと!お話しますのでェェ——ッ!!それではッ!うおお——」
ダダダダダダ——ッ!!
露伴「……」
ポツーン……
露伴「……フン!あいつ……編集長に言いつけてやるからな。……すまない、アイスティー一つ。……キンキンに冷えたやつをな」ドッカ
…………
249 : 2014/08/16(土) 23:03:57.23- …………間田「——ハァ、ハァ!……い、勢いで逃げ出しちゃったけど、さすがにヤバかったかな?……とはいえ、へへへ……!!」
ガサッ!
間田「この金!……なんでこんなものが空から降ってきたかは知らないが、100万円くらいあるぞッ!やッやッ、やったァ~~ッ!!」
ウヘヘ……
間田「かなり汚いのが気になる所だけど、十分使えるぞっ!超売れっ子漫画家の露伴先生の担当だからって、給料はスズメの涙だからなァ~~ッ。これはボーナスだと思って大切に……」
——ウウーン……
キキッ!
玉美「間田ァっ!!」バン!
間田「え?……玉美?」サッ!
250 : 2014/08/16(土) 23:06:22.85- 間田「な、なんだよ……どうかしたか?おれ今忙しいんだけどな」玉美「おい、オメーこの辺りで小汚ねー『茶封筒』見なかったか!?」
間田「えッ!?」ドキン
玉美「ワケは言えねーがよッ、大切な封筒なんだッ!ドロドロに汚れてるキタネー封筒だッ!見なかったかよぉー?」
間田「み……見てないね。全然、何も。……知らねえよ、おれは……」
玉美「……」ジロリ
間田「そ……それじゃあ、急いでるからさっ……」スタスタ
251 : 2014/08/16(土) 23:08:39.53- 玉美「……間田ぁ~~っ……オメー本当に……知らねえんだろうなーっ?」間田「し、知らないって言ってんだろ。しつこい奴だな……」
玉美「キヒヒッ!そうかよォ~~ッ。……けどテメェー、わかってンだろうなあ?」
間田「ああ?……何がだ?」
玉美「もしも!……いいか、もしも!だぜ?……オメーが何か知ってるのによォ~~。それをおれに『言わない』っつうのはよォ~~ッ。後ろめたいっつーか……『罪悪感』がある……よなァ~~?」
間田「!!……」ゴクリ
252 : 2014/08/16(土) 23:10:30.79- 玉美「ホントォーは知ってんのに、おれに言わないんだもんよぉ~~っ。それは多少なりとも『罪の意識』を感じるよなァ~~?オメーがどんなに極悪人だろーとよォーっ……」間田「……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
玉美「で!……もう一度聞くがよ……オメー本当に、知らねえんだろうなぁ~~っ?」
間田「……そ……それ……は……」
ガシャアアン!!
253 : 2014/08/16(土) 23:12:46.96- 間田「うわあああああああああ!!」ドサアッ!玉美「やった!テメェーやっぱり知ってやがったなッ!ボケェーッ!!もしかしてオメー、今持ってんじゃあねえだろうなッ!?オイ!」グイッ
間田「玉美、テメェ……こ、このやろう……」ガクガク
玉美「!!……見つけたァーッ!!100万円だッ!!おれのモンだぁーッ!!ワハハハハハハハ!!」
ダッ!!
254 : 2014/08/16(土) 23:15:41.80- 間田「返せッ!!そりゃあおれに降ってきたお金だぞォーッ!!」玉美「元々はおれの金だぜェーッ!!オメーから返してもらって何が悪いっつうんだよーッ!!」
ダダダダダッ!!
玉美「クケコッ!!クキッ!クキイーッ!この金はおれが有効活用してやるぜ……ま!オメーが見たモンは夢か何かだと思って諦めるんだな!じゃあよーッ間田ァーッ!!キヒヒヒヒヒヒヒヒ——」
ドズゥン!!
255 : 2014/08/16(土) 23:17:35.37- 玉美「ウゲエ!!……え、何ィ!?」ズシン!!
玉美「身体が……『重い』!?これは……!?」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
エコーズACT3『真ッ昼間カラ、大ノ大人ガ暴レテルンジャアナイゼ。……大人シクシテナ、オラ』
玉美「こッ!!『これ』はッ!!この『スタンド能力』はッ!!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
康一「アレッ!?玉美さん?おもいっきり攻撃しちゃったよ……ゴメンね?」
玉美「康一どのォ——ッ!?」
バ——z__ン!!
256 : 2014/08/16(土) 23:19:54.89- 康一「いきなり走ってくるもんだからさあ。由花子さんに当たったら危ないと思って、重くしちゃったよ。すぐに戻すから……」玉美「へ、へいっ!スミマセンどうも……」
康一「……けど、今のは玉美さんも悪いんだからね?もし由花子さんにぶつかったらどうするつもりだったの?ちゃんとしてよねーッ!……由花子さん、一人の身体じゃあないんだから……」
玉美「そ、それは、ヘイッ!申し訳ないっす!!」ペコリ
257 : 2014/08/16(土) 23:22:00.54- 由花子「康一くん?……どうかしたの?」スッ康一「ううん、何でもないよ由花子さん。……由花子さん大丈夫?しんどくない?平気?」
由花子「もう、康一くんったら心配性なんだから……あら、玉美じゃあないの。何してんの?地面にメリこんで」
玉美「ゆ、由花子どのッ!へへへ……今日もお似合いのご夫婦で!その様子だとお腹のお子さんもお元気なようですね!……って……」
玉美「それどころじゃあねーッ!!康一どのォーッ!!早く戻してくださいいいぃぃ~~ッ!!」ウエーン!
258 : 2014/08/16(土) 23:24:07.86- パシッ!!玉美「あっ!!」
噴上「——取ったッ!!おれが手に入れたぜ……封筒をよッ!!」
ズッダァーッ!!
玉美「裕也ッ!本体が追いつきやがったかッチクショーッ!!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
噴上「オメーに渡す訳にはいかねえな、玉美っ!こいつはおれが責任持って——」
ピタッ
噴上「警察に——……何?」
ググッ……!!
260 : 2014/08/16(土) 23:26:38.33- 噴上「足が……『動かない』!?……ハッ!」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
偽噴上「……やっぱおれってよ~~っ、カッコよくて……美しいよなあーっ。こうして面と向かって自分を見ると、改めてそう思うぜ……」
噴上「こいつはッ!!間田敏和ッ!!『サーフィス』かッ!!」
ド——ン!!
261 : 2014/08/16(土) 23:28:42.32- 噴上「クソッ!『スタンド』を解除しやがれッ間田ぁっ!」グググッ!間田「裕也……オメーも一枚噛んでんのか?まあなんだっていいが……ヒヒヒ、こいつはおれのもんだ」
パシッ
噴上「おい!そいつは警察に届けなきゃーなんねえ金だぜッ!オメーが持ってくんじゃあねーッ!」
間田「警察に、って事は……持ち主がわからない金だろ?そいつがおれの元に降ってきたんだ。だったらおれのモンでいいじゃあねーかッ!ヒヒッ!」
噴上「おめぇーらーっ……大金目にしちまったモンで、少しオカシくなってんぜ。……頭冷やせッ」
間田「うるせえッ!お前にわかるか?偉い編集者にペコペコ、漫画家先生にペコペコ、印刷会社にペコペコし続けるおれの気持ちかよッ!?こんなボーナスくらいもらわないとやっていけ——」
パシッ
262 : 2014/08/16(土) 23:30:05.26- 紙人間『良し取った』バンヒュゴーッ!!
間田「……えっ?」
噴上「んなッ!?またお前かッ!!紙の野郎!!」
バサバサバサァ——ッ!!
紙人間『紙の野郎?わかってないな。……『ペーパー・バック・ライター』だ。僕の事ならそう呼べ』
バン!!
263 : 2014/08/16(土) 23:32:48.02- 今回はここまでです。
次回投下は木曜日。で、この話完結です。遅くてすみませんです
最近のコメント